JP2826053B2 - 圧延反り予測・制御装置 - Google Patents

圧延反り予測・制御装置

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JP2826053B2
JP2826053B2 JP5313766A JP31376693A JP2826053B2 JP 2826053 B2 JP2826053 B2 JP 2826053B2 JP 5313766 A JP5313766 A JP 5313766A JP 31376693 A JP31376693 A JP 31376693A JP 2826053 B2 JP2826053 B2 JP 2826053B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも2本のロー
ルを用いて、板材の厚さを圧減する圧延加工において、
圧延後の圧延材先端に生じる圧延反りを予測・制御する
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】板圧延材の先端に生じる圧延反りは、圧
延板の平坦度不良の一つであるが、圧延後の矯正が非常
に困難である上、板厚の大きい領域での圧延反りは、圧
延設備を破壊したり、通板トラブルを引き起こすことも
あるため、従来、圧延操業における重大問題としてその
防止技術に関する研究開発がなされてきた。
【0003】その結果、温度偏差等に起因する圧延材の
変形抵抗の上下差、摩擦係数の上下差、ロール周速の上
下差、入側テーブルと圧延機の下作業ロール上端との高
低差すなわちピックアップ量等が圧延反りにおよぼす影
響が明確になりつつあり、定常的および継続的に生じる
反りに対しては、温度偏差、ピックアップ量または圧延
材入射角、上下ロール周速差等の制御によって反りを防
止する技術が既に知られている。
【0004】例えば、特願平3−198838には圧延
材温度の上下差を水冷によって制御し、さらに異周速圧
延方法やピックアップ制御方法によって反りを制御する
方法、特願平1−164210には圧延材入射角を可変
にすることによって反りを低減する方法、特願昭61−
280140には、検出された反り量に応じてピックア
ップ量等を制御する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような反り制御
の従来法は、何れも圧延材の反りを検出し、それ以降の
圧延パスにおいても反りの傾向は継続することを前提と
して、次パス以降の反り制御を実施する方法であるが、
圧延反りは、このような定常的かつ継続的なものばかり
ではなく、むしろ、あるときある圧延パスで突然発生す
る場合が多く、従来の反り制御法を適用してもなお、反
りに起因する圧延トラブルや圧延形状不良の問題は根強
く残っているのが現状である。
【0006】本発明の目的は、多パスのリバース圧延に
おいて、前パスの圧延時の圧延情報に基づいて、反りの
発生要因となる圧延材の変形抵抗の上下面差と摩擦係数
の上下面差を分析し、次パス以降に発生する圧延反りの
方向および程度を予測し、これを防止あるいは軽減する
ことができる圧延反り予測・制御装置を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の要旨は、
板材をリバース圧延作業で複数回圧延して所定の板厚に
加工する少なくとも上下2本のロールと、該上下ロール
のロール周速度をそれぞれ独立に制御可能な手段を有す
る板圧延機において、前記圧延機の上下少なくともどち
らか一方のロール側に負荷される圧延荷重を測定する圧
延荷重測定装置と、上下ロールに負荷される圧延トルク
を上下ロールそれぞれ独立に測定する圧延トルク測定装
置および上下ロールの周速度をそれぞれ独立に測定する
ロール周速度測定装置とを有し、前記圧延機で板材を圧
延する複数回の圧延パスのうちの任意の圧延パスをデー
タ分析圧延パスとして、このデータ分析圧延パスにおけ
る前記圧延荷重測定装置、圧延トルク測定装置、ロール
周速度測定装置の測定データに基づいて、少なくとも圧
延材の変形抵抗の上面側と下面側の差と、摩擦係数の上
面側と下面側の差とを算出する圧延分析演算装置と、前
記データ分析圧延パス以降の任意の圧延パスを反り制御
圧延パスとし、前記圧延分析演算装置の演算結果と、前
記反り制御圧延パスの設定計算条件とに基づいて、前記
反り制御圧延パスにおいて発生すると推定される該圧延
材先端の反り曲率、または圧延材出側速度の上下面差を
算出予測し、前記圧延反りを防止するための上下ロール
周速度の差の設定変更制御量を算出する反り予測・制御
演算装置と、前記上下ロール周速度差の設定変更制御量
に基づいてロール周速度を設定制御する制御装置とから
構成される圧延反り予測・制御装置である。
【0008】また、本発明の第二の要旨は、板材をリバ
ース圧延作業で複数回圧延して所定の板厚に加工する少
なくとも上下2本のロールと、下側圧延ロール上端とテ
