JP2789001B2 - 燃料噴射装置の制御回路 - Google Patents

燃料噴射装置の制御回路

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JP2789001B2
JP2789001B2 JP1334791A JP33479189A JP2789001B2 JP 2789001 B2 JP2789001 B2 JP 2789001B2 JP 1334791 A JP1334791 A JP 1334791A JP 33479189 A JP33479189 A JP 33479189A JP 2789001 B2 JP2789001 B2 JP 2789001B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は燃料噴射装置の制御回路に関する。
〔従来の技術〕
機関により駆動されるプランジャと、燃料で満たされ
かつプランジャにより加圧される燃料加圧室と、燃料加
圧室内の燃料圧に応動してこの燃料圧が予め定められた
圧力を越えたときに開弁するニードルと、燃料加圧室内
の燃料を溢流させる燃料溢流通路と、アクチュエータに
よって駆動されかつ燃料溢流通路内に配置された溢流弁
とを具備し、溢流弁が燃料溢流通路を遮断したときに燃
料噴射が行われるユニットインジェクタが公知である
(特開昭63−65167号公報参照)。このようにアクチュ
エータによって噴射燃料を制御するようにしたユニット
インジェクタでは燃料加圧室の容積、および燃料加圧室
からノズル口に至る燃料通路の容積が小さいために溢流
弁が開弁して燃料加圧室から燃料の溢流が開始されると
燃料加圧室、および燃料加圧室からノズル口に至る燃料
通路内の燃料圧は急速に低下する。特にこのユニットイ
ンジェクタのようなアクチュエータとして応答性のよい
ピエゾ圧電素子を用いると溢流弁が急速度で開弁するた
めに燃料加圧室内の燃料圧は急激に低下せしめられる。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところでこのようなユニットインジェクタでは通常ニ
ードルはばね力により閉弁状態に保持され、ニードルの
外周面上に形成された円錐状のニードル受圧面に高圧の
燃料圧を作用させることによりニードルを持ち上げて燃
料噴射が行われる。次いで溢流弁が開弁して燃料加圧室
内の燃料圧が急激に低下せしめられるとそれと同時にニ
ードル受圧面に作用する燃料圧も急激に低下するのでニ
ードルがばね力により閉弁方向に移動してノズル口を閉
鎖せしめる。ところがこのように燃料加圧室内の燃料圧
が急激に低下せしめられるとニードル受圧面からノズル
口間のニードル周りに充填されていた高圧の燃料全体が
燃料加圧室に向けて移動し、その結果ノズル口近くのニ
ードル周りの圧力が一時的にかなり低い圧力、例えば大
気圧以下に低下してしまう。ところがこのようにノズル
口近くのニードル周りの圧力がかなり低い圧力となると
ノズル口近くのニードル周りには多数の微少な気泡が発
生する。従って次にニードルが開弁せしめられたときに
は最初にこれらの気泡を含んだ燃料が噴出せしめられる
ために燃料噴射率の立上りが悪くなるという問題を生ず
る。
また、ニードルはそれ自身の慣性によりおよび周囲と
の摩擦によっえ応答性がさほどよくなく、従ってニード
ル受圧面に作用する燃料圧が急激に低下してもニードル
がノズル口をただちに閉弁せず、暫らくしてからニード
ルがノズル口を閉弁する。従ってニードル受圧面に作用
する燃料圧が急激に低下して燃料室内の圧力よりも低く
なるとニードルが閉弁するまでの間に燃料室内の燃焼ガ
スがノズル口を介してニードル周りに流入するという問
題がある。
〔課題を解決するための手段〕
上記問題点を解決するために本発明によれば 機関により駆動されるプランジャと、燃料で満たされ
かつプランジャにより加圧される燃料加圧室と、燃料加
圧室内の燃料圧に応動してこの燃料圧が予め定められた
圧力を越えたときに開弁するニードルと、燃料加圧室内
の燃料を溢流させる燃料溢流通路と、圧電素子によって
駆動されかつ燃料溢流通路内に配置された溢流弁とを具
備し、圧電素子が充電されたときに溢流弁が閉弁方向に
駆動されて燃料噴射が開始され、圧電素子が放電された
ときに溢流弁が開弁方向に駆動されて燃料噴射が停止さ
れる燃料噴射装置において、圧電素子の放電時にまず初
めに圧電素子から燃料噴射を停止させるのに必要な電荷
量のみを部分的に放電させた後に圧電素子からの放電作
用を一時的に停止し次いで圧電素子から残りの電荷を放
電させる放電回路を具備している。
更に、本発明によれば上記問題点を解決するために、
機関により駆動されるプランジャと、燃料で満たされか
つプランジャにより加圧される燃料加圧室と、燃料加圧
室内の燃料圧に応動してこの燃料圧が予め定められた圧
力を越えたときに開弁するニードルと、燃料加圧室内の
燃料を溢流させる燃料溢流通路と、圧電素子によって駆
動されかつ燃料溢流通路内に配置された溢流弁とを具備
し、圧電素子が充電されたときに溢流弁が閉弁方向に駆
動されて燃料噴射が開始され、圧電素子が放電されたと
きに溢流弁が開弁方向に駆動されて燃料噴射が停止され
る燃料噴射装置において、圧電素子の放電時にまず初め
に予め定められた第1の放電時定数でもって圧電素子か
ら燃料噴射を停止させるのに必要な電荷量のみを部分的
に放電させ次いで第1の放電時定数よりも大きい第2の
放電時定数でもって圧電素子から残りの電荷を放電させ
る放電回路を具備している。
〔作 用〕
圧電素子の放電時においてまず初めに圧電素子から燃
料噴射を停止させるのに必要な電荷量のみを部分的に放
電させると溢流弁は半開状態となり、斯くしてニードル
閉弁直前の燃料加圧室内の燃料圧およびニードル周りの
燃料は比較的高い圧力に維持される。従ってニードル周
りの燃料圧が急激に低い圧力まで低下しないのでニード
ル周りに気泡が発生することがなく、また燃焼室内の燃
焼ガスがニードル周りに流入することがない。
〔実施例〕
第1図から第8図は本発明をユニットインジェクタに
適用した場合を示しており、まず初めに第3図から第8
図を参照してユニットインジェクタの構造について説明
する。
第3図から第6図を参照すると、1はハウジング本
体、2はその先端部にノズル口3を形成したノズル、4
はスペーサ、5はスリーブ、6はこれらノズル2、スペ
ーサ4、スリーブ5をハウジング本体1に固締するため
のノズルホルダを夫々示す。ノズル2内にはノズル口3
の開閉制御を行うニードル7が摺動可能に挿入され、ニ
ードル7の頂部は加圧ピン8を介してスプリングリテー
ナ9に連結される。このスプリングリテーナ9は圧縮ば
ね10により常時下方に向けて押圧され、この押圧力は加
圧ピン8を介してニードル7に伝えられる。従ってニー
ドル7は圧縮ばね10によって常時閉弁方向に付勢される
ことになる。
一方、ハウジング本体1内にはニードル7と共軸的に
プランジャ孔11が形成され、このプランジャ孔11内にプ
ランジャ12が摺動可能に挿入される。プランジャ12の上
端部はタペット13に連結され、このタペット13は圧縮ば
ね14により常時上方に向けて付勢される。このタペット
13は機関駆動のカム(図示せず)により上下動せしめら
れ、それによってプランジャ12がプランジャ孔11内にお
いて上下動せしめられる。一方、プランジャ12下方のプ
ランジャ孔11内にはプランジャ12の下端面12aによって
画定された燃料加圧室15が形成される。この燃料加圧室
15は棒状フィルタ16および燃料通路17(第6図)を介し
てニードル加圧室18に連結され、このニードル加圧室18
はニードル7周りの環状燃料通路19を介してノズル口3
に連結される。また、プランジャ孔11の内壁面上には第
5図に示すようにプランジャ12が上位位置にあるときに
燃料加圧室15内に開口する燃料供給ポート20が形成さ
れ、この燃料供給ポート20から燃料加圧室15内に2〜3k
g/cm2程度のフィード圧の燃料が供給される。この燃料
供給ポート20は燃料供給ポート20から直角方向に延びる
燃料排出通路20aおよび開弁圧が2〜3kg/cm2程度のリリ
ーフ弁(図示せず)を介して例えば燃料タンク(図示せ
ず)に接続される。また、第5図に示されるようにプラ
