JP2798930B2 - ガス絶縁開閉装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、２個の主母線を１個の遮断器に接続して成
るガス絶縁開閉装置に関するものであって、特に遮断器
のメンテナンスの際に遮断器と母線側断路器間の導体を
接地する遮断器メンテナンス用の接地開閉器の配置構成
に改良を施したものである。

（従来の技術） ガス絶縁開閉装置は、絶縁性及び消弧性に非常に優れ
たSF₆ガス等を充填した容器内に、遮断器及び断路器の
遮断部、断路部を収納すると共に母線等の機器を組合せ
構成されている。この種の開閉装置は、気中絶縁方式の
開閉装置に比べて著しく小型に構成することが可能であ
る。近年では、著しい地価高騰などにより、小型化が可
能なガス絶縁開閉装置が変電所に多く採用されている。
更に、合理的に構成機器を配置することにより、一層の
小型化が図られ、ガス絶縁開閉装置の低廉化及び屋内形
ガス絶縁開閉装置の建屋を含めた変電所建設のより一層
の低廉・小型化が可能となる。

ここで、従来の２重母線方式回路のガス絶縁開閉装置
を第７図を用いて説明する。この図は、２重に構成され
た母線を電力ケーブル線路に接続するフィダー回線を、
従来の機器構成により形成したガス絶縁開閉装置側面図
で、装置側面図上に回路の単線結線図を重ねて示した。

第７図において、遮断器１の電極部である遮断部５
は、鉛直方向に配置されている遮断器容器６内に収納さ
れ、且つ遮断器容器６の下に設置されている遮断器構成
箱７内の図示しない操作装置により駆動される。又、遮
断器容器６の側面には、同一方向に突出し、且つ上下に
平行に配置した第１及び第２の母線接続用口出端子部8,
9と、これら母線接続用口出端子部8,9と反対の方向に突
出した線路側機器接続用口出端子部10とが設けられてい
る。このうち、母線接続用口出端子部8,9は、分岐導体1
1により前記遮断部５の一方端子に共通に接続され、線
路側機器接続用口出端子部10は、接続導体12により遮断
部５の他方端子に接続されている。又、前記分岐導体11
には、遮断器容器６内に一括して収納された遮断器メイ
ンテナンス用接地開閉器15が接続されている。

更に、遮断器容器６の各母線接続用口出端子部8,9に
は、水平に配設された第１及び第２の主母線13a,13b
と、この主母線13a,13bと直角に設けられた母線側断路
器14a,14bとを各母線側ユニット容器16a,16bに一括して
収納した母線側ユニット2,3がそれぞれ絶縁スペーサ18
a,18bによりガス区分して接続されている。前記各母線
側ユニット2,3は、主母線13a,13bにこれと直角で、且つ
遮断器１の方向に向けて電極を配設した母線側断路器14
a,14bの一方端子が接続され、該断路器の延長方向に遮
断器接続端子部17a,17bが設けられ、この遮断器接続端
子部17a,17bを前述のように遮断器１の母線側ユニット
接続用口出端子部8,9に接続して形成されている。一
方、遮断器容器６の線路側機器接続用口出端子部10に
は、遮断器側から順次接続されて成る変流器24、遮断器
メインテナンス用接地開閉器27、線路側断路器25、線路
接地用開閉器28及びケーブルヘッド26とを線路側ユニッ
ト容器29に一括して収納した線路側ユニット４が、絶縁
スペーサ23によりガス区分して接続されている。

（発明が解決しようとする課題） 以上のように構成された従来のガス絶縁開閉装置で
は、母線側に配置される遮断器メインテナンス用接地開
閉器15が遮断器容器６内に収納されているため、遮断器
１を取外してメインテナンスを行う場合には、同時に前
記遮断器メインテナンス用接地開閉器15もまた回路より
切離されてしまう。このため、主母線13a,13bを活線状
態としたままで母線側断路器14a,14bを開路して前記作
業を行う場合、前記断路器14a,14bの遮断器側端子には
静電誘導により電圧が誘起され、作業中に感電する危険
があった。更に、遮断器を取外した後、これら断路器14
a,14bの遮断器側端子を別の方法で再度接地しなければ
ならなかった。

又、従来のガス絶縁開閉装置には、分岐導体11及び母
線側遮断器メインテナンス用接地開閉器15を別の容器に
収納し、遮断器容器６の側面に形成した１個の母線接続
用口出端子部8,9と、母線側ユニット1,2との間に挿入接
続して構成したものであるが、この場合には前記の問題
は生じないが、装置が複雑になるとともに、ガス絶縁開
閉装置の側面の長手寸法が長くなる欠点があった。

