JP2829868B2 - 製紙用二重織物 - Google Patents

製紙用二重織物

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JP2829868B2 JP1217287A JP21728789A JP2829868B2 JP 2829868 B2 JP2829868 B2 JP 2829868B2 JP 1217287 A JP1217287 A JP 1217287A JP 21728789 A JP21728789 A JP 21728789A JP 2829868 B2 JP2829868 B2 JP 2829868B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、製紙用織物に関する。
[従来の技術] 通常の長網を用いた製紙においては、紙料のスラリー
を走行する製紙用無端織物に供給する。製紙織物はスラ
リーからセルロース繊維を分離し湿った紙ウエッブを形
成する。つまりこの点からみると、製紙用織物は湿った
紙ウエブ形成のフィルターとして作用している。織物の
ドレイン孔とも呼ばれるメッシュ開口部はスラリーから
水を分離する機能を果す。また長網製紙機においては、
製紙用織物は駆動ベルトとしても機能するので機械方向
の張力を受ける特徴があり姿勢の安定性がよいことが必
要である。
製紙においては、いくつかの問題があるが特に製紙用
織物に関しては次の事項が要求される、紙料の保持性が
大きいことすなわち紙料の製紙面からの流失がすくない
こと、ワイヤーマークが発生しないこと、水性が良好
で保水性が小さいこと、耐摩耗性が大きいこと、姿勢の
安定性がよいことなどである。
前述の製紙用織物に対する要求に応えるため、従来種
々な提案が成されてきた。しかしながら未だ充分満足さ
れる製紙用織物はないのが現状である。
近年、例えば緯糸二重構造の織物は平面的な空間が少
なく、立体空間により脱水するため一重織物に較べて緩
やかな脱水となり、繊維の保持性がよいため好んで使用
されるようになってきたが、経糸の製紙面に形成するク
リンプの配列と経糸間に存在すべき緯糸が製紙面から部
分的に陥没した構造のために、ワイヤマークを発生する
という欠点がある。
一つの試みとして組織に通常織物を形成する、経糸と
緯糸の交差する形では織り込まれていない、いわゆる、
フローティングヤーンと呼ばれる浮き糸を緯糸に配置す
ることにより製紙面の緯糸の本数を増やして前記緯糸の
陥没部を補い、緯糸で製紙面を形成することが提案され
た。この提案は製紙面の緯糸を増やす点では興味のある
技術思想であるが未だ充分なものとはいえない。即ちこ
の様な組織に織り込まれない緯糸はまさにフローティン
グヤーンであってスラリーが製紙用織物に供給されると
きに緯糸にかかる流体圧力によって移動してしまい、い
わゆる緯糸の寄りが生じ均一な製紙面が維持できない。
二重構造の上層緯糸の間にこの種のフローティングヤー
ンを設けると、水性が低下するため緯糸の間隔を拡げ
ざるを得ない。このため走行面を形成する下層緯糸の密
度減を伴い、耐摩耗体積が減少し、走行命数が著るしく
短かくなりまたシャワーによるフローティングヤーンの
フィブリル化など実用上問題がある。
ドレイン性を維持するためと、製紙面を微細メッシュ
にし且つ耐摩耗性を付与するために、多重織物を使用す
ることも提案されているが未だ充分満足できるものはな
い。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者は前記の、紙料の保持性が大きいこと、ワイ
ヤーマークが発生しないこと、水性が良好であるこ
と、耐摩耗性が大きいこと、姿勢の安定性がよいこと等
の問題を解決すべく種々研究の結果、緯糸二重構造の織
物において、製紙面を形成する経糸間で緯糸が陥没する
構造を取り除き、常に製紙面は経糸と緯糸のクリンプで
平らな面を形成させるとともに、隣接する経糸が製紙面
に形成するクリンプの間に常に長い緯糸のクリンプを介
在させ、繊維の刺さり込み防止すると共に、隣り合う経
糸のクリンプの間を寸断して経糸が製紙面に形成するク
リンプの規則性を解消してワイヤマークの発生を防止
し、本発明を完成したのである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、 「1. 緯糸を上下2層に配置した経糸が17+n(n=
0、2、4または、6以下同じ)シャフトで、上層緯糸
が2×(17+n)本、で繰返しパターンを構成する織物
であって、 上層緯糸の本数は、下層緯糸の本数の2倍であり、上
層各緯糸は、交互に異なる本数の経糸を乗り越えて長い
クリンプと短いクリンプを交互に形成し、隣接する緯糸
間において長いクリンプと短いクリンプが隣接してお
り、 経糸は、1本の経糸が上層緯糸の2×(17+n)本ご
との繰返パターンで、隣接する2本の上層緯糸の上を通
って組織に織り込まれ、隣接する次の経糸は初めの経糸
が乗り越えた2本の上層緯糸から3本置いた次の2本の
上層緯糸の上を通って組織に織り込まれ、以下順次同様
にして、17+n本目の経糸まで組織に織り込まれた、完
全組織を製紙面に形成し、 また、下層緯糸は上層緯糸の1本置きに配置されてお
り、各経糸が、上層緯糸(17+n)本間で下層緯糸を少
なくとも1回組織に織り込んでなる、製紙用二重織物。
2. 上層緯糸が34本、経糸が17シャフトの織物であっ
て、上層各緯糸の形成する長いクリンプが経糸9本分で
あり、短いクリンプが経糸6本分である、特許請求の範
囲第1項に記載された製紙用二重織物。
3. 上層緯糸が38本、経糸が19シャフトの織物であっ
て、上層各緯糸の形成する長いクリンプが経糸14本分で
あり、短いクリンプが経糸3本分である、請求項1に記
載された製紙用二重織物。
4. 上層緯糸が42本、経糸が21シャフトの織物であっ
