JP2778130B2 - オレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン重合体の製造方法

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JP2778130B2 JP1171444A JP17144489A JP2778130B2 JP 2778130 B2 JP2778130 B2 JP 2778130B2 JP 1171444 A JP1171444 A JP 1171444A JP 17144489 A JP17144489 A JP 17144489A JP 2778130 B2 JP2778130 B2 JP 2778130B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な固体触媒成分を用いたオレフィン重
合体の製造方法に関する。更に詳しくは、重合活性に優
れ、立体規則性、および粒子性状に優れた重合体を与え
る新規な担体付触媒成分と周期律表I〜III族金属の有
機金属化合物、及び必要に応じて電子供与性化合物とか
らなる触媒を用いた、プロピレン、ブテン−1、4−メ
チルペンテン−1、3−メチルブテン−1等のα−オレ
フィン重合体の製造方法に関するものである。
特には、炭素数3以上のα−オレフィンに対して、高
活性で、高立体規則性かつ粒子性状の良好な重合体を製
造する方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、担体付触媒で炭素数3,以上のα−オレフィンに
対し、高活性でかつ高立体規則性の重合体を与える触媒
の製造法については、これまで多数の提案がある。ま
た、得られる重合体の粒子性状が改良された触媒成分の
製造法についても、多くの提案がなされている。しか
し、それらの多くは、重合活性、立体規則性および粒子
性状の全てを充分満足すべきものではなく、より一層の
改良が望まれている。
本発明者らは、先に、重合活性、立体規則性および粒
子性状に優れた触媒成分の製造法として、特開昭63−10
8008号において、マグネシウムアルコキシドをケイ素テ
トラアルコキシドと加熱反応させた後電子供与性化合物
およびハロゲン含有チタン化合物で処理する方法、およ
び特開昭64−54007号において、マグネシウムアルコキ
シドをチタンテトラアルコキシドおよびケイ素テトラア
ルコキシドと加熱反応させた後電子供与性化合物および
ハロゲン含有チタン化合物で処理する方法を提案してい
るが、重合活性については更に一層の改良が望まれてい
た。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上述の触媒系の高立体規則性および良
好な粒子性状を維持しながら、重合活性がより一層高い
固体触媒成分を得るべくその製法について鋭意検討した
結果、本発明に到達した。即ち、本発明の要旨は、少な
くともマグネシウム、ケイ素および1種類もしくは2種
類以上のOR1基(式中R1はアルキル基、アリール基また
はアラルキル基を示す)からなり、必要に応じてチタン
を含有する成分(a)をハロゲン含有チタン化合物
(b)、一般式SiXnR3 4-n(式中R3はアルキル基、アリ
ール基またはアラルキル基を示し、Xはハロゲン原子、
nは4≧n>0を示す。)で表わされるハロゲン含有ケ
イ素化合物(c)および電子供与性化合物(d)で接触
処理することによって得られる固体触媒成分(A)と周
期律表I〜III族の金属の有機金属化合物(B)および
必要に応じて電子供与性化合物(C)とより成る触媒の
存在下にオレフィンを重合または共重合させることを特
徴とするオレフィン重合体の製造方法に存する。
本発明を詳述すれば (a) 少なくともマグネシウム、ケイ素および1種類
もしくは2種類以上のOR1基からなり必要に応じてチタ
ンを含有する成分を (b) ハロゲン含有チタン化合物と (c) 一般式SiXnR3 4-nで示されるハロゲン含有ケイ
素化合物、および (d) 電子供与性化合物で 接触処理することによって得られる固体触媒成分(A)
と周期律表I〜III族の金属の有機金属化合物(B)と
を必須成分とし、更に適宜電子供与性化合物(C)を組
合せた触媒を用いて、オレフィンを重合または共重合す
ることを特徴とするオレフィン重合体の製造方法であ
る。
成分(a)を得る方法としては制限はないが、好まし
い方法として、一般式Mg(OR4(OR52-n(式中R4
およびR5はアルキル基、アリール基またはアラルキル基
