JPH0674584A - 極低温冷凍機およびその運転方法 - Google Patents

極低温冷凍機およびその運転方法

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JPH0674584A
JPH0674584A JP22978992A JP22978992A JPH0674584A JP H0674584 A JPH0674584 A JP H0674584A JP 22978992 A JP22978992 A JP 22978992A JP 22978992 A JP22978992 A JP 22978992A JP H0674584 A JPH0674584 A JP H0674584A
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政彦 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 極低温冷凍機の冷凍効率をさらに向上させた
極低温冷凍機およびその運転方法を提供することを目的
とする。 【構成】 圧縮したヘリウムガスを蓄冷式冷凍機のシリ
ンダ7の冷却ステージ9部分で予冷した後にジュール・
トムソン膨脹させて寒冷を発生させるようにした極低温
冷凍機において、シリンダ7は、冷却ステージ9部分が
冷媒ガスを通流させて予冷するための流路81が一体的
に形成された良熱伝導熱性のブロック80からなり、こ
のブロック80をシリンダの残りの部分に一体的に接合
して構成されてなることを特徴としている。また、蓄冷
式冷凍機の蓄冷器にほぼ10乃至15Kの温度域内に磁
気転移点を有する磁性材を蓄冷材として備えてなること
を特徴としている。また、前記蓄冷式冷凍機の運転速度
を制御する運転速度制御手段と、前記冷媒ガスの圧力を
制御する圧力制御手段とを具備することを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、極低温冷凍機に係り、
特にジュール・トムソン冷凍ループと予冷用の蓄冷式冷
凍機とを組合わせて構成される極低温冷凍機およびその
運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、MRIや磁気浮上列車等に超電導
磁石が応用されているが、これらの超電導磁石を用いた
システムでは液体ヘリウムで冷却する必要がある。
【0003】この液体ヘリウムは効果であるため、蒸発
を抑制するために液体ヘリウム温度まで冷却できる極低
温冷凍機が使用されている。極低温冷凍機の一つとして
ギフォード・マクマホン(GM)冷凍機などの蓄冷式冷
凍機で予冷したヘリウムガスをジュール・トムソン(J
T)膨脹させるJT冷凍機がある。以下では両冷凍機を
組合せたGM+JT冷凍機を例にして述べる。
【0004】これらのシステムでは冷凍機の効率を上
げ、ランニングコストをいかに減らすかが重要になる。
特に磁気浮上列車などでは電力が限定されているため効
率を高くすることが重要になる。
【0005】GM+JT冷凍機の効率を上げる方法とし
てまず予冷温度を下げることが考えられる。発明者の先
願特許にあるように予冷温度を下げることにより冷凍能
力が向上することが分かっている。先の発明では予冷温
度を下げる方法としてEr3Niなどの磁性蓄冷材を用
いている。また予冷温度を下げた時にJT冷却ループの
圧力を各々の予冷温度での最適圧力にすることにより効
率が向上することも示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の改良により冷凍
効率は向上するが、応用面からはさらに効率を上げるこ
とが必要とされている。冷凍効率が落ちる原因として、
GM冷凍機の冷却ステージでの温度差が大きいために冷
凍機の温度を下げても、ヘリウムガスの温度が十分下が
らない問題があった。またGM冷凍機の能力を上げるう
えで従来は4Kでの冷凍能力向上に主眼が置かれていた
が、GM+JT冷凍機で使用する際にはGM冷凍機単体
とは異なる温度帯域での冷凍能力が重要になる。従来は
蓄冷材を選択する時にこのことが考慮されていない問題
があった。本発明では上記の問題点を考慮した改良を行
