JP2793249B2 - 液状重合体および液状重合体組成物 - Google Patents

液状重合体および液状重合体組成物

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JP2793249B2 JP1112086A JP11208689A JP2793249B2 JP 2793249 B2 JP2793249 B2 JP 2793249B2 JP 1112086 A JP1112086 A JP 1112086A JP 11208689 A JP11208689 A JP 11208689A JP 2793249 B2 JP2793249 B2 JP 2793249B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は液状重合体および液状重合体組成物に関し、
詳しくは各種フォーム,エラストマー,塗料,床材,接
着剤およびシーリング剤等に有用な新規構造の液状イソ
プレン系重合体の水素化物および該水素化物とポリイソ
シアネート化合物からなる液状重合体組成物に関するも
のである。
〔従来の技術および発明が解決しようとする課題〕
ポリウレタンは一般にジイソシアネートとジオールを
重付加して得られる。従来、ジオール源として末端に水
酸基を有するジエン系重合体の環状エーテル付加物が知
られている(特開昭56−81346号公報,同61−69856号公
報)。これはゴム用可塑剤として検討されており、その
骨格中にポリジエン構造を有するため、通常のポリプロ
ピレングリコール等のジオール源を用いる場合よりも、
耐水性,耐寒性にすぐれたポリウレタン硬化体が得られ
ている。
しかしながら、このジエン系ジオール源からのポリウ
レタン硬化体は、耐候性,耐熱性に劣ると言う欠点が指
摘されている。そのため、このポリウレタン硬化体は実
用に供することが難しかった。
そこで本発明者は、従来のポリウレタン硬化体の欠点
を克服し、耐候性,耐熱性にすぐれたポリウレタン用の
ジオール源およびそれを一成分とする組成物を開発すべ
く鋭意研究を重ねた。
〔課題を解決するための手段〕
その結果、末端位に水酸基を有するイソプレン系重合
体を水素化したものに環状エーテルを反応させて得られ
る化合物が、ジオール源として極めて有効であることを
見出した。本発明はかかる知見に基いて完成したもので
ある。
すなわち本発明は、イソプレン系モノマーを過酸化水
素の存在下で重合して分子末端に水酸基を有する液状イ
ソプレン系重合体を得、次いで該液状イソプレン系重合
体を水素化し、しかる後に得られた水素化物に環状エー
テルを塩素存在下で反応させてなる液状イソプレン系重
合体の水素化物を提供するものである。さらに、本発明
はこの液状イソプレン系重合体の水素化物とポリイソシ
アネート化合物からなる液状重合体組成物をも提供する
ものである。
本発明の液状イソプレン系重合体の水素化物は、分子
末端、好ましくは分子両末端に水酸基を有するものであ
り、また分子鎖内部にエーテル結合を有する。この水素
化物の水酸基含有量は、特に制限はないが、通常は0.06
〜10ミリ当量/g、好ましくは0.1〜5ミリ当量/gであ
る。一方、エーテル結合の位置は分子鎖内部であればよ
く、様々な位置に存在しうる。さらに具体的には、この
エーテル結合は、分子鎖(主鎖)自体の構成成分とし
て、またこれとともに分子主鎖に結合する側鎖の構成成
分としての位置に存在する。これらエーテル結合の割合
は、通常は水素化物1分子あたり平均1〜1000個、好ま
しくは2〜100個である。
上記本発明の水素化物は、分子量については低分子量
のものから高分子量のものまで、各種のものがあるが、
その用途等を考慮すると、数平均分子量として350〜300
00、特に好ましくは500〜15000である。
また、この水素化物の水素化の程度は、必ずしも100
%でなくともよく、具体的にはヨウ素価として100以
下、好ましくは30以下の二重結合が残存していてもよ
い。さらにこの水素化物は、イソプレンモノマーに由来
する繰返し単位のホモポリマーであることは勿論、その
ほかに30モル%以下で他のモノマー(後述するオレフィ
ン類やジオレフィン類など)に由来する繰返し単位を含
むコポリマーであってもよい。
本発明の液状イソプレン系重合体の水素化物は、上記