て、上層各緯糸の形成する長いクリンプが経糸16本分で
あり、短いクリンプが経糸4本分である、請求項1に記
載された製紙用二重織物。
5 上層緯糸が46本、経糸が23シャフトの織物であっ
て、上層各緯糸の形成する長いクリンプが経糸13本分で
あり、短いクリンプが経糸8本分である、請求項1に記
載された製紙用二重織物。
6. 走行面には下層緯糸の長いクリンプが形成された、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載された製紙用二
重織物。
7. 下層緯糸が上層緯糸より太い緯糸である請求項1な
いし6のいずれか1項に記載された製紙用二重織物。
8. 走行面の下層緯糸がポリアミド緯糸及び/またはポ
リエステル緯糸である、請求項1ないし7のいずれか1
項に記載された製紙用二重織物。
9. 走行面の下層緯糸がポリアミド緯糸は、下層ポリエ
ステル緯糸より太い糸である、請求項1ないし8のいず
れか1項に記載された製紙用二重織物。
」に関する。
本発明は、上記の構成の二重織物であるので製紙面は
緯糸リッチで形成され各緯糸はロングクリンプとショー
トクリンプが交互に形成されると共に、隣接上層緯糸間
で緯糸のロングクリンプとショートクリンプが交互に隣
接配置される特殊な構造となっている。走行面は緯糸密
度が製紙面より小さいのが特徴である。また各経糸は、
隣接上層緯糸を2本同時に織り込んでいる。この特殊な
構成により次の作用の項でのべる優れた作用を奏するの
である。
本発明においては、製紙面の上層緯糸が34本経糸が17
シャフトの織物の場合は上層緯糸は経糸6本分の短いク
リンプと、経糸9本分の長いクリンプを形成する。ま
た、製紙面の上層緯糸が38本経糸が19シャフトの織物の
場合は上層緯糸は経糸3本分の短いクリンプと、経糸14
本分の長いクリンプを形成する。また、上層緯糸が42
本、経糸が21シャフトの織物の場合は、上層緯糸は経糸
4本分の短いクリンプと、経糸16本分の長いクリンプを
形成する、また、製紙面の上層緯糸が46本経糸が23シャ
フトの織物の場合は上層緯糸は経糸8本分の短いクリン
プと、経糸13本分の長いクリンプを形成する。
次に、この様なクリンプを形成しなければならない理
由を説明する。
製紙面を形成する上層緯糸は、この緯糸を組織に織り
込む経糸間で経糸により、下方に押し下げられ製紙面か
ら陥没して凹所が形成される。少し詳しく説明すると、
該上層緯糸により組織に織り込まれる上記経糸間に存在
する経糸はこの上層緯糸の下にあってこの上層緯糸を上
方に押し上げているが実際には、押し下げる力が押し上
げる力より大であるため、製紙面には上層緯糸の陥没に
より凹所が形成されているのである。
本発明者等の研究によると、製紙面の上層緯糸の下に
あり上層緯糸を上に押し上げる経糸本数の多いほど、言
い換えると、上層緯糸の形成するクリンプが長いほど大
きい力で上層緯糸は上に押し上げられるので陥没は小さ
くなる。
本発明者等はさらに研究を進め、製紙面に上層緯糸の
陥没を防止し凹所のない平滑な製紙面を形成するために
は、上層緯糸に長いクリンプを形成させる必要があり、
少なくとも経糸3本分以上の長さのクリンプを形成させ
ることが必要であることを解明して本発明を完成した。
上層緯糸に形成させるクリンプの長さが経糸3本分以下
では、構造的にどうしても上層緯糸の陥没を完全に防ぐ
ことができず凹所が発生し、完全に平滑な製紙面を形成
することは出来ない。このことは、上層緯糸を、下方に
押し下げる経糸の押下力のおよぶ範囲は、該経糸の接す
る上層緯糸の接触部の両側のそれぞれ経糸1本分程度で
あり、上層緯糸の形成するクリンプが経糸3本分以上あ
れば、経糸の押下力の影響が減るので、上層緯糸の陥没
が小さくなることは論理的にも理解される。
本発明の織物を製織する糸としてはポリアミド糸やポ
リエステル糸が好適であり、特に、経糸にポリエステル
糸を使用し、上緯糸にはポリエステル糸を、下緯糸に
は、ポリアミド糸とポリエステル糸を併用した織物は、
姿勢の安定性や耐摩耗性も含めて非常によい性能を示
す。
本発明の製紙用織物は緯糸二重の織物である。下層緯
糸は上層緯糸の1/2の密度であり、製紙面と走行面とは
組織が異なるため、下層緯糸を含めて考えると、下層緯
糸本数が上層緯糸本数の1/2であるため、本発明におけ
るシャフト数の場合は、上層緯糸本数を倍にしないと下
層緯糸が繰返されず、完全組織にならない。したがって
本発明においては、上層緯糸本数は経糸シャフト数の二
倍になる。下層緯糸は上層緯糸の1本置きでかつその下
に配置されている。
本発明の製紙用織物は走行面を形成する緯糸はロング
クリンプを形成し、有効耐摩耗体積が大きく、耐摩耗性
が良好である特徴がある。
[作 用] 上記のように本発明の製紙用織物は、各経糸を、1本
の経糸が、隣接する2本の上層緯糸を織り込み、隣接す
る次の経糸が、初めの経糸が織り込んだ上層緯糸から3
本置いた次の隣接する2本の上層緯糸を織り込むように
配置することにより、各上層緯糸にロングクリンプとシ
ョートクリンプが交互に配置され、また、隣接する上層
緯糸間でロングクリンプとショートクリンプが隣接配置
されロングクリンプ同志、ショートクリンプ同志の隣接
が防止されているので、製紙面の上層緯糸の上に形成さ
れる、経糸のクリンプの斜め方向への規則的な配列が、
上層緯糸のロングクリンプにより寸断され紙に斜め方向
のマークを発生させない。紙に発生するワイヤマーク
は、紙の厚薄、凹凸などが規則的に配列することによ
り、際立って目立ちワイヤマークとして認識されるので
あるから、このように配列を寸断して規則的配列の繰返
しを断つことは極めて合理的でありまた効果的である。
また、密度の高い、上層緯糸の並列により形成された
製紙面は、製紙時の紙料保持性が良好でありしかも、パ
ルプ繊維の突刺さりもなく水性も均一であって、ワイ
