JP2821467B2 - 薬害のない放油性殺虫粒剤 - Google Patents

薬害のない放油性殺虫粒剤

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JP2821467B2
JP2821467B2 JP5347889A JP5347889A JP2821467B2 JP 2821467 B2 JP2821467 B2 JP 2821467B2 JP 5347889 A JP5347889 A JP 5347889A JP 5347889 A JP5347889 A JP 5347889A JP 2821467 B2 JP2821467 B2 JP 2821467B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [技術の分野] 本発明は、薬害のない放油性殺虫粒剤に関する、更に
詳しくは、粒状キャリヤー殺虫成分とフッ素系化合物を
混合した高沸点溶剤(若しくは、高沸点溶剤に植物油又
は、鉱物質油を添加したもの)を含浸させてなる該殺虫
粒剤に関する。
本発明は又、フッ素化合物を添加した粒状キャリヤー
に殺虫成分を混合した高沸点溶剤(若しくは、高沸点溶
剤に植物油又は、鉱物質油を添加したもの)を含浸させ
てなる該殺虫粒剤に関する。
本発明品を水田の水面に散布すると水面ならびに水中
で油状成分を均一に放出して持続的に殺虫効果を発揮
し、しかもイネに対して薬害がない。
[従来の技術とその問題点] 近年、水稲においてイネミズゾウムシの被害が増大
し、水稲栽培農家にとっては、非常に重要な虫害問題と
なっている。イネミズゾウムシは、周知のように米国カ
リフォルニアより日本に新入した害虫で、1976年の愛知
県での発見を皮切りに、著しくその分布を拡大し、現在
では、全国に分布している。
本害虫は、成虫で越冬し、越冬地より水田へ飛翔及び
歩行によって移動し、畔より水面を泳ぎイネ体に到達
後、食害を開始する。一定期間該食害をした後、本害虫
は、イネの茎に産卵し、孵化した幼虫は、水面を通過し
根部に達する。その後、羽化まで根部を食害しながら水
中で過ごす。
本発明者らは、観察によりイネミズゾウムシの以上の
行動生態を把握したうえで、本害虫に対しては、潜水面
に、むらなく均一でかつ、安定な薬害の膜を形成せし
め、該薬剤を本害虫を接触させることが最も効果的な防
除法について種々検討を重ねた。それらの先行技術とし
ては、例えば、次の発明を挙げることができる。
特公昭41−10036号の明細書には、殺虫組成物が記載
されているが、その組成は、各種高級アルコールと有機
リン系殺虫成分あるいは有機塩素系殺虫成分を含有する
か、それらに、更にコロイド物質を含有せしめたもので
ある。しかしながら、その具体的な例として挙げられて
いるものは、いずれも拡展剤として高級アルコールのみ
を使用し粉状としたものであり、水面に散布した際の薬
剤の膜の形成性が充分とは言えない。
特公昭41−10037号の明細書には、水面展開性殺虫組
成物が記載されている。そしてその組成物は高級脂肪酸
等とエチレンオキサイド等の付加結合体を展開剤とし、
殺虫成分として有機リン系若しくは有機塩素系のものを
使用し、水面に滴下されるものである。
特公昭44−17400号の明細書には、水面施用農薬剤が
記載されている。そしてその組成物は夫々1種又は2種
以上の溶媒と拡展剤を混合したものに農薬を混合し、水
面に滴下するものである。
特公昭47−34135号の明細書には、水面施用殺虫組成
物が記載されている。そしてその組成物は、比重が1よ
り小さく、沸点が200℃以下の水溶性液体と熱可塑性合
成樹脂等に殺虫剤を混合し、水田に滴下及び注入するも
のである。
特公昭56−71001号の明細書には、拡展性良好な水面
施用剤が記載されている。そしてその組成物は、水と混
合し及び混和しない有機溶剤と有機リン系農薬及びカー
バメート系農薬の1種又は2種以上からなる殺虫剤を混
合し、水面に滴下するものである。
特開昭62−198602号の明細書には、放油性粒剤の殺虫
