JP2782451B2 - 高耐食性重畳めっき鋼板 - Google Patents

高耐食性重畳めっき鋼板

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は自動車車体、建材および家電製品に用いる耐
食性に優れためっき鋼板に関するものである。
(従来技術) 鋼板を使用する用途において耐食性に優れた表面処理
鋼板の必要性が大きく、鉄の犠牲防食の観点から亜鉛め
っき鋼板および亜鉛合金めっき鋼板が広く使用されてい
る。本発明はより優れた亜鉛系のめっき鋼板に関し、既
存の亜鉛系のめっき被膜の表面に耐食性に優れた被膜を
重ねめっきした重畳めっき鋼板を提供するものである。
本発明に関係する従来技術としては、シリカ(SiO2
と亜鉛(Zn)複合めっき被膜を被覆した亜鉛または亜鉛
合金めっき鋼板の特公昭60−9590号公報、溶融アルミニ
ウムめっき被膜を被覆した二層亜鉛めっき鋼板の特願昭
61−190450号公報、蒸着アルミニウムと亜鉛の二層蒸着
めっき鋼板の米国特許3438754公報、蒸着マグネシウム
亜鉛二層めっきを被覆した鋼板のドイツ特許1905908公
報(あるいは白781868−Q 1974−4−15:BEKAERT BA N
V)がある。これらのめっき鋼板は亜鉛めっき単独に比
べ耐食性に優れているが重ねめっきの欠点である上層と
下層のめっきの電位差から界面部で腐食が進みやすくブ
リスターの発生や密着不良が生じやすい問題があり実用
化されなかった。
(発明が解決しようとする課題) 鉄の犠牲防食能に関しては亜鉛が実用的で最も優れた
金属であり、ピンホールや切断面、傷などめっきの損傷
部の防食のため比較的厚い亜鉛めっきの被膜を必要とす
る。
しかしながら、亜鉛は活性であるため白錆を発生し消
耗する。理想的なめっき被膜は鉄の犠牲防食に必要な最
少限の腐食が進むめっき組成が望ましい。この目的で重
ねめっきした場合、Ni、Cr、Fe等の貴な金属が亜鉛めっ
き被膜に被覆されると異種金属接触による局部電池が形
成し、下層の亜鉛が選択的に腐食する。Ti、Al等の金属
においても極めて安定な酸化被膜を形成し、下層の亜鉛
が選択腐食する。重畳めっきは損傷部が無い無欠陥被膜
であれば非常に優れた耐食性を示す。
亜鉛めっき被膜の上層に更に重ねめっきした重畳めっ
き鋼板は、前記した如くめっきが薄いと欠陥部からの下
層めっきの孔食が進み易い。めっきを厚くするとめっき
密着不良や塩水の如き電解負を含む環境下では欠陥部か
らの腐食によって上層と下層の界面で剥離する問題があ
り、又コストアップが生ずる問題があった。
本発明は薄膜の高耐食性被膜を上層に有する亜鉛系合
金めっき鋼板の開発において、これらの欠点を解決した
ものである。
(課題を解決するための手段) 本願発明の要旨は (1)亜鉛めっき被膜上にTi、Si、Al、Mg、Bの一種も
しくは二種以上の金属、およびその酸化物からなる複合
被膜を有することを特徴とする高耐食性重畳めっき鋼
板。
(2)亜鉛合金めっき被膜上にTi、Si、Al、Mg、Bの一
種もしくは二種以上の金属、およびその酸化物からなる
複合被膜を有することを特徴とする高耐食性重畳めっき
鋼板。
(3)亜鉛めっき被膜上にTi、Si、Al、Mg、Bの一種も
しくは二種以上の金属、およびその酸化物の組成が酸化
物としての金属元素(MO)と金属としての金属元素(M
M)の原子%比(MO/MM)が0.1〜1.0で且つその被膜厚み
が0.2〜5.0ミクロンであることを特徴とする高耐食性重
畳めっき鋼板。
(4)亜鉛合金めっき被膜上にTi、Si、Al、Mg、Bの一
種もしくは二種以上の金属、およびその酸化物の組成が
酸化物としての金属元素(MO)と金属としての金属元素
(MM)の原子%比(MO/MM)が0.1〜1.0で且つその被膜
厚みが0.2〜5.0ミクロンであることを特徴とする高耐食
性重畳めっき鋼板。
(5)亜鉛めっき被膜上にTi、Si、Al、Mg、Bの一種も
しくは二種以上の金属、およびその酸化物からなる複合
被膜の表面に後処理被膜を有することを特徴とする高耐
食性重畳めっき鋼板。
(6)亜鉛合金めっき被膜上にTi、Si、Al、Mg、Bの一
種もしくは二種以上の金属、およびその酸化物からなる
複合被膜の表面に後処理被膜を有することを特徴とする
高耐食性重畳めっき鋼板である。
本発明に用いる下層の亜鉛系のめっき被膜は、電気め
