JP2828239B2 - 気体試料導入装置 - Google Patents

気体試料導入装置

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JP2828239B2 JP20988993A JP20988993A JP2828239B2 JP 2828239 B2 JP2828239 B2 JP 2828239B2 JP 20988993 A JP20988993 A JP 20988993A JP 20988993 A JP20988993 A JP 20988993A JP 2828239 B2 JP2828239 B2 JP 2828239B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスクロマトグラフに
おける気体試料導入装置に関し、詳しくは、ガスクロマ
トグラムのベースラインの変動を、簡単な装置構成によ
り抑制するための気体試料導入装置に関する。
【0002】
【技術背景】ガスクロマトグラフで各種の気体試料(以
下、「試料ガス」と記すこともある)の組成などを分析
する場合、例えば水素ガス中の微量成分であるCOやC
を分析する場合、一般には、次のようにして行われ
る。先ず、ガスクロマトグラフにより、試料ガス中のC
O、CO濃度に近い標準ガス(濃度は既知)について
のCO、COのピーク面積を求め、面積と濃度の検量
線を作成しておく。次いで、同じガスクロマトグラフを
使用して、試料ガス中のCO、COのピーク面積を求
め、上記の検量線よりCO、CO濃度を求める。
【0003】このような検量線を求める際の標準ガスを
ガスクロマトグラフに導入する際、および実際の試料の
分析を行う際の試料ガスをガスクロマトグラフに導入す
る際には、一般に、計量管と切替えコックとからなる導
入手段が使用される。すなわち、先ず、このコックを介
して、計量管に、所望量の試料ガスあるいは標準ガスを
採取する。次いで、このコックの切替えにより、計量管
内の試料ガスあるいは標準ガスをガスクロマトグラフの
分離カラムに導入する。
【0004】図2を参照して、この導入操作をさらに詳
細に説明する。なお、図2は、実際の試料ガスの分析を
行う際の状態を示しているが、標準ガスについての分析
を行う際も同様に示される。
【0005】図2において、100はガスクロマトグラ
フ本体であり、試料採取(計量)時には、計量管3aと
切替え用の六方コック3bとからなる試料導入部3の六
方コック3bを、黒塗り線で示すような流路が形成され
るように切替えておく。このとき、ラインや周辺機器類
のチャージ用として、キャリアガスが、キャリアガスボ
ンベ1から調圧器2および圧力計を介してライン11に
より送られ、コック3bの開口部→開口部の流路を
介して分離カラム5→反応器6→検出器7に流れる。こ
のキャリアガスの圧力が1.7kgf/cm(ゲージ
圧で0.7kgf/cm、以下同じ)であれば、この
系(すなわち、分析用のライン)、特に分離カラム5に
は、1.7kgf/cmの圧力が加わることになる。
【0006】一方、試料ガスは、ライン12から導入さ
れ、コック3bの開口部→開口部→の流路を流れ、
計量管3aで所定量が計量(採取)され、残りが→開口
部→開口部の流路を通り、大気中に流出する。この
とき、流出口に水ビンを置き、試料ガスの流出を水中の
アワで確認し、アワの発生が停止した時点(大気圧とな
った時点)で、コック3bを切替えて、白塗り線で示す
ような流路とする。
【0007】この流路が、試料のガスクロマトグラフへ
の導入流路となる。すなわち、試料は、ボンベ1からの
キャリアガスに同伴されて、コック3bの開口部→開
口部→計量管3a→開口部→開口部の流路を流
れ、分離カラム5に導入される。
【0008】ところで、分離カラム5には、試料の導入
以前においては、上記のようにキャリアガスにより1.
