JP2813407B2 - 加硫可能ゴム組成物 - Google Patents

加硫可能ゴム組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、加硫可能ゴム組成物に関し、更に詳しく
は、ゴム弾性、耐熱老化性、耐油性、耐退色性、耐寒性
に優れ、実用的な加硫速度を与える加硫可能ゴム組成物
に関する。
(従来の技術) 従来、耐熱老化性、耐油性を要求される用途にはクロ
ロプレンゴムが多用されてきた。しかし、昨今のメイン
テナンスフリーの要請などにより、クロロプレンゴムの
性能では対応できない用途が増加している。クロロプレ
ンゴムは、強度、耐熱老化性、耐油性の点でバランスの
とれたゴム材料であるが、耐オゾン性、耐寒性の点で劣
り、また明色の製品には適しない欠点がある。
そのため、耐オゾン性、耐熱老化性、耐油性、耐光
性、耐候性、耐寒性に優れ、また明色製品に適し耐退色
性に優れている塩素化エチレン・α−オレフィン共重合
ゴムが提案されているが、塩素化エチレン・α−オレフ
ィン共重合ゴムはゴム弾性に劣り、永久歪みが大きいと
いう欠点を持っている。
一方、スチレン/エチレン・ブテン/スチレンブロッ
ク共重合ゴム(B)はゴム弾性に優れるものの、一般に
ゴム工業界で受入れられている方法で加硫ができず、ま
た高温雰囲気下では強度が小さく、実用的と言えなかっ
た。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、メインテナンスフリーの要請などに
対応できる、より高い製品寿命を持ち、且つ価格的にも
実用的な加硫可能ゴム組成物を提供するにある。具体的
には、ゴム弾性、耐熱老化性、耐油性、耐退色性、耐寒
性に優れ、且つ、実用的な加硫速度を与える加硫可能ゴ
ム組成物を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明によれば、塩素含量が20〜40重量%であり、ム
ーニー粘度[ML1+4(121℃)]が10〜190である塩素化
エチレン・α−オレフィン共重合ゴム(A)と、スチレ
ン/エチレン・ブテン/スチレンブロック共重合ゴム
(B)を必須成分とし、塩素化エチレン・α−オレフィ
ン共重合ゴム(A)とスチレン/エチレン・ブテン/ス
チレンブロック共重合ゴム(B)とが重量基準で、
(A)/(B)=95/5乃至70/30の割合で含有すること
を特徴とする加硫可能ゴム組成物が提供される。
塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム(A)の
塩素化前のエチレン・α−オレフィン共重合体のα−オ
レフィンが、炭素数で3乃至10であり、エチレンとα−
オレフィンとの割合が、モル基準でエチレン/α−オレ
フィン=75/25乃至95/5であることが好適である。
またスチレン/エチレン・ブテン/スチレンブロック
共重合ゴム(B)の比重が0.89乃至0.93であり、スチレ
ン部分(a)とエチレン・ブテン部分(b)の重量比が
(a)/(b)=20/80乃至35/65であることが好適であ
る。
(作用) 本発明の加硫可能ゴム組成物は、必須成分として前記
した塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム(A)
とスチレン/エチレン・ブテン/スチレンブロック共重
合ゴム(B)とを、重量基準で(A)/(B)=95/5乃
至70/30の割合で含有していることが特徴である。
塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム(A)
は、耐オゾン性、耐熱老化性、耐油性、耐退色性、耐寒
性、耐候性等に優れ、これらの特性を付与し、また加硫
速度も良好で実用的な加硫速度を与える働きをする。反
面ゴム弾性に劣り永久歪みが大きい、ロール加工時グリ
ーン強度が小さいので加工しづらいなどの問題を有す
る。
スチレン/エチレン・ブテン/スチレンブロック共重
合ゴム(B)は、ゴム弾性に優れるものの、一般の加硫
方法で加硫ができず、また高温雰囲気下では、強度が著
しく小さくなり、実用的でないなどの問題を有する。
本発明においては、塩素化エチレン・α−オレフィン
共重合ゴム(A)とスチレン/エチレン・ブテン/スチ
レンブロック共重合ゴム(B)の比率(A)/(B)=
95/5乃至70/30の割合が、両者の特長を活かし、欠点を
補い相乗作用効果として本発明の目的を達成させること