ーブルローラー上端との高低差すなわちピックアップ量
をロールギャップとは独立に設定可能な手段を有する板
圧延機において、前記圧延機の上下少なくともどちらか
一方のロール側に負荷される圧延荷重を測定する圧延荷
重測定装置と、上下ロールに負荷される圧延トルクを上
下ロールそれぞれ独立に測定する圧延トルク測定装置を
有し、前記圧延機で板材を圧延する複数回の圧延パスの
うちの任意の圧延パスをデータ分析圧延パスとして、こ
のデータ分析圧延パスにおける前記圧延荷重測定装置、
圧延トルク測定装置の測定データに基づいて、少なくと
も圧延材の変形抵抗の上面側と下面側の差と、摩擦係数
の上面側と下面側の差とを算出する圧延分析演算装置
と、前記データ分析圧延パス以降の任意の圧延パスを反
り制御圧延パスとし、前記圧延分析演算装置の演算結果
と、前記反り制御圧延パスの設定計算条件とに基づい
て、前記反り制御圧延パスにおいて発生すると推定され
る圧延材先端の反り曲率、または圧延材出側速度の上下
面差を算出予測し、該圧延反りを防止するためのピック
アップ量の設定変更制御量を算出する反り予測・制御演
算装置と、前記ピックアップ量設定変更制御量に基づい
てピックアップ量の設定変更を実行する制御装置とから
構成される圧延反り予測・制御装置にある。
【0009】ここで、ロール周速度とは、ロール回転に
よるロール表面速度であり、単位時間あたりのロール回
転数にロール胴部の外周長を乗ずることによって求めら
れる。一般に、ロール胴部の外周長はロール直径から既
知であるので、ロール周速度の測定および制御は、単位
時間あたりのロール回転数の測定および制御と実質的に
等価である。
【0010】
【作用】上述したように圧延反り制御の従来法が定常的
かつ継続的な反りに限定される最大の原因は、圧延の各
パス毎に反りの方向および大きさを正確に予測する手段
がないことにある。
【0011】このような問題点を解決するため、本発明
では、リバース圧延作業を対象として、前パスの圧延デ
ータを分析することによって、少なくとも圧延材の変形
抵抗の上面側と下面側の差と、摩擦係数の上面側と下面
側の差を算出し、次パス以降の圧延反りの方向と大きさ
を正確に推定し、これを防止するためのロール周速度の
上下差の設定変更量あるいはピックアップ量の設定変更
量を演算して制御する圧延反り予測・制御装置を提供し
ている。なお、以下の説明では、圧延材の変形抵抗およ
び摩擦係数の上下面差を分析するためのデータ源となる
圧延荷重、圧延トルク等の測定対象となる任意の圧延パ
スをデータ分析圧延パスと称し、データ分析圧延パス以
降で反り予測・制御の対象となる圧延パスを反り制御圧
延パスと称することにする。
【0012】ロールバイト内の力学的現象として圧延材
の変形を考えることとし、上下非対称性を考慮するた
め、上下別個の圧延条件に基づく圧延が成立していると
仮定して解析するものとする。この場合、ロールバイト
出側における圧延反りの要因となり得る力学的および幾
何学的パラメータには以下のものが挙げられる。
【0013】変形抵抗の板厚方向平均値km および上
下差kdf 摩擦係数の上下平均値μm および上下差μdf 入側張力の上下平均値σm および上下差σdf 圧下量の平均値Δhm および上下差Δhdf 上ロールの周速度VT および下ロールの周速度VB
【0014】ここで、下添字dfで表記している上下差
は、上下差の1/2を表すものとして定義しており、下
添字T,Bで表現される上ロール側および下ロール側の
各力学パラメータおよび幾何学パラメータは、それぞれ
次式のように表現される。 kT =km +kdfB =km −kdf (1) μT =μm +μdf μB =μm −μdf (2) σT =σm +σdf σB =σm −σdf (3) ΔhT =Δhm +Δhdf ΔhB =Δhm −Δhdf (4)
【0015】圧延材の入射角あるいはピックアップ量
は、反りに大きな影響を与えることはよく知られている
が、これらのパラメータは、ロールバイト入口において
圧延材が受けるせん断歪の上下差の発生原因となり、こ
れが加工硬化特性を通じて変形抵抗に上下差を生じる要
因となったり、テーブルローラからの反力あるいは自重
によってロールバイト入口で圧延材に作用する曲げモー
メントを通じて後方張力の上下差として作用したりし、
その結果、圧下量の上下差の発生要因となったりする。
このように、圧延材の入射角あるいはピックアップ量の
効果は、ロールバイト近傍の力学パラメータとしては、
上記のkdf,σdf,Δhdfで表現されるものと考えるこ
とができ、ロールバイト近傍の圧延材の変形を力学的に
解析するとき、上記〜が独立なパラメータとなる。
【0016】なお、本発明は圧延材の先端反りを対象と
しており、出側張力は常に零と見なすことができるため
上記独立変数からは除外している。ただし、反り制御圧
延パスがデータ分析圧延パスの直後の圧延パスとなると
きは、反り制御圧延パスでは当然圧延材先端を考慮の対