ンジャ孔11に対して燃料供給ポート20と反対側には燃料
供給ポート20の穿設作業上必然的に形成される燃料ポー
ト21が形成され、この燃料ポート21の外端部は盲栓22に
よって閉鎖される。この燃料ポート21は燃料供給ポート
20と共軸的に延びてプランジャ孔11内に開口する。プラ
ンジャ孔11の内壁面上には燃料供給ポート20から燃料ポ
ート21に向けて延びる円周溝23が形成される。従ってプ
ランジャ12が下降してプランジャ12が燃料供給ポート20
および燃料ポート21を閉鎖したときに燃料供給ポート20
と燃料ポート21とは円周溝23を介して互いに連通せしめ
られ、従って燃料ポート21内の燃料圧は燃料供給ポート
20内と同じフィード圧に維持される。ニードル7を押圧
するための圧縮ばね10を収容する圧縮ばね収容室24は燃
料返戻通路25を介して燃料供給ポート20に連結され、圧
縮ばね収容室24内に漏洩した燃料は燃料返戻通路25を介
して燃料供給ポート20内に返戻される。一方、プランジ
ャ下端面12aよりもわずかばかり上方のプランジャ12の
外周面上には円周溝26が形成され、この円周溝26はプラ
ンジャ12内に穿設された燃料逃し孔27を介して燃料加圧
室15内に連通せしめられる。
一方、ハウジング本体1内にはプランジャ孔11内の側
方近傍において横方向に延びる摺動孔30が形成される。
従ってこの摺動孔30はその軸線がプランジャ12とニード
ル7の共通軸線にほぼ直交する直線に対し間隔を隔てて
平行をなすように形成される。この摺動孔30内には溢流
弁31が摺動可能に挿入される。第3図および第4図に示
されるように摺動孔30は互いに共軸的に配置された小径
孔32と大径孔33からなり、これら小径孔32と大径孔33の
間には段部34が形成される。一方、小径孔32に関して大
径孔33と反対側のハウジング本体1内には小径孔32と共
軸的に円錐孔35が形成され、この円錐孔35内には円錐状
外周面を有する弁シート部材36が嵌着される。この弁シ
ート部材36はハウジング本体1に螺着されたナット37に
よって円錐孔35内に固定される。小径孔32に対面した弁
シート部材36の端面38上には凹溝39が形成され、凹溝39
の内周面上にはほぼ円錐状をなす弁シート部40が形成さ
れる。一方、溢流弁31の一端部は凹溝39内に突出し、こ
の溢流弁31の一端部の外周部41は円錐状に形成される。
円錐状弁シート部40を形成する円錐の頂角は溢流弁31の
円錐状外周部41を形成する円錐の頂角よりも小さく、従
って溢流弁31の円錐状外周部41の外周縁が円錐状弁シー
ト部40上に着座する。従ってこのとき溢流弁31は弁シー
ト部40と線接触することになる。
溢流弁31が弁シート部材36上に着座したときに溢流弁
31の外周面と凹溝39の内壁面とハウジング本体1間には
環状の加圧燃料導入室42が形成され、溢流弁31の先端面
と凹溝39の内周面間には第1の燃料溢流室43が形成され
る。一方、摺動孔30の大径孔33内には第2の燃料溢流室
44が形成され、第1燃料溢流室43と第2燃料溢流室44と
は溢流弁31内に形成された燃料通路45を介して互いに連
通せしめられる。第2燃料溢流室44内には溢流弁31の拡
大端部31aと段部34間に溢流弁31を右方に向けて付勢す
る圧縮ばね46が挿入される。この第2燃料溢流室44は第
8図に示すように燃料排出通路47を介して例えば燃料タ
ンク(図示せず)に連結される。
第6図に示されるようにハウジング本体1内には燃料
通路17から上方に延びて常時加圧燃料導入室42内に開口
する燃料溢流路48が形成される。この燃料溢流路48は常
時燃料加圧室15に連通しており、従って加圧燃料導入室
42は常時燃料加圧室15に連通している。
第3図および第4図に示されるように摺動孔30の大径
孔33の外端部にはロッド50を案内支持するロッドガイド
51が嵌着され、このロッドガイド51はその内部にロッド
孔52を具備する。ロッド50はロッド孔52内に摺動可能に
挿入された中空円筒状の小径部53と、大径孔33内に位置
する大径部54からなり、大径部54の端面が溢流弁31の端
面に当接せしめられる。大径部54と反対側のロッド50の
端部には小径部53の端面により画定された圧力制御室55
が形成される。この圧力制御室55の上方にはアクチュエ
ータ60が配置される。第3図および第4図に示されるよ
うにロッド50は中空円筒状をなしており、従ってロッド
50の質量はかなり小さくなる。
第3図および第7図に示されるようにアクチュエータ
60はハウジング本体1と一体形成されかつその内部にピ
ストン孔61を形成したアクチュエータハウジング62と、
ピストン孔61内に摺動可能に挿入されたピストン63と、
アクチュエータハウジング62の頂部を覆う端板64と、端
板64をアクチュエータハウジング62の頂部に固定するた
めの端板ホルダ65と、端板64の上端部を覆う合成樹脂製
キャップ66とを具備する。プシトン63と端板64間には多
数の圧電素子板を積層したピエゾ圧電素子67が挿入さ
れ、ピストン63下方のピストン孔61内にはピストン63の
下端面によって画定された可変容積室68が形成される。
この可変容積室68は燃料通路69を介して圧力制御室55に
連通する。ピストン63とアクチュエータハウジング62間
には環状の冷却室70が形成され、この冷却室70内にはピ
ストン63を常時上方に向けて付勢する圧縮ばね71が挿入
される。ピエゾ圧電素子67に電荷を充電するとピエゾ圧
電素子67は軸方向に伸長し、その結果可変容積室68の容
積が減少する。一方、ピエゾ圧電素子67に充電された電
荷を放電するとピエゾ圧電素子67は軸方向に収縮し、そ
の結果可変容積室68の容積が増大する。
第7図に示されるようにハウジング本体1には逆止弁
72が挿入される。この逆止弁72は弁ポート73の開閉制御
をするボール745と、ボール74のリフト量を規制するロ
ッド75と、ボール74およびロッド75を常時下方に向けて
押圧する圧縮ばね76とを具備し、従って弁ポート73は通
常ボール74によって閉鎖される。逆止弁72の弁ポート73
は燃料流入通路77を介して例えば低圧燃料ポンプ(図示
せず)に連結され、2〜3kg/cm2の低圧の燃料が燃料流
入通路77から供給される。逆止弁72は可変容積室68に向
けてのみ流通可能であり、従って可変容積室68内の燃料
圧が2〜3kg/cm2よりも低下すると燃料が逆止弁72を介
して可変容積室68内に補給される。従って可変容積室68
内は常時燃料によって満たされている。一方、第7図に
示されるように冷却室70の下端部は燃料流入通路78を介
して例えば低圧燃料ポンプ(図示せず)に連結され、2
〜3kg/cm2の低圧の燃料が燃料流入通路78から冷却室70
内に供給される。この燃料によってピエゾ圧電素子67が
冷却される。また、第5図に示されるように冷却室70の
下端部は燃料流出通路79を介して燃料供給ポート20に連
結され、この燃料供給ポート20内に冷却室70から燃料供
給ポート20に向けてのみ流通可能な逆止弁80が配置され
る。この逆止弁80は弁ポート81の開閉制御をするボール
82と、ボール82のリフト量を規制するロッド83と、ボー
ル82およびロッド83を常時上方に向けて押圧する圧縮ば
ね84からなる。冷却室70内の燃料はピエゾ圧電素子67を
冷却した後、燃料流出通路79を介して燃料供給ポート20
に供給される。
次に第1図を参照してピエゾ圧電素子67の駆動制御回
路について説明する。
第1図を参照するとこの駆動制御回路はピエゾ圧電素
子67の駆動回路100と、この駆動回路100を制御する電子
制御ユニット200からなる。
第1図を参照すると駆動回路100は比較的小さな電圧
を発生する第1の高電圧発生回路101と、比較的大きな
電圧を発生する第2の高電圧発生回路102と、比較的小
さな電圧を発生する第3の高電圧発生回路103と、比較
的大きな電圧を発生する第4の高電圧発生回路104を具
備する。第1高電圧発生回路101の出力端子間には第1
のコンデンサ105が接続され、この第1コンデンサ105は
第1高電圧発生回路101の出力電圧によって充電され
る。一方、第2高電圧発生回路102の出力端子間には第
2のコンデンサ106が接続され、この第2コンデンサ106
は第2高電圧発生回路102の出力電圧によって充電され
