JP2812884B2 - 穴加工装置 - Google Patents

穴加工装置

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JP2812884B2
JP2812884B2 JP23883994A JP23883994A JP2812884B2 JP 2812884 B2 JP2812884 B2 JP 2812884B2 JP 23883994 A JP23883994 A JP 23883994A JP 23883994 A JP23883994 A JP 23883994A JP 2812884 B2 JP2812884 B2 JP 2812884B2
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國雄 安心院
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、円筒状の穴加工用工具
の回転駆動により金属板や壁板等に円穴を加工する穴加
工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】いわゆるホールソーをはじめとする穴加
工用工具は、その先端面に刃部を有しており、この穴加
工用工具を所定の工具取付部に装着するとともに、この
工具取付部の中心から先方へ中心位置決め用のセンター
ドリルを突出させた状態でこの工具取付部とともに上記
穴加工用工具を高速回転駆動することにより、上記刃部
で金属板やモルタル壁等に円形状の孔を開けることがで
きるようになっている。ここで、上記穴加工用工具は上
記工具取付部に一体的に固定しても良いが、この穴加工
用工具の形状や寸法、材質は、孔開け対象物の材質や板
厚によって変更する必要がある一方、上記工具取付部と
してはほとんど全ての場合に単一種のものを共用できる
ので、一般に上記穴加工用工具は工具取付部に対して着
脱可能に構成され、用途に応じて交換できるように配慮
がなされている。
【0003】従来、上記穴加工用工具が工具取付部に着
脱可能に装着される穴加工用装置としては、工具取付部
の先端に雄ねじ部を形成する一方、穴加工用工具のつけ
根部の内周面に雌ねじを形成し、両ねじを螺合するもの
が良く知られている(例えば実開昭55−169309
号公報参照)。しかし、この構造では、使用中(すなわ
ち穴加工用工具の高速回転中)、上記工具取付部にかな
り大きな駆動トルクが加えられ、その反力が孔開け対象
物から穴加工用工具に作用するため、両者の螺合部分が
非常に固く締め付けられた状態となり、この螺合を緩め
るのに極めて大きな力が必要で、取外し作業が非常に困
難となる欠点がある。
【0004】そこで、特開平5−131312号公報で
は、上記穴加工用工具の中心部に上記センタードリルが
挿通可能な挿通孔を設けるとともに、この穴加工用工具
の軸方向略中間部位の外周部にフランジ部を形成してこ
のフランジ部に軸方向のねじ孔を開け、上記挿通孔に上
記センタードリルを挿通するとともに、上記工具取付部
(同公報ではドライブカラー)に軸方向に挿通したボル
トの先端を上記ねじ孔に螺合挿入することにより、上記
工具取付部と穴加工用工具とを着脱可能に連結したもの
が示されている。
【0005】このような構造によれば、使用時に工具取
付部や穴加工用工具に加えられるトルクが、取付部材で
ある上記ボルトにはその回転力として作用しないため、
このボルトと上記ねじ孔とが過剰な力で締め付けられる
ことがない。従って、上記穴加工用工具を交換する際に
は、普通の力で上記ボルトを緩め、上記ねじ孔から抜き
取ることが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記公報の装置では、
穴加工用工具を装着する際、工具取付部側のボルト挿通
孔の位置とフランジ部側のねじ孔の位置とが精度良く合
致しなければならず、両者の位置が一定以上ずれるとボ
ルトによる締結が不能となる。従って、上記ねじ孔の加
工の際にはその加工位置に高い精度が要求され、その分
