JP2835874B2 - リングレーザジャイロ装置 - Google Patents

リングレーザジャイロ装置

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JP2835874B2 JP27969390A JP27969390A JP2835874B2 JP 2835874 B2 JP2835874 B2 JP 2835874B2 JP 27969390 A JP27969390 A JP 27969390A JP 27969390 A JP27969390 A JP 27969390A JP 2835874 B2 JP2835874 B2 JP 2835874B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、例えば航空機の慣性航行装置等に角速度検
出器として使用されるリングレーザジャイロ装置に関す
る。
[従来の技術] 航空機等の慣性航行装置としては従来の機械的なジャ
イロスコープに代わって、大きさ及び製造コストの点で
有利なリングレーザジャイロ装置の開発が進められてい
る。
第7図は特開平2−122681合公報で開示されているレ
ーザとしてレーザダイオードを使用する従来の半導体リ
ングレーザ装置を示し、この第7図において、(1)は
レーザダイオード、(2)は埋め込み構造の導波管領域
であり、PN接合面は第7図の紙面に平行である。このレ
ーザダイオード(1)には可変抵抗器(3)を介して可
変電圧源(4)より電力が供給されている。(5)は光
ファイバを1回巻回した光ファイバループを示し、この
光ファイバループ(5)の一端部(5a)及び他端部(5
b)が夫々そのレーザダイオード(1)の一方の壁開面
(5a)及び他方の壁開面(5b)に結合されている。
この場合、そのレーザダイオード(1)の導波管領域
(2)がそれら壁開面(5a)及び(5b)となす角度θ
は、そのレーザダイオード(1)と光ファイバループ
(5)の光ファイバとの間のブリュースタ角をθとす
ると、 0<θ≦θ ‥‥(1) を充足するように設定され、且つそのレーザダイオード
(1)の壁開面(5a)及び(5b)には反射防止被膜が被
覆されている。
また、その光ファイバループ(5)の他端側には方向
性カップラ(6)が形成され、この方向性カップラ
(6)から2本の光ファイバ(7)及び(8)が分岐し
て、これら光ファイバ(7)及び(8)の出力端が夫々
読み取り装置(9)に導かれている。その光ファイバル
ープ(5)の中には時計方向CWに進行するレーザ光と反
時計方向CCWに進行するレーザ光とが混在しており。そ
の方向性カップラ(6)においてその時計方向に進行す
るレーザ光の一部(例えば数%)を一方のファイバ
(7)側へ取り込み、反時計方向に進行するレーザ光の
一部を他方の光ファイバ(8)側へ取り込み、それらを
取り込んだ2種類のレーザ光を読み取り装置(9)の内
部で混合して光電変換すると、それら2種類のレーザ光
のビート信号が得られる。
その光ファイバループ(5)が一方向に回転すると、
例えば時計方向に進行するレーザ光の周波数が増加する
のに対して反時計方向に進行するレーザ光の周波数が減
少するので、その読み取り装置(9)内で得られるビー
ト信号の周波数は大きくなる。従って、このビート信号
の周波数を検出することによりその光ファイバループ
(5)の回転角速度を検出することができる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、光ファイバのループをレーザダイオー
ドの光学共振器として用いた場合には、光ファイバ内の
レーリー散乱によりリングレーザジャイロ装置に特有の
ロックイン現象が顕著に発生する不都合がある。ロック
イン現象とは、回転角速度が0に近い領域で上記のビー
ト信号が消失し回転角速度が検出できなくなる現象をい
う。
さらに、光ファイバは曲げ半径を小さくすると伝送損
失が増加するため、光ファイバループ(5)の半径は或