7kg/cmの圧力がかかっているが、大気圧の試料
の導入により、圧力降下が生じる。この圧力降下によ
り、調圧器2以降のキャリアガスの流量が変動する。こ
のキャリアガスの流量の変動は、例えば図4に示すガス
クロマトグラムのベースラインの変動(図4中のα)を
もたらす。このベースラインの変動が解消し、ベースラ
インが安定化するには、約3〜6分もの長時間を要する
(図4の例では、約5〜6分を要している)。
【0009】また、ベースラインが安定する前にピーク
が出ると、変動中のベースラインにおいてピーク面積を
積算することとなり、ピーク面積を正確に測る(積算処
理する)ことができない。図5に模式的に示す例で説明
すれば、本来なら、i成分のピーク面積は、a部分のみ
であるが、ベースラインが点線で示す部分に存在してい
るとすれば、bで示す部分が余計に積算処理される(す
なわち、点線で示すベースラインは、実際のクロマトグ
ラムには表れないため、i成分のピーク面積は、a+b
の面積として積算処理される)こととなる。
【0010】このように、ベースラインの変動があれ
ば、ピーク面積を正確に積算処理することができず、ガ
スクロマトグラフによる分析精度を低下させる。特に、
標準ガスにより検量線を求める際に、このような変動が
あれば、検量線自体の信頼性が低下し、検量線としての
意義が失墜する。
【0011】このベースラインの変動を解消するには、
試料計量時におけるキャリアガスの圧力を大気圧とする
手法と、試料ガスの圧力をキャリアガスの圧力にする手
法とが考えられる。しかし、前者の手法を採用すれば、
ガスクロマトグラフ内に大気が洩れ込む虞れがあり、却
って正確な分析を行うことができなくなる。また、後者
の手法は、試料ガスが大量に必要であるため、試料ガス
の微量導入が前提となっているガスクロマトグラフには
適用できない。
【0012】
【発明の目的】本発明は、以上のような実情下におい
て、上記の水素ガスに限らず、各種の気体試料の分析に
使用されるガスクロマトグラフにおける気体試料導入装
置であって、クロマトグラムのベースラインの変動をも
たらすことのない該装置を、従来のガスクロマトグラフ
の装置構成の大幅な変更を要することなく、提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【目的を達成するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の気体試料導入装置は、キャリアガスボンベ
から試料導入部および分離カラムを経て検出器に至る本
体用ラインを備えたガスクロマトグラフの、試料導入部
の本体用ラインに第1の六方コックおよび第2の六方コ
ックを直列に配置し、下流側の第1の六方コックに流路
が接続された試料計量管および気体試料導入・排出用管
を配置し、上流側の第2の六方コックに流路が接続され
た補圧計量管および流量調節バルブを配置するととも
に、キャリアガスボンベから第2の六方コックに至る補
圧用ラインを設け、試料計量時には、キャリアガスボン
ベ→補圧用ライン→第2の六方コック→補圧計量管→第
2の六方コック→流量調節バルブ→系外のラインと、試
料導入用管→第1の六方コック→試料計量管→第1の六
方コック→試料排出用管→系外へのラインとを形成し、
分析時には、キャリアガスボンベ→本体用ライン→第2
の六方コック→補圧計量管→第2の六方コック→第1の
六方コック→試料計量管→第1の六方コック→分離カラ
ム→検出器のラインを形成するように構成してなること
を特徴とする。
【0014】
【作用】本発明の気体試料導入装置においては、第1の
六方コックが、前述した従来のガスクロマトグラフにお
ける気体試料導入手段における切替えコックと同じ作用
をなし、この第1の六方コックの上流側に配置されてい
る第2の六方コックおよびこの周辺機器類(すなわち、
補圧計量管、流量調節バルブ、キャリアガスボンベから
の補圧用ライン)が、気体試料導入時のベースラインの