を可能としている。
即ち上記範囲内において、ゴム弾性、耐熱老化性、耐
油性、耐退色性、耐寒性に優れ、且つ、実用的な加硫速
度を与えるゴム組成物で、しかもより高い製品寿命を持
ち価格的にも実用的な加硫可能ゴム組成物を得ることが
できる。
上記比率において塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴム(A)が95をこえスチレン/エチレン・ブテン
/スチレンブロック共重合ゴム(B)が5を下まわる
と、目標のゴム弾性が得られず永久歪も大きくなるおそ
れがあり、またロール加工時に加工しづらいなどの問題
がある。また塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴ
ム(A)が70を下まわり、スチレン/エチレン・ブテン
/スチレンブロック共重合ゴムが30を上まわると、加硫
しても加硫効果が期待できないか加硫困難になり、高温
時の強度が得られず極端に低下する。
(発明の好適な実施態様) 本発明に使用される塩素化エチレン・α−オレフィン
共重合ゴム(A)及びスチレン/エチレン・ブテン/ス
チレンブロック共重合ゴム(B)は、次の通りである。
塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム(A) 塩素含量が20〜40重量%であり、ムーニー粘度[ML
1+4(121℃)]が10〜190である塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴムが使用される。
塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム(A)の
塩素化前のエチレン・α−オレフィン共重合ゴムにおい
て、α−オレフィンとしては炭素数3乃至10のものが好
ましい。とりわけ、プロピレン、1−ブテン、4−メチ
ル−ペンテン−1が好ましい。エチレン/α−オレフィ
ンの組成比は、モル基準で50/50乃至95/5が好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合ゴムは、上記成分の
他に、他の重合可能な成分を共重合していてもよく、特
にエチレン/α−オレフィン単位の総重量100gに対し、
5−ビニル−2−ノルボルネンを最大30mmol含有してい
るのが好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合ゴムは、上記各成分
をランダム重合させて得られたゴム状重合体である。塩
素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴムは上記により
得られたエチレン・α−オレフィン共重合ゴムを塩素化
することにより得られる。
上記共重合ゴムの塩素化は、例えば共重合ゴムを粉砕
して細粒化し、この細粒を水性けん濁状態にして、約70
〜90℃の温度で分子状塩素と接触させる方法、四塩化炭
素、テトラクロルエチレンのような塩素に対して安定な
溶媒中に共重合ゴムを溶解し、均一な溶液状態として分
子状塩素と接触させる方法、あるいはN−クロルアセト
アミド、N−クロルサクシイミド、1,3−ジクロル−5,5
−ジメチルヒダントインのような塩素化合物をロールや
バンバリーミキサーなどで共重合ゴム中に均一に練り込
み、塩素を遊離する温度に加熱する方法などによって行
われ、特に四塩化炭素、クロロホルムなどのハロゲン化
物溶媒中で、ラジカル開始剤の存在下に塩素を吹き込む
方法が、好ましい。
塩素化反応後は、次のようにして処理される。水性け
ん濁状態での塩素化の場合塩素化エチレン・α−オレフ
ィン共重合ゴムは、水洗を行うことにより分子状塩素、
副生する塩化水素を除き、乾燥させる。溶液状態での塩
素化の場合には、反応溶液を過剰のメタノールなどの塩
素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴムの貧溶媒中に
投入し、沈澱物をろ過し、この溶媒で洗浄して乾燥させ
る。
本発明で使用する塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴムは、塩素含量として20〜40重量%、好ましくは
25〜35重量%であり、この範囲の塩素含量になるように
塩素化が行われる。またムーニー粘度[ML1+4(121
℃)]は、成形性、作業性の見地から10〜190、好まし
