JP2808174B2 - 2,6‐ジクロルトルエンの製造方法 - Google Patents
2,6‐ジクロルトルエンの製造方法Info
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- JP2808174B2 JP2808174B2 JP2206017A JP20601790A JP2808174B2 JP 2808174 B2 JP2808174 B2 JP 2808174B2 JP 2206017 A JP2206017 A JP 2206017A JP 20601790 A JP20601790 A JP 20601790A JP 2808174 B2 JP2808174 B2 JP 2808174B2
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
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- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は医薬、農薬等の合成中間体として有用な2,6
−ジクロルトルエン(以下2,6−DCTと略記する)の製造
方法に関する。更に詳しくは3,5−ジ−t−ブチルトル
エン(以下DBTと略記する)より3,5−ジ−t−ブチル−
2,6−ジクロルトルエン(以下、DBDCTと略記する)を経
て2,6−DCTを製造する改良方法に関する。
−ジクロルトルエン(以下2,6−DCTと略記する)の製造
方法に関する。更に詳しくは3,5−ジ−t−ブチルトル
エン(以下DBTと略記する)より3,5−ジ−t−ブチル−
2,6−ジクロルトルエン(以下、DBDCTと略記する)を経
て2,6−DCTを製造する改良方法に関する。
従来の技術 2,6−DCTを製造するには、トルエンやo−クロルトル
エンなどを単に塩素化したのでは2,4−ジクロルトルエ
ンなど種々の異性体が生成し、2,6−DCTを選択的に得る
ことができない。そこで、従来、異性体の生成を抑制
し、2,6−DCTの収率を向上させるため、アルキルトルエ
ンを塩素化して2,6−ジクロルアルキルトルエンとした
後、アルキル基を脱離させて2,6−DCTを製造する方法が
提案されている(特公昭47−26495号、特開昭62−5930
号)。
エンなどを単に塩素化したのでは2,4−ジクロルトルエ
ンなど種々の異性体が生成し、2,6−DCTを選択的に得る
ことができない。そこで、従来、異性体の生成を抑制
し、2,6−DCTの収率を向上させるため、アルキルトルエ
ンを塩素化して2,6−ジクロルアルキルトルエンとした
後、アルキル基を脱離させて2,6−DCTを製造する方法が
提案されている(特公昭47−26495号、特開昭62−5930
号)。
特公昭47−26495号記載の方法はトルエンおよびt−
ブチルクロライドまたはイソブテンから得られたDBTを
塩素化してDBDCTとした後、触媒の存在下100〜500℃で
触媒脱アルキル化反応を行なって保護基のブチル基をイ
ソブテンとして脱離させ、2,6−DCTを得る方法である。
この方法では脱アルキル化触媒の寿命が短いという欠点
を有し、2,6−DCTの生産性が悪い。またt−ブチル基が
イソブテンとして脱離するため、その回収工程を必要と
するなど、2,6−DCTの工業的製造としては改良すべき点
があった。
ブチルクロライドまたはイソブテンから得られたDBTを
塩素化してDBDCTとした後、触媒の存在下100〜500℃で
触媒脱アルキル化反応を行なって保護基のブチル基をイ
ソブテンとして脱離させ、2,6−DCTを得る方法である。
この方法では脱アルキル化触媒の寿命が短いという欠点
を有し、2,6−DCTの生産性が悪い。またt−ブチル基が
イソブテンとして脱離するため、その回収工程を必要と
するなど、2,6−DCTの工業的製造としては改良すべき点
があった。
上記特公昭47−26495号の改良方法として特開昭62−5
930号が提案されている。この方法は(1)t−ブチル
トルエン(以下BTと略記する)からDBTとトルエンを得
る工程、(2)DBTを塩素化してDBDCTを得る工程および
(3)DBDCTにトルエンとt−ブチル化剤を加えて2,6−
DCTとBTを得る工程からなる方法である。しかし、この
方法においても工業的に行なうには幾つかの問題を抱え
ている。例えばDBDCTのトランスアルキル化とトルエン
のアルキル化(t−ブチル化)を行った反応液より脱触
媒後蒸留して2,6−DCTとBTの分離を行なうが、両者の沸
点が近似しており、蒸留に供される反応液の2,6−DCTと
BTの比率は略1:3とBTの量が多いため大規模な蒸留設備
と膨大なエネルギーを必要とする。また、分離したBTの
不均化反応によりDBTを製造するが、不均化の反応率を
高くしないとBTのリサイクル量が増え、不均化反応器お
