JP2777565B2 - アクリル系炭素繊維およびその製造方法 - Google Patents

アクリル系炭素繊維およびその製造方法

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JP2777565B2 JP8260444A JP26044496A JP2777565B2 JP 2777565 B2 JP2777565 B2 JP 2777565B2 JP 8260444 A JP8260444 A JP 8260444A JP 26044496 A JP26044496 A JP 26044496A JP 2777565 B2 JP2777565 B2 JP 2777565B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアクリル系炭素繊維
およびその製造方法,特に圧縮強度に優れたアクリル系
炭素繊維およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年炭素繊維の用途展開が拡大するとと
もに、炭素繊維に対する要求性能がますます高くなって
いる。従来は引張特性に対する向上要求が中心であり、
その要求に応えて炭素繊維の引張強度は近年大幅に向上
した。しかし、圧縮強度は殆ど向上していないために、
曲げ強度などの実用特性が圧縮強度のために頭打ちにな
るといった問題が顕在化してきた。さらに、焼成温度の
高い,すなわち結晶サイズLc の大きい弾性率390G
Pa以上の黒鉛化糸では単繊維圧縮強度レベルが弾性率
245GPa前後の炭化糸の約7GPaレベルに対比し
て、約3.5GPaと半分程度まで低下してしまうため
に、航空機の一次構造材など曲げ強度が要求される分野
ではより大きな問題となっている。
【0003】従来引張特性の向上技術については数多く
の提案がなされているが、圧縮強度の向上技術について
は殆ど提案されていないのが現状である。わずかに、製
糸および焼成条件を特定化することによって圧縮強度の
高い弾性率340GPa以上の黒鉛化繊維が提案されて
いる(特開昭 63-211326号公報)が、さらに圧縮強度が
高く、しかも弾性率が340GPa未満の炭素繊維にも
顕著な効果を有する技術を鋭意検討して本発明に至っ
た。
【0004】すなわち、炭素繊維強化複合材料の圧縮強
度を支配する重要な因子である炭素繊維の単繊維圧縮強
度を向上させるための技術を鋭意検討し、表層部の結晶
性を低下させる,すなわち表層部をより等方質に近い構
造にすることにより単繊維圧縮強度が大幅に向上するこ
とを見い出し、本発明に至ったのである。
【0005】なお、本発明者らは先に単繊維表層部の結
晶性を下げる技術として、硫酸,硝酸,燐酸などの加熱
濃無機酸中での化学的酸化処理する,あるいは硝酸イオ
ンを含む電解質水溶液中で電気化学的酸化処理した後、
不活性化処理をするなどの方法を提案した(特開昭 58-
214527号公報,特開昭 61-225330号公報)。しかし、こ
れらはいずれも引張強度向上には有効であっても、圧縮
強度を向上させるためには不十分であり、しかもこれら
の処理では炭素繊維の表層部に酸素含有官能基が過剰に
生成するために、該処理の後に官能基を除去するための
不活性化処理を行なう必要があり、コスト的にも不利で
あった。そこで、さらに顕著に結晶性を下げ、かつ不活
性化処理の不要な技術を鋭意検討して本発明に至ったの
である。また、材料の表面からイオン化した原子あるい
は分子を加速して注入する,いわゆるイオン注入法は半
導体用途を中心に各種材料の表層を改質する技術として
検討されている(特開昭58-87818号公報,特開昭58-878
94号公報)。本発明者らは先にそれを炭素材に適用する
ことを提案したが(特開昭 62-235280号公報)、さらに
アクリル系炭素繊維への効果的な注入法を鋭意検討して
本発明に至ったのである。
【0006】なお、炭素繊維へのイオン注入について
は、気相成長炭素繊維についての報文(炭素,1984,No.1
04,p2 )があるが、気相成長炭素繊維のような異方性の
高い炭素繊維では、たとえイオン注入を行なっても、ア
クリル系炭素繊維の場合のように圧縮特性の顕著な向上