変動を抑制する作用をなす。
【0015】ベースラインの変動は、前述したように、
大気圧より高い圧力がかかっている分離カラムに、大気
圧の試料ガスが導入される際に、分離カラムの圧力降下
が生じ、この圧力降下によって生じる現象である。した
がって、試料導入時の分離カラムの圧力降下を抑制すれ
ば、ベースラインの変動は、解消される。本発明の装置
では、この試料導入時の分離カラムの圧力降下を、上記
の第2の六方コックとその周辺機器類が抑制する。
【0016】すなわち、先ず、試料ガス(標準ガスをも
含む、以下同じ)の計量時においては、キャリアガス
が、キャリアガスボンベから補圧用ラインを送られて第
2の六方コックに至り、該コックの切替えにより該コッ
ク内に形成されている流路を通って、補圧計量管に計量
され、採取される。そして、補圧計量管に採取されなか
った残りのキャリアガスが、再び第2の六方コック内の
流路を通り、流量調節バルブを介して系外に排出され
る。
【0017】一方、試料ガスが、試料導入用管から第1
の六方コックに至り、やはり該コックの切替えにより該
コック内に形成されている流路を通って、試料計量管に
計量され、採取される。そして、試料計量管に採取され
なかった残りの試料ガスが、再び第1の六方コック内の
流路を通り、試料排出用管から系外に排出される。
【0018】さらに、この試料計量時には、キャリアガ
スボンベから第2の六方コック、第1の六方コックおよ
び分離カラムを介して検出器に至る本体用ラインにも、
チャージ用のキャリアガスが導入されて、該本体用ライ
ンの圧力、延いては分離カラムの圧力が、キャリアガス
の圧力(前述の水素ガスの例で言えば、1.7kgf/
cm《ゲージ圧で0.7kgf/cm》)に保持さ
れることとなる。
【0019】このようにして、試料ガスの計量操作が完
了したなら、第1および第2の六方コックを切替えて、
試料ガスの分析に移る。この分析時においては、補圧用
ラインは使用されず、専ら本体用ラインが使用される。
【0020】すなわち、キャリアガスが、キャリアガス
ボンベから本体用ラインを送られて第2の六方コックに
至り、該コックの切替えにより該コック内に形成されて
いる流路を通って、上記の試料計量時とは反対方向(す
なわち、試料計量時にはキャリアガスの出口となってい
た側)から補圧用計量管内に入る。そして、上記の試料
計量時に該計量管内に計量(採取)された補圧用のキャ
リアガスを同伴して、再び第2の六方コック内の流路を
通り、第1の六方コックに至る。
【0021】第1の六方コックにおいては、やはり該コ
ックの切替えにより該コック内に形成されている流路を
通り、やはり上記の試料計量時とは反対方向(すなわ
ち、試料計量時には試料ガスの出口となっていた側)か
ら試料計量用管内に入る。そして、上記の試料計量時に
該計量管内に計量(採取)された分析用の試料ガスを同
伴して、再び第1の六方コック内の流路を通り、分離カ
ラムに至る。
【0022】このように、本発明の装置では、分離カラ
ムに導入される試料ガスは、分析時にキャリアガスボン
ベから送られてくるキャリアガスと、補圧計量管内の補
圧用のキャリアガスとにより同伴されることとなる。す
なわち、分離カラムに導入される試料ガスの圧力は、こ
の補圧用のキャリアガスが有する圧力によって調整され
ることとなり、分析操作移行時に分離カラムの圧力降下
が生じるのを抑制する。
【0023】また、第1,第2の六方コックの切替えに
より、計量操作から分析操作に移行する際に、第2の六
方コックに流路が接続されている流量調節バルブから、
補圧計量管内の補圧用キャリアガスを少量ずつ流してお
けば、圧力調節が可能となり、このコック切替え時の圧
力変動をも極力抑制することができる。
【0024】なお、以上のような作用をなす本発明の気
体試料導入装置において、試料計量管のサイズを変更す
る場合、言い換えれば、分析するための試料の量が変更
する場合は、補圧計量管のサイズを変更する必要は必ず
