JP2799853B2 - エンジン始動装置 - Google Patents

エンジン始動装置

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JP2799853B2
JP2799853B2 JP14884096A JP14884096A JP2799853B2 JP 2799853 B2 JP2799853 B2 JP 2799853B2 JP 14884096 A JP14884096 A JP 14884096A JP 14884096 A JP14884096 A JP 14884096A JP 2799853 B2 JP2799853 B2 JP 2799853B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は使用者の設定した時
刻に、または設定操作から設定時間を経過したときに、
あるいはリモートコントローラから発信されたエンジン
始動信号を受信したときにエンジンを始動させるエンジ
ン始動装置に関し、特に、手動操作されるエンジン始動
接点が開放されていても制御回路からの指令に応じてス
タータモータを稼働させるため、当該エンジン始動接点
をバイパスする接点手段の故障を検出し、対処するため
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】少し前までの自動車両では、気温が下が
る程、エンジン始動後の暖気運転時間は長目に取る必要
があったが、最近のものではそれ程暖気運転をなくて
も、エンジン性能自体への悪影響は殆ど認められないま
でになってきた。しかし、エンジンを始動した直後の車
内は、冬は凍りつく程寒く、夏は火傷する程熱くなって
いることも多い。従って、エンジン性能に関してという
より、むしろ運転者の不快感を解消し、予め暖房ないし
冷房が程好く利いた頃に車内に乗り込めば良いようにす
るため、従来からもスタータタイマと呼ばれる商品やリ
モコンスタータと呼ばれる商品が開発されてきた。前者
は、使用者が設定した設定時刻になるか、または使用者
による設定操作から設定時間を経過すると、通常は使用
者が手動で操作するキースイッチが操作されなくても、
制御回路に含まれているタイマ回路が車両搭載のバッテ
リからの稼働電力をスタータモータ駆動回路に与えてこ
れを自動的かつ強制的に稼働させ、車両搭載のエンジン
を自動始動させる装置であり、後者は無線(特殊な場合
には赤外線波長領域等をも含む)を利用し、車両から離
れた所、例えば家の中から等でもリモートコントローラ
に備え付けのエンジン始動スイッチを使用者が操作する
ことでエンジン始動信号を発し、これを受信した制御回
路がやはり車両搭載のバッテリからの稼働電力をスター
タモータ駆動回路に与え、これを自動的かつ強制的に稼
働させ、車両搭載のエンジンを始動させる装置である。
【0003】もっとも、このようなエンジン始動装置
は、いわゆるオートマチック車専用の商品として市販さ
れる。これは、運転者が車両に乗り込んでいない状態で
車両のエンジンを始動する装置としての安全性が確保さ
れねばならないからである。つまり、マニュアル車の場
合、一部の車両を除き、セレクタレバー(シフトレバー
とかギアチェンジレバー等とも呼ばれる)が中立(ニュ
ートラル:N)位置にあるか否かの検出回路を有してい
る車両はないので、こうしたエンジン始動装置がマニュ
アル車に搭載された場合、車両のギアが中立以外の位置
に入っているときに制御回路によりスタータモータが強
制駆動されるようなことがあると、サイドブレーキの引
き具合が甘ければ車両が不測にも動いてしまう危険があ
る。
【0004】その点、オートマチック車の場合には、市
販されている全ての形式の車両においてセレクタレバー
に連動して開閉する接点手段が備えられ、セレクタレバ
ーが駐車位置(パーキングないしP位置)にあるか中立
位置Nにないとこの接点手段が開き、バッテリからスタ
ータモータ駆動回路への通電を阻止するようになってい
るので、従来のこの種のエンジン始動装置に見られるよ
うに、エンジン始動動作時にキースイッチを単にバイパ
ス、短絡するような簡単な構成でも、比較的高い安全性
を望むことができる。ちなみに、こうしたセレクタレバ
ー連動の接点手段は、特定の条件の下では強制的にスタ
ータモータ駆動回路への通電を「禁止」すると言う意味
から、一般に「インヒビタ接点」ないし「インヒビタス
イッチ」等と呼ばれる。
【0005】しかるに、図4には、このような従来のエ
ンジン始動装置30の一構成例が示されている。まず、通
常のオートマチック車に搭載されている回路ないし装置
部分から説明すると、車両搭載のバッテリ10からのバッ
テリ電力供給ラインがキースイッチ13の入力側接点(摺
動子ないし可動片側の接点)に接続されている。キース
イッチ13は極めて周知のもので、いわゆる「車のキー」
を差し込んで手動操作され、通常、オフ接点(OFF),アク
セサリ接点(ACC.), イグニッション接点(IG),そしてエ
ンジン始動を促すエンジン始動接点(ST)の少なくとも四
つの固定接点位置を有している。使用者がキースイッチ
13に挿入しているキー(図示せず)を回し、アクセサリ
接点ACC.をのみ選択したときには、車両搭載のラジオそ
の他、いわゆるアクセサリ負荷11のみが稼動可能な状態
になる。これに対し、さらにキーを回し込み、キースイ
ッチ13をエンジン始動接点STに付けると、後述のスター
タモータ動作を経てエンジンが始動し、その後、エンジ
ン始動を確認した使用者がキーを回す手を緩めると、当
該キースイッチ13は自動的にイグニッション接点IGを選
択した位置にまで戻り、始動したエンジンの回転を持続
するに必要な点火系統関係の負荷12に対し、イグニッシ
ョンライン22を介しバッテリ10から電力を供給し続ける
(このとき、周知であるが、一般にアクセサリ接点ACC.
も同様に選択され、アクセサリ負荷11にも電力が供給さ
れ続ける)。
【0006】エンジン始動接点STは、冒頭に述べたイン
ヒビタ接点COを直列に含む電流ライン(スタータライ
ン)21を介し、スタータモータ駆動回路として代表的な
例であるマグネットスイッチ15に接続している。マグネ
ットスイッチ15は、キースイッチ13がエンジン始動接点
STに付けられ、かつ、このときにインヒビタ接点COが閉
じていれば、バッテリ10からの電力供給を受けることで
内蔵の接点を閉じ、これにより、当該閉じた接点を介し
てバッテリ10からの電力を直接にスタータモータ14に与
えてこれを回転させ、エンジン始動を図る。換言すれ
ば、インヒビタ接点COが開いているときは、例えキース
イッチ13によりエンジン始動接点STが選択されてもマグ
ネットスイッチ15にはバッテリ電力が供給されず、内蔵
の接点も閉じないので、スタータモータ14も回ることが
ない。
【0007】なお、スタータモータ駆動回路15はマグネ
ットスイッチ構成以外、他の回路形態を取ることもある
し、特殊な場合にはマグネットスイッチ15が設けられ
ず、スタータライン21は直接にスタータモータ14に接続
することもある。この場合のスタータモータ駆動回路は
スタータモータ周りの配線系と考えることができる。た
だ、このような回路構成にすると、一般にスタータライ
ン21には、マグネットスイッチ15等を用いるときよりも
さらに大きなスタータモータ駆動電流が流れる。いずれ
にしても、本書で言うスタータライン21とは、図4に示
す回路例に認められる通り、キースイッチ13がエンジン
始動接点STに付けられたときに、少なくともバッテリ10
からスタータモータ14を回転させる契機となる電流が流
れるラインを言う。
【0008】インヒビタ接点COは、先に述べたようにオ
ートマチック車に固有のもので、図示しないセレクタレ
バーに連動してオンオフする。つまり、オートマチック
車において使用者が操作するセレクタレバーは、通常、
駐車(パーキング)位置P、後退(リバース)位置R、
中立(ニュートラル)位置N、前進(ドライブ)位置D
の四位置を少なくとも有しており、ドライブ位置Dはさ
らに、セコンドギア選択位置、ローギア選択位置、さら
にはウルトラローギア選択位置等に細分化されるのが普
通である。本書では簡単のため、前進に関与する上記の
各位置は全て画一的にドライブ位置Dで代表させるが、
このようなセレクタレバーにはまた、その時々の選択位
置に応じた電気接点位置を有するセレクタレバー連動ス
イッチ16が結合される。
