JP2835653B2 - 2個の調節自在なベンチュリー溝部を有するベンチュリー洗浄器 - Google Patents

2個の調節自在なベンチュリー溝部を有するベンチュリー洗浄器

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、スロットルを有する流管と流管の上方に配
置された少なくとも1個の洗浄液供給装置とからなる差
圧洗浄器に関するものである。
工業過程からの排気ガスは一般的にガスと蒸気と粉塵
との混合物である。粉塵部分(すなわち分散部分)はキ
ャリヤガス中に固体状としても液体状としても存在しう
る。ガス状分散剤からのガス状成分の分離と同様に、固
体もしくは液体粒子の分離も物質分離の過程に属する。
ガス流および噴出洗浄液の加速および減速により、ガス
と粉塵と液滴とは互いに強度に掻き混ぜられる。これに
より、粉塵粒子は極めて急速に濡らされて化学反応を加
速する。分離過程に必要とされるエネルギーは、精製す
べきガスの流動エネルギーから採取される。特に冷却せ
ねばならない熱ガスを問題とする場合は、さらに凝縮過
程をも利用し、これはエンタルピー減少および凝縮核と
しての粉塵粒子の利用を特徴とする。
流動エネルギーの1部は、洗浄液と分散剤との間の交
換作用の結果として喪失する。その際、不可避的に生ず
る摩擦はエネルギー消失をもたらし、すなわち圧力損失
とガスの流動方向における付加的な圧力低下とをもたら
す。
物質分離の困難度と共に、エネルギー消費も増大する
ことは勿論である。したがって、ガス精製を高度に要求
する際は、大きいガス速度にて流過する洗浄器が用いら
れる。
この湿式精製器を、そこに生ずる大きい圧力差のため
「差圧洗浄器」と称する。
最も頻繁に用いられる差圧洗浄器はベンチュリー洗浄
器であって、これには多くの実施形態が存在する。この
種の洗浄器の典型的なものはベンチュリー管であって、
その最も狭い断面(すなわちスロットル)には洗浄液が
軸方向噴出により或いは横方向噴出により極く僅かな圧
力にて導入される。ガス流の高剪断作用により、液体粒
子は微細液滴まで破断される。スロットルにおける高い
ガス加速およびこれによって生じた高い粉塵粒子と液滴
との間の相対速度は、ベンチュリー洗浄器の極めて良好
な分離能力の基礎となる。分離性能に応じ、圧力損失は
3,000〜20,000パルカルの範囲となる。これはガス速度
に依存すると共に噴出される洗浄液量にも依存する。
分離性能と流速との結合により、ベンチュリー洗浄器
は負荷変動に対して極めて強度に反応する。工業的には
ベンチュリー溝部の断面変化によりこの問題に遭遇し、
ここで構部断面の矩形であると共に長手壁部は調整自在
である。しかしながら、負荷変動の問題は未濾過空気も
しくは大気の吸引によっても生じうる。しかしながら遭
遇する負荷変動に関するこれら両問題は高い構造経費に
結び付く。
差圧洗浄器の他の技術はリングスロット洗浄器であ
る。この場合、中心装着した円錐状変位体の垂直方向移
動により、たとえばハウジングと一緒にリングスロット
を形成する球状かつ軸方向移動しうる調整体による断面
変化が計画される。球状変位体とハウジングとの間の流
過リング室は洗浄液と精製すべきガスとの混合帯域とし
て作用する。比較的小さい調整自在なリングスロットに
基づき散水密度とガス流速とが著しく大となり、これは
洗浄につき極めて重要である。
しかしながらリングスロット洗浄器の欠点はその異常
に高い制作コストである。何故なら、特に円錐状もとく
は球状の変位体は比較的複雑に作成され、リングスロッ
ト洗浄器はベンチュリー洗浄器と比べ増大した設置場所
を必要とするからである。さらに、リングスロット洗浄
器の分離性能はベンチュリー洗浄器と比較して貧弱であ
り、これは特に凝縮−および昇華粉塵を有するガスの洗
浄に際し顕著となる。
したがって本発明の課題は、高い圧力損失なしに極め
て良好な分離性能を有し、したがって負荷変動に対し迅
速に調整しうると共に、簡単な制作手段により実現しう
るような差圧洗浄器を開発することにある。
本発明によればこの課題は、流管に存在するスロット
ルがその最も狭い箇所の領域にてほぼ矩形断面の形状の
スロットを有し、流動方向にてスロットの背後には変位
体を配置して、これを全スロット長さにわたり延在させ
ると共に、スロット上に接近離間移動しうるよう支持
し、スロットルの壁部と変位体外壁部との間にはほぼ平
行に走る2本のベンチュリー溝部を形成させると共に変
位体の移動により両ベンチュリー溝部の断面を選択的に
調整しうるよう構成して解決される。
この手段により、従来の流管もしくはベンチュリー管
にて大した制作コストなしにスロットルの領域にて断面
変化をもたらし、2個の正確に調整しうるベンチュリー
溝部を生ぜしめることができる。これは負荷変動を極め
て迅速かつ簡単に処理しうるという利点を有する。さら
に、変位体は極めて簡単かつ原理的に好ましい形状をも
