JP2884414B2 - 製紙用二重織物 - Google Patents

製紙用二重織物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、製紙用織物に関する。
[従来の技術] 通常の長網を用いた製紙においては、紙料のスラリー
を走行する製紙用無端織物に供給する。製紙織物はスラ
リーからセルロース繊維を分離し湿った紙ウエッブを形
成する。つまりこの点からみると、製紙用織物は湿った
紙ウエブ形成のフィルターとして作用している。織物の
ドレイン孔とも呼ばれるメッシュ開口部はスラリーから
水を分離する機能を果す。また長網製紙機においては、
製紙用織物は駆動ベルトとしても機能するので機械方向
の張力を受ける特徴があり姿勢の安定性がよいことが必
要である。
製紙においては、いくつかの問題があるが特に製紙用
織物に関しては次の事項が要求される、紙料の保持性が
大きいことすなわち紙料の製紙面からの流失がすくない
こと、ワイヤーマークが発生しないこと、水性が良好
で保水性が小さいこと、耐摩耗性が大きいこと、姿勢の
安定性がよいことなどである。
前述の製紙用織物に対する要求に応えるため、従来種
々な提案が成されてきた。しかしながら未だ充分満足さ
れる製紙用織物はないのが現状である。
近年、例えば緯糸二重構造の織物は平面的な空間がな
く、立体空間により脱水するため一重織物に較べて緩や
かな脱水となり、繊維の保持性がよいため好んで使用さ
れるようになってきたが、経糸の製紙面に形成するクリ
ンプの配列と経糸間に存在すべき緯糸が製紙面から部分
的に陥没した構造のために、ワイヤマークを発生すると
いう欠点がある。
一つの試みとして組織に通常織物を形成する、経糸と
緯糸の交差する形では織り込まれていない、いわゆる、
フローティングヤーンと呼ばれる浮き糸を緯糸に配置す
ることにより製紙面の緯糸の本数を増やして前記緯糸の
陥没部を補い、緯糸で製紙面を形成することが提案され
た。この提案は製紙面の緯糸を増やす点では興味のある
技術思想であるが未だ充分なものとはいえない。即ちこ
の様な組織に織り込まれない緯糸は、まさにフローティ
ングヤーンであってスラリーが製紙用織物に供給される
ときに緯糸にかかる流体圧力によって移動してしまい、
いわゆる緯糸の寄りが生じ均一な製紙面が維持できな
い。また、二重構造の上層緯糸の間にこの種のフローテ
ィングヤーンを設けると、水性が低下するため緯糸の
間隔を拡げざるを得ない。このため走行面を形成する下
層緯糸の密度減を伴い、耐摩耗体積が減少し、走行命数
が著るしく短かくなりまたシャワーによるフローティン
グヤーンのフィブリル化など実用上問題がある。
ワイヤマークの問題は特に緯糸が製紙面に突出する一
重織物の場合顕著である。
ドレイン性を維持するためと、製紙面を微細メッシュ
にしかつ耐摩耗性を付与するために多重織物を使用する
ことも提案されているが未だ充分満足できるものはな
い。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者は前記の、紙料の保持性が大きいこと、ワイ
ヤーマークが発生しないこと、水性が良好であるこ
と、耐摩耗性が大きいこと、姿勢の安定性がよいこと等
の問題を解決すべく種々研究の結果、緯糸二重構造の織
物において、製紙面を形成する経糸間で緯糸が陥没する
構造を取り除き、常に製紙面は経糸と緯糸のクリンプで
平らな面を形成させるとともに、隣接する経糸が製紙面
に形成するクリンプの間に常に長い緯糸のクリンプを介
在させ、繊維の刺さり込みや、隣り合う経糸のクリンプ
の間を寸断して経糸が製紙面に形成するクリンプの規則
性を解消しワイヤーマークの発生を防止し、本発明を完
成したのである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、 「1.緯糸を上下2層に配置した、経糸が16+2n(n=
0、1または4)シャフト、上層緯糸が16+2n本であ
り、経糸と緯糸が同じ本数の織物であって、 上層緯糸の本数が下層の緯糸の本数の2倍であり、上
層各緯糸は、交互に異なる本数の経糸を乗り越えて長い
クリンプと短いクリンプを交互に形成し、隣接する上層
緯糸間において長いクリンプと短いクリンプが隣接して
おり、 経糸は、1本の経糸が上層緯糸の(16+2n)本ごとの
繰返パターンで、隣接する2本の上層緯糸の上を通って
組織に織り込まれ、隣接する次の経糸は初めの経糸が乗
り越えた2本の上層緯糸から5本置いた次の2本の上層
緯糸の上を通って組織に織り込まれ、以下順次同様にし
て、16+2n本目の経糸まで組織に織り込まれた、完全組
織を製紙面に形成し、また、下層緯糸は上層緯糸の1本
置きに配置されており、各経糸が、上層緯糸(16+2n)
本間で下層緯糸を少なくとも1回組織に織り込んでな
る、製紙用二重織物。
2.一本おきの経糸が、上層緯糸(16+2n)本間で下層緯
糸を少なくとも1回組織に織り込んでなる請求項1に記
載された、製紙用二重織物。
3.上層緯糸が16本、経糸が16シャフトの織物であって、
上層各緯糸の形成する長いクリンプが経糸8本分であ
り、短いクリンプが経糸6本分である、請求項1または
2に記載された製紙用二重織物。
4.上層緯糸が18本、経糸が18シャフトの織物であって、
上層各緯糸の形成する長いクリンプが経糸12本分であ
り、短いクリンプが経糸4本分である、請求項1ないし
2のいずれか1項に記載された製紙用二重織物。
5.上層緯糸が24本、経糸が24シャフトの織物であって、
上層各緯糸の形成する長いクリンプが経糸16本分であ
り、短いクリンプが経糸6本分である、請求項1または
2に記載された製紙用二重織物。
6.走行面には下層緯糸の長いクリンプが形成された、請
求項1ないし5のいずれか1項に記載された製紙用二重
織物。
7.下層緯糸が上層緯糸より太い緯糸である請求項1ない
し6のいずれか1項に記載された製紙用二重織物。
