JP2806067B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP2806067B2
JP2806067B2 JP3069288A JP6928891A JP2806067B2 JP 2806067 B2 JP2806067 B2 JP 2806067B2 JP 3069288 A JP3069288 A JP 3069288A JP 6928891 A JP6928891 A JP 6928891A JP 2806067 B2 JP2806067 B2 JP 2806067B2
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大輔 井上
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は車両用の自動変速機に
おける変速を制御する装置に関し、特に所定の変速段を
設定するための摩擦係合要素の係合・解放の組合せが複
数組あり、それぞれの組合せでコースト時の変速段が異
なる自動変速機の変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように車両用の自動変速機では、
多板クラッチや多板ブレーキなどの摩擦係合要素のほか
に、スプラグあるいはローラを介してトルクの伝達を行
う一方向クラッチを使用している。一方向クラッチはト
ルクの作用する方向に応じて係合あるいは解放するか
ら、一方向クラッチを作用させることによってスムース
な変速を行うことができる。しかしながらパワーオン時
すなわちエンジン側からトルクを与える駆動時に一方向
クラッチを係合させて設定している変速段は、コースト
時すなわち車輪側からトルクを与えられる被駆動時に
は、一方向クラッチが解放し、エンジンブレーキが効か
なくなる。そのために一般には、その一方向クラッチと
並列にブレーキを設け、エンジンブレーキを必要とする
場合にはそのブレーキを係合させて反力を与えるように
している。
【0003】このような作用をなす一方向クラッチを1
つの回転部材に対して複数個複合して用いる場合には、
より多様で効果的な変速制御を行うことができる。その
一例が特開平2−76967号公報に記載されており、
これを簡単に説明すると以下のとおりである。
【0004】図6はその歯車列を示し、これは二組の遊
星歯車機構1,2を使用し、前進4段・後進1段の変速
段を設定するよう構成されている。すなわち第1遊星歯
車機構1のキャリヤ3と第2遊星歯車機構2のリングギ
ヤ4とが連結され、また第1遊星歯車機構1のリングギ
ヤ5と第2遊星歯車機構2のキャリヤ6とが連結されて
いる。
【0005】これらの遊星歯車機構1,2の中心軸線に
沿って入力軸7が配置されており、この入力軸7と第1
遊星歯車機構1におけるサンギヤ8と間に第1クラッチ
C1が設けられ、また入力軸7と第2遊星歯車機構2に
おけるキャリヤ6との間に第2クラッチC2 が設けられ
ている。さらに入力軸7と第2遊星歯車機構2のサンギ
ヤ9との間に第3クラッチC3 が設けられている。また
一方、第2遊星歯車機構2におけるキャリヤ6とサンギ
ヤ9との間に互いに直列に配列された第4クラッチC4
および第1一方向クラッチF1 が設けられている。この
第1一方向クラッチF1 は、第4クラッチC4 のクラッ
チドラムの回転方向すなわち第4クラッチC4 が係合し
ている状態でのサンギヤ9の回転方向が、キャリヤ6に
対して正回転方向(入力軸7の回転方向と同一の回転方
向)である場合に係合するようになっている。この第4
クラッチC4 のクラッチドラムとケーシング10との間
には、そのクラッチドラムが逆回転(入力軸7とは反対
方向の回転)しようとする際に係合する第2一方向クラ
ッチF2 が設けられている。
【0006】そしてブレーキ手段として、第4クラッチ
C4 のクラッチドラムの外周にバンドブレーキである第
1ブレーキB1 が設けられ、また互いに連結された第1
遊星歯車機構1のリングギヤ5および第2遊星歯車機構
2のキャリヤ6の回転を止める第2ブレーキB2 が設け
られている。したがって第1ブレーキB1 は、第4クラ
ッチC4 あるいは第1一方向クラッチF1 を介して、第