っき、物理蒸着めっき、溶融めっき被膜が含まれる。
(作 用) 本発明は上層にTi、Si、Al、Mg、Bの金属(金属とし
ての金属元素をMMと略)とその酸化物(酸化物としての
金属元素をMOとして略)から構成される複合被膜を有す
る点に特徴がある。
本発明第1項は下層に亜鉛めっき被膜を有するもので
ある。
Ti、Si、Al、Mg、Bの金属は亜鉛よりも活性な金属で
あるが、その酸化物は安定な化合物である。これらの金
属を真空蒸着等の気相めっき方法で直接亜鉛めっき上に
被覆すると薄膜では欠陥が多い被膜を形成する。
本発明ではTi、Si、Al、Mgの一部が酸化物として形成
するように析出させることにより薄膜で欠陥が少く、且
つ上層めっきの絶縁性が付与されるため下層亜鉛との局
部電池が形成し難く孔食がほとんど生じない高耐食性重
畳めっき鋼板を得ることが出来る。酸化物の共析による
無欠陥のメカニズムは真空蒸着の場合、析出金属の結晶
の生長に対して、酸化物が抑制被膜として作用し水平方
向に被膜が形成するためと推定している。
本発明の第2項は、下層めっきとして、亜鉛合金めっ
きを用いる発明である。亜鉛に比べ亜鉛合金めっきを下
層にした場合、より均質な上層めっきが形成し、孔食に
対する酸化物と金属の比(MO/MM比)の許容量が広がる
利点があり、耐食性は下層が純亜鉛めっきの場合に比べ
格段に向上する。
本発明の上層めっきの組成は、広範囲にわたって含ま
れるが、好ましくは次の組成の複合体が望ましい。上層
皮膜にはTi、Si、Al、Mgの1種以上の金属とその金属酸
化物で構成される。前述した金属としての金属元素(M
M)と酸化物としての金属元素(MO)との関係でMO/MM比
が原子%比で0.1〜1.0が望ましい。この比の求め方が種
々考えられるが例えば次の様にして測定する。
近年表面解析機器の発展はめざましく、極表面層の元
素成分濃度を測定するオージェ電子分光法(AES)が定
量的に測定できる機器として実用されている。通常Agを
標準物質として強度を測定し各元素の相対感度係数を乗
じて、その強度を補正し、相対的な濃度を原子%比(Re
lative concentration%)として算出する。例えば0の
場合、SiO2を標準として強度を求め、前述の補正を加え
て、Si:Oの原子%比が1:2として求められる。
このAESを用いて、本発明の上層めっきを深さ方向に
分析(Depth−o−profile)し、原子%比を求める。本
発明の例として、第1図に5%Alを含む亜鉛合金めっき
被膜10μ(SZと略)の上にSiとSiの酸化物(SiO2として
仮定)で構成される複合めっきを約1.0μ狙いで真空蒸
着めっきした本発明の上層被膜を深さ方向にスパッタリ
ングしながら各元素毎に解析した結果を示した。
Siはシリコンの原子%(a)、Oは酸素の原子%
(b)の深さ方向の濃度曲線を示す。MOの求め方、MMの
求め方は次の如く計算する。シリコンの場合、酸化物を
SiO2とするとSiとOの比はSi/O2(fで表す)は1/2即ち
0.5である。従って、MOはOの原子%(b)に0.5乗じた
b(27%)×0.5即ち14である。MMはa(54)−MO(1
4)即ち40と計算できる。従って、MO/MM比は0.35であ
る。この本発明例の場合の耐食性能はJIS Z2371で規定
された塩水噴霧試験(SSTと略)1000時間の時点で白錆
を発生せず(下層のめっきが腐食していない)極めて高
度の耐食性を示した。本発明の上層めっきを施さないSZ
は同一の試験で赤錆5%(錆発生面積率)発生した。
同様に第2図は、12%Ni含有の亜鉛合金めっき被膜3
μ(ZLと略)上にTiとTiの酸化物の複合めっきを真空蒸
着にてめっきした本発明例を示す。TiはTiの原子%
(a)、Oは酸素の原子%比(b)を示す。第1図と同
様の計算によりMO/MM比は0.4として計算出来る。この本
発明例の場合SST 1000時間で白錆を発生せず、上層めっ
きを施さない場合赤錆が50%(面積率)発生し、本発明
の鋼板は極めて優れた耐食性能を示した。
本発明におけるMO/MM比は理想的には0.1〜1.0である
と前述した。0.1未満では前述した如く欠陥の多いめっ
き被膜が形成し、損傷部分からの孔食が生じ易い。又、
1.0超ではめっきの密着加工性能が劣化するため好まし
くない。
上層めっきのめっき厚みは0.2〜5.0μが好ましい。0.
