JP2792388B2 - 水現像用親水性共重合体の製造方法及び該共重合体を用いた水現像用感光性重合体組成物、感光性フレキソ版 - Google Patents

水現像用親水性共重合体の製造方法及び該共重合体を用いた水現像用感光性重合体組成物、感光性フレキソ版

Info

Publication number
JP2792388B2
JP2792388B2 JP5097026A JP9702693A JP2792388B2 JP 2792388 B2 JP2792388 B2 JP 2792388B2 JP 5097026 A JP5097026 A JP 5097026A JP 9702693 A JP9702693 A JP 9702693A JP 2792388 B2 JP2792388 B2 JP 2792388B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copolymer
photosensitive
monomer
water development
acrylate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP5097026A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06289610A (ja
Inventor
達夫 臼井
春夫 上野
隆雄 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP5097026A priority Critical patent/JP2792388B2/ja
Priority to DE69426298T priority patent/DE69426298T2/de
Priority to PCT/JP1994/000543 priority patent/WO1994023342A1/ja
Priority to US08/525,743 priority patent/US5679485A/en
Priority to EP94910588A priority patent/EP0699961B1/en
Publication of JPH06289610A publication Critical patent/JPH06289610A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2792388B2 publication Critical patent/JP2792388B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は親水性共重合体の製造方
法及び該共重合体を用いた水現像用感光性重合体組成
物、並びに該組成物を用いた感光性フレキソ版に関する
ものである。さらに詳しくいえば、本発明は、モノオレ
フィン系不飽和単量体単位及び場合により導入される共
役ジエン系単量体単位を主骨格とする親水性の良好な共
重合体を効率よく製造する方法、及びこの方法により得
られた共重合体を用いた希アルカリ水溶液にて容易に現
像可能な感光性重合体組成物、並びに該重合体組成物を
用いた水現像型感光性フレキソ版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】感光性フレキソ版は、一定の厚さに成形
された感光性組成物を用いて形成されたレリーフから成
る凸版印刷用ゴム版のことである。このものは、通常、
感光性組成物にネガ又はポジフイルムを密着させ、活性
光を照射して感光性組成物層(以下、感光層と称する)
の選択された部分を露光させたのち、未露光部分を除去
してレリーフを形成する方法により、製造される。該感
光性フレキソ版を製造するに当たり、未露光部分の除去
には、従来より1,1,1−トリクロロエタンなどのハロ
ゲン化炭化水素が用いられているが、有機溶剤の使用に
よる環境への影響が問題となっていた。このような問題
を解決するために、水現像型感光性フレキソ版が近年提
案されている。このフレキソ版においては、水酸化ナト
リウムなどの希アルカリ水溶液にて未露光部分を除去す
ることにより、レリーフの形成が行われる。この際の感
光層の希アルカリ水溶液に対する溶解性と、印刷版とし
て求められる版強度などの特性から、該フレキソ版に
は、スチレン単位、ブタジエン単位、アクリル酸アルキ
ルエステル単位などを主骨格にもち、ここへカルボキシ
ル基、リン酸基、リン酸エステル基、スルホン酸基など
の親水性官能基を導入した共重合体が多用されている。
このような共重合体は乳化重合や懸濁重合などの公知の
手段により製造することができる。ところで、アニオン
性界面活性剤を用いて乳化重合により得られた、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合体などの重合体ラテックスの凝固においては、
凝固剤として塩化カルシウム、硫酸アルミニウムなどの
金属塩を使用し、該凝固剤の水溶液中に重合体ラテック
スを流下させて系全体を撹拌させることにより凝集物を
得、これをクラムとして分離・回収する方法が広く実施
されている。しかしながら、スチレン単位、ブタジエン
単位、アクリル酸アルキルエステル単位などを主骨格に
もち、ここへカルボキシル基、リン酸基、リン酸エステ
ル基、スルホン酸基などの親水性官能基を導入した共重
合体を、アニオン性界面活性剤を用いて得られた乳化重
合ラテックスを金属塩で凝固して得る場合、該金属塩が
親水性官能基と反応するために、共重合体の親水性が損
なわれるのを免れなかった。それ故、水現像型感光性フ
レキソ版などの親水性が要求される用途には該共重合体
を使用することができない、という重大な問題があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、モノオレフィン系不飽和単量体単位及び
場合により導入される共役ジエン系単量体単位を主骨格
とする親水性の良好な共重合体を効率よく製造する方
法、及びこの方法により得られた共重合体を用いた水現
像用感光性重合体組成物、並びに該重合体組成物を用い
た水現像型感光性フレキソ版を提供することをも目的と
してなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、水現像用親水性
官能基をもつ共重合体のゲル化は、金属塩が該共重合体
中の親水性官能基とイオン結合するために生じることを
突き止めた。さらに、このような親水性官能基をもつ共
重合体を、乳化重合体ラテックスからイオン結合を起こ
さずに凝固させるには、三級アミン、四級アンモニウム
塩及びポリエチレンオキシド単位をもつ特定のアミン系
化合物が有効であることに着目した。そして、モノオレ
フィン系不飽和単量体、親水性官能基をもつ不飽和単量
体及び場合により併用される共役ジエン系単量体から成
る単量体混合物を、アニオン性界面活性剤を用いて乳化
重合してラテックスを得た後、該ラテックスを三級アミ
ン、四級アンモニウム塩及びポリエチレンオキシド単位
をもつ特定のアミン系化合物の中から選ばれた少なくと
も1種を用いて凝固させることにより、凝固過程におけ
るゲル化が抑えられ、親水性共重合体が効率よく得られ
ること、及びこの親水性共重合体と光重合性不飽和単量
体と光増感剤とを用いることにより、希アルカリ水溶液
にて容易に現像可能な感光性重合体組成物が得られるこ
と、さらに、該重合体組成物を用いることにより、水現
像型感光性フレキソ版が得られることを見い出した。本
発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、モノオレフィン系不飽和単量体及