よびDBT蒸留塔が大きくなる。更に、先のトランスアル
キル化およびアルキル化反応後の脱触媒と不均化反応後
の脱触媒と2度の触媒分離操作を必要とし、工程が煩雑
になる。
930号が提案されている。この方法は(1)t−ブチル
トルエン(以下BTと略記する)からDBTとトルエンを得
る工程、(2)DBTを塩素化してDBDCTを得る工程および
(3)DBDCTにトルエンとt−ブチル化剤を加えて2,6−
DCTとBTを得る工程からなる方法である。しかし、この
方法においても工業的に行なうには幾つかの問題を抱え
ている。例えばDBDCTのトランスアルキル化とトルエン
のアルキル化(t−ブチル化)を行った反応液より脱触
媒後蒸留して2,6−DCTとBTの分離を行なうが、両者の沸
点が近似しており、蒸留に供される反応液の2,6−DCTと
BTの比率は略1:3とBTの量が多いため大規模な蒸留設備
と膨大なエネルギーを必要とする。また、分離したBTの
不均化反応によりDBTを製造するが、不均化の反応率を
高くしないとBTのリサイクル量が増え、不均化反応器お
よびDBT蒸留塔が大きくなる。更に、先のトランスアル
キル化およびアルキル化反応後の脱触媒と不均化反応後
の脱触媒と2度の触媒分離操作を必要とし、工程が煩雑
になる。
発明が解決しようとする課題 2,6−DCTをDBT、DBDCTを経て製造する方法において
は、上述の問題点となる蒸留操作、不均化反応、脱触媒
などの操作は本質的に必要であるが、これらの操作の簡
略化が求められている。本発明はこのような要望に応え
ることを課題とする。
は、上述の問題点となる蒸留操作、不均化反応、脱触媒
などの操作は本質的に必要であるが、これらの操作の簡
略化が求められている。本発明はこのような要望に応え
ることを課題とする。
本発明者等は上述のような現状に鑑み、DBTよりDBDCT
を経て2,6−DCTを製造する方法について鋭意研究した結
果、DBDCTのトランスアルキル反応により得られる2,6−
DCTを分離することなく続いて不均化反応およびアルキ
ル化反応に供することにより製造工程の簡略化に成功し
本発明をなすに至った。
を経て2,6−DCTを製造する方法について鋭意研究した結
果、DBDCTのトランスアルキル反応により得られる2,6−
DCTを分離することなく続いて不均化反応およびアルキ
ル化反応に供することにより製造工程の簡略化に成功し
本発明をなすに至った。
課題を解決するための手段 本発明の構成は、DBDCTとトルエンとを触媒の存在下
にトランスアルキル化させて2,6−DCTとBTを得るとトラ
ンスアルキル化工程、BTをトランスアルキル化触媒と同
じ触媒の存在下に不均化させてDBTを得る不均化工程お
よびアルキル化工程からなる2,6−DCTの製造方法におい
て、BTの不均化反応およびアルキル化反応後に2,6−DCT
を分離する2,6−DCTの製造方法、ならびに、 上記工程からなる2,6−DCTの製造方法において、BTか
らDBTを得る不均化工程の反応率を10〜60%にとどめ、
不均化反応およびアルキル化反応後に2,6−DCTを分離す
る2,6−DCTの製造方法、にある。
にトランスアルキル化させて2,6−DCTとBTを得るとトラ
ンスアルキル化工程、BTをトランスアルキル化触媒と同
じ触媒の存在下に不均化させてDBTを得る不均化工程お
よびアルキル化工程からなる2,6−DCTの製造方法におい
て、BTの不均化反応およびアルキル化反応後に2,6−DCT
を分離する2,6−DCTの製造方法、ならびに、 上記工程からなる2,6−DCTの製造方法において、BTか
らDBTを得る不均化工程の反応率を10〜60%にとどめ、
不均化反応およびアルキル化反応後に2,6−DCTを分離す
る2,6−DCTの製造方法、にある。
以下、本発明を詳しく説明する。
i)塩素化工程およびトランスアルキル化工程DBTを塩
素化してDBDCTを得る塩素化反応およびDBDCTのトランス
アルキル化反応は公知の方法を適用することができる。
素化してDBDCTを得る塩素化反応およびDBDCTのトランス
アルキル化反応は公知の方法を適用することができる。
即ち、DBTの塩素化はルイス酸および単体硫黄を触媒
として塩素ガスをDBTに対して2.0〜2.2倍モル吹き込み
反応させる。塩素ガス量が2.0モル未満ではジクロル体
の生成が充分でなく、2.2モルより多いとトリクロル体
の生成量が増加して好ましくない。塩素化反応液は触媒
除去後、蒸留および晶析操作を行なうことにより純度99
%以上のDBDCTを得ることができる。
として塩素ガスをDBTに対して2.0〜2.2倍モル吹き込み
反応させる。塩素ガス量が2.0モル未満ではジクロル体
の生成が充分でなく、2.2モルより多いとトリクロル体
の生成量が増加して好ましくない。塩素化反応液は触媒
除去後、蒸留および晶析操作を行なうことにより純度99
%以上のDBDCTを得ることができる。
DBDCTのトランスアルキル化反応はDBDCT1モルに対し