象とするので、データ分析圧延パスでは圧延材後端の圧
延データを解析対象としなければならない。この場合
は、の入側張力の代わりに出側張力が独立変数とな
り、入側張力はほぼ零と見なすことができる。したがっ
て、以下の説明では、圧延材先端、すなわち入側張力を
未知パラメータとする場合を対象とするが、圧延材後端
を考慮の対象とする場合、すなわち出側張力が未知パラ
メータとなる場合は、σm ,σdfを出側張力に読み換え
るだけで以下の議論は同様に適用できる。
【0017】上記〜のパラメータの中で、直接的に
測定できるのはのうちの平均圧下量Δhm と、のV
T ,VB である。平均圧下量Δhm を測定するには、圧
延機の入側板厚および出側板厚を測定すればよく、ロー
ル周速度VT ,VB はロール回転速度を直接測定するこ
とによって測定できる。なお、Δhm の測定には圧延荷
重測定からゲージメータ式を用いて入側板厚・出側板厚
を演算してもよいが、上下独立駆動方式の圧延機の場
合、上下ロール周速度VT ,VB は、それぞれ独立に測
定することが好ましく、さらに、本発明の第一の発明の
ように上下ロール周速度差によって反り制御を実施する
場合には、精度の高い測定が要求されるので、上下ロー
ル周速度をそれぞれ独立に測定する装置を装備すること
を必須要件としている。
【0018】これらに対して、残りのパラメータkm
df,μm ,μdf,σm ,σdf,Δhdfは直接的に測定
することは本質的に困難なパラメータである。本発明の
圧延反り予測・制御装置は、これらの力学的パラメータ
をデータ分析圧延パスの圧延データより同定して、その
同定結果に基づいて反り制御圧延パスにおける圧延材先
端反りを予測し、これを防止するための上下ロール周速
度差の設定変更量あるいはピックアップ量の設定変更量
を演算し、これに基づいて反り制御するものである。
【0019】ところで、上ロール側、下ロール側をそれ
ぞれ独立した圧延現象として解析する場合、圧延荷重計
算や圧延トルク計算のため、上ロール側の入側板厚
T 、出側板厚hT 、下ロール側の入側板厚HB 、出側
板厚hB が必要となる。これらを、出側板厚hとΔ
m ,Δhdfから求める方法には、例えば、出側板厚を
上下半分に分割して入側板厚は出側板厚の中心線を水平
に延長して案分する方法、あるいは出側板厚は上下の接
触弧長比に基づいて決める方法等、種々の方法が考えら
れるが、何れにしてもHT ,hT ,HB ,hB は、既知
量であるhとΔhm を表記外とした場合、未知量Δhdf
の関数として一義的に与えられる。すなわち次式が得ら
れる。
【0020】
【数1】
【0021】単スタンド圧延の場合、入側の全張力は零
にならなければならず、また、タンデム圧延の場合で
も、圧延材先端を咬み込んだ瞬間の全張力はほぼ零であ
るから、入側の全張力が零という次の関係式が成立しな
ければならない。HT σT +HB σB =0上式に式
(3)を代入して整理すると次式を得る。
【数2】
【数3】 式(10)を用いることにより、未知数σm は直ちに消
去することができる。
【0022】さて、残りの未知パラメータはkm
df,μm ,μdf,σdf,Δhdfであるが、このうちk
m ,μm は上下平均値であり上下非対称現象である圧延
反りに対して本質的な影響は少なく、上ロール側と下ロ
ール側の差異を表す4個のパラメータkdf,μdf
σdf,Δhdfがより本質的なパラメータである。さらに
これら4個のパラメータの中でも、反りの発生原因とし
て重要なパラメータは、変形抵抗の上下差kdfと摩擦係
数の上下差μdfであり、後方張力の上下差σdfと圧下量
の上下差Δhdfは、kdf,μdfが原因となって、力学的
なバランスをとるために発生する上下差で、むしろ結果
的に発生するものである。したがって、圧延反りを予測
するには、kdf,μdfを同定することが必須要件とな
る。さらに、本願発明のようにリバース圧延を考慮の対
象とするとき、変形抵抗の上下差kdfは圧延材の温度も
含めた均質性に依存しているため、次パス以降にもその
傾向は継続される性質のものであり、また、摩擦係数の
上下差μdfも作業ロールの表面性状および圧延材の温度
を含めた表面近傍の性質に支配されるため、次パス以降
に一定の傾向が継続される性質を有している。したがっ
て、これらのパラメータをデータ分析圧延パスの圧延デ
ータより分析し、データ分析圧延パス以降の反り制御圧
延パスの圧延反り予測に利用することによって正確な反
り予測・制御が可能になる。
【0023】図1には、本発明の第一の発明の圧延反り
予測・制御装置の構成と、その作用を示している。ま
ず、圧延荷重測定装置、上下圧延トルク測定装置、上下
ロール周速度測定装置を有し、上下ロール周速度をそれ
ぞれ独立に制御可能な板圧延機で、データ分析圧延パス
の圧延荷重、上下圧延トルク、上下ロール周速度のデー
タを採取する。
【0024】次に、圧延分析演算装置において、上記圧
延データを分析し、少なくとも圧延材の変形抵抗の上下