性状を有するものであり、その製造方法は各種の方法が
あるが、イソプレン系モノマーを過酸化水素の存在下で
重合して分子末端に水酸基を有する液状イソプレン系重
合体を得、次いで該液状イソプレン系重合体を水素化
し、しかる後に得られた水素化物に環状エーテルを塩基
存在下で反応させる方法によれば、効率よく製造するこ
とができる。
本発明の水素化物及び組成物で用いる原料のイソプレ
ン系モノマーは、必ずしも純イソプレンでなくともよ
く、30モル%以下の割合であれば、他のモノマーが混入
していてもよい。ここで他のモノマーとしては、エチレ
ン,プロピレン,ブテン,ペンテン,スチレン,アクリ
ロニトリル,アクリル酸,メタクリル酸,アクリル酸エ
ステル,メタクリル酸エステル,塩化ビニル等のオレフ
ィン類(即ち、1分子中に二重結合を1個有する化合
物)、ブタジエン,クロロプレン,1,3−ペンタジエン,
シクロペンタジエン等のジオレフィン類(即ち、1分子
中に二重結合を2個有する化合物)および上記オレフィ
ン類とジオレフィン類の混合物からなるモノマーが挙げ
られる。
本発明の水素化物を製造する方法では、まず上記イソ
プレン系モノマーを過酸化水素の存在下で重合する。こ
の重合は、様々な条件下で行うことができるが、通常は
下記の如き範囲で状況に応じて適宜選定し、重合を進行
させればよい。即ち、上記イソプレン系モノマー100重
量部に対して0.5〜200重量部、好ましくは1〜50重量部
の過酸化水素を加え、無溶媒下あるいは脂肪族炭化水
素,脂環族炭化水素,芳香族炭化水素,アルコール類,
ケトン類,エステル類,エーテル類などの溶媒中で、温
度20〜300℃、好ましくは30〜200℃、圧力0〜200kg/cm
2G、好ましくは0〜50kg/cm2G、反応時間0.1〜100時
間、好ましくは0.5〜50時間にてイソプレン系モノマー
を重合する。
この重合反応により、数平均分子量300〜25000、好ま
しくは500〜10000、水酸基含有量0.1〜10ミリ当量/g、
好ましくは0.3〜7ミリ当量/gの分子末端に水酸基を有
する液状イソプレン系重合体が得られる。
次にこのようにして得られた液状イソプレン系重合体
を水素化するわけであるが、この際の条件は一般に下記
の範囲で選定する。まず、ニッケル,パラジウム,ルテ
ニウム,白金等を含む水酸化触媒を用い、無溶媒下また
は上記重合工程と同様の溶媒中で、温度20〜300℃、好
ましくは30〜200℃、反応時間0.1〜100時間、好ましく
は0.5〜50時間にて圧力0〜200kg/cm2G、好ましくは0
〜50kg/cm2Gで水素を付加させる。
このようにして分子末端に水酸基を有する液状イソプ
レン系重合体の水素化物が得られる。
続いて、上述の如く得られた分子末端に水酸基を有す
る液状イソプレン系重合体の水素化物に、環状エーテル
を塩基の存在下で反応させる。この際の反応条件として
は、まず、通常は上記水素化物中の水酸基と環状エーテ
ルのエーテル基とのモル比(−O−/−OH)で0.1〜50
0、好ましくは1〜100となるように、各成分を加える。
ここで環状エーテルとしては、エチレンオキサイド,プ
ロピレンオキサイド,ブチレンオキサイド,シクロヘキ
サンオキサイド,テトラヒドロフラン等あるいはこれら
の混合物を用いることができる。一方、塩基は触媒とし
て作用するものであり、その添加割合は所謂触媒量で充
分である。またこの塩基としては、ナトリウムメチラー
ト,カリウムメチラート,ナトリウムエチラート,カリ
ウムエチラート等のアルカリ金属アルコラートをはじ
め、苛性ソーダ,苛性カリ等の苛性アルカリなどを用い
ることができる。
また、この反応は無溶媒下でも進行するが、上述した
ような溶媒中で、温度20〜300℃、好ましくは30〜200
℃、圧力0〜100kg/cm2G、好ましくは0〜50kg/cm2G、
反応時間0.1〜100時間、好ましくは1〜50時間の条件で
行えばよい。
このようにして分子末端に水酸基をもち、かつ分子鎖
内部にエーテル結合を有する液状イソプレン系重合体の
水素化物が得られる。このものの分子量,水酸基含有
量,エーテル結合の割合,水素化の程度等のついては、
各種製造条件によって多少の変動はあるが、基本的には
前述した通りである。
ところで、本発明の液状重合体組成物は、上記液状イ
ソプレン系重合体の水素化物とポリイソシアネート化合
