JP2796096B2 - 難燃性電線・ケーブル - Google Patents
難燃性電線・ケーブルInfo
- Publication number
- JP2796096B2 JP2796096B2 JP63164368A JP16436888A JP2796096B2 JP 2796096 B2 JP2796096 B2 JP 2796096B2 JP 63164368 A JP63164368 A JP 63164368A JP 16436888 A JP16436888 A JP 16436888A JP 2796096 B2 JP2796096 B2 JP 2796096B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- flame
- retardant
- water
- cables
- halogen
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Organic Insulating Materials (AREA)
- Insulated Conductors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、優れた難燃性を発揮するとともに外観も
良好な難燃性電線および難燃性ケーブルに関する。
良好な難燃性電線および難燃性ケーブルに関する。
電線・ケーブルを難燃化するには、一般にその最外層
に難燃性混和物からなる難燃性被覆を設けることによっ
て行われている。そして、ここで用いられる難燃性混和
物は大別するとハロゲン系と非ハロゲン系とに分けるこ
とができる。
に難燃性混和物からなる難燃性被覆を設けることによっ
て行われている。そして、ここで用いられる難燃性混和
物は大別するとハロゲン系と非ハロゲン系とに分けるこ
とができる。
ハロゲン系の混和物を用いたものでは、火災にあうと
有害なハロゲンガスを放出し、これが人体に有害である
のみならず、機器を腐食するなどの火災に伴う二次災害
が起き易いところから、非ハロゲン系の混和物が好まし
いものとして今日では多く使用されている。
有害なハロゲンガスを放出し、これが人体に有害である
のみならず、機器を腐食するなどの火災に伴う二次災害
が起き易いところから、非ハロゲン系の混和物が好まし
いものとして今日では多く使用されている。
ところで、非ハロゲン系の難燃性混和物としては、特
開昭51−46341号広報に見られるように難燃剤として水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムまたは水酸化マ
グネシウムと炭酸マグネシウムの複合体をポリオレフィ
ン系ポリマーなどのハロゲンを含まない合成樹脂に添加
した混和物が知られている。
開昭51−46341号広報に見られるように難燃剤として水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムまたは水酸化マ
グネシウムと炭酸マグネシウムの複合体をポリオレフィ
ン系ポリマーなどのハロゲンを含まない合成樹脂に添加
した混和物が知られている。
しかしながら、このような水酸アルミニウムを添加し
た混和物を使用するものでは、電線、ケーブルの外被と
して抽出被覆するときに発泡を起し易いという不都合が
あり、実用面で問題がある。
た混和物を使用するものでは、電線、ケーブルの外被と
して抽出被覆するときに発泡を起し易いという不都合が
あり、実用面で問題がある。
一方、水酸化マグネシウムは水酸化アルミニウムより
も発泡性が少なく加工上の問題が少ないので、好ましい
難燃剤であるが、これを用いて製造した難燃性電線やケ
ーブルを洞道などの湿度の高い雰囲気に敷設すると電
線、ケーブルの表面が白化してくる。このため、品質面
での不安感を与えることのないように白化の発生を防止
することが望まれている。
も発泡性が少なく加工上の問題が少ないので、好ましい
難燃剤であるが、これを用いて製造した難燃性電線やケ
ーブルを洞道などの湿度の高い雰囲気に敷設すると電
線、ケーブルの表面が白化してくる。このため、品質面
での不安感を与えることのないように白化の発生を防止
することが望まれている。
この発明では、水に対する溶解度(15℃における)が
0.1g以下の撥水処理された炭酸水素ナトリウム(重曹)
を難燃剤として用い、これをポリオレフィン系ポリマー
に配合した難燃性混和物からなる難燃性被覆を設けるこ
とをその解決手段とした。
0.1g以下の撥水処理された炭酸水素ナトリウム(重曹)
を難燃剤として用い、これをポリオレフィン系ポリマー
に配合した難燃性混和物からなる難燃性被覆を設けるこ
とをその解決手段とした。
炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)は、その熱分解温度が