【0009】図示の場合、このセレクタレバー連動スイ
ッチ16はその摺動子接点(可動片側の接点)がインヒビ
タ接点COの選択駆動用リレーRYo を介しイグニッション
ライン22に接続しており、対して当該セレクタレバー連
動スイッチ16において選択され得る固定接点群P,R,
N,Dの中、接点R,Dは開放されるか、または例えば
高抵抗を介して接地される等して実質的に開放とされ、
接点P,Nのみが接地されている。そのため、図示しな
いギア選択用セレクタレバーが後退位置Rか前進位置D
に付けられているときには、対応する連動スイッチ16も
実質的な開放接点R,Dのいずれかにあるので、仮にこ
の状態で使用者によりキースイッチ13が操作され、イグ
ニッション接点IGに加えてエンジン始動接点STが選択さ
れてもリレーRYo には駆動するに十分なバッテリ電力が
与えられず、インヒビタ接点COも閉じないので、スター
タライン21にバッテリ電流が流れず、スタータモータ14
は回転しない。
【0010】キースイッチ13の操作によりスタータモー
タ駆動回路15が稼働するのは、セレクタレバーが駐車位
置Pか中立位置Nに付けられていて、セレクタレバー連
動スイッチ16も接点位置Pか中立位置Nに付けられてい
る結果、キースイッチ13のイグニッション接点IGからイ
グニッションライン22を介しインヒビタ接点閉成用リレ
ーRYo にバッテリ電力が与えられ、インヒビタ接点CO
閉じられているときに限られる。ただ車種によっては、
インヒビタ接点COがリレーRYo により駆動されるのでは
なく、セレクタレバー連動スイッチ16そのものにより構
成されているものもある。すなわち、セレクタレバーが
駐車位置Pか中立位置Nに付いているときにのみ、キー
スイッチ13のエンジン始動接点STからスタータモータ駆
動回路15に至るスタータライン21を閉じるように、セレ
クタレバーに対し直接に連係した機械的連動接点として
当該インヒビタ接点COが構成されているものもある。
【0011】このような、車両に本来搭載されているス
タータ周りの回路に対し、図4中に仮想線の枠30で囲っ
て示す部分が、一般に簡単な配線作業により、後から取
り付けられる従来のエンジン始動装置30である。ただ
し、枠30の外側にあっても、リレー接点Ca,Cb,Ccは、
この装置30により選択的に開閉制御される追加の接点手
段である。
【0012】しかるに、図4に示すエンジン始動装置30
は、まずもってスタータタイマの機能を有している。も
っとも、本発明は、冒頭に述べたように、制御回路の指
令により選択的に開閉される接点手段の故障の有無を検
出し、それに対処するための改良に関するものであるた
め、こうしたエンジン始動装置30の持つ基本機能の一つ
であるタイマ動作それ自体に関してはこれを直接に規定
するものではない。図示の構成はあくまで一例である。
さらに言うなら、公知既存の、ないしこれから開発され
るであろうスタータタイマにおいて、後に述べる問題点
が生ずるのであるならば、それらに対し、本発明をなべ
て適用することができる。
【0013】さて、図示のエンジン始動装置30は、メイ
ンスイッチ46が閉じられ、バッテリ10から電源電力が供
給されているときに動作する制御回路31を有している。
この制御回路31は、昨今では一般にマイクロコンピュー
タ(以下、単にマイコンと略記し、制御回路と同じ符号
31を用いる)を含んで構成されており、この場合にはま
た、マイコン31は、以降に説明する演算記憶回路32、タ
イマ回路33のなすべき各機能をも営むようにソフト的に
プログラムされる。しかし、便宜上、制御回路31を含め
てこれら各回路31〜33がそれぞれ独立のハードウエアと
して構成されているように説明した方が便利なこともあ
るので、そうすることもある(実際、それらの中の一つ
または幾つか、あるいは全てをハードウエアにより構成
することも可能である)。
【0014】使用者は、メインスイッチ46が投入された
状態下で例えば適当な入力操作キー群、あるいは入力操
作スイッチにより構成できる操作部39を介し、自動的に
エンジンを始動すべき設定時刻、または設定操作時から
設定時間を経過したときに自動的にエンジンを始動させ
るべき当該設定時間を対応するデータ形式で入力するこ
とができる。入力された設定時刻または設定時間データ
は演算記憶回路32中に記憶されると共に、液晶型ディス
プレイ装置等、適当な視覚的ディスプレイ手段による表
示部38にて使用者に表示される。ただし、バッテリ電力
節約のため、イグニッションライン22にバッテリ電力が
供給されていないときには表示をなさないように、マイ
コン31には当該イグニッションライン22に電圧が生じて
いる場合にそれを報知するライン電圧検出回路44の検出
信号が与えられている。
【0015】ライン電圧検出回路44は、例えば簡単には
分圧回路とし、イグニッションライン22にバッテリ電圧
が印加されて当該ライン22がオンとなっているとき、当
該ライン22に表れている電圧(バッテリ電圧)をマイコ
ン31の取扱える電圧範囲の電圧信号として当該マイコン
31に与える構成としたり、あるいはまた、トランジスタ
を含むスイッチング回路として、イグニッションライン
22にバッテリ電圧が印加されているときに特定の形態の
信号、例えば論理レベル“H”または“L”の信号をマ
イコン31に供給する回路として構成できる。いずれにし
ても、使用者による上記のデータ入力操作は、少なくと
もイグニッションライン22にバッテリ電力が通電されて
いる状態(キースイッチ13が少なくともイグニッション
接点IGを選択している状態)下で行なわれる。
【0016】なお、制御回路31をマイコンを用いて構成
する場合には特に、上記したライン電圧検出回路44を分
圧回路で構成したような場合の外にも、当該マイコン31
に各部のアナログ電圧を取り込むに際しては、必要に応
じ入力アナログ電圧をデジタル数値に変換するが、昨今
のマイコン31ではそのためのアナログ対デジタル変換器
(A/D変換器)を内蔵するものが多い。図示の場合は
そうしたマイコンの使用を想定しているため、A/D変
換器は図示を省略しているが、A/D変換器を内蔵しな
いものでは当然、外付けのA/D変換器を使うことにな
る。さらに、従来装置においても、機種によっては、メ
インスイッチ46が投入されていてもイグニッションライ
ン22に通電されていない場合、マイコン31のクロック周
波数を相対的に低い周波数とし、マイコン31自体での電
力消費を抑えるようにしたものもある。このような諸点
は、後述する本発明の適用されるエンジン始動装置でも
必要に応じ任意に採用することができる。また、これも
予め述べておくと、マイコン31に対し外付けの回路とし
て示されている各回路38,39,40,45と当該マイコン31
との間には、この種の技術分野で周知のように、必要に
応じそれぞれに適当なるインタフェイス回路を設けて良
いことは当然である。例えば後述するライン閉成回路45
中の各リレーRYa 〜RYc とマイコン31の開閉指令信号の
出力端子との間には必要に応じ、トランジスタによるド
ライバ回路等が挿入されたりもする。
【0017】制御回路31ないしその中の特にタイマ回路
33は、通常の各種のタイマ装置と同様、時計機能ないし
は計時機能を有し、使用者が設定した設定時刻に至る
か、あるいは設定時間を経過すると「タイムアップ動
作」を開始し、ライン閉成回路45中、スタータライン閉
成用リレーRYc を駆動することで対応するリレー接点Cc
を閉じ、キースイッチ13をバイパスしてインヒビタ接点
COの上流側にバッテリを接続し、一方でイグニッション
ライン閉成用リレーRYa にも通電してそのリレー接点Ca
も閉じ、イグニッションライン22に通ずるイグニッショ
ン接点IGをバイパスする。従って、セレクタレバーが駐
車位置Pまたは中立位置Nにあって、図示するセレクタ
レバー連動スイッチ16も対応する位置にある限り、バッ
テリ10からイグニッションライン22を介しインヒビタ接
点COの閉成用リレーRYo に通電されてこのインヒビタ接
点COが閉じ、また、エンジンの回転を持続するために必
要な各種電気負荷12にも通電される。
【0018】そのため、キースイッチ13がオフ位置にあ
っても、閉成したリレー接点Cc、インヒビタ接点COを介
し、スタータモータ駆動回路15にバッテリ10からの稼働
電力が与えられてスタータモータ14が強制駆動される。
そして、それから一定時間後(例えば 5秒後)に、もし