てトルエン2〜30モル、好ましくは10〜20モルをルイス
酸触媒の存在下で反応させ、2,6−DCTとBTを得る。触媒
のルイス酸としては塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化チ
タンなどが使用でき、その使用量はDBDCTに対して1〜2
0モル%、好ましくは5〜15モル%である。反応温度は
0〜100℃、好ましくは30〜70℃で行なう。
てトルエン2〜30モル、好ましくは10〜20モルをルイス
酸触媒の存在下で反応させ、2,6−DCTとBTを得る。触媒
のルイス酸としては塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化チ
タンなどが使用でき、その使用量はDBDCTに対して1〜2
0モル%、好ましくは5〜15モル%である。反応温度は
0〜100℃、好ましくは30〜70℃で行なう。
ii)BTの不均化およびアルキル化反応 DBDCTのトランスアルキル化により目的とする2,6−DC
Tを生成させたとき、同時に生成するBTは塩素化反応原
料のDBTに戻すべく不均化反応に供される。従来は目的
物2,6−DCTを分離した後、即ち2,6−DCTの存在しない系
で、BTを不均化反応に供していたが、このためにはトラ
ンスアルキル化反応液の触媒除去および蒸留操作を必要
とした。反応液からの触媒除去は酸洗、中和、水洗を必
要としその操作は煩雑である。また脱触媒された反応液
より2,6−DCTとBTの蒸留分離もBTの含量が多い程困難で
ある。通常、前記トランスアルキル化液中の2,6−DCTと
BTの割合は略1:2(重量比)である。本発明者等の研究
によると、BTの不均化反応およびアルキル化反応は2,6
−DCTの存在による影響を受けることなく、またトラン
スアルキル化反応に用いた触媒がそのまま不均化反応お
よびアルキル化反応の触媒として使用し得る。従って、
本発明においては、前記トランスアルキル化反応液をそ
のまま減圧蒸留装置を用いて真空度20〜200Torr、温度4
0〜100℃、好ましくは50〜70℃の条件でBTの不均化反応
させ、生成してくるトルエンは逐次系外に取り出す。BT
の不均化反応は不均化反応率が約50%までは比較的速や
かに進行するが、それ以降の反応速度は極端に遅くな
り、更に不均化反応率を上げるためにはより高い真空度
と長い反応時間を要する。従って、本発明では不均化反
応率を10〜60%、好ましくは15〜40%にとどめ、残存す
るBTはアルキル化剤と反応させてDBTとする。尚、ここ
で不均化反応率は次式で表される。
Tを生成させたとき、同時に生成するBTは塩素化反応原
料のDBTに戻すべく不均化反応に供される。従来は目的
物2,6−DCTを分離した後、即ち2,6−DCTの存在しない系
で、BTを不均化反応に供していたが、このためにはトラ
ンスアルキル化反応液の触媒除去および蒸留操作を必要
とした。反応液からの触媒除去は酸洗、中和、水洗を必
要としその操作は煩雑である。また脱触媒された反応液
より2,6−DCTとBTの蒸留分離もBTの含量が多い程困難で
ある。通常、前記トランスアルキル化液中の2,6−DCTと
BTの割合は略1:2(重量比)である。本発明者等の研究
によると、BTの不均化反応およびアルキル化反応は2,6
−DCTの存在による影響を受けることなく、またトラン
スアルキル化反応に用いた触媒がそのまま不均化反応お
よびアルキル化反応の触媒として使用し得る。従って、
本発明においては、前記トランスアルキル化反応液をそ
のまま減圧蒸留装置を用いて真空度20〜200Torr、温度4
0〜100℃、好ましくは50〜70℃の条件でBTの不均化反応
させ、生成してくるトルエンは逐次系外に取り出す。BT
の不均化反応は不均化反応率が約50%までは比較的速や
かに進行するが、それ以降の反応速度は極端に遅くな
り、更に不均化反応率を上げるためにはより高い真空度
と長い反応時間を要する。従って、本発明では不均化反
応率を10〜60%、好ましくは15〜40%にとどめ、残存す
るBTはアルキル化剤と反応させてDBTとする。尚、ここ
で不均化反応率は次式で表される。
(但し、アルキル化剤を不均化時に加えた場合は、反応
後のBT重量にアルキル化剤の添加モル数の148倍を加え
たものが不均化後のBT重量となる) 上記不均化反応によりBT含量40〜60重量%の反応液が
得られる。この反応液をそのまま、即ち2,6−DCTおよび
触媒の分離をすることなく、BTのアルキル化、即ちDBT
の製造に供する。BTのアルキル化はアルキル化剤、例え
ばt−ブチルクロライドまたはイソブチレンを加え、反
応温度10〜40℃で3〜6時間反応させることにより行な
う。使用するアルキル化剤の量はアルキル化するBTと等
モルもしくはやや過剰に用いる。この反応によりアルキ
ル化反応終了液中の2,6−DCTに対するBTの割合が略1:0.