本発明の目的は、上記のような従来のガス絶縁開閉装
置の課題を解消し、遮断器のメインテナンス作業性及び
作業時の安全性の向上が図れ、しかも小型で且つ構成の
簡単なガス絶縁開閉装置を提供することにある。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） 本発明のガス絶縁開閉装置は、第１、第２の母線側ユ
ニット内における第1,第２の母線側断路器の遮断器側端
子と、第1,第２の遮断器口出端子部との間に、それぞれ
第1,第２の接地開閉器を配設することにより、接地開閉
器を第1,第２の母線側ユニット内に収納し、更に、第1,
第２の接地開閉器の回転駆動軸を一組の連結リンクを介
して一個の操作器に接続し、この操作器を第１、第２の
母線側断路器の操作器に並置したものである。

（作用） 上記のような構成を有する本発明においては、第1,第
２の母線側ユニット内に接地開閉器を設けたので、遮断
器を取外した場合にも母線側断路器の遮断器側端子を接
地する接地開閉器が残置されるため、作業中の感電の危
険が除去され、且つ遮断器を取外した後遮断器の遮断器
側端子を別の方法で再度接地する等の余分な作業が不必
要となる。又、必要最小限の容器にて装置が構成され、
装置側面の長手寸法が縮小可能である。

（実施例） 進んで本発明のガス絶縁開閉装置の一実施例を第１図
を用いて説明する。

なお、従来の技術と同一部分については同一符号を付
して説明を省略する。

＊実施例の構成＊ 第１図は第７図に示した従来型と同じ２重母線方式の
ケーブル引込み回線を本発明により構成した三相一タン
ク型ガス絶縁開閉装置の一部切欠側断面図、第２図は本
回路の単線結線図である。第１図において、第1,第２の
母線ユニット２に配設されている第1,第２の三相主母線
等の設置手段は周知の構成であり、遮断器容器６の軸線
と直角の水平方向に設けられてる三相主母線13a,13b
に、第1,第２母線側断路器14a,14bの可動子が接続さ
れ、一方、この第1,第２母線側断路器14a,14bの固定子
は、従来の構成であれば前記遮断器容器６の第1,第２の
母線接続用口出端子に接続されている遮断器接続端子部
17a,17bに接続され、絶縁スペーサ18a,18bを介して各々
分岐導体11へと連結されていたが、本発明のガス絶縁開
閉装置では、前記母線側断路器14a,14bの遮断器側端子
と前記遮断器接続端子部17a,17bとの間に、第1,第２の
遮断器メインテナンス用接地開閉器30a,30bが配設され
ている。この第1,第２の遮断器メインテナンス用接地開
閉器30a,30bは、前記第1,第２母線側断路器14a,14bの固
定子延長方向の導体上に固定子が設けられ、これに対向
して水平に運動し前記固定子に接触する可動子が配設さ
れている。更に、これら遮断器メインテナンス用接地開
閉器30a,30bの可動子を駆動する第1,第２の遮断器メイ
ンテナンス用接地開閉器回軸駆動軸31a,31bが鉛直方向
の同一軸線上に配置されている。この両駆動軸31a,31b
は、第1,第２の母線ユニット2,3間方向に対向して設け
られ、更に、この両駆動軸31a,31bが一組の連結リンク3
2を介して、接地開閉器操作器33に連結されている。こ
の接地開閉器操作器33は、第1,第２の主母線13a,13bの
前面で且つ前記母線側断路器操作器22a,22bの間に配設
され、この接地開閉器操作器33の指令により、第1,第２
の遮断器メインテナンス用接地開閉器30a,30bが一括し
て操作される。又、第２の母線側ユニット３の下部に
は、当該回線の制御盤34が配設されている。

＊実施例の作用＊ 本実施例のガス絶縁開閉装置によれば、第１及び第２
の主母線13a,13bのいずれか一方又は両方を、活線状態
にしたままで遮断器１を取外して点検しようとする場
合、まず第１及び第２の母線側断路器14a,14bを開路
し、第１及び第２の遮断器メインテナンス用接地開閉器
30a,30bにより、前記母線側絶路器14a,14bの遮断器１側
端子を接地する。その後、遮断器１の第１及び第２の母
線接続用口出端子部8,9と絶縁スペーサ18a,18bとの間を
それぞれ切離すことにより、当該遮断器１を取外す。な
お、線路側機器については、事前に遮断器１及び線路側
断路器25を開路し、接地開閉器27及び28を接地した状態
で、線路側ユニット４を線路側機器口出端子10により切
離しておく。