る程度より小さくすることができないため、リングレー
ザ装置をより小型化することができない不都合がある。
本発明は斯かる点に鑑み、ロックイン現象が発生しに
くいと共により装置全体を小型化できるリングレーザジ
ャイロ装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明によるリングレーザジャイロ装置は、例えば、
第1図に示すように、環状の光路を形成するように配置
された第1及び第2のミラー(14a)(15a)と合波用ミ
ラー(18)と、該合波用ミラーの背後に配置された第3
のミラー(16a)及び受光素子(22)と、上記光路に沿
って配置された発光素子(19)と、を有し、上記第1及
び第2のミラーと合波ミラーによって上記発光素子の出
力光のための光学共振器が構成され、上記合波用ミラー
と上記第3のミラーとによって上記光路に沿って伝播す
る時計方向周りの光と反時計方向周りの光の干渉光が形
成され、該干渉光が上記受光素子によって検出されるよ
うに構成されたリングレーザジャイロ装置において、 上記第1、第2及び第3のミラー(14a)(15a)(16
a)は基板(12)の上面を削り取ることによって基板に
形成された凹部の壁面によって構成されていることを特
徴とするものである。
[作用] 斯かる本発明によれば、その第1のミラー(14a)と
第2のミラー(15a)と合波用ミラー(18)とでその発
光素子(19)の出力光の共学共振器が構成され、この光
学共振器の中に一方向に回る光と他方向に回る光とが混
在する。そして、例えばその一方向に回る光の一部がそ
の合波用ミラー(18)を透過する。一方、その他方向に
回る光の一部がその合波用ミラー(18)から例えばその
第3のミラー(16a)を介して再びその合波用ミラー(1
8)に戻り、その合波用ミラー(18)で反射される。従
って、その一方向に回る光の一部と他方向に回る光の一
部とが混合されてその受光素子(22)に供給されるの
で、その受光素子(22)からはその一方向に回る光の一
部と他方向に回る光の一部とのビート信号が得られる。
このビート信号の周波数はその光学共振器の回転角速
度の関数となるので、そのビート信号の周波数よりその
光学共振器の回転角速度を検出することができる。
さらに、一般にその光学共振器の長さはその発光素子
(19),(38)の波長の整数倍のときに最も効率が良好
である。基板(12)は温度制御素子(11)を介して放熱
板(10)に取り付けられているから、受光素子(22)の
受光レベルが所定レベルになるようにその基板(12)を
膨張又は収縮させることにより、その光学共振器の共振
の程度を所望の程度に設定することができる。さらに、
受光素子(22)の検出出力の直流レベルが最大になるよ
うにその温度制御素子(11)を制御し、基板(12)を膨
張又は収縮させるようにした場合には、その光学共振器
の長さをその発光素子の波長の整数倍に維持することが
できる。
[実施例] 以下、本発明によるリングレーザジャイロ装置の一実
施例につき第1図〜第5図を参照して説明しよう。本例
は発光素子としてレーザダイオードを使用する半導体リ
ングレーザジャイロ装置に本発明を適用したものであ
る。
第1図は本例のリングレーザジャイロ装置を示し、こ
の第1図において、(10)は正方形の板状の放熱板、
(11)はそれより小さい正方形の板状のペルチェ素子、
(12)はシリコン基板よりなるジャイロ基板であり、そ
の放熱板(10)の上にそのペルチェ素子(11)を介して
そのジャイロ基板(12)を固定する。このジャイロ基板
(12)の形状は一辺の長さWが3cm程度の正方形であ
り、その厚さTは1mm程度である。
(13)は凸状の保護カバーを示し、この保護カバー
(13)をその放熱板(10)上にそれらペルチェ素子(1
1)及びジャイロ基板(12)を覆うように載置して固定
することにより、それらペルチェ素子(11)及びジャイ
ロ基板(10)を密封する。その保護カバー(13)の内部