面差kdfと、摩擦係数の上下面差μdfを算出する。この
方法には、例えば、圧延機の設定計算に用いる圧延モデ
ル式をプロセスコンピュータ内で連立して解いてkdf
μdfを計算する方法や、昭和61年度日本塑性加工学会
春季講演会論文集第235頁〜第238頁の山田らの論
文「剛塑性有限要素法による非対称圧延の解析」に開示
されているようなオフラインの解析モデルを用いて種々
の場合の計算を予め実行しておき、圧延荷重、上下圧延
トルク、上下ロール周速度と圧延材変形抵抗の上下面差
と摩擦係数の上下面差の関係を線形近似して影響係数マ
トリクスとして算出しプロセスコンピュータ内に記憶し
ておき、この影響係数マトリクスを用いてプロセスコン
ピュータ内でkdfとμdfを計算する方法等を採用するこ
とが可能である。
【0025】さらに、反り予測・制御演算装置において
圧延分析演算装置によるkdfとμdfの演算結果と、デー
タ分析圧延パス以降の反り制御圧延パスに対する設定計
算条件とに基づいて、前記反り制御圧延パスで発生する
と推定される圧延材の反り曲率κ、または圧延材出側速
度の上下面差Wを算出予測し、該圧延反りを防止するた
めの上下ロール周速度の差の設定変更制御量δVdfを算
出する。この方法にも、圧延機の設定計算に用いる圧延
モデル式をプロセスコンピュータ内で連立して解いて演
算する方法や、オフラインの解析モデルを用いて予め影
響係数マトリクスを算出しておき、これを利用してプロ
セスコンピュータ内で演算する方法等を採用することが
可能である。
【0026】最後に、ロール周速度制御装置によって、
上記演算された上下ロール周速度差の設定変更制御量δ
dfに基づいて該板圧延機の上下ロール周速度を制御す
ることによって、圧延反りの発生を防止することが可能
となる。
【0027】なお、上下ロールの周速度をそれぞれ独立
に制御可能な手段としては、リバース圧延機等で周知の
ツインドライブ方式等を採用することができる。
【0028】図2には、本発明の第二の発明の圧延反り
予測・制御装置の構成と、その作用を示している。ま
ず、圧延荷重測定装置、上下圧延トルク測定装置を有
し、ピックアップ量をロールギャップと独立に設定可能
とする手段を有する板圧延機で、データ分析圧延パスの
圧延荷重、上下圧延トルクのデータを採取する。このと
き、上下ロール周速度をそれぞれ独立に制御可能な板圧
延機の場合は、上下ロール周速度をそれぞれ独立に測定
する装置を備え、上下ロール周速度差のデータを採取す
ることが好ましい。ただし、本発明の第二の発明は、上
下ロールの駆動軸がピニオンギアによって機械的に結合
しており上下ロール回転速度が常に等しくなる構造の板
圧延機にも適用することが可能であり、この場合は、ロ
ール周速度差を測定する必要はない。
【0029】次に、圧延分析演算装置において、上記圧
延データを分析し、少なくとも圧延材の変形抵抗の上下
面差kdfと、摩擦係数の上下面差μdfを算出する。この
方法には、例えば、圧延機の設定計算に用いる圧延モデ
ル式をプロセスコンピュータ内で連立して解いてkdf
μdfを計算する方法や、昭和61年度日本塑性加工学会
春季講演会論文集第235頁〜第238頁の山田らの論
文「剛塑性有限要素法による非対称圧延の解析」に開示
されているようなオフラインの解析モデルを用いて種々
の場合の計算を予め実行しておき、圧延荷重、上下圧延
トルク、上下ロール周速度と圧延材変形抵抗の上下面差
と摩擦係数の上下面差の関係を線形近似して影響係数マ
トリクスとして算出しプロセスコンピュータ内に記憶し
ておき、この影響係数マトリクスを用いてプロセスコン
ピュータ内でkdfとμdfを計算する方法等を採用するこ
とが可能である。
【0030】さらに、反り予測・制御演算装置において
圧延分析演算装置によるkdfとμdfの演算結果と、デー
タ分析圧延パス以降の反り制御圧延パスに対する設定計
算条件とに基づいて、前記反り制御圧延パスで発生する
と推定される該圧延材の反り曲率κ、または圧延材出側
速度の上下面差Wを算出予測し、該圧延反りを防止する
ためのピックアップ量の設定変更制御量Δyを算出す
る。この方法にも、圧延機の設定計算に用いる圧延モデ
ル式をプロセスコンピュータ内で連立して解いて演算す
る方法や、オフラインの解析モデルを用いて予め影響係
数マトリクスを算出しておき、これを利用してプロセス
コンピュータ内で演算する方法等を採用することが可能
である。
【0031】最後に、ピックアップ量設定制御装置によ
って、上記演算されたピックアップ量設定変更制御量Δ
yに基づいてピックアップ量の設定変更を実行すること
によって、圧延反りの発生を防止することが可能とな
る。
【0032】なお、ピックアップ量をロールギャップと
は独立に設定可能とする手段としては、上下ロール系の
各々圧下装置を設ける方法があり、例えば上,下ロール
系の各々に周知の油圧または電動圧下装置を設けて、
上,下ロール系を独立に圧下制御すればよい。
【0033】以上では、圧延荷重、圧延トルク等の圧延