物からなる。ここで該水素化物とポリイソシアネート化
合物の配合比は、特に制限はなく、各成分の種類や使用
目的等に応じて適宜選定すればよいが、通常はイソシア
ネート基と水酸基とのモル比(NCO/OH)が0.1〜50、好
ましくは0.4〜20となる様に配合する。
上記ポリイソシアネート化合物とは、一分子中に2個
またはそれ以上のイソシアネート基を有する有機化合物
であって、前記液状イソプレン系重合体の水素化物の末
端水酸基に対して高い反応性を有するものである。この
様な反応性を有するポリイソシアネート化合物の例とし
ては、次の如き芳香族,脂肪族および脂環族の各種化合
物がある。トリレンジイソシアネート(TDI),ヘキサ
メチレンジイソシアネート,ジフェニルメタンイソシア
ネート(MDI),カルボジイミド変性ジフェニルメタン
イソシアネート,ポリメチレンポリフェニルイソシアネ
ート,キシリレンジイソシアネート(XDI),トランス
シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート,フェニレン
ジイソシアネート,ナフタレン−1,5−ジイソシアネー
ト,o−トルイジンジイソシアネート,リジンジイソシア
ネート,トリフェニルメタントリイソシアネート,トリ
ス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート,テ
トラメチルキシレンジイソシアネート,リジンエステル
トリイソシアネート,1,6,11−ウンデカントリイソシア
ネート,1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメ
チルオクタン,1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネー
ト,ビシクロヘプタントリイソシアネート,イソプロピ
ルベンゼン−2,4−ジイソシアネート,トリメチルヘキ
サメチレンジイソシアネート,イソホロンジイソシアネ
ート(IPDI),水素添加ジフェニルメタンジイソシアネ
ートおよび水素添加キシリレンジイソシアネート等があ
る。また、上記ポリイソシアネートの環化三量体である
イソシアヌレート変性体も含まれる。さらに、エチレン
グリコール,トリメチロールプロパン,ポリエーテルポ
リオール,ポリマーポリオール,ポリテトラメチレンエ
ーテルグリコール,ポリエステルポリオール,アクリル
ポリオール,ポリアルカンジエンポリオール,部分酸化
エチレン−酢酸ビニル共重合体,ヒマシ油系ポリオール
等のポリオール化合物と上記ポリイソシアネート化合物
との付加反応生成物も反応性ポリイソシアネートとして
用いることができる。とりわけMDI,カルボジイミドMDI,
TDI等が好ましい。また、上記ポリイソシアネート化合
物は単独であるいは二種類以上を混合して使用する。さ
らに、フェノール,キシレノール,メチルエチルケトン
オキシム,ε−カプロラクタム等のブロック剤で、上記
ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロッ
クしたブロックイソシアネート化合物も用いることがで
きる。
本発明の液状重合体組成物には、さらに必要に応じて
他のポリオール化合物,ポリアミン化合物あるいはその
他の添加剤を配合することもできる。
ポリオール化合物としては、1級ポリオール,2級ポリ
オール,3級ポリオールのいずれを用いてもよい。具体的
には例えば1,2−プロピレングリコール;ジプロピレン
グリコール;1,2−ブタンジオール;1,3−ブタンジオー
ル;2,3−ブタンジオール;1,2−ペンタンジオール;2,3−
ペンタンジオール;2,5−ヘキサンジオール;2,4−ヘキサ
ンジオール;2−エチル−1,3−ヘキサンジオール;シク
ロヘキサンジオール;グリセリン;N,N−ビス−2−ヒド
ロキシプロピルアニリン;N,N′−ビスヒドロキシイソプ
ロピル−2−メチルピペラジン;ビスフェノールAのプ
ロピレンオキサイド付加物などの少なくとも1個の二級
炭素に結合した水酸基を含有する低分子量ポリオールが
挙げられる。さらに、ポリオールとして、二級炭素に結
合した水酸基を含有しないエチレングリコール;1,3−プ
ロピレングリコール;1,4−ブタンジオール;1,5−ペンタ
ンジオール;1,6−ヘキサンジオールなどを用いることも