は真空にするか、又はヘリウム等の不活性ガスを充填す
る。これによりその保護カバー(13)の内部のレーザ光
のゆらぎが防止されると共に、そのジャイロ基板(12)
が外気から遮断されて温度調整が容易になる。
そのジャイロ基板(12)の表面には、3箇所のミラー
形成部(14),(15)及び(16)を除いてエッチングに
より深さdまで削り取ることにより光学共振器面(17)
を形成する。その深さdは100μm程度である。また、
それらミラー形成部(14),(15)及び(16)の夫々の
深さdの壁の部分に金属(例えば金,銅等)をコーティ
ング(例えばスパッタリングにより)することによりミ
ラー面(14a),(15a)及び(16a)を形成する。これ
らの面(14a)〜(16a)は夫々そのジャイロ基板(12)
の中央部に対面するようにしておく。
これらのミラー面はエッチングにより形成されている
ので面は通常のミラーに比べて粗いが、一般にレーザダ
イオードは反射率が40%程度もあれば発振するので、そ
れらのミラー面(14a)〜(16a)は多少粗くとも差し支
えない。従って、これらのミラー面(14a)〜(16a)に
は必ずしも金属をコーティングすることなく、シリコン
基板の地肌のままでもよい。なお、そのミラー面(14
a)〜(16a)の粗さをできるだけ良好にするにはエッチ
ングとしてウェットエッチ又はイオンビームエッチ等を
用いるとよい。また、金属をコーティングする場合に
は、ミラー面だけでなくその周囲の部分を含めて同時に
金属をコーティングすると作業性がよい利益がある。
それらミラー面で囲まれた光学共振器面(17)上のミ
ラー面(16a)の近傍の略矩形の領域(17a)がモジュー
ル領域、(18)は若干の光透過性を有する合波ミラーで
あり、この合波ミラー(18)の反射面(18a)は反射率
が90%を超えると共に、数%〜0.5%程度の透過率を有
するようにする。そして、そのモジュール領域(17)a
上にその合波ミラー(18)を固定して、第1のミラー面
(14a)と第2のミラー面(15a)とその合波ミラー(1
8)の反射面(18a)とが光学共振器を構成するようにそ
の反射面(18a)の角度を調整する。即ち、それらミラ
ー面(14a)及び(15a)並びにその合波用ミラー(18)
の反射面(18a)で夫々反射するレーザビームが1個の
閉じた3角形の光路(光学共振器の光路)LBを形成する
ようにする。このレーザビームは後述のレーザダイオー
ド(19)と3角形の光路で形成される光学共振器とで生
成されるものである。
(19)は両端面に反射防止膜が形成されたレーザダイ
オード、(20)はイットリウム鉄ガーネット(YIG)結
晶等よりなるファラデー素子、(21)はコイル、(22)
はフォトダイオードよりなる受光素子であり、第2のミ
ラー面(15a)と反射面(18a)との間のそのモジュール
領域(17a)上でその光学共振器の光路LBと光軸が一致
するようにレーザダイオード(19)を固定する。レーザ
ダイオード(19)の両端面に反射防止膜を形成するの
は、そのレーザダイオード(19)の内部反射を防止して
レーザダイオードが単体で光学共振器を構成するのを防
止するためである。
また、そのレーザダイオード(19)の光軸の延長上で
且つその合波ミラー(18)の反射面(18a)と反対側の
面に向かうようにその受光素子(22)を形成する。本例
のジャイロ基板(12)はシリコン基板であるので、その
受光素子(22)はそのジャイロ基板(12)と一体的に形
成することができる。そのレーザダイオード(19)には
図示省略した自動パワー制御回路より電流を供給し、例
えばその受光素子(22)の出力の直流レベルの最大値が
所定範囲に収まるようにその電流を制御する。
また、その第1のミラー面(14a)と反射面(18a)と
の間のそのモジュール領域(17a)上でその光学共振器
の光路LBと光軸が一致するようにファラデー素子(20)
を固定して、そのファラデー素子(20)の近くにそのフ
