JP2791728B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2791728B2
JP2791728B2 JP4011937A JP1193792A JP2791728B2 JP 2791728 B2 JP2791728 B2 JP 2791728B2 JP 4011937 A JP4011937 A JP 4011937A JP 1193792 A JP1193792 A JP 1193792A JP 2791728 B2 JP2791728 B2 JP 2791728B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度記録用の磁気記
録媒体に関するものであり、特に、塗布型の磁性層を有
する磁気記録媒体の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録技術は、媒体の繰り返し使用が
可能であること、信号の電子化が容易であり周辺機器と
の組み合わせによるシステムの構築が可能であること、
信号の修正も簡単にできること等の他の記録方式にはな
い優れた特長を有することから、ビデオ、オーディオ、
コンピューター用途等を始めとして様々な分野で幅広く
利用されてきた。
【0003】そして、機器の小型化、記録再生信号の質
の向上、記録の長時間化、記録容量の増大等の要求に対
応するために、記録媒体に関しては、記録密度のより一
層の向上が常に望まれてきた。
【0004】例えば、オーディオ、ビデオ用途にあって
は、音質及び画質の向上を実現するディジタル記録方式
の実用化、ハイビジョンTVに対応した録画方式の開発
に対応するために、従来のシステムよりも一層、短波長
信号の記録再生ができる磁気記録媒体が要求されるよう
になっている。
【0005】また、マイコンやパソコンの外部記憶媒体
である可撓性非磁性支持体上に磁性層を有するフロッピ
ーディスクに対しても、近年のパソコンの普及、アプリ
ケーション・ソフトの高度化、処理情報の増大の動向か
ら10Mバイト以上の高容量化が強く要求されるように
なってきた。
【0006】磁気記録媒体は、非磁性支持体上に磁性層
を形成し用途に応じて、テープ、ディスクもしくはカー
ドなどの形態にして使用されている。そして、磁性層に
は強磁性粉末を分散させた塗布液を非磁性支持体上に塗
布乾燥して得られる強磁性粉末と結合剤樹脂を主体とす
るいわゆる塗布型の磁性層と蒸着もしくはスパッタリン
グ等の真空成膜法により非磁性支持体上に真空成膜して
得られる強磁性金属薄膜より成るいわゆる金属薄膜型の
磁性層がある。
【0007】記録密度の観点からは、後者の金属薄膜型
の磁性層が優れており、古くから実用化の検討がなされ
ており、8mmビデオ用途などに実用化されている。
【0008】しかしながら、金属薄膜型磁気記録媒体
は、耐久性、走行性、耐食性等に特性上の問題があり、
問題に対処するために本来の優れた特性を充分に生かし
きれていない。また、製造コストも高く経済性にも問題
があった。
【0009】一方、塗布型の磁性層は、そのような問題
に対しては金属薄膜型よりも優れており古くから様々な
用途に実用化されてきたが、電磁変換特性に関しては、
金属薄膜型には及ばず記録密度の向上のために幾多の努
力がなされてきたが限界があった。
【0010】塗布型の磁気記録媒体の高密度記録化のた
めに、磁性層の磁気特性を改良すること、強磁性粉末の
分散性を向上させること、磁性層の表面性を高めること
等の観点から種々の方法が検討され提案されてきた。
【0011】例えば、磁気特性を高めるために強磁性粉
末に強磁性体強磁性金属粉末や六方晶系フェライトを使
用する方法が特開昭58−122623号公報、特開昭
61−74137号公報、特公昭62−49656号公
報、特公昭60−50323号公報、US462965
3号、US4666770号、US4543198号等
に開示されている。
【0012】また、強磁性粉末の分散性を高めるため
に、種々の界面活性剤(例えば特開昭52−15660
6号公報,特開昭53−15803号公報,特開昭53
−116114号公報等に開示されている。)を用いた
り,種々の反応性のカップリング剤(例えば,特開昭4
9−59608号公報,特開昭56−58135号公
報,特公昭62−28489号公報等に開示されてい
る。)を用いることが提案されている。
【0013】更に、磁性層の表面性を改良するために、
塗布、乾燥後の磁性層の表面形成処理方法を改良する方
法(例えば、特公昭60−44725号公報に開示され
ている。)が提案されている。
【0014】前記の強磁性金属粉末や六方晶系フェライ
トは高密度記録用媒体の強磁性粉末として優れている
が、金属薄膜型磁気記録媒体にはその電磁変換特性は及
ばないのが実状である。特に、六方晶系フェライトにお
いては、その飽和磁化が小さく磁性層の磁束密度が高く
できないという問題があった。また、その分散性も悪
く、表面性の優れた磁性層を得ることが難しかった。
【0015】しかしながら、上記のような高密度記録化
の様々な試みにも拘らず、塗布型磁気記録媒体にあって
は、金属薄膜型磁気記録媒体に対比し得るほどの磁気記
録媒体を得ることができなかった。従って、走行性、耐
久性、保存性などの実用特性に優れ、且つ、経済性にも
優れ、今後の高密度記録化への要求に応えることが磁気
記録媒体に課された大きな課題であった。
【0016】近年、磁気記録媒体の短波長出力を増大さ
せるために、磁化反転機構を重視してそれに注目した研
究成果が報告されている。その一つとして、強磁性体粒
子間の相互作用の強さの尺度として、印加外部磁界に対
する残留磁化をプロットしたレマネンス曲線より、交流
消磁状態からのACレマネンスと直流消磁状態からのD
Cレマネンスとの差分ΔMを算出し、金属薄膜について
は、その差分ΔMとノイズが関連するとの報告がある。
ここで、ΔMとはΔM={Id(H)+2Ir(H)−I
r(∞)}/Ir(∞)と定義され、Id(H)は直流消
磁して測定したときの残留磁化、Ir(H)は交流消磁
して測定したときの残留磁化、Ir(∞)は印加磁界を
10kOeとしたときの残留磁化である(P.E.Kelly etal
IEEE Trans. MAG.MAG-25(1989) 3881、P.I.Mayo etal
IEEE Trans. MAG.MAG-26(1990) 1894、D.E.Speliotis e
tal J.Appl.Phys 69(8) 4496(1991)他)。これらの報告
では、差分ΔMが正である方が粒子間の相互作用が安定