い、GM+JT冷凍機の冷凍効率をさらに向上させるこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
おいては、圧縮した冷媒ガスを蓄冷式冷凍機のシリンダ
の冷却ステージ部分で予冷した後にジュール・トムソン
膨脹させて寒冷を発生させるようにした極低温冷凍機に
おいて、前記シリンダは、前記冷却ステージ部分が前記
冷媒ガスを通流させて予冷するための流路が一体的に形
成された良熱伝導熱性のブロックからなり、このブロッ
クを前記シリンダの残りの部分に一体的に接合して構成
されてなることを特徴としている。
【0008】請求項2に記載の発明においては、圧縮し
たヘリウムガスを蓄冷式冷凍機で予冷した後にジュール
・トムソン膨脹させて寒冷を発生させるようにした極低
温冷凍機において、前記蓄冷式冷凍機の蓄冷器にほぼ1
0乃至15Kの温度域内に磁気転移点を有する磁性材を
蓄冷材として備えてなることを特徴としている。
【0009】請求項3に記載の発明においては、圧縮し
た冷媒ガスを蓄冷式冷凍機で予冷した後にジュール・ト
ムソン膨脹させて寒冷を発生させるようにした極低温冷
凍機において、前記蓄冷式冷凍機の運転速度を制御する
運転速度制御手段と、前記冷媒ガスの圧力を制御する圧
力制御手段とを具備することを特徴としている。
【0010】請求項4に記載の発明においては、圧縮し
た冷媒ガスを蓄冷式冷凍機で予冷した後にジュール・ト
ムソン膨脹させて寒冷を発生させるようにした極低温冷
凍機の運転方法において、前記蓄冷式冷凍機の運転速度
を前記冷媒ガスの冷却温度が最も低くなる運転速度に制
御するとともに、前記冷媒ガス圧力をこの冷却温度に対
して最も効率の良くなる圧力に制御することを特徴とし
ている。
【0011】
【作用】請求項1に記載の発明においては、シリンダー
とブロックとは、電子ビーム溶接や摩擦接合等により、
ハンダ等を介すこと無くダイレクトに一体的に接合され
ている。つまり、異種金属接合されている。そして、ブ
ロックには、JT冷凍機のヘリウムガスを予冷するため
のヘリウムガス流路が一体的に形成されている。したが
って、このように構成されることにより、熱抵抗を大幅
に減少させて冷凍能力を大幅に向上させることが可能と
なる。
【0012】請求項2記載の発明においては、蓄冷式冷
凍機の蓄冷器にほぼ10乃至15Kの温度域内に磁気転
移点を有する磁性材を蓄冷材として備えている。磁気転
移点が15Kよりも高いとJT冷凍機の効率が悪くな
り、また10Kよりも低いと蓄冷式冷凍機の効率が悪く
なる。したがって、10〜15Kに磁気転移点を有する
磁性材、例えばErNi、Er3 Co、Nd3 Ni等の
中から選ばれた少なくとも一種を用いることにより蓄冷
式冷凍機およびJT冷凍機の個々の効率を向上させるこ
とができるため、極低温冷凍機のトータル性能を向上さ
せることができる。
【0013】請求項3および請求項4に記載の発明によ
れば、蓄冷式冷凍機には、各温度領域により、最適運転
速度が存在し、また、JT冷凍機の高圧側のガス圧力
も、最適なガス圧力が存在する。したがって、蓄冷式冷
凍機の運転速度の前記冷媒ガスの冷却温度が最も低くな
る運転速度に制御するとともに、前記冷媒ガス圧力をこ
の冷却温度に対して最も効率の良くなる圧力に制御する
ことで、極低温冷凍機の冷凍効率を飛躍的に向上させる
ことができる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。図1には本発明の一実施例に係る極低温冷凍機が示
されている。
【0015】この極低温冷凍機は、大きく分けて、予冷
用の蓄冷式冷凍機、この例では、GM冷凍機Aと、この
GM冷凍機Aによって予冷されるジュール・トムソン冷
凍ループ(以下、JT冷凍機と略称する。)Bとで構成
されている。
【0016】GM冷凍機Aは、大きく別けて、コールド
ヘッド1と、冷媒ガス導排出系2とで構成されている。
コールドヘッド1は、図2に示されるように閉じられた
シリンダ3と、このシリンダ3内に往復自在に収容され
たピストン、すなわち断熱材で形成されたディスプレー
サ4と、このディスプレーサ4に往復動に必要な動力を
与えるモータ5とで構成されている。
【0017】シリンダ3は、大径の第1シリンダ6と、
この第1シリンダ6に同軸的に接続された小径の第2シ