組成物が記載されている。そしてその組成成分は、植物
油、鉱物油など有機リン農薬及びカーバメート系農薬の
1種又は2種以上からなる殺虫剤とを混合し粒状キャリ
ヤーを含浸させたものであるが、これは水田の水面に浮
遊した農薬成分を含む油滴状物がある条件で、イネ体に
対して過剰に付着し薬害をおこした事例がある。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明者等は、以上の公知技術をもとに追試検討の結
果、水面に有効な油膜を形成させるには、有効殺虫成分
を含む一定の大きさの粒を散布し、該粒が水面で水と接
触した瞬間に該有効成分の一部を油状物と共に放出さ
せ、更に該粒が水底に沈降した後、該粒の逐次崩壊と同
時に継続的に残りの有効成分を放出させるようにするこ
とが最も好ましいこと、又、イネ体への不利な影響をな
くするための水面に浮遊した油膜状物を均一かつ、安定
に拡散させ、イネ体への過剰な付着をなくすることが望
ましいと言う知見を達成した。
これは水面施用剤の使用時期には、水田に藻が発生
し、水面全体を覆うため、単に油を滴下したのでは、藻
の上に油膜が形成されるのに対し、イネミズゾウムシ成
虫は、藻の下を泳ぐため殺虫効果が低くなる点に着眼し
たことによる発想である。そして上述の条件を満たす薬
害のない放油性殺虫粒剤を開発すべく、更に研究を重ね
た結果、殺虫成分を混合した特定の油に溌水性の有機フ
ッ素系化合物を添加し、小粒子状の特定の増量剤に含浸
させることにより望ましい結果が得られることを見出
し、本発明を完成させたものである。
以上の記述から明らかなように、本発明の目的は、水
面施用剤として殺虫効率が高く、かつイネ体に対する薬
害がない放油性殺虫粒剤を提供することである。また、
他の目的はイネミズゾウムシのように、水中でも活動す
る害虫に対し、水中の殺虫成分との接触による殺虫方法
を提供することである。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、以下の構成を有する。
(1)水に溶解しない高沸点溶剤、植物油、鉱物油、ま
たはこれらの混合物に溌水作用を有する有機フッ素系化
合物を混合した組成物と1種若しく2種以上の殺虫成分
を混合し、該混合物を鉱物質粉末若しくは、植物質粉末
を成型した粒状組成物からなるキャリヤーに含浸させた
こと、又は水に溶解しない高沸点溶剤、植物油、鉱物
油、またはこれらの混合物に1種若しくは2種以上の殺
虫成分を混合し、該混合物を鉱物質粉末若しくは、植物
質粉末に溌水作用を有する有機フッ素系化合物を混合
し、成型した粒状組成物からなるキャリヤーに含浸させ
たことを特徴とする薬害のない放油性殺虫粒剤。
(2)植物油が、スギ油、ナタネ油、トウモロコシ油、
ゴマ油、ダイズ油、メンジツ油、ヒマワリ油、ヒマシ
油、キリ油、エノ油、アマニ油、若しくはコメヌカ油か
ら選ばれた1種以上の油であり、鉱物油が、スピンドル
油、灯油、重油若しくはキシレンから選ばれた1種以上
の油であり、高沸点溶剤がアジピン酸ジオクチル、アジ
ピン酸ジオイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、フタ
ル酸ジイソオクチル、メチルナフタリン、ブチルベンジ
レートから選ばれた溶剤である前記第(1)項に記載の
薬害のない放油性殺虫粒剤。
(3)鉱物質粉末がクレー、タルク、ケイソウ土、炭酸
カルシウム若しくは炭酸マグネシウムから選ばれた1種
以上の物であり、植物質粉末が小麦粉、デンプン、コメ
ヌカ、フスマ、のこ宵、油粕から選ばれた1種以上の物
である前記第(1)項に記載の薬害のない放油性殺虫粒
剤。
(4)殺虫成分がピレスロイドA、ピレスロイドB、ピ
レスロイドC、レルダン若しくはオフナック、XMCから
選ばれた1種以上の物である前記第(1)項に記載の薬
害のない放油性殺虫粒剤。
本発明の構成と効果につき以下に詳述する。
本発明の放油性殺虫粒剤の必須構成成分は、水不溶性
の高沸点溶剤、植物油若しくは鉱物油(高沸点溶剤は好