ヤマークの発生を防ぐとともに、製紙の歩留まりと紙の
平滑性を向上するのである。
さらに、下層緯糸は、ロングクリンプを形成している
のでクリンプ性もよく、太い緯糸を配置することができ
るので長いクリンプと相俟って、緯糸の耐摩耗体積を非
常に大きくすることができ、耐摩耗性は著るしく増大す
る。
また、下層緯糸に太い糸を配置できるため、織物全体
に剛性が付与でき、姿勢の安定性が優れている。
本発明は、さらに、下層緯糸は、上層緯糸の1/2の粗
な密度であるため、水抵抗が小さく、シャワー効果も
よく、保水性も小さい。織物の構造については実施例に
おいて図面に基ずき具体的に説明する。
[実施例] 次に本発明の実施例を完全組織を示す意匠図で示しな
がら順次図面に基ずいて具体的に説明する。各意匠図
は、本発明の製紙用織物の製紙面を示す、完全意匠図で
ある。従って下層緯糸は、製紙面組織の上層緯糸の1本
置きでかつその下に配置されていることになる。本実施
例では、説明のため各完全意匠図の奇数で示される上層
緯糸の下に下層緯糸を配置させている。従って下層緯糸
を含めて考えると、奇数シャフトの場合は、緯糸数をシ
ャフト数の2倍にしないと下層緯糸が繰返されず、完全
組織にならないが、実施例においては下層緯糸も含めて
説明するため、上層緯糸本数をシャフト数の2倍にして
完全意匠図とした。
完全意匠図において経糸はアラビヤ数字、例えば1、
2、3、で示し、また上層緯糸はダッシュを付したアラ
ビヤ数字例えば1′、2′、3′、で示めす。図面には
示さないが説明中には下層緯糸はダブルダッシュを付し
たアラビヤ数字例えば1″、2″、3″で示めす。ま
た、図中×は経糸が上層緯糸の上にある位置を示すがこ
の×はまた上層緯糸が経糸によって組織に織り込まれて
いる位置を示す。また、○は下層緯糸が経糸によって組
織に織り込まれている位置を示す。
第1図の実施例は、本来17シャフトの織物であるが、
シャフト数が奇数であるので経糸17シャフト、緯糸34本
で表した製紙面の完全組織を示す。
第1図の上層緯糸1′は経糸1と経糸11により2回組
織に織り込まれている。そして、経糸1と経糸11の間で
経糸9本分の長いクリンプを形成し、またこの完全意匠
図の右又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み
部位との間に経糸6本分の短いクリンプを形成してい
る。
また、上層緯糸2′は経糸1と経糸8で組織に2回織
り込まれている。そして、経糸1と経糸8の間で経糸6
本分の短いクリンプを形成し、またこの完全意匠図の右
又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み部位と
の間に経糸9本分の長いクリンプを形成している。
他の3′〜34′の上層緯糸も同様にそれぞれ経糸6本
分の短いクリンプと経糸9本分の長いクリンプを形成し
ている。
そして上層緯糸1′と2′の間で、上層緯糸1′が経
糸1と11の間に形成した長いクリンプと上層緯糸2′が
経糸1と8の間に形成した短いクリンプとが隣接してい
る。このように、各上層緯糸は互いにそれぞれの長いク
リンプと短いクリンプがまた、短いクリンプと長いクリ
ンプとが隣接して配置されている。経糸1は上層緯糸
1′、2′の上と18′、19′の上を通り、この隣接する
2本の上層緯糸を組織に織り込んでいる。そして、下層
緯糸1″と27″を組織に織り込んでいる。
また、経糸2は経糸1が織り込んだ、上層緯糸2′か
ら3本置いた、次の隣接する2本の上層緯糸6′と7′
の上を通って組織に織り込んでいる。また、経糸1が織
り込んだ上層緯糸19′から3本置いた、次の隣接する2
本の上層緯糸23′と24′の上を通って組織に織り込んで
いる。そして下層緯糸15″と33″を組織に織り込んでい
る。
他の3〜17の経糸も同様にそれぞれ、隣りの経糸が織
り込んだ上層緯糸から3本置いた次の隣接する2本の上
層緯糸の上を通って組織に織り込んでいる。そして下層
緯糸を2回組織に織り込んでいる。
こうして、隣り合う経糸が製紙面に形成する斜め方向
のクリンプの配列が寸断され、経糸が製紙面に形成する
クリンプの規則性が崩されワイヤマークの発生が防止し
されている。また、製紙面は緯糸のロングクリンプで平
らな面が形成されており、製紙面の経糸間で緯糸の陥没
がない。さらに、製紙面を緯糸で形成すると、紙料が経
糸間に存在するドレイン孔に直接突刺さりドレイン孔を
塞ぐことがないので織物のドレイン性も格段によくなる
効果があるが本発明では隣接する経糸が製紙面に形成す
るクリンプの間に常に長い緯糸のクリンプが介在してお
り、繊維の刺さり込みが防止されていることが理解され
る 第1図の実施例では、経糸1は11″と27″の下層の緯
糸を組織に織り込む、そして隣接する経糸2は15″と3
3″の下層の緯糸を組織に織り込み、隣接する経糸3
は、3″と21″の下層の緯糸を組織に織り込む。このよ
うに隣接する経糸の下層緯糸の織り込み位置が異なり、
各下層緯糸は完全組織で2回織り込まれ、経糸9本分の
長いクリンプと経糸6本分の短いクリンプを形成してい
る。この実施例は、下層緯糸の織り込み回数が多いので
織物の剛性が大きく姿勢安定性が優れている。
第2図の実施例は、第1図の実施例と同じ経糸17シャ
フト緯糸34本の織物で下層の緯糸を織り込む位置が異な
る製紙用織物の完全組織を示す。上層の組織は、第1図
の実施例と同じである。また、隣り合う経糸が製紙面に
形成する斜め方向のクリンプの配列が寸断され、経糸が
製紙面に形成するクリンプの規則性が崩されワイヤマー
クの発生が防止しされる等の効果も同じである。
下層の組織にについてみると、経糸1は11″と15″と
27″と33″の下層の緯糸を組織に織り込む、そして隣接
する経糸2は3″と15″と21″と33″の下層の緯糸を組
織に織り込み、隣接する経糸3は3″と9″と21″と2
5″の下層の緯糸を組織に織り込み下層緯糸は経糸8本