化する方向であり、ΔMが負のときは磁性層を減磁させ
る相互作用を示すものとされている。また、D.E.Spelio
tis etal によると強磁性金属粉末を強磁性粉末とする
場合では、磁気記録媒体の抗磁力以下では正でそれを越
えると負となることが報告されている。
【0017】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は、前記従来
技術の問題点に鑑みなされたものであり、走行性、耐久
性、保存性等の実用特性及び経済性に優れ、且つ電磁変
換特性が良好で高記録密度の磁気記録媒体を提供するこ
とを目的とし、特に、塗布型の磁気記録媒体にあって金
属薄膜型に匹敵し得る電磁変換特性を有する磁気記録媒
体を提供することを目的としている。
【0018】
【問題点を解決するための手段】発明者は、塗布型磁気
記録媒体の磁性層中における強磁性粉末の粒子間相互作
用に着目し本発明の前記目的を達成すべき鋭意検討した
結果、特に、前記のレマネンス曲線から得られる差分Δ
Mの印加磁界に対する変化が特定のもので有れば良いこ
とをつきとめ、以下の本発明の構成を見いだした。
【0019】即ち、前記本発明の目的は、非磁性支持体
上に強磁性粉末及び結合剤樹脂を主体とする磁性層を有
する磁気記録媒体において、該磁性層の飽和磁束密度B
mが2500ガウス以上であって、且つレマネンス曲線
から得られる交流消磁状態からのACレマネンスと直流
消磁状態からのDCレマネンスとの差分△M={Id
(H)+2Ir(H)−Ir(∞)}/Ir(∞)が磁
性層の抗磁力Hc以下の測定磁場Hで負となる範囲を有
し、前記磁性層の厚さが1μm以下であり、且つ前記強
磁性粉末は抗磁力が1500乃至2500Oeの強磁性
金属粉末であることを特徴である磁気記録媒体(ここ
で、Id(H)は直流消磁して測定したときの残留磁
化、Ir(H)は交流消磁して測定したときの残留磁
化、Ir(∞)は印加磁界を10KOe(エルステッ
ド)としたときの残留磁化である。)により達成され
る。
【0020】本発明の磁気記録媒体における前記レマネ
ンス曲線は、交流消去もしくは直流消去した状態の磁気
記録媒体の外部磁界Hに対する残留磁化(Id(H)及
びIr(H))の変化を表した曲線である。そして、本
発明の磁気記録媒体は、レマネンス曲線上から求めたI
d(H)及びIr(H)と印加磁界を10kOeとしたとき
の残留磁化であるIr(∞)を前記の式に代入して求め
られるΔMの値に関して磁性層のHc以下の測定磁場で
負の値を有する部分がある。
【0021】本発明においては、前記ΔMを以下のよう
にして求めた。磁気記録媒体の測定試料を交流消磁し,
VSMー5(東英工業製の振動試料型磁力計)を使用
し、印加磁界0Oeより50 Oeきざみで最大印加磁場5000
OeまでIr(H)を測定し、レマネンス曲線を求め
た。その後、外部磁界10000 Oeを印加し,磁場をゼロ
にして飽和残留磁化Ir(∞)を求めた。つぎに,最大印
加磁場-5000Oeを印加し磁場0Oeより50 Oeきざみで最
大印加磁場5000Oeまでレマネンス曲線を測定した。得ら
れたレマネンス曲線の符号を逆にしたものをId(H)
とし,Kelly etal IEEETrans. MAG.MAG-25(1989) 388
1、P.I.Mayo etal IEEE Trans. MAG.MAG-26(1990) 189
4、D.E.Speliotis etal J.Appl.Phys 69(8) 4496(1991)
に記載されている直流で飽和磁化したのち減磁させつつ
測定したレマネンス曲線とあわせた。磁化曲線の対称性
よりこのような変換をしてもよいのである。このように
して得られたレマネンス曲線より印加した磁場に対する
ΔMを計算する。実際には、入力された測定値に対応し
てΔMを算出するプログラムでパソコンを作動させて、
測定磁場の強さHに対するΔMの変化(H−ΔM曲線)
を作図し、得られた曲線から磁気記録媒体のHc以下の
測定磁場領域でΔMが負になる部分があることを確認す
る。
【0022】本発明の磁気記録媒体は、そのレマネンス
曲線から求められるΔMが磁性層のHc以下の抗磁力の
領域で負になる部分があることを特徴としている。そし
て、前記の測定磁場Hを横軸、ΔMを縦軸とするH−Δ
M曲線の図においてΔMが正となる範囲の割合は、磁性
層の抗磁力Hc以下の全領域の80%以下に止めること
が好ましい。さらに、その図において横軸とH−ΔM曲
線とで囲む面積を比較したときに、ΔMが負の領域(第
1象限)の面積の方が正の領域(第2象限)の面積より
も大きくなることが好ましい。さらに好ましくはHc以
下の測定磁場の全領域で負であることである。磁性層の
抗磁力Hc以下の領域で正となる部分が負となる部分よ
り余り多くなったり、ΔMが正である部分の面積が負で
ある部分の面積よりも大きくなると優れた電磁変換特性
を得ることができず、本発明の目的が充分に達成できな
くなる。
【0023】本発明の磁気記録媒体は、ΔMが前記のよ
うな値であると同時に飽和磁束密度Bmが2500ガウ
ス以上の好ましくは2800ガウス以上、特に好ましく
は3000ガウス以上である。飽和磁束密度が余り小さ
いと出力が大きくならず、高密度記録用の媒体として好
ましくない。このように磁性層のBm及びΔMの値を特
定することにより、本発明の磁気記録媒体は、特に、短
波長の記録波長領域で出力が大きくなりC/Nが優れた
ものとなって、金属薄膜型磁気記録媒体とも対比し得る
高密度記録用媒体として優れた電磁変換特性を有する。
【0024】本発明の磁気記録媒体の構成が奏するC/
Nに対する効果については、その要因は明確ではない。
前述したP.E.Kelly etal IEEE Trans. MAG.MAG-25(198
9) 3881、P.I.Mayo etal IEEE Trans. MAG.MAG-26(199
0) 1894、他の報告によれば、ΔMが負のときは磁性層
を減磁させる相互作用を示すものとされているにも拘ら
ず、本発明においては、C/Nが大きくなっている。本
発明の磁性層では、Bmを2500ガウス以上と磁性層
の磁気エネルギーを高めていることが、上記のように特
定されたΔMと相乗的に作用して、C/Nを高めたもの
と推定される。
【0025】本発明の磁気記録媒体を得るための手段と
しては種々の方法が考えられるが、最も有効な方法は、
強磁性粉末の充填度を比較的高くして強磁性金属粉末の
ように磁気特性が大きな強磁性粉末を使用し且つ磁性層
の厚さを非常に薄くすることである。特に、磁性層の厚
さとしては、1μm以下、望ましくは0.05乃至0.