8.走行面の下層緯糸がポリアミド緯糸とポリエステル緯
糸とからなる、請求項1ないし7のいずれか1項に記載
された製紙用二重織物。
9.走行面の下層緯糸がポリアミド緯糸は、ポリエステル
緯糸より太い糸である、請求項1ないし8のいずれか1
項に記載された製紙用二重織物。」に関する。
本発明は、上記の構成の二重織物であるので製紙面は
緯糸リッチで形成され各緯糸はロングクリンプとショー
トクリンプが交互に形成されると共に、隣接緯上層糸間
で緯糸のロングクリンプとショートクリンプが交互に隣
接配置される特殊な構造となっている。走行面は緯糸密
度が製紙面より小さいのが特徴である。また各緯糸は、
隣接上層緯糸を2本同時に織り込んでいる。この特殊な
構成により次の作用の項でのべる優れた作用を奏するの
である。
本発明においては、製紙面の上層緯糸が16本、経糸が
16シャフトの織物の場合は上層緯糸は経糸6本分の短い
クリンプと、経糸8本分の長いクリンプを形成し、ま
た、製紙面の上層緯糸が18本経糸が18シャフトの織物の
場合は上層緯糸は経糸4本分の短いクリンプと、経糸12
本分の長いクリンプを形成する。また、製紙面の上層緯
糸が24本経糸が24シャフトの織物の場合は上層緯糸は経
糸6本分の短いクリンプと、経糸16本分の長いクリンプ
を形成するが、この様なクリンプを形成しなければなら
ない理由を次に説明する。
製紙面を形成する上層緯糸は、この緯糸を組織に織り
込む経糸間で経糸により、下方に押し下げられ製紙面か
ら陥没して凹所が形成される。一方該上層緯糸により組
織に織り込まれる上記上層緯糸を組織に織り込んだ経糸
間に存在する経糸はこの上層緯糸の下にあってこの上層
緯糸を上方に押し上げているが実際には、上層緯糸を組
織に織り込んだ緯糸の押し下げる力が押し上げる力より
大であるため、製紙面には上層緯糸の陥没により凹所が
形成されているのである。
本発明者等の研究によると、製紙面の上層緯糸の下に
あり上層緯糸を上に押し上げる経糸本数の多いほど、言
い換えると、上層緯糸の形成するクリンプが長いほど大
きい力で上層緯糸は上に押し上げられるので陥没は小さ
くなる。
本発明者等はさらに研究を進め、製紙面に上層緯糸の
陥没を防止し凹所のない平滑な製紙面を形成するために
は、上層緯糸に長いクリンプを形成させる必要があり、
少なくとも経糸3本分以上の長さのクリンプを形成させ
ることが必要であることを解明して本発明を完成した。
上層緯糸に形成させるクリンプの長さが経糸3本分以下
では、構造的にどうしても上層緯糸の陥没を完全に防ぐ
ことができず凹所が発生し、完全に平滑な製紙面を形成
することは出来ない。このことは、上層緯糸を、下方に
押し下げる経糸の押下力のおよぶ範囲は、該経糸の接す
る上層緯糸の接触部の両側のそれぞれ経糸1本分程度で
あり、上層緯糸の形成するクリンプが経糸3本分以上あ
れば、経糸の押下力の影響が減るので、経糸の押上げ効
果が奏され上層緯糸の陥没が小さくなることは論理的に
も理解される。
本発明の織物を製織する糸としてはポリアミド糸やポ
リエステル糸が好適であり、特に、経糸にポリエステル
糸を使用し、上緯糸にはポリエステル糸を、下緯糸に
は、ポリアミド系とポリエステル糸を併用した織物は、
姿勢の安定性や耐摩耗性も含めて非常によい性能を示
す。
本発明の製紙用織物は緯糸二重の織物である。下層緯
糸は上層緯糸の1本置きでかつその下に配置されてい
る。即ち、下層緯糸は後で説明する完全意匠図の奇数又
は偶数で示されるいずれかの上層緯糸の下に配置されて
いるのである。
また、本発明の製紙用織物は走行面を形成する緯糸は
ロングクリンプを形成し、有効耐摩耗体積が大きく、耐
摩耗性が良好である特徴がある。
本発明の製紙用織物はいわゆる抄紙用織物だけではな
く、製紙用ドライカンバス、製紙用フェルト等全ての製
紙用織物を意味している。
[作用] 上記のように構成された本発明の製紙用織物は、各緯
糸を、1本の経糸が、隣接する2本の上層緯糸を織り込
み、隣接する次の経糸が、初めの経糸が織り込んだ上層
緯糸から5本置いた次の隣接する2本の緯糸を織り込む
ように配置することにより、各上層緯糸にロングクリン
プとショートクリンプが交互に配置され、また、隣接す
る上層緯糸間でロングクリンプとショートクリンプが隣
接しロングクリンプ同志、ショートクリンプ同志の隣接
が防止されているので、製紙面の上層緯糸の上に形成さ
れる、経糸のクリンプの斜め方向への規則的な配列が、
上層緯糸のロングクリンプにより寸断され紙に斜め方向
のマークを発生させない。紙に発生するワイヤマーク
は、紙の厚薄、凹凸などが規則的に配列することによ
り、際立って目立ちワイヤマークとして認識されるので
あるから、このように配列を寸断して規則的配列の繰返
しを断つことは極めて合理的でありまた効果的である。
また、密度の高い、上層緯糸の並列により形成された製
紙面は、製紙時の紙料保持性が良好でありしかも、パル
プ繊維の突刺さりもなく、ワイヤマークの発生を防ぐと
ともに、製紙の歩留まりと紙の平滑性を向上するのであ
る。
さらに、下層緯糸は、上層緯糸の1/2の粗な緯糸密度
であり、しかもロングクリンプを形成しているのでクリ
ンプ性もよく、太い緯糸を配置することができるので長
いクリンプと相俟って、緯糸の耐摩耗体積を非常に大き
くすることができ、耐摩耗性は著るしく増大する。
また、下層緯糸に太い糸を配置できるため、織物全体
に剛性が付与でき、姿勢の安定性が優れている。
本発明は、さらに、下層緯糸は、上層緯糸の1/2の粗
な密度であるため、水抵抗が小さく、シャワー効果も
よく、保水性も小さい。織物の構造については実施例に
おいて図面に基ずき具体的に説明する。
[実施例] 次に本発明の実施例を完全組織を示す意匠図で示しな
がら順次図面に基ずいて具体的に説明する。各意匠図
は、本発明の製紙用織物の製紙面を示す、完全意匠図で
ある。従って下層緯糸は、製紙面組織の上層緯糸の1本