2遊星歯車機構2におけるキャリヤ6の回転とサンギヤ
9の回転とを選択的に止めるようになっている。
【0007】図6に示す歯車列では、各クラッチおよび
ブレーキなどの係合要素を、図7に示すように係合させ
ることによって、前進4段・後進1段の各変速段が設定
される。なお、図7で○印は係合、◎印はエンジンブレ
ーキ時に係合、空欄は解放の状態をそれぞれ示す。
【0008】上記の自動変速機における第3速は、第
1、第2、第4の各クラッチと第1一方向クラッチF1
とが係合することによって歯車列全体が一体となって回
転することにより設定される。この第3速の状態から第
1クラッチC1 を解放した場合、駆動時(パワーオン
時)であれば、第1一方向クラッチF1 が係合して第3
速を維持するが、被駆動時(パワーオフ時)であれば、
第1一方向クラッチF1 に代って第2一方向クラッチF
2 が係合するために第2遊星歯車機構2のサンギヤ9が
固定され、すなわち第1ブレーキB1 が係合した状態と
同様な状態になって第4速となる。
【0009】そこで上記の公報に記載された制御装置で
は、この第1クラッチC1 の係合速度を、第4速から第
3速へのパワーオン・ダウンシフト時とパワーオフ・ダ
ウンシフト時とで異ならせることにより、変速ショック
の少ない変速と、エンジンブレーキ効果を速やかに得ら
れる変速を達成するようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで車両の走行時
に要求されるエンジンブレーキ力は多様であって、例え
ばパワーオフ・アップシフト時とパワーオフ・ダウンシ
フト時とではそれぞれ異なるエンジンブレーキ力が望ま
れる。エンジンブレーキ力は、被駆動状態のときに設定
される変速比で異なるのであるから、その都度、ブレー
キやクラッチの係合・解放の状態を切り替えれば、必要
なエンジンブレーキ力を得ることができる。しかしなが
らそのような制御を行った場合には、クラッチやブレー
キの切換えを頻繁に行うことになるので、変速ショック
が悪化したり、変速制御が難しくなったりするおそれが
ある。
【0011】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たもので、エンジンブレーキ力の多様な選択を容易に行
ってドライバビリティを向上させることのできる自動変
速機の変速制御装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、一方向クラッチおよび摩擦係合要素
の係合状態に応じて複数の変速段に設定される歯車列を
備え、かつ車輪側からトルクが与えられる被駆動時の変
速比を、エンジン側からトルクが与えられる駆動時の変
速比と同一の変速比および異なる変速比に、前記摩擦係
合要素の係合・解放の状態を変えることによって設定す
ることのできる自動変速機の変速制御装置において、車
両の走行状態を検出する検出手段と、検出した走行状態
からエンジンブレーキを必要とすることを判断するエン
ジンブレーキ判断手段と、被駆動時に一方向クラッチの
係合状態が変化して変速が生じる前記摩擦係合要素の係
合・解放の組合せと被駆動時にその変速が生じない前記
摩擦係合要素の係合・解放の組合せとを前記検出手段の
検出結果およびエンジンブレーキ判断手段の判断結果に
基づいて選択して出力する変速段設定手段とを有するこ
とを特徴とするものである。
【0013】
【作用】この発明で対象とする自動変速機は、一方向ク
ラッチと摩擦係合要素との係合・解放の状態に応じて複
数の変速段に設定され、また所定の変速段を設定するた
めの摩擦係合要素の係合・解放の組合せとして、駆動時
と被駆動時とで変速比が同一の組合せと変速比が異なる
組合せとを選択できる歯車列を備えている。この自動変
速機を搭載した車両の走行状態、すなわち車速やスロッ
トル開度、シフトポジション、オーバードライブスイッ
チのON・OFF、ブレーキスイッチのON・OFF等
が検出手段によって検出される。またその走行状態から
エンジンブレーキが必要な状態であることをエンジンブ
レーキ判断手段が判断する。これらの検出手段およびエ
ンジンブレーキ判断手段による検出結果および判断結果
に基づいて変速段設定手段がクラッチやブレーキの摩擦
