JP2789603B2

JP2789603B2 - ロツドアンテナ装置

Info

Publication number: JP2789603B2
Application number: JP63150459A
Authority: JP
Inventors: 裕一村上; 清一家田; 富夫保田
Original assignee: Aisin Seiki Co Ltd
Current assignee: Aisin Corp
Priority date: 1988-06-17
Filing date: 1988-06-17
Publication date: 1998-08-20
Anticipated expiration: 2013-08-20
Also published as: JPH01318303A

Description

【発明の詳細な説明】〔発明の目的〕（産業上の利用分野）本発明は、AM,FMラジオ受信機，テレビ受信機や各種
無線機，例えば、MCA（マルチチャンネルアクセス）無
線機，パーソナル無線機，アマチュア無線機，無線電
話，などのAM,FM,VHF,UHF帯あたりの周波数帯において
使用する受信用・送信用のアンテナに利用でき、特にA
M,FM帯を受信しつつVHF,UHF帯に送信をおこなうロッド
アンテナ装置に関する。また、本発明は、伸縮自在なロ
ッドアンテナ装置に関し、車載用に適する。

（従来の技術）従来において、例えば車載用などで未使用時にボデイ
内に収納できるように伸縮自在なロッドアンテナ装置が
開発されている。この種のロッドアンテナ装置は、例え
ば、特開昭59-30305号公報に開示されている。

特開昭59-30305号公報の第１図および第２図に開示さ
れたロッドアンテナ装置では、ロッドアンテナのエレメ
ント1a,1b,…,1iのうちの最下段であるエレメント1a
は、絶縁物２を介して金属製の固定エレメント３で保持
されている。この固定エレメント３は締付け金具４によ
り車のボデイ５と接続され、保持されている。最下段の
エレメント1aは、同軸コネクタ６の内部導体７に接続さ
れた接点バネ８と接触する構造になっている。最下段の
エレメント1aの最下部９はストッパーであり、接点バネ
８より上に抜けない構造になっている。エレメント1iに
は可撓性ワイヤー10が接続されており、ロッドアンテナ
のエレメント1a,1b,…1iを伸縮させる。この様な構造の
ロッドアンテナ装置は、最下段のエレメント1aと固定エ
レメント３が近接しているため、この間に大きな静電容
量を持ち、特開昭59-30305号公報の第３図に示すよう
に、アンテナエレメントとアース間に大きな静電容量Ｃ
を持つ。このため、低い周波数帯，例えばAM,FM帯では
良好に動作するが、VHF帯やUHF帯あたりの周波数帯域で
はアンテナ基部とアース間の静電容量が大きいため、エ
レメントの長さを変えてもアンテナとして動作しなくな
る。

そこで、特開昭59-30305号公報では、AM,FM帯のみな
らず、VHF,UHF帯の高い周波数まで作動するように、最
下段のエレメントを２分割し、かつ一体化して固定エレ
メントに出入り自在な構造とした。特開昭59-30305号公
報の第４図および第５図に示すように、伸縮可能なエレ
メントの最下段のエレメント14aは14a1および14a2のよ
うに上下に２分割されている。この上側のエレメント14
a1と下側のエレメント14a2は、それぞれ内部に挿入され
た絶縁物15を介して結合されている。下側のエレメント
14a2の内部には、同軸ケーブル20が下側から挿入されて
いる。挿入された同軸ケーブル20の内部導体21は、上側
のエレメント14a1に接続され、一方、外部導体22は下側
のエレメント14a2に接続されている。したがって、アン
テナとして動作する上側のエレメント14a1より上の部分
とアースとの近接部分が少なくなり、静電容量が小さく
なるため、高周波数帯でもアンテナとして使用可能とな
る。

（発明が解決しようとする課題）しかしながら、従来のロッドアンテナ装置において
は、AM,FM帯の受信機とVHF,UHF帯の送信機を両方接続し
て、AM,FM帯の周波数を受信しながら同時にVHF,UHF帯の
周波数を送信する場合には、インピーダンスの整合がと
れず、受信・送信が不可能になったり、VHF,UHF帯の送
信機の出力が大きいとAM,FM帯の受信機が壊れてしまう
等の問題があった。