約300℃であり、このため押出被覆時の発泡が抑制され
る。また、高湿度下においてもケーブル表面が白化する
ことがない。さらに、撥水処理されていることから、水
に対して難溶性となり、難燃性被覆から溶出することが
ない。
約300℃であり、このため押出被覆時の発泡が抑制され
る。また、高湿度下においてもケーブル表面が白化する
ことがない。さらに、撥水処理されていることから、水
に対して難溶性となり、難燃性被覆から溶出することが
ない。
第1図はこの発明の難燃性電線の一例を示すもので、
図中符号1は難燃性電線である。この難燃性電線1は、
銅、アルミニウムなどからなる導体2上に、ポリエチレ
ン、架橋ポリエチレン、エチレンプロピレンゴムなどの
ハロゲンを含まない樹脂からなる絶縁体3を設け、この
絶縁体3上にポリオレフィン系ポリマーに撥水処理炭酸
水素ナトリウムを配合した難燃性混和物からなる難燃層
4を設けてなるものである。
図中符号1は難燃性電線である。この難燃性電線1は、
銅、アルミニウムなどからなる導体2上に、ポリエチレ
ン、架橋ポリエチレン、エチレンプロピレンゴムなどの
ハロゲンを含まない樹脂からなる絶縁体3を設け、この
絶縁体3上にポリオレフィン系ポリマーに撥水処理炭酸
水素ナトリウムを配合した難燃性混和物からなる難燃層
4を設けてなるものである。
ここで使用される撥水処理炭酸水素ナトリウムとは、
粉末状の炭酸水素ナトリウムをシリコーン系撥水処理剤
などの撥水処理剤で処理したものであり、炭酸水素ナト
リウム粉末100重量部を撹拌しつつ液状のシリコーン系
撥水処理剤を1〜30重量部滴下し、十分撹拌混合して、
炭酸水素ナトリウム粉末粒子の表面にシリコーン系撥水
処理剤の薄い被覆を形成する方法などによって得ること
ができる。この撥水処理によって、炭酸水素ナトリウム
の水に対する溶解度は8.8g(15℃)から、0.1g以下に減
少し、難溶性となる。
粉末状の炭酸水素ナトリウムをシリコーン系撥水処理剤
などの撥水処理剤で処理したものであり、炭酸水素ナト
リウム粉末100重量部を撹拌しつつ液状のシリコーン系
撥水処理剤を1〜30重量部滴下し、十分撹拌混合して、
炭酸水素ナトリウム粉末粒子の表面にシリコーン系撥水
処理剤の薄い被覆を形成する方法などによって得ること
ができる。この撥水処理によって、炭酸水素ナトリウム
の水に対する溶解度は8.8g(15℃)から、0.1g以下に減
少し、難溶性となる。
また、この撥水処理炭酸水素ナトリウムが配合される
樹脂組成物としては、ハロゲンを含まないポリオレフィ
ン系ポリマーを主体とするものが用いられ、このハロゲ
ンを含まないポリオレフィン系ポリマーとしては、高密
度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン−1やエチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EE
A)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテ
ン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体など
のエチレンと他のモノマーとの共重合体が用いられる。
樹脂組成物としては、ハロゲンを含まないポリオレフィ
ン系ポリマーを主体とするものが用いられ、このハロゲ
ンを含まないポリオレフィン系ポリマーとしては、高密
度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン−1やエチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EE
A)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテ
ン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体など
のエチレンと他のモノマーとの共重合体が用いられる。
撥水処理炭酸水素ナトリウムの配合量は前記樹脂組成
物100重量部に対して10〜150重量部程度とされる。撥水
処理炭酸水素ナトリウムが10重量部未満では十分な難燃
性が得られず、150重量部を越えると混和物の機械的特
性等が低下して不都合となる。
物100重量部に対して10〜150重量部程度とされる。撥水
処理炭酸水素ナトリウムが10重量部未満では十分な難燃
性が得られず、150重量部を越えると混和物の機械的特
性等が低下して不都合となる。
また、必要に応じて、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウムを添加して難燃性をより高めることもできる
が、押出被覆時の発泡および高湿下での白化が生じるた
め、その配合量は少ない方が望ましく、樹脂組成物100
重量部に対してそれぞれ20重量部以下とすることが好ま