コストアップは免れ得ない。また、ねじ孔が正確な位置
に形成されていても、穴加工用工具の装着の際には、上
記ボルト挿通孔とねじ孔とを正確に合致させる作業が必
要であり、装着も面倒である。
【0007】本発明は、このような事情に鑑み、安価な
構造で、しかも工具取付部への穴加工用工具の装着が容
易な穴加工装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は、駆動源に連結された工具取付
部に、円筒状の穴加工用工具が着脱可能に装着される穴
加工装置において、軸部が側方に突設された複数のナッ
ト部材を備えるとともに、上記穴加工用工具のつけ根部
に上記工具取付部に嵌合される円筒状の嵌合部を設け、
この嵌合部の側壁に複数の軸挿通孔を周方向に並設し、
各軸挿通孔に上記軸部を遊嵌状態で工具半径方向に挿通
してかつ抜き取り不能に構成し、上記工具取付部におい
て各ナット部材に対応する位置にこの工具取付部を工具
軸方向に貫通するボルト挿通孔を設け、各ボルト挿通孔
に挿通されたボルトが上記ナット部材に螺合されること
により上記嵌合部が工具取付部に締結されるように構成
したものである(請求項1)。
【0009】より具体的には、上記ナット部材を上記嵌
合部の径方向内側に配し、上記工具取付部に上記嵌合部
が外嵌可能となるように構成してもよいし(請求項
2)、上記ナット部材を上記嵌合部の径方向外側に配
し、上記工具取付部に上記嵌合部が嵌入可能となるよう
に構成してもよい。(請求項3)。
【0010】これらの場合、上記工具取付部において各
ボルト挿通孔が設けられている位置に、上記ナット部材
が嵌入される嵌入凹部を形成すれば、より好ましく(請
求項4)、さらに、上記ナット部材をその軸部から見た
形状を円形以外の形状とし、このナット部材のねじ孔が
上記ボルト挿通孔を向く状態でこのナット部材が嵌入可
能となるように上記嵌入凹部の形状を設定することによ
り、後述のようなより優れた効果が得られる(請求項
5)。
【0011】また本発明は、駆動源に連結された工具取
付部に、円筒状の穴加工用工具が着脱可能に装着される
穴加工装置において、軸部が側方に突設された複数のナ
ット部材を備えるとともに、上記穴加工用工具のつけ根
部に上記工具取付部に嵌合される円筒状の嵌合部を設
け、上記工具取付部にこの工具取付部を工具軸方向に貫
通する複数の軸挿通孔を周方向に並設し、各ナット部材
の軸部を工具先端側から工具軸方向に各軸挿通孔に遊嵌
状態で挿通してかつ抜き取り不能に構成し、上記嵌合部
の側壁において各ナット部材に対応する位置にこの嵌合
部を工具半径方向に貫通するボルト挿通孔を設け、各ボ
ルト挿通孔に挿通されたボルトが上記ナット部材に螺合
されることにより上記嵌合部が工具取付部に締結される
ように構成したものである(請求項6)。
【0012】上記各装置では、上記軸挿通孔及び軸部の
断面形状を、円以外の形状であってナット部材の回動を
このナット部材のねじ穴が上記ボルト挿通孔を向く角度
を含む一定の角度範囲内に制限する形状に設定するの
が、より好ましい(請求項7)。
【0013】また、互いに加工径の異なる複数の穴加工
用工具を備えるとともに、各穴加工用工具を、先端に刃
部を有し、かつ、上記加工径に対応する直径をもつ円筒
状の工具本体と、軸方向一端に上記嵌合部が形成された
スペーサとを組み合わせて構成し、このスペーサの軸方
向他端に上記工具本体を結合することにより、後述のよ
うなより優れた効果が得られる(請求項8)。この場
合、上記工具本体のみ工具鋼で形成すれば、より有効で
ある(請求項9)。
【0014】
【作用】請求項1記載の装置によれば、穴加工用工具の
嵌合部を工具取付部に嵌合し、工具取付部に設けられた
ボルト挿通孔にボルトを工具軸方向に通して穴加工用工
具のナット部材に螺合することにより、穴加工用工具と
工具取付部とを着脱可能に締結できる。ここで、上記ナ
ット部材は、その軸部が嵌合部側壁の軸挿通孔に遊嵌さ
れた状態で穴加工用工具に取付けられているので、この
穴加工用工具に対して一定の範囲内で相対移動が可能で