できる。ポリオールとしては通常ジオールが用いられる
が、トリオール,テトラオール等の多価アルコール類を
用いてもよく、その分子量は50〜500の範囲のものであ
る。
また、ポリアミン化合物としてはジアミン,トリアミ
ン,テトラアミンのいずれでもよい。さらに、1級ポリ
アミン,2級ポリアミンのいずれを用いることもできる。
ポリアミン化合物としては例えば、ヘキサメチレンジア
ミン等の脂肪族アミン;3,3′−ジメチル−4,4′−ジア
ミノジシクロヘキシルメタン等の脂環族アミン;4,4′−
ジアミノジフェニルメタン等の芳香族アミンなどを挙げ
ることができる。
これらのポリオール化合物やポリアミン化合物を配合
する場合、その配合割合については特に制限はないが、
通常は前記した液状イソプレン系重合体の水素化物100
重量部に対して、ポリオール化合物またはポリアミン化
合物を1〜1000重量部、好ましくは3〜200重量部配合
する。
その他の添加剤は、液状重合体組成物およびそれを用
いて得られる硬化体に下記の如き機能を付与するために
加えられる。粘度調整のためにはジオクチルフタレート
等の可塑剤やアロマ系,ナフテン系,パラフィン系オイ
ル等の軟化剤を加える。粘着力,接着力の調整のために
はアルキルフェノール樹脂,テルペン樹脂,テルペンフ
ェノール樹脂,キシレンホルムアルデヒド樹脂,ロジ
ン,水添ロジン,クマロン樹脂,脂肪族および芳香族石
油樹脂等の粘着性付与樹脂を加える。また硬化促進剤と
してはジブチル錫ジラウラート,第一錫オクトエート,
トリエチレンジアミン,ジアザビシクロウンデセン等を
加える。さらに耐候性向上のために老化防止剤、耐火性
向上のために難燃剤、消泡剤としてシリコン化合物等を
添加することもできる。
また、上記その他の添加剤としては、無機充填材を用
いることもできる。このような無機充填材としては、亜
鉛,アスベスト,アルミナ,アルミニウム,カオリンク
レー,ガラス球,ガラスフレーク,炭素(チャンネルブ
ラック,ファネスブラック,アセチレンブラック,サー
マルブラック),カスミ石,クリオライト,グラファイ
ト,シリカ,ケイ灰石,ケイソウ土,酸化亜鉛,酸化マ
グネシウム,酸化ジルコニウム,酸化チタン,酸化鉄,
水酸化アルミニウム,スレート粉,ゼオライト,石英
粉,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,タルク,チタ
ン酸カリウム,窒化ホウ素,長石粉,銅,ニッケル,二
酸化モリブデン,硫酸バリウム,ホワイティング,ロウ
石クレー,マイカ,セッコウ等がある。無機充填材の配
合割合は特に制限は無いが、通常は前記液状イソプレン
系重合体の水素化物100重量部に対して1〜500、好まし
くは10〜200割合で配合する。
このような本発明の液状重合体組成物は、通常は硬化
処理を施して硬化体として広く利用される。ここで硬化
処理の条件は、特に限定されないが、一般には0〜200
℃、好ましくは15〜150℃で、反応時間0.05〜1000時
間、好ましくは0.5〜168時間の範囲とすればよい。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
実施例1 (1)内容積1のステンレス製耐圧反応容器中で、イ
ソプレン200gと50重量%過酸化水素16gを溶媒n−ブチ
ルアルコール100gに溶解し、温度12℃,最高圧力8kg/cm
2Gで2時間反応させた。
内容物を抜き出して分液ロートに取り、水600gを加え
て良く振とうして、その後3時間静置した。油相を分離
し、溶媒,モノマー等の低沸点成分を2mmHg,100℃で2
時間かけて分留除去した。収率は約68%であった。
得られた生成物は、分子末端に水酸基を有する液状イ
ソプレン重合体であり、その数平均分子量2150、水酸基
含有量は0.96ミリ当量/gであった。
(2)内容積1のステンレス製耐圧反応容器中で、上
記(1)の重合工程で得られた分子末端に水酸基を有す
る液状イソプレン重合体100gを水素圧50kg/cm2Gで、溶
媒シクロヘキサン100g,触媒5wt%Ru−C10g,温度140℃、
反応時間4.5時間で反応させた。
内容物を抜き出し、0.45μのメンブランフィルターで
触媒を除去し、2mmHg,110℃で2時間かけて溶媒を留去
した。
