JP2827828B2 - 構造物の耐震構造 - Google Patents
構造物の耐震構造Info
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- JP2827828B2 JP2827828B2 JP5201375A JP20137593A JP2827828B2 JP 2827828 B2 JP2827828 B2 JP 2827828B2 JP 5201375 A JP5201375 A JP 5201375A JP 20137593 A JP20137593 A JP 20137593A JP 2827828 B2 JP2827828 B2 JP 2827828B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】軟弱地盤上の構造物に於いて、新
設或いは既設の構造物が、地震力によって転倒しようと
する変形（ロッキング変形）に対する耐震構造に関す
る。
設或いは既設の構造物が、地震力によって転倒しようと
する変形（ロッキング変形）に対する耐震構造に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】従来は、軟弱地盤に建設する構造物で
は、剛な基礎を構築して、その上に構造物を建設する
か、既設の構造物に対しては、構造物が転倒しようとす
る変形（ロッキング変形）に対して適切な手段がなかっ
た。
は、剛な基礎を構築して、その上に構造物を建設する
か、既設の構造物に対しては、構造物が転倒しようとす
る変形（ロッキング変形）に対して適切な手段がなかっ
た。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来は
軟弱な地盤に構造物を建設する場合は、大掛かりな剛な
基礎を構築して、その上に構造物を建設するか、既設の
構造物では建て替えを余儀なくされる場合があった。本
発明はこうした課題を解決するように工夫されたもので
ある。
軟弱な地盤に構造物を建設する場合は、大掛かりな剛な
基礎を構築して、その上に構造物を建設するか、既設の
構造物では建て替えを余儀なくされる場合があった。本
発明はこうした課題を解決するように工夫されたもので
ある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】構造物の基礎の周辺に、
上下方向の変形を拘束する剛な周辺基礎構造を設け、前
記構造物と、該剛な周辺基礎構造の間を上下方向の変形
を制御するダンパで接 合し、前記構造物が地震動により
転倒しようとするロッキング振動を制震し、前記構造物
の頂部及びブレース材と梁又は柱間の接合部に振動制御
装置を設置して、ロッキング現象を含まない構造物の振
動を制震してなることを特徴とする構造物の耐震構造を
要旨とする。
上下方向の変形を拘束する剛な周辺基礎構造を設け、前
記構造物と、該剛な周辺基礎構造の間を上下方向の変形
を制御するダンパで接 合し、前記構造物が地震動により
転倒しようとするロッキング振動を制震し、前記構造物
の頂部及びブレース材と梁又は柱間の接合部に振動制御
装置を設置して、ロッキング現象を含まない構造物の振
動を制震してなることを特徴とする構造物の耐震構造を
要旨とする。
【０００５】先ず構造物の周辺に上下方向の変形を拘束
する剛な周辺基礎構造を設けて、構造物と該剛な周辺基
礎構造の間を各種ダンパで接合した構造とする。更に構
造物の頂部に動吸振器、アクティブ動吸振器またはアク
ティブ・マス・ドライバー等を設置した構造とし、前記
構造物の構造のブレース材の梁、柱との接合部間にダン
パ又はアクティブ振動制御装置、例えば可変減衰装置と
か可変剛性装置を取着した構造とする。
する剛な周辺基礎構造を設けて、構造物と該剛な周辺基
礎構造の間を各種ダンパで接合した構造とする。更に構
造物の頂部に動吸振器、アクティブ動吸振器またはアク
ティブ・マス・ドライバー等を設置した構造とし、前記
構造物の構造のブレース材の梁、柱との接合部間にダン
パ又はアクティブ振動制御装置、例えば可変減衰装置と
か可変剛性装置を取着した構造とする。
【０００６】
【作用】剛な周辺基礎部のダンパによる振動低減の原理
は次の通りである。構造物の頂部がδH 変形するとδH
／Ｈの変形角を生ずる。ここにＨは構造物の高さを表
す。この時ロッキング変形のみによる基礎部の上下変形
はδF ＝（δH ／Ｈ）×（Ｌ／２）だけ生じる。ここに