置きでかつその下に配置されていることになる。本実施
例では、説明のため各完全意匠図の奇数で示される上層
緯糸の下に下層緯糸を配置させている。勿論偶数で示さ
れる上層緯糸の下に下層緯糸を配置しても同じである。
完全意匠図において経糸はアラビヤ数字、例えば1、
2、3、で示し、また上層緯糸はダッシュを付したアラ
ビヤ数字例えば1′、2′、3、′で示めす。下層緯糸
は上層緯糸の下に配置されているので本数は1/2である
が記載の都合上、上層緯糸とおなじアラビヤ数字で示
し、意匠図には示さないが説明中ではダブルダッシュを
付したアラビヤ数字例えば1″、2″、3、″で示して
行う。また、図中×は経糸が上層緯糸の上にある位置を
示すがこの×はまた上層緯糸が経糸によって組織に織り
込まれている位置を示す。また、○は下層緯糸が経糸に
よって組織に織り込まれている位置を示す。
第1図の実施例は、経糸16シャフト緯糸16本の織物の
完全組織を示す。
第1図の上層緯糸1′は経糸1と経糸10により2回組
織に織り込まれている。そして、経糸1と経糸10の間で
経糸8本分の長いクリンプを形成し、またこの完全意匠
図の右又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み
部位との間に経糸6本分の短いクリンプを形成してい
る。
また、上層緯糸2′は経糸1と経糸8で組織に2回織
り込まれている。そして、経糸1と経糸8の間で経糸6
本分の短いクリンプを形成し、またこの完全意匠図の右
又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み部位と
の間に経糸8本分の長いクリンプを形成している。そし
て、上層緯糸1′の長いクリンプと上層緯糸2′のい短
クリンプが隣接している。
他の3′〜16′の上層緯糸も同様にそれぞれ経糸6本
分の短いクリンプと経糸8本分の長いクリンプを形成し
ている。そして隣接する上層緯糸は短いクリンプと長い
クリンプが隣接していることがわかる。
経糸1は上層緯糸1′、2′の上を通り、この隣接す
る2本の上層緯糸を組織の織り込んでいる。そして下層
緯糸7″を組織に織り込んでいる。
また、経糸2は経糸1が織り込んだ上層緯糸2′から
5本置いた次の隣接する2本の上層緯糸8′、9′の上
を通って組織に織り込んでいる。そして下層緯糸13″を
組織に織り込んでいる。
他の3〜16の経糸も同様にそれぞれ、隣りの経糸が織
り込んだ上層緯糸から5本置いた次の隣接する2本の上
層緯糸の上を通って組織に織り込んでいる。そして下層
緯糸を1回組織に織り込んでいる。
こうして、経糸がそれぞれ、隣りの経糸が織り込んだ
上層緯糸から5本置いた次の隣接する2本の上層緯糸の
上を通って組織に織り込むことにより、隣り合う経糸が
製紙面に形成する斜め方向のクリンプの配列が寸断さ
れ、経糸が製紙面に形成するクリンプの規則性が崩され
ワイヤマークの発生が防止しされている。また、製紙面
は緯糸のロングクリンプで平らな面が形成されており、
製紙面の経糸間で緯糸の陥没がない。さらに、前述のよ
うに隣接する経糸が製紙面に形成するクリンプの間に常
に長い緯糸のクリンプが介在しており、繊維の刺さり込
みが防止されていることが理解される。
下層緯糸1″は経糸7、14、により2箇所で組織に織
り込まれ、この経糸7、14の間に、経糸6本分の短いク
リンプを形成している。また、この完全意匠図の右又は
左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み部位との間
に、経糸8本分の長いクリンプを形成している。
第1図の実施例では、隣接する経糸の下層緯糸の織り
込み位置が異なる。下層緯糸は完全組織で2回織り込ま
れ、経糸8本分の長いクリンプと経糸6本分の短いクリ
ンプを形成している。この実施例は、下層緯糸の織り込
み回数が多いので織物の剛性が大きく姿勢安定性が優れ
ている。
第2図の実施例は、経糸16シャフト緯糸16本の製紙用
織物の完全組織を示す。
第2図の上層緯糸1′は経糸1と経糸10により2回組
織に織り込まれている。そして、経糸1と経糸10の間で
経糸8本分の長いクリンプを形成し、またこの完全意匠
図の右又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み
部位との間に経糸6本分の短いクリンプを形成してい
る。
また、上層緯糸2′は経糸1と経糸8で組織に2回織
り込まれている。そして、経糸1と経糸8の間で経糸6
本分の短いクリンプを形成し、またこの完全意匠図の右
又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み部位と
の間に経糸8本分の長いクリンプを形成している。そし
て、上層緯糸1′の短いクリンプと上層緯糸2′の長い
クリンプが隣接している。
他の3′〜16′の上層緯糸も同様にそれぞれ経糸6本
分の短いクリンプと経糸8本分の長いクリンプを形成し
ている。そして、隣接する上層緯糸の短いクリンプと長
いクリンプが隣接していることがわかる。
経糸1は上層緯糸1′、2′の上を通り、この隣接す
る2本の上層緯糸を組織に織り込んでいる。そして、下
層緯糸5″と15″を組織に織り込んでいる。
また、経糸2は経糸1が織り込んだ上層緯糸2′から
5本置いた、次の隣接する2本の上層緯糸8′と9′の
上を通って組織に織り込んでいる。そして下層緯糸5″
と13″を組織に織り込んでいる。
他の3〜16の経糸も同様にそれぞれ、隣りの経糸が織
り込んだ上層緯糸から5本置いた次の隣接する2本の上
層緯糸の上を通って組織に織り込んでいる。そして、下
層緯糸を2回組織に織り込んでいる。
こうして、経糸がそれぞれ、隣りの経糸が織り込んだ
上層緯糸から5本置いた次の隣接する2本の上層緯糸の
上を通って組織に織り込むことにより、各上層緯糸にロ
ングクリンプとショートクリンプが交互に配置され、ま