くは先掲のように分圧回路等として構成されることでイ
グニッションライン22の電圧(ひいてはバッテリ電圧)
を検出可能に構成されたライン電圧検出回路44からの検
出電圧がエンジン始動に伴い再上昇したことを検出する
等で制御回路31によりエンジン始動が確認されること
で、当該制御回路31の指令に基づきリレーRYc の通電が
解かれ、エンジン始動接点STをバイパスするバイパス接
点手段(リレー接点Cc)が開かれてスタータモータ14の
駆動が止められても、それからさらに、少なくとも予め
設定された時間の間、リレーRYa は通電を続け、イグニ
ッションライン22への通電が確保されて、エンジンは回
転を続ける。この設定時間は、一般にはやはり操作部39
における使用者の設定操作により、例えば最大20分を限
度とする等、最大設定可能時間範囲内で所望の時間に設
定し得るようになっており、かつ、この設定時間も確認
のため、表示部38にて表示できるようになっている。ま
た、これも一般に、リレーRYc,RYa に通電するときには
同時にリレーRYb にも通電し、そのリレー接点Cbを閉成
してキースイッチ13のアクセサリ接点ACC.もバッテリ側
に短絡し、アクセサリ負荷11に対してもバッテリ電力を
供給する。
【0019】さらに、この種のエンジン始動装置では、
一定時間に亙りリレー接点Ccを閉成しても、制御回路31
が上述のようなエンジン始動確認手法によりエンジン始
動を確認しなかったときには、再度一定時間に亙りリレ
ー接点Ccの閉成を図り、これを所定回数を限度として繰
り返すように構成されたものもあるし、例えばディーゼ
ル車に搭載される場合をも想定し、制御回路31は、エン
ジン始動接点STをバイパスする接点Ccを閉じるときに
は、それより早くイグニッション接点IGをバイパスする
接点Caを閉じるように構成されることが多い。後者は、
イグニッションライン22に接続された予熱用負荷等に先
に給電すること等を図ってである。
【0020】図4に示した従来のエンジン始動装置30で
はさらに、いわゆるリモコンスタータの機能をも有して
いる。すなわち、図示しないリモコンに備え付けられて
いるエンジン始動スイッチを使用者が操作すると、当該
リモコンからはエンジン始動信号を適当なる変調手法で
変調した電波が輻射される。この電波がアンテナ41を介
し電波受信/復調回路40に入力し、復調されてマイコン
31に与えられ、当該マイコン31にてそれが個々の装置30
とマッチングの採れたエンジン始動信号であること、す
なわち社団法人電波産業会の指定するビット同期信号、
フレーム同期信号、郵政大臣により指定される呼出符号
及び誤り訂正符号に関し個々の装置ごとにエンジン始動
信号として確認の取れた信号である場合には、マイコン
31は「リモコンスタート動作」を生成し、実質的に、既
述したタイマ動作による「タイムアップ動作」時と同様
の動作を起こす。
【0021】すなわち、マイコン31は実質的にタイマ回
路33中の負荷制御回路を流用する等してライン閉成回路
45に作用し、それらのリレー群リレーRYa,RYb,RYc に通
電してスタータモータ14の駆動を図り、一定時間の駆動
の後、もしくはマイコン31によりエンジン始動が確認さ
れることでリレーRYc の通電が解かれ、当該スタータモ
ータ14は停止させても、さらにそれから所定の設定時間
の間、イグニッションライン22とアクセサリラインには
通電を続ける。また、これも既述のタイムアップ動作時
と同様、マイコン31が一定時間の間にエンジン始動に成
功しなかったことを、例えば電圧検出可能に構成された
ライン電圧検出回路44から得られるイグニッションライ
ン22を介しての電圧情報等に鑑み、バッテリ電圧に上昇
が認められないこと等で検出したときには、再度一定時
間に亙りリレーRYc を駆動し、こうした動作を所定回数
を限度として繰り返すように構成されていたりもする。
【0022】ただし、スタータタイマに関し既に述べた
通り、本発明はこのリモコンスタータに関しても、当該
リモコンスタータの基本的動作やその回路構成それ自体
に関してはこれを直接に規定するものではない。図示の
構成はあくまで一例であり、公知既存の、ないしこれか
ら開発されるであろうリモコンスタータにおいて、後述
する問題が生ずる場合にはなべて本発明による改良の対
象となる。さらに言うなら、本発明は上述のようにスタ
ータタイマの機能とリモコンスタータの機能を併せ有す
るエンジン始動装置に限らず、どちらか一方の機能をの
み有するエンジン始動装置にも適用することができる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】図4に即し上述した従
来のエンジン始動装置において、問題となり易いのがエ
ンジン始動接点をバイパスする接点手段(図示の場合は
リレー接点Cc)の故障である。スタータモータ駆動回路
ないしマグネットスイッチ15を用いる場合でも、この接
点Ccが閉成されるとこれにはかなり大きな電流(通常、
十数A程度)が流れるし、車種によりマグネットスイッ
チ15等がなく、スタータモータ14がスタータライン21に
直列に入っているような場合には、さらに大きな電流が
流れる。そのため、かなり信頼度の高い接点手段を用い
ても、当該接点Ccが溶着して開かなくなる短絡故障(オ
ン故障)、逆に閉じなくなる開放故障(オフ故障)を起
こす確率は残念ながら零ではない。そしてもし、短絡故
障を起こすと、制御回路がスタータモータ14の駆動を停
止すべく、ライン閉成回路に作用して当該接点を開こう
としても開かず、スタータモータ14には大電流が供給さ
れ続けるようになり、最悪の場合、スタータモータ14の
焼損に至ることも考え得る。
【0024】一方、エンジン始動用接点手段Ccが開放故
障を起こしたとすると、もとよりスタータモータ14の焼
損に繋がるようなことはないが、エンジン始動装置が一
見、正常に動作しているように見えるのに、エンジンが
始動しないという不具合が生ずる。
【0025】これに対し、本出願人は既に、特開平 6-4
9771号公報にて、このための対策を一つ、開示した。そ
れでは、基本的なスタータタイマ動作に関与するタイマ
回路とは別個に、当該公報中ではリレーオン時間監視回
路と呼ぶもう一つのタイマ、言わば安全タイマを設け、
この安全タイマが、タイマ回路の出力信号の継続時間
(先のリレー接点Ccに相当するエンジン始動用接点手段
を閉成させておく時間)を監視し、これが異常に長くな
った場合、それ以後、タイマ回路の動作そのものを停止
してしまうという構成になっている。従って、この考え
を実際の製品に応用する場合、タイマ回路をマイコンで
構成したときには、当該マイコンを停止状態ないしリセ
ット状態にラッチすることになり、このリセット状態
は、マイコンへの電源供給に関するメインスイッチを切
り、再投入しないと解かれないようになっている。とこ
ろが、従前の回路では、メインスイッチを再投入する
と、再び安全タイマが異常を検出するまで、タイマ回路
の動作が可能になってしまうという問題があった。つま
り、タイマ回路を別なタイマ回路で監視するということ
は必ずしも望ましくはなく、回路部品や回路構成を複雑
にし、結局は製品コストを押し上げるという点でも不満
があった。
【0026】さらに、上述した構成はタイマ回路自体の
故障判断に関するものであるが、そうではなく、エンジ
ン始動用接点手段の短絡故障ないし開放故障を検出する
ための工夫として、当該公報中では次のような構成も開
示している。
【0027】まず、図4中に示したリレー接点Ccに相当
するエンジン始動用接点手段を直列な二つの第一、第二
スイッチから構成する。ここでは便宜上、バッテリ10に
近い側のスイッチを第一スイッチ、スタータライン21に
近い側をのスイッチを第二スイッチと呼ぶ。これらスイ
ッチは、一般にそれぞれ専用のリレーで開閉制御されり
リレー接点であって良い。
【0028】このようにした上で、第一、第二スイッチ
を接続する線路部分の電位を監視する電位監視回路を設
け、タイマ回路が開放指令を発したのに電位監視回路が
バッテリ電圧を検出した場合には、第一スイッチが溶着
故障を起こしていることになるので、以後のタイマ回路
の動作は停止させるように構成する。
【0029】しかし、この構成によると、次の回のタイ
マ動作は生起させないということであって、直ちに始動
したエンジンを停止させる工夫や、そうした異常を警報
するための工夫、さらにはどのタイミングでそうした異
常警報を発するか等については何等考慮されていなかっ