8μm、更に望ましくは0.1乃至0.5μmとするこ
とが有効である。磁性層の厚さが厚くなると、電磁変換
特性が低下し、また、余り薄くなると平滑な磁性層が得
られなくなって、出力が低下するので望ましくない。
【0026】Bmを2500ガウス以上とするために強
磁性粉末の充填度を高めることや強磁性金属粉末を用い
ることが有効である。また、非常に薄い磁性層は、非磁
性支持体上に直接形成しても良いが、厚さが均一で表面
性の良好な磁性層を得るためには、非磁性支持体上に非
磁性層を塗布しその上に磁性層を形成することが望まし
い。即ち、非磁性支持体上に直接磁性層を形成すると厚
さが薄いだけに、非磁性支持体の表面性の影響を受け易
く、また、厚さも均一なものとし難い。非磁性支持体上
に非磁性層をまず形成し、その上に磁性層を形成するこ
とで、非磁性支持体の表面性の影響を軽減できるし、ま
た、非磁性層がクッションとなるので均一な厚さにし易
くなる。特に、非磁性層の塗布層がまだ湿潤状態にある
うちに磁性層の塗布液をその上に塗布するウェット・オ
ン・ウェット方式(同時重層塗布方式、特開昭61−1
39929号公報、特開昭61−54992号公報等に
開示されている。)で塗布することにより、すなわち下
層非磁性層が湿潤状態にあるうちに上層磁性層を形成す
ると、上層の磁性層を薄層にすることが容易となり、か
つ塗布欠陥を減少することができ。さらに、磁性層と密
着性を大きくすることができるので好ましい。
【0027】以上のように、本発明の磁性層の飽和磁束
密度及びレマネンス曲線から得られるΔMを前記のよう
にするためには、磁性層の厚さを従来の塗布型では実用
的に考えられなかったほどに薄くし、且つ強磁性粉末の
充填度を有る程度以上に保持して、減磁の影響を軽減し
つつ強磁性粉末同士の相互作用を強める様な構造に磁性
層をすることが重要ではないかと考えられるのである。
【0028】本発明の磁性層を非常に薄くする場合、飽
和磁束密度Bmを2500ガウス以上とするために、磁
性層中に潤滑剤や導電性粒子を余り多量に添加できない
ので、前記のように非磁性層上に磁性層を形成すること
は、その非磁性層の中に潤滑剤や導電性粒子を添加する
ことができるので有利である。
【0029】本発明の磁気記録媒体において、磁性層中
の強磁性粉末の充填度を高めるために、非磁性支持体上
に磁性層を塗布乾燥後、カレンダーロールで表面形成処
理を行う際の条件を適宜選択することが効果的である。
特に、カレンダーロールの材質を金属や硬度の大きいプ
ラスチックにしたり、磁性層にかかる線圧や温度を高く
することも有効である。
【0030】磁性層の表面を平滑にする加圧成形処理で
使用するカレンダロ−ルとしてエポキシ、ポリイミド、
ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性のあるプラス
チックロ−ルを使用する。特に、本発明の磁気記録媒体
の磁性層の飽和磁束密度及びレマネンス曲線から得られ
るΔMを特定のものとするために、金属ロ−ル同志で加
圧成形処理することが望ましい。加圧成形の処理温度
は、70℃以上、望ましくは80℃以上である。線圧力
は望ましくは200kg/cm、さらに好ましくは30
0kg/cm以上である。
【0031】本発明の磁気記録媒体における強磁性粉末
は、本発明の目的を有効に達成するために、強磁性金属
粉末を用いる。強磁性金属粉末としては、FeまたはN
iまたはCoを主成分とし、Zn,Cr,Mn,Sb,
Mg,Ca,Ba等が含まれていてもよい。また酸化物
の水素還元で強磁性金属粉末を生成する時の焼結防止剤
処理は、アルミ、アルミ−シリカ、シリカ、アルミ
−ホウ素化合物による処理が好ましく、水素還元後徐
酸化処理し酸化膜を形成し安定化することが好ましい。
強磁性金属粉末の粒子サイズは平均長軸長が0.05乃
至0.4μm、好ましくは0.08乃至0.3μm、針
状比(平均長軸長/平均短軸長)は3乃至20、好まし
くは5乃至15、比表面積は35乃至80m2 /g、好
ましくは40乃至65m2 /g、抗磁力は1500乃至
2500Oe、好ましくは1500乃至2300Oe、
飽和磁化σsは110乃至160emu/g、好ましく
は120乃至155emu/gである。粒子サイズがこ
れらの範囲より小さい時、表面酸化物層の影響が大きく
σsが低下するので好ましくない。
【0032】特に、本発明の磁性層の飽和磁束密度を2
500ガウス以上とするためには、使用する強磁性粉末
の飽和磁化量σsは、少なくとも120emu/gのも
のを使用ことが望ましい。そして、磁性層中の強磁性粉
末の充填度(Bm/4πσs)をできるだけ大きくするこ
とが有効である。
【0033】なお、飽和磁化量及び抗磁力等の強磁性粉
末の磁気特性は、VSM−PI(東英工業製)を用い最
大印加磁場10kOeとして測定した値である。また比
表面積はカンターソーブ(米国、カンタークロム社製)
を用い250℃、30分間窒素雰囲気で脱水後BET一
点法(分圧0.30)で測定した値である。
【0034】これら強磁性粉末の含水率は0.01乃至
2重量%とするのが好ましい。含水率は結合剤樹脂の種
類によって最適化するのが好ましい。強磁性粉末のpH
も用いる結合剤樹脂との組み合わせにより最適化するの
が好ましい。その範囲は4乃至12であるが好ましくは
5乃至11である。
【0035】本発明の磁気記録媒体における磁性層の結
合剤樹脂は、結合剤樹脂には、従来公知の熱可塑系樹
脂、熱硬化系樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用
できる。熱可塑系樹脂としては、ガラス転移温度が−1
00乃至150℃、数平均分子量が1000乃至200
000、好ましくは10000乃至100000、重合
度が約50乃至1000程度のものである。
【0036】このような結合剤樹脂のとしては、塩化ビ
ニル、酢酸ビニル、ビニルアルコ−ル、マレイン酸、ア
クルリ酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アク
リロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、
スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラ−ル、
ビニルアセタ−ル、ビニルエ−テル、等を構成単位とし
て含む重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種
ゴム系樹脂がある。
【0037】また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂とし
てはフェノ−ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化
型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アク
リル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコ−ン樹
脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイ
ソシアネ−トプレポリマ−の混合物、ポリエステルポリ
オ−ルとポリイソシアネ−トの混合物、ポリウレタンと
ポリイソシアネートの混合物等があげられる。
【0038】前記の結合剤樹脂に、より優れた強磁性粉
末の分散効果と磁性層の耐久性を得るためには必要に応
じ、COOM,SO3M、OSO3M、P=O(OM)
2、O−P=O(OM)2、(以上につきMは水素原子、
またはアルカリ金属塩基)、OH、NR2、N+3(R
は炭化水素基)エポキシ基、SH、CN、などから選ば
れる少なくともひとつ以上の極性基を共重合または付加
反応で導入したものををもちいることが好ましい。この
ような極性基の量は10-1乃至10-8モル/gであり、好
ましくは10-2乃至10-6モル/gである。