リンダ7とで構成されている。そして、第1シリンダ6
と第2シリンダ7との境界壁部分で第1段冷却ステージ
8が構成され、また第2シリンダ7の先端壁部分で第1
段冷却ステージ6より低温の第2段冷却ステージ9が構
成されている。
【0018】ディスプレーサ4は、第1シリンダ6内を
往復動する第1ディスプレーサ10と、第2シリンダ7
内を往復動する第2ディスプレーサ11とで構成されて
いる。第1ディスプレーサ10と第2ディスプレーサ1
1とは、連結機構12によって軸方向に連結されてい
る。第1ディスプレーサ10の内部には、軸方向に延び
る流体通路13が形成されており、この流体通路13に
は銅メッシュ等で形成された蓄冷材15が収容されてい
る。同様に、第2ディスプレーサ11の内部にも軸方向
に延びる流体通路14が形成されており、この流体通路
14には10〜15Kに磁気転移点を持つ磁性材である
Er3 Co,ErNiの中から選ばれた少なくとも一
種、たとえばErNiの球で形成された蓄冷材16が収
容されている。第1ディスプレーサ10の外周面と第1
シリンダ6の内周面との間および第2ディスプレーサ1
1の外周面と第2シリンダ7の内周面との間には、それ
ぞれシール装置17,18が装着されている。
【0019】第1ディスプレーサ10の図中上端は、連
結ロッド20、スコッチヨークあるいはクランク軸21
を介してモータ5の回転軸に連結されている。したがっ
て、モータ5が回転すると、この回転に同期してディス
プレーサ4が図中実線矢印22で示す方向に往復動す
る。
【0020】第1シリンダ6の側壁上部には冷媒ガスの
導入口23と排出口24とが設けてあり、これら導入口
23と排出口24は冷媒ガス導排出系2に接続されてい
る。冷媒ガス導排出系2は、シリンダ3を経由するヘリ
ウムガス循環系を構成するもので、排出口24を低圧弁
25、圧縮機26、高圧弁27を介して導入口23に接
続したものとなっている。すなわち、この冷媒ガス導排
出系2は、低圧のヘリウムガスを圧縮機26で高圧に圧
縮してシリンダ3内に送り込むものである。
【0021】JT冷凍機Bは、大きく別けて、ヘリウム
ガスを圧縮する圧縮機40と、一端が圧縮機40のガス
吐出口48に接続され、他端が圧縮機40のガス吸込口
49に接続されたガス案内管50と、このガス案内管5
0に挿設されたジュール・トムソン膨脹弁(以下、JT
弁と略称する。)44と、このJT弁44と圧縮機40
との間のガス案内管50に設けられた第1,第2,第3
の熱交換器41,42,43とで構成されている。第1
の熱交換器41は圧縮機40側に、第3の熱交換43は
JT弁44側に、そして第2の熱交換器42は熱交換器
41と熱交換器43との間に配置されている。
【0022】第1の熱交換器41と第2の熱交換器42
との間のガス案内管50で高圧側配管は、前述したGM
冷凍機Aの第1冷却ステージ8に熱的に接続されてい
る。また、第2の熱交換器42と第3の熱交換器43と
の間のガス案内管50で高圧側配管は、GM冷凍機Aの
第2冷却ステージ9に熱的に接続されている。なお、こ
の冷凍機は、第1図中51で示す線より下に位置する部
分がクライオスッタト内に収容されている。次に、上記
のように構成された冷凍機の動作を説明する。
【0023】GM冷凍機Aにおいて、モータ5が回転を
開始すると、ディスプレーサ4が下死点と上死点との間
を往復動する。ディスプレーサ4が下死点にあるとき、
高圧弁27が開いて高圧に圧縮されたヘリウムガス(約
18atm)がコールドヘッド1内に流入する。次に、
ディスプレーサ4が上死点へと移動すると、高圧のヘリ
ウムガスは第1ディスプレーサ10に形成された流体通
路13、1段膨脹室28、および第2ディスプレーサ1
1に形成された流体通路14を通って、2段膨脹室29
へと流れる。この流れに伴って、高圧のヘリウムガスは
蓄冷材15、16によって冷却される。
【0024】ここで、高圧弁17が閉じ、低圧弁25が
開く。その結果、1段膨脹室28内および2段膨脹室2
9内のヘリウムガスが低圧(約5atm)に膨脹して寒
冷を発生し、この寒冷によって第1段冷却ステージ8お
よび第2段冷却ステージ9はそれぞれ40K以下,15
K以下程度に冷却される。ディスプレーサ4が再び下死