係合要素の係合・解放の組合せを選択して出力する。そ
の摩擦係合要素の係合・解放の組合せとして、被駆動時
に一方向クラッチの係合状態が変化して変速が生じる組
合せとその変速が生じない組合せとのいずれかが、前記
検出手段の検出結果やエンジンブレーキ判断手段の判断
結果に基づいて選択される。
【0014】
【実施例】つぎにこの発明の実施例を図面に基づいて説
明する。
【0015】図1はこの発明の一実施例を原理的に示す
ブロック図であって、ここに示す例は前述した図6に示
す歯車列を備えた自動変速機を対象としている。すなわ
ち各クラッチC1 ,C2 ,C3 ,C4 およびブレーキB
1 ,B2 に油圧を給排してその制御を行う油圧制御装置
12は後述する構成であり、これを制御する電子コント
ロールユニット(ECU)13は検出手段14と、エン
ジンブレーキ判断手段15と、変速段設定手段16とを
備えている。
【0016】検出手段12は、車速(V)センサ、スロ
ットル開度(θ)センサ、オーバードライブスイッチ
(O/D Sw)、シフトポジションセンサ、ブレーキ
スイッチ、アイドリングスイッチ(I/D Sw)(そ
れぞれ図示せず)から入力される信号に基づいて走行状
態を検出するものであり、またエンジンブレーキ判断手
段15は検出手段14で検出された走行状態に基づいて
エンジンブレーキを必要とする状態であるか否かを判断
する。例えばオーバードライブスイッチがON状態で通
常の走行を行っている場合には、エンジンブレーキ力が
小さくて良いと判断し、またオーバードライブスイッチ
がOFFの状態で通常の走行を行っている場合には、中
程度のエンジンブレーキを必要とすると判断し、さらに
スロットル開度がアイドリング状態の開度であってかつ
ブレーキスイッチがONであれば、強いエンジンブレー
キを必要としていると判断する。そして変速段設定手段
16は、検出された走行状態および必要とするエンジン
ブレーキ状態となる変速段およびその変速段を設定する
ための摩擦係合要素の係合・解放の組合せを選択して出
力する。その係合・解放の組合せには、被駆動時(コー
スト時)に一方向クラッチの係合状態が切替わって変速
が自動的に生じる組合せと、そのような変速が生じない
組合せとが含まれる。
【0017】上記の電子コントロールユニット13によ
って制御される油圧制御装置の一例を図2および図3に
示す。これらの図では、オイルポンプやオイルポンプで
発生された油圧をライン圧PL に調圧する手段、あるい
はロックアップクラッチを制御する手段、アキュームレ
ータ背圧を制御する手段は、従来知られているものを使
用できるので省略してある。また図2および図3におい
て○を付した数字は、同一数字で示す部分が接続されて
いることを示す。
【0018】これらの図に示す油圧制御装置は、各変速
段を設定するために、マニュアルバルブ20、 1-2シフ
トバルブ30、 2-3シフトバルブ50、 3-4シフトバル
ブ70、B1 コントロールバルブ80ならびに各シフト
バルブ30,50,70を制御するソレノイドバルブ9
0,91,92を備えている。
【0019】マニュアルバルブ20は、従来のものと同
様に、手動操作することによってP(パーキング)レン
ジ、R(リバース)レンジ、N(ニュートラル)レン
ジ、D(ドライブ)レンジ、Lレンジを選択するもので
あって、Dレンジを選択した場合には、スプール21が
図示の位置より左側に移動し、ライン圧油路100を接
続してある入力ポート22をDポート23に連通させ、
またLレンジを選択した場合には、スプール21が図の
左端部まで移動して、入力ポート22をDポート23お
よびLポート25に連通させるようになっている。他
方、Rレンジを選択した場合に、スプール21が図示の
位置から右側に移動し、入力ポート22をRポート26
のみに連通させる。なおまた、Nレンジを選択したとき
には、スプール21は図示の位置にあり、入力ポート2
2と他のポートとの連通が阻止され、Pレンジを選択し
たときには、入力ポート22をスプール21によって閉
じるようになっている。
【0020】1-2シフトバルブ30は、5つのランドが
形成されたスプール31とそのスプール31を一方向
