JP2827272B2 - 電動格納式ドアミラー - Google Patents

電動格納式ドアミラー

Info

Publication number
JP2827272B2
JP2827272B2 JP1109049A JP10904989A JP2827272B2 JP 2827272 B2 JP2827272 B2 JP 2827272B2 JP 1109049 A JP1109049 A JP 1109049A JP 10904989 A JP10904989 A JP 10904989A JP 2827272 B2 JP2827272 B2 JP 2827272B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mirror housing
ball
mirror
rotation
motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1109049A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02290754A (ja
Inventor
芳彦 石山
憲生 吉田
常治 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ichikoh Industries Ltd
Original Assignee
Ichikoh Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ichikoh Industries Ltd filed Critical Ichikoh Industries Ltd
Priority to JP1109049A priority Critical patent/JP2827272B2/ja
Publication of JPH02290754A publication Critical patent/JPH02290754A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2827272B2 publication Critical patent/JP2827272B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rear-View Mirror Devices That Are Mounted On The Exterior Of The Vehicle (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、電動式可倒型のドアミラーの、支承部の構
造に関するものである。 〔従来の技術〕 ドアミラーは車体側方に突出せしめて設置されるの
で、外部障害物の衝突を受ける虞れ無しとせず、また、
例えば車庫入れ運転操作の場合に邪魔になることが有
る。 こうした不具合を解消するため可倒型のドアミラーが
用いられる。 第6図は公知の可倒型ドアミラーの分解斜視図であ
る。 自動車車体(ドアー部)に固定して使用されるミラー
ベース1に、枢支軸2が固定されている。この枢支軸2
は、使用状態において水平面に対しほぼ垂直となるよう
に設置される。 一方、ミラーハウジング3にミラー本体4が取り付け
られ、このミラーハウジング3にブラケット5が固着さ
れる。 前記枢支軸2の付近の断面図を第7図に示す。ブラケ
ット5に軸受筒5aが一体連設されていて、この軸受筒5a
が枢支軸2に外嵌される。 その外側にコイルスプリング6を外嵌し、座金7によ
って上記コイルスプリング6を圧縮した状態で、止輪8
を枢支軸2の上端部に係着し、コイルスプリング6の反
力を支承する。 ミラーベース1と一体的に結合されている枢支軸2と
(詳しくは枢支軸2の取付フランジ部と)、ミラーハウ
ジング3と(詳しくはミラーハウジング3に固着されて
いるブラケットと)の間の複数個のボール9が介装され
ている。このボール9は枢支軸2に設けられている凹部
2aに嵌合して、ミラーハウジング3の回動を適当な弾性
力で係止する。 以上のようにして、枢支軸2によって軸受筒5aが回動
可能に支承されると共に、該軸受筒5aの回動に対して節
度を与えられる。これにより、ミラーハウジング3がミ
ラーベース1に対して回動可能に支承され、かつ、使用
状態(ドアミラーとしての機能を果たす姿勢・以下、正
常姿勢という)及び格納状態それぞれの回動度位置に節
度が与えられる。 上記の如く、ミラーハウジングを回動可能に支持して
節度を与える技術としては、実開昭62−1053号自動車用
ドアミラー、実開昭62−161054号自動車用ドアミラー、
及び、実開昭62−161055号自動車用ドアミラーが公知で
ある。 前記実開昭62−161053号自動車用ドアミラーは同公報