た、隣接する上層緯糸間でロングクリンプとショートク
リンプが隣接しロングクリンプ同志、ショートクリンプ
同志の隣接が防止されているので、製紙面の上層緯糸の
上に形成される、経糸のクリンプの斜め方向への規則的
な配列が、上層緯糸のロングクリンプにより寸断され、
経糸が製紙面に形成するクリンプの規則性が崩されワイ
ヤマークの発生が防止しされている。また、製紙面は緯
糸のロングクリンプで平らな面が形成されており、製紙
面の経糸間で緯糸の陥没がない。さらに、製紙面を緯糸
で形成すると、紙料が経糸間に存在するドレイン孔に直
接突刺さりドレイン孔を塞ぐことがないので織物のドレ
イン性も格段によくなる効果があるが本発明では隣接す
る経糸が製紙面に形成するクリンプの間に常に長い緯糸
のクリンプが介在しており、繊維の刺さり込みが防止さ
れていることが理解される。
各下層緯糸はこの実施例では、隣接する1対の経糸に
より組織に2回織り込まれ、経糸7本分の長いクリンプ
と経糸5本分の短いクリンプを形成している。つまり、
この実施例では下層の緯糸は隣接する1対の経糸により
2回組織の織りこまれるので、下層緯糸のクリンプ性が
非常に良く、太い緯糸が使用できることが理解される。
しかも長いクリンプを形成するので耐摩耗体積が大きく
なり耐摩耗性が極めて良好である。また、織物の剛性が
大きく姿勢安定性も良好である。
第3図の実施例は、経糸18シャフト緯糸18本の製紙用
織物の完全組織を示す。
第3図の上層緯糸1′は経糸1と経糸6により2回組
織の織り込まれている。そして、経糸1と経糸6の間で
経糸4本分の短いクリンプを形成し、またこの完全意匠
図の右又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み
部位との間に経糸12本分の長いクリンプを形成してい
る。
また、上層緯糸2′は経糸1と経糸14で組織に2回織
り込まれている。そして、経糸1と経糸14の間で経糸12
本分の長いクリンプを形成し、またこの完全意匠図の右
又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み部位と
の間に経糸4本分の短いクリンプを形成している。そし
て、上層緯糸1′の短いクリンプと上層緯糸2′の長い
クリンプが隣接している。
他の3′〜18′の上層緯糸も同様にそれぞれ経糸4本
分の短いクリンプと経糸12本分の長いクリンプを形成し
ている。そして、隣接する上層緯糸は短いクリンプと長
いクリンプが隣接していることがわかる。
経糸1は上層緯糸1′、2′の上を通り、この隣接す
る2本の上層緯糸を組織に織り込んでいる。そして、下
層緯糸5″を組織に織り込んでいる。
また、経糸2は経糸1が織り込んだ上層緯糸2′から
5本置いた、次の隣接する2本の上層緯糸8′と9′の
上を通って組織に織り込んでいる。そして下層緯糸13″
を組織に織り込んでいる。
他の3〜18の経糸も同様にそれぞれ、隣りの経糸が織
り込んだ上層緯糸から5本置いた次の隣接する2本の上
層緯糸の上を通って組織に織り込んでいる。そして下層
緯糸を1回組織に織り込んでいる。
こうして、経糸がそれぞれ、隣りの経糸が織り込んだ
上層緯糸から5本置いた次の隣接する2本の上層緯糸の
上を通って組織に織り込むことにより、各上層緯糸にロ
ングクリンプとショートクリンプが交互に配置され、ま
た、隣接する上層緯糸間でロングクリンプとショートク
リンプが隣接しロングクリンプ同志、ショートクリンプ
同志の隣接が防止されているので、製紙面の上層緯糸の
上に形成される、経糸のクリンプの斜め方向への規則的
な配列が、上層緯糸のロングクリンプにより寸断され、
経糸が製紙面に形成するクリンプの規則性が崩されワイ
ヤマークの発生が防止しされている。また、製紙面は緯
糸のロングクリンプで平らな面が形成されており、製紙
面の経糸間で緯糸の陥没がない。さらに、前述のように
隣接する経糸が製紙面に形成するクリンプの間に常に長
い緯糸のクリンプが介在しており、繊維の刺さり込みが
防止されていることが理解される。
各下層緯糸はこの実施例では、経糸により組織に2回
織り込まれ、経糸12本分の長いクリンプと経糸4本分の
短いクリンプを形成している。つまり、この実施例では
下層の緯糸は経糸により2回組織に織りまれるので、下
層緯糸の織り込み回数が多いので織物の剛性が大きく姿
勢安定性が優れている。下層緯糸のクリンプ性も良く、
太い緯糸が使用できることが理解される。しかも長いク
リンプを形成し、耐摩耗性が極めて良好である。
第4図の実施例は、経糸18シャフト緯糸18本の製紙用
織物の完全組織を示す。
第4図の上層緯糸1′は経糸1と経糸6により2回組
織に織り込まれている。そして、経糸1と経糸6の間で
経糸4本分の短いクリンプを形成し、またこの完全意匠
図の右又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み
部位との間に経糸12本分の長いクリンプを形成してい
る。
また、上層緯糸2′は経糸1と経糸14で組織に2回織
り込まれている。そして、経糸1と経糸14の間で経糸12
本分の長いクリンプを形成し、またこの完全意匠図の右
又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み部位と
の間に経糸4本分の短いクリンプを形成している。そし
て、上層緯糸1′の短いクリンプと上層緯糸2′の長い
クリンプが隣接している。
他の3′〜18′の上層緯糸も同様にそれぞれ経糸4本
分の短いクリンプと経糸12本分の長いクリンプを形成し
ている。そして隣接する上層緯糸は短いクリンプと長い
クリンプが隣接していることがわかる。
経糸1は上層緯糸1′、2′の上を通り、この隣接す
る2本の上層緯糸を組織に織り込んでいる。そして、下
層緯糸5″を組織に織り込んでいる。
また、経糸2は経糸1が織り込んだ上層緯糸2′から