た。
【0030】また、第一、第二スイッチの駆動順序等に
ついても考慮しておらず、第一、第二スイッチを同時に
開閉することをのみ想定していたため、それら第一、第
二スイッチの故障確率は同程度であった。ところが第一
スイッチに関しては、既述のように、それが溶着故障す
ると直ちに電位監視回路はバッテリ電圧を検出すること
になるので、当該第一スイッチの溶着故障は直ちに判
別、認識し得るものの、こと第二スイッチに関しては、
これが第一スイッチと同程度の故障確率を持っていて
も、その故障検出は、キースイッチを手動で操作し、エ
ンジン始動接点が選択されない限り、なし得なかった。
つまり、キースイッチの手動操作でエンジン始動接点が
選択されて始めて、当該エンジン始動接点から溶着した
第二スイッチを介し電位監視回路がバッテリ電圧を検出
することで第二スイッチの当該溶着故障を判別し得るよ
うになる。
【0031】これを言い換えれば、第一、第二スイッチ
の故障確率が同じであるならば、その故障検出に関して
も同様の条件で当該検出が行なわれることが望ましい。
にも拘らず、この従来公報開示の発明では若干、この点
に対する配慮が乏しかった。ただ、バッテリ電圧が表れ
るか否かにより故障の有無を判断するという考え方自体
は合理的である。従って、この考えを踏襲するならば、
逆に、第一スイッチの方の故障確率を第二スイッチのそ
れよりも高めれば(第二スイッチが殆ど故障しないよう
にし得れば)、第一スイッチのみの故障検出としても、
実質的にそれら第一、第二スイッチを一つのエンジン始
動用接点手段と看做した場合の当該エンジン始動用接点
手段の故障検出に関し、検出確率は高められることにな
る。
【0032】本発明は基本的にこうした知見に基づき、
従来のエンジン始動装置における問題点を解消ないし緩
和することを目的にしてなされたものであり、エンジン
始動装置において制御回路の指令により開閉されるエン
ジン始動用接点手段の故障検出能力が高く、かつ、簡単
な回路構成で故障判断をし、これに対処し得る装置を提
供せんとするものである。さらに、この基本的な目的を
達成した上で、故障が発生した場合の警報や、この警報
を発するタイミングについても効果的な配慮を施さんと
する。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、設定時刻に至るか、または設定操作から設定
時間を経過したときに、あるいはリモートコントローラ
から発信されたエンジン始動信号を受信したときにキー
スイッチのエンジン始動接点をバイパスするエンジン始
動用接点手段を閉成し、車両搭載のバッテリをスタータ
ラインに接続してスタータモータを駆動すると共に、キ
ースイッチのイグニッション接点をバイパスするイグニ
ッションライン用接点手段をも閉成して始動後のエンジ
ンの継続運転を可能にする一方で、エンジン始動用接点
手段の閉成から一定時間後に、またはエンジンの始動を
確認した後に、スタータモータを停止するため、エンジ
ン始動用接点手段を開放する制御回路を有するエンジン
始動装置であって、 (a) エンジン始動用接点手段をバッテリとスタータライ
ンの間に介在する二つの直列な第一、第二スイッチから
構成し; (b) 制御回路は上記のエンジン始動用接点手段を閉成す
るとき、それら二つの直列な第一、第二スイッチの中、
スタータラインに近い第二スイッチを閉成してからバッ
テリに近い第一スイッチを閉成し、逆にエンジン始動用
接点手段を開放するときには、第一スイッチを開放して
から第二スイッチを開放するように構成されていると共
に; (c) 第一、第二スイッチの間の線路部分の電圧を監視す
ることで少なくとも第一スイッチの開閉状態を抽出する
接点状態抽出回路があり; (d) 制御回路はこの接点状態抽出回路を介して得られる
接点状態信号に基づき、少なくとも第一スイッチの故障
の有無を判断し、故障と判断したときには第一、第二ス
イッチを共に開放するための動作をなすこと;を特徴と
するエンジン始動装置を提案する。
【0034】本発明ではまた、上記構成要件(a) 〜(d)
を有する基本的な構成に加え、 (e) 制御回路がエンジン始動用接点手段を開放する動作
をなしたときに、接点状態抽出回路を介して得られる接
点状態信号が第一スイッチを通じてバッテリ電圧が表れ
ていることを表す信号形態である場合には、制御回路は
上記のように故障と判断すると共に(従ってこれに基づ
き上記のように第一、第二スイッチを共に開放するため
の動作をなすと共に)、イグニッションライン用接点手
段をも開放すること;を特徴とするエンジン始動装置も
提案する。
【0035】さらに本発明では、上記構成要件(a) 〜
(d) を有する基本的な構成に加え、 (f) 制御回路がイグニッションライン用接点手段を閉成
してからエンジン始動用接点手段を閉成する動作をなし
たときに、接点状態抽出回路を介して得られる接点状態
信号が第一スイッチを通じてバッテリ電圧が表れないこ
とを表す信号形態である場合には、制御回路は故障と判
断すると共に、イグニッションライン用接点手段をも開
放すること;を特徴とするエンジン始動装置や、 (g) 制御回路がイグニッションライン用接点手段及びエ
ンジン始動用接点手段を閉成する動作をなしていないと
きに、接点状態抽出回路を介して得られる接点状態信号
が第一スイッチを通じてバッテリ電圧が表れていること
を表す信号形態となった場合、制御回路は故障と判断す
ると共に、以後、エンジン始動用接点手段とイグニッシ
ョンライン用接点手段を閉成するための動作を生起しな
いこと;を特徴とするエンジン始動装置も提案する。
【0036】そして、上記の構成要件(a) 〜(d) に加
え、構成要件群(e) 〜(g) の中の少なくとも一つまたは
幾つか、あるいは全てを有する本発明のエンジン始動装
置において、警報の発令に関しては、 (h) 制御回路が故障と判断したとき、視覚的警報及び聴
覚的警報の中、少なくとも一方または双方を発する警報
手段を有すること; を特徴とするエンジン始動装置を提案し、さらには警報
を発するタイミングに関し最適化を図ったものとして、 (i) 記憶回路、イグニッションラインの通電状態を検出
するライン電圧検出回路及び視覚的警報及び聴覚的警報
の中、少なくとも一方または双方を発する警報手段をさ
らに有し; (j) 記憶回路は制御回路が故障と判断したとき、故障有
りの情報を記憶し; (k) 警報手段は、記憶回路が故障有りの情報を記憶して
いる状態でライン電圧検出回路がイグニッションライン
への通電を検出したときに警報を発すること;を特徴と
するエンジン始動装置も提案する。
【0037】また、上記した接点状態抽出回路は、特定
の態様においては第一、第二スイッチの間の線路部分が
バッテリに導通したときに第一の論理レベルの出力信号
を発し、そうでないときに第一の論理レベルとは異なる
第二の論理レベルの出力信号を発するスイッチング回路
であることができ、この場合、簡単には当該スイッチン
グ回路を単段トランジスタ回路とすることができるし、
そうではなく、接点状態抽出回路はまた、第一、第二ス
イッチの間の線路部分の電圧を分圧する分圧回路として
構成することもできる。
【0038】さらに、上記ではエンジン始動用接点手段
は第一、第二の二つのスイッチに限定されており、実際
にはそれで十分であるが、本発明の思想に即し原理的な
観点からすると、当該接点手段を三つ以上n個のスイッ
チの直列構成に展開することができる。すなわち、本発
明の特定の態様においては、少なくとも上記構成要件
(a) 〜(d) を有するのに加え、 (l) nを3以上の整数として、第二スイッチとスタータ
ラインの間にはさらに第三スイッチから第nスイッチま
でが直列に介在し; (m) 制御回路は、第二スイッチを開閉するときに第三ス
イッチから第nスイッチまでを同時に開閉するか、また
は第二スイッチを閉成するときには閉成に先立ち第nス
イッチから第三スイッチまでを順次に閉成し、第二スイ
ッチを開放するときには開放の後に第三スイッチから第
nスイッチまでを順次に開放すること;を特徴とするエ
ンジン始動装置も提案できる。
【0039】そしてこの場合には、さらに、 (n) 第三スイッチから第nスイッチまでの直列接点手段
列においてそれぞれ隣接するスイッチの間の線路部分の
全てまたは幾つかに接続し、接続した線路部分の電圧を
監視することで接続した線路部分よりもバッテリ側に位
置する接点手段の開閉状態を抽出する追加の接点状態抽