びリン酸エステル基をもつ不飽和単量体から成る単量体
混合物を乳化重合条件下で共重合して得られるラテック
スを、三級アミン、四級アンモニウム塩及び一般式
【0005】
【化3】
【0006】(式中のRは炭化水素基、R及びR
はそれぞれ二価の炭化水素基であり、それらはたがいに
同一でも異なっていてもよく、n及びmはそれぞれ1〜
60の整数、kは0又は1である)で表される化合物の
中から選ばれた少なくとも1種を用いて凝固させること
を特徴とする水現像用親水性共重合体の製造方法、及び
(A)前記方法で得られた親水性共重合体、(B)光重
合性不飽和単量体及び(C)光増感剤を含有して成る水
現像用感光性重合体組成物、及び該組成物をシート状に
成形して得られた感光性フレキソ版を提供するものであ
る。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいては、モノオレフィン系不飽和単量体、リン酸エス
テル基をもつ不飽和単量体及び場合により併用される共
役ジエン系単量体から成る単量体混合物を、アニオン性
界面活性剤を用いて乳化重合して共重合体ラテックスを
得る。前記モノオレフィン系不飽和単量体としては、
(イ)アクリル酸エステル類やこれらに対応するメタク
リル酸エステル類、並びに(ロ)該(イ)の単量体及び
共役ジエン系単量体以外のビニル基含有化合物が用いら
れる。該(イ)の単量体としては、例えばメチルアクリ
レート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルア
クリレート、ドデシルアクリレート、メトキシエチルア
クリレート、エトキシエチルアクリレート、シアノエチ
ルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒド
ロキシプロピルアクリレートなどのアクリル酸エステル
類やこれらに対応するメタクリル酸エステル類などが挙
げられる。また、該(ロ)の単量体としては、例えばス
チレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、エチリデンノ
ルボルネン、プロペニルノルボルネン、ジシクロペンタ
ジエンなどが挙げられる。これらは1種用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、
(イ)単量体と(ロ)単量体とを併用してもさしつかえ
ない。これらのモノオレフィン系不飽和単量体は、後述
の共役ジエン系単量体を使用しない場合、原料単量体全
量に基づき、通常70〜95重量%の割合で用いられ
る。また、後述の共役ジエン系単量体を使用せずにゴム
状の共重合体を得る場合には、(イ)単量体を主成分と
し、所望により(ロ)単量体を、(イ)、(ロ)単量体
の全量に基づき20重量%以下の割合で用いるのが望ま
しい。(ロ)単量体の量が20重量%を超えると該共重
合体はゴム状とならないため、感光性フレキソ版などの
ゴム弾性が要求される用途には、本発明の共重合体を用
いることができない。一方、場合により併用される共役
ジエン系単量体としては、例えば1,3−ブタジエン、
イソプレン、クロロプレン、1,3−ペンタジエンなど
が挙げられる。これらは1種用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。該共役ジエン系単量体
は、本発明で用いられる共重合体のゴム弾性及び該共重
合体を用いた感光性フレキソ版の耐水性インキ性を調節
するために、必要に応じて原料単量体全量に基づき、通
常90重量%以下の割合で用いられる。また、前記モノ
オレフィン系不飽和単量体との合計では、原料単量体全
量に基づき通常70〜95重量%の割合で用いられる。
本発明に係わる共重合体に用いられる親水性官能基は、
リン酸エステル基であるので、本発明に係わる共重合体
を感光性フレキソ版に用いる場合、該版を得る際の感光
層の洗い出し性(希アルカリ水溶液に対する溶解の速
さ)の観点から好ましい。前記リン酸エステル基含有単
量体としては、例えば一般式
【0008】
【化4】
【0009】(式中のR4は水素原子又はメチル基、R5
は水素原子、メチル基、ハロメチル基など、pは1〜2
3の整数、qは1又は2である)で表されるリン酸モノ
エステル又はリン酸ジエステルを用いることができる。
前記一般式[2]で表されるリン酸エステル基含有不飽
和単量体の具体例としては、リン酸エチレン(メタ)ア
クリレート、リン酸トリメチレン(メタ)アクリレー
ト、リン酸プロピレン(メタ)アクリレート、リン酸テ
トラメチレン(メタ)アクリレート、リン酸(ビス)エ
チレン(メタ)アクリレート、リン酸(ビス)トリメチ
レン(メタ)アクリレート、リン酸(ビス)テトラメチ
レン(メタ)アクリレート、リン酸ジエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、リン酸トリエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、リン酸ポリエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、リン酸(ビス)ジエチレング
リコール(メタ)アクリレート、リン酸(ビス)トリエ
チレングリコール(メタ)アクリレート、リン酸(ビ
ス)ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなど
が挙げられ、これらは1種用いてもよいし、2種以上を
組み合わせて用いてもよく、また、感光層の洗い出し性
及び感光性組成物として加工性の観点から、原料単量体
全量に基づき、通常5〜30重量%の割合で用いられ
る。本発明に係わる共重合体には、さらに場合により、
1分子中にビニル結合を2個以上含有し、かつその反応
性が等価であるような多官能性ビニ化合物を導入しても
よい。このようなものとしては、例えばエチレングリコ
ールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート、プロピレングリコールジアクリレートなどの
多価アクリル酸エステル類やこれらに対応する多価メタ
クリル酸エステル類、さらにはジビニルベンゼン、トリ
ビニルベンゼンなどが挙げられる。これらは1種用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、ま
た、原料単量体全量に基づき、通常0〜10重量%の割
合で用いられる。
【0010】本発明において用いられる乳化重合法は、
乳化剤及び重合開始剤を含有する水性媒体中において、
各単量体を共重合させる方法である。該乳化剤として
は、通常アニオン性界面活性剤が用いられる。その例と
しては、乳化重合に用いられる公知のもの、例えばアル
キルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、ア
ルキル硫酸エステル塩、脂肪酸金属塩、ポリオキシアル
キルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンカル
ボン酸エステル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、コハク酸ジア
ルキルエステルスルホン酸塩などが挙げられる。これら
は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いて
もよく、その使用量は、通常使用する単量体100重量
部当たり0.1〜5重量部の範囲で選ばれる。一方、該
重合開始剤としては、水溶性無機過酸化物又は水溶性還