しもなく、補圧用のキャリアガスの圧力を調整すること
で対応することができる。ただし、試料計量管のサイズ
を大きく変更する場合は、補圧計量管のサイズをも変更
する必要が生じることもある。
【0025】
【実施例】図1は、本発明の気体試料導入装置の一実施
例を示している。図1中、図2と同一符号は図2と同一
機能部を示す。図1において、ガスクロマトグラフ本体
100のキャリアガスボンベ1から試料導入部3および
分離カラム5を経て検出器7に至る本体用ライン11の
該試料導入部3内に、第1の六方コック3bと第2の六
方コック4bとを直列に配置する。
【0026】この本体用ライン11の下流側に位置する
第1の六方コック3bに試料計量管3aおよび試料導入
・排出用管12a,12bを、それぞれの流路を接続さ
せて配置するとともに、上流側に位置するの第2の六方
コック4bに補圧計量管4aおよび流量調節バルブ4c
を、それぞれの流路を接続させて配置する。そして、本
体用ライン11とは別に、キャリアガスボンベ1から第
2の六方コック4bに至る補圧用ライン10を設ける。
【0027】このような構成において、上記第1の六方
コック3bおよび第2の六方コック4bの切替えによ
り、試料計量時には、これら両コック3b,4b内に黒
塗り線で示す流路が形成される。すなわち、1つは、キ
ャリアガスボンベ1→調圧器2→補圧用ライン10→第
2の六方コック4b(開口部→開口部)→補圧計量
管4a→第2の六方コック4b(開口部→開口部)
→流量調節バルブ4c→系外のラインである。このライ
ンは、分析操作移行時の分離カラム5の圧力降下を抑制
するための補圧用のキャリアガスを、補圧用計量管4a
に計量(採取)するためのラインである。
【0028】もう1つは、試料導入用管12a→第1の
六方コック3b(開口部→開口部)→試料計量管3
a→第1の六方コック3b(開口部→開口部)→試
料排出用管12b→系外へのラインである。このライン
は、分析対象の試料を試料計量管3aに計量(採取)す
るためのラインである。
【0029】なお、試料計量時には、これら2つのライ
ンとともに、キャリアガスボンベ1→第2の六方コック
4b(開口部→開口部)→第1の六方コック3b
(開口部→開口部)→分離カラム→反応器6→検出
器7のラインも形成される。このラインは、本体用ライ
ン11および該ラインに設備されている各種機器類(第
1および第2の六方コック3b,4b内の分析操作時の
流路、分離カラム5、反応器6、検出器7)を、キャリ
アガスによりチャージするためのラインである。
【0030】また、分析時には、第1の六方コック3b
および第2の六方コック4bの切替えにより、図1中、
これら両コック3b,4b内に白塗り線で示す流路、す
なわち、キャリアガスボンベ1→調圧器2→本体用ライ
ン11→第2の六方コック4b(開口部→開口部)
→補圧計量管4a→第2の六方コック4b(開口部→
開口部)→第1の六方コック3b(開口部→開口部
)→試料計量管3a→第1の六方コック3b(開口部
→開口部)→分離カラム5→反応器6→検出器7の
ラインが形成される。
【0031】上記の第1の六方コック3bと第2の六方
コック4bとは、同一構成、同一容量、同一材質のもの
を使用してもよいし、これらが異なる六方コックを使用
することもできる。本例では、第1の六方コック3b
は、従来のガスクロマトグラフに装備されているものを
使用し、第2の六方コック4bは、市販品を使用してい
る。
【0032】また、補圧計量管4aは、試料計量管3a
と同一構成、同一材質のものを使用してもよいし、これ
らが異なるものを使用してもよい。補圧計量管4aの容
量は、容量0.1〜10mL程度の範囲から運転条件に
応じて適宜のものが選定して使用されるが、該容量は、
本発明の装置において重要な役割を有するものであり、
後述する計算式に基づいて、厳密に選定する必要があ
る。
【0033】補圧用ライン10は、どのような材質、寸
法のものでも使用でき、本体用ライン11と同一材質、