は認められないのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は上記従
来技術では達成し得なかった圧縮強度の高い炭素繊維お
よびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、 (1)広角X線回折により求めた炭素網面の結晶サイズ
Lcが15〜20オングストロームであるアクリル系炭
素繊維において、ベリリウム、ホウ素、ケイ素、リン、
チタニウム、クロミウム、鉄、ニッケル、コバルト、
銅、亜鉛、ゲルマニウム、銀、スズ、モリブデン、テル
ル、タングステン、金、白金、水素、ネオン、アルゴ
ン、クリプトン、フッ素、塩素から選ばれた一種以上の
異種元素を原子数比で0.05%以上含有する部分を有
し、単繊維中心部には該異種元素を原子数比で0.05
%以上含有する部分がなく、単繊維表層部に異種元素の
最大濃度部を有してなり、繊維中心部に対比して結晶性
の低い領域を表層部に有し、ねじり弾性率が28.4G
Pa以上、ループ法による単繊維圧縮強度σcf(GP
a)が(I)式を満たすことを特徴とするアクリル系炭
素繊維。
【0009】 σcf≧10.78−0.1176×Lc ……(I) または、(2) ヨウ素吸着法による明度差ΔLが45以下
であるアクリル繊維を焼成して得られる、広角X線によ
り求めた炭素網面の結晶サイズLc が15オンク゛ストローム 以
上であるアクリル系炭素繊維束を、束の厚みが単繊維径
の1〜5倍の範囲となるように炭素繊維束を開繊し、常
温で固体あるいは気体である原子あるいは分子を真空下
でイオン化し、電場によって加速して炭素繊維表面に少
なくとも2回、異なった方向からイオンをそれぞれ10
15(ions)/cm2 以上注入することにより、上記(1) 項記
載のアクリル系炭素繊維を製造することを特徴とするア
クリル系炭素繊維の製造方法。
【0010】によって解決することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】まず本発明のアクリル系炭素繊維
について説明する。
【0012】本発明の炭素繊維は、アクリル系の炭素繊
維であり、かつ、広角X線回折により求めた炭素網面の
結晶サイズLc が15〜20オンク゛ストローム のものである。
そして、本発明のアクリル系炭素繊維において、繊維中
心部に対比して結晶性の低い領域を表層部に有し、ねじ
り弾性率が28.4GPa以上、ループ法による単繊維
圧縮強度σcf(GPa )が(I)式を満たすものである。
【0013】 σcf≧10.78−0.1176×Lc ……(I) ここで、繊維中心部とは繊維中心より0.3μm以内の
領域であり、表層部とは表面から繊維半径の1/2以
下,かつ2.0μm以下の領域である。また表層部の結
晶性が繊維中心部に対比して低いとは、後述する単繊維
断面のレーザーラマン分光法により単繊維表層部の少な
くとも一部の領域の1320〜1380cm-1(以下、単
に1350cm-1近傍という)における散乱ピークの半価巾ν
aと単繊維中心部の1350cm-1近傍ピークの半価巾ν
bとの比νa/νbが1.0を越えることを意味する。
【0014】また、ここで結晶性とは、炭素繊維を構成
する結晶の寸法および炭素網面配列の秩序性によって定
まる特性であり、結晶の寸法がより大きくかつ炭素網面
配列の秩序性がより大きい場合に、結晶性がより高いと
言われるものである。
【0015】本発明の炭素繊維は、上記構造および特性
を有するため、従来の炭素繊維では達成できなかった高
い圧縮強度を発現でき、それにより、航空機の一次構造
材料などの曲げ強度が要求される用途への展開を拡大す
ることができる。
【0016】次に、上記本発明のアクリル系炭素繊維の
製法例を説明する。
【0017】すなわち、アクリル系炭素繊維の原料繊維
であるアクリル繊維(プリカ−サ−)を構成するアクリ
ル系重合体としては、少なくとも90モル%以上のアク
リロニトリルと10モル%以下の共重合可能なビニル系
モノマ,たとえばアクリル酸,メタクリル酸,イタコン
酸およびそれらのアルカリ金属塩,アンモニウム塩およ
び低級アルキルエステル類,アクリルアミドおよびその
誘導体,アリルスルホン酸,メタリルスルホン酸および
それらの塩類またはアルキルエステル類などとの共重合