1〜0.3(重量比)と小さくなることにより後の2,6−DCT
の蒸留分離が容易になり、蒸留設備およびエネルギーコ
ストは著しく小さくなる。
後のBT重量にアルキル化剤の添加モル数の148倍を加え
たものが不均化後のBT重量となる) 上記不均化反応によりBT含量40〜60重量%の反応液が
得られる。この反応液をそのまま、即ち2,6−DCTおよび
触媒の分離をすることなく、BTのアルキル化、即ちDBT
の製造に供する。BTのアルキル化はアルキル化剤、例え
ばt−ブチルクロライドまたはイソブチレンを加え、反
応温度10〜40℃で3〜6時間反応させることにより行な
う。使用するアルキル化剤の量はアルキル化するBTと等
モルもしくはやや過剰に用いる。この反応によりアルキ
ル化反応終了液中の2,6−DCTに対するBTの割合が略1:0.
1〜0.3(重量比)と小さくなることにより後の2,6−DCT
の蒸留分離が容易になり、蒸留設備およびエネルギーコ
ストは著しく小さくなる。
勿論、BTのアルキル化反応は不均化時にアルキル化剤
を加えることにより、BTの不均化反応とアルキル化反応
を同時に進行させることもできる。この場合、アルキル
化剤の一部が未反応のまま系外に流失し易い上に、不均
化反応の好ましい反応温度とアルキル化反応の好ましい
反応温度は同じではないので、アルキル化反応は不均化
反応終了後に別に行なうのが好ましい。
を加えることにより、BTの不均化反応とアルキル化反応
を同時に進行させることもできる。この場合、アルキル
化剤の一部が未反応のまま系外に流失し易い上に、不均
化反応の好ましい反応温度とアルキル化反応の好ましい
反応温度は同じではないので、アルキル化反応は不均化
反応終了後に別に行なうのが好ましい。
iii)2,6−DCTの分離 アルキル化反応終了後は反応液より触媒を除去した
後、蒸留により2,6−DCTを分離する。蒸留は沸点順にB
T、2,6−DCT、DBTの各留分を分取してもよいが、他の方
法として、先ずBTと2,6−DCTの混合留分とDBT留分に分
け、ついでBTと2,6−DCTの混合留分を精留して分離する
方法を採ることもできる。分離したDBTは塩素化反応の
原料として使用し、BTは不均化反応またはアルキル化反
応に供すればよい。
後、蒸留により2,6−DCTを分離する。蒸留は沸点順にB
T、2,6−DCT、DBTの各留分を分取してもよいが、他の方
法として、先ずBTと2,6−DCTの混合留分とDBT留分に分
け、ついでBTと2,6−DCTの混合留分を精留して分離する
方法を採ることもできる。分離したDBTは塩素化反応の
原料として使用し、BTは不均化反応またはアルキル化反
応に供すればよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例 I.塩素化工程 撹拌装置、塩素吹き込み管、温度計、冷却器を備えた
1の五ッ口フラスコに、純度98.8%のDBT464.4g(2.2
49mol)、触媒として塩化アルミニウム3.0g(0.023mo
l)と単体硫黄1.5g(0.047mol)を仕込み、反応温度50
℃で塩素2.1倍mol用いて塩素化した。得られた塩素化液
を蒸留および晶析に付してDBDCT377.5g(純度99.5%、D
BDCT1.375mol)を得た。
1の五ッ口フラスコに、純度98.8%のDBT464.4g(2.2
49mol)、触媒として塩化アルミニウム3.0g(0.023mo
l)と単体硫黄1.5g(0.047mol)を仕込み、反応温度50
℃で塩素2.1倍mol用いて塩素化した。得られた塩素化液
を蒸留および晶析に付してDBDCT377.5g(純度99.5%、D
BDCT1.375mol)を得た。
II.トランスアルキル化工程 撹拌装置、滴下装置、分留器、温度計を備えた5の
六ッ口フラスコに、上記DBDCT377.5g(1.375mol)、塩
化アルミニウム18.4g(0.138mol)、トルエン1898.0g
(20.632mol)を仕込み、50℃で5時間反応させて反応
生成物を得た。このものはガスクロマトグラフィーによ
る組成分析の結果、2,6−DCT203.5g(1.264mol)、BT38
6.5g(2.611mol)を含むものであった。
六ッ口フラスコに、上記DBDCT377.5g(1.375mol)、塩
化アルミニウム18.4g(0.138mol)、トルエン1898.0g
(20.632mol)を仕込み、50℃で5時間反応させて反応
生成物を得た。このものはガスクロマトグラフィーによ
