JP2780928B2 - 蓄冷器式冷凍機を使用した低温装置及び冷却方法 - Google Patents

蓄冷器式冷凍機を使用した低温装置及び冷却方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冷凍機に関し、特にヘリ
ウム等のガス冷媒を用い、蓄冷材を収容した蓄冷器を有
する蓄冷器式冷凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘリウム等のガス冷媒を用い、蓄冷材を
収容した蓄冷器を有する蓄冷器式冷凍機としては、ギフ
ォードマクマホン(GM)サイクル冷凍機、(逆)スタ
ーリングサイクル冷凍機等が知られている。以下、制限
的な意味なく、ギフォードマクマホン(GM)冷凍機を
例にとって説明する。
【0003】GM冷凍機は、ヘリウムガス圧縮機からの
ガス流路を弁を用いて制御し、膨張空間でヘリウムガス
を膨張させることによって寒冷を得る。極低温を得るに
は、通常、複数段階の構成を用いる。ジュールトムソン
(JT)弁機構と組み合わせることもできる。
【0004】半導体装置製造用のスパッタリング装置等
で清浄な真空を得たい場合、クライオポンプが用いられ
る。近年、クライオポンプ用冷凍機としてGM式冷凍機
が用いられている。勿論、GM式冷凍機はクライオポン
プに限らず、種々の目的に使用することができる。
【0005】図2に、GM式冷凍機の構成例を概略的に
示す。2段構成で数K〜20K程度の極低温を得るのに
適した構成である。なお、図2は後に本願発明の実施例
においても使用する。
【0006】ヘリウム圧縮機10は、ヘリウムガスを約
20Kgf/cm2 に圧縮し、高圧ヘリウムガスを供給
する。高圧ヘリウムガスは、吸気弁V1、ガス流路16
を介して第1段目シリンダ11内に供給される。第1段
目シリンダ11には、第2段目シリンダ12が結合され
ている。
【0007】第1段目シリンダ11、第2段目シリンダ
12内には、相互に結合された第1段目ディスプレーサ
13、第2段目ディスプレーサ14がそれぞれ収容され
ている。第1段目シリンダ11からは、軸部材Sが上方
に延在し、駆動用モータMに結合したクランク機構15
と結合している。
【0008】第1段目ディスプレーサ13、第2段目デ
ィスプレーサ14は、それぞれ蓄冷材17、18を収容
する中空空間を有し、外部と中空空間を接続するガス流
路23、24を有している。
【0009】また、第1段目ディスプレーサ13、第2
段目ディスプレーサ14と、第1段目シリンダ11、第
2段目シリンダ12との間には、膨張空間21、22が
画定されている。
【0010】通常、第1段目シリンダ11、第2段目シ
リンダ12は、十分な強度、低い熱伝導率、十分なヘリ
ウムガス遮蔽能を有するステンレス綱(たとえばSUS
304)等によって形成される。
【0011】また、第1段目ディスプレーサ13、第2
段目ディスプレーサ14は、比重が軽く、十分な耐摩耗
性、比較的高い強度、及び低い熱伝導率を有する布入り
フェノール(ベークライト)等によって形成される。
【0012】ヘリウム圧縮機10から吸気弁V1を介し
て供給される高圧ヘリウムガスは、ガス流路16を介し
て第1段目シリンダ11内に供給され、ガス流路23
a、金網等で構成された第1段目用蓄冷材17、ガス流
路23bを通って、第1段目膨張空間21に供給され
る。
【0013】第1段目膨張空間21の圧縮ヘリウムガス
は、さらにガス流路24a、鉛球等で構成された第2段
目用蓄冷材18、ガス流路24bを通って第2段目の膨
張空間22に供給される。なお、ガス流路23、24
は、冷媒ガスの流れを説明するために機能的に記載した
ものであり、実際の構造とは異なる。
【0014】吸気弁V1が閉じ、排気弁V2が開いた時
には、第2段目シリンダ12、第1段目シリンダ11内
の高圧ヘリウムガスは、吸気の場合とは逆の経路をたど
ってガス流路16、排気弁V2を介してヘリウム圧縮機
10に回収される。
【0015】GM式冷凍機の作動時においては、駆動用
モータMの回転によって第1段目ディスプレーサ13、
第2段目ディスプレーサ14が図中矢印で示すように上
下に往復駆動される。第1段目ディスプレーサ13、第
2段目ディスプレーサ14が下方に駆動された時、吸気
弁V1が開き、高圧ヘリウムガスが第1段目シリンダ1
1、第2段目シリンダ12内に供給される。
【0016】駆動用モータMによって第1段目ディスプ
レーサ13、第2段目ディスプレーサ14が上方に駆動
された時、吸気弁V1が閉じ、排気弁V2が開いて、ヘ
リウムガスはヘリウム圧縮機10に回収され、第1段目
シリンダ11、第2段目シリンダ12内の膨張空間は低
圧になる。
【0017】この時、膨張空間21、22においては、
ヘリウムガスの膨張によって寒冷が発生する。冷却され
たヘリウムガスは、蓄冷材18、17を通って蓄冷材を
冷却する。
【0018】次の吸気工程で供給される高圧ヘリウムガ
スは、蓄冷材17、18を通って供給されることにより
冷却される。冷却されたヘリウムガスが膨張することに
より、さらに冷却が進む。定常状態においては、第1段
目シリンダ11の膨張空間21が、たとえば40K〜7
0K程度の温度に保たれ、第2段目シリンダ12の膨張
空間22の温度は数K〜20K程度の温度に保たれる。
【0019】第1段目シリンダの下方を囲んで、第1段
目ヒートステーション19が熱的に結合されており、第
2段目シリンダ12の下部分を囲んで、第2段目ヒート
ステーション20が熱的に結合している。
【0020】第1段目ヒートステーション19は、たと
えばクライオパネル等に結合され、ガス分子を吸着させ
る。また、第2段目ヒートステーション20は、たとえ
ば活性炭等の吸着材を収容する吸着塔に結合され、残留
ガス分子の吸着を行なう。このような構成を有するクラ
イオポンプは、スパッタリング装置等において清浄な真
空を形成するために用いられる。
【0021】このような構成において、シリンダ上部か
ら供給されるガスは、ディスプレーサ内部を通ってシリ
ンダ下部に供給されるように設計されている。ディスプ
レーサとシリンダの間の隙間を、ヘリウムガスが通過す
ることを防止するため、シリンダとディスプレーサの間
には気密機構が形成される。
【0022】図示していないが、第1段目ディスプレー
サ13と第1段目シリンダ11との間にシールリングが
配置され、第1段目シリンダ内において、この気密機構
を形成している。同様に、第2段目ディスプレーサ14
と第2段目シリンダ12の間にも同様のシールリングが
配置され、第2段目シリンダ内において気密機構を形成
している。
【0023】図15(A)、(B)に、第2段目に配置
するディスプレーサの構成例を示す。図15(A)に示
すように、布入りフェノール樹脂で形成された筒状部材
80は、円筒状形状を有し、その外周にシールリングを
収容するための円周方向の溝81が形成されている。ま
た、筒状部材80の下の部分には、ガス流路を形成する
ための開口82も形成されている。
【0024】筒状部材80下端には、布入りフェノール
樹脂等で形成された蓋部材83が挿入され、筒状部材8
