JP3102548B2 - 杭の免震構造 - Google Patents

杭の免震構造

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JP3102548B2 JP07294705A JP29470595A JP3102548B2 JP 3102548 B2 JP3102548 B2 JP 3102548B2 JP 07294705 A JP07294705 A JP 07294705A JP 29470595 A JP29470595 A JP 29470595A JP 3102548 B2 JP3102548 B2 JP 3102548B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造物を支持する
杭の免震構造に関する。
【0002】
【従来の技術】杭基礎は、良質な支持層が地下深くにあ
る場合に採用される基礎形式の一つであり、該支持層ま
で打ち込んだ杭の上に上部構造物を構築することによっ
て、構造物重量を支持層で安定支持することができるも
のである。
【0003】かかる杭は、その構造特性から水平力に対
して比較的弱点を持ちやすく、地震時には、上部構造物
から大きな水平力や曲げモーメントが杭頭に作用する
が、その一方で、杭の破壊といった事態は、上部構造物
の倒壊に直接つながることとなる。したがって、杭が破
壊に至らないように十分な検討が必要である。
【0004】杭の損傷を防止する方策としてさまざまな
免震構造が提案されているが、その有効な手段として上
部構造物と杭頭との間に積層ゴムを配設する案がある。
かかる方法によれば、積層ゴムによる長周期化によって
上部構造物に入力する地震動のレベルが低減し、杭頭に
作用する水平力や曲げモーメントも小さくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、杭頭に
積層ゴムを配設するということは、当然のことながら上
部構造物の水平変位を許容できるだけのクリアランスを
上部構造物の側方に設けなければならないことを意味
し、地盤面より下方の上部構造物の周囲を二重壁構造と
することを余儀なくされるという問題を生じていた。
【0006】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、上部構造物の水平変位を低減させると同時に
杭の損傷をも防止することが可能な杭の免震構造を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る杭の免震構造は請求項1に記載したよ
うに、上部構造物と該上部構造物を支持する杭の頭部と
の間に滑り支承、ボールベアリング等を用いた絶縁機構
を配設するとともに、地盤内に定着された一対の引張材
を所定の定着部材を用いて前記上部構造物に定着したも
のである。
【0008】また、本発明に係る杭の免震構造は、前記
定着部材と前記上部構造物との間に所定のダンパー部材
を介在させ、前記引張材の緊張力が該ダンパー部材を介
して前記定着部材と前記上部構造物との間で伝達される
ようにしたものである。
【0009】また、本発明に係る杭の免震構造は、前記
ダンパー部材を超弾性材で形成したものである。
【0010】本発明の杭の免震構造は、上部構造物と杭
の両方の免震化を図った従来の免震構造とは異なり、杭
の免震化を主体的に考えたものである。すなわち、本発
明の杭の免震構造においては、上部構造物と該上部構造
物を支持する杭の頭部との間に滑り支承、ボールベアリ
ング等を用いた絶縁機構を配設するとともに、地盤内に
定着された一対の引張材を所定の定着部材を用いて上部
構造物に定着しており、地震時においては、該引張材に
よって上部構造物の水平移動や転倒が防止されるととも
に、上部構造物からの水平力や曲げモーメントは、絶縁
機構で遮断されて杭頭には作用しない。なお、上部構造
物には引張材を介して地震動のエネルギーが入力するの
で、上部構造物自体は、所定の耐震設計基準に基づいて
構築する。
【0011】ここで、定着部材と上部構造物との間にダ
ンパー部材を介在させた場合、該ダンパー部材によって
上部構造物の振動エネルギーが吸収され、上部構造物も
ある程度の免震化が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る杭の免震構造
の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0013】図1(a) は、本実施形態に係る杭の免震構
造を示した全体図である。同図でわかるように、本実施
形態に係る杭の免震構造は、上部構造物1と該上部構造
物1を支持する杭2の頭部との間に絶縁機構としての滑
り支承3を配設するとともに、互いに交差する一対のア
ンカー4、4で上部構造物1を地盤5内に定着してあ
る。
【0014】滑り支承3は、地震時において上部構造物
1からの水平力や曲げモーメントが杭2の頭部にできる
だけ作用しないように、摩擦係数の小さい材料、例えば
テフロン材を杭2の頭部と上部構造物1の基礎スラブ6
の下面に設けて構成してある。
【0015】アンカー4は、地盤側においては、PC鋼
線等の引張材7の一端を図示しない堅固な地層まで削孔
した孔内にグラウト材を用いて定着してあり、上部構造
物1側では、図1(b) でよくわかるように、基礎スラブ
6の貫通孔8に引張材7を通し、その他端を支圧板9、
ダンパー部材10および定着部材であるアンカーヘッド
11の孔に挿通し、図示しないくさびでアンカーヘッド
11に定着してある。なお、防錆処理のため、引張材7
の端部にキャップ12を被せ、その中にグリスを封入し
てある。
【0016】ダンパー部材10は、超弾性材と呼ばれる
材料で例えば図1(c) に示す環状に形成してあり、これ
をアンカーヘッド11と支圧板9の間に介在させること
によって、引張材7の緊張力が該ダンパー部材10を介
して伝達されるようになっている。なお、ダンパー部材
10を形成する超弾性材としては、例えばTi―Ni合
金やCu―Au―Zn合金等を用いることができる。
【0017】本実施形態に係る杭の免震構造において
は、地震時においては、引張材7によって上部構造物1
の水平移動や転倒が防止されるとともに、上部構造物1