の第1図に示されているように、ステー2のバイザ取付
面2cと該ステー2に対して回動するバイザ3の枢着部3b
との間に節度機構1を備えてなる自動車用ドアミラーに
おいて、上記バイザ3のステー対向面3eにバイザ3の回
動中心を中心とする環状溝3aを形成するとともに、該溝
3a内に上記バイザ3と一体的に回転する環状節度板4を
回転軸方向に移動自在に嵌合し、かつ上記溝底面と上記
節度板4との間に、上記バイザ3の回動中心を中心とし
かつ上記節度板4をステー側に押圧付勢する皿バネ又は
コイルバネ5を備える一方、上記節度板4のステー対向
面4cまたは上記ステー2のバイザ対向面2cのいずれか一
方の対向面に凹部を形成するとともに、上記他方の対向
面に上記凹部にはめ込まれる突起を形成したものであ
る。これにより、バイザ3と一体連設されたミラーハウ
ジングの回動に節度が与えられる。 また、前記実開昭62−161054号自動車用ドアミラーは
同公報の第1図乃至第4図に示されているように、ステ
ー2の取付面2bと該ステー2に対して回動するバイザ3
の枢着部3aとの間に節度機構1を備えてなる自動車用ド
アミラーにおいて、上記節度機構1は、上記ステー2の
バイザ取付面2bに凹部2c,2fを形成するとともに、該凹
部2c,2fに、長手方向一端が上記凹部2c,2fの長手方向一
端に係止されかつ長手方向他端4cが上記凹部2c,2fの長
手方向他端側内壁面2eに対して自在に移動するととも
に、長手方向中間部に上記バイザ3の枢着部側に突出し
た節度用湾曲部4aを有する板ばね4,7を収納する一方、
上記バイザ3の枢着部3aのステー対向面3eに、上記板ば
ね4,7の湾曲部4aが係合する節度用係合凹部3dを形成し
て構成され、上記バイザ3が上記ステー2のバイザ取付
面2bに対して回動するとき、バイザ3の枢着部3aのステ
ー対向面3eが上記板ばね4、4の湾曲部4aに接触して該
板ばね4,7を大略平板状に変形させて上記バイザ3の枢
着部3aのステー対向面3eがステー2のバイザ取付面2bを
慴動するようにしたものである。これにより、バイザ3
と一体連設されたミラーハウジングがステー2の軸部2a
を中心として回動するとき、その回動に節度が与えられ
る。 また、特開昭62−161055号自動車用ドアミラーは同公
報の第1図乃至第3図に示されたように、ステー2のバ
イザ取付面2bに軸部2aを形成し、該軸部2aの外周にバイ
ザ3の枢着部3aを上記ステー2のバイザ取付面側に押圧
付勢するコイルスプリング7を上記ステー2の軸部2aの
外周にはめ込む一方、ステー2のバイザ取付面2bと該ス
テー2に対して回動するバイザ3の枢着部3aとの間に節
度機構1を備えてなる自動車用ドアミラーにおいて、上
記節度機構1は、上記バイザ3の枢着部3aと上記コイル
スプリング7との間の上記ステー軸部2aに、上記ステー
2のバイザ取付面2bに対して回動不自由にかつ軸部軸芯
方向に移動自在に節度用係合環4をはめ込むとともに上
記バイザ3の枢着部3aの係合環対向面3fと上記係合環4
のバイザ枢着部対向面4cとのいずれか一方の対向面に節
度用係合突起を形成し、他方の対向面に節度用凹部を形
成して構成されたものである。これにより、バイザ3と
一体連設されたミラーハウジングがステー2の軸部2aを
中心として回動するとき、その回動に節度が与えられ
る。 以上に説明した各公知技術のうち、特開昭62−161053
号自動車用ドアミラー、特開昭62−161054号自動車用ド
アミラー、及び特開昭62−161055号自動車用ドアミラー
においては、ミラーハウジングの回動に節度を与える構
成について工夫されている。 第7図に示した従来例においては、ミラーハウジング
3に固定されたブラケット5に半円弧状の溝10を設ける
とともに、枢支軸2のフランジ状取付ブラケット2bに突
起11を設け、上記円弧溝10と慴動自在に嵌合せしめてあ
る。 前記ミラーハウジングブラケット5の軸受筒5aを枢支
軸2から抜き取った状態の底面図を第8図(A)に、同
状態の枢支軸2の斜視図を第8図(B)にそれぞれ示
す。 円弧溝10は軸受筒5aと同心に設けられ、突起11は上記
円弧溝10と慴動自在に嵌合するように構成される。 本従来例の突起11は、枢支軸2と同心の円弧状突条に
形成されている。 ミラーハウジングブラケット5が枢支軸2の回りに回
動して、突起11が円弧溝10の端部10a,10bの何れかに当
接すると回動が係止される。このようにしてミラーハウ
ジングの回動角を制限されている。 以上に説明した構成によってミラーハウジング3の
回動に節度が与えられるが、このミラーハウジングを後
方へ回動させて傾倒させなければならい場合(例えば車
庫入れ運転操作の際)、その都度手でミラーハウジング
を倒したり、側方に突出させてドアミラーとして機能す
る状態(正常姿勢という)に復元させたりすることは運