このため、例えば、自動車等の車両内においてAM,FM
ラジオとVHF,UHF帯の送信機とを使用する場合には、そ
れぞれAM,FM用とVHF,UHF用のアンテナを２本設けるか、
または分波器を使う必要があり、コストが高くなり，ま
た体積が大きくなってしまう。

そこで、本発明においては、ロッドアンテナ装置を、
AM,FM帯のみならず、VHF,UHF帯の高い周波数まで作動
し、分波器を用いずに、AM,FM帯の周波数を受信しなが
らVHF,UHF帯の周波数を送信できるロッドアンテナ装置
とすることを、第１の技術的課題となる。

また、第１の課題を達成し、かつ安価なロッドアンテ
ナ装置とすることを、第２の技術的課題とする。

〔発明の構成〕

（課題を解決するための手段）前記第１の技術的課題を解決するために本発明におい
て用いた第１の技術的手段は、ロッドアンテナ装置とし
て、アースであるボデイ上に絶縁して配設された可動エ
レメントと、該可動エレメントをその内部に収容可能な
筒状の絶縁体製の固定エレメントと、該可動エレメント
に電気的に接続された高周波数用給電部材と、その一端
が前記可動エレメントに電気的に接続されたローパスフ
ィルター、および、該ローパスフィルターの他端に接続
された低周波数用給電部材と、を備えたことである。

前記第２の技術的課題を解決するために本発明におい
て用いた第２の技術的手段は、前記第１の技術的手段に
おいて、ローパスフィルターを、一端が可動エレメント
に電気的に接続され他端が低周波数用給電部材に接続さ
れたコイルと、このコイルの一端とアース間に接続され
た第１のコンデンサと、コイルの他端とアース間に接続
された第２のコンデンサと、により構成し、また、可動
エレメント，高周波数用給電部材，ローパスフィルター
および低周波数用給電部材を収納し、ボデイに取りつけ
られた導体製の給電ケースを有しており、給電ケースと
可動エレメント間に発生する静電容量を利用し、第１の
コンデンサの容量を小さくした、ことである。

（作用）前記第１の技術的手段によれば、可動エレメントの受
けた電磁波は、そのまま高周波数用給電部材に送られ、
また、ローパスフィルターにより高周波成分を除去した
のち低周波数用給電部材に送られる。低周波数用給電部
材には低周波用の機器のみ接続するようにすれば、電磁
波の高周波成分が除去されても問題はない。また、高周
波数用給電部材に高周波数の電磁波を印加すると、可動
エレメントより高周波数の電磁波が送信される。このと
き、高周波数の電磁波は、ローパスフィルターにより除
去されるため低周波数用給電部材には到達しない。

前記第２の技術的手段によれば、第１のコンデンサの
容量を小さくできるため、第１のコンデンサとして小
型，安価なコンデンサを使用できる。

（実施例）以下、本発明の一実施例を添付図面に基づいて説明す
る。

第１図および第２図を参照する。ロッドアンテナの可
動エレメント24a,…,24h,24iは、図示上下方向に伸縮自
在に配置されている。可動エレメント24a,…,24h,24iの
うち最下段の可動エレメント24aは、固定エレメントキ
ャップ25およびストッパー44により固定エレメント36a,
36bと一体化されている。固定エレメント36aは金属製の
導体であり、固定エレメント36bは樹脂製の絶縁体であ
る。固定エレメント36bおよびストッパー44は円筒状で
あり、固定エレメント36bの内側にストッパー44が固定
されており、ストッパー44の内側に可動エレメント24a
が図示上下方向に移動可能に保持されている。可動エレ
メント24aの下部にはフランジ部が形成されており、こ
のフランジ部がストッパー44と当接することにより、可
動エレメント24aの図示上方向の抜けが防止される。

固定エレメント36aは、金属製の給電ケース30と防水
キャップ28およびエレメントアダプター27によりボデイ
29を挟み込み、樹脂製の締付け金具26で固定されてい
る。これにより、ボデイ29,給電ケース30および固定エ
レメント36aは電気的に接続されている。

AM/FM用の給電点42は、接点バネ40とAM/FM用同軸ケー
ブル35の中心導体43に電気的に接続されており、ローパ
スフィルター45を介してAM/FM用同軸ケーブル35に接続
されている。ローパスフィルター45は１個のコイル49と
２つのコンデンサ47,48によりπ型フィルターを構成し
ている。尚、コンデンサ47は、中心導体43と給電ケース
30間の静電容量を利用することにより、その容量を小さ
なものにしたり、条件によっては、全くなくしてしまう
こともできる。