ある。従って、このナット部材の取付位置に多少誤差が
あっても、この誤差を上記相対移動によって吸収でき、
ボルト挿通孔に通したボルトを不都合なくナット部材に
螺合できる。
【0015】この装置では、上記螺合を行うのに上記ナ
ット部材のねじ孔の位置とボルト挿通孔のねじ孔の位置
とを略合致させる必要があるが、ここで請求項4記載の
穴加工装置では、上記工具取付部と穴加工用工具の嵌合
部とを嵌合する際、上記工具取付部に形成された嵌入凹
部に上記ナット部材を嵌入することにより、このナット
部材のねじ孔と工具取付部側のボルト挿通孔とが略合致
する相対角度位置に工具取付部と穴加工用工具とを自動
的に位置決めでき、そのままボルトの挿入、螺合をする
ことが可能である。
【0016】さらに、請求項5記載のように、上記ナッ
ト部材をその軸部から見た形状を円形以外の形状とし、
このナット部材のねじ孔が上記ボルト挿通孔を向く状態
でこのナット部材が嵌入可能となるように上記嵌入凹部
の形状を設定すれば、この嵌入によってナット部材のね
じ孔を自動的にボルト挿通孔へ向けることができ、その
後の螺合作業がより楽になる。
【0017】請求項6記載の装置では、穴加工用工具の
嵌合部を工具取付部に嵌合し、嵌合部に設けられたボル
ト挿通孔にボルトを工具半径方向に通して工具取付部側
のナット部材に螺合することにより、穴加工用工具と工
具取付部とを着脱可能に連結できる。しかも、上記ナッ
ト部材の軸部が工具取付部の軸挿通孔に遊嵌されていて
ナット部材が工具取付部に対し一定の範囲内で相対移動
可能であるため、ナット部材の取付位置に多少誤差があ
っても、ボルト挿通孔に通したボルトを不都合なくナッ
ト部材に螺合できる。
【0018】上記各装置において、軸挿通孔もしくは軸
部の断面形状が円形である場合、軸部を略中心としてナ
ット部材が360°回転可能となるため、このナット部
材のねじ孔の向きが定まらず、螺合作業に困難が生じる
おそれがあるが、請求項7記載のように、上記軸挿通孔
及び軸部の断面形状を、円以外の形状であってナット部
材の回動をこのナット部材のねじ孔が上記ボルト挿通孔
を向く角度を含む一定の角度範囲内に制限する形状にす
れば、常にナット部材のねじ孔を概ねボルト挿通孔に向
けておくことが可能であり、螺合作業はより円滑にな
る。
【0019】上記各装置において、互いに加工径の異な
る複数種の穴加工用工具を備え、これらの穴加工用工具
を共通の工具取付部に装着しようとする場合、各穴加工
用工具には、上記加工径に対応する直径をもつ円筒状の
工具本体部と、この工具本体部と径の異なる円筒状の嵌
合部とを形成する必要がある。ここで、両者を一体成形
しようとすると、穴加工用工具全長にわたって中ぐり加
工を施す必要が生じるのに対し、請求項8記載のよう
に、上記穴加工用工具を、円筒状の工具本体と、上記嵌
合部をもつスペーサとに分け、このスペーサにおいて上
記嵌合部と反対側の端部に工具本体を固定するようにす
れば、上記工具本体には既製のパイプ材をそのまま利用
でき、中ぐり加工を施すのは上記スペーサだけですむ。
従って、上記一体成形の場合に比べて材料除去量が減
り、工数も減り、その分コストは大幅に下がる。
【0020】さらに、この構成では、請求項9記載のよ
うに上記穴加工用工具のうち工具本体にのみ工具鋼を用
い、スペーサには通常の構造材料(例えばステンレス
鋼)を用いることにより、穴加工用工具全体を工具鋼で
形成する場合に比べてより安価になる。
【0021】
【実施例】本発明の第1実施例を図1〜図5に基づいて
説明する。
【0022】図1〜3において、10は穴加工用工具1
2の工具取付部を構成する筒状のドライブカラーであ
り、このドライブカラー10の内周面に雌ねじ14が刻
まれている。この雌ねじ14には、外周面に雄ねじ15
をもつシャンク16が捩じ込まれ、このシャンク16は
図略の回転駆動源に連結されている。このシャンク16
の中央部には先方から中心位置決め用のセンタードリル
18が差し込まれ、シャンク16に側方から挿入される
抜け止め部材(図示せず)によってこのシャンク16に