2μ未満ではめっき厚みが不足し、上層めっきとしての
機能が充分に発揮されないため耐食性が不足する。5.0
μ超ではめっきの密着加工性が劣化し、折り曲げ加工、
プレス加工により剥離するため好ましくない。しかし、
平板で使用する場合は高度の耐食性を発揮する。
本発明の上層めっきを得る方法としては、いかなる方
法で製造しても良いが、真空蒸着めっき、イオンプレイ
ティング等の気相めっきが好ましい。MO/MM比を得るた
めには、蒸着金属に対して弱酸化性雰囲気例えばO2
ス、O2+N2、Ar+O2、O2+H2O、H2O、CO2+O2、CO+C
O2、H2O+H2等の単体もしくはミックスガスを基板近傍
に供給しながらTi、Si、Al、Mg、Bの金属を蒸発させめ
っき鋼板(基板)上に析出させる方法もしくは、Ti、S
i、Al、Mg、Bの金属とこれらの酸素含有化合物を同時
蒸発させることによって得られる。めっき厚みは水晶式
モニターで検出し、シャッター、蒸発源の加熱温度、基
板温度、真空条件によって制御することによって製造で
きる。
本発明のTi、Si、Al、Mg、Bの1種以上の金属および
その酸化物で構成される複合めっき被膜の上に後処理被
膜を処理することによってより高度の耐食性およびその
他の性能例えば塗料密着性、塗装後耐食性、着色および
潤滑性等が付与又は改善できる。後処理被膜としては、
クロメート処理、リン酸塩処理、陽極酸化等の化成処理
被膜油、有機被膜等の処理が含まれる。
これらの後処理の内特にクロメート処理は上層めっき
被膜のピンホールを封孔又は不働態化し、耐食性を向上
させる効果が大きい。クロメートとしては無水洗塗布型
の焼付クロメート、エッチング性の後水洗型クロメート
および電解によって還元析出させる電解クロメート処理
が含まれる。Cr付着量としては、T、Cr換算で10〜200G
m/m2が好ましい。10mg/m2未満ではクロメートの効果が
不充分であり、200mg/m2超では、クロメート被膜自身の
加工性が劣化し好ましくない。
陽極酸化処理によって表面層に酸化膜を形成させるこ
とによってピンホールが封孔され、条件によっては着色
外観が得られる。有機被膜は溶剤系もしくは水系のクリ
ヤー樹脂もしくはC、SiO2等の微粒子と複合させた樹脂
被膜が好ましく、クロメートとの組合せによって、耐食
性等の性能が向上する。
実施例1 第1表に示した既存の方法で作成した各種亜鉛めっき
鋼板の上に、Ti、Si、Al、MgおよびBを下記条件にて蒸
着したのち、めっき表面をオージェ電子分光法にて深さ
方向の元素分析を行いMO/MM比を求めた。又、めっき付
着量は蒸着時に水晶モニターにて測定制御した他、別途
当該めっき鋼板をベースとした鋼板にて検量線を作成し
蛍光X線分析にて測定した。得られた重畳めっき鋼板の
品質として耐食性試験、密着性試験を行った。前者はJI
S−Z2371規定の塩水噴霧試験(SST)にて一定時間毎に
観察を行い白錆(亜鉛の腐食生成物:記号WR)、赤錆
(鉄の腐食生成物:記号RR)の発生を面積率(百分率
%)で表示した。後者は、板厚2枚分の間隙で180゜曲
げプレスし(2T−曲げ)セロテープにて剥離し、当該セ
ロテープを混酸にて溶解して原子吸光にて金属元素を測
定し、全金属元素の和を剥離量(g/m2)として評価し
た。
蒸着条件は次のように行った。尚、O2分圧は外部より
O2を既存めっき鋼板→有機溶剤にて洗浄→Arスパッタリ
ング(1分)→真空蒸着〔O2分圧10-3トール(O2ガス導
入)エレクトロンビーム加熱蒸発、板温50〜70℃(水
冷)〕 A1〜A5は下層めっきとして5%Al含有の溶融亜鉛合金
めっきしたのち、Ti、Si、Al、Mg、Bを単独にエレクト
ロンビームで蒸発させて得た本発明の重畳めっき鋼板で
ある。MO/MM比は酸素との親和力の高いTi、Si、Bが0.3
5〜0.42と高く、Al、Mgは0.22〜0.25である。外観はSi
の場合若干青く着色した。耐食性は比較材の無処理材
(A6)に比べ赤錆の発生がなく、良好であった。密着性
も実用的に使用できる範囲であった。尚、A2、A3につい