【0039】本発明の磁気記録媒体に用いられる結合剤
樹脂は、強磁性粉末に対し、5乃至50重量%の範囲、
好ましくは10乃至30重量%の範囲で用いられる。塩
化ビニル系樹脂を用いる場合は5乃至100重量%、ポ
リウレタン樹脂合を用いる場合は2乃至50重量%、ポ
リイソシアネ−トは2乃至100重量%の範囲でこれら
を組み合わせて用いるのが好ましい。
【0040】また、磁性層の強磁性粉末の充填度は、使
用した強磁性粉末の最大飽和磁化量σs及び最大磁束密
度Bmから計算でき(Bm/4πσs)となり、本発明に
おいてはその値は、望ましくは1.7g/cc以上であ
り、更に望ましくは1.9g/cc以上、最も好ましく
は2.1g/cc以上である。
【0041】本発明において、ポリウレタンを用いる場
合はガラス転移温度が−50乃至100℃、破断伸びが
100乃至2000%、破断応力は0.05乃至10k
g/cm2、降伏点は0.05乃至10kg/cm2が好
ましい。
【0042】本発明にもちいるポリイソシアネ−トとし
ては、トリレンジイソシアネ−ト、4−4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシア
ネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ナフチレン−
1,5−ジイソシアネ−ト、o−トルイジンジイソシア
ネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、トリフェニルメ
タントリイソシアネ−ト等のイソシアネ−ト類、また、
これらのイソシアネ−ト類とポリアルコールとの生成
物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポ
リイソシアネ−ト等を使用することができる。これらの
イソシアネート類の市販されている商品名としては、日
本ポリウレタン社製、コロネートL、コロネ−トHL,
コロネ−ト2030、コロネ−ト2031、ミリオネ−
トMRミリオネ−トMTL、武田薬品社製、タケネ−ト
D−102,タケネ−トD−110N、タケネ−トD−
200、タケネ−トD−202、住友バイエル社製、デ
スモジュ−ルL,デスモジュ−ルIL、デスモジュ−ル
Nデスモジュ−ルHL,等がありこれらを単独または硬
化反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組合せ
でもちいることができる。
【0043】本発明の磁気記録媒体の磁性層中には、通
常、潤滑剤、研磨剤、分散剤、帯電防止剤、分散剤、可
塑剤、防黴剤等などを始めとする種々の機能を有する素
材をその目的に応じて含有させる。
【0044】本発明の磁性層に使用する潤滑剤として
は、ジアルキルポリシロキサン(アルキルは炭素数1乃
至5個)、ジアルコキシポリシロキサン(アルコキシは
炭素数1乃至4個)、モノアルキルモノアルコキシポリ
シロキサン(アルキルは炭素数1乃至5個、アルコキシ
は炭素数1乃至4個)、フェニルポリシロキサン、フロ
ロアルキルポリシロキサン(アルキルは炭素数1乃至5
個)などのシリコンオイル;グラファイト等の導電性微
粉末;二硫化モリブデン、二硫化タングステンなどの無
機粉末あ;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン塩化ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン等
のプラスチック微粉末;α−オレフィン重合物;常温で
液状の不飽和脂肪族炭化水素(n−オレフィン二重結合
が末端の炭素に結合した化合物、炭素数約20);炭素
数12乃至20個の一塩基性脂肪酸と炭素数3乃至12
個の一価のアルコールから成る脂肪酸エステル類、フル
オロカーボン類等が使用できる。
【0045】中でも脂肪酸エステルがもっと好ましい。
脂肪酸エステルの原料となる アルコールとしてはエタ
ノール、ブタノール、フェノール、ベンジルアルコー
ル、2−メチルブチルアルコール、2−ヘキシルデシル
アルコール、プロピレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピ
レングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、s−ブチルアルコール等の系
モノアルコール類、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ソル
ビタン誘導体等の多価アルコールが挙げられる。同じく
脂肪酸としては酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、2−
エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステア
リン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、アラキン酸、オレイ
ン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、パルミ
トレイン酸等の脂肪族カルボン酸またはこれらの混合物
が挙げられる。
【0046】脂肪酸エステルとしての具体例は、ブチル
ステアレート、s−ブチルステアレート、イソプロピル
ステアレート、ブチルオレエート、アミルステアレー
ト、3−メチルブチルステアレート、2−エチルヘキシ
ルステアレート、2−ヘキシルデシルステアレート、ブ
チルパルミテート、2−エチルヘキシルミリステート、
ブチルステアレートとブチルパルミテートの混合物、ブ
トキシエチルステアレート、2−ブトキシ−1−プロピ
ルステアレート、ジプロピレングリコールモノブチルエ
ーテルをステアリン酸でアシル化したもの、ジエチレン
グリコールジパルミテート、ヘキサメチレンジオールを
ミリスチン酸でアシル化してジオールとしたもの、グリ
セリンのオレエート等の種々のエステル化合物を挙げる
ことができる。
【0047】さらに、磁気記録媒体を高湿度下で使用す
るときしばしば生ずる脂肪酸エステルの加水分解を軽減
するために、原料の脂肪酸及びアルコールの分岐/直
鎖、シス/トランス等の異性構造、分岐位置を選択する
ことがなされる。これらの潤滑剤は結合剤100重量部
に対して0.2乃至20重量部の範囲で添加される。
【0048】潤滑剤としては、更に以下の化合物を使用
することもできる。即ち、シリコンオイル、グラファイ
ト、二硫化モリブデン、窒化ほう素、弗化黒鉛、フッ素
アルコール、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキ
ル燐酸エステル、二硫化タングステン等である。
【0049】本発明の磁性層に用いられる研磨剤として
は、一般に使用される材料で溶融アルミナ、炭化珪素、
酸化クロム(Cr2 3 )、コランダム、人造コランダ
ム、ダイアモンド、人造ダイアモンド、ザクロ石、エメ
リー(主成分:コランダムと磁鉄鉱)等が使用される。
これらの研磨剤はモース硬度が6以上である。具体的な
例としては住友化学社製、AKP−10、AKPー1
2、AKP−15、20AKP−30,AKP−50、
AKP−1520、AKP−1500、HIT-50、
HIT-100、日本化学工業社製、G5,G7,S−
1、酸化クロムK、上村工業社製UB40B、不二見研
磨剤社製WA8000、WA10000、戸田工業社製
TF140,TF180などが上げられる。平均粒子径
が0.05乃至3μmの大きさのものが効果があり、好
ましくは0.1乃至1.5μmである。これら研磨剤は
磁性体100重量部に対して1乃至20重量部、望まし
くは1乃至15重量部の範囲で添加される。1重量部よ
り少ないと十分な耐久性が得られず、20重量部より多
すぎると表面性、充填度が劣化し、飽和磁束密度Bm及
びΔMの点で本発明の構成をとることができなくなる。
