JP2827905B2 - Misfetおよびその製造方法 - Google Patents

Misfetおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置の構造なら
びに製造方法に関し、特にMISFETとその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ごく一般的なMISFET製造方法をシ
リコン(Si)・nチャネル素子を例にとり、図8を参
照して説明する。Si基板上に各々の素子どうしを分離
するための分離絶縁膜をLOCOS法などで形成したの
ち、FETのしきい値電圧VTHを所望の値に設定し、か
つ短チャネル効果やパンチスルーを抑える働きをするp
型不純物のボロンをイオン注入により基板に導入する。
この工程は素子のチャネルの特性を決定するものなの
で、ここではチャネルイオン注入と呼ぶ。次に、基板表
面上にゲート酸化膜、ゲート電極を順次形成したのち、
フォトリソグラフィとエッチングにより所望の形状のゲ
ート電極を形成する。次に、このゲート電極をマスクと
してn型不純物のヒ素をイオン注入により基板に導入す
ることで、ゲート電極と自己整合的にソース・ドレイン
を形成する。この後、少なくとも1回、高温(Si基板
の場合800度以上)の熱処理を行うことが必要であ
る。これにより、イオン注入された不純物が結晶格子位
置に収まり、電気的に活性となる。
【0003】上記製造方法において、ソース・ドレイン
注入は大量のイオン(1015cm-2個以上)を導入するた
め、Si基板の結晶構造が破壊され、多量の点欠陥(本
来格子場所ではない場所に原子が存在する「格子間原子
(interstitial)」や格子位置の原子が欠
落している「空孔(vacancy)」(が生成され
る。このような点欠陥の存在は不純物原子の熱拡散に影
響する。特にボロン(B)と燐(P)は、格子間原子と
は対をなす事で著しく拡散しやすくなる(増速拡散)。
従って、上記例においては、ソース・ドレインの不純物
を活性化する熱処理工程において、予め基板に導入され
ていたボロンが、ソース・ドレイン注入時に生成された
点欠陥と対をなし、ごく短時間の間(1秒以下)で大き
く基板内を移動する。この増速拡散は、熱処理の温度と
時間を調整してもほとんど制御不可能であり、所望のデ
バイス特性を得るための基板不純物分布の設計を困難に
する。例えば、微細MISFETにおいては、短チャネ
ル効果を抑えつつ、VTHを下げたいという設計上の要求
がある。このためには、基板のやや深い部分にボロンの
ピークを配して短チャネル効果を抑え、一方基板表面付
近は低濃度としてVTHを下げれば良い。このような分布
は、ボロンのイオン注入のエネルギ、ドーズ量を調整す
ることで実現できる。ところが、デバイス設計者が意図
したこのような分布は、この後の熱処理時に、上述の制
御不能な増速拡散により崩れてしまい、完成した素子は
意図に反して、VTHは高く、短チャネル効果は大きくな
ってしまう。図9にこのような現象によりVTHが増大し
てしまった素子の特性例(VTHの長チャネル素子からの
ずれのチャネル長依存性)を示す。上記増速拡散はソー
ス・ドレイン領域で生じた点欠陥により発生するため、
ソースとドレインの距離が短く、両者の影響が足し合わ
さる短チャネル素子ほどVTHが大きく増大している(こ
の現象は逆短チャネル効果と呼ばれる)。実用上重要な
短チャネル素子において、VTHが所望の値(ほぼチャネ
ル長無限大でのVTHと等しい)より高くなってしまう。
しかも、この高くなり方は、増速拡散の制御性のなさを
反映し、わずかなプロセスの変化により変動する事も大
きな問題である。また、増速拡散は、基板の深い部分の
不純物濃度を低下させるため、短チャネル効果も劣化さ
せる。このため、実際に得られる素子の短チャネル効果
は、増速拡散がないとして行ったシミュレーション結果
より常に悪い。
【0004】一方、図8に示した一般的な作成方法を変
更して、ソース・ドレインと基板との間の寄生容量を低
減する方法が特開平4−286364号公報に提案され
ている。この方法を図10を参照して説明する。この方
法の特徴は、通常ゲート電極形成前に行うチャネルイオ
ン注入をゲート電極形成後に行うことである。すなわ
ち、図10の例では、ゲート電極を形成後、ゲート電極
を貫通して基板に達するようにボロンをイオン注入す
る。このとき、ゲート電極が存在しないソース・ドレイ
ン領域では、チャネルが形成される領域より、ゲート電
極の高さの分だけ深くボロンが導入される。その後、通