を示し、R4とR5は同一でも異なっても良い。nは2≧n
≧0の数を示す。)で表わされるマグネシウム化合物
(a1)、一般式Si(OR6(式中R6はアルキル基、ア
リール基またはアラルキル基を示す。)で表わされるケ
イ素化合物(a2)、並びに必要に応じて一般式Ti(O
R7(式中R7はアルキル基、アリール基、またはアラ
ルキル基を示す。)で表わされるチタン化合物(a3)お
よび/またはR8OH(式中R8はアルキル基、アリール基ま
たはアラルキル基を示す。)を加熱反応させる方法が挙
げられる。
以下に、上記の成分(a)を得る方法を詳述する。使
用する一般式Mg(OR4(OR52-nで示されるマグネ
シウム化合物(a1)を具体的に示すと、Mg(OCH3
Mg(OC2H5、Mg(OC3H7、Mg(OC4H9、Mg(O
C6H5、Mg(OCH2C6H5、Mg(OC2H5)(OC4H9)、
Mg(OC6H5)(OC4H9)、Mg(OC2H5)(OC6H5)、Mg(OC
6H4CH3等のジアルコキシマグネシウム、ジアリール
オキシマグネシウム、ジアラルキルオキシマグネシウ
ム、アルキルオキシアリールオキシマグネシウムを挙げ
ることができる。これらは混合して用いることもでき
る。
一般式Si(OR6で示されるケイ素化合物(a2)と
しては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、
テトラ(2−エチルヘキソキシ)シラン、テトラフェノ
キシシラン、テトラ(p−メチルフェノキシ)シラン等
が挙げられる。これらは混合して用いることもできる。
一般式Ti(OR7で示されるチタン化合物(a3)と
しては、Ti(OCH3、Ti(OC2H5、Ti(OC
3H7、Ti(OC4H9、Ti(OC6H5、Ti(OCH2C6H
5等が挙げられる。これらは混合して用いることも
できる。
一般式R8OHで示される化合物(a4)としては、エタノ
ール、イソプロパノール、プロパノール、ブタノール、
イソブタノール、ヘキサノール、オクタノール、2エチ
ルヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール
類;フェノール、クレゾール、キシレノール、ブチルフ
ェノール等のフェノール類が挙げられる。
これらのうち、マグネシウム化合物、ケイ素化合物、
チタン化合物、R8OHで示される化合物のいずれかがOR基
(Rはアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示
す。)としてアリールオキシ基を含むものが好ましい。
マグネシウム化合物(a1)とケイ素化合物(a2)およ
び必要に応じてチタン化合物(a3)および/またはR8OH
で示される化合物(a4)の2ないし4種化合物を反応さ
せて成分(a)を得る方法としては、(a1)、(a2)お
よび必要に応じて(a3)および/または(a4)を同時に
接触させて反応させる方法、(a1)、(a2)または
(a1)、(a2)、(a3)を反応させた後(a4)を反応さ
せる方法、(a1)と(a2)を反応させた後、(a3)およ
び必要に応じて(a4)を反応させる方法、(a1)、
(a2)または(a1)、(a2)、(a4)を反応させた後、
(a3)を反応させる方法、あるいは(a1)、(a4)また
は(a1)、(a3)、(a4)を反応させた後(a2)を反応
させる方法等が挙げられる。また反応時にヘキサン、ヘ
プタン、ペンタン、ブタン、トルエン、キシレン等の不
活性炭化水素溶媒を存在させてもよい。反応温度は60℃
〜200℃、好ましくは100℃〜150℃であり、反応時間
は、0.5〜4時間程度である。各成分の使用量をモル比
で表わすと通常次のとおりである。
Mg(OR1(OR22-n 1に対して Si(OR3 0.1〜5、好ましくは0.2〜2 Ti(OR4 0〜4、好ましくは0.2〜1 R5OH 0〜5、好ましくは1〜3 本発明で成分(a)として、上記の加熱反応生成物を
使用することが特に好ましい。また、上記の反応では、
(a1)、(a2)および必要に応じて(a3)および/また
は(a4)の二者ないし四者の組成比により、液状物を得
ることも可能であるが、固体状生成物を含むスラリー状
のものを成分(a)として使用する場合に良好な結果が
得られる事が多い。
本発明においては、上記のようにして得られる成分
(a)をヘキサン、ヘプタン、ペンタン、ブタン、トル
エン等の不活性炭化水素溶媒の存在下または不存在下に
おいてハロゲン含有チタン化合物(b)、ハロゲン含有