元剤と有機過酸化物との組合せが用いられる。水溶性無
機過酸化物としては、例えば過硫酸カリウムや過硫酸ア
ンモニウムなどが挙げられる。水溶性還元剤としては、
例えば水に可溶な通常のラジカル酸化還元重合触媒成分
として用いられる還元剤、例えばエチレンジアミン四酢
酸又はそのナトリウム塩やカリウム塩、あるいはこれら
と鉄、銅、クロムなどの重金属との錯化合物、スルフィ
ン酸又はそのナトリウム塩やカリウム塩、L−アスコル
ビン酸又はそのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム
塩、ピロリン酸第一鉄、硫酸第一鉄、硫酸第一鉄アンモ
ニウム、亜硫酸ナトリウム、酸性亜硫酸ナトリウム、ホ
ルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、還元糖類な
どが挙げられ、これらは1種用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。これらの還元剤の使用量
は、使用する単量体100重量部当たり、通常0.00
01〜5重量部の範囲で選ばれる。
【0011】また、有機過酸化物としては、例えばクメ
ンヒドロペルオキシド、p−サイメンヒドロペルオキシ
ド、t−ブチルイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシ
ド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、p−
メンタンヒドロペルオキシド、デカリンヒドロペルオキ
シド、t−アミルヒドロペルオキシド、t−ブチルヒド
ロペルオキシド、イソプロピルヒドロペルオキシドなど
のヒドロペルオキシド類が挙げられる。これらの有機過
酸化物は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて
用いてもよく、その使用量は、通常使用する単量体10
0重量部当たり、0.001〜5重量部の範囲で選ば
れ、これらは上記の水溶性還元剤と組合わせて用いられ
る。本発明において、共重合体の分子量の調節には、t
−ドデシルメルカプタンやジアルキルキサントゲンジス
ルフィドなどの公知の分子量調節剤が用いられる。その
使用量は全単量体の合計量100重量部当たり、通常
0.1〜5重量部の範囲で選ばれる。なお、この乳化重
合においては、使用される乳化剤や重合触媒の作用を助
長するために、高級脂肪酸、高級アルコール、無機塩
類、水溶性高分子化合物などを併用してもよい。この乳
化重合においては、各単量体や重合開始剤などの重合薬
剤は反応開始前に全量添加しても、反応開始後任意に分
割して添加してもよい。重合は通常窒素などの不活性ガ
ス雰囲気下、0〜80℃の範囲の温度において行われる
が、反応途中で温度や撹拌などの操作条件を任意に変更
することもできる。また、重合形式は、連続式及び回分
式のいずれも可能である。このようにして、粒子径が
0.03〜0.7μm程度の共重合体が均質に分散したラ
テックスが得られる。本発明においては、このようにし
て得らた重合体ラテックスを凝固させるために、三級ア
ミン、四級アンモニウム塩及び一般式
【0012】
【化5】
【0013】(式中のR1は炭化水素基、R2及びR3
それぞれ二価の炭化水素基であり、それらはたがいに同
一でも異なっていてもよく、n及びmはそれぞれ1〜6
0の整数、kは0又は1である。)で表される化合物の
中から選ばれた少なくとも1種のアミン化合物が用いら
れる。該三級アミンとしては、例えばN,N−ジメチル
ステアリルアミン、N,N−ジメチルラウリルアミン、
N,N− ジメチルフェニルアミン、N,N−ジメチルナ
フチルアミン、N,N−ジエチルステアリルアミン、N,
N−ジエチルラウリルアミン、N,N−ジエチルフェニ
ルアミン、N,N−ジエチルナフチルアミン、N−エチ
ル−N−メチルフェニルアミン、N−エチル−N−メチ
ルラウリルアミン、N−エチル−N−メチルナフチルア
ミン、N−エチル−N−プロピルアニリンなどが挙げら
れる。また、四級アンモニウム塩としては、例えばラウ
リルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリ
メチルアンモニウムクロリド、ジラウリルジメチルアン
モニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウム
クロリドなどのラテックス配合において公知のカチオン
性界面活性剤が挙げられる。一方、前記一般式[1]で
表される化合物において、kが0のものとしては、例え
ばN−モノ(ポリオキシエチレン)ドデシルアミン、N
−モノ(ポリオキシプロピレン)ドデシルアミン、N−
モノ(ポリオキシエチレン)ステアリルアミンなどのア
ルキルアミンエチレンオキシド誘導体やアルキルアミン
プロピレンオキシド誘導体などが挙げられる。また、k
が1である化合物としては、例えばN,N−ビス(ポリ
オキシエチレン)ドデシルアミン、N,N−ビス(ポリ
オキシプロピレン)ドデシルアミン、N,N−ビス(ポ
リオキシエチレン)ステアリルアミンなどのアルキルア
ミンエチレンオキシド誘導体やアルキルアミンプロピレ
ンオキシド誘導体などが挙げられる。
【0014】本発明においては、これらのアミン化合物
は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。凝固に際しては、該化合物を通常0.1〜10
重量%の水溶液とし、この水溶液に共重合体ラテックス
を添加する。しかる後、この系全体を、凝固が完全にな
るまで室温又は加温下にて撹拌する。該化合物によるラ
テックスの凝集は、金属塩を用いた場合に比べて緩く、
また一般にポリオキシエチレン鎖をもつ高分子量のポリ
アルキレンオキシドには水中に懸濁した物質を凝集させ
る作用がある。本発明で用いられるアミン化合物のポリ
オキシエチレン鎖は、単独で水中に懸濁した物質を凝集
可能であるほど大きくない。しかし本発明においては、
上記の2つの効果により、親水性重合体をラテックスか
ら効率よく凝固させることができるものと考えられる。
このようにして重合体ラテックスを凝固させたのち、脱
水、乾燥などの公知の手法による処理を行うことによ
り、本発明に係わる親水性共重合体が得られる。本発明
方法により得られる親水性共重合体を用いた感光性重合
体組成物は、後述の感光性フレキソ版をはじめ、スクリ
ーン印刷版の版材、ホトレジスト、塗料、コーティング
剤、接着剤、フイルム、シート性物、含浸物、その他の
成形品などに好ましく利用することができる。
【0015】本発明の水現像用感光性重合体組成物は、
(A)成分として前記のようにして得られた親水性共重
合体を含有するとともに、(B)成分として光重合性不
飽和単量体及び(C)成分として光増感剤を必須成分と
して含有することが必要である。該(B)成分として用
いられる光重合性不飽和単量体としては、例えばスチレ
ン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メ
トキシスチレンなどの芳香族ビニル化合物、アクリロニ
トリルやメタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル化合
物、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレー
ト、t−ブチル(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜
23のアルキルアルコールの(メタ)アクリレート類、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ
アルキルアルコールの(メタ)アクリレート類、メトキ
シエチレングリコール、メトキシプロピレングリコール
などのアルコキシアルキレングリコールの(メタ)アク
リレート類、マレイン酸モノエチル、フマル酸モノメチ
ル、イタコン酸モノエチルなどの不飽和多価カルボン酸
のモノエステル類、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジ
エチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル、
フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオク
チル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタ
コン酸ジブチル、イタコン酸ジオクチルなどのジエステ
ル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N'−メ
チレンビスアクリルアミド、N,N'−ヘキサメチレンビ
スアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類、エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキ
レングリコール(アルキレングリコール単位2〜23
個)のジ(メタ)アクリレート、グリセリン、ペンタエ
リスリトール、トリメチロールアルカン、テトラメチロ
ールアルカン(アルカンとしてはメタン、エタン、プロ
パン)などの多価アルコール類のジ(メタ)アクリレー
ト、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリ
レート、オリゴ(メタ)アクリレート類、2−(メタ)
アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アク
リロイルエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)ア
クリロイルオキシエチルアシッドホスフェートなどの酸
性官能基をもつ(メタ)アクリレート類などが挙げられ
る。
【0016】これらの光重合性不飽和単量体は1種用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、ま
たその配合量は、通常(A)成分の親水性共重合体10
0重量部当たり、5〜300重量部、好ましくは10〜
200重量部の範囲で選ばれる。この量が5重量部未満
では、得られる感光性組成物の活性光による硬化が不十
分となるため、フレキソ版として機械物性が低下するお
それがあるし、300重量部を超えると該フレキソ版の
ゴム弾性及び耐溶剤性が低下する傾向がみられ、好まし
くない。さらに、本発明組成物において、(C)成分と
して用いられる光増感剤としては、通常光反応開始剤と
して用いられるもの、例えばジアセチル、ベンジルなど
のα−ジケトン類、ベンゾイン、ピバロインなどのアシ
ロイン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチ
ルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのア
シロインエーテル類、アントラキノン、1,4−ナフト
キノンなどの多核キノン類などが挙げられる。これらの
光増感剤は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
てもよく、その添加量は、通常(A)成分の共重合体1
00重量部当たり、0.1〜10重量部、好ましくは1
〜5重量部の範囲で選ばれる。この量が0.1重量部未
満では得られる感光性組成物の活性光による硬化が不十
分となるし、10重量部を超えると添加した光増感剤の
すべてが反応に関与しないので不経済である上、露光さ
れた活性光の吸収により、光に対する反応速度が遅くな
る傾向がみられ、好ましくない。
【0017】本発明の感光性重合体組成物には、上記以
外の成分も必要に応じて添加することができる。このよ
うな成分としては、可塑剤、保存安定剤、エラストマー
状重合体などが挙げられる。可塑剤としては、例えばナ
フテン油やパラフィン油のような炭化水素油、分子量3
000以下の低分子量ポリスチレン、α−メチルスチレ
ン−ビニルトルエン共重合体、石油樹脂、ポリアクリレ
ート、ポリエステル樹脂、ポリテルペン樹脂、ポリイソ
プレン及びその水添物、液状1,2−及び1,4−ポリブ
タジエン及びその末端変性物、及びこれらの水酸化物ま
たはカルボキシル化物、液状アクリロニトリル−ブタジ
エン共重合体及びこれらのカルボキシル化物、液状スチ
レン−ブタジエン共重合体などが例示できる。これらは
1種のみ用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。これらは、該感光性重合体組成物の製造及び成形の
助成、未露光部分の除去の促進、及び露光硬化部分の硬
さの調整等のために用いられる。これらの目標とする特
性に応じて、(A)成分の共重合体100重量部当たり
5〜200重量部の範囲で添加される。また、保存安定
剤としては、例えばヒドロキノン、p−メトキシフェノ
ール、p−t−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾール、ピロガロールなどのヒドロキシ
芳香族化合物、ベンゾキノン、p−トルキノン、p−キ
シロキノンなどのキノン類、フェニル−α−ナフチルア
ミンなどのアミン類などを挙げることができる。これら
の保存安定剤は、1種用いてもよいし、2種以上を組み
合わせて用いてもよく、その添加量は、通常(A)成分
の共重合体100重量部当たり、0.01〜2重量部の
範囲で選ばれる。
【0018】本発明の感光性重合体組成物には、必要に
応じ公知のエラストマー状重合体を、本発明の趣旨を損
なわない範囲で用いてもよい。このような重合体の例と
しては、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、クロロ
プレン重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレ
ン−イソプレン共重合体、スチレン−クロロプレン共重
合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリ
ロニトリル−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−
クロロプレン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエ
ン共重合体、メタクリル酸メチル−イソプレン共重合
体、メタクリル酸メチル−クロロプレン共重合体、アク
リル酸メチル−ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル
−イソプレン共重合体、アクリル酸メチル−クロロプレ
ン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
共重合体、アクリロニトリル−イソプレン−スチレン共
重合体、アクリロニトリル−クロロプレン−スチレン共
重合体、エピクロルヒドリン重合体、エピクロルヒドリ
ン−エチレンオキシド共重合体、エピクロルヒドリン−
プロピレンオキシド共重合体、エピクロルヒドリンゴ
ム、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル共重合体、塩化ビ