しい。
グネシウムを添加して難燃性をより高めることもできる
が、押出被覆時の発泡および高湿下での白化が生じるた
め、その配合量は少ない方が望ましく、樹脂組成物100
重量部に対してそれぞれ20重量部以下とすることが好ま
しい。
断面積24mm2の導体上に架橋ポリエチレンからなる厚
さ3mmの絶縁体を設け、この絶縁体上に第1表を示す配
合組成の難燃性被覆(厚さ2mm)を押出被覆して、この
発明の難燃性電線を得た。この難燃性電線について、酸
素指数、難燃性被覆の白化性および発泡性を検討した。
さ3mmの絶縁体を設け、この絶縁体上に第1表を示す配
合組成の難燃性被覆(厚さ2mm)を押出被覆して、この
発明の難燃性電線を得た。この難燃性電線について、酸
素指数、難燃性被覆の白化性および発泡性を検討した。
難燃性被覆の白化性は、電線を温度80℃、相対温度90
%の条件下で7日間放置し、難燃性被覆の表面に白化が
認められないものを○とし、白化が認められたものを×
とした。
%の条件下で7日間放置し、難燃性被覆の表面に白化が
認められないものを○とし、白化が認められたものを×
とした。
また、難燃性被覆の発泡性は、難燃性被覆をある温度
で10分間放置し、発泡が認められた温度の最低温度で表
わした。よって、この温度が高い程押出被覆時の発泡の
可能性が減少する。
で10分間放置し、発泡が認められた温度の最低温度で表
わした。よって、この温度が高い程押出被覆時の発泡の
可能性が減少する。
結果を第1表に併せて示す。
第1表から明らかなように、撥水処理炭酸水素ナトリ
ウムは良好な難燃性を付与するとともに白化、発泡がな
く、良好な難燃剤であることがわかる。
ウムは良好な難燃性を付与するとともに白化、発泡がな
く、良好な難燃剤であることがわかる。
以上説明したように、この発明の難燃性電線・ケーブ
ルは、ポリオレフィン系ポリマーに水に対する溶解度
(15℃における)が0.1g以下の撥水処理炭酸水素ナトリ
ウムを配合してなるものであるので、高い燃燃性を発揮
するとともに難燃性被覆の押出成形時における発泡現象
がなく、さらに高温高湿下に敷設しても難燃性被覆の表
面が白化することがない。さらに、非ハロゲン系となる
ので、火災時に有害なハロゲンガスを発生することもな
い。また、撥水処理炭酸水素ナトリウムが難燃性被覆か
ら溶出することがなく、電線・ケーブルの難燃性が供用
中に低下することもない。
ルは、ポリオレフィン系ポリマーに水に対する溶解度
(15℃における)が0.1g以下の撥水処理炭酸水素ナトリ
ウムを配合してなるものであるので、高い燃燃性を発揮
するとともに難燃性被覆の押出成形時における発泡現象
がなく、さらに高温高湿下に敷設しても難燃性被覆の表
面が白化することがない。さらに、非ハロゲン系となる
ので、火災時に有害なハロゲンガスを発生することもな
い。また、撥水処理炭酸水素ナトリウムが難燃性被覆か
ら溶出することがなく、電線・ケーブルの難燃性が供用
中に低下することもない。
第1図はこの発明の難燃性電線電線の一例を示す断面図
である。 4……難燃層。
である。 4……難燃層。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−43207(JP,A) 特開 昭52−30853(JP,A) 特開 昭63−284263(JP,A) 特開 昭53−110639(JP,A) 実開 昭63−127023(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01B 7/34 H01B 3/44
Claims (1)
- 【請求項1】ポリオレフィン系ポリマーに、水に対する
溶解度(15℃における)が0.1g以下の撥水処理炭酸水素
ナトリウムを配合してなる難燃性被覆が設けられたこと
を特徴とする難燃性電線・ケーブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63164368A JP2796096B2 (ja) | 1988-07-01 | 1988-07-01 | 難燃性電線・ケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63164368A JP2796096B2 (ja) | 1988-07-01 | 1988-07-01 | 難燃性電線・ケーブル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0215511A JPH0215511A (ja) | 1990-01-19 |
JP2796096B2 true JP2796096B2 (ja) | 1998-09-10 |
Family
ID=15791815
