JP2827748B2 - 光ディスク及びその再生方法と再生装置 - Google Patents

光ディスク及びその再生方法と再生装置

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JP2827748B2 JP4250717A JP25071792A JP2827748B2 JP 2827748 B2 JP2827748 B2 JP 2827748B2 JP 4250717 A JP4250717 A JP 4250717A JP 25071792 A JP25071792 A JP 25071792A JP 2827748 B2 JP2827748 B2 JP 2827748B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的に情報の再生が
可能な光ディスク及びその再生方法と再生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年光ディスクの大容量化が検討され、
種々の提案が成されている。光ディスクは、記録時のレ
ーザー光パワーを制御することによって、光スポット径
よりも小さな記録マークを形成することが可能であるた
め記録時の密度向上には原理上限界はない。しかし、レ
ーザー光をレンズで絞った時の光スポット径はある一定
値以下には絞れない限界値を持っており、光ディスクの
高密度化はいかに再生レーザースポットを小さくするか
にかかっている。再生限界の記録マークの繰り返し波長
(記録波長)は、λ/2NA で与えられる。ここでは
λは光の波長、NAはレンズの開口数である。
【0003】より短い記録波長の記録マークを識別して
再生するためには、波長λの短い光で再生するか開口数
NAが大きなレンズを用いれば良いことが分かる。しか
しながら再生に用いる半導体レーザーの短波長化は技術
的に困難が多く、また開口数NAの大きなレンズを光デ
ィスク装置に組み込むことも容易ではない。これらの方
法とは別に、再生時に光スポットを実効的に小さくする
方法が、「固体物理」VOL.26 NO.6 1991 P393〜P398に
記載されている。レーザー照射時に発生する光スポット
内の低温領域と高温領域を利用して、高温部或いは低温
部のみが読みだし可能になるものである。結果として光
スポット面積を実質的に縮小した効果が得られるとされ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術が適用できるのは、光磁気方式を用いた読み書き
可能なディスク(以下、読み書き可能な光ディスクをR
AM型光ディスクと記す。)だけであり、光方式を用い
た読み出し専用ディスク(以下、読み出し専用ディスク
をROM型光ディスクと記す。)には適用できない。ま
た前記従来技術の光磁気ディスクでは、磁性多層膜構造
が必要であり、例えば保持力やキュリー温度等各種物性
の制御や製造が煩雑であると言う問題点があった。本発
明は、前記問題点に鑑み成されたもので、その目的は、
ROM型光ディスク、RAM型光ディスクのいずれにも
適用できる高密度型光ディスクとその再生方法と再生装
置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の光ディスクは、
予め情報が凹凸状のピットとして形成された透明基板上
に少なくも、620nm以上690nm以下の光波長近
傍に光を最も吸収する吸収極大を示す正フォトクロミッ
ク物質または逆フォトクロミック物質よりなる薄膜と、
反射膜とをこの順に設けた再生専用型光ディスクであっ
て、室温または遮光状態では前記正フォトクロミック物
質または逆フォトクロミック物質の吸光度(吸収率)が
飽和していないようにした再生専用型光ディスクであ
る。また、本発明の光ディスクは、透明基板上に少なく
も、620nm以上690nm以下の光波長近傍に吸収
極大を示す正フォトクロミック物質または逆フォトクロ
ミック物質よりなる薄膜と、記録層と、反射膜とを、こ
の順に透明基板上に設けた記録再生可能な光ディスクで