る。また、第3高電圧発生回路103の出力端子間には第
3のコンデンサ107が接続され、この第3コンデンサ107
は第3高電圧発生回路103の出力電圧によって充電され
る。第4高電圧発生回路104の出力端子間には第4のコ
ンデンサ108が接続され、この第4コンデンサ108は第4
高電圧発生回路104の出力電圧によって充電される。第
3コンデンサ107にはツェナーダイオード109が並列接続
され、このツェナーダイオード109に逆流防止用のダイ
オード110と抵抗111とが直列接続される。これらの第3
コンデンサ107およびツェナーダーイオード109は定電圧
維持回路を構成する。
一方、駆動回路100は充電用コイル112aと放電用コイ
ル112bとを具備し、これらコイル112a,112bの一端がピ
エゾ圧電素子67に接続される。充電用コイル112aの他端
と第1コンデンサ105間には第1のサイリスタ113が配置
され、充電用コイル112aの他端と第2コンデンサ106間
には第2のサイリスタ114が配置される。また、充電用
コイル112aの他端と第3コンデンサ107間には第3のサ
イリスタ115が配置され、充電用コイル112aの他端と第
4コンデンサ108間には第4のサイリスタ116が配置され
る。一方、放電用コイル112bの他端と第3コンデンサ10
7間には第5のサイリスタ117が配置される。また、放電
用コイル112bの他端は第6のサイリスタ118を介して第
4コンデンサ108と第4サイリスタ116間に接続され、更
にこの第6サイリスタ118と並列に第7のサイリスタ119
が接続される。各サイリスタ113,114,115,116,117,118,
119は電子制御ユニット200の出力信号によって制御さ
れ、また第4高電圧発生回路104も電子制御ユニット200
の出力信号によって制御される。
電子制御ユニット200はディジタルコンピュータから
なり、双方向性バス201によって相互に接続されたROM
(リードオンリメモリ)202、RAM(ランダムアクセスメ
モリ)203、CPU(マイクロプロセッサ)204、入力ポー
ト205および出力ポート206を具備する。入力ポート205
にいずれかの気筒が上死点位置であることを検出する上
死点検出センサ207、およびクランクシャフト(図示せ
ず)が例えば30度回転する毎に出力パルスを発生するク
ランク角センサ208が接続される。また、負荷センサ209
はアクセルペダル(図示せず)の踏込み量に比例した出
力電圧を発生し、この出力電圧がAD変換器210を介して
入力ポート205に入力される。一方、出力ポート206は対
応するサイリスタ駆動回路211を介して各サイリスタ11
3,114,115,116,117,118,119のゲート端子に接続され、
各サイリスタ113,114,115,116,117,118,119はサイリス
タ駆動回路211から出力されるサイリスタ制御信号によ
って制御される。また、出力ポート206は駆動回路212を
介して第4高電圧発生回路104に接続される。電子制御
ユニット200では上死点検出センサ207とクランク角セン
サ208の出力信号から現在の機関クランク角が計算さ
れ、負荷センサ209の出力信号からパイロット燃料噴射
時間およびメイン燃料噴射時間、場合によってはメイン
燃料噴射時間のみが計算される。出力ポート206にはこ
れらの計算結果に基いてパイロット噴射およびメイン噴
射の、場合によってはメイン噴射のみの燃料噴射開始時
期および燃料噴射完了時期を示すデータが出力され、こ
のデータに基いて各サイリスタ113,114,115,116,117,11
8,119が制御される。
次に第2図に示すタイムチャートを参照しつつユニッ
トインジェクタの駆動制御方法について説明する。
前述したように燃料は燃料流入通路78を介して冷却室
70内に供給され、次いでこの燃料はピエゾ圧電素子67を
冷却した後、燃料流出通路70および逆止弁80を介して燃
料供給ポート20内に供給される。第5図に示すようにプ
ランジャ12が上方位置にあるときには燃料供給ポート20
から燃料加圧室15内に燃料が供給され、従ってこのとき
には燃料加圧室15内は2〜3kg/cm2程度の低圧になって
いる。一方、このときピエオ圧電素子67は最大収縮位置
にあり、このとき可変容積室68および圧力制御室55内の
燃料圧は2〜3kg/cm2程度の低愛になっている。従って
このとき溢流弁31は圧縮ばね46のばね力により第3図お
よび第4図において右方に移動して弁シート部40から離
れている、即ち溢流弁31が開弁している。従って、燃料
加圧室15内の低圧の燃料は燃料溢流路48、加圧燃料導入
室42、第1燃料溢流室43および溢流弁31内の燃料通路45
を介して第2燃料溢流室44内に供給され、第2燃料溢流
室44内に供給された燃料は燃料流出通路47から排出され
る。従ってこのとき加圧燃料導入室42、第1燃料溢流室
43および第2燃料溢流室44内も2〜3kg/cm2の低圧の燃
料で満たされている。
次いでプランジャ12が下降すると燃料供給ポート20お
よび燃料ポート21がプランジャ12によって閉鎖されるが
溢流弁31が開弁しているために燃料加圧室15内の燃料は
燃料溢流路48および加圧燃料導入室42を介して第2燃料
溢流室44内に流出する。従ってこのときも燃料加圧室15
内の燃料圧は2〜3kg/cm2程度の低圧となっている。
次いで第2図に示されるようにパイロット噴射を開始
すべく第1サイリスタ113がオンになると第1コンデン
サ105に充電された電荷が充電用コイル112aを介してピ
エゾ圧電素子67に充電される。ピエゾ圧電素子67に電荷
が充電されるとピエゾ圧電素子67は軸線方向に伸長し、
その結果ピストン63が下降するために可変容積室68およ
び圧力制御室55内の燃料圧が急激に上昇する。圧力制御
室55内の燃料圧が上昇するとロッド50が第3図および第
4図において左方に移動するためにそれに伴って溢流弁
31も左方に移動し、溢流弁31の端部が弁シート部40に当
接して溢流弁31が閉弁せしめられる。なお、このときピ
エゾ圧電素子67に充電される電荷量は溢流弁31が弁シー
ト部40に比較的軽く押圧される電荷量となっている。従
ってこのとき溢流弁31は比較的低速度で弁シート部40に
衝接するので溢流弁31が弁シート部40に衝接後はね返
り、再び溢流弁31が開弁するのが阻止される。次いで第
2サイリスタ114がオンになると第2コンデンサ106に充
電されている電荷が充電用コイル112aを介してピエゾ圧
電素子67に充電されるためにピエゾ圧電素子67が更に伸
長する。その結果、溢流弁31が弁シート部40に強力に押
圧されるので溢流弁31が強固に閉弁状態に保持される。
溢流弁31が閉弁すると燃料加圧室15内の燃料圧はプラン
ジャ12の下降運動により急激に上昇し、燃料各圧室15内
の燃料圧が定められた圧力、例えば300kg/cm2以上の一
定圧を越えるとニードル7が開弁してノズル口3からパ
イロット燃料が噴射される。このとき燃料溢流路48を介
して加圧燃料導入室42内にも高圧が加わるがこの高圧に
よって溢流弁31に駆動力が作用しない。
次いで第2図に示すように第3サイリスタ117がオン
になるとピエゾ圧電素子67に充電された電荷は放電用コ
イル112b、および第3コンデンサ107とツェナーダイオ
ード109からなる定電圧維持回路を介して放電される。
ところでツェナーダイオード109は逆方向電圧がツェナ
ー電圧以上のときにはオン状態となり、逆方向電圧がツ
ェナー電圧以下になるとオフ状態となる。従って第3コ
ンデンサ107の端子電圧がツェナー電圧を越えると第3
高電圧発生回路103によって第3コンデンサ107に充電さ
れた電荷の一部がツェナーダイオード109を介して放電
され、従って第3コンデンサ107の端子電圧はツェナー
ダイオード109により定まる一定電圧に維持される。な
お、抵抗111は第3コンデンサ107からの放電時間を制御
して各ダイオード109,110に過電流が流れるのを防止す
るために設けられており、従ってこの抵抗111の抵抗値
はかなり小さい。
従って第3サイリスタ117がオンになるとピエゾ圧電
素子67に充電された電荷は放電用コイル112aを介してピ
エゾ圧電素子67の端子電圧Vが第3コンデンサ107の端