＊実施例の効果＊ 以上のように本実施例における遮断器メインテナンス
作業では、遮断器取外し後においても、第１及び第２の
遮断器メインテナンス用接地開閉器30a,30bは母線側ユ
ニット2,3に残置され、第１及び第２の母線側断路器14
a,14bの遮断器１側端子は接地された状態となるため、
作業時の感電の危険はない。更に、第１及び第２の遮断
器メインテナンス用接地開閉器30a,30bは、一個の接地
開閉器操作器33により共通に操作可能であり、接地作業
は接地開閉器一個の場合と全く同等にできる。

又、第１及び第２の遮断器メインテナンス用接地開閉
器30a,30bは、それぞれ第１及び第２の母線側ユニット
容器16a,16b内に他の母線側機器と一括して収納されて
おり、装置全体の構成が単純化れる。その上、遮断器容
器６内には、当該遮断器の遮断部５と分岐導体11及び接
続導体12が収納されるのみであり、遮断器メインテナン
ス用接地開閉器30a,30bをも同時に収納する場合に比
べ、遮断器容器６が小型化される。更に、第１及び第２
の遮断器メインテナンス用接地開閉器30a,30bの一個の
接地開閉器操作器33は、第１及び第２の母線側断路器操
作器22a,22bの間に配設し、又、当該回路の制御盤34を
母線側ユニットの下部に配設したため、全体としてガス
絶縁開閉装置側面の長手寸法を縮小することができる。

＊他の実施例＊ なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではな
く、第３図〜第６図に示すような構成であってもよい。
第３図，第４図において、遮断器１の遮断器容器６側面
には、同一方向に突出し且つ上下に平行して配置した第
１及び第２の母線接続用口出端子部35,36を設ける。こ
の第１及び第２母線接続用口出端子部35,36には、当該
遮断器の遮断部５の両端をそれぞれ接続導体37及び38に
より導出する。更に、該母線接続用口出端子部35,36に
は、第１図および第２図に示したものと同じ第１及び第
２の母線側ユニット2,3を、それぞれ変流器39a又は39b
を介し、且つ前記変流器39a,39bと遮断器容器６との間
に第１及び第２の絶縁スペーサ18a又は18bを配設して接
続してもよい。

以上のように構成したガス絶縁開閉装置においても、
主母線13a,13bを活線状態としたままで遮断器１を取外
して点検を行う場合、遮断器１を第1,第２の絶縁スペー
サ18a及び18bと当該遮断器の母線接続用口出端子部35及
び36との間で切離して取外せばよく、メインテナンス作
業の安全性及び作業性に関して第１図及び第２図に示し
たガス絶縁開閉装置と全く同様の効果が得られる。又、
装置全体の寸法に関しても前記実施例と同様に、側面長
手寸法を縮小することができる。

又、第５図及び第６図に記載のものは、２重母線のう
ち区分される母線の一方側を第１の主母線13a、他方側
を第２の主母線13bとして、この間に接続される断路器1
4a,14b、遮断器メインテナンス用接地開閉器30a,30b、
変流器39a,39b、遮断器１を第３図及び第４図に示した
母線連結回線のガス絶縁開閉装置と同じ形に構成する。
そして、遮断器１を架台40の上に配置して、前記第２の
主母線13bの位置が線路引込み回線、母線連絡回線等に
おける上側の主母線位置と一致するように、このユニッ
ト全体を持上げて配設する。ただし、遮断器メインテナ
ンス用接地開閉器30a,30bの操作器33は、操作を容易に
するため、第２の主母線13bの下部前面に配置する。更
に、前記第２の主母線13bと制御盤34の間に、２重母線
の他の一方の母線を第1,第２の主母線13a,13bと平行に
配置してもよい。本構成においても、第1,第２図及び第
3,第４図に示したガス絶縁開閉装置と同じ作用・効果が
得られる。