回転不能に固定されている。
【0023】上記ドライブカラー10の下面からは下方
にリブ20が突設されている。このリブ20は、図3に
示すように、ドライブカラー10の本体部の直径よりも
少し小さい外径do と、これよりも小さい内径di とを
有する筒状とされている。このリブ20において、互い
に周方向に180°離間する位置には、半径方向に延び
る嵌入溝(嵌入凹部)22が形成されている。そして、
これらの嵌入溝22が設けられている位置に、ドライブ
カラー10を工具軸方向に貫通するボルト挿通孔17が
設けられている。
【0024】なお、図1及び図3において19は、後述
の加工の際に工具内側に詰まった切粉を押し出すための
貫通孔である。
【0025】一方、穴加工用工具12は、工具本体24
とスペーサ26とからなっている。
【0026】工具本体24には、工具鋼からなりかつ所
望の加工径D1(図2)に対応する管径をもつパイプ材
がそのまま利用されている。工具本体24の先端(図1
では下端)には刃部24aが形成され、この工具本体2
4が回転駆動された状態で板材等の加工対象物に押付け
られることにより、穿孔が行われるようになっている。
【0027】スペーサ26は、ステンレス鋼等の構造材
料により全体が一体に形成されており、半径方向の肉厚
が大きい工具固定部27と、同肉厚の小さい嵌合部28
とが連設されている。このスペーサ26の内径do´
は、上記リブ20の外径do よりも僅かに大きい寸法に
設定され、上記嵌合部28がリブ20に外嵌可能となっ
ている。上記工具固定部27の外周面には段部27aが
形成され、この段部27aに上記工具本体24の基端部
が外嵌され、溶接等で固定されている。そして、上記嵌
合部28にナット部材30が取付けられている。
【0028】このナット部材30は、略立方体状の本体
部を有し、この本体部にねじ孔が貫設されるとともに、
本体部側面には側方に軸部32が突設されている。すな
わち、この軸部32から見たナット部材本体の形状は略
正方形となっている。軸部32自体の断面形状は、円形
以外の形状とされ、この実施例では、図4,図5に示す
ように曲率半径の大きい2つの円弧を上下に組み合わせ
た形状を有している。
【0029】これに対し、嵌合部28において互いに1
80°離間する2つの位置には、この嵌合部28を半径
方向に貫通する軸挿通孔28aが設けられている。この
軸挿通孔28aは横に長い小判状をなし、その長径(横
方向の長さ)が上記軸部32の長径(軸部32の頂点同
士の距離)よりも僅かに大きい寸法に設定されている。
そして、この軸挿通孔28aに上記軸部32が内側から
径方向内側から遊嵌され、軸部32の先端に抜け止めピ
ン34が直径方向に貫設されることにより、軸部32の
抜け止めがなされている。
【0030】従って、各ナット部材30の本体は嵌合部
28よりも径方向内側に位置し、軸部32の外周面と軸
挿通孔28aの内周面との隙間分だけ上下左右に少量だ
け移動可能となっている。また、ナット部材30は上記
軸部32を略中心として回動可能であるが、上記のよう
に軸部32及び軸挿通孔28aの断面が異形断面とされ
ている関係から、上記ナット部材30の回動範囲は、そ
のねじ孔が上下を向く角度を中心とする微小の角度範囲
(図5に二点鎖線で示す範囲)に制限されている。
【0031】そして、このナット部材30のねじ孔が上
下を向く状態で上記ドライブカラー10の嵌入溝22内
にナット30が嵌入可能となるように、これら嵌入溝2
2の幅寸法が設定されている。
【0032】この構造によれば、次の要領で上記穴加工
用工具12をドライブカラー10に対して着脱できる。
【0033】まず、ドライブカラー10のボルト挿通孔
17aにナット部材30がほぼ対向する角度まで穴加工
用工具12を回し、上記ナット部材30を上記ドライブ
カラー10の嵌入溝22に嵌入するようにしながら、円
筒状の嵌合部28をドライブカラー10のリブ20の外
側に嵌める。このとき、上記ナット部材30と嵌入溝2
2との嵌合により、上記ナット部材30のねじ孔とボル