これらの研磨剤はあらかじめ結合剤で分散処理したのち
磁性塗料中に添加してもかまわない。これらの研磨剤は
あらかじめ結合剤で分散処理したのち磁性塗料中に添加
してもかまわない。
【0050】本発明の磁気記録媒体の磁性層中には、前
記非磁性粉末の他に帯電防止剤として導電性粒子を含有
することもできる。特に、カーボンブラックを添加する
ことは、媒体全体の表面電気抵抗を下げる点で好まし
い。本発明に使用できるカ−ボンブラックはゴム用ファ
−ネス、ゴム用サ−マル、カラ−用ブラック、アセチレ
ンブラック、等を用いることができる。比表面積は5乃
至500m2/g、DBP吸油量は10乃至1500m
l/100g、粒子径は5mμ乃至300mμ、PHは
2乃至10、含水率は0.1乃至10%、タップ密度は
0.1乃至1g/cc、が好ましい。本発明に用いられ
るカ−ボンブラックの具体的な例としてはキャボット社
製、BLACKPEARLS 2000、1300、1
000、900、800,700、VULCAN XC
−72、旭カ−ボン社製、#80、#60,#55、#
50、#35、三菱化成工業社製、#3950B、#2
400B、#2300、#900,#1000#30,
#40、#10B、コンロンビアカ−ボン社製、CON
DUCTEX SC、RAVEN 150、50,4
0,15、ライオンアグゾ社製ケッチェンブラックE
C、ケッチェンブラックECDJ−500、ケッチェン
ブラックECDJ−600などが挙などがあげられる。
カ−ボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂
でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイ
ト化したものを使用してもかまわない。また、カ−ボン
ブラックを磁性塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で
分散してもかまわない。磁性層にカ−ボンブラックを使
用する場合は磁性体に対する量は0.1乃至30重量%
でもちいることが好ましい。さらに非磁性層には全非磁
性粉体に対し3乃至20重量%含有させることが好まし
い。
【0051】一般的にカ−ボンブラックは帯電防止剤と
してだけでなく、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向
上などの働きがあり、これらは用いるカ−ボンブラック
により異なる。従って本発明に使用されるこれらのカ−
ボンブラックは、その種類、量、組合せを変え、粒子サ
イズ、吸油量、電導度、PHなどの先に示した諸特性を
もとに目的に応じて使い分けることはもちろん可能であ
る。使用できるカーボンブラックは例えば「カ−ボンブ
ラック便覧」カ−ボンブラック協会編を参考にすること
ができる。
【0052】本発明の磁気記録媒体の磁性層の下層に非
磁性層を形成する場合の非磁性層は、強磁性粉末を結合
剤樹脂中に分散した層である。その非磁性層に使用され
る非磁性粉末には、種々のものが使用できる。例えば、
α化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−
アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α
−酸化鉄、コランダム、窒化珪素、チタンカ−バイト、
酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸
カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどが単独
または組合せで使用される。これら非磁性粉末の粒子サ
イズは0.01乃至2μが好ましいが、必要に応じて粒
子サイズの異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の
非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせ
ることもできる。タップ密度は0.3乃至2g/cc、
含水率は0.1乃至5重量%%、pHは2乃至11、比
表面積は1乃至60m2/g、が好ましい。前記非磁性
粉末の形状は針状、球状、サイコロ状、のいずれでも良
い。本発明に用いられる非磁性粉末の具体的な例として
は、住友化学社製、AKP−20、AKP−30,AK
P−50、HIT−50、日本化学工業社製、G5,G
7,S−1、戸田工業社製、TF−100,TF−12
0,TF−140、石原産業社製TT055シリーズ、
ET300W、チタン工業社製STT30などがあげら
れる。
【0053】また、非磁性層中に磁性層に使用できる前
記の潤滑剤や導電性粒子を添加することは、磁性層が極
めて薄く、磁性層の飽和磁束密度Bmを2500ガウス
以上に保持して、且つΔMを特定の値にするためにも磁
性層中への添加量が限定されているだけに有効であり、
好ましい。
【0054】これら潤滑剤は非磁性層にも磁性層と同様
のものが選択、添加することができ、その添加量は全非
磁性粉末100重量部に対して0.2乃至30重量部の
範囲で添加される。潤滑剤を非磁性層中に添加すること
により、磁性層中に不足する部分を補うことができる。
特に、この効果は、磁性層が1μm以下と薄い場合に磁
性層が保持できる潤滑剤の量に限界があるので有効であ
る。また、非磁性層の結合剤樹脂は、磁性層のものと同
様のものが使用できる。
【0055】本発明の磁気記録媒体の磁性層と非磁性支
持体との間に非磁性層を形成する際の塗布方法は、特に
限定されることなく従来から公知の塗布法を用いること
ができるが、中でも非磁性支持体上に塗布された非磁性
層用塗布層がまだ湿潤状態にあるうちに、磁性層用塗布
液をその上に塗布する湿式同時重層塗布法等のいわゆる
ウェット・オン・ウェット方式が最も好ましい。この塗
布方式を採用することにより、非磁性層に対する磁性層
の密着性を高めることができ、磁性層の厚さが1.0μ
mと非常に薄くとも磁性層の剥れがなく、ドロップ・ア
ウトが生じにくい走行耐久性の優れた磁気記録媒体を得
ることができる。
【0056】他の塗布方式、例えば、非磁性塗布液を塗
布して、一旦、乾燥して非磁性層を形成してからその上
に磁性層を塗布する方式では、磁性層が薄くなると、非
磁性層と磁性層との密着性が低下して非磁性支持体上に
形成された層として、2層が一体的な構造になり難かっ
た。
【0057】前記のウェット・オン・ウェット方式の具
体的な方法としては、
【0058】(1)磁性塗料で一般的に用いられるグラビ
ア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョ
ン塗布装置によりまず下層を塗布し、その層がまだ湿潤
状態にあるうちに、例えば、特公平1−46186号公
報、特開昭60−238179合公報及び特開平2−2
65672号公報に開示されている非磁性支持体加圧型
エクストルージョン塗布装置により上層を塗布する方
法、
【0059】(2) 特開昭63−88080号公報、特
開平2−17971号公報及び特開平2−265672
号公報に開示されているような塗布液通液スリットを二
つ内蔵した塗布ヘッドにより、下層の塗布液及び上層の
塗布液をほぼ同時に塗布する方法、
【0060】(3)特開平2−174965号公報に開示
されているバックアップロール付きエクストルージョン
塗布装置により、上層及び下層をほぼ同時に塗布する方
法、等が挙げられる。
【0061】ウェット・オン・ウェット方式で塗布する
場合、磁性層用塗布液と非磁性層用塗布液の流動特性は
できるだけ近い方が、塗布された磁性層と非磁性層の界
面の乱れがなく厚さが均一な厚み変動の少ない磁性層を
得ることができる。塗布液の流動特性は、塗布液中の粉
末粒子と結合剤樹脂の組み合わせに強く依存するので、
特に、非磁性層に使用する非磁性粉末の選択に留意する
必要がある。
【0062】本磁気記録媒体の非磁性支持体は、通常、