体を挙げることができる。
【0018】重合法については、従来公知の溶液重合,
懸濁重合,乳化重合などを適用することができるが、重
合度としては極限粘度([η])で好ましくは1.2以
上,より好ましくは1.7以上である。なお、この
[η]は5.0以下に止めるのが紡糸安定性の見地から
一般的である。
【0019】紡糸方法には、湿式紡糸法,乾湿式紡糸法
あるいは乾式紡糸法などを採用できるが、就中緻密なプ
リカーサーが得られる乾湿式紡糸法が好ましい。圧縮特
性の高い炭素繊維を得るためには、緻密性の高いプリカ
−サ−が有効である。緻密性としては、ヨウ素吸着法に
よる明度差ΔLの値が好ましくは45以下,より好まし
くは30以下,さらに好ましくは5〜10の緻密なプリ
カ−サ−がよい。ΔLの値が45以下の緻密なプリカ−
サ−を得るための手段としては、紡糸原液ポリマ−の高
濃度化,紡糸原液および凝固浴液の低温化および凝固時
の低張力化により凝固糸の膨潤度を低く抑え、かつ浴延
伸時の延伸段数,延伸倍率および延伸温度の最適化によ
り浴延伸糸の膨潤度を低く抑えることが有効である。
【0020】プリカ−サ−の単繊維デニ−ルとしては好
ましくは2.0d以下,より好ましくは1.5d以下,
さらに好ましくは0.1〜1.0dの細デニ−ルであ
る。
【0021】かかるプリカ−サ−を焼成する際の耐炎化
条件としては、240〜300℃の酸化性雰囲気中で緊
張下あるいは延伸条件下で密度が好ましくは1.25g
/cm3 以上,より好ましくは1.30g/cm3 以上に達
するまで加熱するのがよい。なお、この密度は1.60
g/cm3 以下に止めるのが一般的であり、これ以上にす
ると物性が低下することがあり好ましくない。一般に雰
囲気については、公知の空気,酸素,二酸化窒素,塩化
水素など酸化性雰囲気を採用できるが、経済性の面から
空気が好ましい。
【0022】得られた耐炎化繊維を不活性雰囲気中、1
000℃以上2000℃未満の温度で炭化し、さらに必
要に応じて2000℃以上の温度で黒鉛化することがで
きる。この際、350〜500℃および1000〜12
00℃の領域の昇温速度を好ましくは500℃/分以
下,より好ましくは300℃/分以下,さらに好ましく
は150℃/分以下にすることが、ボイドなど内部欠陥
の少ない緻密な炭素繊維を得るために有効である。な
お、この昇温速度が10℃/分以下では生産性が低くな
りすぎる。また、350〜500℃あるいは2300℃
以上の領域で好ましくは1%以上,より好ましくは5%
以上,さらに好ましくは10%〜40%の範囲で延伸を
行なうことも、緻密性を向上させる上で有効である。な
お、40%を超える延伸は毛羽が発生しやすくなり好ま
しくない。
【0023】焼成雰囲気については300〜1500℃
の領域において、塩化水素などの活性雰囲気との混合雰
囲気中で焼成することも可能である。
【0024】本発明のアクリル系炭素繊維は、上記のよ
うにして得られた炭素繊維の表面に、さらに高速の原子
あるいは分子を照射して注入することによって得ること
ができる。
【0025】高速の原子あるいは分子をつくり、炭素繊
維の表面から注入する最も好ましい方法は、真空下で原
子,分子をイオン化し、これを電場によって加速する,
いわゆるイオン注入法と呼ばれているものである。すな
わち、この方法では電場を大きくすることにより電場に
比例したエネルギーをもつ原子,分子を得ることができ
るため、目的とする深さまで原子,分子を注入すること
ができる。高速の原子あるいは分子は、炭素繊維を形成
する炭素原子と衝突し、その運動エネルギーを炭素原子
に与えることによって炭素繊維中に照射損傷をつくる。
このような照射損傷が蓄積する結果、炭素繊維表層部に
結晶性の低い層,すなわちより等方質に近い層が形成さ
れる。
【0026】すなわち、本発明のアクリル系炭素繊維
は、表層部が等方質に近いことを特徴とするものであ
り、その手段としては、結晶性の高い表層部に損傷を与
えて等方質にする方法および/または表層部をダイヤモ
ンドに近い結晶構造に変性して等方質にする等の方法が
ある。
【0027】レーザーラマン分光法により従来の炭素繊
維を観測すると、1550〜1610cm-1(以下、単に
1580cm-1近傍という)と、前述した1350cm-1近傍と
に2つのピークが認められる。