データの分析によって、圧延材の変形抵抗の上下面差と
摩擦係数の上下面差を算出する方法を説明したが、圧延
機近傍に圧延材の上下面温度測定装置を配備し、これに
よる上下面温度測定結果より、圧延材の変形抵抗の上下
面差kdfを変形抵抗式より求め、未知数を減らし、その
他の圧延データより、少なくとも摩擦係数の上下面差μ
dfを求め、反り制御圧延パスの反りを予測・制御する方
法も、反り予測・制御の演算時間を短縮し精度を上げる
点で好ましい方法である。
【0034】また、反り制御圧延パスはデータ分析圧延
パスの直後の圧延パスであることが好ましいが、圧延分
析演算装置および反り予測・制御演算装置における演算
時間が長く次パスの制御に間に合わない場合は、データ
分析圧延パスの次々パスを反り制御圧延パスとしても差
し支えない。
【0035】さらに、同一圧延材に対する分析・制御の
みならず、次の圧延材の最初の圧延パスの反り制御を、
前材の圧延実績から分析した変形抵抗の上下差および摩
擦係数の上下差を参照して実施するのも本発明の好まし
い応用例である。
【0036】
【実施例】
実施例1 圧延荷重測定装置、上下ロール圧延トルク測定装置、上
下ロール周速度測定装置を有し、上下ロール周速度をそ
れぞれ独立に制御可能な、例えばツインドライブ式の、
板圧延機を用いて板材のリバース圧延を実施する場合の
好ましい実施例を説明する。まず、圧延の1パス目をデ
ータ分析圧延パスとして、1パス目で圧延材後端近傍を
圧延中の圧延荷重測定値P、圧延トルク測定値GT ,G
B 、およびロール周速度VT ,VB を測定する。
【0037】これらの測定値とプロセスコンピュータで
実行するために利用している圧延荷重計算式および圧延
トルク計算式による計算値が一致するという条件より、
次の方程式が得られる。
【数4】
【0038】式(11)〜(14)右辺括弧内の独立変
数からはロール直径や平均板厚圧下量Δhm 等の既知量
は省略しており、また、入側板厚HT ,HB 、出側板厚
T,hB は、式(5)〜(8)を代入することによっ
てΔhdfの関数として表現している。したがって、式
(11)〜(14)は、式(1)〜(3)を考慮するこ
とによって、未知変数km ,kdf,μm ,μdf,σdf
Δhdfに関する方程式系となっている。なお、σm は、
式(10)により既に消去されているものと考え、本実
施例では、圧延材後端近傍の圧延データを採取している
ため、σm ,σdfは入側張力ではなく、出側張力の上下
平均値および上下差を表すものとする。なお、この場
合、入側張力は零と見なすことができる。
【0039】利用できる方程式系としては、式(11)
〜(14)の他に出側材料の適合条件式がある。すなわ
ち、ここでは圧延材後端圧延時のデータを分析している
ため、出側材料は十分長く、自重の影響もあって出側材
料速度は上下面で等しくなるという条件である。上ロー
ル側および下ロール側の先進率をそれぞれfT ,fB
するとき、この条件は次式で表現される。 (1+fT )VT =(1+fB )VB (15) ここで、ロール周速度VT ,VB はロール周速度測定装
置からの出力で既知であり、fT ,fB は、圧延理論か
ら上記未知数km ,kdf,μm ,μdf,σdf,Δhdf
よび既知の圧延条件の既知関数として表現できるから、
式(15)は既知関数Fを用いて次式のように表現する
ことが可能である。 F(km ,kdf,μm ,μdf,σm ,σdf,Δhdf;VT ,VB )=0 (16)
【0040】以上の式(11)〜(14)および式(1
6)が利用できる5個の方程式系である。これに対して
求めるべき未知数は現状では6個である。しかしなが
ら、圧延反りが上下非対称変形挙動に基づくという事実
より、これら残る6個の未知変数km ,kdf,μm ,μ
df,σdf,Δhdfのうち、圧延反りの予測に本質的に重
要となるのが、上ロール側と下ロール側の差を示す
df,μdf,σdf,Δhdfの4個であり、上下平均値を
表すkm ,μm の推定精度は反り予測に対しては、さほ
ど重要ではないことは明らかである。特に、摩擦係数の
平均値μm に関しては、温度依存性も少なく各圧延パス
毎に変化する要素も少ないため、例えば、設定計算機能
で使用している値、あるいは前圧延パスの圧延荷重およ
び圧延トルクから逆算した値を用いても反り予測・制御
精度を実質的に悪化させることはない。そこでμm にこ
のような値を使用するものとすると、未知数はkm ,k
df,μdf,σdf,Δhdfの5個となる。したがって、上
記5個の非線形方程式系を解くことによって解を求める
ことが可能となる。
【0041】この非線形方程式の解法には、例えばNe
wton−Raphson法等の反復計算手法を用いれ
ばよい。以上のようにしてkm ,kdf,μdf,σdf,Δ
dfの値をすべて求めることが可能となる。
【0042】さて、本実施例では、以上の分析の対象と
したデータ分析圧延パスの次の圧延パスを反り制御圧延