1乃至100μm、望ましくは3乃至20μm、非磁性
層としては、0.5乃至10μm、である。また、前記
磁性層及び前記非磁性層以外の他の層を目的に応じて形
成することは、前記磁性層を最上層にして、前記非磁性
層をその下層にする構成である限り許される。例えば、
非磁性支持体と下層の間に密着性向上のための下塗り層
を設けてもかまわない。この厚みは0.01乃至2μ
m、好ましくは0.05乃至0.5μmである。また、
非磁性支持体性の磁性層側と反対側にバックコ−ト層を
設けてもかまわない。この厚みは0.1乃至2μm、好
ましくは0.3乃至1.0μmである。これらの中間
層、バックコ−ト層は公知のものが使用できる。円盤状
磁気記録媒体の場合、両面もしくは両面に上記層構成を
設けることができる。
【0063】本発明で使用される非磁性支持体には特に
制限はなく、通常使用されているものを用いることがで
きる。非磁性支持体を形成する素材の例としては、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレ、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリサルホ
ン、ポリエーテルサルホン等の各種合成樹脂のフィル
ム、およびアルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔
を挙げることができる。
【0064】本発明の目的を有効に達成するには、非磁
性支持体の表面粗さは、中心線平均表面粗さRa(カッ
トオフ値0.25mm)で0.03μm以下、望ましく
0.02μm以下、さらに望ましく0.01μm以下で
ある。また、これらの非磁性支持体は単に前記中心線平
均表面粗さが小さいだけではなく、1μm以上の粗大突
起がないことが好ましい。また表面の粗さ形状は必要に
応じて非磁性支持体に添加されるフィラ−の大きさと量
により自由にコントロ−ルされるものである。これらの
フィラ−の一例としては、Ca,Si、Tiなどの酸化
物や炭酸塩の他、アクリル系などの有機樹脂微粉末があ
げられる。本発明に用いられる非磁性支持体のウエブ走
行方向のF−5値は好ましくは5乃至50kg/m
2、ウエブ幅方向のF−5値は好ましくは3乃至30
kg/ mm2であり、ウエブ長い手方向のF−5値がウ
エブ幅方向のF−5値より高い のが一般的であるが、
特に幅方向の強度を高くする必要があるときはその限り
でない。
【0065】また、支持体のウエブ走行方向および幅方
向の100℃30分での熱収縮率は好ましくは3%以
下、さらに望ましくは1.5%以下、80℃30分での
熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに望ましくは0.
5%以下である。破断強度は両方向とも5乃至100k
g/mm2、弾性率は100乃至2000kg/mm2
望ましい。
【0066】本発明で用いられる有機溶媒は任意の比率
でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホ
ロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノ−
ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、イソブチ
ルアルコ−ル、イソプロピルアルコール、メチルシクロ
ヘキサノール、などのアルコ−ル類、酢酸メチル、酢酸
ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチ
ル、酢酸グリコ−ル等のエステル類、グリコ−ルジメチ
ルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサ
ン、などのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、などの芳
香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロラ
イド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒド
リン、ジクロルベンゼン、等の塩素化炭化水素類、N,
N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等のものが使用で
きる。これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではな
く、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解
物、酸化物、水分等の不純分がふくまれてもかまわな
い。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好
ましくは10%以下である。本発明で用いる有機溶媒は
必要ならば磁性層と中間層でその種類、量を変えてもか
まわない。、第一層に揮発性の高い溶媒をもちい表面性
を向上させる、第一層に表面張力の高い溶媒(シクロヘ
キサノン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性をあげ
る、第二層の溶解性パラメ−タの高い溶媒を用い充填度
を上げるなどがその例としてあげられるがこれらの例に
限られたものではないことは無論である。
【0067】本発明の磁気記録媒体は、前記強磁性粉末
と結合剤樹脂、及び必要ならば他の添加剤と共に有機溶
媒を用いて混練分散し、磁性塗料を非磁性支持体上に塗
布し、必要に応じて配向、乾燥して得られる。
【0068】本発明の磁気記録媒体の磁性塗料を製造す
る工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれ
らの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からな
る。個々の工程はそれぞれ2段階以上にわかれていても
かまわない。本発明に使用する磁性体、結合剤、カ−ボ
ンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などす
べての原料はどの工程の最初または途中で添加してもか
まわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割し
て添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練
工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で
分割して投入してもよい。
【0069】磁性塗料の混練分散に当たっては各種の混
練機が使用される。例えば、二本ロールミル、三本ロー
ルミル、ボールミル、ペブルミル、トロンミル、サンド
グラインダー、ゼグバリ(Szegvari)、アトラ
イター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高
速衝撃ミル、ディスパー、ニーダー、高速ミキサー、ホ
モジナイザー、超音波分散機などを用いることができ
る。
【0070】本発明の目的を達成するためには、従来の
公知の製造技術のを一部の工程としてを用いることがで
きることはもちろんであるが、混練工程では連続ニ−ダ
や加圧ニ−ダなど強い混練力をもつものを使用すること
により初めて本発明の磁気記録媒体の高いBmを得るこ
とができる。連続ニ−ダまたは加圧ニ−ダを用いる場合
は磁性体と結合剤のすべてまたはその一部(ただし全結
合剤の30%以上が好ましい)および磁性体100重量
部に対し15乃至500重量部の範囲で混練処理され
る。これらの混練処理の詳細については特開平1−10
6338号公報、特開昭64−79274号公報に記載
されている。本発明では、特開昭62−212933に
示されるような同時重層塗布方式をもちいることにより
より効率的に生産することが出来る。