ケイ素化合物(c)および電子供与性化合物(d)で接
触処理することにより、固体触媒成分(A)を得る。
ここで用いるハロゲン含有チタン化合物(b)として
は、四塩化チタン、四臭化チタン、四沃化チタン及びチ
タンハロゲン・アルコレート化合物等が挙げられる。こ
のうち好ましくは、四塩化チタン及びチタンハロゲン・
アルコレート化合物が用いられる。
一般式SiXnR3 4-n(式中R3はアルキル基、アリール基
またはアラルキル基を示し、Xはハロゲン原子、nは4
≧n>0を示す。)で表わされるハロゲン含有ケイ素化
合物(c)としては、SiCl4、SiBr4、SiI4、SiCl(C
H3、SiCl2(CH3、SiCl3(CH3)、SiCl(C2H5
、SiCl2(C2H5、SiCl3(C2H5)、SiCl(C
3H7、SiCl2(C3H7、SiCl3(C3H7)、SiCl(C6H
5、SiCl2(C6H5、SiCl3(C6H5)等が挙げられ
る。
電子供与性化合物(d)としては、一般に含リン化合
物、含酸素化合物、含硫黄化合物、含窒素化合物が挙げ
られる。このうち好ましくは含酸素化合物が用いられ
る。
合酸素化合物としては、例えば下記一般式 (式中、R9、R10はアルコキシ基で置換されていてもよ
い炭化水素基を示し、相互に結合して環状基を形成して
いてもよい。またkは1〜3の数を示す。)で表わされ
る化合物が挙げられる。具体的にはジエチルエーテル、
ジプロピルエーテル、ジエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、エチレンオキシド、プロピレンオキ
シド、フランのようなエーテル類;アセトン、ジエチル
ケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、フェニルプロピルケトンのようなケトン類;酢酸エ
チル、プロピオン酸メチル、アクリル酸エチル、オレイ
ン酸エチル、ステアリン酸エチル、フェニル酢酸エチ
ル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピ
ル、安息香酸ブチル、トルイル酸メチル、トルイル酸エ
チル、トルイル酸プロピル、トルイル酸ブチル、エチル
安息香酸メチル、エチル安息香酸エチル、キシレンカル
ボン酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、エト
キシ安息香酸メチル、エトキシ安息香酸エチル、ケイ皮
酸エチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタ
ル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオ
クチルの様なカルボン酸のエステル類、o−C6H4(CO
O)2Mg,o−C6H4(COO)2AlCl、(o−C6H4(COO)6
B2(C6H5COO)2AlOHの様なカルボン酸誘導体あるいはγ
−ブチルラクトンの様な環状エステル類が挙げられ、ま
た、安息香酸−β−トリメトキシシリルエチル、フタル
酸ビストリメチルシリル等のケイ素含有カルボン酸エス
テル類も挙げられる。好ましくはカルボン酸エステル、
カルボン酸誘導体が用いられる。
本発明方法において、前記(a)、(b)、(c)、
(d)成分の接触処理方法としては、 (1) (a)を(b)+(c)+(d)で処理する方
法 (2) (a)と(b)+(c)を予め接触させた後
(d)で処理する方法 (3) (a)と(b)を予め接触させた後(c)およ
び(d)で処理する方法 (4) (a)と(d)を予め接触させた後(b)およ
び(c)で処理する方法 (5) (a)と(c)を予め接触させた後、(b)お
よび(d)で処理する方法 (6) 反応物(a)を調製する際(d)を共存させて
反応させ、その後(b)および(c)で処理する方法 (7) (a)と(b)を予め接触させた後に(c)で
処理し、さらにその後に(d)で処理する方法 (8) (a)を(b)、(c)および(d)で処理す
る工程で、各成分を分割して処理する方法。例えば
(a)と(b)を予め接触させた後、(b)および
(c)で処理し、次いで(d)で処理する方法 (9) (a)を(b)、(c)および(d)で処理す
る工程で(b)、(c)および/または(d)での処理
工程を少なくとも2回以上繰り返す方法等があるが、 上記方法のうち、通常は(2),(3),(7),
(8)及び(9)の方法が採用される。
処理後、不活性炭化水素溶液で洗浄し溶媒への可溶成