常と同様にソース・ドレイン不純物の注入と活性化のた
めの熱処理を行う。この方法を用いると、チャネルイオ
ン注入したボロンをソース・ドレインより深くすること
ができる。このため、n型のソース・ドレインと接する
基板のp型部分の濃度は、通常の方法でチャネルイオン
注入をした場合より低くなる。この結果、pn接合の空
乏層が広くなり、ソース・ドレインと基板との間に生ず
る寄生容量が低減され、回路動作が高速化される。
【0005】上記方法では、増速拡散は通常の製造方法
と同様に問題となるが、それ以外に、しきい値電圧VTH
の制御性が乏しいという難点がある。この点について以
下に説明する。イオン注入の深さ方向分布は山型であ
り、上記チャネル注入においては、パンチスルーを防止
するため、山型分布のピークがゲート電極直下において
ソース・ドレインの深さと同等(通常100〜300nm
程度)となるよう設定する必要がある。チャネルイオン
注入においては、飛程が上記基板内深さとゲート電極の
高さの和になるように注入のエネルギが設定される。と
ころが、ゲート電極の高さ(典型的な値は100〜50
0nm)にはプロセス上10〜50nmのばらつきが生じる
ことは避けられない。特に、ポリシリコンゲートへの燐
拡散やゲート側壁を形成するエッチバック工程において
膜厚変動が生じやすい。このため、上記注入深さには±
10〜50nmの不確定さが生じる。上述のようにイオン
注入された不純物分布は山型であり、基板表面での深さ
方向の大きな濃度勾配を持つ。従ってこのような深さの
変動は、基板表面での不純物濃度の変動をもたらし、そ
の結果VTHがばらついてしまう。すなわち、不純物深さ
が浅くなるほど、濃度が高くなり、VTHは上がる。一例
として、ボロンを厚さ150nmのゲート電極を貫き、基
板内100nmにピークを持つように注入し、VTH=0.
4Vに設計した場合には、ゲート電極高さのずれ10nm
に対してVTHは約50mV変動してしまう。なお、図8
に示した通常の製造方法においても、基板汚染やチャネ
リングを防止するため、基板上に10〜30nmの酸化膜
(犠牲酸化膜)を設け、その上からチャネルイオン注入
を行うのが普通であるが、酸化膜がもともと薄いため、
その厚さのばらつきの絶対値はゲート電極より1桁小さ
く、問題にならない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した通常のMIS
FETの製造方法では、ソース・ドレイン注入時に生じ
た点欠陥によりチャネル不純物が増速拡散を起こし、チ
ャネル不純物の分布の制御が困難であるという問題があ
った。
【0007】また、ゲート電極を貫いてチャネルイオン
注入を行う場合、ゲート電極の高さの変動によって、素
子のしきい値電圧VTHが敏感に変動してしまうという問
題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】増速拡散という第1の課
題を解決するため、チャネルイオン注入を、ソース・ド
レイン不純物のイオン注入および活性化を行った後に行
う。より具体的には、ゲート電極に対して自己整合的に
ソース・ドレインのイオン注入を行ったのち、活性化の
ための熱処理をほどこし、その後でゲート電極を貫いて
チャネルイオン注入を行う。
【0009】上記のようにゲート電極を貫いてチャネル
イオン注入を行った場合、しきい値VTHがばらつくとい
う第2の課題がある。また、単にソース・ドレインの寄
生容量を減らす目的で、ゲート電極を貫いてチャネルイ
オン注入を行った場合にも同様の課題がある。これを解
決するため、前記チャネルイオン注入により形成される
比較的高濃度の不純物領域が、少なくとも2つの極大点
を有するような素子構造とする。そのためにゲート電極
を貫いたチャネルイオン注入工程の少なくとも1つにお
いて、ゲート下における深さのピークが基板表面に位置
するように注入を行う。
【0010】
【作用】ソース・ドレインのイオン注入により生じた結
晶欠陥は、その後の活性化の熱処理によりほとんど消滅
する。従って、チャネルの不純物をその後で導入すれ
ば、その拡散は点欠陥の影響を受けない。このため、チ
ャネル不純物分布はイオン注入のエネルギやドーズ量に
より制御可能となり、デバイス設計者が意図したとおり
の不純物分布を実現することが可能となる。
【0011】ゲート電極厚さによるしきい値VTHの変動
に関する作用は以下のとおりである。まず素子構造の観
点からは、不純物分布が基板のある程度深い部分から表