あって、室温または遮光状態では前記正フォトクロミッ
ク物質または逆フォトクロミック物質の吸光度(吸収
率)が飽和していないようにした記録再生可能な光ディ
スクである。また、本発明の光ディスクの再生方法は、
透明基板上に少なくとも、フォトクロミック物質よりな
る薄膜と、反射膜とをこの順に設けた光ディスクの再生
方法に於いて、光照射及び又は加熱によって再生光波長
に於ける前記薄膜の透過率を低い状態に保ちながら再生
光を照射して、再生光のビームスポットの照射部分より
小さな領域に於いて再生光波長での前記薄膜の透過率を
高い状態にして再生するようにした光ディスクの再生方
法である。さらに、本発明の光ディスクの再生装置は、
透明基板上に少なくとも、フォトクロミック物質よりな
る薄膜と、反射膜とをこの順に設けた光ディスクの再生
装置であって、前記光ディスクに記録されている情報を
光学的に再生する光学ヘッドと、光照射及び又は加熱に
より前記薄膜の再生光波長に於ける透過率を低い状態に
保つ手段とを備え、再生光のビームスポットの照射部分
より小さな領域に於いて再生光波長での前記薄膜の透過
率を高い状態にして再生するようにしたことを特徴とす
る光ディスクの再生装置である。
【0006】
【作用】透明基板上に形成されたフォトクロミック物質
からなる薄膜は、光照射或いは加熱によってそのスペク
トルを可逆的に変化させる。透明基板を通過した再生光
は再生光波長に於いて透過率の低い状態にある前記薄膜
を照射し、再生光波長に於ける透過率を高い状態にす
る。特に再生光スポットの中心部では光の強度が強いた
め、再生光スポットの外縁部に比べ透過率は大きく上昇
する。この状態では、光の強度が強い再生光スポットの
中心部のみ再生光が反射層まで進入出来、再生光スポッ
トの径を縮小したのと同様な効果が得られ、光ディスク
の微小な記録マークを読み出すことが可能となる。
【0007】
【実施例】本発明を図面に基づいて説明する。 (1)図1は、本発明のROM型光ディスクの断面図で
ある。図1に於いて、基板1と保護膜4の間には、フォ
トクロミック層2、反射層3が積層されている。前記基
板1としては、通常の光ディスクに用いられている例え
ばポリカーボネート、アクリル、エポキシ、ポリオレフ
ィン等のプラスチックや、ガラス等の透明基板が使用さ
れる。この基板上には予め情報がピットとして形成され
ている。実際には例えばコンパクトディスクの基板と同
様に射出成形によって製造され、情報の記録は、機械的
な凹凸(ピット部とランド部)によって成されている。
【0008】フォトクロミズムとは、光によって引き起
こされるスペクトル(色)の変化を伴う分子構造の変化
で、生成物が光或いは熱によって可逆反応を起こし、元
の物質に戻る性質を指すが、前記フォトクロミック層2
を構成するフォトクロミック物質乃至フォトクロミック
化合物は、前記フォトクロミズムの性質を有し、さら
に、620nm以上690nm以下の光波長で最も光を
吸収する吸収極大を有している。一般的なフォトクロミ
ック物質としては、通常は無色透明で紫外光を照射する
と発色し可視光の照射か加熱によって消色し元に戻ると
言う性質を有する正フォトクロミック化合物と、通常は
着色していて可視光の照射によって消色し紫外光の照射
か加熱によって着色し元に戻ると言う性質を有する逆フ
ォトクロミック化合物とがある。本実施例におけるフォ
トクロミック層2は、正フォトクロミック化合物でも良
いし、逆フォトクロミック化合物でも良いが、室温また
は遮光状態では前記正フォトクロミック物質(化合物)
または逆フォトクロミック物質(化合物)の吸光度(吸
収率)が飽和していないものにする。
【0009】フォトクロミズムを示す有機化合物として
用いられるものを次に例示すると、正フォトクロミック
化合物としては、スピロピラン、スピロオキサジン、ス
ピロナフトオキサジン、スピロチオピラン、フルギド、
ジアリルエテン、シクロファン型誘導体、チオインジ
ゴ、アゾベンゼン等がある。また逆フォトクロミック化
合物としては、スピロベンゾセレナゾリノベンゾピラン
等が用いられる。
【0010】この他にフォトクロミズムを示す無機材料