くは20〜150、さらに好ましくは30〜120のものが使用さ
れる。
スチレン/エチレン・ブテン/スチレンブロック共重合
ゴム(B) 本発明におけるスチレン/エチレン・ブテン/スチレ
ンブロック共重合ゴムは、比重が0.89ないし0.93であ
り、スチレン部分(a)とエチレン・ブテン部分(b)
の重量比が(a)/(b)=20/80乃至35/65であるもの
が使用される。
上記スチレン/エチレン・ブテン/スチレンブロック
共重合ゴムは、その25℃における20重量%トルエン溶液
の粘度が、500乃至5000cps、好ましくは700乃至4000、
さらに好ましくは1000乃至3000のものが用いられる。
次に本発明の加硫可能ゴム組成物について説明する。
加硫可能ゴム組成物 本発明の加硫可能ゴム組成物(以下単にゴム組成物と
いう)においては、塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴム(A)と、スチレン/エチレン・ブテン/スチ
レンブロック共重合ゴムを使用することが、目的達成上
の必須条件である。
塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム(A)と
スチレン/エチレン・ブテン/スチレンブロック共重合
ゴム(B)の配合割合は、本発明のゴム組成物の目的に
応じて広く選択しうるが、重量比で通常(A)/(B)
=95/5乃至70/30の範囲であり、好ましくは90/10乃至80
/20の範囲である。塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴム(A)の割合が95を上まわりスチレン/エチレ
ン・ブテン/スチレンブロック共重合ゴム(B)の割合
が5を下まわると、目標のゴム弾性が得られず永久歪も
大きくなるおそれがある。また塩素化エチレン・α−オ
レフィン共重合ゴム(A)の割合が70を下まわり、スチ
レン/エチレン・ブテン/スチレンブロック共重合ゴム
(B)の割合が30を上まわると、加硫しても加硫効果が
期待できないか加硫困難になる。また高温時の強度が得
られなくなる。
本発明のゴム組成物は、意図する加硫物の用途、それ
に基づく性能に応じて、塩素化エチレン・α−オレフィ
ン共重合ゴム(A)、スチレン/エチレン・ブテン/ス
チレンブロック共重合ゴム(B)に加えて、ゴム製品を
製造する上での加工性および要求性能に応じて、それ自
体公知の配合剤、例えば加硫剤、加硫助剤、ゴム用補強
剤、顔料、充填剤、軟化剤、金属活性化剤、スコーチ防
止剤、塩酸吸収剤、老化防止剤、加工助剤などを配合す
ることができる。
本発明では、ゴム組成物中に占める塩素化エチレン・
α−オレフィン共重合ゴム(A)及びスチレン/エチレ
ン・ブテン/スチレンブロック共重合ゴム(B)の総量
は、意図する加硫物の性能、用途に応じて適宜選択され
るが、通常30重量%以上、好ましくは40重量%以上であ
る。また、塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム
(A)及びスチレン/エチレン・ブテン/スチレンブロ
ック共重合ゴム(B)の総量に対して、本発明の目的の
達成を妨げない範囲内において前記(A),(B)以外
のゴムを加えて使用することもできる。
本発明のゴム組成物の加硫方法としては、トリアジン
加硫、有機過酸化物加硫が適当である。
トリアジン加硫を行う場合、加硫剤としては、下記一
般式(I)で表わされるトリアジン化合物が使用され
る。
(式中、R1は−NR2R3、−OR2または−SR2を表わし、こ
こでR2、R3はそれぞれ水素原子、未置換もしくは置換ア
ルキル基、または未置換もしくは置換アリール基を表わ
すものとする。) で表わされるトリアジンチオール類が使用される。
このような一般式(I)で表されるトリアジンチオー
ル類として具体的には、トリアジン−2,4,6−トリチオ
ール、2−ジブチルアミノトリアジン−4,6−ジチオー
ル、2−フェニルアミノトリアジン−4,6−ジチオー
ル、2−ヘキシルアミノトリアジン−4,6−ジチオー
ル、2−ジエチルアミノトリアジン−4,6−ジチオー
ル、2−ブトキシトリアジン−4,6−ジチオールなどを
挙げることができる。
加硫剤は塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム
(A)とスチレン/エチレン・ブテン/スチレンブロッ
ク共重合ゴム(B)との総量100gに対して1×10-3〜2.