得られた生成物は、分子末端に水酸基を有する液状イ
ソプレン重合体の水素化物であり、その数平均分子量は
2210、水酸基含有量は0.94ミリ当量/g、ヨウ素価は1以
下であった。
(3)内容積500mlのステンレス製耐圧反応容器に、上
記(2)で得られた分子末端に水酸基を有する液状イソ
プレン重合体の水素化物115gと粒状苛性ソーダ0.60gを
加え、温度110℃,2mmHgの減圧下で、2時間かけて脱水
前処理した。
次に、エチレンオキサイド29.0gとプロピレンオキサ
イド24.8gの混合物を加え、温度105〜115℃、圧力5kg/c
m2G以下で6時間反応させて圧入処理をした。さらに、
温度110℃、圧力5kg/cm2G以下で4時間養生させた。
反応容器を放冷した後、内容物を抜き出し、分液ロー
トに取り、0.1規定塩酸500mlを加えて良く振とうして15
時間静置した。油相を分離し、さらに水500gを加えて良
く振とうし、その後15時間置した。
次いで再び油相を分離し、モノマー等の低沸点成分を
2mmHgの減圧下で、100℃,2時間かけ分留除去した。
得られた生成物は、分子末端に水酸基を、分子鎖内部
にエーテル結合を有する液状イソプレン重合体の水素化
物であり、その数平均分子量は3350、水酸基含有量は0.
67ミリ当量/gであり、その赤外吸収スペクトルは第1図
に示す通りである。この赤外吸収スペクトルによれば、
3400cm-1付近に水酸基による吸収が、2970〜2860cm-1
領域、1460cm-1付近および1380cm-1付近に炭化水素骨格
による吸収が、さらに1120cm-1付近にエーテル結合によ
る吸収がそれぞれ明瞭に見られる。
実施例2 (1)内容積1のステンレス製耐圧反応容器中で、イ
ソプレン280g,1,3−ペンタジエン5g,1,3−ブタジエン10
gおよび1−オクテン5gの混合物と50重量%過酸化水素7
5gを、溶媒sec−ブチルアルコール450gに溶解し、温度1
15℃、最高圧力7kg/cm2G以下で、2.5時間反応させた。
内容物を抜き出し、実施例1(1)と同様の後処理を
行った。得られた生成物は、分子末端に水酸基を有する
液状イソプレン重合体であり、その数平均分子量は1380
であり、水酸基含有量は1.39ミリ当量/gであった。
(2)内容積1のステンレス製耐圧反応容器中で、前
記(1)で得られた分子末端に水酸基を有する液状イソ
プレン重合体150gを、水素圧50kg/cm2Gで、溶媒シクロ
ヘキサン100g,触媒5wt%Ru−C10g、温度140℃、反応時
間5時間で反応させた。
内容物を抜き出し、実施例1(2)と同様の後処理を
行った。得られた生成物は、分子末端に水酸基を有する
液状イソプレン重合体の水素化物であり、その数平均分
子量は1450であり、水酸基含有量は1.36ミリ当量/g、ヨ
ウ素価は1以下であった。
(3)内容積500mlのステンレス製耐圧反応容器に、上
記(2)で得られた分子末端に水酸基を有する液状イソ
プレン重合体の水素化物108.5gおよびナトリウムメチラ
ートの28wt%メタノール溶液1.67gを加え、温度60〜70
℃、2mmHgの減圧下で、2.5時間かけてメタノール除去の
前処理をした。
次に、プロピレンオキサイド161.6gを加え、温度105
〜115℃、圧力3kg/cm2G以下で、7.5時間反応させて圧入
処理をした。さらに、温度95℃、圧力3kg/cm2G以下で、
5時間養生させた。
その後、実施例1(3)と同様の後処理を行った。得
られた生成物は、分子末端に水酸基を、分子鎖内部にエ
ーテル結合を有する液状イソプレン重合体の水素化物で
あり、その数平均分子量は2010、水酸基含有量は0.99ミ
リ当量/g、であり、その赤外吸収スペクトルは第2図に
示す通りである。この赤外吸収スペクトルによれば、34
00cm-1付近に水酸基による吸収が、2980〜2860cm-1の領
域、1460cm-1付近および1390cm-1付近に炭化水素骨格に
よる吸収が、さらに1140cm-1付近にエーテル結合による
吸収がそれぞれ明瞭に見られる。
参考例1 実施例1(1)で得た分子末端に水酸基を有する液状
イソプレン重合体112.6gに粒状苛性ソーダ0.60gを加
え、製造例1(3)と同様に脱水前処理をした。
次に、エチレンオキサイド29.0gとプロピレンオキサ
イド24.8gを加え、製造例1(3)と同様の圧中処理,