分の長いクリンプと経糸5本分の短いクリンプを形成し
ている。そして隣接する1対の経糸が下層の緯糸を織り
込んでいる。つまり、この実施例では下層の緯糸は隣接
する1対の経糸により2回組織に織りまれるので、下層
緯糸のクリンプ性が非常に良く、太い緯糸が使用できる
ことが理解される。しかも極めて長いクリンプを形成す
るのが特徴である。そして下層の緯糸が1対の経糸によ
り2回組織に織りまれるので、織物の剛性が大きく姿勢
安定性に優れている。
第3図の実施例は、第1図の実施例と同じ経糸17シャ
フト緯糸34本の織物で下層の緯糸を織り込む位置が異な
る製紙用織物の完全組織を示す。上層の組織は、第1図
の実施例と同じである。
第3図の上層緯糸1′は経糸1と経糸11により2回組
織に織り込まれている。そして、経糸1と経糸11の間で
経糸9本分の長いクリンプを形成し、またこの完全意匠
図の右又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み
部位との間に経糸6本分の短いクリンプを形成してい
る。そして、層緯糸1′の長いクリンプと上層緯糸2′
の短いクリンプが隣接している。
また、上層緯糸2′は経糸1と経糸8で組織に2回織
り込まれている。そして、経糸1と経糸8の間で経糸6
本分の短いクリンプを形成し、またこの完全意匠図の右
又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み部位と
の間に経糸9本分の長いクリンプを形成している。
他の3′〜34′の上層緯糸も同様にそれぞれ経糸6本
分の短いクリンプと経糸9本分の長いクリンプを形成
し、同様に隣接する上層緯糸の短いクリンプと長いクリ
ンプが隣接していることがわかる。
経糸1は上層緯糸1′、2′の上と18′、19′の上を
通り、この隣接する2本の上層緯糸を組織に織り込んで
いる。そして、下層緯糸15″と27″を組織に織り込んで
いる。
また、経糸2は経糸1が織り込んだ上層緯糸2′から
3本置いた、次の隣接する2本の上層緯糸6′と7′の
上を通って組織に織り込んでいる。また、経糸1が織り
込んだ上層緯糸19′から3本置いた、次の隣接する2本
の上層緯糸23′と24′の上を通って組織に織り込んでい
る。そして下層緯糸を3″と15″の位置で組織に織り込
んでいる。
他の3〜17の経糸も同様にそれぞれ、隣りの経糸が織
り込んだ上層緯糸から3本置いた次の隣接する2本の上
層緯糸の上を通って組織に織り込んでいる。そして下層
緯糸を2回組織に織り込んでいる。
こうして、経糸がそれぞれ、隣りの経糸が織り込んだ
上層緯糸から3本置いた次の隣接する2本の上層緯糸の
上を通って組織に織り込むことにより、隣り合う経糸が
製紙面に形成する斜め方向のクリンプの配列が寸断さ
れ、経糸が製紙面に形成するクリンプの規則性が崩され
ワイヤマークの発生が防止しされている。また、製紙面
は緯糸のロングクリンプで平らな面が形成されており、
製紙面の経糸間で緯糸の陥没がない。さらに、隣接する
経糸が製紙面に形成するクリンプの間に常に長い緯糸の
クリンプが介在しており、繊維の刺さり込みが防止され
ていることが理解される 各下層緯糸はこの実施例では、隣接する1対の経糸に
より組織に1回織り込まれ、経糸15本分の長いクリンプ
を形成している。つまり、この実施例では下層の緯糸は
隣接する1対の経糸により1回組織に織りまれるので、
下層緯糸のクリンプ性が非常に良く、太い緯糸が使用で
きることが理解される。しかも極めて長いクリンプを形
成するのが特徴である。また、下層の緯糸は隣接する1
対の経糸により組織に織りまれるので、織物の剛性が大
きく姿勢安定性が優れている。
第4図の実施例は、経糸19シャフト緯糸38本の織物の
完全組織を示す。
第4図の上層緯糸1′は経糸1と経糸16により2回組
織に織り込まれている。そして、経糸1と経糸16の間で
経糸14本分の長いクリンプを形成し、またこの完全意匠
図の右又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み
部位との間に経糸3本分の短いクリンプを形成してい
る。
また、上層緯糸2′は経糸1と経糸5で組織に2回織
り込まれている。そして、経糸1と経糸5の間で経糸3
本分の短いクリンプを形成し、またこの完全意匠図の右
又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み部位と
の間に経糸14本分の長いクリンプを形成している。上層
緯糸1′の長いクリンプと上層緯糸2′の短いクリンプ
が隣接している。
他の3′〜38′の上層緯糸も同様にそれぞれ経糸3本
分の短いクリンプと経糸14本分の長いクリンプを形成し
ている。そして隣接する上層緯糸は短いクリンプと長い
クリンプが隣接していることがわかる。
経糸1は上層経糸1′と2′の上及び20′と21′の上
を通り、この隣接する2本の上層緯糸を組織に織り込ん
でいる。そして、下層緯糸17″と31″を組織に織り込ん
でいる。
また、経糸2は経糸1が織り込んだ上層緯糸2′から
3本置いた次の隣接する2本の上層緯糸6′と7′の上
及び経糸1が織り込んだ上層緯糸21′から3本置いた次
の隣接する2本の上層緯糸25′と26′の上を通ってこの
隣接する2本の上層緯糸を組織に織り込んでいる。そし
て下層緯糸3″と17″を組織に織り込んでいる。
他の3〜19の経糸も同様にそれぞれ、隣りの経糸が織
り込んだ上層緯糸から3本置いた次の隣接する2本の上
層緯糸の上を通って組織に織り込んでいる。そして下層
緯糸を2回組織に織り込んでいる。
こうして、経糸がれぞれ、隣りの経糸が織り込んだ上
層緯糸から3本置いた次の隣接する2本の上層緯糸の上
を通って組織に織り込むことにより、隣り合う経糸が製
紙面に形成する斜め方向のクリンプの配列が寸断され、
経糸が製紙面に形成するクリンプの規則性が崩されワイ
