JP2802100B2 - 歯科用セメント材料 - Google Patents

歯科用セメント材料

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稔 久保田
正彦 植田
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は補綴物の合着材として使用される他、充填
材,裏装材等にも使用される歯科用セメント材料に関
し、殊に鎮痛・殺菌作用を有し、強度も十分な歯科用セ
メント材料に関するものである。
[従来の技術] 歯科用セメント材料は補綴物の合着材として使用され
る他、充填材,裏装材としても使用されており、歯科分
野の修復材料として様々な歯科用セメント材料が開発さ
れている。
歯科用セメント材料としては、酸化亜鉛粉末とポリカ
ルボン酸の水溶液を混合したカルボキシレートセメント
や、アルミノ珪酸塩ガラス粉末とポリカルボン酸を混合
したグラスアイオノマーセメント等が知られている。こ
のうちカルボキシレートセメントは、クラウンやインレ
ーの合着材として主に使用されるが、熱の不良導体であ
る為に、2次的用途として裏装,断熱基材としても使用
されている。またグラスアイオノマーセメントは、合着
材としても使用されるが、十分な強度を有し、審美性に
優れることから充填用としても使用されている。グラス
アイオノマーセメントは、アルミノ珪酸塩とポリカルボ
ン酸の反応によって十分に硬化し、またガラス表面から
のフッ素の溶出により、歯質を強化するという作用を有
する。
ところで歯科用セメント材料としては上記以外にも酸
化亜鉛とオイゲノール(ユージノール)を主成分とする
ユージノールセメントも知られている。このユージノー
ルセメントは、オイゲノールによる鎮痛・殺菌作用を有
し、歯科治療における仮封用セメントとして広く使用さ
れている。
[発明が解決しようとする課題] 上記の如くユージノールセメントは鎮痛・殺菌作用を
有するのであるが、機械的性質特に強度が低いことか
ら、修復材料として要求される封鎖性が不十分であると
いう欠点があった。
こうしたことから、ユージノールセメントの機械的性
質の改善の為に様々な工夫がなされており、例えば特公
昭63−53161号には、主剤となる亜鉛化合物をカルシウ
ムと亜鉛の水和物にすると共に、組成物中にロジンを含
む歯科用ユージノールセメントも提案されている。
尚オイゲノールは変質し易い物質であり、その変質を
防止するには着色びんに入れ、密封状態で保管しなけれ
ばならなず、保存上も問題があった。
本発明はこうした状況のもとでなされたものであっ
て、その目的は、上述の様な保存上の問題を生じること
なく、鎮痛・殺菌作用を有すると共に強度的にも十分な
歯科用セメント材料を提供することにある。
[課題を解決する為の手段] 上記目的を達成し得た本発明の歯科用セメント材料と
は、オイゲノールをアルカリ金属酸化物又はアルカリ金
属水酸化物で処理したオイゲノール・アルカリ金属塩粉
末を30重量%未満含有し、残部がアルミノ珪酸塩ガラス
粉末からなる混合粉末と、20〜80%濃度の有機酸重合体
及び/又は単量体水溶液からなる点に要旨を有するもの
である。
[作用] 本発明者らは、鎮痛・殺菌作用を有すると共に、十分
な強度を備えた歯科用セメント材料の開発を目指して様
々な角度から研究を重ねた。
本発明者らはまず、前述のグラスアイオノマーセメン
トの優れた強度特性を生かすべく、このセメントとオイ
ゲノールとを組み合わせれば上記目的が達成されるので
はないかと考えた。ところが、グラスアイオノマーセメ
ントの硬化液であるポリカルボン酸水溶液に対し、疎水
性オイゲノールを単純に混合するだけでは分離してしま
い均一に混和することは難しく、有用な歯科用セメント
材料にはなり得ないことが判明した。
そこで本発明者らはオイゲノールをできるだけ親水性
にすればよいと考え、更に鋭意研究を重ねた結果、オイ
ゲノールをアルカリ金属酸化物又はアルカリ金属水酸化
物で処理すれば、易水溶性のオイゲノール・アルカリ金
属塩粉末が得られることが分かった。そしてこのオイゲ
ノール・アルカリ金属塩粉末とアルミノ珪酸塩ガラス粉
末を混合した混合材料に対して、硬化液としての有機酸
重合体及び/又は単量体水溶液(20〜80%濃度)を混合