【0028】1580cm-1近傍のピークは完全な黒鉛結
晶に対応し、構造が乱れた黒鉛の割合が多くなるにつ
れ、1350cm-1近傍のピークの相対強度および半価巾
が大きくなる傾向がある。したがって、単繊維表層部の
少なくとも一部の領域の1350cm-1近傍ピークの半価
巾νaと単繊維中心部の1350cm-1近傍ピークの半価
巾νbとの比νa/νbが大きいほど表層部がより等方
質に近いことを示している。
【0029】本発明者らは、ラマンスペクトルの変化と
単繊維圧縮強度および単繊維引張強度の向上巾の関係に
つき詳細検討した結果、本発明に到達したのである。
【0030】イオン注入法による場合において、注入す
るイオン種としては、たとえばベリリウム、ホウ素、ケ
イ素、リン、チタニウム、クロミウム、鉄、ニッケル、
コバルト、銅、亜鉛、ゲルマニウム、銀、スズ、モリブ
デン、テルル、タングステン、金、白金などの常温で固
体状の元素および水素、ネオン、アルゴン、クリプト
ン、フッ素、塩素、などの常温で気体状の元素あるいは
それらが複合したフッ化ボロンなどの分子イオンを適用
できるが、経済性および注入による圧縮特性向上効果か
ら窒素、ホウ素、アルゴン、ケイ素、チタニウム、クロ
ミウム、ニッケル、銅が好ましく、さらに好ましくはホ
ウ素、チタニウム、クロミウムがよい。また、二種類以
上のイオン種を同時に、あるいは連続的に注入すること
も処理効果向上のために有効である。
【0031】注入条件は所望の構造を得るのに最も適し
たイオン種,加速電圧,注入量という観点から、注入さ
れるターゲットとしての炭素繊維との関係によって選ば
れるべきである。
【0032】注入時の真空度は、10-3Torr以下とする
ものであり、好ましくは10-4Torr以下,さらに好まし
くは10-5Torr以下であることがイオン注入を効果的に
行なうために有効である。
【0033】イオンの加速電圧は好ましくは50kV以
上,より好ましくは100kV以上,さらに好ましくは1
50kV以上がよい。イオン種および加速電圧の組み合わ
せにより注入深さが決まるので、所望の注入深さを得る
ために、その組み合わせを最適化することが好ましい。
【0034】注入量としては好ましくは1015(ions)
/cm2 以上、より好ましくは1016/cm2 以上,さらに
好ましくは1017/cm2 以上であり、イオン種および加
速電圧との組み合わせにより注入量を最適化するのがよ
い。
【0035】注入時間は注入量と注入装置のビーム強度
によって決まるが、1015/cm2 以上の注入量を生産性
よく注入するためには0.1μA/cm2 以上,好ましく
は1μA/cm2 以上,さらに好ましくは5μA/cm2
上のビーム強度がよい。1μA/cm2 以上のビーム強度
により10分以下,好ましくは1分以下の処理時間で注
入することが可能である。
【0036】注入する際の炭素繊維束の供給方法として
は、炭素繊維束をイオン注入方向に対する厚みが好まし
くは単繊維径の1〜5倍、より好ましくは1〜3倍,さ
ら好ましくは1〜2倍となるように単繊維が分散した状
態に開繊する。
【0037】開繊方法としては、単繊維を切り取り、金
属枠などに固定してもよいが、好ましくは炭素繊維束を
低周波あるいは超音波振動などの機械的振動を加えた拡
幅ガイドにより開繊するのがよい。この際、平型および
凸型ガイドを組み合わせて用いることが好ましい。この
方法により、連続的に炭素繊維を供給することも可能と
なり、生産性からも好ましい。
【0038】さらに単繊維に分散した状態でも裏側への
注入は難しいため、表と裏といった少なくとも2回、異
なった方向から注入するのが好ましい。少なくとも2
回、異なった方向から注入する方法としては、同時に2
方向から注入してもよいし、1方向から注入した後、他
の方向から再度注入してもよい。また、その際にイオン
種を変えることも可能である。
【0039】イオン注入により得られた炭素繊維の結晶
構造は、イオンが注入された表層部の結晶性が繊維中心
部に対比して低くなるが、注入されていない中心部はイ
オン注入前と変わらないために、明瞭な階段状の構造に
なる点に特徴がある。
【0040】常温で固体の原子あるいは分子を注入した
場合には、炭素繊維の表層部には注入された元素が原子