転者にとって煩わしい。 そこで、前述のようなボールを用いた節度機構を備
え、かつ、モータ駆動により運転席からリモートコント
ロールしてミラーハウジングを正常姿勢から後方に回動
して傾倒させたり、前方に回動させて正常姿勢に戻した
りできる電動格納式のドアミラーが用いられる。 第9図は最新の電動格納式ドアミラーの1例を示す断
面図である。 3はミラーハウジング、1はミラーベースである。 前記ミラーハウジング3に対して、駆動部ハウジング
本体14aが一体的に固着され、駆動部ハウジングカバー
(蓋部材)14bがこれを覆って、密閉された駆動部収納
室Rを形成している。 上記駆動部収納室Rを上下に仕切って、ほぼ水平な隔
壁15が設けられている。 15は枢支軸16を貫通するための軸受孔であり、15bは
歯車軸用の軸受穴である。 上記の枢支軸16は、ミラーベース1に固着されてお
り、該ミラーベース1とミラーハウジング3との間にO
リング17が介装されて水密を保っている。18は、ミラー
ハウジング3の回動に節度を与えるボール・スプリング
である。 隔壁15で仕切られた上部空間には、油を嫌うスイッチ
(回動角検出用)20、及びモータ19などの電装品が収納
されている。 隔壁15で仕切られた下部空間には、潤滑を必要とする
減速歯車群21、及びクラッチ機構23が収納されている。
22は上記減速歯車群の歯車軸で、その上端部を前述の軸
受穴15bに嵌合して支承されている。 21aは初段の元歯車、21bは最終段の受歯車である。 一方、クラッチ機構23は枢支軸16をクラッチ軸に兼用
し、このクラッチ軸のクラッチスプリング23aを外嵌す
るとともに、その上端をプッシュナット23bで押えてい
る。 上記クラッチスプリング23aはクラッチ歯車23dを圧下
している。 このクラッチ歯車23dは前述の受歯車21bに噛合して回
転駆動され、クラッチ元板としての機能を果たす部材で
ある。こおクラッチ歯車23dは、クラッチ受板23eと対向
当接し、前記クラッチスプリング23aによって押しつけ
られている。この双方の部材の間に、ジョークラッチ状
の歯が設けられて噛み合っている。 上記の歯は、モータ19によって発生した回転力を伝動
するが、異常に大きい力を受けると滑って噛合が離れて
緩衝機能を果たす。 前記のモータ19が作動すると、その回転力は減速歯車
群21及びクラッチ歯車23dを介してクラッチ受板23eに伝
えられる。このクラッチ受板23eは静止軸である枢支軸1
6に取り付けられていて回らないので、その反力によっ
てミラーハウジング3が回される。 ミラーハウジング3の回動角は、回動角検出スイッチ
20によって検出され、所定の角位置で自動的に停止せし
められる。24はハーネスである。 〔発明が解決しようとする課題〕 ドアミラーの回動は、以上に説明したように、 イ.外力を受けたとき回動して緩衝機能を果たすこと、
及び、 ロ.狭い所を通過するとき回動させて邪魔にならないよ
うにすること、といった意義が有る。 そして、電動格納式のドアミラーは、モータ駆動によ
ってミラーハウジングを正常姿勢傾動姿勢に操作する
ことが出来る。 そして、この電動格納式ドアミラーには、以上に説明
したような各種形式の節度機構が併用される。 例えば第9図に示した電動格納式ドアミラーにおいて
モータ19の通電を断っておくと、このモータ19は減速歯
車群21及びクラッチ歯車23dを介して枢支軸16に連結さ
れているので、ミラーハウジング3を回動させる外力が
加えられても、クラッチ機構23が滑らない限りモータ19
が被動回転せしめられることは無い。 この点にのみ着目すれば、ミラーハウジング3を正常
姿勢に保持しておくために別段のブレーキ手段を要せ
ず、モータ19を停止させておけば良いことになる。 しかし乍ら、モータ19が停止していても、減速歯車群
21を構成している各歯車の間にバックラッシが有るの
で、ミラーハウジング3の支持状態は回動方向について
ガタが有る。 このため、前述の節度機構の併用が必要となり、この
第9図の例ではボール・スプリング18が設けられ、この
ボールが嵌合する穴が相手部材に設けられる。 ところが、このようにして節度機構を設けるとミラー
ハウジングの正常姿勢が安定する反面、ミラーハウジン
グを正常姿勢から回動させる際、大きい回動駆動力が必
要になる。即ち、節度機構として設けられているボール
を、穴の外へ乗り上げさせるため、モータ19および伝動
系統の容量を大きくしなければならない。 節度機構の係止力は、ボール径,穴深さ、バネ強さ等
を設計的に適宜に選定して任意に設定し得るが、節度機
構の係止力を小さくすると、ミラーハウジングを正常姿
勢に維持することが不安定になり、ミラーの振動によっ
て反射像が動いて見えたりする。 節度機構の係止力を大きくすると、モータや伝動機構
