JP2824075B2 - 摺動部材料用組成物の成形体 - Google Patents

摺動部材料用組成物の成形体

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JP2824075B2
JP2824075B2 JP1042768A JP4276889A JP2824075B2 JP 2824075 B2 JP2824075 B2 JP 2824075B2 JP 1042768 A JP1042768 A JP 1042768A JP 4276889 A JP4276889 A JP 4276889A JP 2824075 B2 JP2824075 B2 JP 2824075B2
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憲 倉本
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エヌティエヌ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、機械的要素に不可欠の摺動部材料用組成
物の成形体に関するものである。
〔従来の技術〕
四フッ化エチレン樹脂は、耐熱性、耐薬品性、摺動特
性などにすぐれているので、シール材として広く用いら
れているが、この樹脂単独では外力による変形量が大き
く、また摩耗量も大きいので、各種の充填材を配合して
これら欠点を改善しようとする試みがなされている。た
とえば、充填材としてはガラス繊維、炭素繊維、金属粉
末などが用いられているが、近年は苛酷な条件下での使
用検討が増加し、従来のものでは限界PV値(ここでPV値
は軸受特性を表すのに用いられ、軸受材の相互比較の目
安となるものであり、圧力Pと摺動面速度Vとの関数で
表わされ、この値が高いほど耐圧性、耐速度性にすぐれ
ていることになる)が低いため、このような要求に対し
て対応できなくなって来ている。また摺動部用材料の相
手材が、最近の軽量化傾向に伴ってアルミニウムが利用
される場合が増えているが、従来の摺動部用材料では相
手のアルミニウム材を摩耗させるので、使用に際しては
幾多の困難があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
このように、従来の技術においては、限界PV値が高
く、しかもアルミニウムのような軟質相手材を殆んど摩
耗させないで、近年特に苛酷になって来た使用条件下に
おいて充分に耐え得る摺動特性を有する摺動部材料用組
成物は得られていないという問題点があり、これを解決
することが課題であった。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するために、この発明は平均繊維径
が1〜20μmでかつアスペクト比が1〜50である炭素繊
維2〜30重量%と、平均粒径が0.5〜40μmであるカル
シウム化合物粉末0.5〜50重量%とを必須成分として含
有し、残部が四フッ化エチレン樹脂からなる摺動部材料
用組成物の成形体とする手段を採用したものである。以
下その詳細を述べる。
まず、この発明における四フッ化エチレン樹脂(以下
PTFEと略記する)は四フッ化エチレンの単独重合体であ
って、伊国モンテジソン社製:アルゴフロン、米国デュ
ポン社製:テフロン、英国アイ・シー・アイ社製:フル
オン、ダイキン工業社製:ポリフロン等それぞれの登録
商標名で市販されているフッ素樹脂の中の一種であっ
て、圧縮成形可能であっても通常の射出成形は不可能な
樹脂である。
つぎに、この発明における炭素繊維は、平均繊維径が
1〜20μm、好ましくは5〜15μmで、しかもアスペク
ト比が1〜50、好ましくは5〜30のものである。なぜな
らば、平均繊維径が1μm未満の細いものでは繊維間の
凝集が起こり、均一分散が困難となり、また20μmを越
える太いものでは軟質相手材を摩耗させ、アスペクト比
が1未満のものではマトリックス自体の補強効果が損わ
れ機械的特性が低下し、逆に50を越えると混合時の均一
分散がきわめて困難であって、摩耗特性に支障を来たし
品質低下を招くなど好ましくないからである。そして、
このような望ましい炭素繊維には、東レ社製:トレカML
D−30、呉羽化学工業社製:クレカM201S、同M2007Sなど
を例示することができる。
さらに、この発明におけるカルシウム化合物は、カル
シウムの炭酸塩、硫酸塩、酸化物、水酸化物であって、
中でも炭酸カルシウムおよび硫酸カルシウムが好まし
い。これらカルシウム化合物の平均粒径を0.5〜40μm
好ましくは1〜30μmの範囲に限定する理由は、0.5μ
m未満の小粒では粒子間の凝集が起こり、均一分散が困
難となり、また40μmを越える大粒では表面平滑性が悪
くなって好ましくないからである。
これらのこの発明における必須成分の配合割合をそれ
ぞれ炭素繊維2〜20重量%、好ましくは5〜20重量%、
カルシウム化合物0.5〜50重量%、好ましくは2〜35重
量%、残部を四フッ化エチレン樹脂とする理由は、炭素
繊維が前記下限値未満の少量では耐摩耗性の向上を殆ど
期待することが出来ず、また上限値を越える多量のとき
は軟質相手材を摩耗させるようになり、カルシウム化合
物が上記の下限値未満の少量のときも同様に軟質相手材
を摩耗させ、逆に上限値を越える多量のときには機械的
特性の低下を招き好ましくないからである。
以上の割合で配合される混合物は、従来から広く行な
われている充填材入りPTFEに対する通常の成形条件で成
形すればよく、たとえばタンブラーミキサー、ヘンシェ
ルミキサー等の混合機によってPTFE、炭素繊維、カルシ
ウム化合物の三成分を乾式混合し、これを金型に入れて
380〜600kg/cm2の圧力を加えて予備成形した後、金型か