分を除去して、固体触媒成分(A)が得られる。
触媒製造工程で使用する(b)、(c)、(d)各成
分の1つの工程での使用量を(a)成分中のマグネシウ
ム化合物1モルに対してモル比で表わすと通常次のとお
りである。
ハロゲン含有チタン化合物(b) 0.1〜100、好ましくは1〜40 ハロゲン含有ケイ素化合物(c) 0.01〜10、好ましくは0.1〜5 電子供与性化合物(d) 0.01〜10、好ましくは0.05〜1 そして、得られる固体触媒成分(A)中のチタン含量
が0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%になるよう
に上記各成分の使用量を調節する。
接触処理温度は通常−70℃〜200℃、好ましくは−30
℃〜150℃である。具体的には、上記(3)に示した接
触処理方法を例にあげると、(a)成分と(b)成分を
−70℃〜50℃、好ましくは−30℃〜30℃で接触させ、つ
いで(c)成分および(d)成分を50℃〜200℃、好ま
しくは50℃〜150℃で接触させて処理すると良好な結果
が得られる。
接触温度を上記の如く低くすると、(a)成分と
(b)成分及び場合によって同時に(c)成分および/
または(d)成分を接触する際一度全体が均一の液状と
なりやすく、この均一液状物を加熱昇温して固体を析出
せしめる事により、粒子性状良好な固体触媒成分を得る
ことができる。
処理する際は、不活性溶媒の存在下または不存在下で
行うことが出来、処理時間は0.5〜6時間程度である。
かくして得られる固体接触成分(A)と周期律表I〜
III族の金属の有機金属化合物(B)、更に必要に応じ
て電子供与性化合物(C)を混合してなる触媒系を用い
て、オレフィンの重合または共重合を行ってポリオレフ
ィンを製造する。
この触媒系で用いられる周期律表第I〜III族の金属
の有機金属化合物(B)としては、好ましくは一般式Al
R11 mX3-mで表わされる化合物が挙げられる。上式におい
てR11は炭素数1〜20個の炭化水素基、特に脂肪族炭化
水素基であり、Xはハロゲン、mは2〜3の数を示す。
この有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリエ
チルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、ト
リオクチルアルミニウム、モノビニルジエチルアルミニ
ウム、ジエチルアルミニウムモノクロライド等が挙げら
れるが、好ましくはトリアルキルアルミニウムが用いら
れる。
電子供与性化合物(C)としては、固体触媒成分
(A)製造時に用いた(d)成分が用いられるが、好ま
しくはカルボン酸エステルであり、特に好ましくは、芳
香族カルボン酸エステルである。また、テトラエトキシ
シラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメ
トキシシランのような含ケイ素化合物や2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジンのようなピペリジン誘導体も好適に
用いられる。
触媒各成分の使用割合は、触媒成分(A)中のチタン
対(B)成分のアルミニウム化合物対(C)成分の電子
供与性化合物のモル比が 1:3〜500:0〜100 好ましくは、 1:20〜200:3〜50 になるように選ばれる。
重合または共重合に供されるオレフィンとしては、プ
ロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、4−メ
チルペンテン−1等が挙げられ、好ましくは炭素数3以
上のα−オレフィン、特にプロピレンが挙げられる。ま
た重合は単独重合のほかランダムまたはブロック共重合
にも好適に適用できる。
重合反応は不活性炭化水素、例えばヘキサン、ヘプタ
ン、トルエン、ペンタン、ブタン或いはこれらの混合
物、または重合を受けるα−オレフィンの液化物を溶媒
とするスラリー重合方式や気相中で重合を行なわせる気
相重合方式で行なうことができる。
温度は50〜100℃、好ましくは60〜90℃であり、圧力
は特に制限されないが、通常大気圧〜100気圧の範囲内
から選ばれる。
また、重合系内に分子量調節剤として水素を存在させ
ることもできる。
その他それぞれのα−オレフィンの重合、共重合に当
って通常採られる手段を本発明方法に適用することもで
きる。例えば前記触媒3成分(A)、(B)、(C)ま
たは(A)、(B)2成分を用いてα−オレフィンを前