としてハロゲン化銀フォトクロミックガラス、TlCl
フォトクロミックガラス、還元性溶融フォトクロミック
ガラス、CdO含有フォトクロミックガラス、熱暗化フ
ォトクロミックガラス等が用いられる。成膜方法として
は、スピンコート法、スプレー法、ディップ法、ブレー
ドコート法などの塗布式や、蒸着、スパッタ等の真空成
膜を用いることが出来る。必要に応じてバインダーを混
合しても良い。
【0011】前記フォトクロミック層2の膜厚は、10
〜5000nmの範囲にあり、好ましくは100〜20
00nmの範囲である。前記フォトクロミック層2の上
には反射層3が積層されている。この反射層3として
は、Au、Ag、Cu、Al、In、Pt、Cr、Ni
等の金属のうちの1種又はこれらの合金が用いられる。
また前記反射層3は、真空蒸着やスパッタリングで膜厚
が10〜500nmの範囲、好ましくは50〜100n
mの範囲に形成される。前記保護膜4としては、紫外線
硬化型のホトポリマーを用いるのが好ましい。
【0012】また一般に、光ディスクの再生に用いられ
る半導体レーザーの光波長は、略620nm乃至840
nmであり、フォトクロミック物質が吸収極大を示す光
波長は、略450乃至700nmであるが、本発明の光
ディスクに於けるフォトクロミック物質は、620乃至
690nmの光波長λmaxで吸収極大を示すものであ
り、本発明の光ディスクの再生に使用される再生レーザ
ーの光波長は、前記フォトクロミック物質が吸収極大を
示す光波長λmaxと略一致させている。
【0013】前記のようにして製造されたROM型光デ
ィスクの再生方法について以下に述べる。回転している
光ディスクに再生レーザー光が照射され、フォーカスサ
ーボとトラッキングサーボがかけられて記録マークから
の戻り光が検出される。この時再生用レーザー光のフォ
トクロミック層での透過率は予め下げられており、着色
状態にされている。
【0014】(2)ここでまず、フォトクロミック層に
正フォトクロミック化合物を用いた場合について説明す
る。フォトクロミック層に再生レーザー光が入射した時
点では、再生光は遮蔽され、ROM型光ディスクの情報
は読み出すことが出来ないが、この直後に前記フォトク
ロミック層は再生光を吸収して加熱され、この熱により
消色し、透過率が上昇する。
【0015】特に再生光スポットの中心部では温度が高
くなるため、透過率は大きく上昇する。この状態では光
スポット中心部の光は反射層まで侵入することが出来、
ROM型光ディスクの情報を読み出すことが可能とな
る。この場合、光スポットの全体ではなく中心部のみか
ら戻り光が得られるため、隣接するピットからのクロス
トークが減少する。即ちフォトクロミック層によって再
生光の強度の弱い領域が遮蔽され、再生光のスポット径
が実効的に縮小されることになる。
【0016】フォトクロミック層に遮蔽機能を持たせる
ために、再生光スポットが当たっている領域以外のフォ
トクロミック層は絶えず着色状態即ち透過率が低い状態
にされている必要があり、このためには紫外光がフォト
クロミック層に常に照射される。従ってフォトクロミッ
ク層は再生光のスポットが通過した後瞬時に透過率が低
い状態に戻る。
【0017】以下に、フォトクロミック層として正フォ
トクロミック物質を用いたROM型光ディスクの再生装
置の一例について説明する。図3は、正フォトクロミッ
ク材料を用いた光ディスクと光ディスク装置の基本構成
を示す図である。図3に示す光ディスク装置は、ROM
型光ディスクを使用する場合は再生装置として使用さ
れ、RAM型光ディスクを使用する場合には記録・再生
装置として使用されるが、ここではROM型光ディスク
の再生装置としての説明をする。同図に示す11Aは、
フォトクロミック層として正フォトクロミック材料を用
いたROM型光ディスクである。
【0018】図3に於いて、レーザー光源12から出射
されたレーザー光は、コリメータレンズ15を介して平
行光とされ、プリズム16、対物レンズ14を介して光
ディスク11Aのフォトクロミック層で結像される。そ
して反射層で反射された再生光は、前記プリズム16で