出回路を有し; (o) 制御回路はこの追加の接点状態抽出回路を介して得
られる接点状態信号に基づき、少なくとも接続した線路
部分よりもバッテリ側に位置する接点手段の故障の有無
を判断し、故障と判断したときには第一、第二スイッチ
と共に第三スイッチから第nスイッチを全て開放する動
作をなすこと;を特徴とするエンジン始動装置も提案で
きる。
【0040】当然、このように第一、第二スイッチ間の
接点状態抽出回路に加え、追加の接点状態抽出回路を有
する場合には、それら複数個の接点状態抽出回路及び追
加の接点状態抽出回路を介して得られる接点状態信号に
基づき、制御回路は故障した接点手段を特定することも
可能になる。なお、制御回路は、既述したように、一般
にはマイコンを用いて便利に構成することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、図1,2に即し、本発明に
従って構成されたエンジン始動装置50の望ましい実施形
態につき説明するが、図中において既に図4に即して説
明した構成要素と同じか、ないし同様で良い構成要素に
は同じ符号が付してあり、それらについては原則として
先の説明を援用し、ここでの再説は省略するものもあ
る。
【0042】本発明に従う場合、まず、キースイッチ13
のエンジン始動接点STをバイパスするエンジン始動用接
点手段は、図4に示した従来構成では単一のリレー接点
Ccで構成されていたのに対し、バッテリ10の側に近い第
一スイッチC1と、スタータライン21の側に近い第二スイ
ッチC2との直列構成に代えられる。そしてこの実施形態
では、これら第一、第二スイッチC1,C2は、ライン閉成
回路45中に設けられているそれぞれ専用のリレーRY1,RY
2 により選択的かつ独立に駆動、閉成される常開接点と
なっている。
【0043】これら第一、第二スイッチC1,C2の間の線
路部分には接点状態抽出回路53の入力端子が接続してい
る。この接点状態抽出回路53は少なくとも第一スイッチ
C1のオンオフ状態を抽出するもので、図示実施形態の場
合には抵抗R1,R2から成る分圧回路と、その分圧回路の
分圧電圧Vdにより選択的にオンオフし、望ましくは単段
トランジスタ回路で済む npnスイッチングトランジスタ
Q1とから構成され、このスイッチングトランジスタQ1の
コレクタから接点状態抽出信号Sdが取り出されて、マイ
コン31で構成できる制御回路31に入力されている。
【0044】従って、第一スイッチC1が閉じていると、
実質的に接点状態抽出回路53の分圧回路にはバッテリ電
圧が印加されるので、分圧電圧Vdをベース電圧として受
けることでスイッチングトランジスタQ1はオンとなり、
そのコレクタが接地に導通する結果、接点状態抽出信号
Sdは第一の論理レベルとして相対的に低レベル、すなわ
ち論理“L”の信号となり、第一スイッチC1がオンであ
ることを制御回路ないしマイコン31に報知する信号とな
る。逆に第一スイッチC1が開いていると、接点状態抽出
回路53の分圧回路に有意の電圧は印加されず、スイッチ
ングトランジスタQ1もオフとなるので、接点状態抽出信
号Sdは第一の論理レベルとは異なる第二の論理レベルと
して相対的に高レベル、つまり論理“H”の信号となっ
て、制御回路ないしマイコン31に対し、第一スイッチC1
がオフとなっていることを報知する信号となる。
【0045】さて、本発明では、キースイッチ13のエン
ジン始動接点STをバイパスする接点手段を単に二つのス
イッチC1,C2の直列構成にしただけではなく、それらの
故障確率に意図的な差異を設けるため、これらの動作順
序に関しても独自の規定をなす。これについては以下、
図2をも参照して説明する。
【0046】既に図4に即して説明したように、タイマ
回路33がタイムアップを計数したとき、あるいは使用者
の図示しないリモコン操作により発せられたエンジン始
動信号を電波受信/復調回路40が受信、復調し、制御回
路31がこれを認識したとき、制御回路31はまずライン閉
成回路45中のリレーRYa に指令して、その常開接点Caを
閉じさせる。これにより、キースイッチ13が手動操作さ
れておらず、それ自体はオフ位置に付けられていても、
当該キースイッチ13のイグニッション接点IGがバイパス
され、図2中、最上段に示すように、イグニッションラ
イン22にバッテリ電力が供給され、後述のようにして始
動したエンジンをそのまま運転させるに必要な負荷12に
バッテリ電力が供給されると共に、もし仮に、本装置50
がディーゼルエンジン搭載車に取り付けられたような場
合にも、例えばその予熱負荷等にも予め給電しておくこ
とができる。
【0047】図2では、このように常開接点Caの閉成に
伴いイグニッションライン22にバッテリ電力が供給され
る時点をイグニッションライン22がオンとなった時点と
して示し、エンジン始動動作の開始時点としてある。も
ちろん、このとき、制御回路31はライン閉成回路45に作
用してリレーRYb にも通電し、その常開接点Cbを閉じさ
せることでアクセサリ負荷11にも予め給電して良く、こ
こでもそうであるとする。
【0048】しかるに、上述したエンジン始動動作の開
始後、所定の時間(例えば先掲の予熱負荷への適用等も
考慮して 5ないし 6秒程度)が経過すると、本発明に従
って改良された制御回路ないしマイコン31は、まず最
初、図2中の上から三段目に示すように、第二の開閉指
令信号Sg2 を第二スイッチC2の閉成を指令する信号とし
て出力し、ライン閉成回路45中の対応するリレーRY2 を
駆動し(既に述べたように、これに際してはこの種のリ
レー駆動技術に従い、マイコン31との間に適当なるドラ
イバ回路を介在させて良い)、まずは第二スイッチC2を
閉じる。しかし、この時には当然、まだ第一スイッチC1
は開いているので、接点状態抽出回路53中のスイッチン
グトランジスタQ1にはベース電圧(抵抗R1,R2から成る
分圧回路の出力電圧Vd)が印加されず、図2中、四段目
に「正常動作」として示すように、当該接点状態抽出回
路53の出力する接点状態抽出信号Sdはそれ以前の状態と
変わらず、第一スイッチC1がオフであることを表す論理
レベル“H”の信号を出力し続ける。
【0049】その後、図2中では横軸方向の時間幅を理
解のために拡大しているが、少しの時間遅れ、例えば50
mSないし 100mS程度をおいてマイコン31は図2中、二段
目に示すように、第一の開閉指令信号Sg1 を第一スイッ
チC1の閉成を指令する信号として出力し、ライン閉成回
路45中の対応するリレーRY1 を駆動して第一スイッチC1
を閉じさせる(他のリレーに関して述べたと同様、この
リレーRY1 と制御回路31の間にも適当なるドライバを介
在させて良い)。従って、このときに図示しないセレク
タレバーが正しく駐車位置Pまたは中立位置Nに付けら
れていて、セレクタレバー連動スイッチ16が固定接点P
ないしNに付けられていれば、インヒビタ接点COも閉じ
ているので、閉成した第一、第二接点C1,C2を介し、バ
ッテリ10からスタータモータ駆動回路であるマグネット
スイッチ15に給電されてスタータモータ14が駆動され
る。そして、これに伴い、接点状態抽出回路53中のスイ
ッチングトランジスタQ1もオンとなり、図2中にあって
正常動作を示す四段目に認められるように、当該回路53
から出力される接点状態抽出信号Sdは既述した第一の論
理レベルである論理“L”の信号に反転する。
【0050】ここで重要なことは、本発明では第一、第
二スイッチC1,C2をこのように順序駆動するので、スタ
ータモータ駆動開始に伴うバッテリ10からの突入電流に
よるストレスは、主として後から閉成される第一スイッ
チC1に集中するということである。換言すれば、本発明
によると、大電流の突入により故障する確率は、第一ス
イッチC1の方が第二スイッチC2よりも高くなるように意
図的に設定されているということ、逆に言えば、第二ス
イッチC2の故障確率は十分小さくされているということ
である。そのため、後述の故障発生後の対処に認められ
るように、第二スイッチC2は、言わば第一スイッチC1が
もし故障しても、安全を図るためのバックアップスイッ
チとなり得る。
【0051】第一スイッチC1が閉じられてから所定時
間、例えば通常、スタータモータの駆動に十分と認めら
れる 5秒程度の時間が経過すると、本発明に従う制御回
路ないしマイコン31は、同じく図2中、二、三段目の関
係に示されているように、第一の開閉指令信号Sg1 を第