ト挿通孔17とがほぼ合致する相対角度位置にドライブ
カラー10と穴加工用工具12とが位置決めされ、ナッ
ト部材30のねじ孔は自動的にボルト挿通孔17に向く
(すなわち上を向く)。
【0034】従って、この状態のまま、ボルト挿通孔1
7にボルト36を工具軸方向に通しながら上記ナット部
材30に螺合でき、この螺合によってドライブカラー1
0と穴加工用工具12とを容易に締結できる。このと
き、ナット部材30のねじ孔の位置とボルト挿通孔17
の位置との間に少々のずれがあっても、ナット部材30
の軸部32と軸挿通孔28aとの隙間分だけナット部材
30が微動できるので、上記螺合は可能である。
【0035】このようにしてドライブカラー10に穴加
工用工具12を固定した状態で両者を一体に回転駆動
し、壁板等の加工対象物に押付ければ、まずセンタード
リル18が上記加工対象物を削ることにより穴加工位置
を決め、その後上記穴加工用工具12が上記ドリル18
の周囲を削ることにより、径D1をもつ穴を掘削でき
る。
【0036】なお、穴加工用工具12を交換する際に
は、上記ボルト36を緩めてナット部材30のねじ孔か
ら抜き取ることにより、穴加工用工具12をドライブカ
ラー10から容易に取外すことができる。
【0037】以上のように、本実施例の装置では、ナッ
ト部材30の軸部32を嵌合部28の軸挿通孔28aに
遊嵌した状態でナット部材30を嵌合部28に取付け、
微小な範囲でナット部材30が嵌合部28に対して相対
移動できるようにしているので、その取付位置に多少の
誤差があっても、ボルト挿通孔17に通したボルト36
を上記ナット部材30に螺合できる。従って、装置の組
立てに要する手間が少なく、その分装置を低廉化でき
る。また、穴加工用工具12をドライブカラー10に装
着する際も、従来のようにボルト挿通孔17とねじ孔と
を厳密に合致させる必要がないので、装着作業も容易化
される。
【0038】さらに、この実施例では、上記ドライブカ
ラー10に嵌入溝22を設け、この嵌入溝22にナット
部材30が嵌入された状態でこのナット部材30のねじ
孔位置とボルト挿通孔17とが合致するようにしている
ので、上記嵌入操作により、上記ねじ孔とボルト挿通孔
17との位置合せを自動的に行うことができ、装着作業
能率をさらに向上させることができる。
【0039】特に、この実施例では、上記ナット部材3
0の本体形状を略立方体状とし、このナット部材30が
上記嵌入溝22に嵌入された状態でナット部材30のね
じ孔がほぼボルト挿通孔17を向く(すなわち上下を向
く)ようにしているので、ねじ孔の向きも自動的に定め
ることができる。
【0040】また、この実施例では、互いに加工径の異
なる複数種の穴加工用工具12を用意し、これらを共通
のドライブカラー10に着脱可能に装着し、用途に応じ
て適宜交換することも可能である。
【0041】例えば、図6に示すように、上記加工径D
1(図2)よりも小さい加工径D2をもつ穴加工用工具
12であってかつ工具本体24の内径がスペーサ内径d
o´よりも大きい穴加工用工具12を装着する場合に
は、嵌合部28の径は上記図2と同じで工具固定部27
の半径方向厚み寸法が図2より小さいスペーサ26を用
いれば良いし、図7に示すように加工径D3が上記加工
径D2よりもさらに小さく、工具本体24の内径が上記
スペーサ内径do´と等しい場合には、このスペーサ2
6を省略して工具本体24の側壁に直接軸挿通孔24b
を形成し、この軸挿通孔24bに軸部32を挿通してナ
ット部材30を直接工具本体24に取付けるようにすれ
ばよい。
【0042】さらに、図8に示すように、加工径D4が
上記加工径D3よりもさらに小さく、工具本体24の内
径が上記リブ20の外径doより小さい場合でも、同図
に示すように外径di´がリブ20の内径di よりも僅
かに小さい嵌合部28をもつスペーサ26を用い、上記
嵌合部28が上記リブ20の内側に嵌入されるように構
成するとともに、ナット部材30の軸部32を上記嵌合
部28の軸挿通孔28aに対して径方向外側から遊嵌
し、ナット部材30の本体を上記嵌合部28よりも径方