(図の上方向)に押圧するスプリング32とを有してお
り、そのスプリング32を配置した端部とは反対側の端
部に形成した制御ポート33が、油路101を介してマ
ニュアルバルブ20のDポート23に連通されている。
この油路101にはストレーナ102およびオリフィス
103を介して第2ソレノイドバルブ91が介装されて
おり、この第2ソレノイドバルブ91がOFFのときに
は油路101から排圧し、またONのときには油路10
1にライン圧PLを生じさせるようになっている。また
1-2シフトバルブ30における第1Dポート34は、前
記ストレーナ102および第2ソレノイドバルブ91を
バイパスする油路104を介してマニュアルバルブ20
のDポート23に連通されており、スプール31がスプ
リング32に押されて図の右側に示す位置にあるときに
第1Dポート34に連通されるクラッチポート35に
は、第4クラッチC4 が接続されている。なお、この第
4クラッチC4にはアキュームレータ105が付設され
ている。
【0021】さらに 1-2シフトバルブ30には、図示の
状態での上側からクラッチポート35に選択的に連通さ
れる第2Dポート36、第3Dポート37、ブレーキポ
ート38、ドレンポート39、Rポート40、ブレーキ
ポート41、Lポート42、第4Dポート43、クラッ
チポート44、ホールドポート45が形成されている。
これらのうちブレーキポート41に第2ブレーキB2 が
接続されている。
【0022】これに対して 2-3シフトバルブ50は、同
一軸線上に連続して配列した2本のスプール51,52
と、これらのスプール51,52を一方向(図の上方
向)に押圧するスプリング53とを有しており、そのス
プリング53を配置してある端部とは反対側の端部に形
成した制御ポート54には、前記ライン圧油路100か
ら分岐しかつストレーナ106およびオリフィス107
ならびに第1ソレノイドバルブ90を介装した油路10
8が接続されている。したがってこの第1ソレノイドバ
ルブ90がOFFのときには制御ポート54から排圧さ
れ、スプール51,52がスプリング53に押されて図
の左側に示す位置に移動し、また反対に第1ソレノイド
バルブ90がONのときには、制御ポート54にライン
圧PL が作用してスプール51,52が図の右側に示す
位置に押し下げられるようになっている。
【0023】また 2-3シフトバルブ50には、マニュア
ルバルブ20のDポート23に接続した第1ないし第3
のDポート55,56,57が形成されており、それら
のうち第1Dポート55に対して連通および遮断される
クラッチポート58が 1-2シフトバルブ30における第
3Dポート43に接続されている。また第2Dポート5
6とドレンポート59とに選択的に連通されるブレーキ
ポート60が、 1-2シフトバルブ30の第3Dポート3
7に接続されている。さらに第3Dポート57とドレン
ポート61とに選択的に連通されるクラッチポート62
が、 1-2シフトバルブ30における第2Dポート36と
ホールドポート45とに接続されている。また一方、こ
のクラッチポート62は、第2クラッチC2 に接続され
ている。なお、符号109はアキュームレータである。
【0024】さらに 2-3シフトバルブ50には、マニュ
アルバルブ20のLポート25に接続されたLポート6
3が形成されていて、このLポート63とドレンポート
64とに選択的に連通されるブレーキポート65は、ロ
ーコーストモジュレータバルブ110を介して 1-2シフ
トバルブ30のLポート42に接続されている。なお、
このローコーストモジュレータバルブ110は、Lレン
ジに切換えた際のシフトショックを軽減するためのもの
であって、従来一般に使用されているものを採用するこ
とができる。そしてまた第3Dポート57と他のドレン
ポート66とに選択的に連通されるクラッチポート67
が設けられている。
【0025】3-4シフトバルブ70は、第1クラッチC1
と第1ブレーキB1 との二つの係合要素に対する油圧
の給排を同時に切換えるためのものであって、3つのラ
ンドを形成したスプール71とそのスプール71を一方
向(図の上方向)に押圧するスプリング72とを有して
いる。そのスプリング72を配置した端部とは反対側の