点へ移動し、これに伴い1段膨脹室28内および2段膨
脹室29内のヘリウムガスが排除される。膨脹したヘリ
ウムガスは流体通路13,14内を通る間に蓄冷材1
5,16を冷却し、常温となって排出される。以下、上
述したサイクルが繰返される。
【0025】一方、JT冷凍機Bの圧縮機40を動作さ
せると、高圧に圧縮されたヘリウムガスが第1,第2,
第3の熱交換器41,42,43の高圧側を経由してJ
T弁44へと流れる。この途中で第1段冷却ステージ8
において冷却され、また、第2段冷却ステージ9でさら
に低温に冷却される。そして、JT弁44を介して低圧
(約1atm)に膨脹される。このとき、ジュール・ト
ムソン効果によりヘリウムガスは、1atmにおける飽
和温度である4.2K程度にまで冷却されて気液二相流
となる。この気液二相流で発生した寒冷により超電導マ
グネット,ヘリウムガス等の被冷却体45が冷却され
る。被冷却体45を冷却したヘリウムガスは、第3,第
2,第1の熱交換器43,42,41の低圧側を順次通
過し、各熱交換器43,42,41の高圧側を流れてい
る高圧ヘリウムガスを冷却した後に圧縮機40に流入し
て再び圧縮される。
【0026】上記のように構成された冷凍機の性能は、
圧縮機40のガス吐出口48でのヘリウムガス圧力と第
3の熱交換器43の高圧側へ流入するヘリウムガスの温
度とに大きく依存する。
【0027】図3には第3の熱交換器43の高圧側に流
入するヘリウムガスの圧力をパラメータとして、ヘリウ
ムガス1g当たり4.2Kにおける寒冷発生量と第3の
熱交換器43の高圧側に流入するヘリウムガスの温度と
の関係を計算で求めた結果が示されている。なお、ここ
では第3の熱交換器43の熱交換効率を便宜上、99%
としている。図中曲線a,b,c,d,e,fは、それ
ぞれ圧力10,12,14,16,18,20(at
m)の場合を示している。この図から判るように、第3
の熱交換器43の高圧側に流入するヘリウムガスの温度
が高い(たとえば18K以上)ときは、第3の熱交換器
43の高圧側に流入するヘリウムガスの圧力が高いほど
寒冷発生量は多くなる。しかし、逆に第3の熱交換器4
3の高圧側に流入するヘリウムガスの温度が低い(たと
えば9K以下)ときには、第3の熱交換器43の高圧側
に流入するヘリウムガスの圧力が低いほど寒冷発生量が
多くなる。このことから判るように、第3の熱交換器4
3の高圧側に流入するヘリウムガスの温度が低ければ、
第3の熱交換器43の高圧側に流入するヘリウムガスの
圧力が低くても、必要な寒冷発生量が得られ、圧縮機4
0の入力を減らすことができる。つまり、GM冷凍機A
の能力を向上させて、第2の冷却ステージ9の冷却温度
を低下させれば、JT冷凍機Bの予冷温度を低くでき、
性能が向上する。本発明では、GM+JT極低温冷凍機
のトータル性能を向上させることを目的としており、以
下、具体的な発明項目を3つ説明する。第1の発明は、
GM冷凍機Aの運転速度と、JT冷凍機Bの高圧側のガ
ス圧力とを各々最適制御することである。
【0028】GM冷凍機Aでは、冷凍能力がその運転速
度により異なる。図4は、GM冷凍機Aにおいて、本発
明者等が各温度での冷凍能力を運転速度を種々変化させ
て測定した結果である。
【0029】図4は、GM冷凍機Aの運転速度を18r
pm,24rpm,36rpm,48rpm,60rp
mの5通りについて各々変化させて、各温度における冷
凍能力を測定した結果を、横軸に温度(K)、縦軸に冷
凍能力(W)を各々とって示した特性図である。図4か
ら明らからように、ほぼ5.8Kよりも温度が高い領域
では48rpm、ほぼ5.8Kからほぼ4.3Kの間は
36rpm、ほぼ4.3からほぼ3.1Kの間は24r
pm、そして3.1K以下は18rpmと温度が低下す
るにつれて、最適運転速度が低下することが理解でき
る。この運転速度の具体的な回転数はGM冷凍機Aの諸
条件により異なるが、GM冷凍機Aには、各温度領域に
より、最適運転速度が存在すること、そして低温になる
ほど回転数を低下させたほうが性能が向上することは、
本発明者等の他の多くの実験から確認されている。
【0030】そして、JT冷凍機Bの高圧側のガス圧力
も、図3から明らかなように第3熱交換器43の高圧側
の入口温度に応じて最適なガス圧力が存在するわけであ