の容量を大きくしなければならない。 モータや伝動系統の容量を大きくすると、装置全体が
大形,大重量,高コストとなり、作動騒音が大きくな
る。 本発明は上述の事情に鑑みて為されたもので、 ミラーハウジングを正常姿勢にガタ無く安定して保持
すること、および円滑に作動せしめることができ、しか
もモータや伝動系統の容量を減少させることの出来る電
動格納式ドアミラーを提供することを目的とする。 〔課題を解決するための手段〕 上記の目的を達成する為に創作した本発明の基本的な
着想は、次の如くである。即ち、ミラーハウジングを正
常姿勢に保持するため、従来技術においては節度機構を
設けてミラーハウジングの回動を正逆いずれの方向にも
係止していたのに対し、 本発明においては一方向の回動のみを節度機構で係止
し、歯車のバックラッシを一方に寄せた状態で電動駆動
手段によって反対方向の回動を止める。 上述の原理に基づく具体的な構成として、本発明の電
動格納式ドアミラーは、 ミラーベースに固定された枢支軸と、ミラーハウジン
グに一体成形された軸受筒とを回動自在に嵌合せしめ、
電動機により減速歯車群を介してミラーハウジングを正
常姿勢と後方傾倒姿勢との間で回動せしめるようにした
電動格納式ドアミラーにおいて、 前記の枢支軸に対して相対的に回動せず、該枢支軸に
対して直交する固定面と、 前記ミラーハウジングに対して固定されて該ミラーハ
ウジングと共に一体的に回動する回動面とが平行に対向
しており、 上記固定面若しくは回動面の何れか一方に設けられた
半球状の凹部にボールが嵌合されるとともに、 前記固定面若しくは回動面の何れか他方には、ミラー
ハウジングが電動機によって往復回動せしめられる角度
範囲の両端それぞれに対応するように位置せしめて、前
記のボールを当接せしめる段差が設けられており、 かつ、前記ミラーハウジングの回動角を検知して電動
機の通電を制御する手段が設けられていて、ミラーハウ
ジングの回動に伴ってボールが段差に接近したとき、該
段差の手前の所定の位置に到達したことを検知して電動
機の通電を断つようになっており、 上記の電動機は、通電を断たれた後に慣性で回転し、
減速歯車群を介してミラーハウジングを回動させて前記
ボールを段差に当接せしめ、 上記のボールが段差に当接してミラーハウジングの回
動が停止せしめられた後、電動機の慣性回転力が減速歯
車群を介してボールを段差に向けて押しつけ、該減速歯
車群のバックラッシュに因るガタが生じないようになっ
ていることを特徴とする。 〔作用〕 上記の構成によれば、 (i)ドアミラーがモータによって正常姿勢から後方へ
回動せしめられる際、ボールは前記枢支軸に対して直交
する転動面の上を転動し、穴に落ち込んだり、穴の外へ
乗り上げたりしない。このため、モータおよび伝動系の
容量が小さくて足りるので、装置全体が小型,軽量,低
コストになり、これに伴って作動騒音も低下する。 (ii)ドアミラーが正常姿勢のとき、ミラーハウジング
が前方に回動する方向については、ボールが段差に当た
って係止されている。 また、ドアミラーが正常姿勢から後方に回動する方向
については、電動駆動系の減速歯車群のバックラッシが
片方に寄せられてガタを生じないような螺合状態を保っ
たまま、該ドアミラーの後方回動が係止される。
【実施例】
第1図は本発明に係る電動格納式ドアミラーの一実施
例を示す分解斜視図である。 16は枢支軸であり、16aはそのフランジ部であって、
該フランジ部の上面は枢支軸の軸部に16bに対して垂直
であり、かつ該軸部16bに対して相対的に固定された固
定面を形成している。 3はミラーハウジングで、そのブラケット5の底面は
前記の固定面に対向する回動面を形成している。 23はクラッチ機構であって、このクラッチ機構23を構
成している各部材(23a〜23e)は第9図について説明し
た先行技術に係るクラッチ機構23におけると同様乃至は
類似の構成部材である。 31はボールで、ブラケット5の下面(回動面)に設け
られた半球状の凹部(図において隠れている)に嵌め込
まれ、フランジ部16aの上面(枢支軸16に対して直交す
る固定面)に設けられた円弧状の溝16c-1,16c-2に浅く
嵌合している。このフランジ部16a付近のII矢視平面図
を第2図に示す。 円弧31kは、ミラーハウジング3が回動したときの、
該ミラーハウジング3のブラケット5に嵌め込まれたボ
ール31の軌跡を示す。 上記の軌跡円弧31kに沿って、1対の円弧状溝16c-1
16c-2が設けられている。 上記の軌跡円弧31kに沿ったIII−III矢視展開断面を
第3図に示す。 第3図において31aは、ミラーハウジング3が正常姿
勢のときのボール31の位置を示し、31bは後方傾倒時の
ボール位置を示す。 前記円弧状溝16c-2の底面の断面形状は、上記2カ所
のボール31aと31bとの下方に接する共通接線をなしてい