同一寸法のものであってもよいし、異なるものであって
もよい。本例では、ステンレス鋼製のパイプで、外径2
mm、内径1.5mmのものを使用している。
【0034】補圧用ライン10に設けられる調圧器2
は、圧力調整範囲が0〜10kgf/cm(ゲージ
圧)程度のもの、圧力計は圧力目盛範囲が0〜10kg
f/cm(ゲージ圧)程度のものがそれぞれ使用さ
れ、また流量調節バルブ4cは、流量1〜10mL/分
程度のものが使用される。
【0035】なお、上記の第1の六方コック3bと第2
の六方コック4bとの切替えは、それぞれ手で操作して
それぞれ別個に行ってもよいし、例えば、本発明者によ
る先提案の「簡易型ユニバーサルジョイント装置」(実
願平4−59974号明細書参照)により、同時に行っ
てもよい。図1の例では、第1の六方コック3bと第2
の六方コック4bとを、連動用のライン20を介して該
ユニバーサルジョイント装置21に連結し、該装置21
を作動させて一度に切替える方式を採用している。
【0036】以上のような構成において、先ず、試料の
計量(採取)操作を行うには、第1,第2の六方コック
3b,4bを、ユニバーサルジョイント装置21により
一度に切替えて、上記した試料計量時の3つのライン
(第1の六方コック3b回りのラインと、第2の六方コ
ック4b回りのラインと、本体用ラインおよび周辺機器
類をキャリアガスでチャージするためのライン)を形成
する。
【0037】これら3つのラインのうちの第1の六方コ
ック3b回りのラインにおいて、分析対象の試料ガス
が、導入用管12aから第1の六方コック3b内の流路
(→)を通って試料計量管3aに導入され、所定量
が計量(採取)される。残りの試料ガスは、再び第1の
六方コック3b内の流路(→)を通って排出用管1
2bから系外に排出される。
【0038】この試料ガスの計量(採取)と同時に、第
2の六方コック4b回りのラインにおいて、補圧用のキ
ャリアガスが、キャリアガスボンベ1から補圧用ライン
10を通り、調圧器2および圧力計で圧力調整が行われ
つつ、第2の六方コック4bに送られ、該コック4b内
の流路(→)を通って、補圧計量管4aに導入さ
れ、所定量が計量(採取)される。残りのキャリアガス
は、再び第2の六方コック4b内の流路(→)を通
って流量調節バルブ4cに至り、系外に排出される。
【0039】また、上記のチャージ用のラインにおい
て、キャリアガスが、キャリアガスボンベ1から本体用
ライン11を調圧器2および圧力計で圧力調整が行われ
つつ送られ、第2の六方コック4b内の流路(→)
と第1の六方コック3b内の流路(→)とを通り、
分離カラム5、反応器6および検出器7を通過して、系
外へ排出される。
【0040】このようにして試料計量操作が終了したな
ら、再び、第1,第2の六方コック3b,4bをユニバ
ーサルジョイント装置21により切替えて、上記した分
析時のラインを形成する。なお、このライン形成時、す
なわち試料計量操作から分析操作移行する際、補圧計量
管4a内の補圧用のキャリアガスを、流量調節バルブ4
cから少量ずつ系外に流して系内の圧力変動を抑制す
る。
【0041】この分析時のラインにおいて、分析操作を
行うには、キャリアガスが、キャリアガスボンベ1から
本体用ライン11を調圧器2および圧力計で圧力調整が
行われつつ送られ、第2の六方コック4b内の流路(
→)を通って補圧計量管4aに至り、該計量管4a内
の補圧用キャリアガスを同伴して再び第2の六方コック
4b内の流路(→)を通って、第1の六方コック3
bに送られる。
【0042】第1の六方コック3bでは、該コック3b
内の流路(→)を通って、試料計量管3aに至り、
該計量管3a内の試料ガスを同伴して再び第1の六方コ
ック3b内の流路(→)を通って、分離カラム5に
送られ、該カラム5とこの後流の検出器7とにより、試
料ガスの分析が行われる。
【0043】なお、分離カラム5とで分離されたCOお
よびCOは、水素炎イオン化検出器では検出できない