重合させ、次いで前重合温度より高い温度でα−オレフ
ィンを本重合させる方法である。この際前重合量は、触
媒成分(A)1g当り約0.1〜100g程度から選ばれるが、
一般的には約1〜3g程度で充分である。得られた前重合
触媒成分は、ヘキサン等の不活性炭化水素で洗浄した
後、本重合に用いてもまた洗浄せずにそのまま用いても
よい。
〔実施例〕
次に実施例によって本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれら実施例に
よって何ら制約を受けるものではない。
また、第1図は本発明に含まれる技術内容の理解を助
けるためのフローチャート図であり、本発明はその要旨
を逸脱しない限り、フローチャート図によって何ら制約
を受けるものではない。
なお、実施例において、重合活性(Kとして示す)は
1時間につきα−オレフィン圧1kg/cm2当り、固体触媒
成分(A)1g当りのポリマー生成量(g)であり、触媒
効率(CEとして示す)は固体触媒成分(A)1g当りのポ
リマーの生成量(g)である。
アイソタクチックインデックス(IIとして示す)は改
良型ソックスレー抽出器で沸騰n−ヘプタンにより6時
間抽出した場合の残量(重量%)である。
嵩密度(ρBとして示す。単位はg/cc)はJIS−K−6
721に従って測定した。メルトフローインデックス(MFI
として示す)はASTM−D−1238に従って測定した。
重合体の粒度分布は、三田村理研社の標準ふるいを用
いて測定した。
実施例1 (1) 触媒成分(A)の製造 撹拌機、温度計を備えた500mlフラスコを精製N2で充
分置換した後、精製N2シール下、市販Mg(OC2H5を5
g採取し、Ti(OC4H947.4gおよびテトラフェノキシシ
ラン8.8gのトルエン溶液を添加し、撹拌下昇温して、13
0℃で2時間反応させ黄色スラリー状の反応物(a)を
得た。
反応後精製トルエン87mlを添加した後、−20℃まで冷
却し、−20℃においてTiCl424.8grを添加した。添加後
全体は均一溶液状となった。添加後徐々に昇温したとこ
ろ、昇温途中で粒子の析出が認められた。110℃に昇温
後SiCl3(C6H5)9.2grおよび安息香酸エチル1.3grを添
加し、同温度で1時間保持した。その後精製トルエンで
洗浄し、固体生成物を得た。
次いでTiCl441grおよび安息香酸エチル1.3grを添加
し、80℃において1時間固体生成物を処理した後、精製
トルエンで充分洗浄して固体触媒成分5.0grを得た。こ
のものの担持Ti量は3.0重量%であった。
(2) プロピレンの重合 精製アルゴンで充分置換した2の誘導撹拌式オート
クレーブに、アルゴンシール下、室温でトリエチルアル
ミニウム1.0ミリモル、パラメチル安息香酸メチル0.3ミ
リモルを添加し、更に室温でH2を1.0kg/cm2になるよう
に加え、液体プロピレン700gを仕込んだ。次いで、上記
固体触媒9mgrを添加した後、70℃に昇温し、1時間の重
合を行った。その後余剰のプロピレンをパージし、粉末
ポリプロピレン450grを得た。触媒効率CEは50,000g−pp
/gr−cat、重合活性Kは1670であった。ρBは0.44g/cc
であり、IIは96.5%、MFIは4.9であった。得られた重合
体の粒度分布は非常に狭く、400μm〜200μmの粒径を
もつ粉末体は全体の96%、100μm以下の微粉量は0.2%
であった。
実施例2 (1) 触媒成分(A)の製造 実施例1(1)と同様の手法で市販Mg(OC2H525gr
とテトラフェノキシシラン8.8grのトルエン溶液を混合
した後、昇温し130℃で2時間反応させた。
反応生成物は白色固体スラリー状であった。反応後精
製トルエン67mlを添加し、−20℃まで冷却した。−20℃
においてTiCl417grを添加した。添加後徐々に昇温し、8
0℃に昇温後SiCl3(C6H5)18.5grおよび安息香酸エチル
1.3grを添加した。添加後さらに110℃まで昇温し、同温
度で1時間保持した。その後精製トルエンで洗浄し固体
生成物を得た。
次いでTiCl4829r、安息香酸エチル1.3grを添加し、80
℃において1時間固体生成物を処理した後、精製トルエ
ンで洗浄し、固体触媒成分5.0grを得た。このもののTi
担持量は、2.7重量%であった。
(2) プロピレンの重合 実施例1(2)と同様にしてプロピレンの重合を行っ
たところ、触媒効率CEは34,500g−pp/g−Cat重合活性K
は1150であった。ρは0.42g/cc、IIは96.9%、MFIは