て、この底面は枢支軸16(図1参照)に対して直交して
いる。 31cは、ミラーハウジング3が前方傾倒時のボール位
置である。 本第3図に示したように、正常姿勢から後方への傾倒
角はθ、前方への傾倒角はφである。 正常姿勢の時のボール位置31aから前方傾倒時のボー
ル位置31cに移動する側に、ボール31aに接して段差(本
例においては円弧状溝16c-2の端部の切り上がり部)16d
が設けられている。このため、ボールが31a位置(正常
姿勢)から31c位置(前方傾倒姿勢)に移ろうとする
と、その最初に矢印aのように段差16dに乗り上げなけ
ればならない。 本発明においてボールが段差に乗り上げるとは、ボー
ルがスプリングの付勢力に抗して段差を通過することを
言い、地球を基準としての上下方向とは関係が無い。 モータを作動させてミラーハウジング3を後方に回動
させると、ボールは31aの位置から矢印bの如く31b位置
に向かって転動する。この転動は前記枢軸に対して直交
する転動面上を転動するものであるから、大きい駆動力
を必要としない。 第9図に示した回動角検出スイッチ20によってミラー
ハウジング3の回動角を検知し、ボールが予め設定され
た所定の位置31eに達したときモータの通電を断つ。 すると、回転部材の慣性によって角Cだけ回動が継続
され、31b位置で溝端に当たって停止し、後方傾倒姿勢
が保たれる。 この場合、電動駆動系の歯車は、ミラーハウジングの
回動抵抗に打ち勝って角Cだけミラーハウジングを押し
動かしているので、歯車のバックラッシが片側に寄せら
れてガタを生じないような噛合状態を保っている。 このため、31bに位置するボールは、反矢印b方向の
動きを電動駆動系統により、バックラッシに因るガタの
無い状態で阻止され、ボール31b位置に保持され、この
ボールを嵌合支持しているミラーハウジング3は後方傾
倒姿勢に保持され、ガタつかない。 後方傾倒姿勢のミラーハウジング(このとき、ボール
31bにある)を電動駆動して正常姿勢(ボール位置31a)
に回動させるとき、ボールは31b位置から矢印d方向
に、前記枢支軸に対して直交する転動面の上を転動す
る。 ボールが図示の位置31aよりも角Cだけ手前の所定の
位置31dに達したときモータの通電を断ち、回転部材の
慣性により31aまで進ませ、高さHの段差16dに突き当て
て停止させる。 この状態のボール31aは、段差16dによって矢印d方向
の移動を係止されるとともに、電動駆動系統によってバ
ックラッシに因るガタの無い状態で反矢印d方向の移動
を阻止される。 以上のようにして、ボールは角θ範囲内で前記枢支軸
に対して直交する転動面上を往復移動するが、この角θ
範囲内ではボールの乗り上げなど、その動きを阻止する
別段の力が働かないので、駆動の所要力が小さく、モー
タや減速歯車群などの駆動機構構成部材が小容量で足
り、小型,軽量,安価に構成され、作動騒音が低い。 しかも、ミラーハウジング3の正常姿勢(ボール位置
31a)が確実に保持されてガタつかない。ガタつかない
ため、ミラーの反射像が揺れ動いたりなどせず視認性が
良い。 ミラーハウジング3を前方に回動させる方向の外力が
働くと、ボール31aは矢印aの如く段差16dを乗り上げ、
31c位置まで、枢支軸と直交する面の上を転動する。こ
れに伴ってミラーハウジングは正常姿勢から前方へ角φ
だけ回動して前方傾倒姿勢となり、外力の衝撃が緩和さ
れる。 本発明を実施する際、前記の段差16dの高さ寸法は、
電動駆動力によってはボール31aを矢印aの如く乗り上
げさせ得ない程度に設定することが望ましい。この寸法
Hは、ボール径、モータ出力、減速比、及びボールを付
勢しているバネの強さ等によって変化するが、設計計算
により若しくは実験的に設定することに別段の困難は無
い。 従来技術における節動手段は、電動駆動力によって通
過せしめ得る範囲内の節動力しか与え得なかったが、本
実施例においては電動駆動力によって乗り上げ得ない段
差16dを設けるので、従来例に比してミラーハウジング
の正常姿勢保持力が格段に向上する。 以上に説明した実施例では、回動面(ミラーハウジン
グ側)にボールを嵌めこみ、固定面(枢支軸側、即ち、
ミラーベース側)に転動面を設けたが、これらを反対に
配設して、固定面にボールを嵌め込むとともに回動面に
転動面を設けても同様の作用,効果が得られる。 第4図は前記と異なる実施例を示す。 前掲の第3図の実施例においては、段差16dを形成す
るため、角θの範囲を固定面よりも低くして溝を設けた
が、上記の段差16dと同様の機能を果たす段差を形成す
るには、前記の角θの範囲を低くして溝状とする代り
に、角φの範囲を高くして突条状としても良い。本実施
例(第4図)は、こうした考えに基づいて、枢支軸16に
直交する頂面を有する円弧状の突条16f-1,16f-2を設け