面に至るまでほぼ平坦であるようにする。これにより、
この不純物領域全体の深さが変動しても表面の濃度が変
化せず、VTHの変動が抑えられる。また製造方法の観点
からは、チャネルイオン注入工程において、少なくとも
1回、ゲート下における深さのピークが基板表面に位置
するように注入を行う。これにより、イオン注入直後の
基板表面での不純物濃度の深さ方向の勾配がほぼゼロに
なる。このため、注入のピークの深さが多少変動しても
表面の濃度の変化は小さく、VTHの変動が抑えられる。
【0012】
【実施例】図1は、イオン注入を1回のみ行った場合の
である。ここではnチャネル素子を例にとった。シリ
コン基板1(着目する領域はウェル形成などによりp型
にドープされているものとする)上に素子分離絶縁膜
6、ゲート絶縁膜4、ゲート電極5を形成した後、ヒ素
(As)をゲート電極5をマスクとして5×1015cm-2
程度イオン注入し、ソース・ドレイン領域3Aを形成す
る。この段階では、ソース・ドレイン領域3Aは電気的
に不活性であり、その周辺では結晶構造が崩れ、多量の
点欠陥が存在している(図1a)。
【0013】次に高温の熱処理(例えば1000℃で1
0秒、あるいは850℃で10分)を施す。これにより
注入されたAsは格子位置に収まり、不活性なソース・
ドレイン領域3Aは、電気的に活性なソース・ドレイン
領域3Bに転換される。一方このとき、点欠陥は拡散に
より基板外に流出したり、格子間原子と空孔が再結合し
てほとんど消滅する(図1b)。
【0014】次にボロン(B)を1012〜1013cm-2
度イオン注入し、高濃度チャネル領域2Aを形成する
(図1c)。このとき、その濃度のピークの深さは、短
チャネル効果を抑えるためにソース・ドレイン領域3B
の下端(接合の深さ)と同等の深さに設定する。次に、
再び高温の熱処理を施し、電気的に不活性な領域2Aの
ボロンを活性化する。これにより電気的に活性なp型高
濃度チャネル領域2Bを形成する。このとき、ソース・
ドレイン注入により生じた欠陥はすでに存在しないた
め、ボロンの増速拡散が防止される。
【0015】上記例では、チャネル注入を1回のみ行っ
た。その場合、チャネルに注入するボロンのピーク位置
を、短チャネル効果を抑えるため、ゲート下においてソ
ース・ドレインの深さとほぼ同等となるように選択する
のが普通である。しかし、そうすると、基板表面での不
純物分布に勾配が生じ、しきい値VTHの制御性が乏しく
なる。図2は、この点について対策した、本発明による
第1の実施例である。ソース・ドレインの注入と活性化
までは図1a、bと同様に行う。その後、ゲート電極5
直下において、濃度のピークが基板1の表面付近になる
ようにボロンを注入する(図2a)。この注入によりV
THのばらつきが防止される。次に、ゲート電極5直下に
おいて、濃度のピークがソース・ドレイン3の深さ近傍
になるように再びボロンを注入する(図2b)。最後に
高温の熱処理を施して、注入したボロンを活性化する。
これにより深さ方向に概ね一様な濃度分布を有する帯状
のp型高濃度チャネル領域2Bが形成される(図2
c)。本実施例によれば、チャネルの不純物の増速拡散
を防止し、かつVTHのばらつきの増加を抑えることがで
きる。なお、上記第1および第2のボロン注入の順番は
入れ換えてもよい。
【0016】図3と図4は、上記のイオン注入を1回の
み行った例と第1の実施例における、ゲート電極部分の
ボロンの深さ方向分布の典型的な例を示したものであ
る。前者はボロン注入直後、後者はボロンの活性化熱処
理後のシミュレーション結果である。縦軸は左側が対
数、右側が線形目盛である。ソース・ドレインの深さと
しては100nmを想定している。図で「1段注入」と
は、イオン注入を1回のみ行った例のようにボロン注入
を1段階で行う場合であり、その分布のピーク位置はソ
ース・ドレインと同じ100nm付近に設定される。これ
は短チャネル効果を抑えるためである。ここではBを7
0keVで1.3×1013cm-2打ち込んでいる。する
と、注入直後の図3において、基板表面で濃度勾配が大
きい。このため、ゲート電極の厚さ(設計値150nm)
がわずかにゆらいでも、基板表面でのボロン濃度が大き
く変動する。
【0017】一方「2段注入」とは、第1の実施例のよ
うにボロン注入を2段階で行い、その一方を基板表面に
ピークを持つように設定するものである。浅い方の注入
によりしきい値が設定され、深い方の注入により短チャ
ネル効果が防止される。この例では、ボロンを45ke
Vで4×1012cm-2および80keVで9×1012cm-2