パスとする。この場合、反り制御圧延パスでは、データ
分析圧延パスにおける圧延材後端部が圧延材先端とな
り、前記反り制御圧延パスの圧延材先端圧延時の反り予
測およびそれを防止するためのロール周速度の上下差の
操作量の計算を反り予測・制御演算装置で実施する。
【0043】反り制御圧延パスの反り予測・制御のため
に使用する変形抵抗の上下差および摩擦係数の上下差を
今分析したデータ分析圧延パスの値を参照して推定する
方法には、いくつかの考え方があるが、オンラインで実
行できる最も簡単な手法として、本実施例では以下の方
法を採用する。
【0044】変形抵抗の上下差と平均値の比kdf
m 、および摩擦係数の上下差と平均値の比μdf/μm
は反り制御圧延パスでも変化しないものとし、反り制御
圧延パスの変形抵抗の平均値km および摩擦係数の平均
値μm を設定計算モデルより計算し、データ分析圧延パ
スのkdf/km およびμdf/μm の値より、kdf,μdf
を求める。この手続きにより、反り制御圧延パスに関す
る未知パラメータは、σdfとΔhdfのみとなる。なお、
反り制御圧延パスの場合は、先端通板を考慮の対象とす
るため、出側張力は零と見なすことができ、入側張力の
上下平均値σm および上下差σdfが未知数となるが、σ
m は出側の全張力が零という条件でただちに消去され
る。
【0045】反り制御圧延パスの検討を行う場合、圧延
荷重および圧延トルクの実績値は利用できないが、未知
パラメータはσdfとΔhdfの2個だけであるので、以下
の方程式を解くことにより解を求めることができる。
【0046】上下の圧延荷重が等しいという条件式
【数5】 および入側材料速度が上下面で等しくなるという条件式 (hT /HT )(1+fT )VT =(hB /HB )(1+fB )VB (18) ここで、ロール周速度VT ,VB は、ロール周速度測定
装置からの出力で既知であり、fT ,fB は、圧延理論
から上記未知数σdf,Δhdfおよび既知のkm ,kdf
μm ,μdf他の圧延条件の既知関数として表現できる。
以上の式(17),(18)をσdf,Δhdfに関する非
線形方程式として解くことにより、σdf,Δhdfが求め
られる。これらが求められれば既に既知量となっている
m ,kdf,μm ,μdf,σm ,Δhm ,VT ,VB
併せて、圧延反りの要因となり得る力学的および幾何学
的パラメータがすべて求められたことになる。
【0047】上ロール側の圧延材のロールバイト出口速
度vT 、下ロール側の圧延材のロールバイト出口速度v
B は、先進率をそれぞれfT ,fB として、次式で計算
される。 vT =VT (1+fT ),vB =VB (1+fB ) (19)
【0048】反り曲率をκとするとき、κは幾何学的関
係によりvT ,vB から次式で計算することができる。
ここで、fT ,fB は上記の各パラメータおよび既知の
圧延条件から先進率計算式によって計算できるものであ
る。
【数6】 なお、hは出側板厚であり、反り曲率κは上側に反る方
向を正としている。
【0049】式(20)で予測される反りを防止するた
めの上下ロール周速度差の設定変更制御量は、上下圧延
材速度差Wすなわち、 W=vT −vB =VT (1+fT )−VB (1+fB ) (21) を零とするように決める。
【0050】ここで、上下ロール周速度差の設定変更制
御量の半分を、 δVdf=δ(VT −VB )/2 (22) とするとき、上下ロール周速度は、それぞれVT +δV
df,VB −δVdfとなるから、式(22)は次式のよう
になる。 W=(VT +δVdf)(1+fT )−(VB −δVdf)(1+fB ) (23)
【0051】δVdf=0のときのWの初期値をW0 とす
るとき、W=0となるδVdfの値を求めるには、dW/
d(δVdf)を計算して、まず第一次近似解として次式
を用いる。 δVdf=−W0 /{dW/d(δVdf)} (24) さらに精度の高い、δVdfの値が必要な場合は、VT
B の値を式(24)の計算結果によって更新して以上
の手続きを繰り返せばよい。
【0052】なお、dW/d(δVdf)の計算では、正
確にはfT ,fB がδVdfの関数であることを考慮しな
ければならないが、近似的に、これを無視して
【数7】 で代用する方法もある。
【0053】式(24)の計算結果に基づいて反り制御
圧延パスのロール周速度の設定変更を実施することによ
り、圧延反りの発生を防止することができる。
【0054】さらに、反り制御圧延パスの圧延が開始さ
れた時点で、反り制御圧延パスを次のデータ分析圧延パ
スと見なして圧延データを採取し、さらに次の圧延パス
を反り制御圧延パスとして同様の手続きを繰り返すこと
により、すべての圧延パスの反り制御が可能となる。
【0055】なお、以上の演算がデータ分析圧延パスの
次パスに間に合わない場合は、データ分析圧延パスにお
ける圧延材先端の圧延データを分析し、次々パスを反り