た。 この突条をミラーハウジング側に設けることも考えら
れる。この場合、ボールはミラーベース側の固定面に嵌
め込んで保持する。 第3図について説明した段差16dの高さ寸法Hは、電
動駆動で乗り上げ得ないように設定するので、従来例に
おける節度機構のボール嵌合穴(例えば第8図の2a)の
深さ寸法よりも大きくなる。 このため、ボールが段差16dを落下方向に通過する際
の作動音が大きい。この作動音を生じる機会(前方傾倒
したミラーハウジングを正常姿勢に戻す場合)は頻度が
少ないので、あまり不具合を感じないが、第5図に示す
ように段差16dに近接せしめて、下段の面に揃えてラバ
ー片16rを埋設しておくと減音効果が得られる。 なお、第5図に示したように段差16dの上方の縁16d-1
にアール(若しくは面取り)を付しておくと、応力集中
が防止されるので耐久性の面から望ましい。 〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明の電動格納式ドアミラー
によれば、 モータ,減速歯車などの駆動系統構成部材が小容量で
足りるので、装置全体が小型,軽量となり、 これに伴って製造コストが低減され、 作動音が低減され、 電動駆動系統の減速歯車群のバックラッシによるガタ
を生じることなく、ミラーハウジングを正常姿勢に保持
することができ、耐振性,耐衝撃性に優れているので、
走行時にミラーが振動したり、ドアを閉めたときにミラ
ーハウジングが動いたりする虞れが無い。 その上、ミラーハウジングの回動に節度を与えるボー
ルの転動面が、回動中心軸である枢支軸に対して直交し
ているので、該ミラーハウジングの回動が円滑,かつ安
定である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る電動格納式ドアミラーの一実施例
におけるミラーハウジング支承部材の分解斜視図、第2
図はそのII矢視図である。 第3図は上図におけるIII−III矢視展開図である。 第4図および第5図はそれぞれ上記と異なる実施例の説
明図である。 第6図乃至第9図はドアミラーに関する先行技術の説明
図である。 3…ミラーハウジング、5…ブラケット、16…枢支軸、
16a…フランジ部、16b…軸部、16c-1,16c-2…円弧状
溝、16d…段差、31…ボール、31a〜31e…ボールの位
置、31k…ボールの転動軌跡。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60R 1/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ミラーベースに固定された枢支軸とミラー
    ハウジングに一体成形された軸受筒とを回動自在に嵌合
    せしめ、電動機により減速歯車群を介してミラーハウジ
    ングを正常姿勢と後方傾倒姿勢との間で回動せしめるよ
    うにした電動格納式ドアミラーにおいて、 前記の枢支軸に対して相対的に回動せず、該枢支軸に対
    して直交する固定面と、 前記ミラーハウジングに対して固定されて該ミラーハウ
    ジングと共に一体的に回動する回動面とが平行に対向し
    ており、 上記固定面若しくは回動面の何れか一方に設けられた半
    球状の凹部にボールが嵌合されるとともに、 前記固定面若しくは回動面の何れか他方には、ミラーハ
    ウジングが電動機によって往復回動せしめられる角度範
    囲の両端それぞれに対応するように位置せしめて、前記
    のボールを当接せしめる段差が設けられており、 かつ、前記ミラーハウジングの回動角を検知して電動機
    の通電を制御する手段が設けられていて、ミラーハウジ
    ングの回動に伴ってボールが段差に接近したとき、該段
    差の手前の所定の位置に到達したことを検知して電動機
    の通電を断つようになっており、 上記の電動機は、通電を断たれた後に慣性で回転し、減
    速歯車群を介してミラーハウジングを回動させて前記ボ
    ールを段差に当接せしめ、 上記のボールが段差に当接してミラーハウジングの回動
    が停止せしめられた後、電動機の慣性回転力が減速歯車
    群を介してボールを段差に向けて押しつけ、該減速歯車
    群のバックラッシに因るガタが生じないようになってい
    ることを特徴とする電動格納式ドアミラー。
JP1109049A 1989-05-01 1989-05-01 電動格納式ドアミラー Expired - Fee Related JP2827272B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1109049A JP2827272B2 (ja) 1989-05-01 1989-05-01 電動格納式ドアミラー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1109049A JP2827272B2 (ja) 1989-05-01 1989-05-01 電動格納式ドアミラー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02290754A JPH02290754A (ja) 1990-11-30
