JP2831297B2 - 表面性状の優れたステンレス薄帯板の製造方法 - Google Patents

表面性状の優れたステンレス薄帯板の製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一対の冷却ドラムによ
って形成された湯溜り部に溶湯を供給して薄帯鋳片に鋳
造する双ドラム式連続鋳造法に関し、特に薄帯鋳片を鋳
造に続いてインラインで圧延して薄帯板を製造する方法
において、前記冷却ドラムの周面に加工する窪みの深さ
を所定範囲に制御することによって表面品質の優れた薄
帯板を得る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】双ドラム式連続鋳造法において、冷却ド
ラムの周面に窪みを加工することによって鋳片の表面割
れ発生を防止する方法が、例えば特開平1−8334
0、特開平2−224852等によって知られている。
【0003】このような冷却ドラムを使用して、例えば
2 等の溶湯に可溶な非酸化性ガス雰囲気下で鋳造する
と、鋳片の割れ発生は防止できるが、鋳造に続いてイン
ラインで圧下率5%〜60%の圧延を実施すると、圧延
後の薄帯板にスケール噛み込み疵が生じる。
【0004】この疵は、冷却ドラムの周面に加工した窪
みによって生じた鋳片表面の凸転写部が、圧延時に倒れ
込んで生じるものと考えられる。この疵は、内部にスケ
ールを噛み込んでいるため、その後に冷延して得られた
薄板製品でも残存する。
【0005】またこの疵は、鋳造に続いてインラインで
の圧延を実施しない場合は、スケールの噛み込みがなく
問題とならない。また、インラインでの圧延を実施する
場合でも鋳造から圧延までを完全に無酸化雰囲気で実施
すれば、スケールの噛み込みを防止できると考えられる
が、高温下で鋳片表面の酸化を完全に防止する程の無酸
化雰囲気を得ることは実用的でない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、双ドラム式
連続鋳造によって鋳造した薄帯鋳片を鋳造に続いてイン
ラインで圧延して薄帯板を製造する方法において、鋳片
の表面割れ発生を防止するとともに、圧延時に発生する
スケール噛み込み疵を防止し、表面性状の優れた薄帯板
を製造することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、一対の冷却ドラムによって形成された湯
溜り部に溶湯を供給して薄帯鋳片に鋳造し、続いて前記
薄帯鋳片をインラインで圧下率5%〜60%の圧延を実
施して薄帯板を製造する方法において、前記冷却ドラム
の周面に平均深さ60μm以上、最大深さ100μm以
下の窪みを加工して、溶湯に可溶な非酸化性ガス雰囲気
下で鋳造することを特徴とする。
【0008】ここで溶湯に可溶な非酸化性ガスとは、溶
鋼に可溶でかつ非酸化性のガス(たとえばN2 )単独で
あるか、または溶鋼に非可溶でかつ非酸化性のガス(例
えばAr)との混合ガスである。混合ガスの場合は、溶
鋼に可溶でかつ非酸化性のガスが20%以上含まれてい
れば、溶鋼に可溶でかつ非酸化性のガスが100%の場
合と同等の効果を持ち、その効果に差は認められない。
【0009】また、窪みは冷却ドラム周面の全域に加工
する。窪みを加工する方法としては、フォトエッチング
法、レーザー加工法、ショットブラスト加工法等がある
が、いずれの方法で加工しても効果に差は認められな
い。
【0010】冷却ドラム周面に加工した窪み深さの測定
方法は、例えば冷却ドラム周面よりレプリカを採取し、
そのレプリカを基に粗さ計を用いて測定し、平均値と最
大値を求める。
【0011】
【作用】図1に、本発明で使用する双ドラム式連続鋳造
装置の一部断面側面図を示している。溶鋼は取鍋からタ
ンデイッシュ1及びノズル3を介して、冷却ドラム2
a、2bとサイド堰8、8(手前側は図示しない)によ
って形成された湯溜り部4に連続して注湯される。湯溜
り部4内の溶鋼は、矢印方向へ回転する冷却ドラム2
a、2bにより冷却され凝固が進行し、キッシングポイ