方向を変えられ、光検知器17に入射され、再生信号が
得られる。前記レーザー光源12、コリメータレンズ1
5、プリズム16、対物レンズ14、プリズム16、光
検知器17等により光ヘッドが構成されている。図3に
示す記録・再生装置の構成例では、紫外光光源13から
透明基板を通して紫外光を前記光ディスク11Aに照射
出来るようになっている。この紫外光光源13としては
例えば波長365nmのブラックライトが用いられる。
【0019】(3)次にフォトクロミック層に逆フォト
クロミック化合物を用いた場合について説明する。フォ
トクロミック層に逆フォトクロミック物質よりなる薄膜
を設けた光ディスクでは、前記フォトクロミック層に正
フォトクロミック物質よりなる薄膜を設けた光ディスク
と同様に、予め情報がピットとして形成されている。再
生時には、フォトクロミック層に再生光が入射すると消
色し、透過率が上昇する。特に再生光スポットの中心部
では光の強度が強いため、再生光スポットの外縁部に比
べ透過率は大きく上昇する。
【0020】この状態では光スポット中心部の光は反射
層まで侵入することが出来、ROM型光ディスクの情報
を読み出すことが可能となる。この場合、光スポットの
中心部のみから戻り光が得られるため、隣接するピット
からのクロストークが減少する。即ちフォトクロミック
層によって再生光の強度の弱い領域が遮蔽され、再生光
のスポット径が実効的に縮小されることになる。 フォ
トクロミック層は、常に加熱され絶えず着色状態即ち透
過率が低い状態に維持される。従ってフォトクロミック
層は、再生光のスポットが通過した後瞬時に透過率が低
い状態に戻る。
【0021】以下に、フォトクロミック層として逆フォ
トクロミック物質を用いたROM型光ディスクの再生装
置の一例について説明する。図4は、逆フォトクロミッ
ク材料を用いた光ディスクとディスク装置の基本構成を
示す図である。図4に示すディスク装置は、ROM型デ
ィスクの場合は再生装置として使用され、RAM型ディ
スクの場合は記録・再生装置として使用されるが、ここ
ではROM型光ディスクの再生装置としての説明をす
る。この装置は、加熱装置18の中にフォトクロミック
層として逆フォトクロミック材料を用いたROM型光デ
ィスク11Bが配置され、常に着色状態に戻るようにな
っている。
【0022】図4に於いて、図3と対応するものには同
一の符号を付し説明を省略する。同図に於いて、前記光
ディスク11Bは加熱装置18の中に配置され、前記フ
ォトクロミック層が常に着色状態に戻っているようにな
っている。前記加熱装置18内には、加熱ヒーターと温
度センサーが備えられ装置内は一定温度に保たれる。
【0023】(4)次に、本発明のRAM型光ディスク
の説明をする。図2は本発明のRAM型光ディスクの断
面図である。図2に於いて、基板1と保護膜4の間に
は、フォトクロミック層2、記録層5、反射層3がこの
順に積層されている。図2に示すRAM型光ディスク
は、フォトクロミック層2と反射層3の間に記録層5が
設けられている点以外は図1に示すROM型光ディスク
と略同様に構成されている。
【0024】図2に於いて、基板1には記録光並びに再
生光を案内するプリグループやプリピットが設けられて
いる。前記フォトクロミック層2としては、ROM型光
ディスクに用いられたものと同様に620nm以上69
0nm以下の光波長に吸収極大を示すフォトクロミック
物質が使用されるが、記録時のレーザー光の熱や光によ
って分解や変質を起こさないように耐熱温度の高いフォ
トクロミック物質が好ましい。前記記録層5は、追記型
の場合には、有機色素膜、相変化膜、バブルモード膜等
が用いられ、書き替え型の場合には、相変化膜、光磁気
膜、形状変化膜等が用いられる。
【0025】例えば、有機色素膜はシアニン色素を有機
溶剤に溶かし、スピンコート法によって成膜する。ま
た、相変化膜は、GeーTeーSb系の薄膜をスパッタ
リングによって成膜する。これら以外の成膜方法として
は、スプレー法、ディップ法、ブレードコート法等の塗
布式や蒸着、イオンプレーティング等の真空成膜を用い