る組成分析の結果、2,6−DCT203.5g(1.264mol)、BT38
6.5g(2.611mol)を含むものであった。
III.不均化工程 上記反応液に、後の工程で得られるBT回収留分37.5
(BT88.27重量%,DCT11.73重量%)を加え、反応温度60
℃、減圧下(200〜20Torr)でトルエンを留去させなが
らこの状態を6時間保った。このとき留出したトルエン
は1677.6gであった。この操作により反応生成物622.9g
を得た。ガスクロマトグラフィーによる組成分析の結
果、この生成物は、BT335.8g(2.269mol)、2,6−DCT20
7.9g(1.291mol)およびDBT53.3g(0.261mol)を含むも
のであった。
(BT88.27重量%,DCT11.73重量%)を加え、反応温度60
℃、減圧下(200〜20Torr)でトルエンを留去させなが
らこの状態を6時間保った。このとき留出したトルエン
は1677.6gであった。この操作により反応生成物622.9g
を得た。ガスクロマトグラフィーによる組成分析の結
果、この生成物は、BT335.8g(2.269mol)、2,6−DCT20
7.9g(1.291mol)およびDBT53.3g(0.261mol)を含むも
のであった。
このときの不均化率は20.0%であった。
IV.アルキル化工程 次に系内を常圧に戻し、上記反応液にt−ブチルクロ
ライド214.0g(2.314mol)を30℃において、撹拌下に1
時間を要して滴下した。滴下後、さらに撹拌を3時間続
けた後に毎分50mlの窒素ガスを1時間吹き込み残留する
未反応t−ブチルクロライドを除いた。
ライド214.0g(2.314mol)を30℃において、撹拌下に1
時間を要して滴下した。滴下後、さらに撹拌を3時間続
けた後に毎分50mlの窒素ガスを1時間吹き込み残留する
未反応t−ブチルクロライドを除いた。
反応混合物に水1000mlを添加し、30℃において0.5時
間撹拌を続けた後、この液を静置し水層と有機層に分離
した。有機層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥して反
応生成物744.5gを得た。ガスクロマトグラフィーによる
組成分析の結果、この生成物はBT43.1g(0.291mol)、
2.6−DCT207.9g(1.291mol)、DBT467.6g(2.292mol)
を含むものであった。
間撹拌を続けた後、この液を静置し水層と有機層に分離
した。有機層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥して反
応生成物744.5gを得た。ガスクロマトグラフィーによる
組成分析の結果、この生成物はBT43.1g(0.291mol)、
2.6−DCT207.9g(1.291mol)、DBT467.6g(2.292mol)
を含むものであった。
次にこれらのBT、2,6−DCT、DBTを含む混合物を蒸留
塔へ導き、精留処理した。各留分として、83℃/20Torr:
47.7g(BT:88.27%、0.284mol、DCT:11.73%、0.034mo
l)、86℃/20Torr:197.7g(2,6−DCT:99.49%、1.222mo
l)、121℃/20Torr:464.4g(DBT:98.80%、2.249mol)
得た。
塔へ導き、精留処理した。各留分として、83℃/20Torr:
47.7g(BT:88.27%、0.284mol、DCT:11.73%、0.034mo
l)、86℃/20Torr:197.7g(2,6−DCT:99.49%、1.222mo
l)、121℃/20Torr:464.4g(DBT:98.80%、2.249mol)
得た。
尚、2,6−DCTおよびDBTの蒸留収率はそれぞれ94.6
%、98.1%であった。得られたDBTは塩素化工程Iに戻
した。また、BTおよびDCTを含む留分は不均化反応工程I
IIでのBTの仕込みに用いた。
%、98.1%であった。得られたDBTは塩素化工程Iに戻
した。また、BTおよびDCTを含む留分は不均化反応工程I
IIでのBTの仕込みに用いた。
発明の効果 本発明はDBTより塩素化工程、トランスアルキル化工
程、不均化工程およびアルキル化工程よりなる2,6−DCT
の製造方法において、不均化反応およびアルキル化反応
を2,6−DCTの存在下に行なうことにより、次のような利
点を有する。
程、不均化工程およびアルキル化工程よりなる2,6−DCT