5本置いた、次の隣接する2本の上層緯糸8′と9′の
上を通って組織に織り込んでいる。そして下層緯糸5″
を組織に織り込んでいる。
他の3〜18の経糸も同様にそれぞれ、隣りの経糸が織
り込んだ上層緯糸から5本置いた次の隣接する2本の上
層緯糸の上を通って組織に織り込んでいる。そして下層
緯糸を1回組織に織り込んでいる。
こうして、経糸がそれぞれ、隣りの経糸が織り込んだ
上層緯糸から5本置いた次の隣接する2本の上層緯糸の
上を通って組織に織り込むことにより、各上層緯糸にロ
ングクリンプとショートクリンプが交互に配置され、ま
た、隣接する上層緯糸間でロングクリンプとショートク
リンプが隣接しロングクリンプ同志、ショートクリンプ
同志の隣接が防止されているので、製紙面の上層緯糸の
上に形成される、経糸のクリンプの斜め方向へに規則的
な配列が、上層緯糸のロングクリンプにより寸断され、
経糸が製紙面に形成するクリンプの規則性が崩されワイ
ヤマークの発生が防止しされている。また、製紙面は緯
糸のロングクリンプで平らな面が形成されており、製紙
面の経糸間で緯糸の陥没がない。さらに、前述のように
隣接する経糸が製紙面に形成するクリンプの間に常に長
い緯糸のクリンプが介在しており、繊維の刺さり込みが
防止されていることが理解される。
各下層緯糸はこの実施例では、隣接する1対の経糸に
より組織に織り込まれ、経糸16本分の長いクリンプを形
成している。つまり、この実施例では下層の緯糸は隣接
する1対の経糸により1回組織に強く織りまれるので、
下層緯糸のクリンプ性げ非常に良く、太い緯糸が使用で
きることが理解される。しかも極めて長いクリンプを形
成し耐摩耗性が極めて良好である。
第5図の実施例は、経糸18シャフト緯糸18本の織物の
完全組織を示す。
第5図の実施例では、上層緯糸1′は経糸1と経糸6
により2回組織に織り込まれている。そして、経糸1と
経糸6の間で経糸4本分の短いクリンプを形成し、また
この完全意匠図の右又は左に繰り返す完全意匠図に示さ
れる織り込み部位との間に経糸12本分の長いクリンプを
形成している。
また、上層緯糸2′は経糸1と経糸14で組織に2回織
り込まれている。そして、経糸1と経糸14の間で経糸12
本分の長いクリンプを形成し、またこの完全意匠図の右
又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み部位と
の間に経糸4本分の短いクリンプを形成している。そし
て、上層緯糸1′の短いクリンプと上層緯糸2′の長い
クリンプが隣接している。
他の3′〜18′の上層緯糸も同様にそれぞれ経糸4本
分の短いクリンプと経糸12本分の長いクリンプを形成し
ている。そして、隣接する上層緯糸の短いクリンプと長
いクリンプが隣接していることがわかる。
経糸1は上層緯糸1′と2′の上を通り、この隣接す
る2本の上層緯糸を組織に織り込んでいる。そして下層
緯糸5″と17″を組織に織り込んでいる。
また、経糸2は経糸1が織り込んだ上層緯糸2′から
5本置いた次の隣接する2本の上層緯糸8′と9′の上
を通って組織に織り込んでいる。そして下層緯糸5″と
17″を組織に織り込んでいる。
他の3〜18の経糸も同様にそれぞれ、隣りの経糸が織
り込んだ上層緯糸から5本置いた次の隣接する2本の上
層緯糸の上を通って組織に織り込んでいる。そして下層
緯糸を2回組織に織り込んでいる。
こうして、経糸がそれぞれ、隣りの経糸が織り込んだ
上層緯糸から5本置いた次の隣接する2本の上層緯糸の
上を通って組織の織り込むことにより、各上層緯糸にロ
ングクリンプとショートクリンプが交互に配置され、ま
た、隣接する上層緯糸間でロングクリンプとショートク
リンプが隣接しロングクリンプ同志、ショートクリンプ
同志の隣接が防止されているので、製紙面の上層緯糸の
上に形成される、経糸のクリンプの斜め方向への規則的
な配列が、上層緯糸のロングクリンプにより寸断され、
経糸が製紙面に形成するクリンプの規則性が崩されワイ
ヤマークの発生が防止されている。また、製紙面は緯糸
のロングクリンプで平らな面が形成されており、製紙面
の経糸間で緯糸の陥没がない。さらに、前述のように隣
接する経糸が製紙面に形成するクリンプの間に常に長い
緯糸のクリンプが介在しており、繊維の刺さり込みが防
止されていることが理解される。
下層緯糸1″は、1対の経糸3、4と9、10により2
箇所で組織に織り込まれ、1対の経糸3、4と9、10の
間に経糸4本分のクリンプを形成し、また、この完全意
匠図の右又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込
み部位との間に経糸10本分のクリンプを形成している。
この実施例では各下層緯糸は、1対の経糸により2回
組織に強く織り込まれるので、織物の剛性が大きく姿勢
安定性が良好でかつ、下層緯糸のクリンプ性が非常に良
く、太い緯糸が使用できることが理解される。しかも長
いクリンプを形成するのが特徴である。
第6図の実施例は、経糸18シャフト緯糸18本で一本お
きの経糸が下層緯糸を織込んだ織物の完全組織を示す。
第6図の上層緯糸1′は経糸1と経糸6により2回組
織に織り込まれている。そして、経糸1と経糸6の間で
経糸4本分の短いクリンプを形成し、またこの完全意匠
図の右又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み
部位との間に経糸12本分の長いクリンプを形成してい
る。
また、上層緯糸2′は経糸1と経糸14で組織に2回織
り込まれている。そして、経糸1と経糸14の間で経糸12
本分の長いクリンプを形成し、またこの完全意匠図の右
又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み部位と
の間に経糸4本分の短いクリンプを形成している。そし
て、上層緯糸1′の短いクリンプと上層緯糸2′の長い
クリンプが隣接している。