一スイッチC1の開放(オフ)を指令する信号として出力
し、ライン閉成回路45中の対応するリレーRY1 への通電
を止めて第一スイッチC1を開かせ、これによりスタータ
モータ14の駆動をそこで止める。その後、これも例えば
50mSないし 100mS程度の適当なる時間遅れをもってマイ
コン31は第二の開閉指令信号Sg2 を閉成指令信号として
出力し、ライン閉成回路45中の対応するリレーRY2 への
通電を止めて第二スイッチC2を開かせる。
【0052】このような順序動作から明らかなように、
本発明によると、バッテリ電力を遮断するときにも、例
えば放電ストレス等、当該電力の急激な遮断に伴うスト
レスは先に開かれる第一スイッチC1に集中するようにさ
れ、言い換えれば第二スイッチC2が開かれるときには最
早バッテリ10からの電源電流は流れていないので、当該
第二スイッチC2の故障確率は大幅に低減する。
【0053】つまり、本発明の一つの特徴として、エン
ジン始動用のバイパス接点手段にもし故障が発生するに
しても、それは殆ど必ず、第一スイッチC1に生ずるよう
にする,ということがある。そのため、以下に述べるよ
うに、簡単な回路構成で故障の有無の判断が可能であ
り、かつ、第一スイッチC1が溶着故障を起こしても、第
二スイッチC2が、確実に安全を確保するべく開放する
「バックアップ」スイッチとなることができる。これが
例えば、先掲の従来公報中に認められるように、第一、
第二スイッチC1,C2を同時に開閉させるように構成され
ていると、いずれのスイッチC1,C2に対しても、同等の
故障検出機能を持たさねばならなくなり、既述のよう
に、必ずしも同等の条件下での検出はできなくなる。回
路構成も複雑化し易く、総体的に見て故障検出確率が高
いとは言えなくなる場合もある。
【0054】さて、本発明に従い、あえてストレスが集
中するようにされた第一スイッチC1の故障の態様と、本
発明に従うその後の対処例につき説明するに、まず、マ
イコン31がスタータモータ始動のために必要な時間とし
て設定されている所定時間を経過した後、スタータモー
タの駆動を止めるため、第一開閉指令信号Sg1 を開放指
令信号として出力したにも拘らず、図2中、五段目に
「オン故障」として示してあるように、第一スイッチC1
が溶着故障を起こし、オンとなったまま開放しなかった
場合には、接点状態抽出回路53は第一スイッチC1の出力
側(第二スイッチC2との接続側)の線路部分にバッテリ
電圧がそのまま表れていることを知ることができ、つま
りは当該回路53中のスイッチングトランジスタQ1がオン
となり続けることで当該回路53が出力する接点状態抽出
信号Sdは第一スイッチC1がオンとなり続けていることを
表す上述の第一論理レベルの信号、すなわち論理“L”
レベルの信号を維持し、これをもって制御回路31に「オ
ン報知」をする。ただし、ここでは図面表記上、分かり
易くするため、故障判断に関しマイコン31のなす故障判
断機能部分を故障判断回路51として独立の回路のように
示してある。
【0055】いずれにしても、マイコン31ないし故障判
断回路51は、第一開閉指令信号Sg1を開放指令信号とし
て出力したにも拘らず、接点状態抽出信号Sdが第一論理
レベルの信号、すなわち第一スイッチC1の「オン報知」
をする信号を出力し続けた場合には、故障判断回路51は
この時点で直ちに第一スイッチC1の溶着故障を判断する
ことができ、従って図2中において仮想線の矢印連携線
で示すように、故障判断回路51はライン閉成回路45に作
用して直ちに第二開閉指令信号Sg2 を開放指令信号とし
て出力し、リレーRY2 の駆動を解いて第二スイッチC2を
開放させる。同時に、イグニッションライン22への通電
も解いて始動したエンジンも停止させるべく、ライン閉
成回路45に作用してリレーRYa の通電を解き、イグニッ
ションライン用接点手段Caを開かせ、また、アクセサリ
ラインに接点Cbを閉じて給電していた場合にはこれも開
かせる。
【0056】さらにこのとき、マイコン31ないし故障判
断回路51は視覚的な警報手段として使える表示部38や聴
覚的警報手段として例えばブザー等から成る適当なる可
聴警報部54に作用し、警報を発するようにしても良い。
しかし、直ちに警報を発しても無駄なこともある。何故
なら、この種の装置は運転者が車両の近くにいないとき
に動作するからで、むしろ直ちに警報を発すると、車両
の運転者がやって来て警報に気付き、例えばメインスイ
ッチ46を切る等の処理をするまで、警報が出たままにな
る結果、車両搭載のバッテリ10の電力を無駄に消費し続
けることにもなるし、特に早朝、夜間等では近所迷惑に
もなり兼ねない。そこでこの実施形態では、故障判断回
路51(マイコン31)が故障を判断したとき、「故障有
り」の情報をとりあえず適当なデータ形式で演算記憶回
路32中の適当なる記憶領域に記憶しておく。図2中では
これを括弧書きで「異常発生記憶」と記してある。
【0057】その上で、故障判断回路51(マイコン31)
は、図2中の一段目の右手部分に示すように、その後、
ライン電圧検出回路44を介してライン電圧に通電された
ことを検出したときに表示部38や可聴警報部54に作用
し、警報を発しさせる。視覚的警報手段である表示部38
にはもちろん、故障が発生したことや故障内容、故障の
手当ての仕方(例えば「サービスに出して下さい」等)
ついても文字表示や絵表示をなして良い。ここで、故障
有りの記憶がある状態でライン電圧検出回路44がライン
電圧を検出するということは、エンジン始動装置50によ
るイグニッションライン用接点手段Caの閉成によるもの
ではなくて、使用者によるキースイッチ13の手動操作に
基づくものである。言い換えれば、その時には車両に運
転者が乗り込んでいるか、少なくとも近くに居ることに
なる。そこで、この時に警報を発すれば、使用者はこれ
を知ることができると言う理屈である。つまり、このよ
うな警報発生のための構成は、バッテリ電力を節約し、
有効に警報を伝達する上で極めて合理的なものである。
【0058】次に、マイコン31がスタータモータ始動の
ためにライン閉成回路45を介しイグニッションライン用
接点手段Caの閉成後、既述の順序に従いまずは第二スイ
ッチC2をオンとしてから第一スイッチC1をオンとしたと
き、図2中、最下段に示すように、第一スイッチC1が開
放故障(オフ故障)を起こしていて閉成しなかったとき
には、接点状態抽出回路53の出力する接点状態抽出信号
Sdはそれ以前の状態と変わらず、第一スイッチC1がオフ
であることを報知する論理“H”レベルの信号を出力し
続ける。このときにも、故障判断回路51は、図2中、当
該最下段から始まる仮想線の連携線で示すように、ライ
ン閉成回路45に作用してイグニッションライン用接点手
段Caやアクセサリライン用の接点Cbを直ちに開放すると
共に、第一、第二回閉指令信号Sg1,Sg2 をオフレベルに
付け、対応するリレーRY1,RY2 への通電を絶って、スタ
ータモータ14の駆動を生起しないようにする。
【0059】そして先と同様に、故障判断回路51は異常
が発生した旨の故障有りの情報を適当なデータ形式で演
算記憶回路32中の適当なる記憶領域に記憶し、その上で
図2中の一段目の右手部分に示すように、当該記憶があ
る状態下でその後、ライン電圧検出回路44を介してライ
ン電圧に通電されたことを検出したときには、表示部38
や可聴警報部54に作用して警報を発しさせる。
【0060】さらに、故障判断回路51(マイコン31)
は、イグニッションライン用接点手段Caとエンジン始動
用接点手段C1,C2を閉成する動作をなしていないとき、
つまりはタイマ回路33によるタイムアップがないか、そ
もそもタイマ回路33が動作していないか、あるいはまた
電波受信/復調回路40を介してエンジン始動信号を受信
していないかする場合に、接点状態抽出回路53を介して
得られる接点状態信号Sdが第一の論理レベル、つまり第
一スイッチC1を通じてバッテリ電圧が表れていることを
表す信号形態となったときには、やはり故障判断回路51
として示した故障判断機能により故障と判断し、それ以
後、エンジン始動用接点手段C1,C2及びイグニッション
ライン用接点手段Caを閉成するための動作を生起するこ
とはない。つまり、例えタイマ回路33がその後にタイム
アップを指示することがあっても、また、電波受信/復
調回路40がエンジン始動信号の受信、復調に成功して
も、マイコン31はエンジン始動装置50としてのエンジン