る。これらの最適ガス圧力もJT冷凍機の諸条件により
異なるわけであるが、これらの傾向は、本発明者等の他
の多くの実験により確認されている。
【0031】したがって、本発明では、図5に示すよう
に、GM+JT冷凍機のGM冷凍機Aの最適運転速度
と、JT冷凍機Bの最適高圧側圧力を各々の温度におい
て、予め測定し、これらの最適条件を例えば、ROMあ
るいはRAM等の記憶装置60、61に記憶させる。な
お、図5において図1と同一部分には同一符号を付して
その説明は省略する。
【0032】そして、実際に本発明の極低温冷凍機の運
転時に、GM冷凍機Aの第2段冷却ステージ9の温度を
温度センサー64で、JT冷凍機Bの第3の熱交換器4
3の高圧側に流入するヘリウムガスの温度を温度センサ
ー65で各々測定する。
【0033】そして、温度センサー64の測定結果を記
憶装置60を内蔵した速度制御装置68にフィードバッ
クし、GM冷凍機Aのモータ5の回転数を上述した最適
回転数になるように制御する。一方、温度センサー65
の測定結果を記憶装置61を内蔵した圧力制御装置69
にフィードバックし、JT冷凍機BのJT弁44の開度
を制御し、上述した最適な圧力になるように制御する。
【0034】なお、GM冷凍機Aの最適運転速度と、J
T冷凍機Bの高圧側最適ガス圧力は、予めその特性さ
え、把握しておけばこれらの最適制御は上記実施例に限
定されること無く、例えば、オペレータが直接制御して
も良い。以上、第1の発明によれば極低温冷凍機トータ
ルの性能を最大限に発揮させることができる。次に、第
2の発明について説明する。
【0035】前述したようにGM冷凍機Aの第2ディス
プレーサ11内部の流体通路14には10〜15Kに磁
気転移点を有する磁性材、例えばErNiやEr3 Co
等の球で形成された蓄冷材16が収容されている。ここ
で、磁気転移点が15Kよりも高いとJT冷凍機Bの効
率が悪くなり、また10Kよりも低いとGM冷凍機Aの
効率が悪くなるためである。
【0036】したがって、図6に示すように10〜15
Kに磁気転移点を有する磁性材、例えばErNi、Er
3 Co、Nd3 Ni等の中から選ばれた少なくとも一種
を用いることによりGMおよびJT冷凍機の個々の効率
を向上させることができるため、GM+JT極低温冷凍
機のトータル性能を向上させることができる。次に、第
3の発明について図7を参照して説明する。本発明で
は、GM冷凍機Aの第2シリンダー7の一部でJT冷凍
機Bの予冷のための第2段冷却ステージ9を構成してい
る。
【0037】まず、第3の発明を理解し易くするため
に、比較例として図8に従来の冷却ステージを示す。従
来は、第2シリンダー7の先端部に銅製のブロック10
0を第2シリンダー7の先端を覆うように挿入取着して
ハンダで固定している。そして、銅製のブロック100
の外周に銅製のバイプ101をハンダにより固定し、こ
の銅製のパイプ101内にJT冷凍機Bのヘリウムガス
を導き冷却している。このような構成によると、第2シ
リンダー7と銅製のブロック100および銅製のブロッ
ク100と銅製のパイプ101とを各々ハンダにより接
合しているため、各々の接合部分において、熱抵抗が大
きく、この熱抵抗により両面間に大きな温度差が生じ、
これが冷凍能力を低下させる一因となっていた。
【0038】本発明では、図7に示すようにステンレス
銅やチタン、チタン合金等からなる第2シリンダー7の
先端部分に銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合
金等の良熱伝導性の材料から成るブロック80を図中丸
印で囲んだAの部分で直接接合している。つまり、第2
シリンダー7のヘッド壁の近くまでは熱伝導性の良くな
いステンレス銅等で、そして、第2シリンダー7の先端
部分は、良熱伝導性の銅等からなるブロックで構成され
ており、これらは第2シリンダー7とブロック80と
は、電子ビーム溶接や摩擦接合等により、ハンダ等を介
すこと無くダイレクトに接合されている。つまり、異種
金属接合されている。そして、ブロック80には、JT
冷凍機Bのヘリウムガスを予冷するためのヘリウムガス
流路81が一体的に形成されている。このように構成さ
れることにより、熱抵抗を大幅に減少させて冷凍能力を