向外側に配するようにすれば、ドライブカラー10への
穴加工用工具12の装着を実現できる。
【0043】なお、このような嵌合構造をとる際、穴加
工用工具12全体を一体成形することも可能であるが、
この場合、筒状をなす穴加工用工具12の全長にわたっ
てその内側面を中ぐり加工しなければならないのに対
し、上記実施例で示したように穴加工用工具12を工具
本体24とスペーサ26とに分け、両者を溶接等で連結
するようにすれば、工具本体24には既製のパイプ材を
そのまま使用でき、上記中ぐり加工はスペーサ26のみ
に施せばよいことになるので、上記のような一体成形の
場合に比べ、中ぐり加工による材料除去量を大幅に減ら
し、また、工数も減らすことができ、コストを大幅に下
げることが可能になる。さらに、このような分割の構成
にすれば、工具本体24にのみ高価な工具鋼を用い、ス
ペーサ26にはその他の安価な構造材料(ステンレス
鋼)等を使用するといったことも可能であり、これによ
ってコストをさらに下げることができる。
【0044】第2実施例を図9に示す。この実施例で
は、ドライブカラー10側に工具軸方向(図では上下方
向)の軸挿通孔38が設けられ、この軸挿通孔38に前
記第1実施例で示したナット部材30の軸部32が下方
から遊嵌されており、その上端で抜け止めピン34によ
り抜け止めされている。そして、嵌合部28に半径方向
のボルト挿通孔28bが設けられ、このボルト挿通孔2
8bに対して半径方向に通したボルト36を上記ナット
部材30のねじ孔に螺合することにより、ドライブカラ
ー10と穴加工用工具12との締結が行われるようにな
っている。
【0045】この構造でも、ナット部材30はドライブ
カラー10に対して微小範囲で相対移動でき、このナッ
ト部材30に対してボルト36を容易に螺合することが
できる。
【0046】なお、本発明は以上の実施例に限定される
ものでなく、例として次のような態様をとることも可能
である。
【0047】(1) 本発明において、ナット部材の軸部及
び軸挿通孔の形状は問わず、これらを円形にしてもよ
い。ただし、この場合、ナット部材が軸部を略中心とし
て自由に回転するため、ナット部材のねじ孔の方向が定
まらず、螺合作業に困難を伴うおそれがあるのに対し、
上記実施例のように軸部32及び軸挿通孔28bを異形
断面とし、ナット部材30の回動範囲をこのナット部材
30のねじ孔が上記ボルト挿通孔17へ向く角度を含む
一定の角度範囲内に制限するようにすれば、装着作業を
さらに容易化できる利点がある。また、このように回動
範囲を規制する場合も、軸部32及び軸挿通孔28bの
形状は図5に示したものに限らず、例えば双方を楕円に
したり矩形にしたりしても、回動範囲の制限が可能であ
る。
【0048】また、ナット部材30の本体部の形状も、
上記のような立方体に限られず、軸部32から見た形状
が円以外の形状であって、嵌入溝22内に嵌入された状
態でナット部材30の回動が規制されるものであればよ
く、例えばドライブカラー10側に近づくに従って断面
積が減少する円錐状や角錐状に形成し、上記嵌入溝22
により嵌入され易くすることも可能である。
【0049】(2) 本発明において、ナット部材30の軸
部32を遊嵌状態で抜け止めする手段は特に問わず、上
記抜け止めピン34の使用の他、軸部32の先端部をか
しめて拡径したり、この先端部に止め輪を装着したりし
てもよい。
【0050】(3) 本発明において、ナット部材30を3
個以上設けてもよく、このナット部材30を増やす場合
には、その個数分だけボルト挿通孔や嵌入凹部の数も増
やすようにすればよい。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明は、ナット部材の軸
部を穴加工用工具の嵌合部もしくは工具取付部に形成さ
れた軸挿通孔に遊嵌して抜け止めし、このような取付に
よって微小な範囲でナット部材が嵌合部や工具取付部に
対して相対移動できるようにしているので、その取付位
置に多少の誤差があっても、相手方のボルト挿通孔に通