5×10-2モル、好ましくは1.5×10-3〜2×10-2モル、さ
らに好ましくは3×10-3〜1.3×10-2モルの割合で配合
される。加硫剤の配合量が上記範囲よりも小さい場合に
は、好適なゴム弾性を有する加硫物が得られず、また上
記範囲よりも多量に配合すると伸びが低下し、実用に供
し難くなる傾向がある。
加硫剤としてトリアジン化合物を使用するときは加硫
助剤が添加される。加硫助剤は加硫速度を加工成形上実
用的なものとするために添加される。加硫助剤として
は、酸解離定数(pKa)が7以上の有機塩基、あるいは
有機塩基を発生しうる化合物が使用される。
これらの加硫助剤としては、1,8−ジアザ−ビシクロ
(5,4,0)−ウンデセン−7、ラウリルアミン、ベンジ
ルアミン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、
ジシクロヘキシルアミン、ジブチルジチオカルバミン酸
亜鉛、ペンタメチレンジオカルバミン酸ピペリジン塩、
N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェン
アミド、安息香酸・ジシクロヘキシルアミン塩、安息香
酸・ピペリジン塩、ジペンタメチレンチウラムテトラス
ルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ヨウ化
テトラメチルホスホニウム、塩化テトラメチルアンモニ
ウム、臭化テトラブチルホスホニウム、臭化テトラブチ
ルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウムク
ロライドなどのオニウム塩が例示できる。
加硫助剤は、塩素化エチレン・α−オレフィン共重合
ゴム(A)とスチレン/エチレン・ブテン/スチレンブ
ロック共重合ゴム(B)との総量100gに対して5×10-4
〜2×10-2モル、好ましくは1×10-3〜1×10-2モル、
1種単独で或いは2種以上混合して用いられる。
有機過酸化物加硫を行う場合、加硫剤としてはジクミ
ルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチル
ペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベン
ゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(第三ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジ第三ブチル
ペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシ−3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサン、第三ブチルヒドロペルオキシド
を例示できるが、なかでもジクミルペルオキシド、ジ第
三ブチルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシ−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサンが好ましく使用される。
有機過酸化物の使用量は、塩素化エチレン・α−オレ
フィン共重合ゴム(A)とスチレン/エチレン・ブテン
/スチレンブロック共重合ゴム(B)との総量100gに対
して通常3×10-4〜5×10-2モル、好ましくは1×10-3
〜3×10-2モルの範囲に選ぶ。
加硫剤として有機過酸化物を使用するときは、加硫助
剤の併用が好ましい。加硫助剤としては硫黄、p−キノ
ンジオキシムなどのキノンジオキシム系、ポリエチレン
グリコールジメタクリレートなどのメタクリレート系、
ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレートなどのア
リル系、その他マレイミド系、ジビニルベンゼンなどが
例示される。
このような加硫助剤は、使用する有機過酸化物1モル
に対し1/2乃至2モル、好ましくは約等モル使用する。
ゴム用補強剤としては、例えばSRF、GPF、FEF、MAF、
HAF、ISAF、SAF、FT、MTなどの各種カーボンブラック、
微粉けい酸などが適宜用いられる。
顔料としては、公知の無機顔料(例えばチタンホワイ
ト)、有機顔料(例えばナフトール・グリーンB)が使
用される。
充填剤としては、例えば軽質炭酸カルシウム、重質炭
酸カルシウム、タルク、クレーなどが用いられる。これ
らの補強剤、顔料および充填剤は、いずれも塩素化エチ
レン・α−オレフィン共重合ゴム(A)とスチレン/エ
チレン・ブテン/スチレンブロック共重合ゴム(B)と
の総量100重量部に対して通常200重量部以下、好ましく
は150重量部以下の量で配合される。
また軟化剤としては、例えばプロセスオイル、潤滑
油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、
ワセリンなどの石油系物質、コールタール、コールター