ァラデー素子(20)の光軸方向に磁界を付与するための
コイル(21)を取り付ける。通常ファラデー素子は入力
光を90゜旋光させるために使用されるが、本例のファラ
デー素子(20)は内部を通過するレーザビームを数度程
度旋光させるだけで充分であるため、そのファラデー素
子(20)の光軸方向の長さは1mmて程度もあればよい。
第2図を参照して本例のジャイロ基板(12)上のミラ
ー面(14a)〜(16a)等の位置関係につき説明するに、
第1のミラー面(14a)と第2のミラー面(15a)とのな
す角度をβ1、第2のミラー面(15a)と第3のミラー
面(16a)とのなす角度をβ5として、ミラー面(14
a),(15a)及び合波ミラー(18)の反射面(18a)に
対する光学共振器の光路LBに沿うレーザビームの入射角
を夫々β3,β2及びβ4とする。
この場合、先ず次の関係式が成立する。
2(β2+β3+β4)=180゜ ‥‥(2) 同様にβ1+(90゜−β2)+(90゜−β3)=180
゜が成立しているので、次の関係式が成立する。
β1=β2+β3 ‥‥(3) また、その光学共振器の光路LBの中には時計方向CWに
進行するレーザビームと反時計方向CCWに進行するレー
ザビームとが混在しているが、その内の反時計方向に進
行するレーザビームのその合波ミラー(18)の反射面
(18a)上の点P1で透過する成分を受光素子(22)の受
光面上の点P2に照射させると共に、時計方向に進行する
レーザビームのその反射面(18a)上の点P1で透過する
成分をその第3のミラー面(16a)の点P3に垂直に入射
させるものとする。
この場合、その反射面(18a)の反射率は90%以上で
あるのでその第3のミラー面(16a)の点P3で反射され
たレーザビームはその反射面(18a)の点P1で大部分が
反射されてその受光素子(22)の点P2に進む。従って、
この受光素子(22)の点P2において、その光学共振器の
光路LB中を時計方向に進行するレーザビームの一部と反
時計方向に進行するレーザビームの一部とが混合され、
その受光素子(22)で干渉信号であるビート信号が検出
される。
また、その第3のミラー面(16a)に対してレーザビ
ームが垂直に入射することから、角度β5に関して次式
が成立する。
β5+90゜+2β3+90゜+β2=360゜ ‥‥(4) 上述のように角度β1〜β5の間には3個の条件式が
存在するので、それらの角度β1〜β5の内で任意に設
定できるのは2個であり、残りの3個の角度は条件式
(2)〜(4)に基づいて決定される。また、最も単純
な角度β1〜β5の決定方法はその光学共振器の3角形
の光路LBを正3角形の光路にすることであるが、この場
合にはβ1は60゜,β2〜β4は夫々30゜,β5は90゜
になる。
第3図は本例の信号処理回路の構成を示し、この第3
図において、(23)は電流−電圧変換回路を示し、受光
素子(22)の検出電流をこの電流−電圧変換回路(23)
を介してビート信号S1に変換する。このビート信号S1は
光学共振器中を時計方向に進行するレーザビームと反時
計方向に進行するレーザビームとの干渉信号(第4図
A)であり、このビート信号S1を低域通過フィルタ回路
(24)及び波形整形回路(25)に供給する。低域通過フ
ィルタ回路(24)においてはそのビート信号S1の略直流
レベルに対応するレベル信号S2(第4図B)が生成さ
れ、このレベル信号S2を波形整形回路(25)及びペルチ
ェ素子用のドライブ回路(26)に供給する。
ドライブ回路(26)はそのレベル信号S2が最大になる
ようにペルチェ素子(11)を駆動する。リング状の光学
共振器は閉じた光路の長さ(厳密には更に光路の屈折率
を乗じた値)がレーザ光の波長λの整数倍であるときに
最も出力が大きくなり動作が安定するが、何等温度制御
を行わないときにはその光路の長さはジャイロ基板(1
2)の光学共振器面(17)の膨張又は収縮等により変化
してその出力反安定しにくい。また、そのビート信号S1
の直流レベルは本例の光学共振器中のレーザビームの強