ることも出来る。記録層の膜厚は、10〜2000nm
の範囲にある。反射層3、保護膜4は、前記ROM型光
ディスクと同様である。
【0026】前記のようにして製造された光ディスクに
は情報が記録される。記録時にはまずディスクが回転さ
れ、フォーカス並びにトラッキングサーボがかけられ
る。記録光が前記透明基板1並びにフォトクロミック層
2を通して記録層5に結像される。この時再生レーザ光
でのフォトクロミック層2の透過率は高い状態、或いは
低い状態のどちらにあっても良い。記録用レーザー光の
パワーを調節することによって光強度の強いビームの中
心部分を使って記録が行われる。記録層が有機色素膜の
場合には、色素が記録光によって分解し、屈折率の異な
る状態に変化して記録状態となる。また、記録層が相変
化膜の場合には、未記録では結晶状態であったものが記
録光によって加熱、急冷され非晶質状態に変化し、記録
状態になる。
【0027】以下に、RAM型光ディスクの再生方法に
ついて説明をする。図2に示すRAM型光ディスクの再
生は、前記ROM型光ディスクの再生と同様にして行わ
れ、回転している光ディスクに再生レーザー光が照射さ
れ、フォーカスサーボとトラッキングサーボがかけられ
て記録マークからの戻り光が検出される。この時再生用
レーザー光のフォトクロミック層での透過率は予め下げ
られており、着色状態にされている。
【0028】(5)ここでまず、フォトクロミック層に
正フォトクロミック化合物を用いた場合について説明す
る。フォトクロミック層に再生レーザー光が入射した時
点では、再生光は遮蔽され、記録層の情報は読み出すこ
とが出来ないが、この直後にフォトクロミック層は再生
光を吸収して加熱され、この熱により消色し、透過率が
上昇する。特に再生光スポットの中心部では温度が高く
なるため、透過率は大きく上昇する。この状態では光ス
ポット中心部の光は反射層まで侵入することが出来、記
録層の情報を読み出すことが可能となる。
【0029】この場合、光スポットの全体ではなく中心
部のみから戻り光が得られるため、隣接するピットから
のクロストークが減少する。即ちフォトクロミック層に
よって再生光の強度の弱い領域が遮蔽され、再生光のス
ポット径が実効的に縮小されることになる。フォトクロ
ミック層に遮蔽機能を持たせるために、再生光スポット
が当たっている領域以外のフォトクロミック層は絶えず
着色状態即ち透過率が低い状態にされている必要があ
り、このためには紫外光がフォトクロミック層に常に照
射される。
【0030】従ってフォトクロミック層では再生光のス
ポットが通過した後は瞬時に透過率が低い状態に戻る。
前記フォトクロミック層に正フォトクロミック化合物を
用いた光ディスクの記録・再生には、ROM型光ディス
クの場合と同様に、図3に示す装置が記録、再生装置と
して使用される。図3に於いて、11Cは、フォトクロ
ミック層として正フォトクロミック化合物を用いたRA
M型光ディスクを示す。
【0031】(6)次にフォトクロミック層に逆フォト
クロミック化合物を用いた場合について説明する。フォ
トクロミック層に逆フォトクロミック物質よりなる薄膜
を設けた光ディスクでは、前記フォトクロミック層に正
フォトクロミック物質よりなる薄膜を設けた光ディスク
と同様にして記録が行われた後、再生が行われる。再生
時には、フォトクロミック層に再生光が入射すると消色
し、透過率が上昇する。特に再生光スポットの中心部で
は光の強度が強いため、再生光スポットの外縁部に比べ
透過率は大きく上昇する。
【0032】この状態では光スポット中心部の光は反射
層まで侵入することが出来、記録層の情報を読み出すこ
とが可能となる。この場合、光スポットの中心部のみか
ら戻り光が得られるため、隣接するピットからのクロス
トークが減少する。つまりフォトクロミック層によって
再生光の強度の弱い領域が遮蔽され、再生光のスポット
径が実効的に縮小されることになる。
【0033】フォトクロミック層は、常に加熱され絶え
ず着色状態即ち透過率が低い状態に維持される。従って
フォトクロミック層は、再生光のスポットが通過した後
瞬時に透過率が低い状態に戻る。前記フォトクロミック