子電圧V1(第2図)になるまで急速に放電せしめられ、
次いでピエゾ圧電素子67の端子電圧Vは第3コンデンサ
107の端子電圧V1に維持される。このようにピエゾ圧電
素子67に充電された電荷が放電せしめられるとピエゾ圧
電素子67が収縮する。その結果、ピストン63が圧縮ばね
71のばね力により上昇せしめられるために可変容積室68
および圧力制御室55内の燃料圧が低下する。前述したよ
うにロッド50の質量は小さく、従って圧力制御室55内の
燃料圧が低下するとロッド50および溢流弁31が圧縮ばね
46のばね力によりただちに第3図および第4図において
右方に移動し、溢流弁31が弁シート部40から離れて溢流
弁31が即座にわずかばかり開弁する。溢流弁31がわずか
ばかり開弁すると燃料加圧室15内の高圧の燃料が燃料溢
流路48および加圧燃料導入室42を介して第2燃料溢流室
44内に噴出し、その結果燃料加圧室15内の燃料圧Pは急
速に低下する。その結果、ニードル7が下降してパイロ
ット噴射が停止せしめられる。なお、このとき溢流弁31
がわずかばかり開弁せしめられるので燃料加圧室15内の
燃料圧Pは溢流弁31が開弁した当初は急速に低下するが
燃料圧Pが低くなると燃料圧Pの低下が鈍くなり、斯く
してピエゾ圧電素子67の端子電圧Vが第3コンデンサ10
7の端子電圧V1に達したときには燃料加圧室15内の燃料
圧Pは依然として比較的高い圧力になっている。比較的
高い圧力とは言ってもニードル7が圧縮ばね10のばね力
により閉弁するのに十分な燃料圧Pである。言い換える
と第3コンデンサ107の端子電圧V1はニードル7が閉弁
して燃料噴射が停止せしめられる燃料圧よりも低いが比
較的高い燃料圧Pとなるように定められている。このよ
うに燃料加圧室15内の燃料圧Pが比較的高い圧力に維持
されるのでニードル加圧室18および環状燃料通路19内の
燃料圧も比較的高い圧力に維持される。ところでニード
ル7はニードル加圧室18内の燃料圧が或る程度低下する
とノズル口3を閉弁するがこのときニードル加圧室18お
よび環状燃料通路19内の燃料圧は比較的高く、即ち燃焼
室(図示せず)内の圧力よりも高くなっており、従って
パイロット噴射完了時に燃焼室内の燃焼ガスがノズル口
3を介して環状燃料通路19内に流入するのが阻止され
る。また、溢流弁31が開弁すると燃料加圧室15内の燃料
圧が急激に低下するために環状燃料通路19内の燃料全体
が燃料加圧室15に向けて移動するが燃料加圧室15内の燃
料圧が比較的高い一定圧までしか急激に低下してないた
めに環状燃料通路19内の圧力はさほど低下せず、斯くし
てパイロット噴射完了時に微妙な気泡が発生するのが阻
止される。
次いで第2図に示されるようにメイン燃料噴射を開始
すべく第4サイリスタ116がオンにされると第1コンデ
ンサ108に充電された電荷が充電用コイル112aを介して
ピエゾ圧電素子67に充電される。ピエゾ圧電素子67に電
荷が充電されるとピエゾ圧電素子67は軸線方向に伸長
し、その結果溢流弁31の端部が弁シート部40に当接して
溢流弁31が閉弁せしめられる。前述したようにパイロッ
ト噴射が完了したときには溢流弁31はわずかしか開弁し
ていないのでピエゾ圧電素子67が伸長せしめられたとき
に溢流弁31の端部は比較的低速度で弁シート部40に衝接
する。その結果、溢流弁31が弁シート部40に衝接後はね
返り、再び溢流弁31が開弁するのが阻止される。溢流弁
31が閉弁すると燃料加圧室15内の燃料圧はプランジャ12
の下降運動により急激に上昇し、燃料加圧室15内の燃料
圧が再び予め定められた圧力、例えば300kg/cm2以上の
一定圧を越えるとニードルが開弁してノズル口3からメ
イン燃料が噴射される。
一方、第2図に示されるように第4コンデンサ108に
充電されている電荷が放電されてピエゾ圧電素子67に充
電されると第4コンデンサ108の端子電圧Vが低下す
る。このとき第4高電圧発生回路104による第4コンデ
ンサ104への充電作用が停止せしめられているために第
4コンデンサ108の端子電圧Vは低下したまま維持され
る。
次いで第2図に示すように第6サイリスタ118がオン
になるとピエゾ圧電素子67に充電された電荷は放電用コ
イル112bを介して放電され、その結果第4コンデンサ10
8の端子電圧Vが上昇する。このときピエゾ圧電素子67
の端子電圧Vは第4コンデンサ108の静電容量で決まる
一定電圧V2(第2図)まで急速に放電せしめられる。ピ
エゾ圧電素子67に充電された電荷が放電せしめられると
ピエゾ圧電素子67が収縮する。その結果、溢流弁31が弁
シート部40から離れて溢流弁31が即座にわずかばかり開
弁する。溢流弁31がわずかばかり開弁すると燃料加圧室
15内の高圧の燃料が燃料溢流路48および加圧燃料導入室
42を介して第2燃料溢流室44内に噴出し、その結果燃料
加圧室15内の燃料圧Pは急速に低下する。その結果、ニ
ードル7が下降してメイン噴射が停止せしめられる。な
お、このとき溢流弁31がわずかばかり開弁せしめられて
いるので燃料加圧室15内の燃料圧Pは溢流弁31が開弁し
た当初は急速に低下するが燃料圧Pが低くなると燃料圧
Pの低下が鈍くなり、斯くしてピエゾ圧電素子67の端子
電圧Vが第4コンデンサ108の静電容量で決まる一定電
圧V2に達したときには燃料加圧室15内の燃料圧Pは依然
として比較的高い圧力になっている。比較的高い圧力と
は言ってもニードル7が圧縮ばね10のばね力により閉弁
するのに十分な燃料圧Pである。言い換えると第4コン
デンサ108の静電容量で決まる一定電圧V2はニードル7
が閉弁して燃料噴射が停止せしめられる燃料圧よりも低
いが比較的高い燃料圧Pとなるように定められている。
このように燃料加圧室15内の燃料圧Pが比較的高い圧力
に維持されるのでニードル加圧室18および環状燃料通路
19内の燃料圧も比較的高い圧力に維持される。前述した
ようにニードル7はニードル加圧室18内の燃料圧が或る
程度低下するとノズル口3を閉弁するがこのときニード
ル加圧室18および環状燃料通路19内の燃料圧は比較的高
く、即ち燃焼室(図示せず)内の圧力よりも高くなって
おり、従ってメイン噴射完了後に燃焼室内の燃焼ガスが
ノズル口3を介して環状燃料通路19内に流入するのが阻
止される。また、前述したように溢流弁31が開弁すると
燃料加圧室15内の燃料圧が急激に低下するために環状燃
料通路19内の燃料全体が燃料加圧室15に向けて移動する
のが燃料加圧室15内の燃料圧が比較的高い一定圧までし
か急速に低下しないために環状燃料通路19内の圧力はさ
ほど低下せず、斯くしてメイン噴射完了後に微少な気泡
が発生するのが阻止される。
次いで第2図に示されるように第7サイリスタ119が
オンにされるとピエゾ圧電素子67に充電されている残り
の電荷が放電せしめられる。その結果、溢流弁31が全開
せしめられるために燃料加圧室15内の燃料圧がフィード
圧まで低下する。一方、溢流弁31を開弁するためにピエ
ゾ圧電素子67が収縮せしめられて可変容積室68の燃料圧
が低下せしめられたときに可変容量室68の燃料圧が燃料
流入通路77(第7図)内の燃料圧よりも低くなれば逆止
弁72を介して低圧の燃料が可変容積室68内に補給され
る。
次いでプランジャ12が更に降下するとプランジャ12の
外周面上に形成された円周溝26が燃料供給ポート20およ
び燃料ポート21に連通する。このとき燃料加圧室15内の
燃料圧が燃料供給ポート20および燃料ポート21内の燃料
圧よりも高いときは燃料加圧室15内の燃料がプランジャ
12内に形成された燃料逃し孔27および円周溝26を介して
燃料供給ポート20および燃料ポート21内に排出される。
次いでプランジャ12が上昇して上端位置まで戻り、再び
下降を開始する。
一方、メイン噴射が完了して暫らくすると第4高電圧
発生回路104による第4コンデンサ108への充電作用が開
始されるために第2図に示すように第4コンデンサ108
の端子電圧Vが徐々に増大せしめられる。次いで第4コ
ンデンサ108の端子電圧Vが予め定められた電圧に達す
ると第4高電圧発生回路104による第4コンデンサ108へ
の充電作用が停止せしめられる。なお、上述したように
第4コンデンサ108にはピエゾ圧電素子67から放電され
た電荷の一部が充電されるので電力消費量が低減せしめ
られる。