度に比例するとみなせるので、本例ではビート信号S1の
直流レベルが最大になるようにそのジャイロ基板(12)
の伸縮率を制御することにより、常に光学共振器の出力
が最大になるようにしている。
波形整形回路(25)はそのビート信号S1をレベル信号
S2でスライスして2値化したデジタルのビート信号S3
(第4図C)を生成し、このビート信号S3をデータセレ
クタ(27)の入力部に供給する。(28)はアップダウン
カウンタを示し、そのデータセレクタ(27)の一方の出
力部及び他方の出力部を夫々そのカウンタ(28)のアッ
プ計数端子及びダウン計数端子に接続し、このカウンタ
(28)の計数出力をラッチ回路(29)を介して中央処理
ユニット(以下「CPU」と称する)(30)に供給する。
(31)は所定周波数の矩形波の切り替え信号S4(第4
図D)を発生する発振回路を示し、この切り替え信号S4
の周波数は例えば100Hz〜1kHz程度に設定する。この切
り替え信号S4をデータセレクタ(27)の切り替え端子、
ラッチ回路(29)のクロック端子、CPU(30)及びコイ
ル用のドライブ回路(32)に供給する。そのデータセレ
クタ(27)はその切り替え信号S4がハイレベル“1"であ
るときに、ビート信号S3をアップパルスSU(第4図E)
としてカウンタ(28)のアップ計数端子に供給し、その
切り替え信号S4がローレベル“0"であるときにそのビー
ト信号S3をダウンパルスSD(第4図F)としてそのカウ
ンタ(28)のダウン計数端子に供給する。
また、ラッチ回路(29)はその切り替え信号S4の各立
ち上がりの時点におけるカウンタ(28)の計数値C1を保
持し、ドライブ回路(32)はコイル(21)にその切り替
え信号S4に応じた電流を供給する。これにより、そのコ
イル(21)の近傍のファラデー素子(20)の内部にはそ
の切り替え信号S4がハイレベル“1"のときには例えば光
学共振器の時計方向の磁界が加えられ、その切り替え信
号S4がローレベル“0"のときにはその光学共振器の反時
計方向の磁界が加えられる。そのファラデー素子(20)
の内部に光学共振器の時計方向の磁界が加えられると、
その時計方向に進行するレーザビームの位相が変化し、
光学共振器の反時計方向の磁界が加えられると、その反
時計方向に進行するレーザビームの位相が変化する。従
って、その交流磁界が加えられたファラデー素子(20)
により受光素子(22)で検出されるビート信号S1の周波
数は第4図Aに示すようにその切り替え信号S4の周期で
変化する。
第5図を参照して第1図例の回転角速度の検出動作に
つき説明するに、そのジャイロ基板(12)上のミラー面
(14a),(15a)及び合波ミラー(18)の反射面(18
a)により構成される光学共振器の回転角速度(角周波
数)をΩ、その受光素子(22)で検出されるビート信号
S3の周波数をΔfとする。この場合、そのファラデー素
子(20)に磁界が加えられていない状態では、その光学
共振器の光路LBで囲まれる面積をS、そのレーザダイオ
ード(19)の波長をλ、光路の長さをLとすると、次の
関係がある。
Δf=4SΩ/(λL) ‥‥(5) この関係は第5図の破線(33)のようになる。特に本
例では光ファイバが使用されておらず、ロックイン現象
が比較的発生しにくいので、式(5)の関係に基づいて
ビート信号の周波数Δfより比較的高い精度で回転角速
度Ωを求めることができる。
ただし、本例でもミラー面(14a),(15a)及び反射
面(18a)におけるレーザビームの若干の散乱によりロ
ックイン現象が僅かながら発生する虞があるので、より
高精度に回転角速度を検出するにはそのロックイン現象
を補正する必要がある。この場合、回転角速度Ωの絶対
値が0でないにも拘らずそのビート信号の周波数Δfが
0になる領域であろロックイン領域を第5図の(35)で
表すと、その周波数Δfと回転角速度Ωとの関係は実線
(34)のように表すことができる。
そして、本例では第3図の信号処理回路中のドライブ