0と接着されている。蓋部材83は盲蓋であり、筒状部
材80の下端の開口を気密に閉じる。なお、蓋部材83
は、布入りフェノール樹脂以外の材料で構成することも
できるが、ディスプレーサの運動性のためには比重の小
さい材料が好ましい。
【0025】蓋部材83の上面は、ガス流路82よりわ
ずか下に配置されており、蓋部材83の上に金網84が
配置される。この金網84の高さは、開口82の位置と
整合している。筒状部材80の開口82よりも下の部分
の外径は、その上の部分の外径よりもわずかに小さくさ
れている。従って、開口82の高さよりも下の部分で
は、筒状部材80の外周面とシリンダの内面との間に間
隙が形成される。この間隙が、筒状部材80の内部と図
2に示す膨張空間22とを結ぶガス流路となる。
【0026】金網84の上にはフェルト栓85が配置さ
れ、フェルト栓85の上に鉛球等の蓄冷材18が充填さ
れる。蓄冷材18の上方には、フェルト栓86が配置さ
れ、その上にパンチングメタル87が配置されている。
【0027】パンチングメタル87の上方には、第1段
目ディスプレーサと結合させるための結合機構88が挿
入され、筒状部材80に取り付けられている。なお、結
合機構88はAlまたはAl合金等で形成される。
【0028】図15(B)は、筒状部材80とシリンダ
12の間に配置されるシールリングの構成を示す。筒状
部材80の溝81内に、内側にエキスパンダリング8
9、外側にピストンリング90が収容される。
【0029】図16(A)、(B)に、第1段目に配置
するディスプレーサの構成例を示す。図16(A)に示
すように、布入りフェノール樹脂で形成された筒状部材
100は、上蓋を有する円筒状形状である。筒状部材1
00の上蓋にはガス流路を形成する開口101が設けら
れており、その上面外周にはシールリングを収容するた
めの円環状段差102が形成されている。
【0030】図16(B)に示すように、円環状段差1
02には、Oリング103とスリッパシール104がは
め込まれている。Oリング103とスリッパシール10
4は、筒状部材100の上面にボルトで取り付けられた
フランジ105により、固定されている。スリッパシー
ル104の外周面は、筒状部材100の外周面よりもわ
ずかに突出しており、第1段目シリンダ11の内面に接
している。
【0031】図16(A)に示すように、フランジ10
5の上面には、筒状部材100を図中矢印の方向に上下
駆動するための駆動軸Sが取り付けられている。筒状部
材100内には、上面に密着するように金網106が配
置されている。金網106の下には、銅金網等の蓄冷材
17が充填されている。蓄冷材17の下には金網107
が配置されている。筒状部材100の側壁には、金網1
07が配置されている高さに、ガス流路を形成するため
の開口108が形成されている。
【0032】金網107の下には、布入りフェノール樹
脂等で形成された蓋部材109が挿入され、筒状部材1
00と接着されている。蓋部材109は盲蓋であり、筒
状部材100の下端の開口を気密に閉じる。また、蓋部
材109の下面には、図15(A)に示す結合機構88
を取り付けるための凹部が形成されている。
【0033】筒状部材100の開口108の高さよりも
下の部分の外径は、シリンダの内径よりもわずかに小さ
くされている。従って、開口108の高さよりも下の部
分では、第1段目シリンダ11の内面と筒状部材100
の外周面との間に間隙が形成される。この間隙部分が筒
状部材100の内部と図2に示す膨張空間21との間を
結ぶガス流路となる。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したような蓄
冷器式冷凍機において、冷却温度が設計値に達しなかっ
たり、温度変動が大きくなったりすることがある。
【0035】このように、所定の冷凍性能が得られない
場合、冷凍機を分解し、低温部に配置されるディスプレ
ーサとシリンダ間のシールリング(たとえば、図2の構
成において、第2段目ディスプレーサ14と第2段目シ
リンダ12の間に配置される図15(B)に示すエキス
パンダリング89とピストンリング90との組み合わせ
によるシールリング)を交換すると、所定の冷凍性能が
得られる場合がある。このような経験から判断すると、
冷凍性能は、ディスプレーサとシリンダとの間の気密機
構に大きな影響を受けることが推察される。
【0036】また、図15、図16に示した従来型の蓄
冷器式冷凍機においては、第2段目シリンダが下になる
ように、かつシリンダ軸が鉛直になるように設置した場
合(以下、このように設置する場合を「正立」と呼ぶ)
に所定の冷凍性能が得られる。シリンダ軸を傾けたり、
上下を逆に設置すると所定の性能を得ることができない
ことがある。従って、所定の冷凍性能を得るためには、
冷凍機を正立させて使用することが望ましい。さらに、
冷却温度が低くなるほど、その傾向が強い。
【0037】本発明の目的は、冷却対象物を倒立または
鉛直方向に対して斜めの方向から支持して冷却する技術
を提供することである。
【0038】
【課題を解決するための手段】本発明の低温装置は、熱
伝導率が低く、気密性の高い材料で形成された円筒状の
内周面を有するシリンダ、前記シリンダの内周面よりも
やや小さい径の円筒状形状に沿う外周面を有し、前記シ
リンダ内に軸方向に往復運動可能に配置され、前記シリ
ンダ内の一端に膨張空間を形成するディスプレーサ、前
記ディスプレーサの外周面上に、該外周面の両端を結ぶ
補助ガス流路を構成するように形成され、前記シリンダ
と前記ディスプレーサとの間の隙間を該外周面の一端か
ら他端に向かって流れるガスが前記シリンダ及び前記デ
ィスプレーサと積極的に熱交換を行うように少なくとも
一部が前記ディスプレーサの軸方向に対して交差する方
向に沿う溝を含んで構成された溝パターン、前記膨張空
間にガスを供給、及び前記膨張空間からガスを回収する
ための主ガス流路、及び前記主ガス流路内の少なくとも
一部に配置された蓄冷材とを有する少なくとも1つの蓄
冷器式冷凍機と、前記シリンダの軸方向が鉛直方向に対
して斜めになるように、または、前記シリンダの軸方向
が鉛直方向に沿いかつ前記膨張空間が前記シリンダの上
方の一端に形成されるように前記蓄冷器式冷凍機を支持
するための支持手段とを有する。
【0039】
【作用】ディスプレーサの外周面に溝パターンが形成さ
れているため、蓄冷材を有する正規のガス流路から分岐
してディスプレーサとシリンダとの隙間を流れるガス
は、この溝パターンに沿って流れる。この溝パターン
は、溝内を流れるガスがディスプレーサ及びシリンダと
積極的に熱交換を行うように、ディスプレーサの軸方向
に対して交差する方向に沿う溝を含むように形成してあ
る。
【0040】このため、分岐したガスが高温側から低温
側に流れるときは、軸方向に直接流れる場合に比べて、
より冷却され、逆に低温側から高温側に流れるときは、
ディスプレーサ及びシリンダをより冷却する。このた
め、分岐ガスによる熱損失を低減することができる。
【0041】また、ディスプレーサとシリンダ間にシー
ル部材を設ける必要がないため、シールが不完全である
ことによる冷凍能力の低下、冷却温度の不安定性を防止
することができる。
【0042】さらに、シリンダを正立状態から傾いて設
置した場合または倒立させた場合にも、ほぼ所定の冷却
性能を得ることができる。
【0043】
【実施例】図1に、本発明の実施例による蓄冷器式冷凍
機の基本構成を示す。シリンダ1は、ステンレス等の熱
伝導率が低く、気密性の高い剛性材料で形成されてい
る。シリンダ1内には、円筒状のディスプレーサ2が配
置されている。ディスプレーサ2の外周面には、上面と
下面を結ぶ1本あるいは複数本のらせん状の溝からなる
らせん状ガス流路4が形成されている。
【0044】ディスプレーサ2は、中空構造であり、そ
の内部にガス流路3を形成している。このガス流路3に
作動温度において高い熱容量を有する蓄冷材5が収容さ
れる。ディスプレーサとシリンダ1の下端の間には、膨
張空間6が画定される。
【0045】上方から供給される冷媒ガスは、ディスプ
レーサ2内のガス流路3を通って膨張空間6に供給され
る。また、一部の冷媒ガスは、ガス流路3から分岐しデ
ィスプレーサ2とシリンダ1との間の間隙を流れる。こ
の分岐ガスは、ディスプレーサ外周面に設けたらせん状
ガス流路4を通って、ディスプレーサ2とシリンダ1の
表面と熱交換しながら下方に流れ膨張空間6に供給され
る。
【0046】これらの冷媒ガスが膨張することによって
冷却され再び上方に回収される時は、冷媒ガス流路3を
流れ、その際に蓄冷材5を冷却する。上記と同様に、冷
媒ガスの一部は、らせん状ガス流路4を、ディスプレー
サ2とシリンダ1の表面と熱交換しながら上方に流れ、
ガス流路3を流れた冷媒ガスと合流する。
【0047】冷媒ガスがらせん状ガス流路4を流れる場
合は、ディスプレーサ2とシリンダ1との間の間隙を軸
方向に直線的に流れる場合に比べて、ディスプレーサ2
とシリンダ1の表面と熱的に十分接することになるた
め、ガス流路表面と冷媒ガスとの間で多くの熱交換を行
うことができる。
【0048】従来技術の蓄冷器式冷凍機では、ディスプ
レーサとシリンダの隙間を流れる冷媒ガスを少なくする
ためにシールリングを使用していた。しかし、その気密
性を実現するのは極めて困難であり、シール性能が不安
定となって冷却温度が高くなったり、変動したりするも
のと考えられる。
【0049】本実施例においては、低温部にシールリン
グを用いる必要がなくなるため、上述のような劣化が生
じにくい。以下、図2に概略的に示す2段式GM冷凍機
を例に、本発明の実施例について説明する。なお、図2
に示すGM式冷凍機についてはすでに説明したので、こ
こでは説明を省略する。
【0050】図3は、図2の2段式GM冷凍機の第2段
目ディスプレーサ14の構成を示す。布入りフェノール
で形成された筒状部材30は上下端が開放された円筒状
形状を有する。例えば、図2に示す第2段目シリンダの
内径が35mmの場合、筒状部材30の外径は35m
m、内径は30mmとする。ディスプレーサの軸方向の
長さは、たとえば200mm程度とする。筒状部材30
の下端には、布入りフェノール等で形成された蓋部材3
1が挿入接着され、その上に金網32が配置され、その
上にフェルト栓33が配置されている。
【0051】フェルト栓33の上には、たとえば鉛球で
形成された蓄冷材18が充填される。蓄冷材18の上に
はフェルト栓34が配置され、フェルト栓34の上には
パンチングメタル35が配置される。パンチングメタル
35は、筒状部材30の内面上部に円周に沿って設けら
れた段差により固定されている。筒状部材30の上端に
は、図2に示す第1段目ディスプレーサ13と結合する
ための結合機構36が取り付けられている。
【0052】筒状部材30の側壁には、金網32の高さ
の位置にガス流路を形成する開口37が設けられてい
る。筒状部材30の開口37よりも上の外周面には、開
口37の位置と上端とを結ぶ1本のらせん状の溝からな
るらせん状ガス流路38が形成されている。この溝は、
例えば、幅約2mm、深さ約0.6mm、ピッチ約4m
mである。
【0053】開口37よりも下の筒状部材30の外径
は、それよりも上の部分の外径よりもわずかに小さくさ
れている。従って、開口37よりも下の部分では、筒状
部材30と第2段目シリンダとの間に間隙が形成され
る。この間隙は、筒状部材30の内部と図2に示す膨張
空間22とを結ぶガス流路を形成する。
【0054】筒状部材30の外周面と第2段目シリンダ
12の内面との間の隙間は、ディスプレーサを安定に往
復駆動するために0.01mm以上であることが好まし
く、漏洩ガスが軸方向に直線的に流れることを防止する
ために、0.03mm以下であることが好ましい。
【0055】なお、蓄冷材18は、他の材料で形成して
もよい。たとえば、磁性蓄冷材を用いて冷却性能を高め
ることもできる。図4は、第2段目ディスプレーサ14
の他の構成例を示す。本構成における筒状部材30は、
円筒状のステンレス管39の表面上に、布入りフェノー
ルで形成された耐摩耗性樹脂部材40が固着されたもの
である。
【0056】たとえば、耐摩耗性樹脂部材40の外径は
35mm、内径は32mm、ステンレス管39の内径は
30mmとする。機械的強度の高いステンレス管が内側
に配置されることにより、冷却時の耐磨耗性樹脂部材4
0の熱収縮が抑制される。このため、ステンレス製シリ
ンダとディスプレーサとの熱変形特性が近づく。
【0057】筒状部材30の上端開放部には、円環状の
蓋部材41が挿入されている。その他の構成は、図3に
示すディスプレーサと同様である。図3、図4に示すよ
うなディスプレーサの構成例によれば、シールリングを
収容する必要がないため、筒状部材30の側壁の厚さを
薄くすることができる。
【0058】このことは、ディスプレーサ内の蓄冷材収
容空間を増大できることを意味する。蓄冷材の増量は、
冷凍能力の増大につながる。また、シールリングを不要
にするため、部品点数が低減し、組み立て工程が簡単化
するとともに製造コストを低減することが可能になる。
【0059】図2の構成のGM式冷凍機において、第1
段目ディスプレーサ13として従来技術による図16の
構成例を用い、第2段目ディスプレーサ14として図4
の構成例を用いた場合と、従来技術による図15及び図
16の構成例を用いた場合についてそれぞれ冷却性能を
測定した。なお、ディスプレーサのストロークは30m
mとし、蓄冷材としては径0.2〜0.5mmのエルビ
ウム・ホルミウム・ニッケル(ErHoNi)磁性蓄冷
材を用い、ディスプレーサの回転数は60rpmとし
た。
【0060】図5は、第1段ヒートステーションに30
Wの熱負荷を与えて、上記条件で行った冷却試験の測定
結果を示す。横軸は第2段ヒートステーションの温度を
単位Kで表し、縦軸は第2段ヒートステーションに与え
る熱負荷を単位Wで表す。曲線aは、図4の構成例によ
るディスプレーサを使用した場合、曲線bは、図15の
従来例によるディスプレーサを使用した場合を示す。
【0061】従来例によるディスプレーサを使用した場
合では、最低到達温度は8.4Kであるのに対し、図4
の構成例によるディスプレーサを使用した場合には5.
4Kにまで達した。第2段ヒートステーションに熱負荷
を与えると、共に第2段ヒートステーション温度は上昇
するが、図4の構成例によるディスプレーサを使用した
場合の方が2〜3K程度低い。
【0062】図4のようにらせん状のガス流路を有する
ディスプレーサ構成とすることにより、冷凍性能を向上
することができた。また、グラフには示さないが、温度
の安定性も改善された。
【0063】上記実施例では、らせん状の溝の幅約2m
m、深さ約0.6mm、ピッチ約4mmの場合について
示したが、らせん状の溝の幅2〜3mm、深さ0.6〜
0.7mm、ピッチ3、4、及び6mmとした場合にも
良好な冷却性能を得ることができた。また、らせん状の
溝の幅1〜6mm、深さ0.3〜1.5mm、ピッチ
1.5〜12mmとした場合も同様の効果を得ることが
できると考えられる。
【0064】さらに、らせん溝の効果を確かめるため
に、図15に示す従来型のディスプレーサのピストンリ
ング90、エキスパンダリング89を外したディスプレ
ーサを使用した場合と、図3の構成例によるディスプレ
ーサを使用した場合について冷却性能を比較した。蓄冷
材にはErHoNi磁性蓄冷材と鉛粒とを重量が1:1
の割合のものを用いた。すなわち、両者の相違は、外周
面にらせん溝があるかないかという点のみである。
【0065】ディスプレーサのストロークを25mm、
回転数を60rpmとして最低到達温度を測定した。図
3の構成例によるディスプレーサを使用した場合には、
最低到達温度が6.2Kであったのに対し、図15の従
来型ディスプレーサからピストンリング90、エキスパ
ンダリング89を取り外したものを使用した場合には
9.5Kであった。この差は、らせん溝の有無によるも
のと考えられる。
【0066】また、らせん溝を形成したディスプレーサ
にピストンリング及びエキスパンダリングを取り付けた
構成とした場合には、らせん溝のみの構成とした場合に
比べて冷却性能は悪くなった。このことから、ディスプ
レーサとシリンダとの間の隙間に一定量のガスを流し、
ディスプレーサ及びシリンダと積極的に熱交換させる方
が、ガス流を止めるよりも好ましいことがわかる。
【0067】従来技術による蓄冷器式冷凍機では、ディ
スプレーサとシリンダ間の隙間を流れる漏洩ガスを少な
くするためにシールリングを用いている。この漏洩ガス
は、吸気工程においては、上段の温度の高いガスが蓄冷
器を通らずに直接低温の膨張室に流入してその温度を上
昇させる。また、排気工程においては、膨張して温度の
低くなったガスが蓄冷器を冷却させることなく直接上段
の高温部へ逃げることになる。このように、漏洩ガスは
冷却性能を著しく損なう作用をする。
【0068】従って、シールリングの機能は極めて重要
であるが、技術的に困難な問題を有している。シールリ
ング材質は一般にはテフロン樹脂が用いられるが、低温
では冷媒ガスの粘性が低下して漏洩しやすくなるにもか
かわらず、シールリング材は硬化する。このため、低温
ではシール性能が大幅に低下することになる。また、吸
気工程と排気工程ではシールリングの上下面の圧力差が
逆転すること、及びディスプレーサが上下に駆動される
ためにシールリングが溝の中で動き易くなることから、
シール性能が不安定になりやすい。
【0069】さらに、シリンダ軸を鉛直方向から傾けて
設置すると、ディスプレーサは常に下方に偏心して往復
駆動されることになり、シール性能が不安定になりやす
い。また、シールリングの気密が完全な場合であって
も、ディスプレーサとシリンダとの隙間には吸気排気の
工程毎に膨張室とシールリングの間をガスが出入りす
る。このガスは漏洩ガスの場合と同様に熱交換を行わな
いため、熱損失の原因となる。特に、シリンダ軸を鉛直
方向から傾けたり、冷凍機を倒立させた場合にその損失
が大きくなる。
【0070】上記実施例のように、ディスプレーサの外
周面にらせん状の溝を形成すると、蓄冷材を有する正規
のガス流路から分岐して流れるガスは、シリンダの内面
とディスプレーサの外周面との隙間をこのガス流路に沿
って流れる。このガス流路に沿って流れるガスは、ガス
流路表面に触れて熱交換しながら流れる。このため、熱
損失を低減することができる。
【0071】また、シール部材を設ける必要がないた
め、シールが不完全であることによる冷却温度の不安定
性を防止することができる。さらに、シール部材の磨耗
に起因する寿命の低下も防止することができる。
【0072】図3〜図5では、図2に示すGM式冷凍機
の第2段目ディスプレーサにらせん状のガス流路を設け
た場合について説明したが、第1段目ディスプレーサに
らせん状ガス流路を設けてもよい。
【0073】図6は、外周面にらせん状のガス流路を設
けた第1段目ディスプレーサの構成例を示す。布入りフ
ェノール樹脂で形成された筒状部材50は、上蓋を有す
る円筒状形状であり、その下端は開放されている。筒状
部材50の上蓋上面には、筒状部材50の外径よりもや
や小さい径を有するフランジ51が取り付けられてい
る。フランジ51と筒状部材50の上蓋にはガス流路を
形成する開口52が設けられている。フランジ51の上
面には、筒状部材50を図中矢印の方向に上下駆動する
ための駆動軸Sが取り付けられている。
【0074】筒状部材50内には、上面に密着するよう
に図示しない金網が配置されている。金網の下には、銅
金網等の蓄冷材17が充填されている。蓄冷材17の下
には図示しない他の金網が配置されている。筒状部材5
0の側壁には、蓄冷材17の下側の金網が配置されてい
る高さに、ガス流路を形成するための開口53が形成さ
れている。
【0075】さらに、筒状部材50の下側開放端には、
布入りフェノール樹脂等で形成された蓋部材54が挿入
され、筒状部材50と接着されている。蓋部材54は盲
蓋であり、筒状部材50の下端の開口を気密に閉じる。
また、蓋部材54の下面には、図3または4に示す第2
段目ディスプレーサと接続するための結合機構36を取
り付けるための凹部が形成されている。
【0076】筒状部材50の外周面には、上端から開口
53が形成されている高さまで、1本のらせん状溝から
なるらせん状ガス流路55が形成されている。筒状部材
50の開口53の高さよりも下の部分の外径は、その上
の部分の外径よりもわずかに小さくされている。従っ
て、開口53の高さよりも下の部分では、第1段目シリ
ンダ11の内面と筒状部材50の外周面との間に間隙が
形成される。この間隙部分が筒状部材50の内部と図2
に示す膨張空間21との間を結ぶガス流路となる。
【0077】フランジ51の径は、筒状部材50の外径
よりもやや小さいため、フランジの外周面とシリンダ内
面との間に間隙が形成される。この間隙が、ガス流路5
3と図2に示す第1段目シリンダ11内の上部空間とを
結ぶガス流路となる。
【0078】例えば、第1段目シリンダの内径が82m
mの場合、筒状部材50の外径は82mm、内径は72
mm、筒状部材50の開口53よりも下部分の外径及び
フランジ51の外径は81.5mm、筒状部材50の軸
方向の長さは150mm、フランジ51の厚さは10m
mである。
【0079】図2の構成のGM式冷凍機において、第1
段、第2段共にらせん状ガス流路を有するディスプレー
サを使用した場合の冷却性能を測定した。図7は、第2
段ディスプレーサにのみらせん状の溝を形成した場合
と、第1段、第2段ディスプレーサ共にらせん状の溝を
形成した場合の第1段ヒートステーションの冷却温度を
示す。横軸は第1段ヒートステーションの温度を絶対温
度で表し、縦軸は第1段ヒートステーションの熱負荷を
単位Wで表す。
【0080】図中の曲線cは、第1段、第2段ディスプ
レーサ共にらせん状の溝を形成した場合、曲線dは、第
2段ディスプレーサにのみらせん状の溝を形成した場合
を示す。第1段ディスプレーサに形成したらせん状の溝
の深さは約1.0mm、幅は約2.0mm、ピッチは約
4.0mmである。
【0081】なお、蓄冷材として、第1段目には銅金
網、第2段目には580gのErHoNi磁性蓄冷材を
用いた。また、ディスプレーサの運転周波数は60rp
m、ストロークは30mmとし、第2段ヒートステーシ
ョンに10Wの熱負荷を与えた。
【0082】曲線c、d共に、第1段ヒートステーショ
ンの熱負荷を増加すると第1段ヒートステーション温度
は上昇するが、同一熱負荷であれば、曲線cは曲線dに
比べて5〜15K程度低い温度を示す。すなわち、第1
段ディスプレーサにらせん状溝を形成することにより、
第1段ヒートステーションをより低温まで冷却すること
ができる。このように、第2段ディスプレーサのみなら
ず、第1段ディスプレーサにらせん状の溝を形成するこ
とにより、冷却性能を向上することができる。
【0083】図5、図7は、冷凍機が正立の状態におけ
る冷凍性能について示したが、次に、冷凍機を傾けて設
置した場合の冷凍性能について説明する。図8は、冷凍
機の取り付け姿勢を変化させたときの第2段目ヒートス
テーションの温度を示す。横軸は、鉛直方向とシリンダ
軸とのなす角(以下、「取付角」と呼ぶ)を示す。な
お、第2段目シリンダが第1段目シリンダの下方になる
ように設置した場合を0度としている。縦軸は、第2段
目ヒートステーションの温度を絶対温度で示す。
【0084】曲線eは、第2段目ディスプレーサとして
図4に示す構成のものを使用した場合、破線fは、図1
5に示す従来例のものを使用した場合を示す。なお、第
1段目ディスプレーサは、共に図16に示す従来型のも
のを使用した。また、その他の条件は両者同一であり、
第1段目シリンダの径は82mm、第2段目シリンダの
径は35mm、ディスプレーサのストロークは30m
m、回転数は48rpm、第1段目蓄冷材は銅金網、第
2段目蓄冷材は磁性蓄冷材(Er3 Ni/ErNi0.9
Co0.1 を重量比1:1にして充填したもの)、熱負荷
は第1段目、第2段目ヒートステーション共に0Wであ
る。
【0085】図8の曲線fで示すように、従来型のディ
スプレーサを使用した場合には、正立の時には約2.9
Kの冷却温度を得ることができるが、冷凍機を傾けてい
くと冷却温度は徐々に上昇し、取付角を180度すなわ
ち冷凍機を倒立させた場合には、冷却温度は6.1Kと
なる。
【0086】これに対し、第2段目ディスプレーサにら
せん溝を形成し図4の構成とした場合には、冷凍機を傾
けても冷却温度の低下はわずかである。すなわち、正立
状態及び倒立状態のときに冷却温度は約2.8Kであ
り、取付角を90度すなわちシリンダ軸を水平としたと
きに冷却温度は最も高くなり、3.0Kとなる。このよ
うに、あらゆる取付角において冷却温度は3.0K以下
となり、安定した冷凍性能を得ることができる。
【0087】なお、図8の実施例では、第2段目ディス
プレーサにのみらせん溝を形成した場合について説明し
たが、第1段目、第2段目双方のディスプレーサにらせ
ん溝を形成してもよい。
【0088】このように、ディスプレーサにらせん溝を
形成することにより、種々の取付角で蓄冷器式冷凍機を
取り付け,所望の冷凍性能を得ることができる。冷凍機
の取り付けの際に、取付角の制約を受けなくなるため、
極低温を必要とする装置のうち適用が困難であったもの
への適用が可能となる。また、従来から冷凍機が使用さ
れていた極低温装置においても、装置の操作性の向上あ
るいはメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0089】以下に、ディスプレーサにらせん溝を形成
した蓄冷器式冷凍機(以下、「らせん溝付き冷凍機」と
呼ぶ)の種々の応用例について説明する。図9は、宇宙
電波望遠鏡用に使用される超伝導素子(SIS素子)の
冷却に適用した場合を示す。電波は、主鏡110a、副
鏡110bから構成されるパラボラアンテナにより2次
焦点に集められる。2次焦点には電波を検出するための
SIS素子111が取り付けられている。SIS素子1
11を冷却するための冷凍機112は、2次焦点に入射
する電波の入射軸にシリンダ軸が一致するように取り付
けられている。なお、図では電波の入射軸とシリンダ軸
が一致する場合について示したが、必ずしも一致させる
必要はない。
【0090】観測中に、パラボラアンテナの向きは様々
に変化するため、冷凍機の取付角もアンテナの向きに応
じて変化する。このため、従来の冷凍機では十分な冷却
温度を得ることができず適用が不可能であった。従来
は、ミラーを組み合わせた光学系を用い、アンテナの回
転にかかわらず電波を一点に集めていたためこの問題は
生じなかったが、反射によって生ずるさまざまな伝搬ロ
スが問題であった。らせん溝付き冷凍機を使用すること
により、SIS素子を直接パラボラアンテナの2次焦点
に配置して観測することが可能になる。
【0091】次に図10を参照して超伝導マグネット装
置への適用例について説明する。図10(A)は、らせ
ん溝付き冷凍機を使用した超伝導マグネット装置の概略
断面図を示す。らせん溝付き冷凍機120は、モータ部
121、モータの回転運動を往復運動に変換するための
スコッチヨーク機構部122、第1段目シリンダ123
及び第2段目シリンダ124を含んで構成されている。
なお、ガス配管、圧縮機等は省略してある。らせん溝付
き冷凍機120は、第1段目シリンダ123及び第2段
目シリンダ124が真空容器130内に配置されるよう
に、真空容器130に取り付けられている。
【0092】円盤状の第2段目冷却ステージ127のほ
ぼ中心が冷凍機120の第2段目冷却部に、シリンダ軸
に対してほぼ垂直に取り付けられ、熱的に結合してい
る。第2段目冷却ステージ127の反対側の面には、超
伝導マグネット128が冷凍機120の中心軸と同軸上
に取り付けられている。
【0093】第2段目冷却ステージ127及び超伝導マ
グネット128は、第1段目冷却ステージ125と熱的
に接続された輻射シールド板126によって周囲を取り
囲まれている。また、輻射シールド板126及び真空容
器130は、超伝導マグネット128の円筒状の内周面
に沿う形状とされており、円柱状の室温磁場空間129
を画定している。
【0094】図10(B)は、図10(A)の超伝導マ
グネット装置を支持する一構成例を示す。真空容器13
0が、その中心軸が鉛直面内で回転可能に、2本の支持
棒131で支持されている。2本の支持棒131は、支
持台132に固定されている。
【0095】図10(B)に示すように、超伝導マグネ
ット装置を支持することにより、室温磁場空間129を
鉛直方向、水平方向あるいは所望の方向に固定して利用
することができる。
【0096】従来の冷凍機では、正立状態でしか所望の
冷凍性能を得ることができなかったため、室温磁場空間
129を図10(B)に示すように所望の角度で利用す
るためには、超伝導マグネット128にNb3 Sn等の
臨界温度の比較的高い材料を使用する必要があった。図
8の曲線eで示す特性を有する冷凍機を使用することに
より、任意の取付角で4K以下の極低温を得ることがで
きるため、比較的臨界温度が低く取扱いが容易なNbT
i等の材料を使用することが可能になる。
【0097】なお、比較のため、従来型の冷凍機を使用
した超伝導マグネット装置の構成例について図11を参
照して説明する。図11は、従来型の超伝導マグネット
装置の構成例を示す。図11(A)、(B)、(C)の
超伝導マグネット装置の各構成部分には、図10(A)
の超伝導マグネット装置の対応する構成部分と同一の符
号を付して示している。図11(A)、(B)、(C)
共に、冷凍機120の十分な冷凍性能を確保するために
正立の状態に固定配置されている。
【0098】図11(A)、(B)に示すように、室温
磁場空間129の上部に開口を設けるためには、超伝導
マグネット128の中心軸を冷凍機120のシリンダの
中心軸からずらして配置する必要がある。このため、第
2段目冷却ステージ127に超伝導マグネット128と
冷凍機120の第2段目冷却部とを取り付ける領域を別
々に確保する必要がある。さらに、室温磁場空間129
の磁場中心が上部開口から深いところにあるため、取扱
いが困難となる。
【0099】また、鉛直方向以外の室温磁場空間を得た
い場合には、図11(A)、(B)に示す超伝導マグネ
ット装置を使用することはできない。これらの装置を傾
けて使用すると、冷凍機120の所望の冷凍性能を得る
ことができなくなるからである。
【0100】図11(C)は、水平方向の室温磁場空間
を形成するための構成例を示す。第2段目冷却ステージ
127上に超伝導マグネット128が、その中心軸が水
平になるように取り付けられている。このように、水平
方向に室温磁場空間を得るためには、専用の装置を準備
する必要がある。
【0101】これに対し、図10に示す超伝導マグネッ
ト装置の場合は、第2段目冷却ステージ127の大きさ
を必要最小限とし、かつ室温磁場空間129を所望の角
度に傾けて使用することができる。
【0102】図12は、らせん溝付き冷凍機を物性測定
装置用のクライオスタットに適用した例を示す。冷凍機
140が、機構部141、第1段目シリンダ142及び
第2段目シリンダ143を含んで構成されている。冷凍
機140は、倒立状態にされ、第2段目シリンダ143
及び第1段目シリンダ142は真空容器146内に収容
されている。第2段目シリンダ143の先端には、試料
を載置するためのサンプルホルダ147が取り付けられ
ている。サンプルホルダ147及び第2段目シリンダ1
43は、第1段目冷却ステージ144に熱的に接続され
た輻射シールド板145により取り囲まれている。
【0103】従来型の冷凍機を図12に示すように倒立
状態で使用すると、十分な冷凍性能を得ることができな
かった。例えば、液体He温度の実験は困難であった。
これに対し、らせん溝付き冷凍機を使用することによ
り、倒立状態でも十分な冷凍性能を得ることが可能にな
る。
【0104】図13は、らせん溝付き冷凍機を磁気共鳴
イメージング装置(MRI)に適用した例を示す。図1
3(A)は、従来においても使用されていたMRIの概
略断面図を示す。中央部に磁場を発生するための円柱状
の空洞150が画定されており、その周囲に超伝導マグ
ネット151が巻回されている。超伝導マグネット15
1の周囲には、液体ヘリウムタンク152が配置されて
いる。液体ヘリウムタンク152には、液体ヘリウム投
入口155から液体ヘリウムが投入される。
【0105】液体ヘリウムタンク152は、第2輻射シ
ールド板153及び第1輻射シールド板154により、
二重に取り囲まれており、外部からの輻射熱に対してシ
ールドされている。第2及び第1輻射シールド板15
3、154は、それぞれ斜め下方から取り付けられた冷
凍機160の第2段目冷却部及び第1段目冷却部に熱的
に接続されている。このように構成されたMRIが支持
台156に固定されている。
【0106】図13(A)に示すように、冷凍機160
が斜め下方から取り付けられているのは、メンテナンス
のし易さを考慮したためである。このように斜めに取り
付けると、従来型の冷凍機では、冷凍性能の低下は避け
られなかった。この冷凍機をらせん溝付き冷凍機とする
ことにより、斜めに取り付けた場合でも十分な冷凍性能
を発揮することができる。このため、輻射熱シールド効
果を高めることが可能となる。
【0107】図13(B)は、らせん溝付き冷凍機をM
RIに適用した他の構成例を示す。超伝導マグネット1
51の周囲に放射状に複数のらせん溝付き冷凍機160
が取り付けられ、第2段目冷却部が直接超伝導マグネッ
ト151に熱的に接続されている。図13(B)では、
90度の間隔で4個の冷凍機を取り付けた場合を示して
いる。
【0108】超伝導マグネット151は、各冷凍機16
0の第1段目冷却部と熱的に接続された輻射シールド板
161により取り囲まれ、外部からの輻射熱に対してシ
ールドされている。このように構成されたMRIが支持
台156に固定されている。
【0109】らせん溝付き冷凍機を使用することによ
り、図13(B)に示すように冷却対象物に対して様々
な角度から取り付けることが可能になる。従って、1台
の冷凍機のみでは冷凍能力が足りないときに、複数の冷
凍機を用いることにより、所望の冷凍能力を得ることが
できる。これにより、液体ヘリウムを使用しないMRI
を実現することが可能になる。
【0110】以上図9〜図13を参照してらせん溝付き
冷凍機を種々の装置に適用した場合について説明した
が、その他の極低温を必要とする装置に適用することも
できる。例えば、リニア車両用車載冷凍機、半導体製造
装置のクライオポンプ冷却用冷凍機、または超伝導磁気
シールド、超伝導限流器、超伝導変圧器、超伝導アンテ
ナ、超伝導共振器、超伝導フィルタ、SIS素子、赤外
線検出素子あるいはSQUID等の超伝導材料を利用し
た各種装置の超伝導材料冷却用冷凍機として使用するこ
とができる。
【0111】上記実施例においては、ディスプレーサの
中に蓄冷材を充填し、ディスプレーサ内にガス流路を形
成する例について説明したが、蓄冷材をディスプレーサ
の外部に配置してもよい。
【0112】図14は、蓄冷材をディスプレーサの外部
に配置した場合の1段GM式冷凍機の概略を示す。シリ
ンダ60内に、図の矢印の方向に上下に駆動されるディ
スプレーサ61が配置されている。ディスプレーサ61
は例えば熱伝導率の低い布入りフェノール等からなる無
垢の円柱状形状である。シリンダ60内には、ディスプ
レーサ61の上部に上部空間62、下部に膨張空間63
が形成される。図は、ディスプレーサ61が最下点に移
動した場合を示している。
【0113】シリンダ60内の上部空間62と膨張空間
63は、配管64、内部に蓄冷材が充填された蓄冷器6
5及び配管66を介して接続されている。ディスプレー
サ61が上下に移動すると、ヘリウムガスが蓄冷器65
と熱交換しながら下部膨張空間63に供給、または下部
膨張空間63から回収される。
【0114】ヘリウム圧縮機67から供給される高圧ヘ
リウムガスは、吸気弁V1、配管64を介してシリンダ
60内の上部空間62にも供給される。また、膨張空間
63内のヘリウムガスは配管66、蓄冷器65及び排気
弁V2を介してヘリウム圧縮機67に回収される。
【0115】このように、蓄冷材がディスプレーサの外
部に配置されている構造の冷凍機においても、ディスプ
レーサ61の外周面にらせん状溝を形成することによ
り、シリンダ60内面とディスプレーサ61との間隙を
通って流れるガスは、らせん状溝に沿って流れる。この
ため、ガスがシリンダ及びディスプレーサと効率的に熱
交換を行うため、蓄冷材がディスプレーサの中に充填さ
れている場合と同様の効果を得ることができる。
【0116】上記実施例では、ディスプレーサ表面にら
せん状のガス流路を形成した場合について説明したが、
シリンダとディスプレーサとの隙間を流れるガスが、ガ
ス流路表面と十分に熱交換しながら流れるような形状で
あればらせん状に限らずその他の形状でもよい。以下、
図17を参照してその他のガス流路形状について説明す
る。
【0117】図17は、ディスプレーサの外周面に形成
された溝パターンを円周方向に展開した概略展開図を示
す。なお、図17は溝パターンの形状の特徴を示すもの
であり、溝のピッチ、溝の軸方向に対する傾き等を示す
ものではない。
【0118】図17(A)は、図3、図4に示すように
ディスプレーサ外周面の一端から他端まで1本のらせん
状溝を形成した場合を示す。図17(B)に示すよう
に、らせん状の溝を複数本設けてもよい。図17(B)
では、4本の溝をほぼ平行に形成した場合を示す。
【0119】図17(C)及び(D)に示すように、ら
せん状の溝を波線またはジグザグ線としてもよい。さら
に、図17(E)に示すように、ディスプレーサの軸方
向に平行な直線と垂直な直線とを組み合わせて、階段状
のジグザグ線としてもよい。また、図17(F)に示す
ように、波線とジグザグ線とを組み合わせてもよい。
【0120】図17(G)に示すように、らせんの回転
方向が相互に逆向きになる2つのらせん、あるいは2つ
以上のらせんを組み合わせてらせん状溝が相互に交差す
るようにしてもよい。
【0121】図17(H)に示すように、外周面の円周
方向に複数の円周状溝を形成し、隣接する溝を相互に接
続する接続溝を設けた形状としてもよい。このとき、ガ
ス流路長をなるべく長くするために円周状溝の上下に形
成される接続溝を、円周上の異なる位置に設けることが
好ましい。さらには、相互に軸対称となる位置に設ける
ことが好ましい。
【0122】このように、溝パターンのうち少なくとも
一部の溝が、ディスプレーサの軸方向に対して交差する
方向に沿うように形成することにより、ガスが軸方向に
平行に流れる場合に比べて、より長い経路を流れること
になる。このため、ガスとディスプレーサ及びシリンダ
との間で、より効率的に熱交換することが可能になる。
【0123】ディスプレーサの外周面に形成されたガス
流路の断面は、矩形、三角形、半円形等、その他の形状
でもよい。また、ディスプレーサの外周面に形成された
ガス流路を流れるガスの熱交換効率を高めるために、デ
ィスプレーサ外周面あるいはガス流路の内面に蓄冷材を
貼りつけてもよい。また、ガス流路内に蓄冷材を充填し
てもよい。
【0124】上記実施例では、ディスプレーサの外周面
に溝パターンを形成する場合について説明したが、シリ
ンダの内周面に溝パターンを形成しても同様の効果が得
られるであろう。このときには、シリンダ内周面のう
ち、少なくともディスプレーサが往復運動する範囲を含
む円筒状領域の両端を結ぶように溝パターンを形成すれ
ばよい。
【0125】図18は、シリンダ内周面に溝パターンを
形成したシリンダ及びディスプレーサの基本構成を示
す。ディスプレーサ2の外周面に形成されたらせん状ガ
ス流路4の代わりに、シリンダ1の内周面にらせん状ガ
ス流路4aが形成されている。その他は図1の基本構成
と同様の構成である。なお、らせん状の溝パターンに限
らず、図17に示すような種々の溝パターンを形成して
もよい。
【0126】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。たとえば、
GM式冷凍機に限らず、スターリング冷凍機やソルベイ
サイクル冷凍機等その他の蓄冷器を用いた冷凍機に本発
明を適用することが可能である。
【0127】また、2段式ディスプレーサの構成を例に
説明したが、1段式あるいは3段式以上のディスプレー
サを用いる場合にも適用できる。また、その他の構成に
おいても、低温においてディスプレーサを用いる蓄冷器
式冷凍機に本発明を適用することができる。その他、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0128】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
蓄冷器式冷凍機において、その冷凍性能を向上すること
ができる。
【0129】また、寿命の上でも磨耗が問題となるシー
ル機構がなく、部品点数の少ない蓄冷器式冷凍機を構成
することができるため、蓄冷器式冷凍機の組み立て、保
守が簡単化される。さらに、蓄冷材収容空間を増大する
ことができるため、冷凍能力を向上されることも可能と
なる。
【0130】また、冷却対象物に対して、冷凍機を種々
の角度から取り付けることができる。また、冷却しなが
ら冷凍機と共に冷却対象物の向きを変更することができ
る。さらに、メンテナンス性の向上、複数台の冷凍機に
よる同時冷却が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による蓄冷器式冷凍機の基本構
成を示す断面図である。
【図2】2段構成のGM式冷凍機の構成を概略的に示す
断面図である。
【図3】本発明の実施例による蓄冷器式冷凍機の第2段
目ディスプレーサの構成例を示す断面図である。
【図4】本発明の実施例による蓄冷器式冷凍機の第2段
目ディスプレーサの他の構成例を示す断面図である。
【図5】第2段目ディスプレーサにらせん状溝を形成し
た蓄冷器式冷凍機の冷却性能を従来技術による蓄冷器式
冷凍機の冷却性能と比較して示すグラフである。
【図6】本発明の実施例による蓄冷器式冷凍機の第1段
目ディスプレーサの構成例を示す断面図である。
【図7】第1段目及び第2段目ディスプレーサにらせん
状溝を形成した蓄冷器式冷凍機の冷却性能を第2段目デ
ィスプレーサのみにらせん状溝を形成した蓄冷器式冷凍
機の冷却性能と比較して示すグラフである。
【図8】冷凍機の取付角と第2段目ヒートステーション
の温度の関係を示すグラフである。
【図9】らせん溝付き冷凍機を適用した宇宙電波望遠鏡
の概略断面図である。
【図10】室温磁場空間の固定角度を変えることができ
る超伝導マグネット装置の概略断面図及び概略斜視図で
ある。
【図11】従来型の超伝導マグネット装置の概略断面図
である。
【図12】物性測定装置用のクライオスタットの概略断
面図である。
【図13】MRIの概略断面図である。
【図14】蓄冷材をディスプレーサの外部に配置した1
段構成GM式冷凍機の構成を概略的に示す断面図であ
る。
【図15】従来技術による第2段目ディスプレーサを説
明するための断面図である。
【図16】従来技術による第1段目ディスプレーサを説
明するための断面図である。
【図17】本発明の実施例による蓄冷器式冷凍機のディ
スプレーサ表面に形成する溝パターンの構成例を示す概
略展開図である。
【図18】本発明の実施例による蓄冷器式冷凍機の他の
基本構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ 2 ディスプレーサ 3 ガス流路 4 らせん状ガス流路 5 蓄冷材 6 膨張空間 10 ヘリウム圧縮機 11 第1段目シリンダ 12 第2段目シリンダ 13 第1段目ディスプレーサ 14 第2段目ディスプレーサ 15 クランク機構 16 ガス流路 17、18 蓄冷材 19、20 ヒートステーション 21、22 膨張空間 23、24 ガス流路 30 筒状部材 31 蓋部材 32 金網 33、34 フェルト栓 35 パンチングメタル 36 結合機構 37 開口 38 らせん状ガス流路 39 ステンレス管 40 耐磨耗性樹脂部材 41 蓋部材 50 筒状部材 51 フランジ 52、53 開口 54 蓋部材 55 らせん状ガス流路 60 シリンダ 61 ディスプレーサ 62 上部空間 63 膨張空間 64、66 配管 65 蓄冷器 67 ヘリウム圧縮機 80 筒状部材 81 溝 82 開口 83 蓋部材 84 金網 85、86 フェルト栓 87 パンチングメタル 88 結合機構 89 エキスパンダリング 90 ピストンリング 100 筒状部材 101 開口 102 段差 103 Oリング 104 スリッパシール 105 フランジ 106、107 金網 108 開口 109 蓋部材 110a 主鏡 110b 副鏡 111 SIS素子 112 冷凍機 120 冷凍機 121 モータ部 122 機構部 123 第1段目シリンダ 124 第2段目シリンダ 125 第1段目冷却ステージ 126 輻射シールド板 127 第2段目冷却ステージ 128 超伝導マグネット 129 室温磁場空間 130 真空容器 131 支持棒 132 支持台 140 冷凍機 141 機構部 142 第1段目シリンダ 143 第2段目シリンダ 144 第1段目冷却ステージ 145 輻射シールド板 146 真空容器 147 サンプルホルダ 150 空洞 151 超伝導マグネット 152 液体ヘリウムタンク 153 第2輻射シールド板 154 第1輻射シールド板 155 液体ヘリウム投入口 156 支持台 160 冷凍機 161 輻射シールド板 V 弁 M 駆動用モータ S 軸部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−159828(JP,A) 特開 平7−324831(JP,A) 実開 平5−79358(JP,U) 実開 平2−16954(JP,U) 実開 昭62−85878(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F25B 9/14 510

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱伝導率が低く、気密性の高い材料で形
    成された円筒状の内周面を有するシリンダ(1)、 前記シリンダの内周面よりもやや小さい径の円筒状形状
    に沿う外周面を有し、前記シリンダ内に軸方向に往復運
    動可能に配置され、前記シリンダ内の一端に膨張空間
    (6)を形成するディスプレーサ(2)、 前記ディスプレーサの外周面上に、該外周面の両端を結
    ぶ補助ガス流路を構成するように形成され、前記シリン
    ダと前記ディスプレーサとの間の隙間を該外周面の一端
    から他端に向かって流れるガスが前記シリンダ及び前記
    ディスプレーサと積極的に熱交換を行うように少なくと
    も一部が前記ディスプレーサの軸方向に対して交差する
    方向に沿う溝を含んで構成された溝パターン、 前記膨張空間にガスを供給、及び前記膨張空間からガス
    を回収するための主ガス流路(3)、 及び前記主ガス流路内の少なくとも一部に配置された蓄
    冷材(5)とを有する少なくとも1つの蓄冷器式冷凍機
    と、 前記シリンダの軸方向が鉛直方向に対して斜めになるよ
    うに、または、前記シリンダの軸方向が鉛直方向に沿い
    かつ前記膨張空間が前記シリンダの上方の一端に形成さ
    れるように前記蓄冷器式冷凍機を支持するための支持手
    段とを有する低温装置。
  2. 【請求項2】 熱伝導率が低く、気密性の高い材料で形
    成された円筒状の内周面を有するシリンダ(1)、 前記シリンダの内周面よりもやや小さい径の円筒状形状
    に沿う外周面を有し、前記シリンダ内に軸方向に往復運
    動可能に配置され、前記シリンダ内の一端に膨張空間
    (6)を形成するディスプレーサ(2)、 前記ディスプレーサの外周面上に、該外周面の両端を結
    ぶ補助ガス流路を構成するように形成され、前記シリン
    ダと前記ディスプレーサとの間の隙間を該外周面の一端
    から他端に向かって流れるガスが前記シリンダ及び前記
    ディスプレーサと積極的に熱交換を行うように少なくと
    も一部が前記ディスプレーサの軸方向に対して交差する
    方向に沿う溝を含んで構成された溝パターン、 前記膨張空間にガスを供給、及び前記膨張空間からガス
    を回収するための主ガス流路(3)、 及び前記主ガス流路内の少なくとも一部に配置された蓄
    冷材(5)とを有する少なくとも1つの蓄冷器式冷凍機
    を、前記シリンダの軸方向が鉛直方向に対して斜めにな
    るように、または、前記シリンダの軸方向が鉛直方向に
    沿いかつ前記膨張空間が前記シリンダの上方の一端に形
    成されるように支持する準備工程と、 前記ディスプレーサを往復運動させつつ、前記主ガス流
    路及び前記補助ガス流路を通して、所定の周期で前記膨
    張空間に作動ガスを導入及び前記膨張空間から作動ガス
    を回収して前記シリンダの前記一端に結合された冷却対
    象物を冷却する冷却工程とを含む冷却方法。
  3. 【請求項3】 前記冷却工程は、 さらに、前記シリンダの前記冷却対象物を冷却しつつ、
    前記シリンダの軸方向と鉛直方向との成す角を変化させ
    る工程を含む請求項2記載の冷却方法。
  4. 【請求項4】 前記準備工程は、2つ以上の前記蓄冷器
    式冷凍機を支持する請求項2記載の冷却方法。
  5. 【請求項5】 熱伝導率が低く、気密性の高い材料で形
    成された円筒状の内周面を有するシリンダ(1)、 前記シリンダの内周面よりもやや小さい径の円筒状形状
    に沿う外周面を有し、前記シリンダ内に軸方向に往復運
    動可能に配置され、前記シリンダ内の一端に膨張空間
    (6)を形成するディスプレーサ(2)、 前記ディスプレーサの外周面上に、該外周面の両端を結
    ぶ補助ガス流路を構成するように形成され、前記シリン
    ダと前記ディスプレーサとの間の隙間を該外周面の一端
    から他端に向かって流れるガスが前記シリンダ及び前記
    ディスプレーサと積極的に熱交換を行うように少なくと
    も一部が前記ディスプレーサの軸方向に対して交差する
    方向に沿う溝を含んで構成された溝パターン、 前記膨張空間にガスを供給、及び前記膨張空間からガス
    を回収するための主ガス流路(3)、 及び前記主ガス流路内の少なくとも一部に配置された蓄
    冷材(5)とを有する少なくとも1つの蓄冷器式冷凍機
    を、前記シリンダの軸方向が鉛直方向に対して斜めにな
    るように、または、前記シリンダの軸方向が鉛直方向に
    沿いかつ前記膨張空間が前記シリンダの上方の一端に形
    成されるように支持することを特徴とする蓄冷器式冷凍
    機の使用方法。
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