ては、オージェ電子分光による深さ方向の分析結果第1
図(A2)、第3図(A3)に示した。N1〜N5は下層めっき
としてNi12%含有する電気亜鉛合金めっきしたのち該当
する金属を単独に蒸発させてめっきしたものである。T
i、Siを蒸発させたN1、N2は白錆の発生が少い極めて高
度の耐食性を示した。N1については第2図にオージェ電
子分光の結果を示した。Al(N3および第6図)、Mg(N
4)、B(N5)についても比較材の無処理のN6に比べ耐
食性、密着性に優れた本発明の重畳めっき鋼板が得られ
た。Z1〜Z5は下層めっきとして通常の溶融亜鉛めっき鋼
板のAlを0.2%含有するめっきを用いた本発明例であ
る。比較材の無処理(Z6)高真空条件(O2分圧10-5トー
ル)下でAlおよびMgを上層にめっきしたZ7、Z8に比べ耐
食性、密着加工性に優れた結果を得た。オージェ電子分
光の結果をZ1(第5図)、Z3(第4図)に示した。
実施例2 実施例1の方法にて5%Al溶融亜鉛合金めっき被膜上
にSiを蒸発させMO/MM比0.4狙いでO2を導入しながらめっ
きした。めっき厚みは水晶モニターにて看視、制御し0.
2〜5.0を狙って本発明の重畳めっき鋼板を作成した。第
2表に結果を示した。耐食性は上層の複合めっき厚みに
比例して改善されているが、密着加工性では逆の傾向で
あった。No.T−5はやや剥離量が多かった。
導入するO2ガスを増加してMO/MM比を1.0、2.0に増加
したS−1、S−2は2−T曲げによる剥離量がやや多
く、特にS−2は加工することは難しく実用的に平面板
としてのみ使用できるレベルに低下した。耐食性は上層
めっき厚に比例して向上するが全て、良好な結果を示し
た。
実施例3 実施例1の手順に従って冷延鋼板の表面に5%Al含有
溶融亜鉛合金めっきを行い、その上にTi、Si、Al、Mg、
Bをそれぞれ単独に蒸発させて蒸着したのち、無水クロ
ム酸を30%還元したクロム酸5g/水溶液と10g/のシ
リカゾルの成分からなる希薄水溶液をCr付着量として20
mg/m2塗布し、板温80℃で熱風乾燥した塗布クロメート
処理重畳めっき鋼板を作成した(C1〜C5)。又、無水ク
ロム酸(50g/)と微量の硫酸(0.5g/)水溶液中で
重畳めっき鋼板を陰極として電解(5A/dm2、12c/dm2
したのち、水洗乾燥してCr付着量60mg/m2の電解クロメ
ート処理重畳めっき鋼板を作成した(P1〜P4)。第3表
に示す本発明の重畳めっき鋼板を作成した。
電解クロメート処理しためっき鋼板上に更にアクリル
樹脂を主成分とするエマルジョンを乾燥膜厚0.5μ塗布
し、板温120℃に焼付けて後処理鋼板を作成した(R1〜R
5)。C6、P5およびR6は上層めっきを行わなかった比較
例である。
比較材C6に比べC1〜C5の塗布クロメート処理した本発
明例は白錆発生に対して、特に効果が大きく耐食性が著
しく向上した。P1〜P5の電解クロメート例については塗
布クロメートに比べやや耐食性が低下するが実施例1の
A1〜A5のクロメートを行わないものに比べ良好な白錆性
を示した。R1〜R5はSST 1000時間で白錆が発生しない極
めて優れた耐食性を有する後処理被覆重畳めっき鋼板を
得た。比較例R6は白錆に対して向上効果が認められた
が、本発明に比べ劣っていた。
実施例4 Niの含有率12%の亜鉛合金電気めっき鋼板の上にO2
圧が10-5トールの状態でシリカとシリコンをそれぞれエ
レクトロンビームで加熱蒸発させMO/MM比が0.3の複合め
っき被膜0.5μを蒸着めっきしたのち、塗布クロメート
(TCr10mg/m2)を処理し本発明の重畳めっき鋼板を作成
した。
塩水噴霧試験1500時間で白錆を認めなかった。
実施例5 真空にしたのちArガスをチャンバー内に入れプラズマ
放電し、Ni含有率が12%の亜鉛合金電気めっき鋼板の上
にシリカとシリコンを蒸発させ、イオンプレイティング
を行い本発明の重畳めっき鋼板を作成した。複合めっき
の膜厚は0.5μで処理した。耐食性は、1000時間で白錆
の発生を認めず密着加工性においては剥離を認めなかっ
た。
(発明の効果) 本発明は、従来の合金めっきに比べ電位的には活性な