Ｌは構造物のロッキング変形方向の幅を表す。この様子
を図６に示す。ダンパは変形差を生ずる部分に設置する
ことにより、減衰力を発揮することが出来るので、周辺
に上下変形を拘束する剛な周辺基礎構造を設けて構造物
と、該剛な周辺基礎構造の間にダンパを設置してδF の
変形がダンパに強制的に作用して耐震の目的を達成する
ものである。
は次の通りである。構造物の頂部がδH 変形するとδH
／Ｈの変形角を生ずる。ここにＨは構造物の高さを表
す。この時ロッキング変形のみによる基礎部の上下変形
はδF ＝（δH ／Ｈ）×（Ｌ／２）だけ生じる。ここに
Ｌは構造物のロッキング変形方向の幅を表す。この様子
を図６に示す。ダンパは変形差を生ずる部分に設置する
ことにより、減衰力を発揮することが出来るので、周辺
に上下変形を拘束する剛な周辺基礎構造を設けて構造物
と、該剛な周辺基礎構造の間にダンパを設置してδF の
変形がダンパに強制的に作用して耐震の目的を達成する
ものである。
【０００７】
【実施例】図１に本発明の実施例を示す。構造物１の基
礎２の周辺に上下方向の変形を杭４、地盤アンカー５な
どにより、堅固に固定した剛な周辺基礎構造３を設け、
構造物１と剛な周辺基礎構造３の間を振動制御装置即ち
各種ダンパ８で接合する。地盤に打設する杭４は構造物
１の直下に打設する場合もあるし、杭４の代わりに構造
物１直下を地盤改良１０する場合もある。しかしいずれ
の場合も構造物１の振動応答が低減され、地盤への負担
も減少するので杭４や地盤改良１０は、軟弱地盤へ、地
震時のために施工する特別なものでなく、通常の鉛直荷
重を支持する程度のものでよい。図２は構造物１直下に
も杭４を打設した例であり、図３は構造物１の基礎２の
直下を地盤改良１０した例である。また図４は図２で構
造物の基礎２に、はね出し基礎梁９を設けた例で、図５
は図３で構造物の基礎２に、はね出し基礎梁９を設けた
例である。これにより構造物１の地盤が軟弱で構造物１
が転倒しようとする変形（ロッキング変形）に対して振
動減衰効果を発揮させる。図７は構造物の基礎２から、
はね出し基礎梁９を出せば、その先端のロッキング変形
はＬ’／Ｌ分だけ増幅されることを示し、先端位置で剛
な周辺基礎構造３との間に設けるダンパ８の効果は更に
高まることになる。この発明の構造で大地震に対して一
定の振動低減を図った上、構造物の頂部等に付加重錘式
振動制御装置、例えば動吸振器、アクティブ動吸振器又
はアクティブ・マス・ドライバー等６を設置してより大
きな振動減衰を図る。又構造物のブレース材の梁、柱と
の接合部間にパッシブ、アクティブ各種の振動制御装置
７を設置することにより基礎部ダンパと組合わさって、
有効に振動低減を図ることが出来る。即ち振動制御装置
６及び７は、ダンパ８が負担するロッキング変形を含ま
ない構造物のみの振動モードを低減させる等、振動制御
装置６及び７やダンパ８の役割を分担させることが可能
である。
礎２の周辺に上下方向の変形を杭４、地盤アンカー５な
どにより、堅固に固定した剛な周辺基礎構造３を設け、
構造物１と剛な周辺基礎構造３の間を振動制御装置即ち
各種ダンパ８で接合する。地盤に打設する杭４は構造物
１の直下に打設する場合もあるし、杭４の代わりに構造
物１直下を地盤改良１０する場合もある。しかしいずれ
の場合も構造物１の振動応答が低減され、地盤への負担
も減少するので杭４や地盤改良１０は、軟弱地盤へ、地
震時のために施工する特別なものでなく、通常の鉛直荷
重を支持する程度のものでよい。図２は構造物１直下に
も杭４を打設した例であり、図３は構造物１の基礎２の
直下を地盤改良１０した例である。また図４は図２で構
造物の基礎２に、はね出し基礎梁９を設けた例で、図５
は図３で構造物の基礎２に、はね出し基礎梁９を設けた
例である。これにより構造物１の地盤が軟弱で構造物１
が転倒しようとする変形（ロッキング変形）に対して振
動減衰効果を発揮させる。図７は構造物の基礎２から、
はね出し基礎梁９を出せば、その先端のロッキング変形
はＬ’／Ｌ分だけ増幅されることを示し、先端位置で剛
な周辺基礎構造３との間に設けるダンパ８の効果は更に
高まることになる。この発明の構造で大地震に対して一
定の振動低減を図った上、構造物の頂部等に付加重錘式
振動制御装置、例えば動吸振器、アクティブ動吸振器又
はアクティブ・マス・ドライバー等６を設置してより大
きな振動減衰を図る。又構造物のブレース材の梁、柱と
の接合部間にパッシブ、アクティブ各種の振動制御装置