ント5において薄帯鋳片6が得られる。薄帯鋳片6は、
ピンチロール7によって送られ引続いてインライン圧延
機9で圧延されて薄帯板10が得られる。湯溜り部3の
上部空間はシールチャンバー11でカバーされており、
この中は溶鋼に可溶でかつ非酸化性のガスでシールされ
ている。
【0012】本発明者は、前記のようにして製造された
薄帯鋳片、薄帯板および冷延後の薄板製品の表面性状と
冷却ドラムの窪みとの関係を種々研究した結果、薄帯鋳
片の表面割れ防止のためには、冷却ドラムと凝固シェ
ルとの間にガスギャップを形成させ、凝固シェルを
却させること、鋳片表面に窪みによる凸転写を形成さ
せることによって、凸転写の周縁部から凝固を開始さ
せ、且つ凝固を鋳片幅方向ーで均一にすることが必要で
あるとの知見を得た。
【0013】一方、インラインで圧延した後の薄帯板お
よび冷延後の薄板製品のスケール噛み込み疵防止のため
には、スケール噛み込み疵は凸転写部のうち高い凸転
写の部分、すなわち冷却ドラム周面に加工した窪みのう
ち深い窪みと対応する部分から優先的に発生することか
ら、凸転写高さを低く、すなわち窪み深さを浅くする必
要があることの知見も得た。
【0014】上記のガスギャップの形成及び凸転写
の形成の作用を得るためには、ステンレス鋼の場合
均深さ60μm以上の窪みで、溶鋼に可溶でかつ非酸化
性のガス雰囲気下での鋳造が必要である。平均深さ60
μm未満の窪みではガスギャップの不十分により、
却効果が不足して割れが発生する。また、鋳造雰囲気が
溶鋼に非可溶なガスの場合には、鋳片表面に凸転写が形
成されず、凸転写の周縁部から凝固を開始させるという
凝固開始点の制御ができず、割れを完全に防止できな
い。また、鋳造雰囲気が酸化性のガスの場合、溶鋼表面
が酸化され、その酸化物が巻き込まれ割れの基点となる
ために、割れを完全に防止できない。
【0015】上記の凸転写高さを低くし、インライン
で圧延した鋳片および冷延後の製品表面でのスケール噛
み込み疵を防止するためには、ステンレス鋼の場合窪み
の最大深さを100μm以下にする必要がある。
【0016】ここで、窪みの直径については、100μ
m〜3000μm程度が好ましい。直径が小さすぎると
凸転写の形成が不安定になり、また直径が大きすぎると
凸転写の周縁部から凝固を開始させる凝固開始点の間隔
が広がりすぎ、凝固開始点の制御が不安定になり、いず
れの場合も割れが発生しやすくなる。
【0017】また、窪みの面積率については25%〜7
5%程度が好ましい。面積率が小さいと窪み部が少な
く、形成されるガスギャップが不十分になり、緩冷却効
果が不足して割れが発生しやすくなる。また、面積率が
大きくなりすぎると、冷却ドラムの大部分が窪み部とな
り、安定した窪みの加工及び加工後の冷却ドラム表面の
耐久性等の面で実用的でない。
【0018】冷却ドラム表面に窪みを加工する場合、す
べての窪み深さを全く同一深さに加工することは困難で
あり、加工後の窪み深さはあるばらつきをもったものと
なる。そこで、上記の条件を満足するばらつき範
囲内の窪みを冷却ドラム表面に加工し、溶湯に可溶な非
酸化性ガス雰囲気下で鋳造し、その後にインラインで圧
延を実施して薄帯板を製造することにより、割れ・スケ
ール噛み込み疵を共に防止することが可能となる。
【0019】
【実施例】図1に示す双ドラム式連続鋳造装置により、
板厚3.5mmの薄帯鋳片を鋳造し、鋳造に引続いてイン
ラインで圧延を実施し、圧延後板厚2.7mmの薄帯板を
製造し、その後冷間圧延して板厚0.5mmのSUS30
4薄板製品を製造した。
【0020】上記鋳片を製造する際、幅800mm、直径
1200mmの冷却ドラムの周面を表1の条件で窪みを加
工した。なお、本実施例では窪みの加工をショットブラ
スト加工にて実施した。
【表1】
【0021】なお、本実施例での鋳造雰囲気は、溶鋼に
可溶な非酸化性のガスとしてはN2を使用し、溶鋼に非
可溶な非酸化性のガスとしてはArを使用した。
【0022】なお、図2、図3に代表的な窪みの深さ分
布を示す。図2は実施例No.2、図3は実施例No.