【0071】本発明の磁気記録媒体の磁性層中に含まれ
る残留溶媒は好ましくは100mg/m2以下、さらに
好ましくは10mg/m2以下であり、磁性層に含まれ
る残留溶媒が非磁性層に含まれる残留溶媒より少ないほ
うが好ましい。
【0072】磁性層が有する空隙率は非磁性層、磁性層
とも好ましくは30容量%以下、さらに好ましくは10
容量%以下である。非磁性層の空隙率が磁性層の空隙率
より大きいほうが好ましいが非磁性層の空隙率が5容量
%以上であれば小さくてもかまはない。
【0073】本発明の磁気記録媒体は非磁性層と磁性層
を有するが、目的に応じ非磁性層と磁性層でこれらの物
理特性を変えることができるのは容易に推定されること
である。例えば、磁性層の弾性率を高くし走行耐久性を
向上させると同時に非磁性層の弾性率を磁性層より低く
して磁気記録媒体のヘッドへの当りを良くするなどであ
る。
【0074】このような方法により、支持体上に塗布さ
れた磁性層は必要により層中の強磁性粉末を配向させる
処理を施したのち、形成した磁性層を乾燥する。又必要
により表面平滑化加工を施したり、所望の形状に裁断し
たりして、本発明の磁気記録媒体を製造する。以上の磁
性層用の組成物および非磁性層用の組成物を溶剤と共に
分散して、得られた塗布液を非磁性体上に塗布し、配向
乾燥して、磁性層を非磁性支持体上に形成して磁気記
録媒体をえる。
【0075】磁性層の0.5%伸びでの弾性率はウエブ
塗布方向、幅方向 とも望ましくは100乃至2000
kg/mm2、破断強度は望ましくは1乃至30 kg/
cm 2、磁気記録媒体の弾性率はウエブ塗布方向、幅方
向とも望ましくは 100乃至1500kg/mm2、残
留のびは望ましくは0.5%以下、100℃ 以下のあ
らゆる温度での熱収縮率は望ましくは1%以下、さらに
望ましくは0.5%以下、もっとも望ましくは0.1%
以下である。
【0076】本発明の磁気記録媒体は、ビデオ用途、オ
ーディオ用途などのテープであってもデータ記録用途の
フロッピーディスクや磁気ディスクであってもよいが、
ドロップ・アウトの発生による信号の欠落が致命的とな
るデータ記録用途のディスク状媒体に対しては特に有効
である。更に、磁性層の厚さを1μm以下とすることに
より、電磁変換特性が高い、重ね書き特性が優れた高密
度で高容量の磁気記録ディスクを得ることができる。
【0077】本発明の新規な特長を以下の実施例で具体
的に説明する。
【0078】
【実施例】本発明を実施例に従って具体的に説明する。
なお実施例中の「部」は「重量部」を示す。
【0079】〔実施例1〕 (非磁性層用の組成物) 非磁性粉末 針状α−Fe2O3 80部 (平均粒子長0.25μm、平均針状比12 BET法による表面積 35m2/g pH4.0) カーボンブラック 20部 (平均一次粒子径 16nm、 DBP及油量 80ml/100g BET法による表面積 235m2/g pH8.0) 結合剤樹脂 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 10部 (−N(CH33+Cl-の極性基を5×10-6eq/g含有 モノマー組成比 86:13:1 重合度 400) ポリエステルポリウレタン樹脂 8部 (基本骨格:1,4−BD/フタル酸/HMDI 分子量: 10200 水酸基: 0.23×10-3eq/g含有 −SO3Na基:1×10-4eq/g含有 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2.5部 メチルエチルケトンとシクロヘキサノン1:1混合溶剤 200部
【0080】 (磁性層用組成物) 強磁性粉末 100部 (組成:Fe/Ni/Co 91/4/5 焼結防止剤: アルミ−シリカ Hc:1580Oe、σs 130emu/g 比表面積 57m2/g 平均長軸長 0.18μm 針状比10 結晶子サイズ 170オングストローム) 結合剤樹脂 塩化ビニル共重合体 12部 (−SO3Na基を1×10-4eq/g含有 重合度 300 ポリエステルポリウレタン樹脂 3部 (ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MD I=0.9/2.6/1 −SO3Na基 1×10-4eq/g含有) α−アルミナ(平均粒子サイズ 0.2μm) 1.5部 カーボンブラック(平均粒子サイズ 100nm) 0.5部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 メチルエチルケトンとシクロヘキサノン1:1混合溶剤 200部
【0081】上記の非磁性層用組成物及び磁性層用組成
物のそれぞれにをニーダーで混練した後,サンドグライ
ンダーを使用して分散した。得られた分散液にポリイソ
シアネートを非磁性下層の塗布液には5部,第2層の塗
布液には 6部を加え,さらにメチルエチルケトンとシ
クロヘキサノン1:1混合溶剤を20部加え,1μmの
平均孔径を有するフィルターを使用して濾過し,非磁性
層形成用および磁性層形成用の塗布液を調整した。
【0082】得られた非磁性層用の塗布液を乾燥後の厚
さが2μmとなるように塗布し、さらにその直後非磁性
層用塗布層がまだ湿潤状態にあるうちに、その上に磁性
層の厚みが所定の厚みとなるように厚さ7μmのポリエ
チレンテレフタレート支持体上に湿式同時重層塗布を行
い,両層がまだ湿潤状態にあるうちにSm−Co磁石
(表面磁束3000ガウス)とソレノイド電磁石(表面
磁束1500ガウス)により強磁性粉末の磁場配向を行
って、次いで磁性層を乾燥後,金属ロールより構成され
る7段カレンダーでロール温度を90℃にしてカレンダ
ー処理を施して,ウェッブ状の磁気記録媒体を得、それ
を8mm幅にスリットして8mmビデオテープのサンプ
ルを作成した(実施例1−1〜1−3)。
【0083】別途、下層の非磁性層を形成せずに磁性層
厚が1.5μmまたは2.5μmとなるように非磁性支
持体上に直接塗布したサンプルを作成し比較例1−1ま
たは1−2とした。磁気特性は東英工業製の振動試料形
磁力計VSM−5を使用し、印加磁場5kOeで測定し
た。
【0084】また、得られたサンプルにつきΔMを測定
した。その結果を図1〜図3に示す。図1は実1−2,
図2は実1−3,図3は比1−2のH−ΔM曲線を示す
図である。なお、実1−1のΔMは図1とほぼ同様であ
り,比1−1のΔMは図3とほぼ同様であった。このよ
うなΔMの図から各サンプルの抗磁力Hcのそれぞれ1
/2倍、1倍及び1.5倍の磁場でのΔMを読み取った
結果を以下の表1及び表2に示した。
【0085】富士写真フィルム(株)製8mmビデオデ
ッキ、FUJIX8 を使用して1MHzと7MHzの信号を
記録し,これらの信号を再生した時の再生出力をオシロ
スコープから読み取って測定した。
【0086】一方、C/NはオシロスコープからRF出
力のピーク値を読み取った7MHzのビデオ感度、シバ
ソク製925R−1 NTSCカラーノイズメーターで
測定した6MHzのノイズから求めた。測定結果を以下
の表1に示す。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】〔実施例2〕 (磁性層の組成) 強磁性粉末 100部 (組成:Fe/Ni/Co 91/4/5 焼結防止剤: アルミ−シリカ Hc:1610Oe、σs 135emu/g 比表面積 40m2/g 平均長軸長 0.30μm 針状比12 結晶子サイス゛サイズ 230オングストローム) 結合剤樹脂 塩化ビニル共重合体 12部 (−SO3Na基を1×10-4eq/g含有 重合度 300 ポリエステルポリウレタン樹脂 3部 (ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MD I=0.9/2.6/1 −SO3Na基 1×10-4eq/g含有) α−アルミナ(平均粒子サイズ 0.2μm) 1.5部 カーボンブラック(平均粒子サイズ 100nm) 0.5部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 メチルエチルケトンとシクロヘキサノン1:1混合溶剤 200部