層に逆フォトクロミック材料を用いた光ディスクの記録
・再生には、図4に示す装置が記録、再生装置として使
用される。図4に於いて、11Dは、フォトクロミック
層に逆フォトクロミック材料を用いたRAM型光ディス
クを示す。
【0034】
【発明の効果】本発明の光ディスク及びその再生方法と
再生装置によれば、 1)再生光スポット径を実質的に縮小出来、高密度ディ
スクの再生が可能となる 。2)ROM型、RAM型いずれのディスクにも適用で
きる。 3)従来例に比べディスクの構造が単純で製造し易い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のROM型光ディスクの断面図である。
【図2】本発明のRAM型光ディスクの断面図である。
【図3】正フォトクロミック材料を用いた光ディスクと
ディスク装置の基本構成例を示す図である。
【図4】逆フォトクロミック材料を用いた光ディスクと
ディスク装置の基本構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 …基板 2 …フォトクロミック層 3 …反射膜 4 …保護膜 5 …記録層 11A…フォトクロミック層に正フォトクロミック材料
を用いたROM型光ディスク 11B…フォトクロミック層に逆フォトクロミック材料
を用いたROM型光ディスク 11C…フォトクロミック層に正フォトクロミック材料
を用いたRAM型光ディスク 11D…フォトクロミック層に逆フォトクロミック材料
を用いたRAM型光ディスク 12 …レーザー光光源 13 …紫外光光源 14 …対物レンズ 15 …コリメートレンズ 16 …プリズム 17 …光検知器 18 …加熱装置

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め情報が凹凸状のピットとして形成され
    た透明基板上に少なくも、620nm以上690nm以
    下の光波長近傍に吸収極大を示す正フォトクロミック物
    質または逆フォトクロミック物質よりなる薄膜と、反射
    膜とをこの順に設けた再生専用型光ディスクであって、
    室温または遮光状態では前記正フォトクロミック物質ま
    たは逆フォトクロミック物質の吸光度が飽和していない
    ことを特徴とする再生専用型光ディスク。
  2. 【請求項2】透明基板上に少なくとも、620nm以上
    690nm以下の光波長近傍に吸収極大を示す正フォト
    クロミック物質または逆フォトクロミック物質よりなる
    薄膜と、記録層と、反射膜とを、この順に設けた記録再
    生可能な光ディスクであって、室温または遮光状態では
    前記正フォトクロミック物質または逆フォトクロミック
    物質の吸光度が飽和していないことを特徴とする記録再
    生可能な光ディスク。
  3. 【請求項3】透明基板上に少なくも、フォトクロミック
    物質よりなる薄膜と、反射膜とをこの順に設けた光ディ
    スクの再生方法であって、光照射及び又は加熱によって
    再生光波長に於ける前記薄膜の透過率を低い状態に保ち
    ながら再生光を照射して、再生光のビームスポットの照
    射部分より小さな領域に於いて再生光波長での前記薄膜
    の透過率を高い状態にして再生するようにしたことを特
    徴とする光ディスクの再生方法。
  4. 【請求項4】透明基板上に少なくとも、フォトクロミッ
    ク物質よりなる薄膜と、反射膜とをこの順に設けた光デ
    ィスクの再生装置であって、前記光ディスクに記録され
    ている情報を光学的に再生する光学ヘッドと、光照射及
    び又は加熱により前記薄膜の再生光波長に於ける透過率
    を低い状態に保つ手段とを備え、再生光のビームスポッ
    トの照射部分より小さな領域に於いて再生光波長での前
    記薄膜の透過率を高い状態にして再生するようにしたこ
    とを特徴とする光ディスクの再生装置。
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