７を設置することにより基礎部ダンパと組合わさって、
有効に振動低減を図ることが出来る。即ち振動制御装置
６及び７は、ダンパ８が負担するロッキング変形を含ま
ない構造物のみの振動モードを低減させる等、振動制御
装置６及び７やダンパ８の役割を分担させることが可能
である。
【０００８】
【発明の効果】この耐震構造は、軟弱地盤に構築する構
造物は勿論、特に既設の構造物で耐震安全性が充分でな
く、支持地盤の変形が大きい場合にも有効である。また
構造物の頂部に振動制御装置を設けることにより、中地
震から大地震まで効果的に振動減衰が図られる。すなわ
ち比較的コストの安い弾性ダンパ、オイルダンパ等で、
大地震時の一定の応答低減を図った上に、コストは比較
的高いが応答低減効果の大きいアクティブ装置の設置を
併用することにより、アクティブ装置の振動低減範囲の
上限を低く押さえることが出来、剛な周辺基礎構造部の
ダンパによる効果と組み合わせて、小・中地震から大地
震まで、又暴風による振動も含めて、大きな振動低減効
果を得る。
造物は勿論、特に既設の構造物で耐震安全性が充分でな
く、支持地盤の変形が大きい場合にも有効である。また
構造物の頂部に振動制御装置を設けることにより、中地
震から大地震まで効果的に振動減衰が図られる。すなわ
ち比較的コストの安い弾性ダンパ、オイルダンパ等で、
大地震時の一定の応答低減を図った上に、コストは比較
的高いが応答低減効果の大きいアクティブ装置の設置を
併用することにより、アクティブ装置の振動低減範囲の
上限を低く押さえることが出来、剛な周辺基礎構造部の
ダンパによる効果と組み合わせて、小・中地震から大地
震まで、又暴風による振動も含めて、大きな振動低減効
果を得る。
【図１】本発明の構造を示す図である。
【図２】本発明で構造物直下にも杭を打設したことを示
す図である。
す図である。
【図３】本発明で構造物直下を地盤改良したことを示す
図である。
図である。
【図４】図２で構造物の基礎に、はね出し基礎梁を設け
たことを示す図である。
たことを示す図である。
【図５】図３で構造物の基礎に、はね出し基礎梁を設け
たことを示す図である。
たことを示す図である。
【図６】構造物が転倒しようとするロッキング変形の原
理を示す図である。
理を示す図である。
【図７】はね出し基礎梁の効果を示す図である。
１・・・構造物、２・・・構造物の基礎、３・・・剛な
周辺基礎構造、４・・・杭、５・・・地盤アンカー、６
・・・振動制御装置（動吸振器、アクティブ動吸振器ま
たはアクティブ・マス・ドライバー）、７・・・振動制
御装置（ダンパまたはアクティブ制御装置）、８・・・
ダンパ、９・・・はね出し基礎梁、１０・・・改良地盤
周辺基礎構造、４・・・杭、５・・・地盤アンカー、６
・・・振動制御装置（動吸振器、アクティブ動吸振器ま
たはアクティブ・マス・ドライバー）、７・・・振動制
御装置（ダンパまたはアクティブ制御装置）、８・・・
ダンパ、９・・・はね出し基礎梁、１０・・・改良地盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒川 泰嗣 東京都港区元赤坂１丁目２番７号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 栗野 治彦 東京都港区元赤坂１丁目２番７号 鹿島 建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平２−132216（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−81476（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−285176（ＪＰ，Ａ) 特開 昭55−126617（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−164520（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−19378（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) E02D 27/34 E02D 31/08 E04H 9/02 341
Claims (1)
- 【請求項１】 構造物の基礎の周辺に、上下方向の変形
を拘束する剛な周辺基礎構造を設け、前記構造物と、該