の製造方法において、不均化反応およびアルキル化反応
を2,6−DCTの存在下に行なうことにより、次のような利
点を有する。
トランスアルキル化に使用した触媒は、その反応液よ
り分離することなく、不均化反応およびアルキル化反応
にそのまま使用できる。また、不均化工程における不均
化反応率を60%以下に抑えることにより、反応時間の短
縮が図れるとともにt−ブチル基の損失、高沸点物の生
成量が少なくなる。さらに、2,6−DCTの存在下にBTのア
ルキル化を行うことにより、2,6−DCTに対し共存するBT
の割合を小さくできるため、2,6−DCTの分離が容易にな
る。
り分離することなく、不均化反応およびアルキル化反応
にそのまま使用できる。また、不均化工程における不均
化反応率を60%以下に抑えることにより、反応時間の短
縮が図れるとともにt−ブチル基の損失、高沸点物の生
成量が少なくなる。さらに、2,6−DCTの存在下にBTのア
ルキル化を行うことにより、2,6−DCTに対し共存するBT
の割合を小さくできるため、2,6−DCTの分離が容易にな
る。
その結果、蒸留操作、不均化反応、触媒の除去などの
操作が簡便になり、蒸留装置が小型化されると同時にエ
ネルギーコストが低くなる。
操作が簡便になり、蒸留装置が小型化されると同時にエ
ネルギーコストが低くなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 15/107 C07C 15/107
Claims (2)
- 【請求項1】3,5−ジ−t−ブチル−2,6−ジクロルトル
エンとトルエンとを触媒の存在下にトランスアルキル化
させて2,6−ジクロルトルエンとt−ブチルトルエンを
得るトランスアルキル化工程、t−ブチルトルエンをト
ランスアルキル化触媒と同じ触媒の存在下に不均化させ
て3,5−ジ−t−ブチルトルエンを得る不均化工程およ
びアルキル化工程からなる2,6−ジクロルトルエンの製
造方法において、t−ブチルトルエンの不均化反応およ
びアルキル化反応後に2,6−ジクロルトルエンを分離す
ることを特徴とする2,6−ジクロルトルエンの製造方
法。 - 【請求項2】前記不均化工程におけるt−ブチルトルエ
ンから3,5−ジ−t−ブチルトルエンを得る不均化反応
率が10〜60%であることを特徴とする請求項(1)記載
の2,6−ジクロルトルエンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2206017A JP2808174B2 (ja) | 1990-08-03 | 1990-08-03 | 2,6‐ジクロルトルエンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2206017A JP2808174B2 (ja) | 1990-08-03 | 1990-08-03 | 2,6‐ジクロルトルエンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0491045A JPH0491045A (ja) | 1992-03-24 |
JP2808174B2 true JP2808174B2 (ja) | 1998-10-08 |
Family
ID=16516530
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2206017A Expired - Fee Related JP2808174B2 (ja) | 1990-08-03 | 1990-08-03 | 2,6‐ジクロルトルエンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2808174B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08337543A (ja) * | 1995-06-13 | 1996-12-24 | Kureha Chem Ind Co Ltd | 2,6−ジクロロ−3,5−ジ(第2級もしくは、第3級アルキル)トルエンの製造方法 |
-
1990
- 1990-08-03 JP JP2206017A patent/JP2808174B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0491045A (ja) | 1992-03-24 |
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