12,13の例である。薄帯板および薄板製品の表面品
質は下記のとおりであった。
【0023】No.1の場合:N2 ガス雰囲気下での鋳
造で凸転写は得られているが、窪みの平均深さが不足し
ているため割れが発生し、さらに窪みの最大深さが大き
いので、インライン圧延後にスケール噛み込み疵も発生
し、表面品質は不良であった。
【0024】No.2の場合:窪みの最大深さが条件を
満足しているので、インライン圧延後のスケール噛み込
み疵は発生せず、N2 ガス雰囲気下での鋳造で凸転写も
得られているが、窪みの平均深さが不足しているため割
れが発生し、表面品質が不良であった。
【0025】No.3,4の場合:窪みの平均深さが条
件を満足しており、N2 ガス雰囲気下での鋳造で凸転写
も得られており、割れが発生しないが、窪みの最大深さ
が大きいので、インライン圧延後にスケール噛み込み疵
が発生し、表面品質は不良であった。
【0026】No.5,6,7,8,9の場合:Arガ
ス雰囲気下での鋳造のため、スケール疵は発生しないが
凸転写は得られず、窪み深さに関係なく割れが発生し、
表面品質は不良であった。
【0027】No.10の場合:窪みの最大深さが条件
を満足しているので、スケール疵は発生しないが、大気
雰囲気下での鋳造であるので、湯溜り表面に発生する酸
化物巻込みに起因する割れが発生し、表面品質が不良で
あった。
【0028】No.11,12の場合:窪みの平均深さ
が条件を満足しており、N2 ガス雰囲気下での鋳造で凸
転写も得られているので割れは発生せず、窪みの最大深
さが条件を満足しているのでインライン圧延後のスケー
ル噛み込み疵も発生せず表面品質は良好であった。
【0029】No.13の場合:窪みの平均深さが条件
を満足しており、20%N2 +80%Arガス雰囲気下
での鋳造で凸転写も得られており、割れは発生せず、窪
みの最大深さが条件を満足しているので、インライン圧
延後のスケール噛込み疵も発生せず表面品質は良好であ
った。
【0030】なお、表1の凸転写有無はインライン圧延
を実施しない部位の鋳片を酸洗後、肉眼観察により判定
した。また、割れ・スケール噛み込み疵は得られた薄帯
板を酸洗した後、肉眼観察し、さらに冷間圧延後も肉眼
観察により再度判定した。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、連続鋳造した製品厚さ
に近い厚さのステンレス薄帯鋳片をインラインで圧延
し、その後冷間圧延して薄板製品を製造するに際し、該
薄板製品のもっとも大きい表面欠陥である表面割れを防
止、かつインライン圧延・冷間圧延後残存するスケール
噛み込み疵を同時に防止したものであるから工業的効果
は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための双ドラム式連続鋳造装
置を示す一部断面側面図である。
【図2】冷却ドラムに加工した窪み深さ分布の一例を示
す図である。(実施例No.2)
【図3】本発明の冷却ドラムに加工した窪み深さ分布の
一例を示す図である。(実施例No.12,13)
【符号の説明】
1…タンディッシュ 2a,2b…冷却ドラム 3…ノズル 4…湯溜り部 5…キッシングポイント 6…薄帯鋳片(インライン圧延前) 7…ピンチロール 8…サイド堰(手前側は図示せず) 9…インライン圧延機 10…薄帯板(インライン圧延後) 11…シールチャンバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−77747(JP,A) 特開 平3−71902(JP,A) 特開 平2−224852(JP,A) 特開 昭64−83340(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/04 B22D 11/06 B22D 11/10 B22D 11/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の冷却ドラムによって形成された湯
    溜り部にステンレス鋼の溶湯を供給して薄帯鋳片に鋳造
    し、続いて前記薄帯鋳片をインラインで圧下率5%〜6
    0%の圧延を実施して薄帯板を製造する方法において、
    前記冷却ドラムの周面に平均深さ60μm以上、最大深
    さ100μm以下の窪みを加工して、溶湯に可溶な非酸
    化性ガス雰囲気下で鋳造することを特徴とする表面性状
    の優れたステンレス薄帯板の製造方法。
JP9391095A 1995-04-19 1995-04-19 表面性状の優れたステンレス薄帯板の製造方法 Expired - Fee Related JP2831297B2 (ja)

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