ルピッチなどのコールタール類、ヒマシ油、アマニ油、
ナタネ油、大豆油、ヤシ油などの脂肪油、トール油、蜜
ロウ、カルナウバロウ、ラノリンなどのロウ類、リシノ
ール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バ
リウム、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸、または
その金属塩、ナフテン酸またはその金属塩、パイン油、
ロヂンまたはその誘導体、テルペン樹脂、石油樹脂、ク
マロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン、可
塑剤例えばジオクチルフタレート、ジオクチルアジペー
ト、ジオクチルセバケードなどのエステル系可塑剤、そ
の他マイクロクリスタリンワックス、サブ(ファクチ
ス)、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、
液状チオコール等を挙げることができる。
これらの軟化剤は、一般に塩素化エチレン・α−オレ
フィン共重合ゴム(A)とスチレン/エチレン・ブテン
/スチレンブロック共重合ゴム(B)との総量100重量
部当たり100重量部以下、好ましくは70重量部以下の量
で適宜配合される。
金属活性化剤として、酸化マグネシウム、高級脂肪酸
亜鉛、鉛丹、リサージ、酸化カルシウム等を使用し得
る。これらの金属活性化剤は、塩素化エチレン・α−オ
レフィン共重合ゴム(A)とスチレン/エチレン・ブテ
ン/スチレンブロック共重合ゴム(B)との総量100重
量部に対して3〜15重量部、好ましくは5〜10重量部の
範囲で使用するのがよい。
スコーチ防止剤としては公知のスコーチ防止剤を用い
ることができ、無水マレイン酸、チオイミド系化合物、
スルフェンアミド系化合物、スルホンアミド系化合物な
どを例示できる。上記成分は通常、塩素化エチレン・α
−オレフィン共重合ゴム(A)とスチレン/エチレン・
ブテン/スチレンブロック共重合ゴム(B)との総量10
0重量部に対して0.2〜5重量部、好ましくは0.3〜3重
量部の割合で用いられる。
塩酸吸収剤としては、周期律表第II A族金属の有機酸
塩たとえば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸
カルシウム、マナセアイト、ハイドロタルサイト、エポ
キシ化大豆油、エポキシ系塩酸吸収剤などが例示でき
る。これらの塩酸吸収剤は塩素化エチレン・α−オレフ
ィン共重合ゴム(A)とスチレン/エチレン・ブテン/
スチレンブロック共重合ゴム(B)との総量100重量部
当り2重量部以下の量で適宜配合することができる。
また本発明のゴム組成物は、老化防止剤を使用しなく
ても耐老化性、耐久性に優れているので老化防止剤を使
用しないこともできるが、なお老化防止剤を使用すれ
ば、本発明のゴム組成物を用いた製品の材料寿命を永く
することが可能であることも通常のゴムにおける場合と
同様である。この場合に使用される老化防止剤として
は、例えばフェニルナフチルアミン、N,N′−ジ−2−
ナフチル−p−フェニレンジアミンなどの芳香族第二ア
ミン系、ジブチルヒドロキシトルエン、テトラキス[メ
チレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒド
ロキシンナメート]メタンなどのフェノール系安定剤、
ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピ
オニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル]スルフィド
などのチオエーテル系安定剤、ジブチルジチオカルバミ
ン酸ニッケルなどのジチオカルバミン酸塩系安定剤など
が単独あるいは2種以上の併用で配合される。
このような老化防止剤の使用量は、塩素化エチレン・
α−オレフィン共重合ゴム(A)とスチレン/エチレン
・ブテン/スチレンブロック共重合ゴム(B)との総量
100重量部に対して通常0.1〜5重量部、好ましくは0.5
〜3重量部の割合に選ぶ。
次に加工助剤としては、通常のゴムの加工に使用され
るものが使用でき、リシノール酸、ステアリン酸、パル
ミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸バリウム、ステア
リン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、上記酸のエステ
ル類など、高級脂肪酸、その塩およびそのエステル類な
どを例示できる。これらの加工助剤は通常の場合には、
塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム(A)とス
チレン/エチレン・ブテン/スチレンブロック共重合ゴ
ム(B)との総量100重量部に対して約10重量部まで、
好ましくは約1〜5重量部用いられる。