回路(32)を動作させてファラデー素子(20)の内部に
切り替え信号S4と同じ周期で方向が反転する磁界を加え
る。これによりその光学共振器の回転角速度には一種の
疑似的なバイアスfBが与えられたことになるので、ビー
ト信号の周波数Δfと実際の回転角速度Ωとの間の関係
はその信号S4の周期で第5図の実線(36)と実線(37)
との間を移り替わるようになる。
具体的に実際の光学共振器の回転角速度Ωがロックイ
ン領域(35)の内部のΩx(>0)であるとすると、そ
れに対応するビート信号の周波数は夫々Δf1及びΔf2
なり、バイアス周波数をΔfB、−ΔfBとすると回転角速
度Ωによる周波数差をfΩとして、 Δf1=ΔfB+fΩ ‥‥(6) Δf2=−ΔfB+fΩ ‥‥(7) |Δf1|>|Δf2| ‥‥(8) が成立している。そして、|Δf1|−|Δf2|が破線(3
3)で求められるfΩの2倍であることから、その周
波数の絶対値の差分(|Δf1|−|Δf2|)の1/2を式
(5)に代入することにより、実際の回転角速度Ωを正
確に検出することができる。この場合、第3図例のデー
タセレクタ(27)を切り替え信号S4を用いて切り替える
と、この切り替え信号S4の1周期内のアップパルスSUの
パルス数がその周波数Δf1に比例し、ダウンパルスSDの
パルス数がその周波数Δf2に比例するので、ラッチ回路
(29)で保持される計数値C1がその周波数の絶対値の差
分(|Δf1|−|Δf2|)に比例する。従って、CPU(3
0)ではその計数値C1を逐次取り込んで所定の係数を乗
ずることにより現在の実際の回転角速度Ωを求めること
ができる。
なお、上述実施例ではモジュール領域(17a)はジャ
イロ基板(12)の一部であるが、このモジュール領域
(17a)内の光学部品は他の別体の基板上に形成するよ
うにしてもよい。この場合は、そのジャイロ基板(12)
の表面の一部を予め深く削っておき、その別体の基板を
ジャイロ基板(12)の深く削った面上に固定することに
なるが、このように別体の基板上に光学部品を形成する
ことにより位置決め等が容易になる。
次に第6図を参照して本発明の他の実施例につき説明
する。この第1図に対応する部分に同一符号を付して示
す第6図において、(38)はレーザダイオードであり、
このレーザダイオード(38)のレーザビームの出力面は
光学共振器の光路LBに対してブリュースタ角をなすよう
に傾斜させる。また、(39)は薄膜状のファラデー素子
を示し、そのレーザダイオード(38)の一方の出力面に
そのファラデー素子(39)を蒸着等により形成して、そ
の近傍にコイル(21)を配する。この場合、そのファラ
デー素子(39)のレーザビームの出力面もその光路LBに
対してブリュースタ角をなすように傾斜させる。
また、(39)はミラーであり、このミラー(39)は合
波ミラー(18)から漏れてくるレーザビームをそのまま
その合波ミラー(18)を介して受光素子(22)に導く。
他の構成は第1図例と同様である。本例ではこの第6図
の構成要素を予め一枚の基板上にモジュール構成で形成
し、その後に第1図のジャイロ基板(12)上に位置決め
しながら固定する。
第6図例ではレーザダイオード(38)及びファラデー
素子(39)のレーザビームの出力面が夫々光路LBに対し
てブリュースタ角に設定されているので、第6図の紙面
に平行な偏光成分はそれら素子(38),(39)の表面で
は反射することなくそのまま光学共振器の光路LB中に出
力される。従って、そのレーザダイオード(38)の発振
モードが第6図の紙面に平行な偏光成分になるように選
択することにより、その光学共振器の光路LB中のレーザ
ビームの強度を最大にすることができる。
なお、本発明は上述実施例に限定されず本発明の要旨
を逸脱しない範囲で種々の構成を採り得ることは勿論で
ある。
[発明の効果] 本発明によれば、光ファイバが使用されていないの
で、光ファイバの内部散乱に起因するロックイン現象が