ら取り出された圧縮成形体を370℃で焼結する方法、そ
の他加熱加圧しながら回分式圧縮成形する方法またはラ
ム押出し機によって連続式押出し成形を行なう方法など
いずれであってもよい。なお、この発明の樹脂組成物に
おいても、通常の樹脂組成物の場合と同様に、この発明
の主目的を阻害しない範囲内で、たとえば、炭素粉、ケ
イ石粉、二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤、ガラス繊
維、ホウ素繊維、炭化ケイ素繊維、石綿、岩綿、金属繊
維などの強化剤、三酸化アンチモン、炭酸マグネシウム
などの難燃剤、クレー、マイカ、石綿、シリカ、グラフ
ァイト等の電気特性改良剤、硫酸バリウム、シリカなど
の耐酸性向上剤、ガラスビーズ、ガラス球、アルミナ、
タルク、ケイ藻土、水和アルミナ、シラスバルーン、そ
の他金属酸化物等の増量剤、さらには顔料など、いずれ
も380℃程度以上の高温で安定な物質を適宜混合しても
よい。このような添加剤を添加する際の残部四フッ化エ
チレン樹脂の配合割合は、15重量%を下回らないように
するのがよい。
〔実施例〕
以下に述べる実施例および比較例に使用した原材料を
一括して示すとつぎのとおりである。なお〔 〕内には
それぞれの略号を記入し、また配合割合は重量%であ
る。
四フッ化エチレン樹脂〔PTFE〕 (三井デュポンフロロケミカル社製:テフロン7J、粉
末)、 炭素繊維〔CF−1〕 (東レ社製:トレカ MLD30、平均繊維径7μm、アスペ
クト比1〜30)、 炭素繊維〔CF−2〕 (呉羽化学工業社製:クレカ M201S、平均繊維径12.5μ
m、アスペクト比1〜40)、 炭酸カルシウム〔CaCO3〕 (日窒工業社製:NA600、平均粒径7μm)、 硫酸カルシウム〔CaSO4〕 (和光純薬工業社製:試薬級、平均粒径1μm)、 実施例1〜5: 各原材料を剤1表に示す割合で乾式配合し、これを金
型に入れて、550kg/cm2の加圧下で予備成形した後、金
型から取り出された圧縮成形体を370℃で焼結成形体と
し、この成形体から各種試験方法に規定されている寸
法、形状の試験片を作製した。なお、各種試験方法はつ
ぎのとおりである。
(1)引張り強度(kg/cm2)および伸び(%) ASTM−D638に準拠、 (2)線膨張係数(×10-5/℃) ASTM−D695に準拠、 (3)摩擦試験 スラスト型摩擦試験機による滑り速度毎分150m、荷重
1.1kg/cm2、相手材ADC−12(T6処理)、潤滑油スニソ4G
Sの強制潤滑条件下の摩擦係数を求める。
(4)摩耗係数(×10-10cm3/kg・m) 低PV条件として、スラスト型摩耗試験機による滑り速
度毎分96m、荷重5kg/cm2、相手材ADC−12(T6処理)、
潤滑油スニソ4GSの強制潤滑条件を選びその摩耗係数を
求める。また、高PV条件として、スラスト型摩耗試験機
による滑り速度毎分128m、荷重10kg/cm2、その他は前記
低PV条件の場合と同一の条件を選び、そのときの摩耗係
数を求める。
以上の各試験によって得られた結果を第1表に併記し
た。
比較例1〜4: 各原材料の配合割合が第2表に示すとおりである以外
は実施例1〜5と全く同様にして試験片を作製し、各種
試験を行なった。得られた結果を第2表に併記した。
第1表および第2表からつぎのことが明らかである。
すなわち、この発明の摺動部材料用組成物からなる実施
例1〜5で得られた成形体は、いずれも均衡のとれた機
械的特性を現わし、軟質相手材に対する高PV条件下にお
ける摺動特性もきわめて優れていて、両面のバランスは
非常に良好である。これに対して、炭素繊維の添加量が
この発明の限定範囲外である場合の比較例2は、特に高
PV条件下における摩耗係数が大きく、また比較例4は相
手材の摩耗が大きく、摩擦係数も高く、さらには、機械
的特性の一つである引張り伸びにおいて著しい低下を招
くものであった。また、カルシウム化合物の添加量がこ
の発明の限定範囲外である比較例1における成形体は相
手材の摩耗が大きく、比較例3における成形体も特に高
PV条件における摩耗が大きく、摩擦係数も高く、さらに
機械的特性の一つである引張り伸びも著しい低下を招く
ものであった。これら比較例1〜4は実施例1〜5のい
ずれよりもかなり劣ったものであり、好ましいものでは
なかった。
〔効果〕
炭素繊維およびカルシウム化合物を四フッ化エチレン
樹脂に配合して得られたこの発明の摺動部材料用組成物
は、従来のガラス繊維、炭素繊維、各種金属粉末などを
配合したものよりも自己および相手材の摩耗を著しく低
減させることができ、特に軟質相手材に対して高PV条件
下での摺動特性が優れ、たとえばコンプレッサー用シー
ルリング等アルミニウム材相手の高PV条件下における摺
動部部品製造には非常に有利な材料となり得るのであ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C10M 111/04 103:02 103:06 107:38) C10N 10:04 20:06 40:02 50:08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均繊維径が1〜20μmでかつアスペクト
    比が1〜50である炭素繊維2〜30重量%と、平均粒径が
    0.5〜40μmであるカルシウム化合物粉末0.5〜50重量%
    とを必須成分として含有し、残部が四フッ化エチレン樹
    脂からなる摺動部材料用組成物の成形体。
JP1042768A 1989-02-22 1989-02-22 摺動部材料用組成物の成形体 Expired - Lifetime JP2824075B2 (ja)

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