メイン噴射のみを行なう場合には第1サイリスタ113
および第2サイリスタ114は作動せしめられない。この
場合、燃料噴射を開始すべきときにはまず初めに第3サ
イリスタ115がオンとされてピエゾ圧電素子67への一段
目の充電が行われ、次いで第4サイリスタ116がオンと
されてピエゾ圧電素子67への二段目の充電が行われる。
一方、燃料噴射を停止すべきときにはまず初めに第6サ
イリスタ118がオンとされ、暫らくしてから第7サイリ
スタ119がオンとされる。
第9図から第11図に別の実施例を示す。なお、これか
ら説明する種々の実施例において第1図から第8図に示
す実施例と同様の構成要素は同一の符号で示す。
第9図を参照すると駆動回路100は比較的小さな電圧
を発生する第1の高電圧発接回路101と、比較的大きな
電圧を発生する第2の高電圧発生回路102を具備する。
第1高電圧発生回路101の出力端子間には第1コンデン
サ105が接続され、第1のコンデンサ105は第1高電圧発
生回路101の出力電圧によって充電される。一方、第2
高電圧発生回路102の出力端子間には第2のコンデンサ1
06が接続され、この第2コンデンサ106は第2高電圧発
生回路102の出力電圧によって充電される。また、駆動
回路100は充電用コイル112aと放電用コイル112bとを具
備し、これらコイル112a,112bの一端がピエゾ圧電素子6
7に接続される。充電用コイル112aの他端と第1コンデ
ンサ105間には第1のサイリスタ113が配置され、充電用
コイル112aの他端と第2コンデンサ106間には第2のサ
イリスタ114が配置される。一方、放電用コイル112bの
他端は例えばトランジスタからなるスイッチング素子12
0に接続され、このスイッチング素子120に逆流防止用ダ
イオード121が直列接続される。また、放電用コイル112
bにも逆流防止用ダイオード122が並列接続される。
電子制御ユニット200の出力ポート206は対応する駆動
回路211を介して各サイリスタ113,114およびスイッチン
グ素子120のゲート端子に接続され、各サイリスタ113,1
14およびスイッチング素子120は駆動回路211から出力さ
れる制御信号によって制御される。電子制御ユニット20
0では上死点検出センサ207とクランク角センサ208の出
力信号から現在の機関クランク角が計算され、負荷セン
サ209の出力信号から燃料噴射時間が計算される。出力
ポート206にはこれらの計算結果に基いて燃料噴射開始
時期および燃料噴射完了時期を示すデータが出力され、
このデータに基いて各サイリスタ113,114およびスイッ
チング素子120が制御される。
次に第10図に示すタイムチャートを参照しつつユニッ
トインジェクタの駆動制御方法について説明する。
第10図に示されるようにパイロット噴射を開始すべく
第1サイリスタ113がオンになると第1コンデンサ105に
充電された電荷が充電用コイル112aを介してピエゾ圧電
素子67に充電される。ピエゾ圧電素子67に電荷が充電さ
れるとピエゾ圧電素子67は軸線方向に伸長し、その結果
ピストン63が下降するために可変容積室68および圧力制
御室55内の燃料圧が急激に上昇する。圧力制御室55内の
燃料圧が上昇するとロッド50が第3図および第4図にお
いて左方に移動するためにそれに伴って溢流弁31も左方
に移動し、溢流弁31の端部が弁シート部40に当接して溢
流弁31が閉弁せしめられる。なお、このときピエゾ圧電
素子67に充電される電荷量は溢流弁31が弁シート部40に
比較的軽く押圧される電荷量となっている。従ってこの
とき溢流弁31は比較的低速度で弁シート部40に衝接する
ので溢流弁31が弁シート部40に衝接後はね返り、再び溢
流弁31が開弁するのが阻止される。次いで第2サイリス
タ114がオンになると第2コンデンサ106に充電されてい
る電荷が充電用コイル112aを介してピエゾ圧電素子67に
充電されるためにピエゾ圧電素子67が更に伸長する。そ
の結果、溢流弁31が弁シート部40に強力に押圧されるの
で溢流弁31が強固に閉弁状態に保持される。溢流弁31が
閉弁すると燃料加圧室15内の燃料圧はプランジャ12の下
降運動により急激に上昇し、燃料加圧室15内の燃料圧が
予め定められた一定圧を越えるとニードル7が開弁して
ノズル口3からパイロット燃料が噴射される。
次いで第10図に示すようにスイッチング素子120がオ
ンになるとピエゾ圧電素子67に充電された電荷は放電用
コイル112bを介して放電される。このときピエゾ圧電素
子67の端子電圧Vはピエゾ圧電素子67の静電容量と放電
用コイル112bのリアクタンスにより定まる一定の時定数
でもってスイッチング素子120がオンとなっている間、
徐々に低下する。次いでスイッチング素子120がオフに
なると放電作用が停止せしめられるためにピエゾ圧電素
子67の端子電圧Vは一定電圧V1に維持される。従って放
電作用が停止せしめられたときのピエゾ圧電素子67の電
圧V1はスイッチング素子120のオン時間tGによって制御
することができる。
このようにピエゾ圧電素子67に充電された電荷が放電
せしめられるとピエゾ圧電素子67が収縮する。その結
果、ピストン63が圧縮ばね71のばね力により上昇せしめ
られるために可変容積室68および圧力制御室55内の燃料
圧が低下する。圧力制御室55内の燃料圧が低下するとロ
ッド50および溢流弁31が圧縮ばね46のばね力によりただ
ちに第3図および第4図において右方に移動し、溢流弁
31が弁シート部40から離れて溢流弁31がわずかばかり開
弁する。溢流弁31がわずかばかり開弁すると燃料加圧室
15内の高圧の燃料が燃料溢流路48および加圧燃料導入室
42を介して第2燃料溢流室44内に噴出し、その結果燃料
加圧室15内の燃料圧Pは急速に低下する。その結果、ニ
ードル7が下降してパイロット噴射が停止せしめられ
る。なお、このとき溢流弁31がわずかばかり開弁せしめ
られるので燃料加圧室15内の燃料圧Pは溢流弁31が開弁
した当初は急速に低下するが燃料圧Pが低くなると燃料
圧Pの低下が鈍くなり、斯くしてピエゾ圧電素子67の端
子電圧Vが一定電圧V1に達したときには燃料加圧室15内
の燃料圧Pは依然として比較的高い圧力になっている。
比較的高い圧力とは言ってもニードル7が圧縮ばね10の
ばね力により閉弁するのに十分な燃料圧Pである。言い
換えるとスイッチング素子120のオン時間tGはニードル
7が閉弁して燃料噴射が停止せしめられる燃料圧よりも
低いが比較的高い燃料圧Pとなる一定電圧V1までピエゾ
圧電素子67の端子電圧Vが低下するように定められてい
る。
ところで機関回転数NEが高くなるとプランジャ12によ
る燃料加圧時間が短かくなり、斯くして加圧作用中に燃
料加圧室15から漏洩する燃料量が減少するために機関回
転数NEが高くなるほど燃料加圧室15内の燃料圧Pが高く
なる。従ってスイッチング素子120がオフにされたとき
の燃料加圧室15内の燃料圧Pを機関回転数NEにかかわら
ずに一定に維持するためには機関回転数NEが高くなるほ
どスイッチング素子120のオン時間tGを長くしなければ
ならない。スイッチング素子120がオフにされたときの
燃料加圧室15内の燃料圧Pをニードル7が閉弁して燃料
噴射が停止せしめられる燃料圧よりも低いが比較的高い
一定圧に維持するのに必要な機関回転数NEとスイッチン
グ素子120との関係は第11図に示すように予め実験によ
り求められており、第11図に示す関係は予めROM202内に
記憶されている。従ってスイッチング素子120のオン時
間tGは機関回転数NEに応じてROM202に記憶された関係か
ら求められる。
このようにパイロット噴射が停止せしめられたとき燃
料加圧室15内の燃料圧Pが比較的高い圧力に維持される
のでニードル加圧室18および環状燃料通路19内の燃料圧
も比較的高い圧力に維持され、斯くしてパイロット噴射
完了時に燃焼室内の燃焼ガスがノズル口3を介して環状
燃料通路19内に流入するのが阻止される。また、燃料加
圧室15内の燃料圧が比較的高い一定圧までしか急激に低
下しないために環状燃料通路19内の圧力はさほど低下せ
ず、斯くしてパイロット噴射完了時に微少な気泡が発生
するのが阻止される。
次いで第10図に示されるようにメイン燃料噴射を開始