有する。
制作コストを低く抑えるには、好ましくは流管にスロ
ットルを形成する2本の横チューブを配置する。典型的
には流管と全く同様にほぼ円形の断面を有するこれら横
チューブは、流管に全体的または部分的に突入する。そ
の際、市販のチューブを用いることができる。その制作
は特定の構造部品郡に属する。
構造部材としての上記チューブの使用により、大きい
差圧にかけねばならない差圧洗浄器の場合にもコスト上
有利な制作が可能となる。
流動メカニズムにて最も有利なガス流動を達成するに
は、好適具体例において流れ方向にスロットの前および
/またはスロットの背後には流管内壁と横チューブ外套
面との間に案内板を設ける。
好ましくは変位体はチューブ状であって、円形断面を
有する。この種の中空円筒状の変位体を構造部材として
使用することにより、コスト上有利な制作が可能とな
り、この場合も市販のチューブを使用することができ
る。
しかしながら、他の形状を有する変位体を用いること
も可能であり、特に密実シリンダ状の変位体の使用も考
えられる。
好ましくは、変位体はその前端部をそれぞれ隣接する
流管内壁領域に当接させる。
好適具体例において、変位体の前端部には切欠部を設
けると共に隣接する流管内壁領域には補完的な案内レー
ルを配置する。この特徴は変位体の正確な軸方向移動を
容易化させると共に、両ベンチュリー溝部正確な調整を
容易化させる。
他の好適具体例において、スロットルは変位体により
完全に閉鎖自在である。これにより差圧洗浄器は同時に
遮断弁としても使用することができ、これは洗浄液の液
面により移動する変位体に対し完全に気密閉鎖される。
かくしてガス遮断スライダを省略することができる。
さらに変位体はスピンドルドライブを介し調整自在と
することもでき、このドライブは典型的にはハンドルな
どにより手動で変位することができる。
しかしながら、変位体を圧力に応じ機械的に制御する
ことも可能である。好適具体例においては、流管および
/または横チューブおよび/または変位体および/また
は案内板を耐腐食性の熱可塑性プラスチック、たとえば
ポリプロピレンまたはポリ塩化ビニルから、処理可能な
半製品を用いて作成する。
鋼材または特殊鋼からの差圧洗浄器の制作も可能であ
る。
好ましくは、洗浄液の供給は少なくとも1個の施回ノ
ズルによって行われる。
好適には洗浄液は流れ方向に対し平行に供給される
が、洗浄液を流動方向に対し傾斜させ或いは垂直方向に
て行うことも考えられる。
以下、添付図面を参照して本発明を実施例により詳細
に説明する。
第1図は差圧洗浄器の縦断図面であり、 第2図は第1図のI−I線断面図であり、 第3図は第1図のII−II線断面図であり、 第4図は第1図のベンチュリー溝部の領域における拡
大詳細図である。
図面を参照して差圧洗浄器は流管7で構成され、この
流管は第3図から見られるように円形断面を有すると共
に、差圧洗浄器のほぼ中心に配置されたスロットル1を
備える。このスロットル1は、流管7にほぼ完全に突入
する2本の横チューブ8により実現される。横チューブ
8は、第1図および第4図に見られるように円形断面を
有する。
流管7の直径と横チューブ8の直径との比は約2:1で
ある。
スロットル1はその最も狭い箇所の領域に、第3図か
ら見られるようにほぼ矩形断面の形状のスロット2を有
する。このスロットは完全には矩形でなく、スロット幅
は若干湾曲すると共に流管内壁部の湾曲によって与えら
れる。
第1図、第2図および第4図の上側に矢印で示した流
動方向にて、変位体3はスロット2の背後に配置され
る。この変位体3はここに示した実施例においてチュー
ブ状であり、すなわち原理的には円形断面を有する中空
シリンダである。変位体3の直径と横チューブ8との直
径との比は約1:3である。
変位体3は全スロット長さにわたり延在すると共に、
スロット2上にこれに対し接近離間移動するよう支持さ
れる。図示した実施例において、変位体3はスピンドル
ドライブ13を介し変位自在である。このスピンドルドラ
イブ13はハンドル15を介し手動操作される。
スロットル1の壁部4と変位体外壁部5との間には、
ほぼ平行に走る2本のベンチュリー溝部6が存在する。
変位体3の移動により、これら両ベンチュリー溝部6の
断面は選択的に調整自在となる。
第4図はスロットル1の内部における変位体3の2つ
の異なる調整位置を拡大して詳細に示す。スロットル1
に対し変位体3がより接近するほど、両ベンチュリー溝
部6のスロット幅が狭くなる。
横チューブ8と変位体3との直径は、変位体3がスロ
ットル1を極端な場合には完全に閉鎖しうるよう互いに
調和させる。
流動方向にてスロット2の前にもスロットルの背後に
も、流管の内壁部と横チューブ外套面との間には案内板
9を設ける。
第3図から見られるように、変位体3をその前端部10
にてそれぞれ隣接する流管内壁領域に当接させる。さら