ヤマークの発生が防止しされている。また、製紙面は緯
糸のロングクリンプで平らな面が形成されており、製紙
面の経糸間で緯糸の陥没がない。さらに、隣接する経糸
が製紙面に形成するクリンプの間に常に長い緯糸のクリ
ンプが介在しており、繊維の刺さり込みが防止されてい
ることが理解される 下層緯糸1″は一対の経糸13と14により1箇所で組織
に織り込まれ、この完全意匠図の右又は左に繰り返す完
全意匠図に示される織り込み部位との間に、経糸17本分
の長いクリンプを形成している。
この実施例は、下層緯糸が一対の経糸により完全組織
で1回織り込まれ、織物の剛性が大きく姿勢安定性が優
れているのが特徴である。
第5図の実施例は、経糸19シャフト緯糸38本の織物の
他の実施例の完全組織を示す。
第5図の上層緯糸1′は経糸1と経糸16により2回組
織に織り込まれている。そして、経糸1と経糸16の間で
経糸14本分の長いクリンプを形成し、またこの完全意匠
図の右又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み
部位との間に経糸3本分の短いクリンプを形成してい
る。
また、上層緯糸2′は経糸1と経糸5で組織に2回織
り込まれている。そして、経糸1と経糸5の間で経糸3
本分の短いクリンプを形成し、またこの完全意匠図の右
又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み部位と
の間に経糸14本分の長いクリンプを形成している。そし
て、上層緯糸1′の短いクリンプと上層緯糸2′の長い
クリンプが隣接している。
他の3′〜38′の上層緯糸も同様にそれぞれ経糸3本
分の短いクリンプと経糸14本分の長いクリンプを形成し
ている。そして隣接する上層緯糸は短いクリンプと長い
クリンプが隣接していることがわかる。
経糸1は上層緯糸1′、2′と20′、21′の上を通
り、この隣接する2本の上層緯糸を組織に織り込んでい
る。そして下層緯糸11″と33″を組織に織り込んでい
る。
また、経糸2は経糸1が織り込んだ上層緯糸2′と2
1′のそれぞれから3本置いた次の隣接する2本の上層
緯糸6′、7′と25′、26′の上を通って組織に織り込
んでいる。そして下層緯糸19″と35″を組織に織り込ん
でいる。
他の3〜19の経糸も同様にそれぞれ、隣りの経糸が織
り込んだ上層緯糸から3本置いた次の隣接する2本の上
層緯糸の上を通って組織に織り込んでいる。そして下層
緯糸を2回組織に織り込んでいる。
こうして、経糸がそれぞれ、隣りの経糸が織り込んだ
上層緯糸から3本置いた次の隣接する2本の上層緯糸の
上を通って組織に織り込むことにより、隣り合う経糸が
製紙面に形成する斜め方向のクリンプの配列が寸断さ
れ、経糸が製紙面に形成するクリンプの規則性が崩され
ワイヤマークの発生が防止しされている。また、製紙面
は緯糸のロングクリンプで平らな面が形成されており、
製紙面の経糸間で緯糸の陥没がない。さらに、隣接する
経糸が製紙面に形成するクリンプの間に常に長い緯糸の
クリンプが介在しており、繊維の刺さり込みが防止され
ていることが理解される。
下層緯糸1″は経糸6と18、により2箇所で組織に織
り込まれ、この経糸間で経糸11本分の長いクリンプを形
成し、この織り込み部位及び、この完全意匠図の右又は
左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み部位との間
に、経糸6本分の短いクリンプを形成している。
第5図の実施例は、下層緯糸の織り込み回数が多いの
で織物の剛性が大きく姿勢安定性が優れている。
第6図の実施例は、21シャフト、緯糸42本織物の完全
組織を示す。
第6図の上層緯糸1′は経糸1と経糸5により2回組
織に織り込まれている。そして、経糸1と経糸5の間で
経糸3本分の短いクリンプを形成し、またこの完全意匠
図の右又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み
部位との間に経糸16本分の長いクリンプを形成してい
る。
また、上層緯糸2′は経糸1と経糸18で組織に2回織
り込まれている。そして、経糸1と経糸18の間で経糸16
本分の長いクリンプを形成し、またこの安全意匠図の右
又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み部位と
の間に経糸3本分の短いクリンプを形成している。
他の3′〜42′の上層緯糸も同様にそれぞれ経糸3本
分の短いクリンプと経糸16本分の長いクリンプを形成し
ている。
そして上層緯糸1′と2′のあいだで、上層緯糸1′
が経糸1と5の間に形成した短いクリンプと上層緯糸
2′が経糸1と18の間に形成した長いクリンプとが隣接
している。このように、各上層緯糸は互いにそれぞれの
長いクリンプと短いクリンプがまた、短いクリンプと長
いクリンプとが隣接して配置されている。
経糸1は上層緯糸1′、2′の上と、22′、23′の上
を通り、この隣接する2本の上層緯糸を組織に織り込ん
でいる。そして、下層緯糸11″と29″を組織に織り込ん
でいる。
また、経糸2は経糸1が織り込んだ、上層緯糸2′か
ら3本置いた、次の隣接する2本の上層緯糸6′と7′
の上を通って組織に織り込んでいる。また、経糸1が織
り込んだ上層緯糸23′から3本置いた、次の隣接する2
本の上層緯糸27′と28′の上を通って組織に織り込んで
いる。そして下層緯糸を13″と37″を組織に織り込んで
いる。
他の3〜21の経糸も同様にそれぞれ、隣りの経糸が織
り込んだ上層緯糸から3本置いた次の隣接する2本の上
層緯糸の上を通って組織に織り込んでいる。そして下層
緯糸を2回組織に織り込んでいる。
こうして、経糸がそれぞれ、隣りの経糸が織り込んだ
上層緯糸から3本置いた次の隣接する2本の上層緯糸の