VHF,UHFコネクタ31はVHF,UHFコネクタ締付けネジ32に
より給電ケース30に固定されている。VHF,UHFコネクタ3
1の内部導体41は接点バネ40と接続しており、可動エレ
メント24aと電気的に結合されている。

可撓性ワイヤー46は、最上部の可動エレメント24iに
接続されており、固定エレメント36aの内部を自由に出
入りできる構造になっている。可撓性ワイヤー46の末端
は、ロッドアンテナ駆動用モータ37の駆動により回転す
る可撓性ワイヤー巻き取りリール39に接続されており、
可撓性ワイヤー巻き取りリール39の回転に応じて可動エ
レメント24a,…,24h,24iは伸縮する。ロッドアンテナ駆
動用モーター37の駆動により可動エレメント24a,…,24
h,24iが完全に伸びきったときのロッドアンテナの長さ
をｌとすると、可動エレメント24a,…,24h,24iはエレメ
ント長さｌのモノポール素子として動作する。

第３図は、本発明のロッドアンテナ装置のVUF,UHFコ
ネクタ31に、800M〜1GHzの周波数の電磁波を加えたとき
の、AM/FM用の給電点42に漏れる電磁波の割合を示して
いる。印加した電磁波の周波数が800〜900MHzのときに
は35dB以上,900〜1000MHzのときにはほぼ45dB以上が減
衰している。したがって、VHF,UHFコネクタ31に800M〜1
GHzの周波数の電磁波を加えても、AM/FMラジオが飽和す
ることなく使用でき、AM/FMラジオの正常動作が保証で
きる。

第４図は、本発明のロッドアンテナ装置の、エレメン
ト長さがｌのときの、VHF,UHFアンテナとしての入力イ
ンピーダンスの軌跡である。周波数は800〜1000MHzであ
り、本実施例では、905〜955MHzにおいて、SWR2.0以下
となっており、送信アンテナとして使用可能であること
がわかる。

以上のように、本発明によるロッドアンテナ装置は、
可動エレメントを伸ばしたとき、最下段の可動エレメン
ト24aは固定エレメントのうちの樹脂製の固定エレメン
ト36bとのみ重なり、金属製の固定エレメント36aとは重
ならないので、可動エレメントとアース間の静電容量が
少なくなり、VHF,UHF用のアンテナとして使用できる。

また、本発明によるロッドアンテナ装置は、AM,FM用
の給電部とVHF,UHF用の給電部を設け、AM,FM用の給電部
にローパスフィルターを挿入しているので、AM,FMの送
信用および受信用のアンテナ,VHF,UHFの受信および送信
用のアンテナとして共用でき、例えば、AM/FMラジオを
接続したままでVHF,UHF帯の電磁波を送信することがで
きる。

尚、本実施例においては、AM,FM用の給電部とVHF,UHF
用の給電部の位置を可動エレメントを挟んで対称の位置
においてあるが、これれは構造上一番設置しやすい位置
に置いてあるだけであり、各給電部が他の位置関係にあ
っても本発明の効果には大きな影響はない。

また、第１図，第２図において、ボデイ29からみた可
動エレメント24a,…,24h,24iの方向が垂直ではないが、
これは設計的事項であって、垂直にしても本発明の効果
に影響はない。

本実施例のように可動エレメントが伸縮できるように
すれば、車載用のアンテナとして使用が可能になる。伸
縮自在であるので、車体内に収納すれば、洗車の際など
にアンテナを損傷してしまうことがなくなる。車載用と
して使用する場合、現在のAM/FMラジオ用のアンテナの
代わりに本発明のロッドアンテナを用いれば、車内にお
いてVHF,UHF帯の電磁波を送信，受信を行うことができ
る。これにより、VHF,UHF帯用の専用のアンテナを増設
することなく、例えば、テレビ放送の映像の受信や、フ
ァクシミリ，車内電話の送受信をおこなうことが可能に
なる。更に、本発明のように、可動エレメントの伸縮を
電動式にすれば、車内にいながら、アンテナの伸縮を操
作したり、降車時に自動的にアンテナを縮めたりするこ
とができ、車載用としてのメリットが大きい。

