JP2807739B2 - 移動体用情報提示装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の移動体の搭
乗者に交通情報等を知らせるための情報提示装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】移動体、特に自動車の運転者に無線通信
によって交通情報を提供するための自動車交通情報シス
テムが従来より提案され、このシステムを利用して車両
運転者に交通情報を提供する装置として例えば図３に示
すようなものが提案されている（特開平３−１３８５１
５号公報）。

【０００３】この装置においては、無線通信で送信され
てくる交通情報が、アンテナ１０１及び受信装置１０２
により受信・復調され、制御装置１０３に供給される。
また制御装置３には位置検出装置１０５によって検出さ
れる車両の位置情報が供給され、さらに地図情報記憶装
置１０４から、地図情報が供給される。制御装置３は、
供給される情報に基づき、表示器１０６に地図、車両の
現在位置及び交通情報から得た渋滞に関する情報を表示
するとともに、運転者に知らせるべき交通情報を、音声
合成装置１０７により合成した音声としてスピーカ１０
８から出力する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の装置によれ
ば、交通情報が画像として表示されるだけでなく、音声
としても出力されるので、走行中の運転者にとって便利
である。しかしながら、運転者は、例えば外部の騒音等
により、音声情報を聞きのがすことがあった。このよう
な場合、例えば特開昭６３−３１０６６号公報に示され
る磁気ディスク等の再生装置のように、使用者の要求に
従って音声信号をくり返し再生することが考えられる
が、単に繰り返すのみでは、運転者に確実に情報を伝達
することができないこともある。

【０００５】本発明はこの点に着目してなされたもので
あり、移動体の運転者等の要求に応じて音声情報の再出
力をより適切に行い、情報を確実に伝達しうるようにし
た情報提示装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、移動体に搭載され、音声情報を出力する音声
情報出力手段を備えた移動体用情報提示装置において、
前記移動体の搭乗者が音声情報の再出力を要求するため
の再出力要求手段と、該再出力要求が所定回数以上行わ
れたときは前記音声情報の出力態様を変更する制御手段
とを設けるようにしたものである。

【０００７】また、前記制御手段は、前記再出力要求の
回数が増加するほど音量が増加するように制御すること
が望ましい。

【０００８】また、画像情報を出力する画像情報出力手
段をさらに備え、前記制御手段は、前記再出力要求の回
数が前記所定回数より大きい所定上限値を越えたとき
は、前記音声情報と同一内容の画像情報を出力させるこ
とが望ましい。

【０００９】

【作用】移動体の搭乗者により、音声情報の再出力要求
が所定回数以上行われたときは、音声情報の出力態様が
変更される。

【００１０】音声情報の出力態様の変更は、例えば再出
力要求の回数が増加するほど、音量が増加するように行
われる。

【００１１】また、音声情報の再出力要求の回数が前記
所定回数より大きい所定上限値を越えたときは、さらに
同じ内容の情報が画像としても出力される。

【００１２】

【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。

【００１３】図１は本発明の一実施例に係る自動車用の
情報提示装置の構成を示すブロック図である。同図にお
いて、音声入出力制御装置１には、自動車の運転者の音
声による指令を認識する音声認識装置３及び運転者が音
声情報の再出力要求するための再出力要求スイッチ４が
接続されており、運転者の指令を示すデジタルデータ及
び再出力要求信号が音声入出力制御装置１に入力され
る。

【００１４】音声入出力装置１には、さらに例えばナビ
ゲーションシステムのような車載情報処理装置２が接続
されており、運転者に伝達すべき情報がデジタルデータ
として制御装置１に供給される。車載情報処理装置２に
は、運転者に伝達すべき情報を画像として表示する表示
装置７が接続されており、制御装置１からの指示に従っ
て、画像情報の出力が行われる。

【００１５】制御装置１は、車載情報処理装置２から供
給される情報データを音声として出力するために必要な
処理を行い、処理後の情報データを音声出力装置５に入
力する。音声出力装置５は、入力された情報データに基
づいて音声信号を合成し、増幅してスピーカ６を駆動す
る。