制御圧延パスとして、同様に反り予測・制御を実施すれ
ばよい。この場合、その間の圧延パスは、さらにその次
々パスを反り制御圧延パスとするためのデータ分析圧延
パスと見なして圧延データ採取・分析の対象となる。
【0056】また、圧延材の上下面温度計を配備して温
度測定を行い、変形抵抗の上下面差kdfを、設定計算で
用いている変形抵抗計算式で算出する方法も、計算時間
を節約し、計算精度を向上させる上で有効である。
【0057】実施例2圧延荷重測定装置、上下ロール圧
延トルク測定装置を有し、ピックアップ量をロールギャ
ップと独立に設定可能とする手段、例えば上,下ロール
系に各々油圧圧下装置を有する板圧延機を用いて板材の
リバース圧延を実施する場合の好ましい実施例を説明す
る。実施例1と同様に、圧延の1パス目をデータ分析圧
延パスとして、1パス目で圧延材後端近傍を圧延中の圧
延荷重測定値P、圧延トルク測定値GT ,GB を測定す
る。なお、本実施例の板圧延機は、上下ロールの駆動軸
はピニオンギアによって結合されており、ロール回転速
度は上下必ず等しくなる構造となっている。
【0058】圧延荷重測定値および圧延トルク測定値か
ら圧延材の変形抵抗の上下面差kdfおよび摩擦係数の上
下面差μdfを算出する際に、実施例1のように、圧延理
論に基づいた設定計算式をプロセスコンピュータの中で
解く方法ではなく、予め求めておいた影響係数マトリク
スを用いる方法を本実施例では採用する。
【0059】例えば、昭和61年度日本塑性加工学会春
季講演会論文集第235頁〜第238頁の山田らの論文
「剛塑性有限要素法による非対称圧延の解析」に開示さ
れているようなオフラインの解析モデルを用いると、各
圧延条件に対して次式で定義される影響係数マトリクス
M(3×3行列)を計算することが可能である。
【0060】
【数8】 であり、P:圧延荷重、ld :接触弧長(上下平均
値)、Gdf:圧延トルク上下差、Gm :圧延トルク上下
平均値、kdf:変形抵抗上下差、km :変形抵抗上下平
均値、μdf:摩擦係数上下差、μm :摩擦係数上下平均
値、Vdf:ロール周速度上下差、Vm :ロール周速度上
下平均値、κ:反り曲率である。
【0061】影響係数マトリクスMの各成分の値は、圧
延条件によって変化するが、これをモデル式化するか、
テーブル化してプロセスコンピュータに記憶しておけ
ば、各圧延条件毎に圧延開始前の設定計算で、当該圧延
条件に対応するMの値をメモリー内に呼び出しておくこ
とが可能である。
【0062】このような準備をした上で、圧延材後端を
圧延している時点の圧延荷重測定値、および圧延トルク
測定値より、規格化された変形抵抗上下差k′dfおよび
摩擦係数上下差μ′dfを次のようにして求める。
【0063】ロール周速度差V′df=0を考慮した上
で、式(25)より、P′,G′dfに関する式を抽出す
ると次式を得る。
【数9】
【0064】したがって、圧延荷重および圧延トルク測
定値よりP′,G′dfが得られるから、式(25)を逆
に解いた次式を用いてk′df,μ′dfを求める。
【数10】
【0065】さて、本実施例では、以上の分析の対象と
したデータ分析圧延パスの次の圧延パスを反り制御圧延
パスとする。この場合、反り制御圧延パスでは、データ
分析圧延パスにおける圧延材後端部が圧延材先端とな
り、該反り制御圧延パスの圧延材先端圧延時の反り予測
およびそれを防止するためのピックアップ量の設定変更
制御量を反り予測・制御演算装置で実施する。
【0066】上記手続きで求められたデータ分析圧延パ
スにおけるk′df,μ′dfの値が反り制御圧延パスでも
同じであると仮定し、これをV′df=0とともに反り制
御圧延パスに対する式(25)に代入することにより、
反り制御圧延パスで発生すると推定される反り曲率κ0
が計算予測できる。
【0067】次に反り制御圧延パスで圧延材先端圧延時
の反りを防止するためのピックアップ量の設定変更制御
量Δyを算出する。このための準備として、例えば、上
記した山田らの論文に開示されているような手法を用い
たオフライン計算によって、ピックアップ量と反り曲率
の関係を影響係数Kで次式によって表現しておく。 Δκ=KΔy (29)
【0068】影響係数Kは、板厚、圧下率、圧延材の変
形抵抗等の圧延条件によって変動するが、上記したマト
リクスMと同様に、これをモデル式化するか、あるいは
テーブル化してプロセスコンピュータに記憶しておけ
ば、各圧延条件毎に圧延開始前の設定計算で、当該圧延
条件に対応するKの値をメモリー内に呼び出しておくこ
とが可能である。式(29)より、次圧延パスで予測さ
れる反り曲率κ0 を零にするためのピックアップ量の設
定変更制御量Δyは、次式で求められる。 Δy=−κ0 /K (30) 式(30)の演算結果に基づいて、反り制御圧延パスの
ピックアップ量の設定変更を実施することによって、先
端反りを防止することができる。
【0069】なお、圧延材の上下面温度計を配備して温
度測定を行い、変形抵抗の上下面差kdfを、設定計算で