本発明の加硫可能ゴム組成物は、例えば次のような方
法で調製することができる。
塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム、スチレ
ン/エチレン・ブテン/スチレンブロック共重合ゴム及
び補強剤、顔料、充填剤、軟化剤などの添加剤をバンバ
リーミキサーの如きミキサー類を用いて約80〜170℃の
温度で約3〜10分間混練した後、加硫剤、加硫助剤をオ
ープンロールの如きロール類を用いて追加混合し、ロー
ル温度約40〜80℃で約5〜30分間混練して分出し、リボ
ン状またはシート状のゴム配合物を調製する。
或いは、塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴ
ム、スチレン/エチレン・ブテン/スチレンブロック共
重合ゴム及び配合剤を約80〜100℃に加熱された押出機
に直接供給し、滞留時間を約0.5〜5分間とることによ
り、ペレット状のゴム配合物を調製することもできる。
このようにして調製された未加硫ゴム配合物は、例え
ば押出成形機、カレンダーロール、プレスなどにより所
望の形状に成形され、成形と同時にまたはその成形品を
加硫槽内で、通常約150〜270℃の温度に約1〜30分間加
熱する方法により加硫される。
加硫槽としては、スチーム加硫かん、熱空気加熱槽、
ガラスビーズ流動床、溶融塩加硫槽、マイクロ波加硫槽
などが単独あるいは組合わせて使用される。
加硫物はそのもの自体でも電気絶縁材、自動車工業部
品、工業用ゴム製品、土木建材用品、ゴム引布などとし
て有用である。
電気絶縁材としてはプラグキャップ、イグニッション
キャップ、ディストリビュータキャップなどの自動車エ
ンジン周辺のキャップ類、コンデンサーキャップ、舶用
電線、自動車用イグニッションケーブルなどの電線の通
電部を円筒状に被覆した絶縁層、ケーブルジョイントカ
バーなどに具体的に使用される。
自動車工業部品としては、ラジェーターホース、フュ
ーエルホースなどのホース類、またバンパー、バンパー
フィラー、バンパーストリップ、バンパーサイドガー
ド、オーバーライダー、サイドプロテクションモールな
どの自動車外装部品、各種ウェザーストリップ類、ブー
ツ、ボールジョイントシール、各種防振ゴムなどに使用
できる。
工業用ゴム製品としては、ロール、パッキング、ライ
ニング、ベルトなどに使用できる。
また土木建材用としては、ルーフィングシート、耐熱
ベルト、建築用ガスケット、ハイウェイジョイントシー
ルなどに使用される。
ゴム引布としては、防水布、天幕、レジャーシートな
どに使用される。
更に、加硫に先立ってゴム配合物中に発泡剤および必
要に応じて発泡助剤を配合し、断熱材、クッション材、
シーリング材、防音材、電気絶縁材などに使用し得る発
泡加硫物とすることもできる。
発泡剤としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、
亜硝酸アンモニウムなどの無機発泡剤;N,N′−ジメチル
−N,N′−ジニトロソテレフタルアミド、N,N′−ジニト
ロソペンタメチレンテトラミンなどのニトロソ化合物;
アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、
アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、
アゾジカルボン酸バリウムなどのアゾ化合物;ベンゼン
スルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジ
ド、p,p′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド)、ジフェニルスルホン−3,3′−ジスルホニルヒド
ラジドなどのスルホニルヒドラジド化合物;カルシウム
アジド、4,4′−ジフェニルジスルホニルアジド、p−
トルエンスルホニルアジドなどのアジド化合物が挙げら
れ、特にニトロソ化合物、アゾ化合物およびアジド化合
物が好んで使用される。
これらの発泡剤は、塩素化エチレン・α−オレフィン
共重合ゴムとスチレン/エチレン・ブテン/スチレンブ
ロック共重合ゴムとの総量100重量部当たり通常約0.5〜
30重量部、好ましくは約1〜20重量部の割合で配合さ
れ、一般に見掛比重約0.03〜0.7程度の発泡体を形成さ
せる。
発泡剤と共に使用することもできる発泡助剤として
は、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸などの有機酸
あるいは尿素またはその誘導体などが使用され、発泡剤
の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化などの働き
を示す。
(効果) 本発明の加硫可能ゴム組成物は、前記した通り必須成
分として塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム
(A)とスチレン/エチレン・ブテン/スチレンブロッ