からの水平力や曲げモーメントは、滑り支承3で遮断さ
れて杭2の頭部には作用しない。また、ダンパー部材1
0によって上部構造物1の振動エネルギーが吸収され、
上部構造物1もある程度免震化される。
【0018】図2は、超弾性材で形成したダンパー部材
10の応力―ひずみ曲線を示したものであり、かかるグ
ラフを用いて地震エネルギーの吸収メカニズムを説明す
る。
【0019】まず、ダンパー部材10は、通常時には図
2(a) に示すように、引張材7の緊張力Pが作用してお
り(黒丸で示した位置)、比較的小さな地震がきた場合
には、該黒丸位置を中心として曲線上を移動するが、か
かる移動範囲は、弾性域にとどまり、エネルギー吸収は
行われない。
【0020】一方、地震時においては、かかる緊張力P
にアンカー4の傾斜角度に応じた上部構造物1からの水
平力成分が加わった変動応力が作用し、同図(b) に示す
ように、超弾性特有の履歴を描きながらエネルギー吸収
が行われる。
【0021】以上説明したように、本実施形態に係る杭
の免震構造によれば、上部構造物と杭との間に滑り支承
を配設したので、地震時に上部構造物からの水平力や曲
げモーメントが杭に作用することはなく、杭の破損を防
止することができるとともに、アンカーを用いて上部構
造物を地盤に定着したことにより、上部構造物の水平動
や浮き上がりあるいは転倒を防止することができる。
【0022】したがって、地盤面より低い上部構造物の
側方を二重壁とすることなく、杭の免震化を図ることが
可能となる。
【0023】また、定着部材と上部構造物との間にダン
パー部材を介在させて該ダンパー部材で上部構造物の振
動エネルギーを吸収するようにしたので、上部構造物の
免震化をもある程度達成することが可能となる。
【0024】本実施形態では、ダンパー部材を超弾性材
で形成したが、これに代えて、図3に示すように、高減
衰ゴムで形成したダンパー部材21を用いてもよい。
【0025】また、本実施形態では、一対のアンカー
4、4を交差配置したが、図4に示すような配置形態と
してもよい。
【0026】また、本実施形態では、絶縁機構として滑
り支承を採用したが、代わりにベアリング等を採用して
もよい。
【0027】また、本実施形態では、アンカー4のアン
カーヘッド11と支圧板9との間にダンパー部材10を
介在させたが、図5に示すように、かかるダンパー部材
を省略したアンカー31を用いてもよい。
【0028】かかる構成によっても、地震時に上部構造
物1からの水平力や曲げモーメントが杭2に作用するこ
とはなく、杭2の破損を防止することができるととも
に、上部構造物1の水平動や浮き上がりあるいは転倒を
防止することができる。
【0029】したがって、上述した実施形態と同様、地
盤面より低い上部構造物1の側方を二重壁とすることな
く、杭2の免震化を図ることが可能となる。なお、上部
構造物1には引張材7を介して地震動のエネルギーが入
力するので、上部構造物自体は、所定の耐震設計基準に
基づいて構築しておく。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の杭の免震構
造は、上部構造物と該上部構造物を支持する杭の頭部と
の間に滑り支承、ボールベアリング等を用いた絶縁機構
を配設するとともに、地盤内に定着された一対の引張材
を所定の定着部材を用いて前記上部構造物に定着したの
で、上部構造物の水平変位を低減させると同時に杭の損
傷をも防止することができる。
【0031】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る杭の免震構造を示した図であ
り、(a)は全体側面図、(b)は上部構造物側の定着構造を
示す詳細図、(c)はダンパー部材等の斜視図。
【図2】ダンパー部材の応力ひずみ曲線を示したグラフ
であり、(a) は通常時および小地震時の際に生じる応力
ひずみレベルを書き加えたもの、(b) は大地震時の際に
生じる応力ひずみレベルを書き加えたもの。
【図3】ダンパー部材の変形例を示した斜視図。
【図4】変形例に係る杭の免震構造を示した全体側面
図。
【図5】同じく変形例に係る杭の免震構造を示した全体
側面図。
【符号の説明】
1 上部構造物 2 杭 3 滑り支承(絶縁機構) 4、31 アンカー 5 地盤 7 PC鋼線(引張材) 10 ダンパー部材 11 アンカーヘッド(定着部材) 21 ダンパー部材
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 27/12 E02D 27/34 E04H 9/02 311 E04H 9/02 331

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部構造物と該上部構造物を支持する杭
    の頭部との間に滑り支承、ボールベアリング等を用いた
    絶縁機構を配設するとともに、地盤内に定着された一対
    の引張材を所定の定着部材を用いて前記上部構造物に定
    着してなることを特徴とする杭の免震構造。
  2. 【請求項2】 前記定着部材と前記上部構造物との間に
    所定のダンパー部材を介在させ、前記引張材の緊張力が
    該ダンパー部材を介して前記定着部材と前記上部構造物
    との間で伝達されるようにした請求項1記載の杭の免震
    構造。
  3. 【請求項3】 前記ダンパー部材を超弾性材で形成した
    請求項2記載の杭の免震構造。
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NL1032291C2 (nl) * 2006-08-10 2008-02-12 Ries Holding B V Bouwconstructie, spoelinrichting en werkwijze voor het in de grond brengen van een bouwconstructie.
JP2011247046A (ja) * 2010-05-31 2011-12-08 Railway Technical Research Institute 橋台変形吸収手段を設けた橋梁

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