に変位体3の前端部10には切欠部11を存在させ、それぞ
れ隣接する流管内壁領域に対し補完的な案内レール12を
配置する。
スロットル1の上方に洗浄液を供給する2個の施回ノ
ズル14を位置せしめ、こりれらノズルは洗浄液の供給が
流動方向に対し平行となるよう調整される。
第1図から見られるように、流管7はほぼL字型に突
出して、ここにフランジ16を設け、このフランジには遠
心分離器を連結することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 47/10

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベンチュリー管を含む差圧洗浄器であっ
    て、 該ベンチュリー管は、流動方向にて最小断面に収斂し、
    それから拡開する側壁(4)を備え、それにより形成さ
    れるスロットル(1)は、その最小断面において実質的
    に矩形スロット(2)の形状を示し、外壁(5)を有す
    る変位体(3)が、スロット(2)の下流に配置されて
    スロット(2)の全体の長さに亘って延在し、かつ、ス
    ロット(2)に対して接近離間移動できるように取付け
    られ、2つの実質的に平行なベンチュリー溝(6)が、
    スロットル(1)の拡開する側壁(4)と変位体(3)
    の外壁(5)の間に形成され、この2つのベンチュリー
    溝(6)の断面は、変位体(3)を移動させることによ
    り調節でき、少なくとも一つの洗浄液供給装置が、スロ
    ットル(1)の上方に取り付けられているものに於い
    て、 ベンチュリー管は、1つの流管(7)により形成され、
    2つの横チューブ(8)が、流管(7)内に配置されて
    スロットル(1)を形成することを特徴とする差圧洗浄
    器。
  2. 【請求項2】2つの横チューブ(8)の各々が、実質的
    に円形の断面を有することを特徴とする請求の範囲第1
    項記載の差圧洗浄器。
  3. 【請求項3】横チューブ(8)と、完全に又は部分的に
    流管(7)を貫通することを特徴とする請求の範囲第1
    項記載の差圧洗浄器。
  4. 【請求項4】流管(7)が実質的に円形の断面を有する
    ことを特徴とする請求の範囲第2項記載の差圧洗浄器。
  5. 【請求項5】流管(7)が実質的に円形の断面を有する
    ことを特徴とする請求の範囲第1項記載の差圧洗浄器。
  6. 【請求項6】案内板(9)が、スロット(2)の上流お
    よび/または下流において流管の内壁と横チューブの外
    套面との間に配置されたことを特徴とする請求の範囲第
    1項記載の差圧洗浄器。
  7. 【請求項7】変位体(3)がチューブ状であることを特
    徴とする請求の範囲第1項記載の差圧洗浄器。
  8. 【請求項8】変位体(3)が実質的に円形の断面を有す
    ることを特徴とする請求の範囲第7項記載の差圧洗浄
    器。
  9. 【請求項9】変位体(3)の前端部(10)が、それぞれ
    隣接する流管内壁領域に当接していることを特徴とする
    請求の範囲第1項記載の差圧洗浄器。
  10. 【請求項10】切欠部(11)が、変位体(3)の前端部
    (10)に設けられ、それらに対応した案内レール(12)
    が、隣接する流管内壁領域に配置されていることを特徴
    とする請求の範囲第1項記載の差圧洗浄器。
  11. 【請求項11】スロットル(1)が、変位体(3)によ
    り完全に閉鎖できることを特徴とする請求の範囲第1項
    記載の差圧洗浄器。
  12. 【請求項12】変位体(3)が、スピンドルドライブ
    (13)を介して変位自在であることを特徴とする請求の
    範囲第1項記載の差圧洗浄器。
  13. 【請求項13】変位体(3)が、手動により変位自在で
    あることを特徴とする請求の範囲第1項記載の差圧洗浄
    器。
  14. 【請求項14】変位体(3)が、圧力に応じ機械的に制
    御自在であることを特徴とする請求の範囲第1項記載の
    差圧洗浄器。
  15. 【請求項15】流管(7)および/または横チューブ
    (8)および/または変位体(3)および/または案内
    板(9)が、耐腐食性の熱可塑性プラスチックから成る
    ことを特徴とする請求の範囲第1項記載の差圧洗浄器。
  16. 【請求項16】洗浄液の供給を少なくとも1個の施回ノ
    ズル(14)により行うことを特徴とする請求の範囲第1
    項記載の差圧洗浄器。
  17. 【請求項17】洗浄液の供給を流動方向に対し平行に行
    うことを特徴とする請求の範囲第1項記載の差圧洗浄
    器。
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