ましくは鉱物油、植物部のいずれかと併用)、溌水性の
有機フッ素系化合物、殺虫成分、及びキャリヤー(粒状
無機質及び有機質組成物)である。
本発明に使用する水不溶性の高沸点溶剤としては、比
重が1以下で、かつ沸点が200℃以上のもので、例えば
アジピン酸オクチル、アジピン酸ジオイソノニル、アジ
ピン酸ジイソデシル、フタル酸ジイソオクチル、メチル
ナフタリンなどが好ましく使用できる。
本発明で使用できる植物油としては、限定されない
が、例えばスギ油、ナタネ油、ゴマ油、ダイズ油、メン
ジツ油、ヒマワリ油、ヒマシ油、キリ油、エノ油、アマ
ニ油、若しくはコメヌカ油等が好ましく使用できる。植
物油を使用するのは、本発明品の散布後の油分の微生物
による分解を考慮したものであり、水田その他に対する
水質汚濁を回避すると同時に、作物に対する薬害を少な
くするためでもある。
本発明に使用する鉱物油としては、例えばスピンドル
油、灯油、重油、キシレン等が好ましく使用できる。本
発明の好ましい態様として高沸点溶剤と鉱物油、植物油
とを併用するのは、殺虫成分の溶解と溶解後の溶液状態
での保持を考慮したものであって、油分全体の殺虫成分
に対する比率を適正に保持する。
本発明で使用する有機フッ素系化合物は溌水作用があ
れば特に限定されないが、例えばアクリル酸パーフルオ
ロアルキルメタクリル酸メチル共重合物、メタクリル酸
アルキルメタクリル酸パーフルオロアルキル共重合体、
フルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカ
ルボン酸などが好ましい。本発明品は溌水性を有する有
機フッ素化合物を配合使用するので、散布後、水面での
殺虫成分を含む油状物の拡散が著しく良好であり、部分
的に滞留することがない。しかも、拡散した殺虫成分を
含む油状物が、水面上で長期間にわたって安定な薄膜を
形成するものであり、例えイネ体が一時的に倒伏した場
合であっても油状物のイネ体に対する過剰な付着はな
い。
本発明に使用する殺虫成分としては、限定されない
が、対象害虫に対する直接の殺虫効果のほか、魚毒性の
低いこと及び人害に対しても低毒性であることを要求さ
れるので有機リン系殺虫成分のほか、カーバメイト系殺
虫成分、ピレスロイド系殺虫成分等が推奨される。ま
た、該殺虫成分は、上述の植物油若しくは鉱物油に対
し、溶解性良好なものが好ましい。このような殺虫成分
の具体例としては、ピレスロイドA(B、C)、レルダ
ン、XMC、オフナック等を挙げることができる。
上述の高沸点溶剤、植物油若しくは鉱物油、殺虫成分
及び溌水性有機フッ素系化合物の使用比率(重量比率)
は限定されないが、殺虫成分を後述のキャリヤーに有効
に含浸させるために、殺虫成分1部に対して油1ないし
15部、溌水性有機フッ素系化合物0.002〜1.0部、好まし
くは0.02〜0.5部の比率が推奨される。
これらの有用成分の混合順序は限定されず、いかなる
順序で混合してもよい。また、溌水性有機フッ素系化合
物は、下記の粒状組成物からなるキャリヤー(以下、小
粒子状キャリヤーという)に添加しても構わない。殺虫
成分を混合された本発明に係る油状の混合物は、ついで
下記の小粒状キャリヤーに含浸して吸収させる。
鉱物質粉末としては、例えばタルク、クレー、ケイソ
ウ土、ホワイトカーボン、シリカ、フライアッシュ等を
挙げることができる、植物質粉末は、小麦粉、デンプ
ン、コメヌカ、フスマ、のこ宵、油粕等を挙げることが
できる。また、結合剤としては小粒子状キャリヤーを水
中に投入後の崩壊を容易にするために、ポリビニルアル
コール、ゼラチン、カルボキシメチルセルロースのよう
な水溶性の糊剤を使用することが望ましい。更に、補助
成分(拡展助剤)として、例えばドデシリベンゼンスル
ホン酸ナトリウムのような水溶性の界面活性剤を少量配
合することが望ましい。
鉱物質粉末又は、植物質粉末、結合剤及び界面活性剤
の使用割合(重量比率)及び混合方法は、例えば、該粉
末1部に対して結合剤0.01〜0.10部、界面活性剤0.001