したボルトを上記ナット部材に螺合できる。従って、こ
のナット部材の位置決め作業が容易である分、装置の組
立てに要する手間が少なくなり、その分装置を低廉化で
きる。また、穴加工用工具を工具取付部に装着する際
も、従来のようにボルト挿通孔とねじ孔とを厳密に合致
させる必要がないので、装着作業も容易化できる効果が
ある。
【0052】さらに、請求項4記載の装置では、上記工
具取付部に嵌入凹部を設け、この嵌入凹部にナット部材
が嵌入された状態でこのナット部材のねじ孔位置とボル
ト挿通孔とが合致するようにしているので、作業者は、
上記嵌入操作だけで上記ねじ孔とボルト挿通孔との位置
合せを自動的に行うことができ、装着作業能率をさらに
高めることができる効果がある。
【0053】特に、請求項5記載の装置では、上記ナッ
ト部材をその軸部から見た形状を円形以外の形状とし、
このナット部材が上記嵌入溝に嵌入された状態でナット
部材のねじ孔がほぼボルト挿通孔を向くようにしている
ので、ねじ孔の向きも自動的に定めることができ、装着
作業をさらに円滑にできる効果がある。
【0054】請求項7記載の装置では、上記軸挿通孔及
び軸部の断面形状を、円以外の形状であってナット部材
の回動をこのナット部材のねじ穴が上記ボルト挿通孔を
向く角度を含む一定の角度範囲内に制限する形状として
いるので、常にナット部材のねじ孔を概ねボルト挿通孔
に向けておくことができ、このナット部材へのボルトの
螺合作業をより円滑にできる効果がある。
【0055】請求項8記載の装置では、互いに加工径の
異なる複数種の穴加工用工具を備えるにあたり、上記穴
加工用工具を円筒状の工具本体と嵌合部をもつスペーサ
とに分け、このスペーサにおいて上記嵌合部と反対側の
端部に工具本体を結合するようにしているので、上記工
具本体には既製のパイプ材をそのまま利用でき、中ぐり
加工を施すのを上記スペーサだけでとどめることがで
き、このため、穴加工用工具全体を一体成形する場合に
比べて材料除去量を大幅に減らし、工数も減らすことが
でき、その分コストを大幅に削減できる効果がある。
【0056】さらに、請求項9記載のように上記穴加工
用工具のうち工具本体にのみ工具鋼を用い、スペーサに
は通常の構造材料(例えばステンレス鋼)を用いること
により、穴加工用工具全体を工具鋼で形成する場合に比
べてより安価にできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における穴加工装置の工具
の取付構造を示す斜視図である。
【図2】上記工具取付構造を示す断面正面図である。
【図3】上記穴加工装置におけるドライブカラーの底面
図である。
【図4】上記穴加工装置におけるナット部材の取付構造
を示す斜視図である。
【図5】上記ナット部材の軸部及び軸挿通孔を示す一部
断面正面図である。
【図6】上記工具と異なる工具を共通のドライブカラー
に装着した状態を示す断面正面図である。
【図7】上記工具と異なる工具を共通のドライブカラー
に装着した状態を示す断面正面図である。
【図8】上記工具と異なる工具を共通のドライブカラー
に装着した状態を示す断面正面図である。
【図9】本発明の第2実施例における穴加工装置の工具
取付構造の要部を示す断面正面図である。
【符号の説明】
10 ドライブカラー 12 穴加工用工具 17,28a ボルト挿通孔 20 リブ 22 嵌入溝(嵌入凹部) 24 工具本体 24a 刃部 26 スペーサ 28 嵌合部 28a,38 軸挿通孔 30 ナット部材 32 軸部 34 抜け止めピン 36 ボルト

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動源に連結された工具取付部に、円筒
    状の穴加工用工具が着脱可能に装着される穴加工装置に
    おいて、軸部が側方に突設された複数のナット部材を備
    えるとともに、上記穴加工用工具のつけ根部に上記工具
    取付部に嵌合される円筒状の嵌合部を設け、この嵌合部
    の側壁に複数の軸挿通孔を周方向に並設し、各軸挿通孔