あるいは分子状に分布した構造を呈し、その分布状態は
二次イオン質量分析法(SIMS)により測定することがで
きる。その分布状態は、単繊維中心部には実質的に存在
せず、表層部に最大濃度部を有する。その分布は正規分
布に近い分布を示し、炭素繊維表面の元素濃度は表層部
の最大濃度に対して1/2以下,好ましくは1/5以下
となるのが一般的である。このように表面の異種元素濃
度が低いことにより樹脂との接着を阻害することなく、
表層部の構造を改質できるというすぐれた特徴がある。
なお、注入された元素が単繊維中心部に実質的に存在し
ないとは、元素濃度が原子数比で0.05%未満である
ことをいう。ただし窒素などの炭素繊維の基質自体に含
まれている元素については焼成温度によって決まる含有
量が存在することになり、イオン注入処理前後で元素濃
度が変化しないことをいう。
【0041】なお、本発明におけるレーザーラマン分光
法による結晶性,単繊維引張強度,弾性率,単繊維圧縮
強度,結晶サイズ,配向度,ねじり弾性率,ΔL,SI
MSによる元素分布およびコンポジット0゜圧縮強度
は、それぞれ以下に記述する解析方法により求めた値で
ある。
【0042】レーザーラマン分光法による炭素繊維断面
深さ方向の結晶性分布 単繊維を無電解で銅メッキした後エポキシ樹脂に包埋
し、繊維軸に対して傾斜角が5゜前後になるように単繊
維の断面を研磨し、解析に供した。傾斜角が10゜以上
となると単繊維断面の研磨面が小さくなり、1μmのビ
ーム径での解析では半径方向の測定ポイント数が減少
し、精度が低下するので好ましくない。
【0043】評価機器として、仏Jobin-Yvon社製Ramano
r U−1000顕微ラマンシステムを用いた。励起波長51
45オンク゛ストローム のアルゴンイオンレーザー(ビーム径:
1μm)を用い、炭素繊維表面から中心部へと約1μm
おきにラマンスペクトルを測定した。各ラマンスペクト
ルについて、ガウス関数形を用いたカーブフィッテイン
グによりピーク分割を行ない、1350cm-1近傍のピー
クの半価巾の変化を深さ方向に求めた。なお、ガウス関
数でピーク分割できないスペクトルに対してはローレン
ツ関数形を用いてピーク分割した。
【0044】レーザーラマン分光法による炭素繊維表面
の結晶性 試料繊維束から、単繊維1本を採取して解析に供した。
評価機器として、仏Jobin-Yvon社製Ramanor U−1000顕
微ラマンシステムを用いた。励起波長5145オンク゛ストローム の
アルゴンイオンレーザー(ビーム径:1μm)を用い、
炭素繊維表面のラマンスペクトルを測定した。各ラマン
スペクトルについて、ガウス関数形を用いたカーブフィ
ッテイングにより、ピーク分割を行ない、1400〜1
500cm-1の範囲内に認められるピークの強度(ピーク
高さ)と1580cm-1近傍に認められるピークの強度
(ピーク高さ)の比を求めた。
【0045】単繊維引張強度,弾性率 JIS−R7601における単繊維試験方法に準じて行
なった。なお、単繊維の試長は25mmとし、1水準の試
料につき各50本の測定を行なって、その平均値を求め
た。単繊維の断面積としては試料繊維束の繊度と密度と
構成単繊維本数から求めた平均単繊維断面積を用いた。
【0046】単繊維圧縮強度σcf 約10cmの単繊維をスライドグラス上に置き、中央部に
グリセリンを1〜2滴たらして単繊維をひねりながらル
ープを作り、その上にプレパラートを置く。これを顕微
鏡下に置いて顕微鏡に接続したビデオカメラでモニタ
(CRT)上に映し、これを観察しながら常にループを
視野に捉えるようにしながらループの両端を指で押さえ
ながら、一定速度で引張り、歪をかける。そして破断す
るまでの挙動をビデオに録画し、再生画面を停止させな
がら図7に示すループの短径(D)と長径(φ)をCR
T上で測定する。単繊維径(d)とDから次式により図
4のA点における歪(ε)を計算し、εを横軸,長径と
短径との比(φ/D)を縦軸にしてグラフにプロットす
る(図8)。
【0047】ε=1.07×d/D φ/Dは、圧縮座屈しない領域では一定値(約1.3
4)を示すが、圧縮座屈すると急に大きくなる。したが
って、φ/Dが急に増大し始める歪を圧縮降伏歪(εc
f)として求める。これを約10本の単繊維につき測定