ニリデン、塩素化ポリプロピレン、塩素化エチレン−プ
ロピレンゴム、アクリル酸エチル−アクリロニトリル共
重合体、アクリル酸ブチル−アクリロニトリル共重合
体、メタクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合体、
アクリル酸ブチル−スチレン−アクリロニトリル共重合
体等があげられる。その中でも好ましいものは、スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン
−イソプレン−スチレンブロック共重合体等の熱可塑性
エラストマー状ブロック共重合体である。該共重合体
は、少なくとも1個のA−B−A単位を有するものであ
れば、線状、ラジアルのいずれの構造であっても差し支
えない。
【0019】重合体ブロックAは、スチレン、α−メチ
ルスチレン、エチルスチレン等のモノビニル芳香族化合
物の1種以上の重合体、あるいは該化合物と共重合可能
な単量体との共重合体から構成され、数平均分子量が2
000〜100000、ガラス転移温度が25℃以上で
あり、熱可塑性かつ非エラストマー状の重合体ブロック
である。一方重合体ブロックBは、1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、1,3−ペンタジエン等の共役ジエンの1種以上の
重合体、あるいは共役ジエンと共重合可能な単量体との
共重合体から構成され、数平均分子量が25000〜1
000000、ガラス転移温度が10℃以下のエラスト
マー状重合体である。この時、重合体ブロックAと重合
体ブロックBの割合は、ブロック共重合体がエラストマ
ーとなる範囲、即ち該共重合体中の全ブロックに対する
重合体ブロックAの割合が5〜50重量%、好ましくは
10〜40重量%にあることが必要である。該重合体ブ
ロックAの割合が50重量%を超えると、ブロック共重
合体はエラストマーとならない為、本発明の感光性フレ
キソ版にゴム弾性を持たせることができない。それ故、
該ブロック共重合体を本発明の感光性フレキソ版用とし
て使用することはできない。一方5重量%未満では、該
ブロック共重合体は室温でゴム状となる為、本発明の感
光性フレキソ版は収縮が起きやすく、寸法安定性に欠け
たものとなる。なお、該エラストマー状重合体は1種の
み用いても、2種以上を併用しても構わない。また使用
量は、熱可塑性エラストマー状ブロック共重合体を用い
る場合、感光性フレキソ版の強度及び耐刷性の観点か
ら、感光性重合体組成物全量に対し5〜40重量%、好
ましくは5〜30重量%とすることが望ましい。本発明
の感光性重合体組成物は、種々の方法で調製することが
できる。例えば、通常のゴム混練機械であるニーダーあ
るいはロールミルなどを用いて混合混練し、押出し機、
プレス、カレンダーなどの成形機を用いて所望の厚さの
シートとして調製することができる。また、所望なら
ば、本発明の感光性組成物をクロロホルム、四塩化炭
素、トリクロロエタン、メチルエチルケトン、ジエチル
ケトン、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフランなど
の適当な溶媒に溶解させ、この混合物を枠型の中に注入
し、溶剤を蒸発させることにより、シートとして調製す
ることができる。このシートを加熱プレス、押出し又は
カレンダー処理することにより、厚み精度の高いシート
が得られ、該シートは感光性フレキソ版として好ましく
使用することができる。
【0020】本発明の感光性重合体組成物には、シート
状に成形した後の貯蔵又は操作時における感光層の汚染
又は損傷を防止するために、その表面にポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートなどの
剥離可能な薄い透明フイルム層を、ベースフイルム層若
しくはプロテクターフイルム層として設けることができ
る。本発明の感光性フレキソ版の特徴として、希アルカ
リ水溶液での現像性を挙げることができる。現像液とし
て用いられる希アルカリ水溶液としては、例えば水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモ
ニア、炭酸リチウムなどの0.1〜4.0重量%程度の低
濃度水溶液が挙げられる。また、該版は、このような希
アルカリ水溶液のみでなく、アルカリ水溶液とアルコー
ルやケトンなどとの混合溶剤、ハロゲン系有機溶剤とア
ルコールやケトンとの混合溶剤や、各種界面活性剤の水
溶液によっても現像することができる。ここで用いられ
る界面活性剤としては、前述のアニオン性界面活性剤及
びカチオン性界面活性剤の他、アルキルアミノカルボン
酸塩等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸
エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、脂肪
酸アルカノールアミド等のノニオン性界面活性剤があげ
られる。本発明の感光性フレキソ版は、感光度が高いの
で露光時間が短くてすみ、かつ希アルカリ水溶液に対す
る溶解性が極めて高いので、1〜10分程度で現像処理
することができる上、乾燥後、ただちに印刷が可能であ
るなどの特徴を有しており、このフレキソ版を用いるこ
とによって、従来のフレキソ印刷用ゴム版の製版に比べ
て、製版工程が簡単で、かつ作業時間を大幅に短縮する
ことができる。さらに、本発明の感光性フレキソ版は、
溶剤タイプのフレキソインキでも印刷できることはもち
ろんのことであるが、耐水性がよいので、大気汚染の面
から溶剤タイプのフレキソインキの代わりに用いられつ
つある水性フレキソインキによる印刷が可能である。
【0021】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。なお、共重合体及びフレキソ版の物性は
次のようにして求めた。 (1)ムーニー粘度 JIS K-6300に準じて測定した。 (2)加工性 6インチロール(50℃)にて素練りを行い、得られた
シートの状態にて判断した。 ○:平滑なシートが得られる △:細かな凹凸はあるが、良好なシートが得られる ×:シートを得ることができない (3)アルカリ可溶性 組成物をプレスして、厚さ3mmのシートを作製し、未露
光の感光層を40℃の1重量%水酸化ナトリウム水溶液
中でナイロンブラシを用いて、1mm溶解できるまでの時
間とした。 (4)硬さ 組成物をプレスして、厚さ3mmのシートを作製し、5m
W/cm2紫外線ランプを用いて裏表10分間露光処理し
て硬化物を得た。この硬化物の硬さをJISK-630
1に従って測定した。 (5)解像度 上記(3)と同一の方法で得られた厚さ3.0mmの各組
成物のシートの一方の面を、5mW/cm2紫外線ランプ
を用いて露光した。次に露光していない面に、再現性評
価用のネガフイルムを密着させて、この面を前記光源で
15分間露光した。ネガフイルムをはがし、40℃の1
重量%水酸化ナトリウム水溶液中でナイロンブラシを用
いて未露光部分を溶解除去した。その後70℃で10分
間乾燥し、未露光部分が除去された面を前記光源で10
分間再露光して、解像度評価用のレリーフ画像を作成し
た。このレリーフ画像を、50倍の実体顕微鏡で凸画像
部の細線の再現状態と、凹画像部の細線の彫れの状態を
観察し、それぞれ下記の基準により評価した。
【0022】0.2mm幅凸細線再現性 凸細線の形状にゆがみ、太りがなく、ネガと同一の幅で
再現している場合を「完全に再現されている状態」とみ