金属を含む複合めっきを有し、その絶縁的な作用により
耐食性が付与されるため極めて優れた耐食性能が得られ
る。又、既存のめっきを下地に被覆するため例えば上層
めっきとしての蒸着めっき厚を薄く出来、プロセスを簡
略化出来るので蒸着めっきの実用化における問題点であ
る設備コストの増大を抑えることが出来る。
又、酸化物を含む複合めっきの観点から耐食性に優れ
且つ、耐整性、摩耗性等の特性付加および膜厚の制御に
よって着色出来る利点がある。
【図面の簡単な説明】 第1図はSiとその酸化物を蒸着した溶融アルミ亜鉛合金
めっきを有する本発明の重畳めっき鋼板をオージェ電子
分光法によって分析し、上層めっきの深さ方向(スパッ
タリング時間)の元素の相対電子%で示したものであ
る。 同様に第2図はTiとその酸化物を蒸着した上層めっきの
解析結果である。 第3図、第4図および第6図はAlとその酸化物の蒸着し
た本発明めっき被膜の上層のめっきについて解析した結
果である。 第5図はTiその酸化物を上層めっきした本発明のオージ
ェ電子分光結果である。 いずれもSiO2を標準物質としてSiとOの相対原子%比か
ら金属としての元素“MM"および酸化物としての元素“M
O"の比MO/MMを計算した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橘高 博之 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株 式会社君津製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭64−11983(JP,A) 特開 昭63−297576(JP,A) 特開 昭63−153286(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 28/00 - 30/00 C23C 14/00 - 14/58 C23C 2/00 - 2/26 C25D 5/00 - 5/56

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜鉛めっき被膜上にTi、Si、Al、Mg、Bの
    一種もしくは二種以上の金属、およびその酸化物からな
    る複合被膜を有することを特徴とする高耐食性重畳めっ
    き鋼板。
  2. 【請求項2】亜鉛合金めっき被膜上にTi、Si、Al、Mg、
    Bの一種もしくは二種以上の金属、およびその酸化物か
    らなる複合被膜を有することを特徴とする高耐食性重畳
    めっき鋼板。
  3. 【請求項3】亜鉛めっき被膜上にTi、Si、Al、Mg、Bの
    一種もしくは二種以上の金属、およびその酸化物の組成
    が酸化物としての金属元素(MO)と金属としての金属元
    素(MM)の原子%比(MO/MM)が0.1〜1.0で且つその被
    膜厚みが0.2〜5.0ミクロンであることを特徴とする高耐
    食性重畳めっき鋼板。
  4. 【請求項4】亜鉛合金めっき被膜上にTi、Si、Al、Mg、
    Bの一種もしくは二種以上の金属、およびその酸化物の
    組成が酸化物としての金属元素(MO)と金属としての金
    属元素(MM)の原子%比(MO/MM)が0.1〜1.0で且つそ
    の被膜厚みが0.2〜5.0ミクロンであることを特徴とする
    高耐食性重畳めっき鋼板。
  5. 【請求項5】亜鉛めっき被膜上にTi、Si、Al、Mg、Bの
    一種もしくは二種以上の金属、およびその酸化物からな
    る複合被膜の表面に後処理被膜を有することを特徴とす
    る高耐食性重畳めっき鋼板。
  6. 【請求項6】亜鉛合金めっき被膜上にTi、Si、Al、Mg、
    Bの一種もしくは二種以上の金属、およびその酸化物か
    らなる複合被膜の表面に後処理被膜を有することを特徴
    とする高耐食性重畳めっき鋼板。
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