し、その平均値を求めた。得られた平均値に引張弾性率
を掛けた値を単繊維圧縮強度とした。
【0048】なお引張弾性率は、炭素繊維束を”ベ−ク
ライト”ERL−4221/三フッ化ホウ素モノエチル
アミン(BF3 ・MEA)/アセトン=100/3/4
部に含浸し、得られた樹脂含浸ストランドを130℃で
30分間加熱して硬化させ、JIS−R−7601に規
定する樹脂含浸ストランド試験法に従って測定した。元素分析 柳本製作所CHN Corder Model MT−3を用いて炭素
含有量を求め、試料重量に対する炭素含有率を算出し
た。なお、試料中の水分率の測定を行ない、試料重量の
補正を行なった。
【0049】結晶サイズLc 繊維束を40mm長に切断して、20mgを精秤採取し、試
料繊維軸が正確に並行になるようにそろえた後、試料調
整用治具を用いて巾1mmの厚さが均一な試料繊維束に整
えた。薄いコロジオン液を含浸させて形態がくずれない
ように固定した後、広角X線回折測定試料台に固定し
た。X線源としては、理学電機社製のX線発生装置を用
いて、35kV−15mAの出力のCuKα線(Niフ
ィルター使用)を用いた。理学電機社製のゴニオメータ
ーを用い、透過法によりグラファイトの面指数(00
2)に相当する2θ=26゜近傍の回折ピークをシンチ
レーションカウンターにより検出した。
【0050】上記、回折ピークにおける半価巾から下式
を用いて、結晶サイズLc を求めた。 Lc =λ/(β
0 cos θ) ただし、λは用いたX線の波長(ここではCuKα線を
用いており、1.5418オンク゛ストローム )であり、θはBragg の
回折角である。また、β0 は真の半価巾であり、次式に
より求めた。
【0051】β02 =βE2 −β12 (βE は見掛けの半価巾,β1 は装置定数であり、ここ
では1.05×10-2rad )繊維軸方向の配向度π002 結晶サイズLc の場合と同様に試料を調整し、同様の解
析方法により得られた(002)回折の最高強度を含む
子午線方向のプロフィルの拡がりの半価巾(H°)から
次式を用いて結晶配向度π002 (%)を求めた。
【0052】 π002 =[(180−H)/180]×100ねじり弾性率Gf 長さ約10cmの単繊維の一端を約0.5gのガラス製重
りの中央に設けた細孔内に挿入して瞬間接着剤で接着
し、他端はクッション紙に瞬間接着剤で接着し、クリッ
プで固定して吊り下げる(図9)。おもりを約+10回
転回して繊維にねじりを与え、開放してから反対回転に
約−10回転回って停止し、また回転してねじりがもと
の+10回転に戻って停止するまでの時間を1周期T
(sec )として連続5周期求めてその平均を求める。こ
れを約5本の単繊維について測定しその平均を求め、次
式によりねじり弾性率Gf (GPa)を求めた。
【0053】 Gf =125πlI/(d4 2 )×10-5 I=MD2 /(8g) (l:繊維の長さ(mm),d:単糸径(mm),M:重り
の重量(g),D:おもりの直径(mm),g:重力加速
度(m/sec2 ),I:ねじりモーメント)ヨウ素吸着法によるΔL 繊維長5〜7cmの乾燥試料を約0.5g精秤し、200
ミリリットルの共栓付き三角フラスコに採り、これにヨウ素溶
液(I2 :51g,2,4-ジクロロフェノ−ル10g,酢
酸90gおよびヨウ化カリウム100gを秤量し、1リッ
トルのメスフラスコに移して水で溶かして定容とする)1
00ミリリットルを加えて、60℃で50分間振盪しながら吸
着処理を行なう。ヨウ素を吸着した試料を流水中で30
分間水洗した後、遠心脱水(2000rpm ×1分)して
すばやく風乾する。この試料を開繊した後、ハンタ−型
色差計[カラ−マシン(株)製,CM-25 型]で明度(L
値)を測定する(L1 )。
【0054】一方、ヨウ素の吸着処理を行なわない対応
の試料を開繊し、同様に前記ハンタ−型色差計で明度
(L0 )を測定し、L0 −L1 により明度差ΔLを求め
た。
【0055】SIMSによる元素分布 評価機器として、***ATOMIKA 社製A-DIDA 3000 を用い
た。10-9Torrの高真空下、酸素イオン(O2+)を加速
電圧12kV,イオン電流70μAで炭素繊維表面に当
て、スパッタリングによって発生する2次イオンを質量
分析した。試料は炭素繊維束を引き揃えて並べ、120
μm×120μmの分析領域で測定した。なお、深さに
ついては、1500℃焼成グラッシーカーボンを用い
て、予めスパッタリング時間と深さの関係を表面粗さ計
により測定し、それによって求めたスパッタレートとス
パッタリング時間から求めた。
【0056】コンポジット0゜圧縮強度 炭素繊維を一方向に引き揃え、東レ(株)製#3620
樹脂で含浸したプリプレグを積層し、ASTM−D69
5に規定する試験片および試験方法に従って測定した。
【0057】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。
【0058】実施例1,比較例1 アクリロニトリル(AN)99.4モル%とメタクリル酸
0.6モル%からなる共重合体を用いて、濃度が20重
量%のジメチルスルホキシド(DMSO)溶液を作製し
た。この溶液を温度35℃に調整し、孔径0.12mm,
ホ−ル数3000の紡糸口金を通して一旦空気中に吐出
して約4mmの空間を走らせた後、温度5℃,濃度30%
のDMSO水溶液中で凝固させた。凝固糸条を水洗後、
3段の延伸浴で3.5倍に延伸しシリコ−ン系油剤を付
与した後、130〜160℃に加熱されたロ−ラ−表面
に接触させて乾燥緻密化し、さらに3.7kg/cm2 の加
圧スチ−ム中で3倍に延伸して単繊維繊度0.8d,ト
−タルデニ−ル2400Dの繊維束を得た。該繊維束の
ΔLは28であった。 得られた繊維束を240〜28
0℃の空気中で、延伸比1.05で加熱し、密度1.3
8g/cm3 の耐炎化繊維に転換した。ついで窒素雰囲気
中350〜500℃の温度領域での昇温速度を200℃
/分とし、8%の延伸を行なった後、さらに1400℃
まで焼成した。得られた炭素繊維の結晶サイズLc は1
8オンク゛ストローム であった。
【0059】得られた炭素繊維から単繊維約100本を
分別して、10cm四方のアルミ枠に単繊維が並行に並ぶ
ように引き揃えて固定し、真空度3×10-6・Torr ,加
速電圧150kVでホウ素イオンを1×1016/cm2 注入
した。この処理を表と裏の両面から行なった。ビーム強
度は0.2μA/cm2 であり、処理時間は片面につき約
20分であった。 また、イオン注入後の結晶サイズL
cを測定したところ、17オンク゛ストローム であった。
【0060】さらにイオン注入前後の炭素繊維につき、
レーザーラマン分光法による結晶性,単繊維圧縮強度,
ねじり弾性率および単繊維引張特性を解析した結果を表
1に示す。イオン注入によりνa/νbが大きくなり、
表層部の結晶性が低下していることがわかる。機械的特
性への効果として、単繊維圧縮強度σcfが7.55GP
aから10.0GPaへと大幅に向上し、ねじり弾性率
も20.6GPaから31.4GPaへと約1.5倍に
向上した。さらに引張強度も5.39GPaから6.3
7GPaへと大幅に向上するなど炭素繊維特性にとって
顕著な効果が認められた。結果を表1にまとめた。
【0061】
【表1】 実施例2〜4 実施例1で用いたイオン注入前の炭素繊維を実施例1と
同様の方法でアルミ枠に固定してイオン注入するに際し
て、イオン種および注入量を表2のように変える以外は
実施例1と同様に処理して炭素繊維を得た。得られた炭
素繊維の特性を表2に示す。なお、イオン注入後の炭素
繊維はいずれも繊維中心部に対比して結晶性の低い表層
部を有していた。
【0062】
【表2】 実施例5 実施例1で用いたイオン注入前の炭素繊維束を、超音波
振動による凸型および平型加振ガイドを用いて、厚みが
単繊維径の3倍以下になるように開繊し、アルミホイル
をリードペーパーとしてリードペーパーとともにボビン
に巻き取った。得られた巻き取りボビンを真空系内にセ
ットし、リードペーパーとともに炭素繊維束を引き出
し、速度1cm/分で別のボビンに巻き取った。この走行
炭素繊維束に走行方向に対して直角方向から窒素イオン
を連続的に注入した。
【0063】真空度は1×10-6Torr,加速電圧は15
0kV,注入量は片面につき1×1016/cm2 であった。
一度巻き取った炭素繊維を反対方向から解舒してもう一
度処理することにより、裏と表の両面から注入した。
【0064】得られた炭素繊維は、単繊維圧縮強度が
9.61GPaと、バッチ処理(実施例1)とほぼ同等