端部に設けた制御ポート73は、 1-2シフトバルブ30
における制御ポート33に接続されており、したがって
この3-4シフトバルブ70の制御ポート73に対するラ
イン圧PL の付与およびその排圧を、第2ソレノイドバ
ルブ91によって行うようになっている。
【0026】またこの 3-4シフトバルブ70には、 1-2
シフトバルブ30におけるブレーキポート38に接続し
た第1Dポート74が形成されており、この第1Dポー
ト74と、前記油路104を介してマニュアルバルブ2
0のDポート23に接続した第2Dポート75とに選択
的に連通されるブレーキポート76が形成されている。
さらに前述した 2-3シフトバルブ50におけるクラッチ
ポート67に接続された第3Dポート77とホールドポ
ート78とが形成されており、これら第2Dポート75
と第3Dポート77とに選択的に連通されるクラッチポ
ート79に第1クラッチC1 が接続されている。このク
ラッチポート79から第1クラッチC1にはアキューム
レータ111を介して油圧を供給するようになってい
る。
【0027】なお、第1クラッチC1 は、前述した 1-2
シフトバルブ30におけるクラッチポート44にも接続
されている。
【0028】3-4シフトバルブ70の下流側すなわち 3-
4シフトバルブ70から第1ブレーキB1 に油圧を供給
する際の下流側に、B1コントロールバルブ80が配置
されている。このB1 コントロールバルブ80はその名
称が示すように 3-4シフトバルブ70から第1ブレーキ
B1 に対して供給する油圧を制御するためのものであっ
て、3つのランドが形成されたスプール81とこのスプ
ール81を一方向(図の上方向)に押圧するスプリング
82とを有している。このスプリング82を配置してあ
る端部とは反対側の端部の制御ポート83には、前述し
た油路108からストレーナ106の下流側で分岐した
油路112が接続され、この油路112にオリフィス1
13および常閉ソレノイドバルブ(仮に第4ソレノイド
バルブとする)92が介装されている。したがって第4
ソレノイドバルブ92がOFFのときに、制御ポート8
3にライン圧PL が作用してスプール81が図の右側に
示すようにスプリング82の弾性力に抗して下がり、ま
た反対にONのときに制御ポート83から排圧されてス
プール81が図の左側に示す位置に押し上げられるよう
になっている。
【0029】このB1 コントロールバルブ80には、 3
-4シフトバルブ70のブレーキポート76に接続された
第1Dポート84が形成されており、この第1Dポート
84とドレンポート85とに選択的に連通されるブレー
キポート86に第1ブレーキB1 が接続されている。な
お、この第1ブレーキB1 にアキュームレータ114が
付設されている。またB1 コントロールバルブ80に
は、前述した 2-3シフトバルブ50におけるクラッチポ
ート62に接続した第2Dポート87が形成されてお
り、この第2Dポート87に対して連通および遮断され
るクラッチポート88に第2クラッチC2が接続されて
いる。
【0030】なお、マニュアルバルブ20によってRレ
ンジを選択した場合に後進段が設定されるようにするた
め、そのRポート26は第3クラッチC3 と 1-2シフト
バルブ30のRポート40とに接続されている。この第
3クラッチC3 にはアキュームレータ115が付設され
ている。
【0031】上述した各ソレノイドバルブ90,91,
92のON・OFFの組合せおよびそれによって設定さ
れる前進段の各変速段は図4に示すとおりである。な
お、図4はDレンジを選択している場合の例であって、
○印はONもしくは係合状態、×印はOFFもしくは解
放状態、△印は駆動時にのみ係合状態、▽印は被駆動時
にのみ係合状態をそれぞれ示す。
【0032】図4に示すように第2速と第3速とでは、
駆動時にその変速段を設定するためのクラッチおよびブ
レーキの係合・解放の組合せが2種類あり、それぞれの
組合せのうち一方の組合せでは、被駆動時にアップシフ
トが生じる。すなわち先ず、第2速について説明する
と、Dレンジを選択している状態で第1ソレノイドバル
ブ90のみをONにすると、図2に示す油圧回路におい
て、 2-3シフトバルブ50の制御ポート54にライン圧