5.6であった。得られた重合体の粒度分布を測定したと
ころ400μm〜150μmの粒径をもつ粉末体は、全体の92
%、100μm以下の微分量は0.3%と、粒度分布は狭いも
のであった。
実施例3 (1) 触媒成分(A)の製造 実施例1(1)と同様の手法で市販Mg(OC2H525g
r、Ti(OC4H947.4grおよびテトラエトキシシラン4.6g
rを混合し、撹拌下昇温した。130℃に昇温後フェノール
8.2grのトルエン溶液を添加した。添加後130℃で1時間
反応させ、黄色固体スラリー状の反応生成物を得た。
反応後精製トルエン87mlを添加した後、−20℃まで冷
却し、−20℃においてTiCl424.8grを添加した。添加後
徐々に昇温し、50℃においてSiCl3(C6H5)18.5grを添
加した。その後さらに昇温し110℃において安息香酸エ
チル1.3grを添加し、同温度で1時間保持した。その後
精製トルエンで洗浄し固体生成物を得た。次いでTiCl44
1gr、安息香酸エチル1.3grを添加し、80℃において1時
間固体生成物を処理した後、精製トルエンで洗浄して、
固体触媒成分4.6grを得た。このもののTi担持量は2.9重
量%であった。
(2) プロピレンの重合 実施例1(2)と同様にしてプロピレンの重合を行っ
たところ、触媒効率CEは46,500g−pp/g−cat、重合活性
Kは1550であった。ρは0.43g/cc、IIは97.2%、MFI
は4.2であった。得られた重合体の粒度分布は、400μm
〜150μmの粒径をもつ粉末体が、全体の96%を占め、1
00μm以下の微粉量は0.2%というものであった。
実施例4 実施例3(1)においてSiCl3(C6H5)に代えてSiCl4
14.8grを用いた以外は、実施例3(1)と同様にして固
体触媒成分を得た。この固体触媒成分を用いて、実施例
1(2)と同様にしてプロピレンの重合を行ったとこ
ろ、触媒効率CEは、40,000g−pp/g−cat、重合活性Kは
1330であった。ρは0.42g/cc、IIは97.5%、MFIは3,8
であった。
実施例5 実施例3(1)においてSiCl3(C6H5)に代えてSiCl3
(CH3)13.0grを用いた以外は、実施例3(1)と同様
にして固体触媒成分を得た。このものを実施例1(2)
と同様にしてプロピレンの重合を行ったところ、触媒効
率CEは、43,500g−pp/g−catであり、重合活性Kは1450
であった。ρは0.41g/ccであり、IIは97.3%、MFIは
5.6であった。
実施例6 (1) 触媒成分(A)の製造 市販Mg(OC2H525gr、Ti(OC4H946.7gr、テトラエ
トキシシラン4.6grおよびフェノール8.2gのトルエン溶
液を用いて、実施例3(1)と同様にして反応生成物を
得た。
次いでこのものに精製トルエン87mlを添加した後、−
20℃まで冷却し、−20℃においてTiCl424.8grを添加し
た。添加後徐々に昇温し、50℃においてSiCl3(C6H5)2
7.7grおよびTiCl424.8grを添加した。その後さらに昇温
し、110℃において安息香酸エチル1.3grを添加し、同温
度で1時間保持した。その後精製トルエンで洗浄し固体
触媒成分5.5grを得た。このもののTi担持量は、3.6重量
%であった。
(2) プロピレンの重合 精製N2で置換した100mlフラスコに、固体触媒成分200
mgrおよび精製トルエン10mlを採取して、撹拌下トリエ
チルアルミニウム0.3ミリモルを添加し、室温において
1時間処理した。
精製アルゴンで充分置換した2のオートクレーブ
に、アルゴンシール下、室温でトリエチルアルミニウム
1.0ミリモル、パラメチル安息香酸メチル0.3ミリモルを
添加し、更に室温でH2を1.0kg/cm2になるように加え、
液体プロピレン700grを仕込んだ。次いで上記処理触媒
成分を固体触媒成分として9mgrを添加した後、70℃に昇
温し、1時間の重合を行った。その結果、触媒効率CEは
37,500、重合活性Kは1250であった。ρは0.47g/ccで
あり、IIは97.5%、MFIは6.3であった。
得られた重合体の粒度分布は、400μm〜150μmの粒
径をもつ粉末体が全体の98%であり、100μm以下の微
粉量は0.1%という非常に狭いものであった。
実施例7 (1) 触媒成分(A)の製造 実施例1(1)と同様にして反応物(a)を得た。
このものに精製トルエン87mlを添加した後、−20℃ま
で冷却し、−20℃においてTiCl424.8grおよびSiCl3(CH
3)6.5grを添加した。添加後徐々に昇温し、110℃に昇
温後安息香酸エチル1.3grを添加し、同温度で1時間保
持した。その後精製トルエンで洗浄し、固体生成物を得
た。
このものに次いでTiCl482grおよび安息香酸エチル1.3
grを添加し、80℃において1時間固体生成物を処理した
後、精製トルエンで充分洗浄して固体触媒成分5.0grを
得た。このものの担持Ti量は2.8重量%であった。
(2) プロピレンの重合 実施例1(2)と同様にしてプロピレンの重合を行っ
たところ、触媒効率CEは54,000g−pp/g−catであり、重
合活性Kは1800であった。ρは0.43g/ccであり、IIは
97.0%、MFIは6.2であった。
また、得られた重合体の粒度分布は非常に狭く、400
μm〜150μmの粒径をもつ粉末体は全体の98%であ
り、100μm以下の微粉量は0.1%であった。
比較例−1 実施例−1(1)においてSiCl3(C6H5)を用いなか
った以外は実施例−1(1)と同様にして固体触媒成分
を得た。このものを用いて実施例1(2)と同様にして
プロピレン重合を行ったところ、触媒効率CEは25,500g
−pp/g−cat、重合活性Kは850であった。ρは0.42g/
ccであり、IIは96.6%、MFIは3.9であった。
比較例−2 実施例−2(1)においてSiCl3(C6H5)を用いなっ
た以外は、実施例−2(1)と同様にして固体触媒成分
を得た。この固体触媒成分を用いて実施例1(2)と同
様にしてプロピレンの重合を行ったところ、触媒効率CE
は21,000g−pp/g−catであり、重合活性Kは700であっ
た。また、ρは0.41g/cc、IIは97.0%、MFIは4.5であ
った。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば、立体規則性および粒子性状に
優れたα−オレフィン重合体を極めて高い重合活性で得
ることができるため、工業的に有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一態様を示すフローチャート図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 4/64 - 4/658

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式Mg(OR4(OR52-n(式
    中R4およびR5はアルキル基、アリール基またはアラルキ
    ル基を示し、R4とR5は同一でも異なっても良い。nは2
    ≧n>0の数を示す。)で表されるマグネシウム化合物
    (a1)、一般式Si(OR6(式中、R6はアルキル基、
    アリール基またはアラルキル基を示す。)で表されケイ
    素化合物(a2)並びに必要に応じて一般式Ti(OR7
    (式中、R7はアルキル基、アリール基またはアラルキル
    基を示す。)で表されるチタン化合物(a3)および/ま
    たはR8OH(し期中、R8はアルキル基、アリール基または
    アラルキル基を示す。)を加熱反応させて得られる成分
    (a)を四ハロゲン化チタン(b)、一般式SiXnR3 4-n
    (式中、R3はアルキル基、アリール基またはアラルキル
    基を示し、Xはハロゲン原子、nは4≧n>0の数を示
    す。)で表されるハロゲン含有ケイ素化合物(c)およ
    び電子供与性化合物(d)で接触処理することによって
    得られる固体触媒成分と (B)周期律表I〜III族の金属の有機金属化合物より
    成る触媒の存在下に炭素数3以上のオレフィンを重合ま
    たは共重合させることを特徴とするオレフィン重合体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】成分(a)が少なくとも1種類のアリール
    オキシ基を含む事を特徴とする特許請求の範囲第1項に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】電子供与性化合物(C)の存在下に炭素数
    3以上のオレフィンを重合または共重合させることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項または第2項に記載の方
    法。
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