上を通って組織に織り込むことにより、隣り合う経糸が
製紙面に形成する斜め方向のクリンプの配列が寸断さ
れ、経糸が製紙面に形成するクリンプの規則性が崩され
ワイヤマークの発生が防止しされている。また、製紙面
は緯糸のロングクリンプで平らな面が形成されており、
製紙面の経糸間で緯糸の陥没がない。さらに、隣接する
経糸が製紙面に形成するクリンプの間に常に長い緯糸の
クリンプが介在しており、繊維の刺さり込みが防止され
ていることが理解される。
第6図の実施例では、経糸1は11″と29″の下層の緯
糸を組織に織り込む、そして隣接する経糸2は13″と3
7″の下層の緯糸を組織に織り込み、隣接する経糸3は2
1″と39″の下層の緯糸を組織に織り込む。このように
隣接する経糸の下層緯糸の織り込み位置が異なる。下層
緯糸は完全組織で2回織り込まれ、経糸11本分の長いク
リンプと経糸8本分の短いクリンプを形成している。こ
の実施例は、下層緯糸の織り込み回数が多いので織物の
剛性が大きく姿勢安定性が優れている。
第7図の実施例は、第6図の実施例と同じ経糸21シャ
フト緯糸42本の織物で下層の緯糸を織り込む位置が異な
る製紙用織物の完全組織を示す。上層の組織は、第6図
の実施例と同じである。隣り合う経糸が製紙面に形成す
る斜め方向のクリンプの配列が寸断され、経糸が製紙面
に形成するクランプの規則性が崩されワイヤマークの発
生が防止しされている効果も同じである。また、製紙面
は緯糸のロングクリンプで平らな面が形成されており、
製紙面の経糸間で緯糸の陥没がない。さらに、隣接する
経糸が製紙面に形成するクリンプの間に常に長い緯糸の
クリンプが介在しており、繊維の刺さり込みが防止され
ていることも同じである。
経糸1は、7″と15″と31″と39″の下層の緯糸を組
織に織り込む、そして隣接する経糸2はと15″と23″と
33″と41″の下層の緯糸を組織に織り込み、隣接する経
糸3は7″と17″と25″と41″の下層の緯糸を組織に織
り込みまた、隣接する経糸4は1″と9″と25″と33″
の下層の緯糸を組織に織り込む。
このように隣接する経糸は一対となって下層の緯糸を
織り込む、つまり、この実施例では下層の緯糸は隣接す
る1対の経糸により2回組織に織りまれるので、下層緯
糸のクリンプ性が非常に良く、太い緯糸が使用できるこ
とが理解される。しかも長いクリンプを形成するのが特
徴であり、耐摩耗性が極めて良好である。
第8図の実施例は、経糸23シャフト緯糸46本の織物の
完全組織を示す。
第8図の上層緯糸1′は経糸1と経糸10により2回組
織に織り込まれている。そして、経糸1と経糸10の間で
経糸8本分の短いクリンプを形成し、またこの完全意匠
図の右又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み
部位との間に経糸13本分の長いクリンプを形成してい
る。
また、上層緯糸2′は経糸1と経糸15で組織に2回織
り込まれている。そして、経糸1と経糸15の間で経糸13
本分の長いクリンプを形成し、またこの完全意匠図の右
又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み部位と
の間に経糸8本分の短いクリンプを形成している。そし
て、上層緯糸1′の短いクリンプと上層緯糸2′の長い
クリンプが隣接している。
他の3′〜46′の上層緯糸も同様にそれぞれ経糸8本
分の短いクリンプと経糸13本分の長いクリンプを形成し
ている。そして隣接する上層緯糸は短いクリンプと長い
クリンプが隣接していることがわかる。
経糸1は上層緯糸1′、2′と24′、25′の上を通
り、これらの隣接する2本の上層緯糸を組織に織り込ん
でいる。そして下層緯糸9″と37″を組織に織り込んで
いる。
また、経糸2は経糸1が織り込んだ上層緯糸2′と2
5′からそれぞれ3本置いた次の隣接する2本の上層緯
糸6′、7′と29′、30′の上を通って、これらの隣接
する2本の上層緯糸を組織に織り込んでいる。そして下
層緯糸、19″と37″を組織に織り込んでいる。他の3〜
23の経糸も同様にそれぞれ、隣りの経糸が織り込んだ上
層緯糸から3本置いた次の隣接する2本の上層緯糸の上
を通って組織に織り込んでいる。そして下層緯糸を2回
組織に織り込んでいる。
こうして、経糸が隣りの経糸がそれぞれ、織り込んだ
上層緯糸から3本置いた次の隣接する2本の上層緯糸の
上を通って組織に織り込むことにより隣り合う経糸が製
紙面に形成する斜め方向のクランプの配列が寸断され、
経糸が製紙面に形成するクリンプの規則性が崩されワイ
ヤマークの発生が防止しされている。また、製紙面は緯
糸のロングクリンプで平らな面が形成されており、製紙
面の経糸間で緯糸の陥没がない。さらに、隣接する経糸
が製紙面に形成するクリンプの間に常に長い緯糸のクリ
ンプが介在しており、繊維の刺さり込みが防止されてい
ることが理解される。
第8図の実施例では、隣接する1対の経糸が下層の緯
糸を織り込んでいる。つまり、この実施例では下層の緯
糸は隣接する1対の経糸により同一位置で1回組織に織
りまれるので、下層緯糸のクリンプ性が非常に良く、太
い緯糸が使用でき、しかも極めて長いクリンプを形成し
ている。
第9図の実施例は、経糸23シャフト緯糸46本の織物の
完全組織を示す。
第9図の上層緯糸1′は経糸1と経糸10により2回組
織に織り込まれている。そして、経糸1と経糸10の間で
経糸8本分の短いクリンプを形成し、またこの完全意匠
図の右又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み
部位との間に経糸13本分の長いクリンプを形成してい
る。
また、上層緯糸2′は経糸1と経糸15で組織に2回織
り込まれている。そして、経糸1と経糸15の間で経糸13
本分の長いクリンプを形成し、またこの完全意匠図の右