すれば分離することなく均一に混合でき、こうして得ら
れる歯科用セメント材料は鎮痛・殺菌作用を有すると共
に十分な強度を有することを見出し、本発明を完成し
た。またオイゲノールをアルカリ金属塩粉末とすること
によって、保存上の問題も回避できた。
上述の如く、オイゲノールをアルカリ金属酸化物又は
アルカリ金属水酸化物で処理することによって、有用な
歯科用セメント材料が実現出来たのであるが、ユージノ
ール・アルカリ金属塩粉末の含有量はは混合粉末全体に
対して30重量%未満に抑える必要がある。これはオイゲ
ノール・アルカリ金属塩粉末の量を30重量%以上にする
と、強度の低下が著しくなるからである。またオイゲノ
ール・アルカリ金属粉末の混合割合の下限については、
特に限定するものではなく、その用途に応じて適当に設
定すればよいが、鎮痛・殺菌作用を考慮すれば1%以上
であることが好ましい。
また本発明で用いるアルカリ金属酸化物又はアルカリ
金属水酸化物についても特に限定するものではないが、
例えば酸化カリウム(K2O)や酸化ナトリウム(Na2O)
等の酸化物、水酸化カリウム(KOH)や水酸化ナトリウ
ム(NaOH)等を挙げることができる。
次に硬化液としての有機酸重合体及び/又は単量体
は、その濃度が20〜80%であることが必要である。これ
は濃度が20%未満では硬化剤としての作用が不十分で希
望する強度が得られないからであり、一方80%を超える
と著しく粘度が増大し、粉末と硬化液とを混和するのが
困難となり、物理的及び機械的性質が低下する。尚用い
る有機酸の種類については、ガラス中の金属イオンと反
応してキレート結合を形成するものであればよく、何ら
限定するものではないが、例えば不飽和脂肪族カルボン
酸の単独重合体や共重合体、或はこれらの酸と他の不飽
和脂肪族単量体との共重合体等が挙げられる。また混合
粉末と硬化液との混合割合については特に限定するもの
ではなく、臨床上の修復操作を考慮して設定すればよい
が、1:2〜3:1程度が適当である。
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、
下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前
・後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発
明の技術的範囲に含まれるものである。
[実施例] 水酸化ナトリウム40重量部を水100重量部に溶解し、
これにオイゲノール164重量部を徐々に滴下し、均質な
水溶液が得られるまで撹拌を続けて反応を終結させた。
これを凍冷乾燥後、粉砕して100μm以下の粉末とし
た。得られた粉末は赤外線分光光度計により構造解析を
行ない、オイゲノール・ナトリウムであることを確認し
た。
更にオイゲノール・ナトリウム粉末を混合割合を変え
て、アルミノ珪酸塩ガラス粉末と混合し、これにアクリ
ル酸とイタコン酸の共重合物(重合度約200)45重量%
と酒石酸10重量%及び水45重量%からなる硬化液を1.8
(粉末):1(硬化液)の割合で混和し、その特性につい
て調査した。その結果を第1表に示す。尚第1表には、
比較の為オイゲノール・ナトリウムを含有しないもの
(比較例1)及び市販されているユージノールセメント
(比較例2)についての特性も示した。
第1表から明らかな様に、本発明に係る歯科用セメン
ト材料は、適度なオイゲノール溶出量があり、且つ強度
的にも十分であることがよく分かる。
[発明の効果] 以上述べた如く本発明によれば、鎮痛・殺菌作用を有
し、且つ強度的にも十分な歯科用セメント材料が実現で
きた。またこうした構成を採用することによって、オイ
ゲノールの保存上の問題も回避することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オイゲノールをアルカリ金属酸化物又はア
    ルカリ金属水酸化物で処理したオイゲノール・アルカリ
    金属塩粉末を30重量%未満含有し、残部がアルミノ珪酸
    塩ガラス粉末からなる混合粉末と、20〜80%濃度の有機
    酸重合体及び/又は単量体水溶液からなることを特徴と
    する歯科用セメント材料。
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