養生および後処理を行った。
得られた生成物は、分子末端に水酸基を、分子鎖内部
にエーテル結合を有する液状イソプレン重合体であり、
その数平均分子量は3450、水酸基含有量は0.65ミリ当量
/gであった。
実施例3〜7および比較例1,2 実施例1,2及び参考例1で得られた分子末端に水酸基
を有し分子鎖内部にエーテル結合を有する液状イソプレ
ン重合体およびその水素化物に、第1表に示す様に各種
配合割合を変えてポリイソシアネート化合物およびその
他の添加剤を加え、得られた組成物をスパチュラで5分
間混練した。
その後、150×300×2mmのSUS製モールドに流し込ん
だ。さらに、120℃で1時間プレスした後、70℃で15時
間放置することによって硬化させた。得られた硬化体を
下記の2種類の方法で評価した。
評価1 まず、得られた硬化体についてJIS K−6301に準拠し
て伸び(Eb1)を測定した。次に、ギア老化試験器で130
℃,72時間の熱老化試験後の硬化体についての伸び(E
b2)を測定し、伸び保持率を下式で求めた。
評価2 スガ試験機(株)製のキサノンウェザリング試験器WE
L−6X−LHPを用いて、ブラックパネル温度60℃、相対湿
度60%,照射/降雨サイクル 108/12分の条件下で300
時間耐候性試験を行った。試験後の表面亀裂の状態を肉
眼観察で評価した。
結果を第1表に示す。
第1表から明らかな如く、水素化を省略した液状重合
体(参考例1のもの)を用いた比較例1および2は、い
ずれも評価1の伸びの保持率が5〜7で悪く、評価2に
示す耐候試験で亀裂が認められた。水素化物を用いた実
施例3〜7では、いずれも評価1の伸びの保持率が88〜
98と高く、評価2に示す耐候試験でまったく亀裂が認め
られなかった。この様に水素化物が最終的硬化体の耐候
性,耐熱性の向上に決定的な役割を演じていることがわ
かる。
〔発明の効果〕
以上の如く、本発明によれば、耐候性,耐熱性にすぐ
れたポリウレタン用のジオール源およびそれを一成分と
する組成物を得ることができる。
特にこの組成物を硬化させて得られる硬化体は、耐候
性,耐熱性においてきわめてすぐれたものとなる。
したがって本発明の液状重合体および液状重合体組成
物は、軟質,半硬質および硬質フォーム、エラストマ
ー、塗料、床材、接着剤およびシーリング剤等のポリウ
レタン使用の全分野の幅広い利用ができるものと期待さ
れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られた液状イソプレン重合体の水
素化物の赤外吸収スペクトルである。第2図は実施例2
で得られた液状イソプレン重合体の水素化物の赤外吸収
スペクトルである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−114692(JP,A) 特開 昭50−49392(JP,A) 特開 昭64−43503(JP,A) 特開 平1−149802(JP,A) 特開 昭46−7289(JP,A) 特開 昭59−21544(JP,A) 特開 昭49−53696(JP,A) 特開 昭56−81346(JP,A) 多羅間 公雄著「工業触媒」(S35. 4.30)日刊工業新聞社刊 P.273− 290 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 65/00 - 65/48 C08G 18/00 - 18/81 C08C 19/00 - 19/44

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソプレン系モノマーを過酸化水素の存在
    下で重合して分子末端に水酸基を有する液状イソプレン
    系重合体を得、次いで該液状イソプレン系重合体を水素
    化し、しかる後に得られた水素化物に環状エーテルを塩
    基存在下で反応させてなる液状イソプレン系重合体の水
    素化物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の液状イソプレン系重合体の
    水素化物とポリイソシアネート化合物からなる液状重合
    体組成物。
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