又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み部位と
の間に経糸8本分の短いクリンプを形成している。そし
て、上層緯糸1′の短いクリンプと上層緯糸2′のい長
クリンプが隣接している。
他の3′〜46′の上層緯糸も同様にそれぞれ経糸8本
分の短いクリンプと経糸13本分の長いクリンプを形成し
ている。そして隣接する上層緯糸は短いクリンプと長い
クリンプが隣接していることがわかる。
経糸1は上層緯糸1′と2′の上及び24′と25′の上
を通り、この隣接する2本の上層緯糸を組織に織り込ん
でいる。そして、下層緯糸を5″、21″、33″と39″の
位置で組織に織り込んでいる。
また、経糸2は経糸1が織り込んだ上層緯糸2′と2
5′からそれぞれ3本置いた次の隣接する2本の上層緯
糸6′と7′の上及び上層緯糸29′と30′の上を通って
この隣接する2本の上層緯糸を組織に織り込んでいる。
そして下層緯糸を3″、15″と21″33″の位置で組織に
織り込んでいる。
他の3〜23の経糸も同様にそれぞれ、隣りの経糸が織
り込んだ上層緯糸から3本置いた次の隣接する2本の上
層緯糸の上を通って組織に織り込んでいる。そして下層
緯糸を4回組織に織り込んでいる。下層緯糸1″は、1
対の経糸13、14と20、21により2箇所で組織に織り込ま
れ、1対の経糸13、14と20、21の間に経糸5本分のクリ
ンプを形成し、また、この完全意匠図の右又は左に繰り
返す完全意匠図に示される織り込み部位との間に経糸14
本分のクリンプを形成している。
こうして、経糸がそれぞれ、隣りの経糸が織り込んだ
上層緯糸から3本置いた次の隣接する2本の上層緯糸の
上を通って組織に織り込むことにより、隣り合う経糸が
製紙面に形成する斜め方向のクリンプの配列が寸断さ
れ、経糸が製紙面に形成するクリンプの規則性が崩され
ワイヤマークの発生が防止しされている。また、製紙面
は緯糸のロングクリンプで平らな面が形成されており、
製紙面の経糸間で緯糸の陥没がない。さらに、隣接する
経糸が製紙面に形成するクリンプの間に常に長い緯糸の
クリンプが介在しており、繊維の刺さり込みが防止され
ていることが理解される。
この実施例では、各下層緯糸は隣接する1対の経糸に
より組織に織り込まれているので、下層緯糸のクリンプ
性が非常に良く、太い緯糸が使用できることが理解され
る。しかも極めて長いクリンプを形成するのが特徴であ
り、耐摩耗体積を非常に大きくすることができる。
第10図〜第12図は本発明の製紙用織物の断面図である
が、説明の都合上隣に繰り返す完全組織の1部をも含め
て示してある。例えば、第10図における経糸18〜20は隣
に繰り返す完全組織で示される経糸であるがここで示し
ている。
第10図は、第1図の製紙用織物をI−I′線で切断し
た断面図を示す。上層緯糸11′は、経糸3、13、20で織
り込まれ、経糸4〜12の上に経糸9本分の長いクリンプ
をまた、経糸14〜19の上に経糸6本分の短いクリンプを
形成している。
一方下層緯糸11″は、経糸1と8と18で組織に織り込
まれ、経糸1と8の間に経糸6本分の短いクリンプを形
成しまた、経糸8と18の間に経糸9本分の長いクリンプ
を形成している。
第11図は第2図の製紙用織物をII−II′線で切断した
断面図を示す。上層緯糸33′は、経糸4、14、21で織り
込まれ、経糸5〜13の上に経糸9本分の長いクリンプを
また、経糸15〜20の上に経糸6本分の短いクリンプを形
成している。
一方下層緯糸33″は、一対の経糸1、2と8、9と1
8、19で組織に織り込まれ、経糸1、2と8、9の間に
経糸5本分の短いクリンプを形成しまた、経糸8、9と
18、19の間に経糸8本分の長いクリンプを形成してい
る。
第12図は第3図の製紙用織物をIII−III′線で切断し
た断面図を示す。上層緯糸15′は、経糸7、14、24で織
り込まれ、経糸8〜13の上に経糸6本分の短いクリンプ
をまた、経糸15〜23の上に経糸9本分の長いクリンプを
形成している。
一方下層緯糸15″は、隣接する1対の経糸1、2と1
8、19で組織に織り込まれ、経糸15本分の長いクリンプ
を形成している。
この第10図〜第12図の断面図から本発明の製紙用織物
は、製紙面が経糸の上に橋架状に並ぶ上層緯糸の長短の
交互に配列したクリンプで形成されており、平らな面と
なってワイヤマークが防止されていることがわかる。ま
た、走行面には、下層緯糸の長いクリンプが形成され、
耐摩耗性が増大されていることが理解できる。
第13図は、従来の16シャフトの緯糸二重織物を示す完
全意匠図である。
第13図の上層緯糸1′は経糸3と経糸6さらに経糸11
と経糸14により4回組織に織り込まれている。そして、
経糸3と経糸6の間および経糸11と経糸14の間で経糸2
本分のクリンプを形成し、また経糸6と経糸11の間およ
びこの完全意匠図の右又は左に繰り返す完全意匠図に示
される織り込み部位との間に経糸4本分のクリンプを形
成している。
また、上層緯糸2′は経糸1と経糸6と経糸9と経糸
14で組織に4回織り込まれている。そして、経糸6と経
糸9の間およびこの完全意匠図の右又は左に繰り返す完
全意匠図に示される織り込み部位との間に経糸2本分の
クリンプを形成している。また上層緯糸2′は経糸1と
経糸6の間および経糸9と経糸14の間で経糸4本分のク
リンプを形成している。
他の3′〜16′の上層緯糸も同様にそれぞれ経糸4本
分のクリンプと経糸2本分の短いクリンプを形成してい
る。
この従来例からわかるように、16シャフトの従来知ら
れている製紙用織物の、上層緯糸は製紙面で経糸2本分
の長さのクリンプを形成しているのである。
第14図は、第13図の従来知られている16シャフトの織
物をIV−IV′線で切断した断面図であり、上層緯糸が経
糸により組織に織り込まれた状態を示すものである。上
層緯糸3′は経糸1と4と9と12により組織に4回織り