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63164368A Expired - Fee Related JP2796096B2 (ja) | 1988-07-01 | 1988-07-01 | 難燃性電線・ケーブル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2796096B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2971240B2 (ja) * | 1992-03-24 | 1999-11-02 | 東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社 | 撥水性成形硬化体の製造方法 |
CN111192716B (zh) * | 2020-01-06 | 2021-09-14 | 浙江中大元通特种电缆有限公司 | 一种用于地下煤矿的阻燃电缆 |
JP2021147312A (ja) | 2020-03-17 | 2021-09-27 | 青木あすなろ建設株式会社 | セメント組成物及びその硬化物 |
JP2021147313A (ja) | 2020-03-17 | 2021-09-27 | 青木あすなろ建設株式会社 | プレキャストコンクリート成形体 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5230853A (en) * | 1975-09-03 | 1977-03-08 | Takashi Ishikawa | Flame-retardant synthetic resin |
JPS6343207A (ja) * | 1986-08-08 | 1988-02-24 | 日立電線株式会社 | 難燃性電気絶縁組成物 |
-
1988
- 1988-07-01 JP JP63164368A patent/JP2796096B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0215511A (ja) | 1990-01-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3037713B2 (ja) | 難燃性の重合体組成物 | |
EP0328051B1 (en) | Flame retardant ethylene polymer blends | |
US5525757A (en) | Flame retardant polyolefin wire insulations | |
JP2796096B2 (ja) | 難燃性電線・ケーブル | |
JPH0995566A (ja) | ノンハロ難燃耐熱樹脂組成物 | |
JPH10255560A (ja) | 難燃性電線・ケーブル | |
JP3632735B2 (ja) | 絶縁樹脂組成物および絶縁電線 | |
EP0370518A2 (en) | Flame retardant composition | |
JP2002533893A (ja) | 発煙量が少ない自己消火型ケーブルの製造方法及び該ケーブル内で使用される難燃性組成物 | |
EP0114724A2 (en) | Polymer composition | |
JP2869817B2 (ja) | 難燃性組成物 | |
JPH02255843A (ja) | 難燃性樹脂組成物およびこれを用いた難燃性ケーブル | |
JP2869809B2 (ja) | 難燃性樹脂組成物 | |
JP4057414B2 (ja) | 絶縁組成物及び絶縁電線 | |
JPH08161942A (ja) | 難燃ケーブル | |
JP2811970B2 (ja) | 難燃性電気ケーブル | |
JP2560679B2 (ja) | 難燃性電気絶縁組成物 | |
JPH09320358A (ja) | 難燃性絶縁電線 | |
JP2865826B2 (ja) | 難燃性樹脂組成物 | |
JPS6013832A (ja) | 難燃性エチレン−エチルアクリレ−ト共重合体組成物 | |
JP2003292696A (ja) | ノンハロゲン難燃性樹脂組成物および難燃性架橋電線・ケーブル | |
JP2002097319A (ja) | 難燃性ポリオレフィン樹脂組成物およびそれで被覆された電線・ケーブル | |
JPH062175Y2 (ja) | 難燃性電線ケーブル | |
JP2002075070A (ja) | 平型ケーブル | |
JPH08169991A (ja) | 難燃性樹脂組成物および難燃性電線・ケーブル |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080626 Year of fee payment: 10 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |