JP2782354B2

JP2782354B2 - 過給機付ｖ型エンジンの吸気装置

Info

Publication number: JP2782354B2
Application number: JP7127389A
Authority: JP
Inventors: 一彦橋本; 稔益田中; 典之岩田
Original assignee: Mazda Motor Corp
Current assignee: Mazda Motor Corp
Priority date: 1989-03-22
Filing date: 1989-03-22
Publication date: 1998-07-30
Anticipated expiration: 2013-07-30
Also published as: JPH02248621A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、左右バンク間にスクリュータイプの機械式
過給機を搭載した過給機付Ｖ型エンジンの吸気装置に関
する。

（従来技術）Ｖ型エンジンに機械式過給機を搭載する場合に、Ｖバ
ンク間の空間を有効に活用するため過給機をこのバンク
間空間に配設するという考え方は、例えば実開昭61−53
30号公報，実開昭61−1624号公報等に記載されているよ
うに従来から知られている。

ところが、このようにＶ型エンジンに機械式過給機を
搭載する場合に、過給機の容量が大きくなると、これを
左右バンクの間に自由に配設することは難しくなる。と
くに、リショルム式と呼ばれるスクリュータイプの過給
機では、容量を大きくして高回転側まで過給効果を高め
ようとすると、雌雄ロータを横に並べた形では横幅が大
きくなりすぎてＶバンク間に配設できなくなる。したが
って、このような大容量の過給機をＶバンク間に搭載す
る場合は、ロータ軸が上下に並ぶ形で配置せざるを得な
い。しかし、このようなスクリュータイプの過給機で
は、吐出空気を二つのロータの間に位置するケーシング
側壁部から抜かなくてはならないので、上記のように過
給機を縦に配置した場合、吐出通路のレイアウトが難し
くなり、また、吐出抵抗の増大を招くという問題が生ず
る。

（発明の目的）本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、
Ｖ型エンジンの左右バンク間にスクリュータイプの機械
式過給機を配置したものにおいて、大容量の機械式過給
機を左右バンク間にコンパクトに搭載し、しかも、その
吐出抵抗の増大を抑えることのできる過給機付Ｖ型エン
ジンの吸気装置を得ることを目的とする。

（発明の構成）本発明は、Ｖ型に形成された左右バンクの間にスクリ
ュータイプの機械式過給機を搭載した過給機付Ｖ型エン
ジンにおいて、機械式過給機の一対のロータ軸が左右バ
ンクの間で上下に並ぶよう該機械式過給機を配置すると
ともに、そのケーシング側壁部に位置する吐出口を該ケ
ーシングに沿って上方に延設することによって上記目的
を達成したものである。

また、エンジン本体と機械式過給機との間を通して各
気筒の独立吸気通路を延設した場合、機械式過給機の吐
出口を一方のバンクの隣接する二つの独立吸気通路間に
位置せしめることによって上記目的の達成が可能とな
る。

（作用）スクリュータイプの機械式過給機は、一対のロータ軸
が上下に並ぶよう配置されるため、横幅が小さく抑えら
れ、したがって、大容量のものが、Ｖ型エンジンの左右
バンクの間にコンパクトに搭載される。そして、そのケ
ーシング側壁部に位置する吐出口は、該ケーシングに沿
って上方に延設されることにより、滑らかで吐出抵抗の
小さい形状となる。

また、エンジン本体と機械式過給機との間を通して各
気筒の独立吸気通路が延設されることによって各吸気通
路の通路抵抗の増大が抑えられ、また、この場合に、機
械式過給機の吐出口を一方のバンクの隣接する二つの独
立吸気通路間に位置せしめることによって、上記のよう
な、大容量の過給機のコンパクトな位置と、上方への吐
出通路の延設が可能となる。

（実施例）以下、実施例を図面に基づいて説明する。

第１図はこの実施例に係るＶ型エンジンの正面図、第
２図は同平面図である。このエンジン１はＶ型６気筒で
あって、左右バンクの各三つの気筒はエンジン長手方向
に互いに所定量オフセットして配列されている。そし
て、左右バンク2,3間の空間４には、４葉の雄ロータと
６個の溝を持つ雌ロータとを組み合わせてなるいわゆる
リショルム式のスクリュー型機械式過給機５が、その雌
雄ロータが上下に並ぶ形でエンジン長手方向に配置され
ている。

左右バンク2,3の吸気ポート6,7は、各バンク2,3の内
側にあって上方に立ち上がり、接続管8,9を介し吸気集
合管10a,10bの分岐管部11a,11bに接続されている。吸気
集合管10a,10bはバンク間の左右上方をエンジン長手方
向に延び、この各分岐管部11a,11bは上記接続管8,9とと
もに左右バンク2,3の各気筒に対応する独立吸気通路12
a,12bを構成している。そして、これら独立吸気通路12
a,12bには、接続管8,9のエンジン側取付端近傍に、吸気
ポート6,7に向けて燃料噴射用のインジェクタ14が配設
されている。

過給機５は、吸気集合管10a,10bの下方で、左右の接
続管8,9およびインジェクタ14,14の間に位置し、その上
部から左右バンク2,3の独立吸気通路12a,12b間に延びる
左右各二つの取付アーム15,16によってエンジン１側に
直付けで支持固定されている。