すべく第2サイリスタ114が再びオンにされると第2コ
ンデンサ106に充電された電荷が充電用コイル112aを介
してピエゾ圧電素子67に充電される。ピエゾ圧電素子67
に電荷が充電されるとピエゾ圧電素子67は軸線方向に伸
長し、その結果溢流弁31の端部が弁シート部40に当接し
て溢流弁31が閉弁せしめられる。前述したようにパイロ
ット噴射が完了したときには溢流弁31はわずかしか開弁
していないのでピエゾ圧電素子67が伸長せしめられたと
きに溢流弁31の端部は比較的低速度で弁シート部40に衝
接する。その結果、溢流弁31が弁シート部40に衝接後は
ね返り、再び溢流弁31が開弁するのが阻止される。溢流
弁31は閉弁すると燃料加圧室15内の燃料圧はプランジャ
12の下降運動により急激に上昇し、燃料加圧室15内の燃
料圧が再び予め定められた一定圧を越えるとニードル7
が開弁してノズル口3からメイン燃料が噴射される。
次いで第10図に示されるようにスイッチング素子120
が再びtG時間だけオンされる。その結果ピエゾ圧電素子
67に充電された電荷が放電用コイル112bを介して放電さ
れ、ピエゾ圧電素子67の端子電圧Vは一定端子V2まで低
下する。この電圧V2は電圧V1とほぼ等しい。ピエゾ圧電
素子67に充電された電荷が放電せしめられるとピエゾ圧
電素子67が収縮する。その結果、溢流弁31が弁シート部
40から離れて溢流弁31が即座にわずかばかり開弁する。
溢流弁31がわずかばかり開弁すると燃料加圧室15内の高
圧の燃料が燃料溢流路48および加圧燃料導入室42を介し
て第2燃料溢流室44内に噴出し、その結果燃料加圧室15
内の燃料圧Pは急速に低下する。その結果、ニードル7
が下降してメイン噴射が停止せしめられる。なお、この
とき溢流弁31がわずかばかり開弁せしめられているので
燃料加圧室15内の燃料圧Pは溢流弁31が開弁した当初は
急速に低下するが燃料圧Pが低くなると燃料圧Pの低下
が鈍くなり、斯くしてピエゾ圧電素子67の端子電圧Vが
一定電圧V2に達したときには燃料加圧室15内の燃料圧P
は依然として比較的高い圧力になっている。その結果、
メイン噴射完了時に燃焼室内の燃焼ガスがノズル口3を
介して環状燃料通路19内に流入するのが阻止され、また
メイン噴射完了後に微少な気泡が発生するのが阻止され
る。
次いで暫らくするとスイッチング素子120が再びオン
とされ、ピエゾ圧電素子67に充電されている残りの電荷
が放電せしめられる。その結果、溢流弁31が全開せしめ
られるために燃料加圧室15内の燃料圧がフィード圧まで
低下する。
第12図および第13図に更に別の実施例を示す。
この実施例では第12図に示されるように駆動回路100
が比較的小さな電圧を発生する第1の高電圧発生回路10
1と、比較的大きな電圧を発生する第2の高電圧発生回
路102を具備する。第1高電圧発生回路101の出力端子間
には第1のコンデンサ105が接続され、この第1コンデ
ンサ105は第1高電圧発生回路101の出力電圧によって充
電される。一方、第2高電圧発生回路102の出力端子間
には第2のコンデンサ106が接続され、この第2コンデ
ンサ106は第2高電圧発生回路102の出力電圧によって充
電される。また、駆動回路100は充電用コイル112aと放
電用コイル112bとを具備し、これらコイル112a,112bの
一端がピエゾ圧電素子67に接続される。充電用コイル11
2aの他端と第1コンデンサ105間には第1のサイリスタ1
13が配置され、充電用コイル112aの他端と第2コンデン
サ106間には第2のサイリスタ114が配置される。一方、
放電用コイル112bの他端は第3のサイリスタ130を介し
て定電圧維持回路131に接続され、更に放電用コイル112
bの他端には第3サイリスタ130と並列に第4のサイリス
タ132が接続される。定電圧維持回路131は第3サイリス
130と直列に接続された第3のコンデンサ133と、この第
3コンデンサ133を充電するための第3の高電圧発生回
路134と、コンデンサ133と並列接続されたツェナーダイ
オード136からなり、ツェナーダイオード136には逆流防
止用のダイオード137および抵抗138が直列接続される。
電子制御ユニット200の出力ポート206は対応するサイ
リスタ駆動回路211を介して各サイリスタ113,114,130,1
32のゲート端子に接続され、各サイリスタ113,114,130,
132はサイリスタ駆動回路211から出力されるサイリスタ
制御信号によって制御される。電子制御ユニット200で
は上死点検出センサ207とクランク角センサ208の出力信
号から現在の機関クランク角が計算され、負荷センサ20
9の出力信号から燃料噴射時間が計算される。出力ポー
ト206にはこれらの計算結果に基いて燃料噴射開始時期
および燃料噴射完了時期を示すデータが出力され、この
データに基いて各サイリスタ113,114,130,132が制御さ
れる。
次に第13図に示すタイムチャートを参照しつつユニッ
トインジェクタの駆動制御方法について説明する。
第13図に示されるように燃料噴射を開始すべく第1サ
イリスタ113がオンにされると第1コンデンサ105に充電
された電荷が充電用コイル112aを介してピエゾ圧電素子
67に充電される。ピエゾ圧電素子67に電荷が充電される
とピエゾ圧電素子67は軸線方向に伸長し、その結果ピス
トン63が下降するために可変容積室68および圧力制御室
55内の燃料圧が急激に上昇する。圧力制御室55内の燃料
圧が上昇するとロッド50が第3図および第4図において
左方に移動するためにそれに伴って溢流弁31も左方に移
動し、溢流弁31の端部が弁シート部40に当接して溢流弁
31が閉弁せしめられる。なお、このときピエゾ圧電素子
67に充電される電荷量は溢流弁31が弁シート部40に比較
的軽く押圧される電荷量となっている。従ってこのとき
溢流弁31は比較的低速度で弁シート部40に衝接するので
溢流弁31が弁シート部40に衝接後はね返り、再び溢流弁
31が開弁するのが阻止される。次いで第2サイリスタ11
4がオンになると第2コンデンサ106に充電されている電
荷が充電用コイル112aを介してピエゾ圧電素子67に充電
されるためにピエゾ圧電素子67が更に伸長する。その結
果、溢流弁31が弁シート部40に強力に押圧されるので溢
流弁31が強固に閉弁状態に保持される。溢流弁31が閉弁
すると燃料加圧室15内の燃料圧はプランジャ12の下降運
動により急激に上昇し、燃料加圧室15内の燃料圧が予め
定められた一定圧を越えるとニードル7が開弁してノズ
ル口3から燃料が噴射される。
次いで第13図に示すように第3サイリスタ130がオン
になるとピエゾ圧電素子67に充電された電荷は放電用コ
イル112bおよび定電圧維持回路131を介して放電され
る。ところでツェナーダイオード136は逆方向電圧がツ
ェナー電圧以上のときにはオン状態となり、逆方向電圧
がツェナー電圧以下になるとオフ状態となる。従って第
3コンデンサ133の端子電圧がツェナー電圧を越えると
第3高電圧発生回路134によって第3コンデンサ133に充
電された電荷の一部がツェナーダイオード136を介して
放電され、従って第3コンデンサ133の端子電圧はツェ
ナーダイオード136により定まる一定電圧に維持され
る。なお、抵抗138は第3コンデンサ133からの放電時間
を制御して各ダイオード136,137に過電流が流れるのを
防止するために設けられており、従ってこの抵抗138の
抵抗値はかなり小さい。
斯くして第3サイリスタ130がオンになるとピエゾ圧
電素子67に充電された電荷は放電用コイル112bを介して
ピエゾ圧電素子67の端子電圧Vが第3コンデンサ133の
端子電圧V0(第13図)になるまで急速に放電せしめら
れ、次いでピエゾ圧電素子67の端子電圧Vは第3コンデ
ンサ133の端子電圧V0に維持される。このように、ピエ
ゾ圧電素子67に充電された電荷が放電せしめられるとピ
エゾ圧電素子67が収縮する。その結果、ピストン63が圧
縮ばね71のばね力により上昇せしめられるために可変容
積室68および圧力制御室55内の燃料圧が低下する。圧力
制御室55内の燃料圧が低下するとロッド50および溢流弁
31が圧縮ばね46のばね力によりただちに第3図および第
4図において右方に移動し、溢流弁31が弁シート部40か