JP2827272B2 true JP2827272B2 (ja) 1998-11-25

Family

ID=14500310

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1109049A Expired - Fee Related JP2827272B2 (ja) 1989-05-01 1989-05-01 電動格納式ドアミラー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2827272B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2593794Y2 (ja) * 1993-03-24 1999-04-12 株式会社村上開明堂 電動格納式ドアミラー
KR100198321B1 (ko) * 1995-09-22 1999-06-15 모치마루 마모루 차량용 후시경의 위치결정장치
NL1003144C2 (nl) * 1996-05-15 1997-11-18 Iku Holding Montfoort Bv Elektrisch bedienbare scharnieractuator, en buitenspiegel met elektrisch bedienbaar scharniermechanisme.
NL1018687C2 (nl) * 2001-08-02 2003-02-04 Iku Holding Montfoort Bv Scharnierconstructie en scharnieractuator, in het bijzonder voor een buitenspiegel van een motorvoertuig.
JP2013063781A (ja) * 2013-01-16 2013-04-11 Ichikoh Ind Ltd 車両用アウトサイドミラー装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6422646A (en) * 1987-07-20 1989-01-25 Murakami Kaimeido Kk Containable motor mirror

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02290754A (ja) 1990-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0169245B1 (en) Remote-controlled side mirror apparatus for automobile
EP0255150B1 (en) Outside rear view mirror
US4988068A (en) Remote control mechanism
JP2827272B2 (ja) 電動格納式ドアミラー
CA1063850A (en) Adjustable motor car mirror, and safety housing for mounting such a mirror
JPH0636442U (ja) 迅速ロック装置
JPH10129349A (ja) 電動格納型ドアミラー
JPH0636987U (ja) 自動車用ドアミラーの節度機構
JPH0542262Y2 (ja)
JP2564170Y2 (ja) 車両用電動格納式アウトサイドミラー
JP2524005Y2 (ja) 可倒式車両用ミラー
JPH0366174B2 (ja)
JPH0417393Y2 (ja)
JP2547375Y2 (ja) 可倒式車両用ミラー
JP2564827Y2 (ja) 電動格納式ドアミラーの自動ブレーキ装置
JPS6326986Y2 (ja)
JPS60131344A (ja) ドアミラ−
JPH0426272Y2 (ja)
JPH0218762Y2 (ja)
JPH0417391Y2 (ja)
JPH0512112Y2 (ja)
JPH0248269Y2 (ja)
JPH07291033A (ja) 自動車用ドアミラー
JPH0723307Y2 (ja) 電動可倒式ドアミラー
JPH0118434Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees