JP2002097319A - 難燃性ポリオレフィン樹脂組成物およびそれで被覆された電線・ケーブル - Google Patents

難燃性ポリオレフィン樹脂組成物およびそれで被覆された電線・ケーブル

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JP2002097319A
JP2002097319A JP2000288776A JP2000288776A JP2002097319A JP 2002097319 A JP2002097319 A JP 2002097319A JP 2000288776 A JP2000288776 A JP 2000288776A JP 2000288776 A JP2000288776 A JP 2000288776A JP 2002097319 A JP2002097319 A JP 2002097319A
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flame
resin composition
polyolefin resin
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retardant polyolefin
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Application number
JP2000288776A
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English (en)
Inventor
Keiko Ashida
桂子 芦田
Yoshiji Miyashita
芳次 宮下
Nozomi Fujita
望 藤田
Yoshiaki Ueda
吉昭 上田
Kazuyuki Ogura
和幸 小倉
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電線・ケーブルの被覆材料に好適に用いられ
得る、機械特性(例えば、破断強度、引張強度、伸びな
ど)を低下させることなく難燃性を向上させた難燃性ポ
リオレフィン樹脂組成物およびそれで被覆された電線・
ケーブルを提供すること。 【解決手段】 以下の成分を含有する難燃性ポリオレフ
ィン樹脂組成物:(A)100重量部のエチレン−エチ
ルアクリレート共重合体;(B)50重量部〜150重
量部の金属水酸化物;および(C)0.1重量部〜15
重量部のシリコーンパウダー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性ポリオレフ
ィン樹脂組成物に関し、より詳細には、電線・ケーブル
の被覆材料に好適に用いられ得る、機械特性(例えば、
破断強度、引張強度、伸びなど)を低下させることなく
難燃性を向上させた難燃性ポリオレフィン樹脂組成物お
よびそれで被覆された電線・ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電線・ケーブルにおけるシー
ス層、絶縁層等に用いられる被覆材料において、難燃性
が要求される場合、当該被覆材料にはポリ塩化ビニル
(以下、PVCと称す)が使用されてきた。しかし、電
線・ケーブルの廃棄焼却時にPVCがダイオキシンや塩
化水素ガスなどの有害ガスの発生原因となる疑いから、
PVCの使用を制限し、環境負荷が少ないポリオレフィ
ン系樹脂(例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−
エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メ
チルアクリレート共重合体(EMA)など)に金属水酸
化物(例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ムなど)からなる難燃剤を配合してなる難燃性ポリオレ
フィンが用いられるようになってきている。
【0003】近年になって、このような難燃性ポリオレ
フィンは、さらなる難燃性の向上が望まれている。難燃
性をさらに向上させる方法としては、例えば、金属水酸
化物を高濃度(例えば、50〜200PHR)で配合す
ること、あるいは難燃剤と共に、例えば、シリコーン系
難燃助剤を併用することなどが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属水
酸化物を高濃度で配合すると、得られる難燃性ポリオレ
フィンの機械特性(例えば、破断強度、引張強度、伸び
など)が著しく低下するという問題があった。
【0005】また、シリコーン系難燃助剤として、例え
ば、シリコーンオイル系難燃助剤を使用した場合、ブル
ーミングの問題が生じ、シリコーンゴム系難燃助剤を使
用した場合、得られる難燃性ポリオレフィンの機械的強
度が低下するといった問題があった。
【0006】上記のような理由から、難燃性ポリオレフ
ィンの機械特性を低下させることなく難燃性をさらに向
上させることは困難であった。
【0007】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、その目的とするところは、電線・ケー
ブルの被覆材料に好適に用いられ得る、機械特性(例え
ば、破断強度、引張強度、伸びなど)を低下させること
なく難燃性を向上させた難燃性ポリオレフィン樹脂組成
物を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、機械特性および難燃
性に優れた難燃性ポリオレフィン樹脂組成物にて被覆さ
れた電線・ケーブルを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に対し、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は以下の通りである。
【0010】本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物
は、以下の成分を含有する:(A)100重量部のエチ
レン−エチルアクリレート共重合体;(B)50重量部
〜150重量部の金属水酸化物;および(C)0.1重
量部〜15重量部のシリコーンパウダー。そのことによ
り、上記目的が達成される。
【0011】好適な実施態様において、金属水酸化物
は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムおよび水
酸化カルシウムからなる群より選択される少なくとも1
種である。
【0012】好適な実施態様において、シリコーンパウ
ダーは、官能基を有するシリコーンゴムパウダーおよび
シリコーン樹脂パウダーからなる群より選択される少な
くとも1種である。
【0013】好適な実施態様において、シリコーンパウ
ダーの平均粒径は、1μm〜1000μmである。
【0014】また、本発明の電線・ケーブルは、上記難
燃性ポリオレフィン樹脂組成物にて被覆されている。
【0015】本明細書において、用語「難燃性」とは、
炎に触れても燃焼しにくく、着火した場合も炎をあげて
燃焼を継続しにくい性質を意味する。電線・ケーブルに
おける難燃性については、JIS C 3005にて評
価されるが、ケーブルでの難燃性は、そのサイズが大き
くなれば必然的に熱容量が大きくなり、難燃性が向上す
る。また、金属などの不燃性の材料で表面を覆えば、電
線・ケーブルとしての難燃性は向上する。ここで述べる
難燃性とは、前述のような構造上の難燃性ではなく、材
料そのものの難燃性で、JIS K 7201−2に従
って測定される酸素指数により評価される。ここで「酸
素指数」とは、材料が燃焼を持続するのに必要な最低酸
素濃度を容積%で表した数値である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物
は、以下の成分を含有する: (A)エチレン−エチルアクリレート共重合体; (B)金属水酸化物;および (C)シリコーンパウダー。
【0018】本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物
において使用されるエチレン−エチルアクリレート共重
合体は、主に電線用被覆材料に要求される基本物性(例
えば、絶縁性、誘電率などの電気的性質、柔軟性、伸長
性、引張強度などの機械的性質、耐薬品性などの化学的
性質、加工性など)を担うベース成分である。
【0019】これらのうち、特に好ましいものは、機械
的特性と熱的性質の点から、エチルアクリレートの含有
量が5重量%〜45重量%のエチレン−エチルアクリレ
ート共重合体である。
【0020】あるいは、上記エチレン−エチルアクリレ
ート共重合体と、分子内に少なくとも1個のビニル基を
有する酸無水物を共重合成分として含有する酸無水物変
性ポリオレフィン系樹脂とを組み合わせて使用してもよ
い。この酸無水物変性ポリオレフィン系樹脂は、金属水
酸化物とエチレン−エチルアクリレート共重合体との界
面剥離を防止する作用を有する。当該酸無水物変性ポリ
オレフィン系樹脂の例としては、α−オレフィン/酸無
水物二元共重合体、α−オレフィン/酸無水物/アクリ
ル系化合物もしくはビニルエステル系化合物三元共重合
体などが挙げられ、これらはいずれか一方または両者を
併用してもよい。
【0021】上記酸無水物としては、無水マレイン酸、
無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸
などが好ましく、特に好ましくは無水マレイン酸であ
る。当該酸無水物が金属水酸化物との間に水素結合を形
成して、金属水酸化物とエチレン−エチルアクリレート
共重合体との間に強い接着力が得られ、樹脂組成物中で
の金属水酸化物とエチレン−エチルアクリレート共重合
体との間の界面剥離が防止される。
【0022】上記α−オレフィンとしては、エチレン、
プロピレン、ブテン−1などが好ましく、特に好ましく
はエチレンである。当該α−オレフィンは、酸無水物変
性ポリオレフィン系樹脂のエチレン−エチルアクリレー
ト共重合体への親和性を担う成分であり、かかる観点か
ら、当該α−オレフィンとしては、エチレン−エチルア
クリレート共重合体に対して良好な親和性が得られるよ
うに、エチレンを用いるのが特に好ましい。
【0023】上記アクリル系化合物としては、アクリル
酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチルなどが好
ましく、特に好ましくはアクリル酸エチルである。ま
た、上記ビニルエステル系化合物としては、酢酸ビニル
などが好ましい。
【0024】当該酸無水物変性ポリオレフィン系樹脂中
の酸無水物の含有量は、例えば、α−オレフィン/酸無
水物二元共重合体の場合、通常、0.05重量%〜10
重量%、好ましくは、0.1重量%〜5.0重量%であ
り、α−オレフィン/酸無水物/アクリル系化合物もし
くはビニルエステル系化合物三元共重合体の場合、通
常、0.05重量%〜10重量%、好ましくは、0.1
重量%〜5.0重量%である。酸無水物の含有量が上記
範囲外である場合、得られる樹脂組成物の引張強度が低
下する傾向を示す。
【0025】上記エチレン−エチルアクリレート共重合
体:酸無水物変性ポリオレフィン系樹脂の配合重量比
は、好ましくは99:1〜50:50、より好ましくは
97:3〜65:35である。配合重量比が上記範囲外
である場合、得られる樹脂組成物の機械特性(例えば、
破断強度、引張強度、伸びなど)が低下する傾向を示
す。
【0026】本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物
において使用される金属水酸化物は、難燃剤として作用
する。金属水酸化物の例としては、水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウムなどが挙げ
られ、これら金属水酸化物は、単独で使用してもよく、
また、組み合わせて使用してもよい。
【0027】本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物
中の、上記金属水酸化物の配合量は、上記エチレン−エ
チルアクリレート共重合体100重量部に対し、50重
量部〜150重量部であり、好ましくは70重量部〜1
30重量部、より好ましくは80重量部〜100重量部
である。配合量が150重量部より多くなると、得られ
る樹脂組成物の機械特性(例えば、破断強度、引張強
度、伸びなど)が低下し、50重量部より少なくなる
と、得られる樹脂組成物の難燃性が低下するという問題
がある。
【0028】上記金属水酸化物は、好ましくは粉末状で
あり、その平均粒径は、好ましくは0.1μm〜20μ
m、より好ましくは0.5μm〜5μmである。平均粒
径が上記範囲よりも小さい場合、十分な難燃性が得られ
ず、上記範囲よりも大きい場合、得られる樹脂組成物の
機械特性(例えば、破断強度、引張強度、伸びなど)が
低下するという問題がある。
【0029】なお、本明細書における金属水酸化物の平
均粒径は、レーザー回折散乱法により測定された値であ
る。
【0030】上記金属水酸化物には、樹脂組成物中での
エチレン−エチルアクリレート共重合体への接着性を向
上させる目的で、カップリング剤による表面処理を施し
てもよい。カップリング剤としては、アミノシラン系カ
ップリング剤、アミノチタネート系カップリング剤など
が好ましい。さらに、樹脂組成物の伸長性、耐磨耗性な
どを向上させる目的で、カップリング剤で表面処理した
金属水酸化物の一部に代えて、脂肪酸(好ましくは、炭
素数が15〜20)で表面処理した金属水酸化物を配合
してもよい。脂肪酸の具体例としては、例えば、パルミ
チン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノ
レン酸などが挙げられる。
【0031】アミノシラン系カップリング剤としては、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(ア
ミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ア
ニリノプロピルトリメトキシシラン、アミノベンゼント
リエトキシシラン、N−4,4’−メチレンビスベンゼ
ンアミノ−シクロヘキサノールエチルトリメトキシシラ
ン、N−4,4’−メチレンビスベンゼンアミノ−2−
ヒドロキシプロピルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、N−アミノベンゼンメチレン−p−フェニレン−γ
−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−4,4’
−オキシビスベンゼンアミノ−シクロヘキサノールエチ
ルトリメトキシシラン、N−4,4’−オキシビスベン
ゼンアミノ−2−ヒドロキシプロピルオキシプロピルト
リメトキシシラン、N−アミノベンゼンオキシ−p−フ
ェニレン−γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、
N−4,4’−スルホニルベンゼンアミノ−シクロヘキ
サノールエチルトリメトキシシラン、N−4,4’−ス
ルホニルベンゼンアミノ−2−ヒドロキシプロピルオキ
シプロピルトリメトキシシラン、N−アミノベンゼンス
ルホニル−p−フェニレン−γ−ウレイドプロピルトリ
メトキシシラン、N−p−フェニレンジアミノ−シクロ
ヘキサノールエチルトリメトキシシラン、N−p−フェ
ニレンジアミノ−2−ヒドロキシプロピルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン、N−p−フェニレンジアミノ−
γ−ウレイドプロピルトリメトキシシランなどが挙げら
れ、これらは1種または2種以上が使用される。
【0032】また、アミノチタネート系カップリング剤
としては、γ−アミノプロピルトリエトキシチタン、N
−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメト
キシチタン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシチタ
ン、γ−アニリノプロピルトリメトキシチタン、アミノ
ベンゼントリエトキシチタン、N−4,4’−メチレン
ビスベンゼンアミノ−シクロヘキサノールエチルトリメ
トキシチタン、N−4,4’−メチレンビスベンゼンア
ミノ−2−ヒドロキシプロピルオキシプロピルトリメト
キシチタン、N−アミノベンゼンメチレン−p−フェニ
レン−γ−ウレイドプロピルトリメトキシチタン、N−
4,4’−オキシビスベンゼンアミノ−シクロヘキサノ
ールエチルトリメトキシチタン、N−4,4’−オキシ
ビスベンゼンアミノ−2−ヒドロキシプロピルオキシプ
ロピルトリメトキシチタン、N−アミノベンゼンオキシ
−p−フェニレン−γ−ウレイドプロピルトリメトキシ
チタン、N−4,4’−スルホニルベンゼンアミノ−シ
クロヘキサノールエチルトリメトキシチタン、N−4,
4’−スルホニルベンゼンアミノ−2−ヒドロキシプロ
ピルオキシプロピルトリメトキシチタン、N−アミノベ
ンゼンスルホニル−p−フェニレン−γ−ウレイドプロ
ピルトリメトキシチタン、N−p−フェニレンジアミノ
−シクロヘキサノールエチルトリメトキシチタン、N−
p−フェニレンジアミノ−2−ヒドロキシプロピルオキ
シプロピルトリメトキシチタン、N−p−フェニレンジ
アミノ−γ−ウレイドプロピルトリメトキシチタンなど
が挙げられ、これらは1種または2種以上が使用され
る。
【0033】金属水酸化物のカップリング剤または脂肪
酸による表面処理方法は、特に制限されるものではな
く、一般的な方法、例えば、カップリング剤または脂肪
酸のアルコール溶液に金属水酸化物を投入し処理した後
乾燥するいわゆるスラリー法、あるいはカップリング剤
または脂肪酸を金属水酸化物粉末に直接スプレーする乾
式法などが用いられる。カップリング剤または脂肪酸の
使用量は、カップリング剤または脂肪酸の種類によって
も相違するが、金属水酸化物100重量部当り通常0.
002重量部〜5.0重量部であり、好ましくは0.1
重量部〜3.0重量部である。
【0034】本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物
において使用されるシリコーンパウダーは、難燃助剤と
して作用する。シリコーンパウダーの例としては、官能
基を有するシリコーンゴムパウダーおよびシリコーン樹
脂パウダーなどが挙げられる。官能基の例としては、水
酸基、カルボニル基、アミノ基、ビニル基、エポキシ
基、メタクリル基、アクリル基、1以上の置換基を有し
ていてもよいアルキル基および1以上の置換基を有して
いてもよい芳香族炭化水素基が挙げられ、それぞれの置
換基は、水酸基、カルボニル基、アミノ基、ビニル基、
エポキシ基、メタクリル基およびアクリル基からなる群
より選択されるものである。特に、難燃性の点から、メ
タクリル基を有するものが好ましい。具体的なシリコー
ンパウダーの例は、DC4−7081、SJ053(い
ずれも商品名;東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社
製)などである。これらシリコーンパウダーは、単独で
使用してもよく、また、組み合わせて使用してもよい。
【0035】本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物
中の、上記シリコーンパウダーの配合量は、上記エチレ
ン−エチルアクリレート共重合体100重量部に対し、
0.1重量部〜15重量部であり、好ましくは0.5重
量部〜10重量部、より好ましくは1重量部〜5重量部
である。配合量が15重量部より多くなると、得られる
樹脂組成物の機械特性(例えば、破断強度、引張強度、
伸びなど)が低下し、0.1重量部より少なくなると、
得られる樹脂組成物の難燃性が低下するという問題があ
る。
【0036】上記シリコーンパウダーの平均粒径は、好
ましくは1μm〜1000μmである。平均粒径が上記
範囲よりも小さい場合、十分な難燃性が得られず、上記
範囲よりも大きい場合、得られる樹脂組成物の機械特性
(例えば、破断強度、引張強度、伸びなど)が低下する
という問題がある。
【0037】なお、本明細書におけるシリコーンパウダ
ーの平均粒径は、レーザー回折散乱法により測定された
値である。
【0038】上記のようなシリコーンパウダーを難燃助
剤として難燃性ポリオレフィン樹脂組成物に配合するこ
とにより、難燃剤である金属水酸化物の配合量を増加さ
せることなく(すなわち、機械特性を低下させることな
く)難燃性を向上させることができる。
【0039】本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物
には、金属水酸化物とエチレン−エチルアクリレート共
重合体との接着界面にかかる衝撃力のより一層の緩和を
目的として、ハロゲンを含有しないゴムを適宜配合して
もよい。当該ハロゲンを含有しないゴムとは、引張弾性
率が50MPa以下のハロゲンを含有しないゴムを意味
し、例えば、ポリイソブチレン、ブチルゴム、エチレン
−プロピレンゴム(EPM、EPDM)、シリコーンゴ
ム、酢酸ビニルを40重量%〜60重量%含有するエチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−プロ
ピレン共重合体とポリプロピレンとの動的架橋物(例え
ば、サントプレン(エーイーエス・ジャパン製、商品
名))、密度が0.91g/cm3以下の1−ブテンの
ホモポリマー(例えば、タフマーA(三井化学製、商品
名))などが挙げられる。
【0040】上記エチレン−エチルアクリレート共重合
体および酸無水物変性ポリオレフィン系樹脂の引張弾性
率は、50MPaより大であり、上記ハロゲンを含有し
ないゴムのようなゴム状弾性に富むものではない。例え
ば、同じエチレン−プロピレン共重合体であっても、引
張弾性率が50MPa以下のものはハロゲンを含有しな
いゴムとして使用され、引張弾性率が50MPaより大
のものはポリオレフィン樹脂として使用される。
【0041】なお、ここでの引張弾性率は、JIS K
7113の測定方法で測定された値である。
【0042】上記ハロゲンを含有しないゴムを配合する
態様においては、難燃性ポリオレフィン樹脂組成物中の
エチレン−エチルアクリレート共重合体:ハロゲンを含
有しないゴムの配合比は、99.5:0.5〜90:1
0(重量比)、好ましくは99:1〜95:5とする。
ゴムの配合量が上記比よりも多くなると、得られる樹脂
組成物の引張強さなどの機械的強度および耐熱性が低下
する傾向を示し、少なくなると、ゴムの配合による効果
が得られ難くなる。
【0043】本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物
は、必要に応じてさらに、ハロゲンを含まない添加剤を
含有し得る。このような添加剤としては、例えば、酸化
防止剤、加工助剤、安定剤、充填剤、着色剤、カーボン
ブラック、架橋剤、滑剤、帯電防止剤などが挙げられ
る。
【0044】本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物
は、エチレン−エチルアクリレート共重合体、金属水酸
化物およびシリコーンパウダーを、例えば、バンバリー
ミキサー、加圧ニーダー、二軸押出機などの公知の混練
装置で混練することにより調製される。得られた樹脂組
成物は、次いで、射出成形、回転成形、プレス成形など
によって所望の形態の被覆材料に成形され得る。
【0045】本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物
は、機械特性(例えば、破断強度、引張強度、伸びな
ど)が低下することなく難燃性が向上し、特に、電線・
ケーブルの被覆材料に好適に用いられ得る。
【0046】本発明の電線・ケーブルは、上記難燃性ポ
リオレフィン樹脂組成物にて被覆されている。被覆の方
法としては、特に限定はなく、例えば、押し出し成型が
挙げられる。このようにして本発明の難燃性ポリオレフ
ィン樹脂組成物にて被覆された電線・ケーブルは、機械
特性および難燃性に優れる。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0048】(実施例1〜5、比較例1〜3)表1に示
す各成分をバンバリーミキサー(東洋精機製作所製)に
一括投入し、20分間混練した後、プレス成形により1
60℃で10分間成形し、各実施例および各比較例の試
験シートを作製した。また、上記混練により得られた樹
脂組成物を、絶縁層として2mm2の導体上に0.8m
mの厚さで被覆し、各実施例および各比較例の試験電線
を作製した。それぞれの試験シートおよび試験電線につ
いて以下の評価試験を行った。得られた評価結果を表2
に示す。
【0049】なお、表1において、各成分の配合量は重
量部であり、EEAはエチレン−エチルアクリレート共
重合体であり、EAはエチルアクリレートであり、酸無
水物変性ポリオレフィン系樹脂はエチレン/無水マレイ
ン酸/アクリル酸エチル共重合体(無水マレイン酸含
量:3重量%、アクリル酸エチル含量:2重量%)であ
り、シリコーンゴムパウダーはDC4−7081(商品
名;官能基:メタクリル基;東レ・ダウ・コーニング・
シリコーン社製)であり、酸化防止剤はヒンダートフェ
ノール系の酸化防止剤であり、加工助剤はステアリン酸
カルシウムである。また、低密度ポリエチレン、EEA
および酸無水物変性ポリオレフィン系樹脂のMFR(メ
ルトフローレート)は、JIS K 6992による測
定値である。
【0050】〔評価試験〕 (引張特性)厚さ1mmの試験シートについて、引張強
さ(MPa)と伸び(%)をJISK 7113に従っ
て測定した。
【0051】(難燃性)厚さ1mmの試験シートについ
て、酸素指数(LOI)をJIS K 7201−2に
従って測定し、難燃性を評価した。得られた酸素指数が
高い程、難燃性に優れる。また、上記各試験電線につい
て、JIS C 3005に従って60°傾斜難燃試験
を行い、上記実施例1〜5および比較例1〜3の各試験
電線に着火してから60秒以内で火が消えた(自消性が
あった)場合を合格とした。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】表2から分かるように、実施例1〜5で得
られた難燃性ポリオレフィン樹脂組成物の試験シート
は、酸素指数が高く、すなわち、難燃性に優れていた。
なかでも、実施例1〜5に示されるように、構造上の難
燃性を有しない細径の絶縁電線においてもLOI値が3
0以上であれば、JIS C 3005の60°傾斜難
燃試験に合格することができ、このことは、EEAとシ
リコーンゴムパウダーとの組み合わせによってなし得る
ものである。一方、シリコーンゴムパウダーを配合しな
かった比較例1〜3で得られた難燃性ポリオレフィン樹
脂組成物の試験シートは、酸素指数が低く、すなわち、
難燃性に劣っていた。さらに、実施例1〜5の試験シー
トは、比較例1〜3の試験シートと同等の引張特性を有
していた。
【0055】これらのことから、実施例1〜5で得られ
た難燃性ポリオレフィン樹脂組成物の試験シートでは、
シリコーンゴムパウダーを配合することにより、引張特
性が低下することなく、難燃性が向上し、さらに、エチ
レン−エチルアクリレート共重合体を用いることで、構
造上の難燃性を有しない電線・ケーブルにおいてもJI
S C 3005の60°傾斜難燃試験に合格すること
ができるようになることが分かる。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、エチレン−エチルアク
リレート共重合体、金属水酸化物およびシリコーンパウ
ダーを特定の量で配合することにより、電線・ケーブル
の被覆材料に好適に用いられ得る、機械特性(例えば、
破断強度、引張強度、伸びなど)を低下させることなく
難燃性を向上させた難燃性ポリオレフィン樹脂組成物を
得ることができる。また、本発明の電線・ケーブルは、
上記難燃性ポリオレフィン樹脂組成物にて被覆されてい
るので機械特性および難燃性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 3/44 H01B 3/44 F P 7/295 (C08L 23/08 //(C08L 23/08 83:04) 83:04) H01B 7/34 B (72)発明者 藤田 望 兵庫県尼崎市東向島西之町8番地 三菱電 線工業株式会社内 (72)発明者 上田 吉昭 兵庫県尼崎市東向島西之町8番地 三菱電 線工業株式会社内 (72)発明者 小倉 和幸 兵庫県尼崎市東向島西之町8番地 三菱電 線工業株式会社内 Fターム(参考) 4H028 AA10 AA12 AA42 AA49 AB04 BA04 BA06 4J002 BB071 BG041 CP052 CP092 CP142 CP162 DE076 DE086 DE146 FA082 FD136 GQ01 5G303 AA06 AB12 AB20 BA12 CA01 CA09 CB01 CB17 5G305 AA02 AA14 AB15 AB25 BA15 BA22 CA01 CA07 CA40 CA51 CC03 CD13 5G315 CA03 CB02 CB06 CC08 CD04 CD14 CD17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の成分を含有する難燃性ポリオレフ
    ィン樹脂組成物: (A)100重量部のエチレン−エチルアクリレート共
    重合体; (B)50重量部〜150重量部の金属水酸化物;およ
    び (C)0.1重量部〜15重量部のシリコーンパウダ
    ー。
  2. 【請求項2】 金属水酸化物が、水酸化マグネシウム、
    水酸化アルミニウムおよび水酸化カルシウムからなる群
    より選択される少なくとも1種である請求項1に記載の
    難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 シリコーンパウダーが、官能基を有する
    シリコーンゴムパウダーおよびシリコーン樹脂パウダー
    からなる群より選択される少なくとも1種である請求項
    1に記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 シリコーンパウダーの平均粒径が、1μ
    m〜1000μmである請求項1に記載の難燃性ポリオ
    レフィン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性
    ポリオレフィン樹脂組成物にて被覆された電線。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性
    ポリオレフィン樹脂組成物にて被覆されたケーブル。
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