    に上記軸部を遊嵌状態で工具半径方向に挿通してかつ
    き取り不能に構成し、上記工具取付部において各ナット
    部材に対応する位置にこの工具取付部を工具軸方向に貫
    通するボルト挿通孔を設け、各ボルト挿通孔に挿通され
    たボルトが上記ナット部材に螺合されることにより上記
    嵌合部が工具取付部に締結されるように構成したことを
    特徴とする穴加工装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の穴加工装置において、上
    記ナット部材を上記嵌合部の径方向内側に配し、上記工
    具取付部に上記嵌合部が外嵌可能となるように構成した
    ことを特徴とする穴加工装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の穴加工装置において、上
    記ナット部材を上記嵌合部の径方向外側に配し、上記工
    具取付部に上記嵌合部が嵌入可能となるように構成した
    ことを特徴とする穴加工装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の穴加工
    装置において、上記工具取付部において各ボルト挿通孔
    が設けられている位置に、上記ナット部材が嵌入される
    嵌入凹部を形成したことを特徴とする穴加工装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の穴加工装置において、上
    記ナット部材をその軸部から見た形状を円形以外の形状
    とし、このナット部材のねじ孔が上記ボルト挿通孔を向
    く状態でこのナット部材が嵌入可能となるように上記嵌
    入凹部の形状を設定したことを特徴とする穴加工装置。
  6. 【請求項6】 駆動源に連結された工具取付部に、円筒
    状の穴加工用工具が着脱可能に装着される穴加工装置に
    おいて、軸部が側方に突設された複数のナット部材を備
    えるとともに、上記穴加工用工具のつけ根部に上記工具
    取付部に嵌合される円筒状の嵌合部を設け、上記工具取
    付部にこの工具取付部を工具軸方向に貫通する複数の軸
    挿通孔を周方向に並設し、各ナット部材の軸部を工具先
    端側から工具軸方向に各軸挿通孔に遊嵌状態で挿通して
    かつ抜き取り不能に構成し、上記嵌合部の側壁において
    各ナット部材に対応する位置にこの嵌合部を工具半径方
    向に貫通するボルト挿通孔を設け、各ボルト挿通孔に挿
    通されたボルトが上記ナット部材に螺合されることによ
    り上記嵌合部が工具取付部に締結されるように構成した
    ことを特徴とする穴加工装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の穴加工
    装置において、上記軸挿通孔及び軸部の断面形状を、円
    以外の形状であってナット部材の回動をこのナット部材
    のねじ穴が上記ボルト挿通孔を向く角度を含む一定の角
    度範囲内に制限する形状に設定したことを特徴とする穴
    加工装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の穴加工
    装置において、互いに加工径の異なる複数の穴加工用工
    具を備えるとともに、各穴加工用工具を、先端に刃部を
    有し、かつ、上記加工径に対応する直径をもつ円筒状の
    工具本体と、軸方向一端に上記嵌合部が形成されたスペ
    ーサとを組み合わせて構成し、このスペーサの軸方向他
    端に上記工具本体を結合したことを特徴とする穴加工装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の穴加工装置において、上
    記工具本体のみ工具鋼で形成したことを特徴とする穴加
    工装置。
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