ク共重合ゴム(B)とを、重量基準で(A)/(B)=
95/5乃至70/30の割合で含有することにより、両者の優
れた特長を活かし、欠点を補い、その相乗作用効果とし
てゴム弾性、耐熱老化性、耐油性、耐退色性、耐寒性に
優れ、且つ実用的な加硫速度を与え、高温度時の強度の
低下のないゴム組成物で、しかもより高い製品寿命を持
ち価格的にも実用的なゴム組成物を得ることができる。
本発明のゴム組成物は、このように優れた物性を有す
るので前記したように電気絶縁材、自動車工業部品、工
業用ゴム製品、土木建材用品、ゴム引布などに有効に使
用することができる。
(実施例) 次に実施例及び比較例により本発明を説明する。
実施例1 次の手順で本発明の加硫可能ゴム組成物を作製し、試
験に供した。
まず表−1に示す配合例を4.3バンバリーミキサー
(神戸製鋼社製)で5分間混練しダンプアウトする。つ
いでダンプアウトした混練物を14インチオープンロール
(日本ロール社製)に巻き付けた。この時、ロール表面
温度は、前ロール60℃、後ロール70℃であった。このオ
ープンロール上で表−2に示す配合剤を添加し2分間混
練した後、厚さ約3mmでシート出しした。
この配合ゴムを用い、JIS K 6300未加硫ゴム物理試験
方法に従って、125℃でムーニースコーチ試験を行いム
ーニースコーチ時間t5を測定した。
更に、この配合ゴムを160℃−20分間でプレス加硫し2
mm厚の加硫ゴムシートを作製した。この加硫ゴムシート
を用い、JIS K 6301加硫ゴム物理試験方法に従って25℃
雰囲気下で引張強さ、伸び及び永久伸びを測定し、更に
80℃雰囲気下で引張強さ及び伸びを測定した。これらの
測定結果を、表−3に示す。
実施例2 実施例1において塩素化エチレン・1−ブテン共重合
ゴムとスチレン/エチレン・1−ブテン/スチレンブロ
ック共重合ゴムの比率を90/10から75/25にした以外は、
実施例1と同様に行った。それらの測定結果を表−3に
示す。
比較例1 実施例1において塩素化エチレン・1−ブテン共重合
ゴムとスチレン/エチレン・1−ブテン/スチレンブロ
ック共重合ゴムの比率を90/10から塩素化エチレン・1
−ブテン共重合のみにした以外は、実施例1と同様に行
った。
それらの結果を表−3に示す。
比較例2 実施例1において塩素化エチレン・1−ブテン共重合
ゴムとスチレン/エチレン・1−ブテン/スチレンブロ
ック共重合ゴムの比率を90/10から50/50にした以外は、
実施例1と同様に行った。
それらの結果を表−3に示す。
比較例3 実施例1において塩素化エチレン・1−ブテン共重合
ゴムとスチレン/エチレン・1−ブテン/スチレンブロ
ック共重合ゴムの比率を90/10からスチレン/エチレン
・1−ブテン/スチレンブロック共重合ゴムのみにした
以外は、実施例1と同様に行った。
それらの結果を表−3に示す。
実施例3 実施例1においてスチレン/エチレン・1−ブテン/
スチレンブロック共重合ゴムとして下記のものを用いた
以外は、実施例1と同様に行った。それらの結果を表3
に示す。
商品名 クレイトンG1651、Shell社製 比重:0.91、スチレン/エチレン・1−ブテン(重量
比):28/72
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08L 53/00 - 53/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩素含量が20〜40重量%であり、ムーニー
    粘度[ML1+4(121℃)]が10〜190である塩素化エチレ
    ン・α−オレフィン共重合ゴム(A)と、スチレン/エ
    チレン・ブテン/スチレンブロック共重合ゴム(B)を
    必須成分とし、塩素化エチレン・α−オレフィン共重合
    ゴム(A)とスチレン/エチレン・ブテン/スチレンブ
    ロック共重合ゴム(B)とが重量基準で、(A)/
    (B)=95/5乃至70/30の割合で含有することを特徴と
    する加硫可能ゴム組成物。
  2. 【請求項2】塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴ
    ム(A)の塩素化前のエチレン・α−オレフィン共重合
    体のα−オレフィンが、炭素数で3乃至10であり、エチ
    レンとα−オレフィンとの割合が、モル基準でエチレン
    /α−オレフィン=75/25乃至95/5であることを特徴と
    する請求項第1項記載の加硫可能ゴム組成物。
  3. 【請求項3】スチレン/エチレン・ブテン/スチレンブ
    ロック共重合ゴム(B)の比重が0.89乃至0.93であり、
    スチレン部分(a)とエチレン・ブテン部分(b)の重
    量比が(a)/(b)=20/80乃至35/65であることを特
    徴とする請求項第1項記載の加硫可能ゴム組成物。
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