PL が作用してそのスプール51,52が図の右側に示
すように下側に押し下げられる。また 1-2シフトバルブ
30および 3-4シフトバルブ70では、それぞれの制御
ポート33,73から排圧されるため、それぞれのスプ
ール31,71は図の下側に下がった状態となる。さら
にB1 コントロールバルブ80では、制御ポート83に
ライン圧PL が作用してスプール81が図の右側に示す
ように下がった状態となる。したがって 2-3シフトバル
ブ50では、第2Dポート56とブレーキポート60と
が連通し、かつ第3Dポート57とクラッチポート67
とが連通する。また 1-2シフトバルブ30では、前記ブ
レーキポート60に接続されている第3Dポート37と
ブレーキポート38とが連通するので、油圧が 3-4シフ
トバルブ70の第1Dポート74に送られる。この 3-4
シフトバルブ70では、第1Dポート74がブレーキポ
ート76に連通し、またB1 コントロールバルブ80で
は、前記ブレーキポート76に接続されている第1Dポ
ート84が第1ブレーキB1 を接続してあるプレーキポ
ート86に連通しているので、結局、第1ブレーキB1
に油圧が送られてこれが係合する。
【0033】また 1-2シフトバルブ30では、マニュア
ルバルブ20のDポート23に油路104によって接続
してある第1Dポート34が第4クラッチC4 を接続し
てあるクラッチポート35に連通しているので、この第
4クラッチC4 に油圧が供給されてこれが係合する。
【0034】さらに 3-4シフトバルブ70では、前記油
路104を接続してある第2Dポート75が、第1クラ
ッチC1 を接続してあるクラッチポート79に連通する
ので、第1クラッチC1 に油圧が送られてこれが係合す
る。
【0035】すなわち第1、第4のクラッチC1 ,C4
と第1ブレーキB1 とが係合し、この状態では第2遊星
歯車機構2のサンギヤ9が、第4クラッチC4 を介して
第1ブレーキB1 と第2一方向クラッチF2 とが固定さ
れるので、駆動時および被駆動時のいずれでも第2速を
維持する。
【0036】これに対し、第1ソレノイドバルブ90に
加えて第4ソレノイドバルブ92をONにすると、B1
コントロールバルブ80において制御ポート83から排
圧され、そのスプール81が図3の左側に示すようにス
プリング82によって押し上げられ、その結果、第1ブ
レーキB1 を接続してあるブレーキポート86がドレン
ポート85に連通して第2ブレーキB1 から排圧され、
これが解放される。
【0037】この状態では、駆動時に第2一方向クラッ
チF2 が係合して第2遊星歯車機構2のサンギヤ9が固
定され、その結果、第2速が設定されるが、被駆動時に
はトルクの作用方向が反対になるので第2一方向クラッ
チF2 が解放してしまい、これに替って第1一方向クラ
ッチF1 が係合する。そのため第2遊星歯車機構2で
は、そのサンギヤ9とキャリヤ6とが、第4クラッチC
4 と第1一方向クラッチF1 とを介して連結されるた
め、その全体が一体となって回転する。すなわち第3速
にアップシフトする。
【0038】つぎに第3速について説明すると、Dレン
ジを選択している状態で、第1、第2、第4の各ソレノ
イドバルブ90,91,92をOFFにすると、 2-3シ
フトバルブ50ではその制御ポート54から排圧される
ため、そのスプール51,52が図2の左側に示す位置
に押し上げられる。その結果、第1ブレーキB1 に油圧
を送っていたブレーキポート60がドレンポート59に
連通するため、第1ブレーキB1 から排圧されてこれが
解放される。これに替って第3Dポート57が第2クラ
ッチC2 を接続してあるクラッチポート62に連通する
ので、第2クラッチC2 に油圧が供給されてこれが係合
する。
【0039】したがって 1-2シフトバルブ30および3-
4 シフトバルブ70ならびにB1 コントロールバルブ8
0は第2速の場合と同様であるから、第1クラッチC1
、第2クラッチC2 、第4クラッチC4 が係合する。
この場合、第1遊星歯車機構1ではサンギヤ8とリング
ギヤ5とが入力軸7に連結された状態になるので、その
全体が一体となって回転し、直結段である第3速とな
る。この第1遊星歯車機構1に対する入出力関係は、駆