〜0.1部とし、三者を逐次若しくは同時に混合した後成
型する。又、溌水性有機フッ素化合物を小粒子状キャリ
ヤーに添加する場合は、鉱物質粉末又は、植物質粉末に
添加してもよいが、結合剤及び界面活性剤に添加して成
型してもよい。
該混合の際、少量の水分を混合するか、予め該水分を
結合剤又は界面活性剤と混合しておくこともできる。成
型方法としては、公知の各種の造粒方法、例えばパン造
粒、押出し造粒法が適用できる。かくして小粒子状キャ
リヤーが得られる。
次に前述した殺虫成分含有油状混合物を上述の小粒子
状キャリヤーに含浸させる。含浸方法は限定されない
が、均一な含浸のためには、例えば該キャリヤーの所定
量を転動状態または流動状態に保持して、上記油状混合
物を滴下、散布若しくは噴霧する等の方法を採用でき
る。しかし、勿論上記油状混合物中に小粒子状キャリヤ
ーを浸漬して前者を後者に吸収させてもよい。含浸温度
等の条件も限定されないが、容易な処理のために例えば
室温ないし50℃で、30分ないし24時間の範囲で行なう。
終了後は、必要なら通気乾燥等を行なって、不要の水
分若しくは鉱物油の一部を除去する。かくして得られた
本発明の放油性殺虫粒剤は、流動性良好で、容易には粉
化または固結しない製品である。また、本発明品の製造
方法は、簡単で特別な加熱工程は不要であり、従って殺
虫成分が分解する恐れもない。
本発明品を水に散布すると、水と接触した瞬間にまず
水面に均一な油膜を形成し、つづいて本発明品が水中を
経由して水面に到達後、粒状物質が次第に崩壊し、該崩
壊と同時に有効成分を放出する。これにより、水面に藻
及び各種物質の膜が存在する場合であってもその膜の上
面と下面にそれぞれ独立した油膜を形成することが可能
となり、安定した殺虫効果を示すことができる。また、
水面の油膜が、均一かつ安定に拡散しており、イネへの
過剰な付着がなく、イネに対する薬害もない。
なお、本発明の放油性殺虫粒剤は、イネミズゾウムシ
以外の水稲害虫の防除も可能である。例えば、周知のよ
うにトビイロウンカは海外より毎年飛来する害虫で、近
年殺虫剤に対する感受性が低下し、卓効を示す薬剤が要
望されている。本発明者らは、トビイロウンカ及び他の
ウンカ、ヨコバイ類が1日に数回水面へおりる事実を観
察し、本発明の放油性殺虫粒剤を適用した結果、顕著な
効果を確認することができた。
本発明を実施例及び比較例によって説明すれば次のと
おりである。
実施例1、比較例1 スギ油5.0重量部(以下重量部を部で表わす)、アジ
ピン酸ジオクチル10.0部とレルダン5.0部を混合し、該
混合部にポリビニルアルコール(以下PVAで表わす)2.5
部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部、エ
ラスガード200(第一工業製薬製(株)溌水性有機フッ
素系化合物)0.3部にクレー77.0部を混合し造粒した小
粒状物を室温下に含浸し、全量を吸収せしめて、本発明
の薬害のない放油性粒剤(試料−A)及びエラスガード
200を使用しない以外は同様にして(比較試料−A)を
製造した。
実施例2、比較例2 アジピン酸ジオクチル10.0部とレルダン5.0部を混合
し、該混合物にPVA2.5部、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム0.2部、エラスガード200(第一工業製薬製
(株)溌水性有機フッ素系化合物)0.3部にクレー82.0
部を混合し造粒した小粒状物を室温下に含浸し、全量を
吸収せしめて、本発明の薬害のない放油性粒剤(試料−
B)及びエラスガード200を使用しない以外は同様にし
て(比較試料−B)を製造した。
実施例3、比較例3 アジピン酸ジオイソノニル10.0部とレルダン5.0部を
混合し、該混合物にPVA2.5部、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.2部、エラスガード300(第一工業製薬
製(株)溌水性有機フッ素系化合物)0.3部にクレー82.