自動始動機能を一切、停止した状態にする。そしてこの
ときにも、故障判断回路51ないしマイコン31は故障有り
の情報を適当なデータ形式で演算記憶回路32中の適当な
る記憶領域に記憶し、その後、当該記憶が存在している
状態下でライン電圧検出回路44を介してライン電圧に通
電されたことを検出したときには、表示部38や可聴警報
部54に作用して警報を発しさせる。また、このようにな
っていると、故障を知った使用者が一旦メインスイッチ
46を切り、再投入しても、本装置は直ちに故障を再判断
することができ、既掲の従来公報に従って構成された装
置におけるように、判断までに時間の掛かるようなこと
もなく、エンジン始動動作を確実に阻止し得る。
【0061】なお、ライン電圧検出回路44は、先に少し
述べたように、例えば接点状態抽出回路53中にあって抵
抗R1,R2で構成されているような回路のように、適当な
る分圧回路で構成することができる。その場合には、当
該検出電圧情報はマイコン31に内蔵のA/D変換器52、
あるいは内蔵していない場合には外付けのA/D変換器
を介しライン電圧が生じているか否かの情報をマイコン
31に与えることができる。そうではなく、接点状態抽出
回路53に類似の構成とし、イグニッションライン22に有
意のデバイスが生じているときに第一論理レベルの信号
を出力し、そうでないときに第一論理レベルとは異なる
信号を出力する構成としてライン電圧検出回路44を構成
することもできる。
【0062】逆に接点状態抽出回路53に関しても、図示
のようにスイッチングトランジスタQ1を用いる構成に代
えて、例えば抵抗R1,R2から成る分圧回路の出力電圧Vd
を直接にA/D変換器52に与え、その電圧換算デジタル
数値に基づき、故障判断回路51ないしマイコン31は第一
スイッチC1のオンオフ状態を判断するようにすることで
もきる。いずれにしても、本発明に必要な外付け回路は
極めて簡単な回路構成で済み、製品コストに大きく跳ね
返ることがない。
【0063】ところで、これまでの説明では、本発明に
より順序駆動されるエンジン始動用接点手段は第一、第
二の二つのスイッチC1,C2から成っていた。しかし、原
理的にはこれをさらに第三スイッチから第nスイッチ
(n≧3)をも含む全部でn個のスイッチの直列構成に
展開することもできる。図3はそのような場合の要部構
成を示しており、バッテリ10の側に接続される第一スイ
ッチC1から順に右に第二スイッチC2、第三スイッチC3と
並び、スタータライン21の側に接続される第nスイッチ
Cnまでが直列になっている。
【0064】この場合、制御回路ないしマイコン31は、
第一スイッチC1のみ、既述した第二スイッチC2との特定
の順序関係で開閉するが、第三スイッチC3から該第nス
イッチCnまでは、第二スイッチC2を開閉するときにそれ
らを同時に開閉するように構成しても良いし、そうでは
なく、第二スイッチC2を閉成するときにはその閉成の前
に第nスイッチCnから該第三スイッチC3までを順次に閉
成し、第二スイッチC2を開放するときにはその後に第三
スイッチC3から第nスイッチCnまでを順次に開放するよ
うにしても良い。どちらにしても結局、バッテリ電流の
供給、遮断に関するストレスは先と同様、第一スイッチ
C1に集中させることができる。
【0065】そしてこの場合、接点状態抽出回路53は、
先と同様、第一スイッチC1と第二スイッチC2のみの間に
一つだけ設けても良いし、そうではなく、図3中に仮想
線で示すように、この第一スイッチC1と第二スイッチC2
間の接点状態抽出回路53を新たに符号53-1で特定するな
らば、第三スイッチC3から第nスイッチCnまでの直列接
点手段列においてそれぞれ隣接するスイッチの間の線路
部分の全てまたは幾つかにそれぞれ追加の接点状態抽出
回路53-2〜53-k(k≦n-1)を接続することができる。
【0066】このようにすると、それぞれの接点状態抽
出回路53-i(i≦k)は、それぞれが接続した線路部分の電
圧を監視することで当該接続した線路部分よりもバッテ
リ側に位置する接点手段の開閉状態を抽出することがで
き、マイコン31は要すればそれら複数個の接点状態抽出
回路を介して得られる接点状態信号に基づき故障した接
点手段を特定することも可能となる。例えばマイコン31
が開放指令を発したのに三つ目のスイッチの後ろ(スタ
ータライン21の側)に付けられている接点状態抽出回路
まで、バッテリ電圧を検出した場合には、それ以前の第
一〜第三スイッチC1〜C3が溶着故障を起こしていると判
断でき、閉成指令を発したのに接点状態抽出回路53-i以
降において始めてバッテリ電圧が検出されなくなるよう
な状況下では、当該接点状態抽出回路53-iの接続されて
いる線路部分の直前のスイッチCiが開放故障を起こして
いると判断できる。
【0067】もっとも、一般には複数個のスイッチC1〜
Cnの中、どのスイッチが故障したのかを使用者は知る必
要がない。どれが故障しても、結局は修理サービスを必
要とするからである。ただ、修理する方から言えば、上
記のように三個以上の直列スイッチ列構成を採った場
合、それらの中でも故障したスイッチが特定できるので
あれば、故障スイッチのみを取り替えれば良いという便
宜に繋がる。もちろん、そのようにするためには、マイ
コン31は故障したスイッチを特定する情報を適当なるデ
ータ形式に従いマイコン31に内蔵されているか、あるい
は外付けの不揮発性メモリ(図示せず)に格納するよう
にし、サービスマンがこれを読み出し得るようにする。
【0068】以上、本発明の望ましい実施形態につき詳
記したが、本発明の要旨構成に即するかぎり、任意の改
変は自由である。例えばエンジン始動用接点手段を構成
するスイッチC1,C2や、さらに他のスイッチCa〜Cbも図
示実施形態の場合、それぞれリレー接点により構成され
ていたが、その中の一つまたは幾つか、あるいは全てを
半導体スイッチに替えることも可能である。この場合当
然、ライン閉成回路45はそれら半導体スイッチのドライ
バ回路となる。
【0069】
【発明の効果】本発明によると、エンジン始動装置にお
いて制御回路の指令により開閉されるエンジン始動用接
点手段の故障検出能力が高く、かつ、簡単、低価格な回
路構成で故障判断をし、これに対処し得る装置を提供す
ることができる。さらに、本発明の特定の態様では、故
障が発生した場合の警報や、この警報を発するタイミン
グについても効果的な構成を開示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成されたエンジン始動装置の
一実施形態における回路構成に関する概略構成図であ
る。
【図2】図1に示された装置においてエンジン始動用接
点手段の故障発生の判断と対処に関する説明図である。
【図3】本発明に従うエンジン始動用接点手段周りの構
成に関する代替構成例の説明図である。
【図4】従来のエンジン始動装置の代表的回路構成に関
する概略構成図である。
【符号の説明】
10 車両搭載のバッテリ 13 キースイッチ 14 スタータモータ 15 スタータモータ駆動回路 16 セレクタレバー連動スイッチ 21 スタータライン 22 イグニッションライン 31 マイクロコンピュータを用いて構成できる制御回路 32 演算記憶回路 33 タイマ回路 38 表示部 39 操作部 40 電波受信/復調回路 44 ライン電圧検出回路 45 ライン閉成回路 46 メインスイッチ 50 本発明によるエンジン始動装置 51 故障判断回路 52 A/D変換器 53 接点状態抽出回路 54 可聴警報部 C1 エンジン始動用接点手段の一方を構成する第一スイ
ッチ C2 エンジン始動用接点手段の他方を構成する第二スイ
ッチ Ca イグニッションライン閉成用のバイパス接点手段 CO インヒビタ接点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−54741(JP,A) 特開 平5−215052(JP,A) 特開 平7−77141(JP,A) 実開 平6−49771(JP,U) 実開 平6−49770(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02N 11/08 - 11/10 F02N 15/00

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 設定時刻に至るか、または設定操作から