他の3′〜18′の上層緯糸も同様にそれぞれ経糸4本
分の短いクリンプと経糸12本分の長いクリンプを形成し
ている。そして、隣接する上層緯糸の短いクリンプと長
いクリンプが隣接していることがわかる。
経糸1は上層緯糸1′、2′の上を通り、この隣接す
る2本の上層緯糸を組織に織り込んでいる。そして下層
緯糸9″と13″を組織に織り込んでいる。
また、経糸2は経糸1が織り込んだ上層緯糸2′から
5本置いた次の隣接する2本の上層緯糸8′、9′の上
を通って組織に織り込んでいる。そしてこの経糸2は下
層緯糸を組織に織り込んでいない。
経糸3は経糸2が織り込んだ上層緯糸9′から5本置
いた次の隣接する2本の上層緯糸15′、16′の上を通っ
て組織に織り込んでいる。そしてこの経糸3は経糸1と
で経糸2を該経糸が上層緯糸9′織り込んだ部位で経糸
2を挾んだ形状で下層緯糸9″を組織に織り込んでい
る。
他の3〜18の経糸も同様にそれぞれ、隣りの経糸が織
り込んだ上層緯糸から5本置いた次の隣接する2本の上
層緯糸の上を通って組織に織り込んでいる。そして一本
置きの経糸が隣接経糸が上層緯糸を織り込んだ部位で下
層緯糸を織り込まない隣接経糸を挾んだ形状で下層緯糸
9″を組織に織り込んでいる。
こうして、経糸がそれぞれ、隣りの経糸が織り込んだ
上層緯糸から3本置いた次の隣接する2本の上層緯糸の
上を通って組織に織り込むことにより、各上層緯糸にロ
ングクリンプとショートクリンプが交互に配置され、ま
た、隣接する上層緯糸間でロングクリンプとショートク
リンプが隣接しロングクリンプ同志、ショートクリンプ
同志の隣接が防止されているので、製紙面の上層緯糸の
上に形成される、経糸のクリンプの斜め方向への規則的
な配列が、上層緯糸のロングクリンプにより寸断され、
経糸が製紙面に形成するクリンプの規則性が崩されワイ
ヤマークの発生が防止されている。また、製紙面は緯糸
のロングクリンプで平らな面が形成されており、製紙面
の経糸間で緯糸の陥没がない。さらに、前述のように隣
接する経糸が製紙面に形成するクリンプの間に常に長い
緯糸のクリンプが介在しており、繊維の刺さり込みが防
止されていることが理解される。
下層緯糸1″は経糸6を挾んだ1対の経糸5、7によ
り1箇所で組織に織り込まれ、この経糸5、7とこの完
全意匠図の右又は左に繰り返す完全意匠図に示される織
り込み部位との間に、経糸15本分の長いクリンプを形成
している。
このように第6図の実施例は、一本おきの経糸が下層
緯糸を織込んだ織物の完全組織を有するので、下層緯糸
を織込まない一本おきの経糸は走行面に露出しないの
で、走行中に摩耗を受けず耐摩耗性に極めて優れている
特徴がある。
第7図の実施例は、経糸24シャフト緯糸24本の織物の
完全組織を示す。
第7図の上層緯糸1′は経糸1と経糸18により2回組
織に織り込まれている。そして、経糸1と経糸18の間で
経糸16本分の長いクリンプを形成し、またこの完全意匠
図の右又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み
部位との間に経糸6本分の短いクリンプを形成してい
る。
また、上層緯糸2′は経糸1と経糸8で組織に2回織
り込まれている。そして、経糸1と経糸6の間で経糸6
本分の短いクリンプを形成し、またこの完全意匠図の右
又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み部位と
の間に経糸16本分の長いクリンプを形成している。そし
て、上層緯糸1′の長いクリンプと上層緯糸2′のい短
クリンプが隣接している。
他の3′〜24′の上層緯糸も同様にそれぞれ経糸6本
分の短いクリンプと経糸16本分の長いクリンプを形成し
ている。そして隣接する上層緯糸は短いクリンプと長い
クリンプが隣接していることがわかる。
経糸1は上層緯糸1′、2′の上を通り、この隣接す
る2本の上層緯糸を組織に織り込んでいる。そして下層
緯糸7″を組織に織り込んでいる。
また、経糸2は経糸1が織り込んだ上層緯糸2′から
5本置いた次の隣接する2本の上層緯糸8′、9′の上
を通って組織に織り込んでいる。そして下層緯糸19″を
組織に織り込んでいる。
他の3〜24の経糸も同様にそれぞれ、隣りの経糸が織
り込んだ上層緯糸から5本置いた次の隣接する2本の上
層緯糸の上を通って組織に織り込んでいる。そして下層
緯糸を1回組織に織り込んでいる。
こうして、経糸がそれぞれ、隣りの経糸が織り込んだ
上層緯糸から5本置いた次の隣接する2本の上層緯糸の
上を通って組織に織り込むことにより、各上層緯糸にロ
ングクリンプとショートクリンプが交互に配置され、ま
た、隣接する上層緯糸間でロングクリンプとショートク
リンプが隣接しロングクリンプ同志、ショートクリンプ
同志の隣接が防止されているので、製紙面の上層緯糸の
上に形成される。経糸のクリンプの斜め方向への規則的
な配列が、上層緯糸のロングクリンプにより寸断され、
経糸が製紙面に形成するクリンプの規則性が崩されワイ
ヤマークの発生が防止しされている。また、製紙面は緯
糸のロングクリンプで平らな面が形成されており、製紙
面の経糸間で緯糸の陥没がない。さらに、前述のように
隣接する経糸が製紙面に形成するクリンプの間に常に長
い緯糸のクリンプが介在しており、繊維の刺さり込みが
防止されていることが理解される。
下層緯糸1″は、経糸7と20により2回組織に織り込
まれ、経糸7と20の間に経糸12本分の長いクリンプを形
成し、また、この完全意匠図の右又は左に繰り返す完全
意匠図に示される織り込み部位との間に経糸10本分の短
いクリンプを形成している。
この実施例では、下層の緯糸は下層緯糸の織り込み回
数が多く織物の剛性が大きく姿勢安定性が優れている。
しかも下層緯糸のクリンプ性も非常に良く、太い緯糸が
使用できることが理解される。極めて長いクリンプを形
成するので、耐摩耗体積を非常に大きくすることができ
る。