動時と被駆動時とのいずれであっても変らないから、第
3速の変速比でエンジンブレーキが作用する。
【0040】これに対して第2ソレノイドバルブ91と
第4ソレノイドバルブ92とをONとした場合には、駆
動時に第3速であっても被駆動時には第4速となる。す
なわち第1ソレノイドバルブ91がOFFであることに
より、 2-3シフトバルブ50のスプール51,52は、
図2の左側に示すように押し上げられており、その結
果、第3Dポート57がクラッチポート62に連通する
とともに、このクラッチポート62が 1-2シフトバルブ
30のホールドポート45に連通しているため、1-2シ
フトバルブ30ではその制御ポート33にライン圧PL
がたとえ作用してもスプール31は図の右側に示す位置
に押し上げられたままとなる。したがって第2クラッチ
C2 には 2-3シフトバルブ50のクラッチポート62か
ら油圧が供給され、また第4クラッチC4 には 1-2シフ
トバルブ30のクラッチポート35から油圧が供給さ
れ、これらのクラッチC2 ,C4 が係合する。
【0041】他方、 3-4シフトバルブ70では、その制
御ポート73にライン圧PL が作用してスプール71が
図3の右側に示すように押し下げられるので、第1クラ
ッチC1 を接続してあるクラッチポート79が第3Dポ
ート77に連通し、これが 2-3シフトバルブ50におけ
るクラッチポート67を介してそのドレンポート66に
連通しているため、第1クラッチC1 から排圧されてこ
れが解放される。なお、 3-4シフトバルブ70では、第
2Dポート75がブレーキポート76に連通するが、こ
のブレーキポート76に接続されているB1 コントロー
ルバルブ80の第1Dポート84がスプール81によっ
て閉じられているので、第1ブレーキB1 に油圧は供給
されない。
【0042】すなわち第2クラッチC2 と第4クラッチ
C4 とが係合し、この状態でエンジン側からトルクが与
えられると、第1一方向クラッチF1 が係合し、その結
果、第2遊星歯車機構2ではサンギヤ9とキャリヤ6と
が連結されるので、その全体が一体となって回転し、直
結段である第3速になる。
【0043】これとは反対に車輪側からトルクが与えら
れた場合には第2遊星歯車機構2のサンギヤ9には入力
軸7の回転方向とは反対方向のトルクが作用するため
に、第2一方向クラッチF2 が係合してそのサンギヤ9
が固定され、その結果、第4速になる。
【0044】このように上記の装置では変速段を設定す
るための態様として、被駆動時に変速が生じる態様を入
れると図4に示すように6態様が可能であり、そこで上
記の電子コントロールユニット13による変速制御は以
下のようにして行われる。
【0045】図5は制御ルーチンの一例を示すフローチ
ャートであって、先ずステップ1 で各データの読み込み
を行い、ついでステップ2 でブレーキスイッチがONか
否かの判断を行い、その判断結果が“イエス”であれば
ステップ3 に進んでアイドリングスイッチがONか否か
の判断を行う。このステップ3 の判断結果が“ノー”の
場合およびステップ2 の判断結果が“ノー”の場合にス
テップ4 に進んでオーバードライブスイッチがONか否
かの判断を行う。その判断結果が“イエス”であれば、
オーバードライブ段をも設定可能とした通常の走行を行
う状態であるから、図4に示すI,III,V,VIの
係合・解放パターンをスロットル開度や車速に基づいて
選択して変速を行う(ステップ5 )。このような変速パ
ターンであれば、第2速と第3速、第3速と第4速との
それぞれの変速段の間で一方向クラッチF1 ,F2 を使
用した変速を行うことができ、パワーオン→オフ・アッ
プシフトやパワーオフ→オン・ダウンシフトの変速特性
が良好になる。
【0046】またステップ4 の判断結果が“ノー”の場
合、すなわちオーバードライブスイッチがOFFとなっ
ていてオーバードライブ段を設定しない走行状態であれ
ば、図4におけるI,III,IVの係合・解放パター
ンをスロットル開度や車速に基づいて選択して変速を行
う(ステップ6 )。したがってこの場合の最高速段にお
いてその変速比でエンジンブレーキを効かせることがで
き、大きい駆動力およびエンジンブレーキ力を得ること