0部を混合し造粒した小粒状物を室温下に含浸し、全量
を吸収せしめて、本発明の薬害のない放油性粒剤(試料
−C)及びエラスガード300を使用しない以外は同様に
して(比較試料−C)を製造した。
実施例、比較例4 アジピン酸ジイソデシル10.0部とレルダン5.0部とAM
−001(第一工業製薬製(株)溌水性有機フッ素系化合
物)0.3部を混合し、該混合物にPVA2.5部、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部にクレー82.0部を混
合し造粒した小粒状物を室温下に含浸し、全量を吸収せ
しめて、本発明の薬害のない放油性粒剤(試料−D)及
びAM−001を使用しない以外は同様にして(比較試料−
D)を製造した。
実施例5、比較例5 アジピン酸ジオクチル10.0部とピレスロイドA1.0部を
混合し、該混合物にPVA2.5部、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.2部、エラスガード200(第一工業製薬
製(株)溌水性有機フッ素系化合物)0.3部にクレー86.
0部を混合し造粒した小粒状物を室温下に含浸し、全量
を吸収せしめて、本発明の薬害のない放油性粒剤(試料
−E)及びエラスガード200を使用しない以外は同様に
して(比較試料−E)を製造した。
実施例6、比較例6 アジピン酸オクチル10.0部とピレスロイドB1.0部を混
合し、該混合物にPVA2.5部、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム0.2部、エラスガード200(第一工業製薬製
(株)溌水性有機フッ素系化合物)0.3部にクレー86.0
部を混合し造粒した小粒状物を室温下に含浸し、全量を
吸収せしめて、本発明の薬害のない放油性粒剤(試料−
F)及びエラスガード200を使用しない以外は同様にし
て(比較試料−F)を製造した。
実施例7、比較例7 フタル酸ジイソオクチル10.0部とオフナック5.0部を
混合し、該混合物にPVA2.5部、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.2部、エラスガード200(第一工業製薬
製(株)溌水性有機フッ素系化合物)0.3部にクレー82.
0部を混合し造粒した小粒状物を室温下に含浸し、全量
を吸収せしめて、本発明の薬害のない放油性粒剤(試料
−G)及びエラスガード200を使用しない以外は同様に
して(比較試料−G)を製造した。
実施例8、比較例8 アジピン酸ジオクチル10.0部とXMC3.0部を混合し、該
混合物にPVA2.5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム0.2部、エラスガード200(第一工業製薬製(株)溌
水性有機フッ素系化合物)0.3部にクレー84.0部を混合
し造粒した小粒状物を室温下に含浸し、全量を吸収せし
めて、本発明の薬害のない放油性粒剤(試料−H)及び
エラスガード200を使用しない以外は同様にして(比較
試料−H)を製造した。
実施例9、比較例9 アジピン酸ジオクチル10.0部、スピンドル油5.0部と
レルダン5.0部を混合し、該混合物にPVA2.5部、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部、エラスガード2
00(第一工業製薬製(株)撥水性有機フッ素系化合物)
0.3部、デンプン20部にクレー62.0部を混合し造粒した
小粒状物を室温下に含浸し、全量を吸収せしめて、本発
明の薬害のない放油性粒剤(試料−I)及びエラスガー
ド200を使用しない以外は同様にして(比較試料−I)
を製造した。
次に試験例を挙げて本発明の効果について説明する。
試験例1 下記の要領で試料−A、B、C、D、I(実施例1、
2、3、4、9)と比較例として実施例1、2、3、
4、9でフッ素系化合物をそれぞれ除いた、比較試料−
A、B、C、D、I及びバサジット7%粒剤のイネミズ
ゾウムシに対する殺虫効果と稲に対する薬害を試験し
た。結果を第1表に示す。
試験地:鹿児島市郡元町880番地 区 制:3区制 処理年月日:1987年12月17日 供試作物:イネ(品種:コシヒカリ) 処理方法:イネを植えた直径9cmのポットを1m2の枠内に
設置し、該ポットに対し10アール当たり、3kg相当量の
薬剤を手まき処理する。
調査方法:処理後、5、10、15日後にイネミズゾウムシ
の成虫をポット当たり5頭放飼し、1日後の該成虫の生
死及びイネに対する薬害を調査した。
試験例2 下記の要領で試料−B、E、F、G(実施例2、5、
6、7)と比較例として実施例2、5、6、7でフッ素
系化合物をそれぞれ除いた、比較試料−B、E、F、G