第8図の実施例は、経糸24シャフト緯糸24本の織物の
完全組織を示す。
第8図の実施例では、上層緯糸1′は経糸1と経糸18
により2回組織に織り込まれている。そして、経糸1と
経糸18の間で経糸16本分の長いクリンプを形成し、また
この完全意匠図の右又は左に繰り返す完全意匠図に示さ
れる織り込み部位との間に経糸6本分の短いクリンプを
形成している。
また、上層緯糸2′は経糸1と経糸8で組織に2回織
り込まれている。そして、経糸1と経糸8の間で経糸6
本分の短いクリンプを形成し、またこの完全意匠図の右
又は左に繰り返す完全意匠図に示される織り込み部位と
の間に経糸16本分の長いクリンプを形成している。そし
て、上層緯糸1′の短いクリンプと上層緯糸2′の長い
クリンプが隣接している。
他の3′〜24′の上層緯糸も同様にそれぞれ経糸6本
分の短いクリンプと経糸16本分の長いクリンプを形成し
ている。そして隣接する上層緯糸の短いクリンプと長い
クリンプが隣接していることがわかる。
経糸1は上層緯糸1′と2′の上を通り、この隣接す
る2本の上層緯糸を組織に織り込んでいる。そして、下
層緯糸5″と13″を組織に織り込んでいる。
また、経糸2は経糸1が織り込んだ上層緯糸2′から
5本置いた次の隣接する2本の上層緯糸8′と9′の上
を通って組織に織り込んでいる。そして下層緯糸を13″
と19″を組織に織り込んでいる。
他の3〜24の経糸も同様にそれぞれ、隣りの経糸が織
り込んだ上層緯糸から5本置いた次の隣接する2本の上
層緯糸の上を通って組織に織り込んでいる。そして下層
緯糸を2回組織に織り込んでいる。
こうして、経糸がそれぞれ、隣りの経糸が織り込んだ
上層緯糸から5本置いた次の隣接する2本の上層緯糸の
上を通って組織に織り込むことにより、各上層緯糸にロ
ングクリンプとショートクリンプが交互に配置され、ま
た、隣接する上層緯糸間でロングクリンプとショートク
リンプが隣接しロングクリンプ同志、ショートクリンプ
同志の隣接が防止されているので、製紙面の上層緯糸の
上に形成されるる、経糸のクリンプの斜め方向への規則
的な配列が、上層緯糸のロングクリンプにより寸断さ
れ、経糸が製紙面に形成するクリンプの規則性が崩され
ワイヤマークの発生が防止しされている。また、製紙面
は緯糸のロングクリンプで平らな面が形成されており、
製紙面の経糸間で緯糸の陥没がない。さらに、前述のよ
うに隣接する経糸が製紙面に形成するクリンプの間に常
に長い緯糸のクリンプが介在しており、繊維の刺さり込
みが防止されていることが理解される。
下層緯糸1″は、1対の経糸13、14と20、21により2
箇所で組織に織り込まれ、1対の経糸13、14と20、21の
間に経糸5本分の短いクリンプを形成し、また、この完
全意匠図の右又は左に繰り返す完全意匠図に示される織
り込み部位との間に経糸15本分の長いクリンプを形成し
ている。
この実施例では各下層緯糸は、1対の経糸により2回
組織に強く織りまれるので、織物の剛性が大きく姿勢安
定性が良好でかつ、下層緯糸のクリンプ性が非常に良
く、太い緯糸が使用できることが理解される。しかも長
いクリンプを形成するのが特徴である。
第9図〜第10図は本発明の製紙用織物の断面図である
が、説明の都合上隣に繰り返す完全組織の1部をも含め
て示してある。例えば、第9図における経糸17〜20は隣
に繰り返す完全組織で示される経糸であるがここで示し
ている。
第9図は、第1図の実施例の製紙用織物をI−I′線
で切断した断面図を示す。上層緯糸7′は、経糸4、1
1、20で織り込まれ、経糸5〜10の上に経糸6本分の短
いクリンプをまた、経糸12〜19の上に経糸8本分の長い
クリンプを形成している。
一方下層緯糸7″は、経糸1と8と17で組織に織り込
まれ、経糸1と8との間に経糸6本分の短いクリンプを
形成し、経糸8と17との間に経糸8本分の長いクリンプ
を形成していることが理解される。
第10図は第5図の実施例の製紙用織物をII−II′線で
切断した断面図を示す。上層緯糸5′は、経糸4と17と
22で織り込まれ、経糸5〜16の上に経糸12本分の長いク
リンプをまた、経糸18〜21の上に経糸4本分の短いクリ
ンプを形成している。
一方下層緯糸5″は、一対の経糸1、2、と7、8と
19、20で組織に織り込まれ、一対の経糸1、2、と7、
8の間に経糸4本分の短いクリンプを形成してまた、一
対の経糸7、8と19、20の間に経糸10本分の長いクリン
プを形成していることが理解される。
この第9図〜第10図の断面図から本発明の製紙用織物
は、製紙面が経糸の上に橋架状に並ぶ上層緯糸の長短の
交互に配列したクリンプで形成されており、平らな面と
なってワイヤマークが防止されるていることがわかる。
また、走行面には、下層緯糸の長いクリンプが形成さ
れ、耐摩耗性が増大されていることがわかる。
第11図は、従来の16シャフトの緯糸二重織物を示す完
全意匠図である。
第11図の上層緯糸1′は経糸3と経糸6さらに経糸11
と経糸14により4回組織に織り込まれている。そして、
経糸3と経糸6の間および経糸11と経糸14の間で経糸2
本分の短いクリンプを形成し、また経糸6と経糸11の間
およびこの完全意匠図の右又は左に繰り返す完全意匠図
に示される織り込み部位との間に経糸4本分のクリンプ
を形成している。
また、上層緯糸2′は経糸1と経糸6と経糸9と経糸
14で組織に4回織り込まれている。そして、経糸6と経
糸9の間およびこの完全意匠図の右又は左に繰り返す完
全意匠図に示される織り込み部位との間に経糸2本分の
短いクリンプを形成している。また上層緯糸2′は経糸
1と経糸6の間および経糸9と経糸14の間で経糸4本分
のクリンプを形成している。
他の3′〜16′の上層緯糸も同様にそれぞれ経糸4本
分のクリンプと経糸2本分の短いクリンプを形成してい
る。
この従来例からわかるように、16シャフトの従来知ら
れている製紙用織物の、上層緯糸は製紙面で経糸2本分