打ち込んでいる。この場合、基板表面での不純物濃度の
勾配はゼロに近い。このため、ゲート電極の厚さが多少
ゆらいでもしきい値はあまり変動しない。熱処理を行う
と(図4)、ボロンが基板外へ拡散する結果、1段注入
と2段注入での表面濃度がほぼ一致する。このため、両
者のしきい値は等しくなる。2段注入を行った場合、そ
の深さ方向分布は概ね平坦となり、濃度分布には2つの
ピークが残る。図5は、ゲート電極厚さが変化したとき
の、上記1段注入と2段注入におけるしきい値の変動の
シミュレーション結果である。すでに述べた理由によ
り、前者ではしきい値の変動が大きいが、後者ではほと
んど抑えられる。
【0018】以上では、ソース・ドレインの深さが10
0nm程度以上の深さであることを仮定していたが、より
浅いソース・ドレインを用いる場合には、第1の実施例
において、第2のボロン注入を省略しても、ソース・ド
レイン深さよりやや深い位置まで基板濃度が十分高くで
きる場合が考えられる。この場合、ゲート電極下で基板
表面にピークを持つボロン注入を1回行うだけで、十分
な短チャネル効果の抑圧が可能であると同時に、しきい
値VTHのばらつきも抑えられる。すなわち、第1の実施
例において、第2のボロン注入を省略することができ
る。これを図6に示した。ソース・ドレイン3Bの形成
までは図1a、bと同様に行う。次に図2cと同様にボ
ロンをゲート電極5を貫いて注入する。ただし、その注
入後のピーク位置がゲート電極5直下において基板1の
表面に位置するようにする(図6a)。次に高温の熱処
理により注入したボロンを活性化する(図6b)。この
方法では、ソース・ドレイン3Bが十分浅く(概ね10
0nm以下)抑えられないと、短チャネル効果が劣化する
恐れがある。
【0019】以上2つの例及び第1の実施例において、
ソース・ドレイン領域3と高濃度チャネル領域2とがチ
ャネル近傍の一部領域を除いて重なり合わない場合を図
示している。この状況はソース・ドレインの寄生容量を
低く抑えるうえで望ましい。しかし、これらの例及び
施例における本発明の本質は、増速拡散を抑えること、
およびそれをしきい値のばらつきなく実現することにあ
る。よってこれら実施例において2つの領域が重なり合
わないことは必ずしも本発明の本質ではなく、重なり合
っていても構わない。
【0020】一方、本発明によるしきい値ばらつきの低
減は、ソース・ドレイン容量の低減のみを意図し、増速
拡散防止を考慮しない場合においても有効である。図7
はこのような場合の、本発明による第2の実施例を示す
ものである。シリコン基板1上に素子分離絶縁膜6、ゲ
ート絶縁膜4、ゲート電極5を形成した後、ゲート電極
を貫通してボロンを、その飛程のピークがゲート電極5
直下において基板1の表面となるよう注入する(図7
a)。このとき、ソース・ドレイン領域3よりも高濃度
チャネル領域2が深くなるように、ソース・ドレイン深
さ、ゲート電極高さを設定する。次に、ゲート電極5直
下において、飛程のピークがソース・ドレインの深さ近
傍になるように再びボロンを注入する(図7b)。次
に、ヒ素(As)をゲート電極をマスクとして5×10
15cm-2程度イオン注入し、ソース・ドレイン領域3Aを
形成する(図7c)。最後に高温の熱処理によりソース
・ドレイン3と高濃度チャネル領域2を活性化する(図
7d)。
【0021】増速拡散について考慮せず、単に寄生容量
を減らすことだけが目的であるなら、上記イオン注入の
順序は任意である。また、ソース・ドレインが十分浅い
場合は上記第2のボロン注入を省略できることは、第1
実施例と同様である。
【0022】以上の説明ではnチャネル素子を例に用い
たが、これは本発明の範囲を限定するものではない。p
チャネル素子においては、チャネル不純物のボロンを燐
(P)、ソース・ドレイン不純物のヒ素をボロンあるい
はフッ化ボロン(BF2 )に置き換え、p型とn型を入
れ換えれば、今までの説明がそのまま適用できる。ま
た、ソース・ドレインの構造は最も単純なシングル・ド
レイン構造を示したが、ソース・ドレインの注入を2段
階で行うLDD構造など、さまざまな変形に対しても本
発明は容易に適用可能であることは明らかである。
【0023】
【発明の効果】ソース・ドレイン不純物の活性化熱処理
をした後にチャネル不純物をゲート電極を貫いてイオン
注入することにより、チャネル不純物の増速拡散を防止
し、異常なしきい値VTHの増大、VTHの不安定性、基部
深部の濃度低下による短チャネル効果増大が防止され
る。予測困難な増速拡散がなくなるため、設計どおりの