なし、下記の基準により評価した。 ○:ネガが完全に再現されている状態 △:ネガがほぼ再現されている状態 ×:ネガの再現が不完全である状態0.7mm幅凹細線再現性 凹細線の形状に波状のギザギザがなく、エッジがシャー
プであり、凹細線の溝が深く彫られている状態を「完全
に再現されている状態」とみなし、次の基準で評価し
た。 ○:凹細線の溝が深く、エッジもシャープに彫られてい
る △:凹細線の溝は若干浅いが、実用上は支障がない ×:凹細線の溝の彫れが浅い (6)ゴム弾性 BS−903、Pt.A.8トリプソ試験方法に準拠し
て、レリーフ画像評価用サンプルの平面部を用いて測定
を行った。振子が該サンプルを打撃した後の戻り角θd
を求め、反発弾性値Rを
【数1】 R=[(1−COSθd)/(1−COSθo)]×100 により求め、この値をもとに下記の基準により評価を行
った。なお、θoは試験前の振子の角度で、本例では4
5°とした。 A:反発弾性値が60%以上である B:反発弾性値が50%以上60%未満である C:反発弾性値が50%未満である 反発弾性値が高いほど、ゴム弾性に優れていることを示
す。
【0023】重合例1 下記に示す単量体及び重合薬剤を用いて内容積10リッ
トルのオートクレーブ中で50℃にて重合を行った。重量体、重合薬剤 重量部 ブタジエン 50 ブチルアクリレート 35 リン酸エチレンメタクリレート 15 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 2 過硫酸カリウム 0.3 t−ドデシルメルカプタン 0.4 水 200 重合は、添加した全単量体が95%に達した時点で、停
止剤を添加し、水冷後、乳化重合エマルジョンを得た。 重合例2 重合例1において、ブチルアクリレートの代わりに、エ
チルアクリレート34.6重量部とエチレングリコール
ジメタクリレート0.4重量部を用いた以外は、重合例
1と同様にして乳化重合エマルジョンを得た。 重合例3 重合例1において、ブタジエンの代わりに、メチルアク
リレート35重量部用い、かつブチルアクリレートの量
を50重量部とした以外は、重合例1と同様にして乳化
重合エマルジョンを得た。
【0024】実施例1 N−モノ(ポリオキシエチレン)ドデシルアミン7gを
水1000gに溶解させて凝固剤を調製した。次に、該
凝固剤に、重合例1で得られたエマルジョンをゆっくり
添加し、約2分間撹拌させてこのエマルジョンを凝固さ
せ、生成したクラムを回収したのち、70℃にて4時間
乾燥させて、親水性共重合体を得た。この共重合体10
0gに対し、光重合性不飽和単量体としてノナエチレン
グリコールジメタクリレート20g、ノナエチレングリ
コールアクリレート20g、光重合開始剤としてベンゾ
インメチルエーテル1.5g及び保存安定剤としてヒド
ロキノン0.2gを加え、内容積200mlのブラベンダ
ーで10分間、80℃で混練して感光性組成物を調製し
た。次に、該組成物を厚さ0.1mmのポリエチレンテレ
フタレートフイルムにはさみ、真空プレスを用いて厚さ
3.0mmとなるように成形を行った。この感光性組成物
は固形性を保持しており、取り扱い性も問題はなかっ
た。次いで、該ポリエチレンテレフタレートフイルムを
剥がして、感光層の表面に、フイルムの光学濃度が3.
8のネガフイルムを密着させて、市販の感光性樹脂用紫
外線露光機で5分間露光を行ったのち(5mW/cm2
320〜400nm)、1重量%水酸化ナトリウム水溶液
を現像液として現像処理したところ、未露光部が完全に
溶解除去されて、原画に忠実なフレキソ印刷版が得られ
た。該刷版は、ゴム弾性を有しており、硬さ(ショアー
A、20℃測定)は55であった。また、該刷版を実際
のフレキソ印刷に供したところ、原画に忠実な印刷物が
得られた。共重合体、感光性組成物及びフレキソ印刷版
の物性を第1表に示す。 実施例2〜6、比較例1〜3 凝固剤として、第1表に示すものを用いた以外は、実施
例1と同様にして親水性共重合体を得、感光性組成物を
調製し、さらにフレキソ印刷版を作成した。その物性を
第1表に示す。
【0025】
【表1】
【0026】(注)凝固剤の種類 1.N−モノ(ポリオキシエチレン)ドデシルアミン 2.N,N−ビス(ポリオキシエチレン)ドデシルアミ
ン 3.N,N−ビス(ポリオキシエチレン)オクタデシル
アミン 4.ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド 5.ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド 6.N,N−ジメチルラウリルアミン 7.硫酸マグネシウム 8.塩化カルシウム 9.硫酸アルミニウム 実施例7、8 比較例4 重合例2で得られたエマルジョンを用い、かつ凝固剤と
して第2表に示すものを用いた以外は、実施例1と同様
にして親水性共重合体を得、感光性組成物を調製し、さ
らにフレキソ印刷版を作成した。その物性を第2表に示
す。
【0027】
【表2】
【0028】(注)凝固剤の番号の意味は第1表の脚注
と同じである。 実施例9〜14、比較例5〜7 重合例3で得られたエマルジョンを用い、かつ凝固剤と
して第3表に示すものを用いた以外は、実施例1と同様
にして親水性共重合体を得、感光性組成物を調製し、さ
らにフレキソ印刷版を作成した。その物性を第3表に示
す。
【0029】
【表3】
【0030】(注)凝固剤の番号の意味は第1表の脚注
と同じである。各表から明らかなように、実施例1〜1
4の本発明の方法で得られた共重合体は親水性を保持
し、各種配合物との混練も可能である。したがって、該
共重合体を用いることにより、加工性、アルカリ水溶液
現像性、耐水性、硬化物の硬さなどが優れた感光性組成
物が得られ、このものは水溶性の感光性フレキソ版用材
料として好適である。これに対し、金属塩を用いて得ら
れた比較例1〜7の共重合体は親水性がなく、各種配合
物との混練が不可能であったため、感光性組成物及びフ
レキソ印刷版としての評価ができなかった。
【0031】
【発明の効果】本発明方法によると、モノオレフィン系
不飽和単量体、親水性官能基をもつ不飽和単量体及び場
合により併用される共役ジエン系単量を乳化重合して得
られる共重合体ラテックスを、特定のアミン化合物で凝
固させることにより、水現像用感光性組成物に好適に用
いられる親水性共重合体が効率よく得られる。この親水
性共重合体を含有する本発明の水現像用感光性重合体組
成物は、感光性、加工性及びアルカリ水溶液現像性に優
れるとともに、その硬化物が耐水性、ゴム弾性に優れる
などの特徴を有し、水現像型感光性フレキソ版用材料と
して好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/027 H01L 21/30 502R (72)発明者 鈴木 隆雄 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1 号 日本ゼオン株式会社 研究開発セン ター内 (56)参考文献 特開 平3−171139(JP,A) 特開 昭53−10648(JP,A) 特開 昭61−22339(JP,A) 特開 昭60−211451(JP,A) 特開 昭49−87739(JP,A) 特開 昭49−87740(JP,A) 特開 昭51−31789(JP,A) 特開 昭59−155402(JP,A) 特開 昭61−266417(JP,A) 特表 平6−506261(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 7/027 C08F 6/22 G03F 7/00 502 G03F 7/004 501 G03F 7/038 H01L 21/027