なお、以上第３乃至第６図に示したガス絶縁開閉装置
では、いずれも遮断器１の両端に変流器39a,39bが配設
されているが、変流器39a,39bが一方のみで形成されて
いる場合もある。この時には、変流器が無い側を接続母
線により構成することにより、前記と同様に構成するこ
とができる。又、第５図及び第６図に示した母線区分回
線は２重母線方式の場合であるが、単母線方式の場合に
は、区分する母線の一方側を第１の主母線13a、他方側
を第２の主母線13bとして第３図及び第４図に示した２
重母線方式の母線連絡回線と同様に構成することができ
る。更に、２重母線方式のブッシング引込み回線につい
ても、第１図及び第２図に示したケーブル引込み回線の
線路側ユニット４を変更することにより、母線側は全く
同一に構成できる。そして、以上全ての構成において、
遮断器メインテナンス時における安全性、作業性及び装
置全体の寸法に関し、第１図乃至第６図に示したガス絶
縁開閉装置と同様の作用・効果が得られる。

［発明の効果］ 以上の通り、本発明によれば、遮断器を取外して点検
を行う場合に、母線側機器の接地作業は一個の操作器を
一回操作するのみでよく、又操作中常に母線側断路器の
遮断器側端子は接地状態となり、遮断器のメンテナンス
作業を安全にかつ効率良く行うことができる。又、必要
最小限の容器で構成できるとともに、操作器の集約化に
より母線方向の寸法を縮小できるため、小型化でき、設
置スペースも縮小できる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の一実施例を示す２重母線方式ケーブル
引込み回線のガス絶縁開閉装置の一部切欠側断面図、第
２図は第１図に示すガス絶縁開閉装置の単線結線図、第
３図は本発明の他の実施例を示す２重母線方式母線連絡
回線のガス絶縁開閉装置の一部切欠側断面図、第４図は
第３図の同単線結線図、第５図は本発明の更に他の実施
例を示す２重母線方式母線区分回線のガス絶縁開閉装置
の側面図、第６図は第５図の同単線結線図、第７図は従
来の２重母線方式ケーブル引込み回線のガス絶縁開閉装
置の側面図である。 １……遮断器、2,3……第1,第２の母線側ユニット、４
……線路側ユニット、５……遮断部、６……遮断器容
器、７……遮断器機構箱、8,9……遮断器の第1,第２の
母線接続用口出端子部、10……線路側機器接続用口出端
子部、11……分岐導体、12……接続導体、13a,13b……
第1,第２の主母線、14a,14b……第1,第２の母線側断路
器、15……遮断器メインテナンス用接地開閉器、16a,16
b……第1,第２の母線側ユニット、17a,17b……遮断器接
続端子部、18a,18b……第1,第２の絶縁スペーサ、22a,2
2b……第1,第２の母線側絶路器操作器、23……絶縁スペ
ーサ、24……変流器、25……線路側断路器、26……ケー
ブルヘッド、27……遮断器メインテナンス用接地開閉
器、28……線路接地用接地開閉器、29……線路側ユニッ
ト容器、30a,30b……第1,第２の遮断器メインテナンス
用接地開閉器、31a,31b……第1,第２の遮断器メインテ
ナンス用接地開閉器駆動軸、32……連結リンク、33……
接地開閉器操作器、34……制御盤、35,36……第1,第２
の母線接続用口出端子部、37,38……接続導体、39a,39b
……変流器、40……架台。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅野 好裕 神奈川県川崎市川崎区浮島町２番１号 株式会社東芝浜川崎工場内 (56)参考文献 実開 昭59−15211（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−44610（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−10711（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】第１の主母線と第１の母線側断路器とを含
   んでなる第１の母線側ユニットと、第２の主母線と第２
   の母線側断路器とを含んでなる第２の母線側ユニットと
   を、遮断器の軸線と直角の同一方向に並置した該遮断器
   の第１、第２の口出端子部に、それぞれガス区分して平
   行に接続してなるガス絶縁開閉装置において、 前記第１、第２の母線側ユニット内における前記第１、
   第２の母線側断路器の遮断器側端子と前記第１、第２の
   遮断器口出端子部との間に、それぞれ第１、第２の接地
   開閉器を配設し、該第１、第２の接地開閉器には、各々
   を駆動する回転駆動軸を、前記第１、第２の母線側ユニ
   ット間に、遮断器の軸線と平行な同一軸線上に対向して
   配置し、両回転駆動軸を一組の連結リンクを介して１個
   の操作器に接続し、その操作器を前記第１、第２の母線
   側断路器の操作器に並置したことを特徴とするガス絶縁
   開閉装置。