素子特性を容易に実現することができる。
【0024】ゲート電極を貫いてチャネル不純物を注入
する場合、ゲート下の基板表面にピークを持つようにチ
ャネル不純物を注入することにより、ゲート電極厚さの
変動による素子のしきい値VTHのばらつきを抑えること
ができる。これによりソース・ドレインの容量の低減
を、VTHばらつきを増加させることなく実現できる。
【0025】深さ方向の濃度分布が概ね平坦かつ深さ方
向の幅がほぼ一定の帯状の高濃度チャネル不純物領域を
有し、この高濃度領域の上端がゲート電極直下において
基板表面に接し、かつこの高濃度領域がソース・ドレイ
ン領域において基板の表面に接しない素子構造とするこ
とで、増速拡散の防止、あるいはソース・ドレイン容量
の低減を、VTHばらつきを増加させることなく実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】イオン注入を1回のみ行った例を示す断面図で
ある。
【図2】本発明による第1の実施例を示す断面図であ
る。
【図3】イオン注入直後の基板不純物分布の1例を示す
図である。
【図4】素子完成時の基板不純物分布の1例を示す図で
ある
【図5】2段注入法の効果を説明する図である。
【図6】イオン注入を1回のみ行った例を示す断面図で
ある。
【図7】本発明による第2の実施例を示す断面図であ
る。
【図8】一般的な従来のMISFETの製造方法を示す
断面図である。
【図9】増速拡散の影響を受けたnMISFETの特性
例を示す図である。
【図10】ソース・ドレイン容量を低減した従来のMI
SFETの製造方法を示す断面図である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の導電型の不純物をドープした半導体
    基板上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜
    上に形成されたゲート電極と、前記半導体基板内の前記
    ゲート電極の両側に形成された第2導電型のソース・ド
    レイン領域と、を備えたMISトランジスタにおいて、
    前記第1の導電型の不純物の分布が深さ方向の幅がほぼ
    一定でかつ少なくとも2つの極大点を有する帯状の高濃
    度領域を有し、前記高濃度領域の上端が前記ゲート電極
    直下(チャネル領域)において前記基板の表面に接し、
    かつ前記高濃度領域が前記ソース・ドレイン領域におい
    て前記基板の表面に接しないことを特徴とするMISト
    ランジスタ。
  2. 【請求項2】前記帯状の高濃度領域の上端が、前記ソー
    ス・ドレイン領域において、ソース・ドレインよりも深
    いことを特徴とする請求項1に記載のMISトランジス
    タ。
  3. 【請求項3】表面にゲート絶縁膜を介してゲート電極が
    形成された第1導電型の半導体基板に対して、前記ゲー
    ト電極を貫いて、第1の導電型の不純物を前記ゲート電
    極直下において前記半導体基板の表面とイオン注入後の
    不純物分布のピークとが一致するようにイオン注入する
    第1の注入工程と、前記ゲート電極を貫いて、ピークが
    前記第1の注入工程よりも深くなるように第1の導電型
    の不純物をイオン注入する第2の注入工程と、を有する
    ことを特徴とするMISトランジスタの製造方法。
  4. 【請求項4】表面にゲート絶縁膜を介してゲート電極が
    形成された半導体基板に対して、前記ゲート電極をマス
    クとして第2の導電型の不純物をイオン注入してソース
    ・ドレイン領域を形成する工程と、前記ゲート電極を貫
    いて、第1の導電型の不純物を前記ゲート電極直下にお
    いて前記半導体基板の表面とイオン注入後の不純物分布
    のピークとが一致するようにイオン注入する第1の注入
    工程と、前記ゲート電極を貫いて、ピークが前記第1の
    注入工程よりも深くなるように第1の導電型の不純物を
    イオン注入する第2の注入工程と、を有することを特徴
    とするMISトランジスタの製造方法。
  5. 【請求項5】ソース・ドレイン領域を形成する工程の後
    に、前記ソース・ドレイン領域の不純物を活性化するた
    めの加熱工程を有することを特徴とする請求項4記載の
    MISトランジスタの製造方法。
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