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モノオレフィン系不飽和単量体及びリン酸
    エステル基をもつ不飽和単量体から成る単量体混合物を
    乳化重合条件下で共重合して得られるラテックスを、三
    級アミン、四級アンモニウム塩及び一般式 【化1】 (式中のRは炭化水素基、R及びRはそれぞれ二
    価の炭化水素基であり、それらはたがいに同一でも異な
    っていてもよく、n及びmはそれぞれ1〜60の整数、
    kは0又は1である)で表される化合物の中から選ばれ
    た少なくとも1種を用いて凝固させることを特徴とする
    水現像用親水性共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】モノオレフィン系不飽和単量体、共役ジエ
    ン系単量体及びリン酸エステル基をもつ不飽和単量体か
    ら成る単量体混合物を乳化重合条件下で共重合して得ら
    れるラテックスを、三級アミン、四級アンモニウム塩及
    び一般式 【化2】 (式中のRは炭化水素基、R及びRはそれぞれ二
    価の炭化水素基であり、それらはたがいに同一でも異な
    っていてもよく、n及びmはそれぞれ1〜60の整数、
    kは0又は1である)で表される化合物の中から選ばれ
    た少なくとも1種を用いて凝固させることを特徴とする
    水現像用親水性共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】(A)請求項1又は2のいずれかに記載の
    方法で得られる親水性共重合体、(B)光重合性不飽和
    単量体及び(C)光増感剤を含有して成る水現像用感光
    性重合体組成物。
  4. 【請求項4】請求項3の水現像用感光性重合体組成物を
    シート状に成形して得られた感光性フレキソ版。
JP5097026A 1993-03-31 1993-03-31 水現像用親水性共重合体の製造方法及び該共重合体を用いた水現像用感光性重合体組成物、感光性フレキソ版 Expired - Lifetime JP2792388B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5097026A JP2792388B2 (ja) 1993-03-31 1993-03-31 水現像用親水性共重合体の製造方法及び該共重合体を用いた水現像用感光性重合体組成物、感光性フレキソ版
DE69426298T DE69426298T2 (de) 1993-03-31 1994-03-31 Lichtempfindliche zusammensetzung, lichtempfindliche kautschukplatte und verfahren zur herstellung dieser platte, flexografische platte und verfahren zur herstellung dieser platte
PCT/JP1994/000543 WO1994023342A1 (en) 1993-03-31 1994-03-31 Photosensitive composition, photosensitive rubber plate and process for producing the plate, and flexographic plate and process for producing the plate
US08/525,743 US5679485A (en) 1993-03-31 1994-03-31 Photosensitive composition, photosensitive rubber plate and process for producing same, and flexographic plate and process for producing same
EP94910588A EP0699961B1 (en) 1993-03-31 1994-03-31 Photosensitive composition, photosensitive rubber plate and process for producing the plate, and flexographic plate and process for producing the plate