    設定時間を経過したときに、あるいはリモートコントロ
    ーラから発信されたエンジン始動信号を受信したときに
    キースイッチのエンジン始動接点をバイパスするエンジ
    ン始動用接点手段を閉成し、車両搭載のバッテリをスタ
    ータラインに接続してスタータモータを駆動すると共
    に、該キースイッチのイグニッション接点をバイパスす
    るイグニッションライン用接点手段をも閉成して始動後
    のエンジンの継続運転を可能にする一方で、上記エンジ
    ン始動用接点手段を上記閉成してから一定時間後に、ま
    たは該エンジンの始動を確認した後に、該スタータモー
    タを停止するため、上記エンジン始動用接点手段を開放
    する制御回路を有するエンジン始動装置であって;上記
    エンジン始動用接点手段を上記バッテリと上記スタータ
    ラインの間に介在する二つの直列な第一、第二スイッチ
    から構成し;上記制御回路は該エンジン始動用接点手段
    を上記閉成するとき、該二つの直列な第一、第二スイッ
    チの中、上記スタータラインに近い第二スイッチを閉成
    してから上記バッテリに近い第一スイッチを閉成し、該
    エンジン始動用接点手段を上記開放するときには該第一
    スイッチを開放してから該第二スイッチを開放するよう
    に構成されていると共に;該第一、第二スイッチの間の
    線路部分の電圧を監視することで少なくとも該第一スイ
    ッチの開閉状態を抽出する接点状態抽出回路があり;該
    制御回路は該接点状態抽出回路を介して得られる接点状
    態信号に基づき、少なくとも上記第一スイッチの故障の
    有無を判断し、故障と判断したときには上記第一、第二
    スイッチを共に開放するための動作をなすこと;を特徴
    とするエンジン始動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置であって;上記制御
    回路が上記エンジン始動用接点手段を開放する動作をな
    したときに、上記接点状態抽出回路を介して得られる上
    記接点状態信号が上記第一スイッチを通じて上記バッテ
    リ電圧が表れていることを表す信号形態である場合に
    は、該制御回路は上記故障と上記判断すると共に、上記
    イグニッションライン用接点手段をも開放すること;を
    特徴とするエンジン始動装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の装置であって;
    上記制御回路が上記イグニッションライン用接点手段を
    閉成してから上記エンジン始動用接点手段を閉成する動
    作をなしたときに、上記接点状態抽出回路を介して得ら
    れる上記接点状態信号が上記第一スイッチを通じて上記
    バッテリ電圧が表れないことを表す信号形態である場合
    には、該制御回路は上記故障と上記判断すると共に、上
    記イグニッションライン用接点手段をも開放すること;
    を特徴とするエンジン始動装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3記載の装置であっ
    て;上記制御回路が上記イグニッションライン用接点手
    段及び上記エンジン始動用接点手段を閉成する動作をな
    していないときに、上記接点状態抽出回路を介して得ら
    れる上記接点状態信号が上記第一スイッチを通じて上記
    バッテリ電圧が表れていることを表す信号形態となった
    場合には、該制御回路は上記故障と上記判断すると共
    に、以後、上記エンジン始動用接点手段及び上記イグニ
    ッションライン用接点手段を閉成するための動作を生起
    しないこと;を特徴とするエンジン始動装置。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3または4記載の装置で
    あって;上記制御回路が上記故障と判断したとき、視覚
    的警報及び聴覚的警報の中、少なくとも一方または双方
    を発する警報手段を有すること;を特徴とするエンジン
    始動装置。
  6. 【請求項6】 請求項1,2,3または4記載の装置で
    あって;記憶回路、上記イグニッションラインの通電状
    態を検出するライン電圧検出回路、及び視覚的警報及び
    聴覚的警報の中、少なくとも一方または双方を発する警
    報手段をさらに有し;該記憶回路は上記制御回路が上記
    故障と判断したとき、故障有りの情報を記憶し;該警報
    手段は、該記憶回路が該故障有りの情報を記憶している
    状態で該ライン電圧検出回路が上記イグニッションライ
    ンへの通電を検出したときに上記警報を発すること;を
    特徴とするエンジン始動装置。
  7. 【請求項7】 請求項1,2,3,4,5または6記載
    の装置であって;上記接点状態抽出回路は、上記第一、
    第二スイッチの間の上記線路部分が上記バッテリに導通
    したときに第一の論理レベルの出力信号を発し、そうで
    ないときに該第一の論理レベルとは異なる第二の論理レ
    ベルの出力信号を発するスイッチング回路であること;
    を特徴とするエンジン始動装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の装置であって;上記スイ
    ッチング回路は単段トランジスタ回路であること;を特
    徴とするエンジン始動装置。
  9. 【請求項9】 請求項1,2,3,4,5または6記載
    の装置であって;上記接点状態抽出回路は、上記第一、
    第二スイッチの間の上記線路部分の電圧を分圧する分圧
    回路であること;を特徴とするエンジン始動装置。
  10. 【請求項10】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8または9記載の装置であって;nを3以上の整数とし
    て、上記第二スイッチと上記スタータラインの間にはさ
    らに第三スイッチから第nスイッチまでが直列に介在
    し;上記制御回路は、上記第二スイッチを開閉するとき
    に該第三スイッチから該第nスイッチまでを同時に開閉
    するか、または該第二スイッチを閉成するときには該閉
    成に先立ち該第nスイッチから該第三スイッチまでを順
    次に閉成し、該第二スイッチを開放するときには該開放
    の後に該第三スイッチから該第nスイッチまでを順次に
    開放すること;を特徴とするエンジン始動装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の装置であって;上記
    第三スイッチから上記第nスイッチまでの直列接点手段
    列においてそれぞれ隣接するスイッチ間の線路部分の一
    つまたは幾つか、あるいは全てに接続し、それぞれが該
    接続した線路部分の電圧を監視することで該接続した線
    路部分よりも上記バッテリ側に位置する接点手段の開閉
    状態を抽出する追加の接点状態抽出回路を有し;該制御
    回路は該追加の接点状態抽出回路を介して得られる接点
    状態信号に基づき、少なくとも上記接続した線路部分よ
    りも上記バッテリ側に位置する接点手段の故障の有無を
    判断し、故障と判断したときには上記第一、第二スイッ
    チと共に上記第三スイッチから上記第nスイッチを全て
    開放する動作をなすこと;を特徴とするエンジン始動装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の装置であって;上記
    制御回路は上記接点状態抽出回路及び上記追加の接点状
    態抽出回路を介して得られる上記接点状態信号に基づき
    故障した接点手段を特定すること;を特徴とするエンジ
    ン始動装置。
  13. 【請求項13】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11または12記載の装置であって;上
    記制御回路はマイクロコンピュータを用いて構成されて
    いること;を特徴とするエンジン始動装置。
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