剛な周辺基礎構造の間を上下方向の変形を制御するダン
パで接合し、前記構造物が地震動により転倒しようとす
るロッキング振動を制震し、前記構造物の頂部及びブレ
ース材と梁又は柱間の接合部に振動制御装置を設置し
て、ロッキング現象を含まない構造物の振動を制震して
なることを特徴とする構造物の耐震構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5201375A JP2827828B2 (ja) | 1993-08-13 | 1993-08-13 | 構造物の耐震構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5201375A JP2827828B2 (ja) | 1993-08-13 | 1993-08-13 | 構造物の耐震構造 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0754356A JPH0754356A (ja) | 1995-02-28 |
| JP2827828B2 true JP2827828B2 (ja) | 1998-11-25 |
Family
ID=16440034
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5201375A Expired - Fee Related JP2827828B2 (ja) | 1993-08-13 | 1993-08-13 | 構造物の耐震構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2827828B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3648646B2 (ja) * | 1996-02-01 | 2005-05-18 | 清水建設株式会社 | 構造物の液状化対策構造 |
| JP4621389B2 (ja) * | 2001-08-30 | 2011-01-26 | 株式会社竹中工務店 | 建物の基礎構造 |
| JP4762709B2 (ja) * | 2005-12-26 | 2011-08-31 | 株式会社竹中工務店 | 既存建物の基礎地盤の液状化を低減し不同沈下を防止する工法 |
| JP4852450B2 (ja) * | 2007-03-15 | 2012-01-11 | 株式会社大林組 | 既存建物の補強方法及び既存建物の補強構造 |
| CN107386311B (zh) * | 2017-06-23 | 2021-07-27 | 中国核电工程有限公司 | 一种针对核电厂冷却塔倒塌的地面减振方法 |
Family Cites Families (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0784817B2 (ja) * | 1986-07-09 | 1995-09-13 | 東急建設株式会社 | 建物の動的制振方法および装置 |
| JPS63156170A (ja) * | 1986-12-17 | 1988-06-29 | 鹿島建設株式会社 | 可変剛性建物 |
| JPH01203571A (ja) * | 1988-02-09 | 1989-08-16 | Kajima Corp | 建物架構の可変剛性構造 |
| JPH0686746B2 (ja) * | 1988-10-19 | 1994-11-02 | 鹿島建設株式会社 | 可変剛性装置 |
| JPH0649988B2 (ja) * | 1988-11-10 | 1994-06-29 | 鹿島建設株式会社 | 埋立地構造物の基礎 |
| JPH086501B2 (ja) * | 1989-05-30 | 1996-01-24 | 大成建設株式会社 | 構造物の振動制御方法 |
-
1993
- 1993-08-13 JP JP5201375A patent/JP2827828B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0754356A (ja) | 1995-02-28 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19980818 |
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