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5097026A JP2792388B2 (ja) 1993-03-31 1993-03-31 水現像用親水性共重合体の製造方法及び該共重合体を用いた水現像用感光性重合体組成物、感光性フレキソ版

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06289610A JPH06289610A (ja) 1994-10-18
JP2792388B2 true JP2792388B2 (ja) 1998-09-03

Family

ID=14180925

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5097026A Expired - Lifetime JP2792388B2 (ja) 1993-03-31 1993-03-31 水現像用親水性共重合体の製造方法及び該共重合体を用いた水現像用感光性重合体組成物、感光性フレキソ版

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2792388B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6116818B2 (ja) * 2012-04-27 2017-04-19 株式会社日本触媒 重合体粒子および重合体粒子含有組成物
JP6579707B2 (ja) * 2015-10-15 2019-09-25 旭化成株式会社 フレキソ印刷用感光性樹脂組成物及びフレキソ印刷原版
JP6735205B2 (ja) * 2016-10-06 2020-08-05 東京応化工業株式会社 レジストパターンのラフネスを低減させるために用いられる被覆剤、及びラフネスが低減されたレジストパターンの製造方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS578124B2 (ja) * 1972-12-25 1982-02-15
JPS578123B2 (ja) * 1972-12-25 1982-02-15
US3997705A (en) * 1974-07-11 1976-12-14 Dynamit Nobel Aktiengesellschaft Method of coagulating a fluoro-elastomer from an aqueous dispersion thereof
JPS5310648A (en) * 1976-07-19 1978-01-31 Japan Synthetic Rubber Co Ltd Photosensitive resin compositions
JPH0240086B2 (ja) * 1983-01-26 1990-09-10 Mitsubishi Monsanto Kasei Kk Netsukasoseijushinoseizohoho
JPS60211451A (ja) * 1984-04-05 1985-10-23 Asahi Chem Ind Co Ltd 感光性エラストマ−組成物
NZ212161A (en) * 1984-06-08 1988-06-30 Ishikawa Katsukiyo Photo-polymerisable composition and printing plate prepared therefrom
AU586246B2 (en) * 1985-05-16 1989-07-06 Ge Chemicals, Inc Hydroxylamine coagulant for acrylonitrile removal
JP2940029B2 (ja) * 1989-11-30 1999-08-25 東洋紡績株式会社 感光性樹脂印刷版

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06289610A (ja) 1994-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5679485A (en) Photosensitive composition, photosensitive rubber plate and process for producing same, and flexographic plate and process for producing same
EP0513493B1 (en) Photosensitive resin composition
AU2002224117B2 (en) Improved water-developable photosensitive resin for flexography
EP0076588B1 (en) Syndiotactic polybutadiene composition for photosensitive printing plate
JPS60211451A (ja) 感光性エラストマ−組成物
JP6579707B2 (ja) フレキソ印刷用感光性樹脂組成物及びフレキソ印刷原版
US4265986A (en) Photopolymerizable composition containing chlorosulfonated polyethylene
GB2064151A (en) Photopolymerisable composition
US6197479B1 (en) Photosensitive resin composition, method for producing photosensitive resin composition, and printing plate material
JP2985655B2 (ja) 感光性組成物、感光性ゴム版およびその製法並びにフ レキソ印刷版およびその製法
JP2792388B2 (ja) 水現像用親水性共重合体の製造方法及び該共重合体を用いた水現像用感光性重合体組成物、感光性フレキソ版
JP2000155417A (ja) 感光性樹脂組成物、感光性樹脂組成物の製造方法および印刷版材
GB2195349A (en) Photosensitive elastomeric composition
JP4994488B2 (ja) フレキソ印刷用感光性樹脂組成物、及びその製造方法
JP4627871B2 (ja) 水系現像可能なフレキソ印刷用感光性樹脂
JPH10287817A (ja) 親水性共重合体組成物及び感光性組成物
JP7108376B2 (ja) フレキソ印刷原版及びフレキソ印刷版
JP2004246247A (ja) フレキソ印刷用感光性樹脂組成物
JP2004317660A (ja) 感光性樹脂用水性現像液組成物
JP2560375B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JPH07134411A (ja) 感光性樹脂組成物
JPH10161301A (ja) 感光性組成物及び感光性ゴム版
JP3240781B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP4415245B2 (ja) 感光性樹脂組成物およびそれを用いた感光性樹脂印刷原版
JPH0467041A (ja) 感光性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080619

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090619

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100619

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100619

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110619

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130619

Year of fee payment: 15