生じない利益がある。また、第1のミラーと第2のミラ
ーと合波用ミラーとで発光素子の出力光の光学共振器を
構成するようにしているので、それらミラーの間隔を狭
くすることによりその光学共振器ひいてはリングレーザ
ジャイロ装置を所望の程度まで小型化できる利益があ
る。
基板は温度制御素子を介して放熱板に取り付けられて
いるから、例えば、受光素子の受光レベルが所定レベル
になるようにその基板を膨張又は収縮させることによ
り、その光学共振器の共振の程度を調整することができ
る。
さらに、受光素子の検出出力の直流レベルが最大にな
るようにその温度制御素子を制御するようにした場合に
は、その光学共振器の長さをその発光素子の波長の整数
倍に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるリングレーザジャイロ装置の一実
施例を示す一部を切り欠いた斜視図、第2図はその一実
施例のジャイロ基板(12)の平面図、第3図はその一実
施例の信号処理回路の構成図、第4図は第3図例の各部
信号波形を示す信号波形図、第5図はロックイン現象の
説明に供する線図、第6図は本発明の他の実施例の要部
を示す構成図、第7図は従来の半導体リングレーザ装置
を示す構成図である。 (10)は放熱板、(11)はペルチェ素子、(12)はジャ
イロ基板、(14a),(15a),(16a)は夫々ミラー
面、(17a)はモジュール領域、(18)は合波ミラー、
(19)はレーザダイオード、(20)はファラデー素子、
(38)はレーザダイオード、(39)はファラデー素子で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−312686(JP,A) 特開 昭55−26695(JP,A) 特開 昭54−123893(JP,A) 特開 平2−122681(JP,A) 特開 昭59−66181(JP,A) 特開 昭61−93686(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01S 3/083 G01C 19/64 - 19/72

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状の光路を形成するように配置された第
    1及び第2のミラーと合波用ミラーと、該合波用ミラー
    の背後に配置された第3のミラー及び受光素子と、上記
    光路に沿って配置された発光素子と、を有し、上記第1
    及び第2のミラーと合波ミラーによって上記発光素子の
    出力光のための光学共振器が構成され、上記合波用ミラ
    ーと上記第3のミラーとによって上記光路に沿って伝播
    する時計方向周りの光と反時計方向周りの光の干渉光が
    形成され、該干渉光が上記受光素子によって検出される
    ように構成されたリングレーザジャイロ装置において、
    上記第1、第2及び第3のミラーは基板の上面を削り取
    ることによって基板に形成された凹部の壁面によって構
    成されていることを特徴とするリングレーザジャイロ装
    置。
  2. 【請求項2】上記合波ミラー、発光素子及び受光素子は
    モジュールとして第2の基板に配置され、該第2の基板
    は上記基板の凹部の底面に装着されていることを特徴と
    する請求項1記載のリングレーザジャイロ装置。
  3. 【請求項3】上記基板は温度制御素子を介して放熱板に
    取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のリ
    ングレーザジャイロ装置。
  4. 【請求項4】上記受光素子の検出出力の直流レベルが最
    大になるように上記温度制御素子が制御されるように構
    成されていることを特徴とする請求項3記載のリングレ
    ーザジャイロ装置。
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