の長さの短いクリンプを形成しているのである。
第12図は、第11図の従来例の16シャフトの織物をIV−
IV′線で切断した断面図であり、上層緯糸が経糸により
組織に織り込まれた状態を示すものである。上層緯糸
3′は経糸1と4と9と12により組織に4回織り込ま
れ、下方に押し下げられている。一方経糸2、3は上層
緯糸3′を上方に押し上げているが、織り込みによる押
し下げ力が強いため上層緯糸3′は経糸1と4の上面を
結んだ位置より下方に陥没しており、このように上層緯
糸のクリンプが経糸2本分の長さしかないと製紙面に凹
所26が形成されここに紙料が潜り込みマットを形成しワ
イヤマークを発生させることがわかる。本発明の実施例
である第9図では上層緯糸のクリンプの長さが短いほう
のクリンプでも経糸6本分の長さであり、この場合は押
し下げ力の及ばない所で経糸が上層緯糸を上方に押し上
げてるので上層緯糸の陥没がなく製紙面が平滑になるこ
とが理解される。
[効果] 次に本発明の効果を説明するため具体的な織物につい
て比較試験の結果を示す。
比較試験1 第4図に示す本発明の経糸18シャフト上層緯糸18本の
製紙用織物(実施例4)と第11図に示す従来の16シャフ
トの製紙用織物(比較例1)との比較試験の結果を表1
に示す。糸は全てモノフィラメントを用いた。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第8図は、本発明の実施例を示す完全意匠図で
ある。第9図は第1図の織物をI−I′線で切断した横
断面図であり、第10図は第5図の織物をII−II′線で切
断した横断面図である。 第11図は従来の16シャフトの緯糸二重製紙用織物の完全
意匠図である。第12図は第11図の織物をIII−III′線で
切断した横断面図である。図面中の×は経糸が上層緯糸
の上にある位置を示すがこの×はまた上層緯糸が経糸に
よって組織に織り込まれている位置を示す。また、○は
下層緯糸が経糸によって組織に織り込まれている位置を
示す。 1〜24……経糸 1′〜24′……上層緯糸 1″〜23″(奇数)……下層緯糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−74691(JP,A) 特開 平2−74692(JP,A) 特開 平2−145886(JP,A) 特開 平2−145887(JP,A) 特開 平2−145888(JP,A) 特開 平2−125889(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21F 1/10 D03D 11/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】緯糸を上下2層に配置した、経糸が16+2n
    (n=0、1または4)シャフト、上層緯糸が16+2n本
    であり、経糸と緯糸が同じ本数の織物であって、 上層緯糸の本数が下層の緯糸の本数の2倍であり、上層
    各緯糸は、交互に異なる本数の経糸を乗り越えて長いク
    リンプと短いクリンプを交互に形成し、隣接する上層緯
    糸間において長いクリンプと短いクリンプが隣接してお
    り、 経糸は、1本の経糸が上層緯糸の(16+2n)本ごとの繰
    返パターンで、隣接する2本の上層緯糸の上を通って組
    織に織り込まれ、隣接する次の経糸は初めの経糸が乗り
    越えた2本の上層緯糸から5本置いた次の2本の上層緯
    糸の上を通って組織に織り込まれ、以下順次同様にし
    て、16+2n本目の経糸まで組織に織り込まれた、完全組
    織を製紙面に形成し、また、下層緯糸は上層緯糸の1本
    置きに配置されており、各経糸が、上層緯糸(16+2n)
    本間で下層緯糸を少なくとも1回組織に織り込んでな
    る、製紙用二重織物。
  2. 【請求項2】一本おきの経糸が、上層緯糸(16+2n)本
    間で下層緯糸を少なくとも1回組織に織り込んでなる請
    求項1に記載された、製紙用二重織物。
  3. 【請求項3】上層緯糸が16本、経糸が16シャフトの織物
    であって、上層各緯糸の形成する長いクリンプが経糸8
    本分であり、短いクリンプが経糸6本分である、請求項
    1または2に記載された製紙用二重織物。
  4. 【請求項4】上層緯糸が18本、経糸が18シャフトの織物
    であって、上層各緯糸の形成する長いクリンプが経糸12
    本分であり、短いクリンプが経糸4本分である、請求項
    1ないし2のいずれか1項に記載された製紙用二重織
    物。
  5. 【請求項5】上層緯糸が24本、経糸が24シャフトの織物
    であって、上層各緯糸の形成する長いクリンプが経糸16
    本分であり、短いクリンプが経糸6本分である、請求項
    1または2に記載された製紙用二重織物。
  6. 【請求項6】走行面には下層緯糸の長いクリンプが形成
    された、請求項1ないし5のいずれか1項に記載された
    製紙用二重織物。
  7. 【請求項7】下層緯糸が上層緯糸より太い緯糸である請
    求項1ないし6のいずれか1項に記載された製紙用二重
    織物。
  8. 【請求項8】走行面の下層緯糸がポリアミド緯糸とポリ
    エステル緯糸とからなる、請求項1ないし7のいずれか
    1項に記載された製紙用二重織物。
  9. 【請求項9】走行面の下層緯糸がポリアミド緯糸は、ポ
    リエステル緯糸より太い糸である、請求項1ないし8の
    いずれか1項に記載された製紙用二重織物。
JP1217290A 1989-08-25 1989-08-25 製紙用二重織物 Expired - Fee Related JP2884414B2 (ja)

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