大幅に向上させることが可能となる。
【0039】なお、図9に本発明の図7に示す構成と、
比較例としての従来構成の図8に示すものとの伝熱量と
温度差との比較特性を示した。この図からも、図7に示
した本発明の構成が有効であることが明白である。
【0040】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。つまり、予冷用の蓄冷式冷凍機として
ギフォード・マクマホンサイクル(GM冷凍機)を用い
ているが、スターリングサイクル等の他の蓄冷式冷凍機
を使用しても良い。その他、本発明の要旨を逸脱しない
範囲で、種々変形して実施できる。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、特
に極低温冷凍機の冷凍効率を向上させ、エネルギ効率の
高い極低温冷凍機およびその運転方法を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の前提となる極低温冷凍機の概略構成
を示す図。
【図2】 図1に示す極低温冷凍機に組み込まれた蓄冷
式冷凍機の一例を示す図。
【図3】 ヘリウムガス1g当たりの4.2Kにおける
寒冷発生量と第3熱交換器の高圧側に流入するヘリウム
ガスとの関係を示す図。
【図4】 本発明に係る蓄冷式冷凍機を各々の温度での
冷凍能力を運転速度を変えて測定した結果を示す特性
図。
【図5】 本発明の極低温冷凍機を示す概略構成図。
【図6】 本発明に係る10〜15Kに磁気転移点を有
する磁性材の特性図。
【図7】 本発明に係る蓄冷式冷凍機の冷却ステージを
示す部分断面図。
【図8】 図7に示すものの比較例として示す従来の蓄
冷式冷凍機の冷却ステージを示す部分断面図。
【図9】 図7と図8に示す構成の冷凍機の伝熱量と温
度差との関係を示す特性図。
【符号の説明】
A GM冷凍機 B JT冷凍機 3 シリンダ 4 ディスプレーサ 5 モータ 6 第1シリンダ 7 第2シリンダ 8 第1段冷却ステージ 9 第2段冷却ステージ 10 第1ディスプレーサ 11 第2ディスプレーサ 15 蓄冷材 16 蓄冷材 44 ジュール・トムソン膨脹弁 68 速度制御装置 69 圧力制御装置 80 ブロック 81 流路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮した冷媒ガスを蓄冷式冷凍機のシリン
    ダの冷却ステージ部分で予冷した後にジュール・トムソ
    ン膨脹させて寒冷を発生させるようにした極低温冷凍機
    において、前記シリンダは、前記冷却ステージ部分が前
    記冷媒ガスを通流させて予冷するための流路が一体的に
    形成された良熱伝導熱性のブロックからなり、このブロ
    ックを前記シリンダの残りの部分に一体的に接合して構
    成されてなることを特徴とする極低温冷凍機。
  2. 【請求項2】圧縮したヘリウムガスを蓄冷式冷凍機で予
    冷した後にジュール・トムソン膨脹させて寒冷を発生さ
    せるようにした極低温冷凍機において、前記蓄冷式冷凍
    機の蓄冷器にほぼ10乃至15Kの温度域内に磁気転移
    点を有する磁性材を蓄冷材として備えてなることを特徴
    とする極低温冷凍機。
  3. 【請求項3】圧縮した冷媒ガスを蓄冷式冷凍機で予冷し
    た後にジュール・トムソン膨脹させて寒冷を発生させる
    ようにした極低温冷凍機において、前記蓄冷式冷凍機の
    運転速度を制御する運転速度制御手段と、前記冷媒ガス
    の圧力を制御する圧力制御手段とを具備することを特徴
    とする極低温冷凍機。
  4. 【請求項4】圧縮した冷媒ガスを蓄冷式冷凍機で予冷し
    た後にジュール・トムソン膨脹させて寒冷を発生させる
    ようにした極低温冷凍機の運転方法において、前記蓄冷
    式冷凍機の運転速度を前記冷媒ガスの冷却温度が最も低
    くなる運転速度に制御するとともに、前記冷媒ガス圧力
    をこの冷却温度に対して最も効率の良くなる圧力に制御
    することを特徴とする極低温冷凍機の運転方法。
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