ら離れて溢流弁31が即座にわずかばかり開弁する。溢流
弁31がわずかばかり開弁すると燃料加圧室15内の高圧の
燃料が燃料溢流路48および加圧燃料導入室42を介して第
2燃料溢流室44内に噴出し、その結果燃料加圧室15内の
燃料圧Pは急速に低下する。その結果、ニードル7が下
降して燃料噴射が停止せしめられる。なお、このとき溢
流弁31がわずかばかり開弁せしめられるので燃料加圧室
15内の燃料圧Pは溢流弁31が開弁した当初は急速に低下
するが燃料圧Pが低くなると燃料圧Pの低下が鈍くな
り、斯くしてピエゾ圧電素子67の端子電圧Vが第3コン
デンサ133の端子電圧V0に達したときには燃料加圧室15
内の燃料圧Pは依然として比較的高い圧力になってい
る。その結果、燃焼室内の燃焼ガスがノズル口3を介し
て環状燃料通路19内に流入するのが阻止され、また環状
燃料通路19内に微少な気泡が発生するのが阻止される。
次いで第13図に示されるように第4サイリスタ132が
オンになるとピエゾ圧電素子67に充電されている残りの
電荷が急速に放電せしめられる。その結果、溢流弁31が
全開せしめられ、燃料加圧室15内の燃料圧がフィード圧
まで低下する。
第14図および第15図は第12図および第13図に示す実施
例の変形例を示している。この実施例においても放電用
コイル112bの他端には第3サイリスタ130および第4サ
イリスタ132が接続されているがこの実施例では第3サ
イリスタ130が第2コンデンサ106と第2サイリスタ114
の間に接続されている。また、この実施例では第1高電
圧発生回路101および第2高電圧発生回路102が対応する
駆動回路212を介して出力ポート206に接続されており、
これらの各高電圧発生回路101,102は電子制御ユニット2
00の出力信号に基いて燃料噴射の完了後に各コンデンサ
105,106への充電を開始するように制御される。
次に第15図に示すタイムチャートを参照しつつユニッ
トインジェクタの駆動制御方法について説明する。
燃料噴射を開始すべきときにはまず初めに第1サイリ
スタ113がオンとされ、次いで第2サイリスタ114がオン
とされる。従ってこのときには第13図に示す実施例と同
様にピエゾ圧電素子67に対し2段階の充電が行われる。
なお、第1サイリスタ113および第2サイリスタ114がオ
ンになると第15図に示すように第1コンデンサ105およ
び第2コンデンサ106の端子電圧Vが低下するがこのと
き各コンデンサ105,106に対して高電圧発生回路101,102
からの充電作用が停止されているために第1コンデンサ
105および第2コンデンサ106の端子電圧Vは低下した状
態で保持される。
次いで燃料の噴射を停止すべく第3サイリスタ130が
オンにされるとピエゾ圧電素子67に充電された電荷の放
電が開始され、このときピエゾ圧電素子67の端子電圧V
は第2コンデンサ106の容量で決まる一定電圧V0になる
まで急速に低下し、その後この一定電圧V0に保持され
る。この一定電圧V0は第13図に示す電圧V0と同じであ
り、従ってこの実施例では第2コンデンサ106が定電圧
維持回路の役割りを果す。次いで第4サイリスタ132が
オンにされるとピエゾ圧電素子67に充電されている残り
の電荷が急速に放電せしめられる。次いで各高電圧発生
回路101,102から第1コンデンサ105および第2コンデン
サ106への充電が開始され、従って各コンデンサ105,106
の端子電圧Vが次第に上昇する。
この実施例ではピエゾ圧電素子67から放電された電荷
の一部を第2コンデンサ106に充電し、この第2コンデ
ンサ106に充電された電荷を次の燃料噴射時にピエゾ圧
電素子67に充電するようにしているので電力消費量を低
減できるという利点があるばかりでなく、駆動回路100
の放電回路の回路構成が簡単になるという利点がある。
また、第2コンデンサ106に充電された電荷は次の燃料
噴射時に放電せしめられるので第12図に示すようにツェ
ナーダイオード136を含む過電圧放電回路を設ける必要
がない。
第16図および第17図に更に別の実施例を示す。
この実施例では第16図に示されるように駆動回路100
が比較的小さな電圧を発生する第1の高電圧発生回路10
1と、比較的大きな電圧を発生する第2の高電圧発生回
路102を具備する。第1高電圧発生回路101の出力端子間
には第1コンデンサ105が接続され、第1のコンデンサ1
05は第1高電圧発生回路101の出力電圧によって充電さ
れる。一方、第2高電圧発生回路102の出力端子間には
第2のコンデンサ106が接続され、この第2コンデンサ1
06は第2高電圧発生回路102の出力電圧によって充電さ
れる。また、駆動回路100は充電用コイル112aと放電用
コイル112bとを具備し、これらコイル112a,112bの一端
がピエゾ圧電素子67に接続される。充電用コイル112aの
他端と第1コンデンサ105間には第1のサイリスタ113が
配置され、充電用コイル112aの他端と第2コンデンサ10
6間には第2のサイリスタ114が配置される。一方、放電
用コイル112bの他端は第3のサイリスタ140を介して放
電時定数制御回路141に接続される。この放電時定数制
御回路141は並列接続されたコイル142とツェナーダイオ
ード143からなり、ツェナーダイオード143には逆流防止
用のダイオード144が直列接続される。
電子制御ユニット200の出力ポート206は対応するサイ
リスタ駆動回路211を介して各サイリスタ113,114,140の
ゲート端子に接続され、各サイリスタ113,114,140はサ
イリスタ駆動回路211から出力されるサイリスタ制御信
号によって制御される。電子制御ユニット200では上死
点検出センサ207とクランク角センサ208の出力信号から
現在の機関クランク角が計算され、負荷センサ209の出
力信号から燃料噴射時間が計算される。出力ポート206
にはこれらの計算結果に基いて燃料噴射開始時期および
燃料噴射完了時期を示すデータが出力され、このデータ
に基いて各サイリスタ113,114,140が制御される。
次に第17図に示すタイムチャートを参照しつつユニッ
トインジェクタの駆動制御方法について説明する。
第17図に示されるように燃料噴射を開始すべく第1サ
イリスタ113がオンにされると第1コンデンサ105に充電
された電荷が充電用コイル112aを介してピエゾ圧電素子
67に充電される。ピエゾ圧電素子67に電荷が充電される
とピエゾ圧電素子67は軸線方向に伸長し、その結果ピス
トン63が下降するために可変容積室68および圧力制御室
55内の燃料圧が急激に上昇する。圧力制御室55内の燃料
圧が上昇するとロッド50が第3図および第4図において
左方に移動するためにそれに伴って溢流弁31も左方に移
動し、溢流弁31の端部が弁シート部40に当接して溢流弁
31が閉弁せしめられる。なお、このときピエゾ圧電素子
67に充電される電荷量は溢流弁31が弁シート部40に比較
的軽く押圧される電荷量となっている。従ってこのとき
溢流弁31は比較的低速度で弁シート部40に衝接するので
溢流弁31が弁シート部40に衝接後はね返り、再び溢流弁
31が開弁するのが阻止される。次いで第2サイリスタ11
4がオンになると第2コンデンサ106に充電されている電
荷が充電用コイル112aを介してピエゾ圧電素子67に充電
されるためにピエゾ圧電素子67が更に伸長する。その結
果、溢流弁31が弁シート部40に強力に押圧されるので溢
流弁31が強固に閉弁状態に保持される。溢流弁31が閉弁
すると燃料加圧室15内の燃料圧はプランジャ12の下降運
動により急激に上昇し、燃料加圧室15内の燃料圧が予め
定められた一定圧を越えるとニードル7が開弁してノズ
ル口3から燃料が噴射される。
次いで第17図に示すように第3サイリスタ140がオン
になるとピエゾ圧電素子67にチャージされた電荷は放電
用コイル112bを介して放電される。ところでツェナーダ
イオード143は逆方向電圧がツェナー電圧以上のときに
はオン状態になり、逆方向電圧がツェナー電圧以下にな
るとオフ状態となる。従って第3サイリスタ140がオン
になるとピエゾ圧電素子67に充電された電荷は放電用コ
イル112aによって定まる第1の放電時定数でもってツェ
ナーダイオード143を介しピエゾ圧電素子67の端子電圧