【0090】実施例1と同一の条件で上記組成の磁性層
用塗布液を作成し、実施例1で作成した非磁性層用塗布
液を乾燥後の厚さが3μmとなるように、さらにその直
後に非磁性層塗布層が湿潤状態にある内にその上に磁性
層の乾燥後の厚さが0.4μmとなるように,厚さ70
μmのポリエチレンテレフタレートの非磁性支持体上に
湿式同時重層塗布を行い,そして両層がまだ湿潤状態に
あるうちにランダム配向し、乾燥した。ついで未塗布側
に,実施例1で作成した非磁性下層塗布液を乾燥後の厚
さが3μmとなるようにさらにその直後にその上に上層
磁性層の厚みが0.4μmの厚みとなるように同時重層
塗布を行い,両層がまだ湿潤状態にあるうちにランダム
磁場配向し乾燥した。金属ロールより構成される7段カ
レンダーでロール温度を70℃としカレンダー処理を
し,3.5インチのディスク状に打ち抜いて、フロッピ
ーディスクのサンプルを作成した。
【0091】また、別途、比較の為に両面とも非磁性層
を設けることなく磁性層厚みが2μmとなるように非磁
性支持体上に直接塗布し,ランダム磁場配向し乾燥し
た。金属ロールより構成される7段カレンダーでロール
温度を70℃としカレンダー処理をし,3.5インチの
フロッピーディスクのサンプルを作成した。磁気特性は
東英工業製の振動試料型磁力計VSMー5を使用し,印
加磁場5kOeで測定した。得られたサンプルにつき実
施例1と同一の条件でΔMを測定した。図4は実施例2
−1,比較例2のΔMは図3とほぼ同様の変化を示し
た。これらの図から磁性層の抗磁力Hcの1/2倍,1
倍,1.5倍の測定磁場におけるΔMを読み取った結果
を表3及び表4に表した。
【0092】なお、3.5インチフロッピーディスク用
の改造ドライブ(ヘッドギャップ0.25μmのMIG
ヘッドを使用)を使用し15kFRPI,100kFRPIの信号
を記録再生したときの出力を測定した。
【0093】〔比較例3〕実施例1−2において、強磁
性粉末を下記の板状の粒子からなる強磁性バリウムフェ
ライト粉末に変えた以外は、実施例1−2と同一の条件
で8mmビデオテープのサンプルを作成した。その磁性
層のH−ΔM曲線が図5である。Fe3+の一部をCo−
Ti置換した六方晶バリウムフェライト (平均粒子径(板径):0.05μm、平均板状比(板
径/板厚):3比表面積:35m2/g、抗磁力Hc:
1150 Oe、飽和磁化量:60emu/g)
【0094】
【表3】
【0095】
【表4】
【0096】〔実施例3〕 (磁性層用の組成物)実施例1において、磁性層の組成
を以下のものに変えた以外は、実施例1と同一の条件で
8mmビデオテープのサンプルを作成した。 (磁性層の組成) 強磁性粉末 100部 (組成:Fe/Ni/Co 91/4/5 焼結防止剤: アルミ−シリカ Hc:1550Oe、σs 120emu/g 比表面積 53m2/g 平均長軸長 0.15μm 針状比10 結晶子サイス゛サイズ 160オングストローム) 結合剤樹脂 塩化ビニル共重合体 15部 (−SO3Na基を1×10-4eq/g含有 重合度 300 ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 (ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MD I=0.9/2.6/1 −SO3Na基 1×10-4eq/g含有) α−アルミナ(平均粒子サイズ 0.2μm) 10部 カーボンブラック(平均粒子サイズ 100nm) 2.5部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 メチルエチルケトンとシクロヘキサノン1:1混合溶剤 200部
【0097】〔比較例4〕 (磁性層用の組成物)実施例1において、磁性層の組成
を以下のものに変えた以外は、実施例1と同一の条件で
8mmビデオテープのサンプルを作成した。 (磁性層の組成) 強磁性粉末 100部 (組成:Fe/Ni/Co 91/4/5 焼結防止剤: アルミ−シリカ Hc:1550Oe、σs 120emu/g 比表面積 53m2/g 平均長軸長 0.15μm 針状比10 結晶子サイス゛サイズ 160オングストローム) 結合剤樹脂 塩化ビニル共重合体 15部 (−SO3Na基を1×10-4eq/g含有 重合度 300 ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 (ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MD I=0.9/2.6/1 −SO3Na基 1×10-4eq/g含有) α−アルミナ(平均粒子サイズ 0.2μm) 15部 カーボンブラック(平均粒子サイズ 100nm) 4部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 メチルエチルケトンとシクロヘキサノン1:1混合溶剤 200部 実施例3及び比較例4の評価結果を、表5及び表6に示
す。
【0098】
【表5】
【0099】
【表6】
【0100】
【発明の効果】磁性層の飽和磁束密度Bmが2500ガ
ウス以上にして、且つレマネンス曲線から得られる交流
消磁状態からのACレマネンスと直流消磁状態からのD
Cレマネンスとの差分ΔMを磁性層のHc以下の測定磁
場の範囲で負となる領域を有する様にすることにより、
塗布型磁気記録媒体のC/Nを金属薄膜型磁気記録媒体
と匹敵し得るような特性とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1−2のH−ΔM曲線を表すグラフであ
る。
【図2】実施例1−3のH−ΔM曲線を表すグラフであ
る。
【図3】比較例1−2のH−ΔM曲線を表すグラフであ
る。
【図4】実施例2−1のH−ΔM曲線を表すグラフであ
る。
【図5】比較例3のH−ΔM曲線を表すグラフである。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に強磁性粉末及び結合剤
    樹脂を主体とする磁性層を有する磁気記録媒体におい
    て、該磁性層の飽和磁束密度Bmが2500ガウス以上
    であって、且つレマネンス曲線から得られる交流消磁状
    態からのACレマネンスと直流消磁状態からのDCレマ
    ネンスとの差分△M={Id(H)+2Ir(H)−I
    r(∞)}/Ir(∞)が磁性層の抗磁力Hc以下の測
    定磁場Hで負となる範囲を有し、前記磁性層の厚さが1
    μm以下であり、且つ前記強磁性粉末は抗磁力が150
    0乃至2500Oeの強磁性金属粉末であることを特徴
    である磁気記録媒体。ここで、Id(H)は直流消磁し
    て測定したときの残留磁化、Ir(H)は交流消磁して
    測定したときの残留磁化、Ir(∞)は印加磁界を10
    KOe(エルステッド)としたときの残留磁化である。
  2. 【請求項2】 前記磁性層と前記非磁性支持体との間に
    非磁性粉末と結合剤とを主体とする非磁性層を有する
    求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記磁性層は、前記非磁性層の塗布層が
    湿潤状態にあるうちに該塗布層上に磁性層用塗布液を塗
    布することにより形成されたものである請求項2に記載
    の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記非磁性層中に導電性粒子を含有する
    請求項2又は請求項3に記載の磁気記録媒体。
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