込まれ、下方に押し下げられている。一方経糸2、3は
上層緯糸3′を上方に押し上げているが、経糸1と4の
押し下げる力が大きいので下方に押し下げられ、上層緯
糸3′は経糸1と4の上面を結んだ位置より下方に陥没
しており、このように上層緯糸のクリンプが経糸2本分
の長さしかないと製紙面に凹所26が形成されここに紙料
が潜り込みワイヤマークを発生させることがわかる。
本発明の実施例である第10図では上層緯糸のクリンプ
の長さが短いほうのクリンプでも経糸4本分の長さであ
り、この場合は上層緯糸の陥没がなく製紙面が平滑つに
なっていことが理解される。
[効果] 次に本発明の効果を説明するため具体的な織物につい
て比較試験の結果を示す。
比較試験1 第3図に示す本発明の経糸17シャフト上層緯糸34本の
製紙用織物(実施例3)と第13図に示す従来の16シャフ
トの製紙用織物(比較例1)との比較試験の結果を表1
に示す。糸は全てモノフィラメントを用いた。
パルプ液水時間:新聞損紙を離解しフリーネス170m
lとなして作成した0.04%濃度のパルプ液を織物上に水
位300mmとなし、織物面の垂直から15゜傾斜させて、パ
ルプ液を織物面に流したときの水位零までの時間。
以上の試験結果から、本発明の製紙用織物は、水
性、パルプ歩留り、平滑度等において従来の織物に比較
して極めて良好な効果を奏することが明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第9図は、本発明の実施例を示す完全意匠図で
ある。第10図は第1図の織物をI−I′線で切断した横
断面図であり、第11図は第2図の織物をII−II′線で切
断した横断面図である。また第12図は第3図の織物をII
I−III′線で切断した横断面図である。 第13図は従来の16シャフトの緯糸二重製紙用織物の完全
意匠図である。第14図は第13図の織物をIV−IV′線で切
断した横断面図である。 図面中の×は経糸が上層緯糸の上にある位置を示すがこ
の×はまた上層緯糸が経糸によって組織に織り込まれて
いる位置を示す。また、○は下層緯糸が経糸によって組
織に織り込まれている位置を示す。 1〜23……経糸 1′〜46′……上層緯糸 1″〜45″(奇数)……下層緯糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−145886(JP,A) 特開 平2−74691(JP,A) 特開 平2−19587(JP,A) 特開 昭63−99393(JP,A) 特開 昭62−57996(JP,A) 特開 昭62−121509(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21F 1/10 D03D 11/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】緯糸を上下2層に配置した経糸が17+n
    (n=0、2、4または6、以下同じ)シャフトで、上
    層緯糸が2×(17+n)本、で繰返しパターンを構成す
    る織物であって、 上層緯糸の本数は、下層緯糸の本数の2倍であり、上層
    各緯糸は、交互に異なる本数の経糸を乗り越えて長いク
    リンプと短いクリンプを交互に形成し、隣接する緯糸間
    において長いクリンプと短いクリンプが隣接しており、 経糸は、1本の経糸が上層緯糸の2×(17+n)本ごと
    の繰返パターンで、隣接する2本の上層緯糸の上を通っ
    て組織に織り込まれ、隣接する次の経糸は初めの経糸が
    乗り越えた2本の上層緯糸から3本置いた次の2本の上
    層緯糸の上を通って組織に織り込まれ、以下順次同様に
    して、17+n本目の経糸まで組織に織り込まれた、完全
    組織を製紙面に形成し、 また、下層緯糸は上層緯糸の1本置きに配置されてお
    り、各経糸が、上層緯糸(17+n)本間で下層緯糸を少
    なくとも1回組織に織り込んでなる、製紙用二重織物。
  2. 【請求項2】上層緯糸が34本、経糸が17シャフトの織物
    であって、上層各緯糸の形成する長いクリンプが経糸9
    本分であり、短いクリンプが経糸6本分である、請求項
    1に記載された製紙用二重織物。
  3. 【請求項3】上層緯糸が38本、経糸が19シャフトの織物
    であって、上層各緯糸の形成する長いクリンプが経糸14
    本分であり、短いクリンプが経糸3本分である、請求項
    1に記載された製紙用二重織物。
  4. 【請求項4】上層緯糸が42本、経糸が21シャフトの織物
    であって、上層各緯糸の形成する長いクリンプが経糸16
    本分であり、短いクリンプが経糸4本分である、請求項
    1に記載された製紙用二重織物。
  5. 【請求項5】上層緯糸が46本、経糸が23シャフトの織物
    であって、上層各緯糸の形成する長いクリンプが経糸13
    本分であり、短いクリンプが経糸8本分である、請求項
    1に記載された製紙用二重織物。
  6. 【請求項6】走行面には下層緯糸の長いクリンプが形成
    された、請求項1ないし5のいずれか1項に記載された
    製紙用二重織物。
  7. 【請求項7】下層緯糸が上層緯糸より太い緯糸である請
    求項1ないし6のいずれか1項に記載された製紙用二重
    織物。
  8. 【請求項8】走行面の下層緯糸がポリアミド緯糸及び/
    またはポリエステル緯糸である、請求項1ないし7のい
    ずれか1項に記載された製紙用二重織物。
  9. 【請求項9】走行面の下層緯糸がポリアミド緯糸は、下
    層ポリエステル緯糸より太い糸である、請求項1ないし
    8のいずれか1項に記載された製紙用二重織物。
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