用いている変形抵抗計算式で算出する方法も計算時間を
節約し、計算精度を向上させる上で有効である。
【0070】
【発明の効果】本発明の圧延反り予測・制御装置を採用
することにより、圧延材先端に発生しがちな圧延反りを
未然に防ぐことが可能となり、圧延操業のトラブルを避
けることができる上、圧延材の平坦度も大幅に向上せし
めることができ、圧延コストの低減および圧延材の品質
向上に大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一発明の反り予測・制御装置の構成
を示す図。
【図2】本発明の第二発明の反り予測・制御装置の構成
を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−170506(JP,A) 特開 平1−241313(JP,A) 特公 昭63−64253(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21B 37/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板材をリバース圧延作業で複数回圧延し
    て所定の板厚に加工する少なくとも上下2本のロール
    と、該上下ロールのロール周速度をそれぞれ独立に制御
    可能な手段を有する板圧延機において、前記圧延機の上
    下少なくともどちらか一方のロール側に負荷される圧延
    荷重を測定する圧延荷重測定装置と、上下ロールに負荷
    される圧延トルクを上下ロールそれぞれ独立に測定する
    圧延トルク測定装置および上下ロールの周速度をそれぞ
    れ独立に測定するロール周速度測定装置とを有し、前記
    圧延機で板材を圧延する複数回の圧延パスのうちの任意
    の圧延パスをデータ分析圧延パスとして、このデータ分
    析圧延パスにおける前記圧延荷重測定装置、圧延トルク
    測定装置、ロール周速度測定装置の測定データに基づい
    て、少なくとも圧延材の変形抵抗の上面側と下面側の差
    と、摩擦係数の上面側と下面側の差とを算出する圧延分
    析演算装置と、前記データ分析圧延パス以降の任意の圧
    延パスを反り制御圧延パスとし、前記圧延分析演算装置
    の演算結果と、前記反り制御圧延パスの設定計算条件と
    に基づいて、前記反り制御圧延パスにおいて発生すると
    推定される該圧延材先端の反り曲率、または圧延材出側
    速度の上下面差を算出予測し、前記圧延反りを防止する
    ための上下ロール周速度の差の設定変更制御量を算出す
    る反り予測・制御演算装置と、前記上下ロール周速度差
    の設定変更制御量に基づいてロール周速度を設定制御す
    る制御装置とから構成される圧延反り予測・制御装置。
  2. 【請求項2】 板材をリバース圧延作業で複数回圧延し
    て所定の板厚に加工する少なくとも上下2本のロール
    と、下側圧延ロール上端とテーブルローラー上端との高
    低差すなわちピックアップ量をロールギャップとは独立
    に設定可能な手段を有する板圧延機において、前記圧延
    機の上下少なくともどちらか一方のロール側に負荷され
    る圧延荷重を測定する圧延荷重測定装置と、上下ロール
    に負荷される圧延トルクを上下ロールそれぞれ独立に測
    定する圧延トルク測定装置を有し、前記圧延機で板材を
    圧延する複数回の圧延パスのうちの任意の圧延パスをデ
    ータ分析圧延パスとして、このデータ分析圧延パスにお
    ける前記圧延荷重測定装置、圧延トルク測定装置の測定
    データに基づいて、少なくとも圧延材の変形抵抗の上面
    側と下面側の差と、摩擦係数の上面側と下面側の差とを
    算出する圧延分析演算装置と、前記データ分析圧延パス
    以降の任意の圧延パスを反り制御圧延パスとし、前記圧
    延分析演算装置の演算結果と、前記反り制御圧延パスの
    設定計算条件とに基づいて、前記反り制御圧延パスにお
    いて発生すると推定される圧延材先端の反り曲率、また
    は圧延材出側速度の上下面差を算出予測し、該圧延反り
    を防止するためのピックアップ量の設定変更制御量を算
    出する反り予測・制御演算装置と、前記ピックアップ量
    設定変更制御量に基づいてピックアップ量の設定変更を
    実行する制御装置とから構成される圧延反り予測・制御
    装置。
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JP7176507B2 (ja) * 2019-12-23 2022-11-22 Jfeスチール株式会社 熱間圧延の反り予測方法、反り制御方法、熱延鋼板の製造方法、反り予測モデルの生成方法、及び熱延設備

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