第３図は、一方側の取付アーム15による支持固定構造
の拡大図である。この図に示すように、吸気マニホール
ド接続部を構成する接続管８のエンジン本体側連結部8a
には上方に取付ボス部8bが延設され、該ボス部8bを貫通
する取付ボルト41によって、過給機５の取付アーム15が
共締めされている。他方側の取付アーム16の支持固定構
造もこれと同様である。また、このようにして過給機５
が支持固定されることで、接続管8,9等によって構成さ
れる左右吸気マニホールドの剛性が高まる。

また、過給機５の底部中央は、チューブラピン17によ
ってエンジン本体側に連結されている。このチューブラ
ピン17は、過給機５内部の増速ギヤ等を潤滑するための
オイル供給通路を構成し、また、同時に、過給機５取付
時の位置決めとして機能する。また、これによって運転
中の過給機５の軸方向および横方向の振れが抑えられ
る。

過給機５のフロント側端部には電磁クラッチ18を介し
て駆動プーリ19が連結され、この駆動プーリ19とエンジ
ン１のフロント側左側方に設けられた従動プーリ20の大
径部との間，従動プーリ20の小径部とクランクプーリ21
との間に、それぞれベルト22,23が張設されている。な
お、クランクプーリ21にはまた、エアコン用の駆動プー
リ24,パワステ用の駆動プーリ25およびオルタネータ用
の駆動プーリ26との間に、第１図に示すようにアイドラ
27を介しベルト28が張設されている。

過給機５はリヤ側端に入口部29を有し、この入口部29
には、エアクリーナ30に接続された吸気管31が連結され
ている。そして、この吸気管31の途中にスロットルボデ
ィー32が介設されている。

また、過給機５は、右バンク２側のケーシング5a側壁
部から該ケーシング5aに沿って上方に延設された吐出口
部33を有している。この吐出口部33は、過給機５のケー
シング5aに一体に形成され、該ケーシング5a上方におい
て、吐出通路34を構成する吐出管35に連結されている。
このように、過給機５のケーシング5aに沿って、該ケー
シング5aに一体の吐出口部33が上方に延設されたことに
より、吐出部の形状が滑らかとなり、吐出抵抗が小さく
なる。

また、リショルム式の過給機は、一般に吐出脈動が小
さいため、ルーツブロア式等の他の機械式過給機と比較
して静かではあるが、それでも、吐出口部近傍のケーシ
ング壁部が吐出脈動によって振動し、これが騒音源とな
り得る。しかし、この実施例では、吐出口部33が上記の
ように構成され、吐出口部周辺が覆われるので、吐出口
部33が防音室として機能し、これによって、上記振動に
よる放射音が低減される。

エンジン１の前方には、車両進行方向に直角にインタ
ークーラ36が配設されている。インタークーラ36は、左
右バンク2,3毎に冷却部36a,36aを有し、それらがエンジ
ンセンターに対して略左右対称に配置されている。そし
て、その吸入口36bはエンジンセンター付近に位置し、
左右両端に吐出口36c,36cが設けられている。そして、
過給機５の上記吐出管35がこのインタークーラ36の吸入
口36bに連結されている。また、左右の吸気集合管10a,1
0bは、サージタンクを構成するその吸気集合部13a,13b
の上流側が両バンク2,3上を左右側方に延びて、インタ
ークーラ36の上記吐出口36c,36cから延びる管部36d,36d
に接続されている。

また、左右吸気集合管10a,10bの下流側は、過給機５
の上方を横切る連通路37によって互いに接続されてい
る。それにより、吸気系の共鳴の同調点はエンジン高回
転側に変位し、高回転域における充填効率が向上する。
また、この連通路37を、過給機５およびインタークーラ
36を迂回して上流側の吸気管31につなぐバイパス通路38
が設けられ、このバイパス通路38に、電磁クラッチ14が
切られ過給機５が不作動とされるエンジン低負荷域にお
いて該通路38を開く圧力応動式の開閉弁39が介設されて
いる。

（発明の効果）本発明は以上のように構成されているので、左右バン
ク間にスクリュータイプの機械式過給機を搭載したＶ型
エンジンにおいて、大容量の機械式過給機を左右バンク
間にコンパクトに搭載できるとともに、その吐出抵抗を
低減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の正面図、第２図は同平面
図、第３図は同実施例における過給機取付部の拡大図で
ある。 1:エンジン、5:機械式過給機（スクリュータイプ）、5
a:ケーシング、8,9:接続管、10a,10b:吸気集合管、12a,
12b:独立吸気通路、33:吐出口部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開平２−227517（ＪＰ，Ａ) 特開昭60−116820（ＪＰ，Ａ) 特開平１−193032（ＪＰ，Ａ) 実開平１−174522（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) F02B 33/00 - 39/16 F02B 67/00

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】Ｖ型に形成された左右バンクの間にスクリ
ュータイプ式の機械式過給機を搭載した過給機付Ｖ型エ
ンジンにおいて、前記機械式過給機の一対のロータ軸が
前記左右バンクの間で上下に並ぶよう該機械式過給機を
配置するとともに、該機械式過給機のケーシング側壁部
に位置する吐出口を該ケーシングに沿って上方に延設し
たことを特徴とする過給機付Ｖ型エンジンの吸気装置。
【請求項２】エンジン本体と機械式過給機との間を通し
て各気筒の独立吸気通路を延設し、前記機械式過給機の
吐出口を一方のバンクの隣接する二つの前記独立吸気通
路間に位置せしめたことを特徴とする請求項１記載の過
給機付Ｖ型エンジンの吸気装置。