ができるとともに、アクセル操作に即応する加減速を行
うことができる。
【0047】さらにアイドリングスイッチがONである
ことによりステップ3の判断結果が“イエス”の場合に
は、ステップ7 に進んで図4に示す全ての係合・解放パ
ターンをスロットル開度や車速に応じて選択して設定す
る変速を行う。この場合には、スロットル開度が全閉で
あるため、図4におけるIVの係合・解放パターンやI
Iの係合・解放パターンを使用することにより強いエン
ジンブーキ力を得てブレーキを補助することできる。ま
た被駆動時の変速比が変化するVの係合・解放パターン
やIIIの係合・解放パターンを選択するので、変速特
性が良好になる。
【0048】なお、ステップ5 ないしステップ7 での変
速パターンの選択は、これらに相当する変速マップをメ
モリーしておき、走行条件に応じてその変速マップを選
択することにより行うことができる。
【0049】ところで上記の実施例では、変速パターン
の選択あるいは変更を、ブレーキスイッチおよびアイド
リングスイッチならびにオーバードライブスイッチのO
N・OFF状態に基づいて行うこととしたが、これらの
各条件以外に、例えば加減速度、パターンセレクトスイ
ッチで選択された走行パターン、ブレーキ踏力やそのス
トローク、路面勾配、アクセルペダルの踏込み速度など
の多様な条件を参照して変速パターンを選択することと
してもよい。
【0050】またこの発明で対象とする自動変速機は図
1に示す歯車列を有するものに限られないことは勿論で
ある。
【0051】
【発明の効果】以上の説明から明らかなようにこの発明
によれば、被駆動時の摩擦係合要素の係合・解放のパタ
ーンを適宜選択することにより、多様なエンジンブレー
キ力を得ることができるので、様々な要求に応じた走行
が可能になってドライバビリティが向上する。またエン
ジンブレーキの使用領域が広くなってエンジンのフュー
エルカット範囲が拡大するので、燃費の向上を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の基本構成を示すブロック
図である。
【図2】実施例における油圧制御装置の一部を示す回路
図である。
【図3】実施例における油圧制御装置の他の一部を示す
回路図である。
【図4】各変速段を設定する係合・解放パターンを示す
作動表である。
【図5】制御ルーチンの一例を示すフローチャートであ
る。
【図6】従来の歯車列の一例を示すスケルトン図であ
る。
【図7】その作動表の一例を示す図である。
【符号の説明】
13 電子コントロールユニット 14 検出手段 15 エンジンブレーキ判断手段 16 変速段判断手段 C1 第1クラッチ C2 第2クラッチ C3 第3クラッチ C4 第4クラッチ B1 第1ブレーキ B2 第2ブレーキ F1 第1一方向クラッチ F2 第2一方向クラッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方向クラッチおよび摩擦係合要素の係
    合状態に応じて複数の変速段に設定される歯車列を備
    え、かつ車輪側からトルクが与えられる被駆動時の変速
    比を、エンジン側からトルクが与えられる駆動時の変速
    比と同一の変速比および異なる変速比に、前記摩擦係合
    要素の係合・解放の状態を変えることによって設定する
    ことのできる自動変速機の変速制御装置において、車両
    の走行状態を検出する検出手段と、検出した走行状態か
    らエンジンブレーキを必要とすることを判断するエンジ
    ンブレーキ判断手段と、被駆動時に一方向クラッチの係
    合状態が変化して変速が生じる前記摩擦係合要素の係合
    ・解放の組合せと被駆動時にその変速が生じない前記摩
    擦係合要素の係合・解放の組合せとを前記検出手段の検
    出結果およびエンジンブレーキ判断手段の判断結果に基
    づいて選択して出力する変速段設定手段とを有すること
    を特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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