ため、反応器6でキャリアガスの水素と反応させてメタ
ン(CH)とし、検出器7に送られる。
【0044】このような分析操作において、分離カラム
5には、キャリアガスボンベ1からのキャリアガスに同
伴される試料ガスの他に、試料計量時に補圧計量管4a
内に計量(採取)されていたキャリアガスが導入される
こととなる。この補圧計量管4a内のキャリアガスが補
圧の作用をなし、試料計量時にチャージ用として導入さ
れたキャリアガスにより分離カラム5に加わっていた圧
力が降下するということは無くなる。
【0045】このように、本発明の装置においては、補
圧計量管4a内に計量(採取)されるキャリアガスの圧
力や量が、本発明の目的達成(分析操作移行時の分離カ
ラム5の圧力降下防止)上、重要な要素となる。このキ
ャリアガスは、圧力は補圧用ライン10内に配置してい
る調圧器2で調整し、量は補圧計量管4aの容量で調整
することとなる。
【0046】以下、この補圧計量管4aの容量の求め方
について説明する。先ず、補圧計量管4bの容量は、数
1の(1)式で求められる。
【0047】
【数1】
【0048】
【数2】
【0049】次に、具体的な補圧計量管4aの容量の求
め方を説明する。このときの前提条件は、表1に示す通
りとする。
【0050】
【表1】
【0051】表1の前提条件において、試料計量管3a
内に大気圧の試料ガスを10mL導入して、該計量管3
a内の圧力を、分離カラム5の入口圧力(試料計量時
に、チャージ用として送られて来ている圧力1.7kg
f/cmのキャリアガスで、1.7kgf/cm
加圧されている)と同じ圧力に昇圧するには、1.7k
gf/cmの圧力のキャリアガスで、4.1mL必要
である。
【0052】この4.1mLのキャリアガスは、補圧計
量管4a内のキャリアガスにより供給される。この4.
1mLは、補圧計量管4aの圧力6.2kgf/cm
において、1.1mLとなるから、補圧計量管4a内に
は、補圧用のキャリアガスとして1.1mL計量されて
いればよい。
【0053】ただし、分離カラム5の圧力降下を防ぐた
めには、補圧計量管4a内も、分離カラム5の入口圧力
と同じ圧力に保持(すなわち、自己保持)しておく必要
がある。この補圧計量管4aの自己保持量を、6.2k
gf/cmの圧力でxmLとすると、補圧計量管4a
内のガス量、延いては補圧計量管4aの容量は、6.2
kgf/cmの圧力において、1.1+x(mL)あ
ればよいこととなる。
【0054】以上より、数3の(4)式が成立する。
【0055】
【数3】
【0056】この(4)式を整理すると、数4の(5)
式となり、この(5)式をパラメータで表現すると、数
1の(1)式となる。
【0057】
【数4】
【0058】(5)式を整理すると、x=0.42とな
る。したがって、補圧計量管4aの容量は、6.2kg
f/cmの圧力で操作する場合において、1.1+
0.42=1.5mLあればよいこととなる。
【0059】このようにして補圧計量管4aの容量を求
めることができる。この関係を表2に示すが、計算値と
実際値とはほぼ一致している。
【0060】
【表2】
【0061】具体例 図1に示す本発明の気体試料導入装置を採用したガスク
ロマトグラフと、図2に示す従来のガスクロマトグラフ
とにより、表3に示す条件で、水素ガス(水素に、C
O:10.2ppmと、CO:10.0ppmとを含
有させた調整ガスを使用)の分析を、それぞれ4回行っ
た。結果は、表4に示す通りであった。なお、表4中、
図1の本発明の装置を採用したガスクロマトグラフによ
り行った結果を実施例として示し、図2の従来のガスク
ロマトグラフにより行った結果を比較例として示した。
【0062】
【表3】
【0063】図1の本発明の装置を採用したガスクロマ
トグラフによるクロマトグラムは、図3に示した。図2
の従来のガスクロマトグラフによるクロマトグラムが、
先出の図4に示すものであった。図3から明らかなよう
に、本発明の装置を採用する場合は、ベースラインの変