及びバサジット7%粒剤のイネミズゾウムシに対する殺
虫効果と稲に対する薬害を試験した。結果を第2表に示
す。
試験地:鹿児島市郡元町880番地 区 制:3区制 処理年月日:1988年1月20日 供試作物:イネ(品種:コシヒカリ) 処理方法:イネを植えた直径9cmのポットを1m2の枠内に
設置し、該ポットに対し10アール当たり、3kg相当量の
薬剤を手まき処理する。
調査方法:処理後、5、10、15日後にイネミズゾウムシ
の成虫をポット当たり5頭放飼し、1日後の該成虫の生
死及びイネに対する薬害を調査した。
試験例3 下記の要領で試料−B、C、D、E(実施例2、3、
4、5)と比較例として実施例2、3、4、5でフッ素
系化合物をそれぞれ除いた、比較試料−B、C、D、E
及びバサジット7%粒剤、シクロサールU粒剤のイネミ
ズゾウムシに対する殺虫効果と稲に対する薬害を試験し
た、結果を第3表に示す。
試験地:鹿児島市郡元町880番地 区 制:1アール/区 1区制 処理年月日:1988年4月30日 供試作物:イネ(品種:コシヒカリ) 処理方法:各薬剤を10アール当たり、4kg又は2kg相当量
を手まき処理した。
調査方法:処理後、7、14、21日後に成虫によるイネへ
の食害の有無を程度別に、イネ10株/点(3点/区)調
査した。又、イネへの薬害程度を処理7、14日後に調査
した。更に、1か月後に寄生幼虫数をイネ6株/区、掘
り取り調査した。
試験例4 下記の要領で試料−B、E、F、H(実施例2、5、
6、8)と比較例として実施例2、5、6、8でフッ素
系化合物をそれぞれ除いた、比較試料−B、E、F、H
のツマグロヨコバイ、セジロウンカ、トビイロウンカに
対する防除効果とと稲に対する薬害を試験した。結果を
第4表に示す。
試験地:鹿児島市上福元町諏訪 区 制:40m2/区 3区制 処理年月日:1988年8月4日 供試作物:イネ(品種:ニシヒカリ) 処理方法:各薬剤を10アール当たり、4kg相当量を手ま
き処理した。
調査方法:処理前及び処理後、4、8、15日後における
棲息密度をステッキボードへの払い落し法で1区10株調
査した。又、処理後4、8、15日後におけるイネに対す
る薬害を調査した。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01N 25/12 A01N 25/32 CA(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水に溶解しない高沸点溶剤、植物油、鉱物
    部、またはこれらの混合物に溌水作用を有する有機フッ
    素系化合物を混合した組成物と1種若しくは2種以上の
    殺虫成分を混合し、該混合物を鉱物質粉末若しくは、植
    物質粉末を成型した粒状組成物からなるキャリヤーに含
    浸させたこと、又は水に溶解しない高沸点溶剤、植物
    油、鉱物油、またはこれらの混合物に1種若しくは2種
    以上の殺虫成分を混合し、該混合物を鉱物質粉末若しく
    は、植物質粉末に溌水作用を有する有機フッ素系化合物
    を混合し、成型した粒状組成物からなるキャリヤーに含
    浸させたことを特徴とする薬害のない放油性殺虫粒剤。
  2. 【請求項2】植物油が、スギ油、ナタネ油、トウモロコ
    シ油、ゴマ油、ダイズ油、メンジツ油、ヒマワリ油、ヒ
    マシ油、キリ油、エノ油、アマニ油、若しくはコメヌカ
    油から選ばれた1種以上の油であり、鉱物油が、スピン
    ドル油、灯油、重油若しくはキシレンから選ばれた1種
    以上の油であり、高沸点溶剤がアジピン酸ジオクチル、
    アジピン酸ジオイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、
    フタル酸ジイソオクチル、メチルナフタリン、ブチルベ
    ンジレートから選ばれた溶剤である特許請求の範囲第
    (1)項に記載の薬害のない放油性殺虫粒剤。
  3. 【請求項3】鉱物質粉末がクレー、タルク、ケイソウ
    土、炭酸カルシウム若しくは炭酸マグネシウムから選ば
    れた1種以上の物であり、植物質粉末が小麦粉、デンプ
    ン、コメヌカ、フスマ、のこ宵、油粕から選ばれた1種
    以上の物である特許請求の範囲第(1)項に記載の薬害
    のない放油性殺虫粒剤。
  4. 【請求項4】殺虫成分がピレスロイドA、ピレスロイド
    B、ピレスロイドC、レルダン若しくはオフナック、XM
    Cから選ばれた1種以上の物である特許請求の範囲第
    (1)項に記載の薬害のない放油性殺虫粒剤。
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