本実施例では、AM,FM帯の受信とVHF,UHF帯の送・受信
を行うロッドアンテナ装置について説明したが、本発明
を用いれば、例えば、AM帯とFM帯を同時に送受信する等
の他の周波数帯域においても、低周波数帯の送受信と高
周波数帯の送受信を一本のアンテナで分波器を用いずに
行うこともできる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、エレメントの受けた電磁波はそれぞ
れ高周波数用給電部材および低周波数用給電部材へ送ら
れる。高周波数用給電部材および低周波数用給電部材を
それぞれ高周波専用の受信機および低周波専用の受信機
につないでおけば、高周波専用の受信機，低周波専用の
受信機ともに、受信が可能になる。低周波専用の受信機
に加えられる電磁波の高周波成分は取り除かれている
が、低周波専用の受信機の動作には問題がない。

高周波数用給電部材に高周波の送信機を接続すれば、
エレメントより高周波の電磁波の送信が行える。このと
き、低周波数用給電部材に低周波用の受信機をつないで
おいても、低周波用の受信機には高周波の送信機の発す
る高周波信号は到達せず、低周波用の受信機の動作に影
響を及ぼさない。

このように、低周波数の電磁波の受信および高周波数
信号の受信・送信が、分波器を用いずに、一本のアンテ
ナでできるようになる。したがって、低周波の受信機と
高周波の受信機，送信機を使う場合において、アンテナ
の本数を一本に減らすことができ、省スペース化，低コ
スト化が可能になる。

また、ローパスフィルターの一方のコンデンサの容量
を小さくでき、このコンデンサとして小型，安価なもの
が使用できるため、アンテナ装置自体の小型化，低コス
ト化ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例のロッドアンテナ装置の正
面図である。第２図は、第１図のロッドアンテナの要部拡大断面図で
ある。第３図は、第１図のロッドアンテナ装置のVHF,UHF給電
部に印加する電磁波の周波数とAM,FM給電部に漏れる電
磁波の割合を示すグラフである。第４図は、第１図のロッドアンテナ装置のVHF,UHF給電
部からアンテナをみたインピーダンスの軌跡を示すグラ
フである。 24a,…,24h,24i……可動エレメント（エレメント）、25
……固定エレメントキャップ、26……締付け金具、27…
…エレメントアダプター、28……防水キャップ、29……
ボデイ、30……給電ケース、31……VHF,UHFコネクタ
（高周波数用給電部材）、32……VHF,UHFコネクタ締付
けネジ、35……AM/FM用同軸ケーブル、36a,36b……固定
エレメント、37……ロッドアンテナ駆動用モーター、39
……可撓性ワイヤー巻き取りリール、40……接点バネ、
41……内部導体、42……AM/FM用の給電点（低周波数用
給電部材）、43……中心導体、44……ストッパー、45…
…ローパスフィルター、46……可撓性ワイヤー、47……
コンデンサ（第１のコンデンサ）、48……コンデンサ
（第２のコンデンサ）、49……コイル。

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) H01Q 1/00 - 1/26

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】アースであるボデイ上に絶縁して配設され
た可動エレメント；該可動エレメントをその内部に収容可能な筒状の絶縁体
製の固定エレメント；該可動エレメントに電気的に接続された高周波数用給電
部材；その一端が前記可動エレメントに電気的に接続されたロ
ーパスフィルター；および、該ローパスフィルターの他端に接続された低周波数用給
電部材；を備えたロッドアンテナ装置。
【請求項２】前記ローパスフィルターを、一端が前記可
動エレメントに電気的に接続され他端が前記低周波数用
給電部材に接続されたコイルと、該コイルの一端とアー
ス間に接続された第１のコンデンサと、前記コイルの他
端とアース間に接続された第２のコンデンサと、により
構成し、また、前記可動エレメント，高周波数用給電部
材，ローパスフィルターおよび低周波数用給電部材を収
納し、前記ボディに取りつけられた導体製の給電ケース
を有しており、該給電ケースと前記可動エレメント間に
発生する静電容量を利用し、第１のコンデンサの容量を
小さくした、前記請求項（１）記載のロッドアンテナ装
置。