動が生じず、したがってピーク面積の正確な積算処理を
行うことができる。
【0064】
【表4】
【0065】表4は、No.1〜4とも同一試験機で、
同一試料、同一面積処理パラメータで行った結果であ
り、標準偏差および変動係数は、実施例および比較例で
ほぼ同じであるが、CO成分は比較例の方が実施例より
も約35%多くなっており、CO成分は比較例の方が
実施例よりも約18%多くなっている。また、上述のよ
うに、図3において、ベースラインが安定していて、か
つCO成分のピークが鮮明に出ているため、実施例の値
がCO成分の真値とみることができる。実施例の値をC
O成分の真値とすれば、比較例は、この値より約35%
多くなっており、実施例の値はCO成分のピーク面積の
みを正確に積算処理していることが判る。
【0066】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の気体試料
導入装置によれば、従来のガスクロマトグラフの大幅な
変更を要することなく、六方コック、調圧器、流量調節
バルブ、これらとガスクロマトグラフ本体、あるいはキ
ャリアガスボンベなどとを繋ぐパイプなどの簡単な部材
を使用するのみで、分析時のベースラインの変動を抑制
することができる。この結果として、極めて低コスト
で、高精度での分析を行うことのできるガスクロマトグ
ラフを提供することかできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気体試料導入装置を採用したガスクロ
マトグラフの一実施例を示す概略説明図である。
【図2】従来のガスクロマトグラフを示す概略説明図で
ある。
【図3】図1に示す本発明の装置を採用したガスクロマ
トグラフによる水素ガスの分析を行った際のクロマトグ
ラムである。
【図4】図2に示す従来のガスクロマトグラフによる水
素ガスの分析を行った際のクロマトグラムである。
【図5】図4に示すクロマトグラムによる積算処理の状
態を模式的に示す図である。
【符号の説明】
100 ガスクロマトグラフ本体 1 キャリアガスボンベ 2 調圧器 3 試料導入部 3b 第1の六方コック 3a 試料計量管 4b 第2の六方コック 4a 補圧計量管 4c 流量調節バルブ 5 分離カラム 6 反応器 7 検出器 10 補圧用ライン 11 本体用ライン 12a 試料導入用ライン 12b 試料排出用ライン 20 第1の六方コックと第2の六方コックとを連動
されるためのライン 21 先提案の簡易型ユニバーサルジョイント装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリアガスボンベから試料導入部およ
    び分離カラムを経て検出器に至る本体用ラインを備えた
    ガスクロマトグラフの、 試料導入部の本体用ラインに第1の六方コックおよび第
    2の六方コックを直列に配置し、 下流側の第1の六方コックに流路が接続された試料計量
    管および試料導入・排出用管を配置し、 上流側の第2の六方コックに流路が接続された補圧計量
    管および流量調節バルブを配置するとともに、 キャリアガスボンベから第2の六方コックに至る補圧用
    ラインを設け、 試料計量時には、キャリアガスボンベ→補圧用ライン→
    第2の六方コック→補圧計量管→第2の六方コック→流
    量調節バルブ→系外のラインと、試料導入用管→第1の
    六方コック→試料計量管→第1の六方コック→試料排出
    用管→系外へのラインとを形成し、 分析時には、キャリアガスボンベ→本体用ライン→第2
    の六方コック→補圧計量管→第2の六方コック→第1の
    六方コック→試料計量管→第1の六方コック→分離カラ
    ム→検出器のラインを形成するように構成してなること
    を特徴とする気体試料導入装置。
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