【００１６】図２は、制御装置１における音声情報及び
画像情報の出力処理を示すフローチャートである。同図
のステップＳ１では、運転者の音声による問いあるいは
指示に対して、通常の音量及び速度で音声による回答を
出力する。次にカウンタＣＯＵＮＴをリセットし（ステ
ップＳ２）、音声情報の再出力要求が有るか否かを判別
する（ステップＳ３）。例えば１０秒以内に再出力要求
がなければ、ステップＳ１にもどり、運転者の指示待ち
の状態となる。

【００１７】一方、再出力要求があったときには、カウ
ンタＣＯＵＮＴを値１だけインクリメントし（ステップ
Ｓ４）、そのカウンタの値が所定値Ｎ１（例えば２）よ
り小さいか否かを判別する（ステップＳ５）。ＣＯＵＮ
Ｔ＜Ｎ１のときは、音声出力を前回と同じ出力態様で繰
り返し（ステップＳ６）、ステップＳ３にもどる。

【００１８】ＣＯＵＮＴ≧Ｎ１であるときは、カウント
値ＣＯＵＮＴが上限値Ｎ２以下か否かを判別し（ステッ
プＳ７）、ＣＯＵＮＴ≦Ｎ２のときは、前回より音量を
１０％上げ、さらに音声の出力スピードを１０％下げ
て、再出力を行い（ステップＳ８）、ステップＳ３にも
どる。

【００１９】ＣＯＵＮＴ＞Ｎ２であるときは、表示装置
装置７に同一の情報と表示する旨を音声情報として出力
し（ステップＳ９）、表示装置７に文字、図形等によ
り、再出力要求がされた音声情報と同一内容の画像情報
を出力する（ステップＳ１０）。

【００２０】以上のように本実施例によれば、再出力要
求がＮ１回以上なされると、前回より音声出力の音量が
１０％上げられ、さらに音声の出力スピードが１０％下
げられるので、単純に同一態様で再出力する場合に比べ
て、運転者の認識率を向上させ、情報を確実に伝達する
ことができる。

【００２１】また、再出力要求が上限値Ｎ２を越えたと
きは、表示装置に画像情報として出力するようにしたの
で、音声による伝達が成功しない場合でも確実な情報の
伝達が可能となる。

【００２２】なお、上述した実施例では、車載情報処理
装置２として、ナビゲーションシステムを例示したが、
これに限るものではなく、外部から無線通信により送信
されてくる情報の受信装置や、そのような受信装置とナ
ビゲーションシステムの組合せ等としてもよい。

【００２３】また、運転者が再出力を要求する手段とし
て再出力要求スイッチ４を設けたが、これに限るもので
はなく、例えば音声認識装置３によって音声による再出
力要求を認識できるようにしてもよい。

【００２４】また、音声情報の出力態様としては、上述
したものに限るものではなく、例えば再出力要求の回数
が所定以上となったときは、重要な部分のみを抽出して
出力するようにしてもよい。

【００２５】

【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、移
動体の搭乗者により、音声情報の再出力要求が所定回数
以上行われたときは、音声情報の出力態様が変更される
ので、単純に同一態様で再出力する場合に比べて、情報
をより確実に伝達することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る移動体用情報提示装置
の構成を示すブロック図である。

【図２】図１の音声入出力制御装置における処理を示す
フローチャートである。

【図３】従来の交通情報表示装置の構成を示す図であ
る。

【符号の説明】

１ 音声入出力制御装置 ２ 車載情報処理装置 ３ 音声認識装置 ４ 再出力要求スイッチ ５ 音声出力装置 ６ スピーカ ７ 表示装置

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 移動体に搭載され、音声情報を出力する
   音声情報出力手段を備えた移動体用情報提示装置におい
   て、前記移動体の搭乗者が音声情報の再出力を要求する
   ための再出力要求手段と、該再出力要求が所定回数以上
   行われたときは前記音声情報の出力態様を変更する制御
   手段とを設けたことを特徴とする移動体用情報提示装
   置。
2. 【請求項２】 前記制御手段は、前記再出力要求の回数
   が増加するほど音量が増加するように制御することを特
   徴とする移動体用情報提示装置。
3. 【請求項３】 画像情報を出力する画像情報出力手段を
   さらに備え、前記制御手段は、前記再出力要求の回数が
   前記所定回数より大きい所定上限値を越えたときは、前
   記音声情報と同一内容の画像情報を出力させることを特
   徴とする請求項１又は２記載の移動体用情報提示装置。