Vがツェナー電圧V0(第17図)になるまで急速に放電せ
しめられる。ピエゾ圧電素子67に充電された電荷が放電
せしめられるとピエゾ圧電素子67が収縮する。その結
果、ピストン63が圧縮ばね71のばね力により上昇せしめ
られるために可変容積室68および圧力制御室55内の燃料
圧が低下する。圧力制御室55内の燃料圧が低下するとロ
ッド50および溢流弁31が圧縮ばね46のばね力によりただ
ちに第3図および第4図において右方に移動し、溢流弁
31が弁シート部40から離れて溢流弁31が即座にわずかば
かり開弁する。溢流弁31がわずかばかり開弁すると燃料
加圧室15内の高圧の燃料が燃料溢流路48および加圧燃料
導入室42を介して第2燃料溢流室44内に噴出し、その結
果燃料加圧室15内の燃料圧Pは急速に低下する。その結
果、ニードル7が下降して燃料噴射が停止せしめられ
る。なお、このとき溢流弁31がわずかばかり開弁せしめ
られるので燃料加圧室15内の燃料圧Pは溢流弁31が開弁
した当初は急速に低下するが燃焼圧Pが低くなると燃料
圧Pの低下が鈍くなり、斯くしてピエゾ圧電素子67の端
子電圧Vがツェナー電圧V0に達したときには燃料加圧室
15内の燃料圧Pは依然として比較的高い圧力になってい
る。
ピエゾ圧電素子67の端子電圧Vがツェナー電圧V0まで
低下するとツェナーダイオード143はオフ状態となるた
めにピエゾ圧電素子67に充電されている電荷はコイル14
2を介して放電用コイル112bおよびコイル142により定ま
る第2の放電時定数でもってコイル142を介し放電せし
められる。この第2放電時定数は放電用コイル112bのみ
によって定まる第1放電時定数よりも大きく、従ってピ
エゾ圧電素子67の端子電圧Vは比較的ゆっくりと低下す
る。その結果、溢流弁31の開弁量がゆっくりと増大し、
斯くして燃料加圧室15内の燃料圧Pがゆっくりと低下す
る。
このようにこの実施例では燃料噴射を停止すべく溢流
弁31が開弁せしめられた当初は燃料加圧室15内の燃料圧
Pは急速に低下するがその後一定圧に達した後は徐々に
低下する。即ち、燃料加圧室15内の燃料圧Pは急速に低
下した後、一時的に比較的高い圧力に維持されるのでニ
ードル加圧室18および環状燃料通路19内の燃料圧も比較
的高い圧力に維持される。その結果、燃料室内のガスが
ノズル口3を介して環状燃料通路19内に流入するのが阻
止され、また環状燃料通路19内に微少な気泡が発生する
のが阻止される。
なお、これまで本発明をユニットインジェクタに適用
した場合について説明してきたが本発明を分配型燃料噴
射ポンプに適用することもできる。
〔発明の効果〕
燃料噴射停止時には燃料噴射停止直前における燃料加
圧室内の燃料圧が或る一定圧までしか低下しないのでニ
ードル周りの燃料通路内に燃焼ガスが流入するのを阻止
することができ、しかもニードル周りの燃料通路内に微
少な気泡が発生するのを阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はユニットインジェクタの駆動制御回路図、第2
図はタイムチャート、第3図は第6図のIII−III線に沿
ってみたユニットインジェクタの側面断面図、第4図は
第3図の一部拡大側面断面図、第5図は第6図のV−V
線に沿ってみた側面断面図、第6図は第3図のIV−IV線
に沿ってみた側面断面図、第7図は第3図および第8図
のVII−VII線に沿ってみた側面断面図、第8図は第3図
のVIII−VIII線に沿ってみた平面断面図、第9図はユニ
ットインジェクタの別の実施例を示す駆動制御回路図、
第10図は第9図の駆動制御回路を用いた場合のタイムチ
ャート、第11図はスイッチング素子のオン時間tGと機関
回転数NEの関係を示す線図、第12図はユニットインジェ
クタの更に別の実施例を示す駆動制御回路図、第13図は
第12図の駆動制御回路を用いた場合のタイムチャート、
第14図はユニットインジェクタの更に別の実施例を示す
駆動制御回路図、第15図は第14図の駆動制御回路を用い
た場合のタイムチャート、第16図はユニットインジェク
タの更に別の実施例を示す駆動制御回路図、第17図は第
16図の駆動制御回路を用いた場合のタイムチャートであ
る。 3……ノズル口、7……ニードル、 11……プランジャ孔、12……プランジャ、 15……燃料加圧室、20……燃料供給ポート、 30……摺動孔、31……溢流弁、 55……圧力制御室、67……ピエゾ圧電素子、 69……可変容積室、100……駆動回路、 105,106,107,108,133……コンデンサ、 112a,112b,142……コイル、 113,114,115,116,117,118,119,130,132,140……サイリ
スタ、 120……スイッチング素子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平1−97540 (32)優先日 平1(1989)4月19日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 鳥谷尾 哲也 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 中森 康隆 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−187345(JP,A) 特開 昭63−230940(JP,A) 特開 昭63−134836(JP,A) 特開 昭63−65167(JP,A) 特開 平2−233864(JP,A) 特開 平2−233865(JP,A) 実開 昭62−117251(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 41/20 F02M 51/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関により駆動されるプランジャと、燃料
    で満たされかつプランジャにより加圧される燃料加圧室
    と、燃料加圧室内の燃料圧に応動して該燃料圧が予め定
    められた圧力を越えたときに開弁するニードルと、燃料
    加圧室内の燃料を溢流させる燃料溢流通路と、圧電素子
    によって駆動されかつ該燃料溢流通路内に配置された溢
    流弁とを具備し、該圧電素子が充電されたときに溢流弁
    が閉弁方向に駆動されて燃料噴射が開始され、該圧電素
    子が放電されたときに溢流弁が開弁方向に駆動されて燃
    料噴射が停止される燃料噴射装置において、上記圧電素
    子の放電時にまず初めに該圧電素子から燃料噴射を停止
    させるのに必要な電荷量のみを部分的に放電させた後に
    圧電素子からの放電作用を一時的に停止し次いで圧電素
    子から残りの電荷を放電させる放電回路を具備した燃料
    噴射装置の制御回路。
  2. 【請求項2】機関により駆動されるプランジャと、燃料
    で満たされかつプランジャにより加圧される燃料加圧室
    と、燃料加圧室内の燃料圧に応動して該燃料圧が予め定
    められた圧力を越えたときに開弁するニードルと、燃料
    加圧室内の燃料を溢流させる燃料溢流通路と、圧電素子
    によって駆動されかつ該燃料溢流通路内に配置された溢
    流弁とを具備し、該圧電素子が充電されたときに溢流弁
    が閉弁方向に駆動されて燃料噴射が開始され、該圧電素
    子が放電されたときに溢流弁が開弁方向に駆動されて燃
    料噴射が停止される燃料噴射装置において、上記圧電素
    子の放電時にまず初めに予め定められた第1の放電時定
    数でもって該圧電素子から燃料噴射を停止させるのに必
    要な電荷量のみを部分的に放電させ次いで該第1の放電
    時定数よりも大きい第2の放電時定数でもって圧電素子
    から残りの電荷を放電させる放電回路を具備した燃料噴
    射装置の制御回路。
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JP2550975B2 (ja) * 1987-03-18 1996-11-06 トヨタ自動車株式会社 燃料噴射装置
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