の高性能炭素繊維であった。また、結晶サイズLc も実
施例1と同等の17オンク゛ストローム であった。なお、イオン
注入後の炭素繊維は繊維中心部に対比して結晶性の低い
表層部を有していた。
【0065】実施例6 実施例1と同一の耐炎化繊維を用いて、窒素雰囲気中3
50〜500℃の温度領域での昇温速度を200℃/分
とし8%の延伸を行なった後、さらに最高温度を160
0℃に変更して焼成し、炭素繊維を作製した。上記繊維
に実施例1と同一の条件でイオン注入を行なった。得ら
れた炭素繊維の繊維特性を表3に示す。
【表3】 比較例2 実施例1で用いたイオン注入前の炭素繊維束を、パイレ
ックスガラスフレームに巻き、濃度60%,温度120
℃の熱濃硝酸中で45分間熱処理した後、約60分間水
洗し、120℃のオーブン中で乾燥した後、さらに70
0℃の窒素雰囲気中で約1分間熱処理した。得られた炭
素繊維の特性を表4に示す。なお、得られた炭素繊維の
結晶サイズLc は未処理糸と同じ18オンク゛ストローム であっ
た。
【0066】該処理によって得られた炭素繊維は、引張
強度は未処理糸(比較例1)に比べて向上するものの、
該処理によって得られた炭素繊維は、νa/νbが1.
0と未処理糸並みであり、前述したレーザーラマン分光
法による結晶性解析では未処理糸との差を見い出せず、
単繊維圧縮強度およびねじり弾性率も処理前後で殆ど変
化しなかった。
【0067】比較例3 実施例1で用いたイオン注入前の炭素繊維束を、濃度3
0%,温度50℃の硝酸を満たした槽中にセラミックス
製ガイドを介して導入し、糸速0.4m/分で連続的に
走行させ、槽の直前に設置した金属製ローラーによって
該炭素繊維に電流を流し、炭素繊維1g当たり200ク
ーロンの電気量を流した。得られた炭素繊維を水洗,乾
燥した後、さらに700℃の窒素雰囲気中で約1分間熱
処理した。得られた炭素繊維の特性を表8に示す。な
お、得られた炭素繊維の結晶サイズLc は未処理糸と同
じ18オンク゛ストローム であった。
【0068】該処理によって得られた炭素繊維は、上記
比較例と同様に単繊維圧縮強度およびねじり弾性率は処
理前後で殆ど変化しなかった。
【0069】
【表4】
【0070】
【発明の効果】本発明のアクリル系炭素繊維は、従来技
術では得られなかった圧縮強度の高いアクリル系炭素繊
維である。ねじり弾性率および引張強度にも優れている
ので、航空機の一次構造材などの高圧縮および高引張強
度が要求される分野への展開を拡大することが可能とな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイオン注入黒鉛化繊維断面の表層部の
ラマンスペクトルについて3つのガウス関数形により分
割したものである。
【図2】本発明で用いるループ法による単繊維圧縮強度
の測定法の概略図であり、ループの短径(D)と長径
(φ)の測定法を示したものである。
【図3】本発明で用いるループ法による単繊維圧縮強度
の測定法において、歪εを横軸とし、長径と短径との比
(φ/D)を縦軸としてプロットしたものである。
【図4】本発明で用いるねじり弾性率の測定方法の概略
図である。
フロントページの続き (72)発明者 吉田 和夫 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 株式 会社東レリサーチセンター滋賀研究所内 審査官 松縄 正登 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06M 10/04 D01F 9/22 D01F 11/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】広角X線回折により求めた炭素網面の結晶
    サイズLcが15〜20オングストロームであるアクリ
    ル系炭素繊維において、ベリリウム、ホウ素、ケイ素、
    リン、チタニウム、クロミウム、鉄、ニッケル、コバル
    ト、銅、亜鉛、ゲルマニウム、銀、スズ、モリブデン、
    テルル、タングステン、金、白金、水素、ネオン、アル
    ゴン、クリプトン、フッ素、塩素から選ばれた一種以上
    異種元素を原子数比で0.05%以上含有する部分を
    有し、単繊維中心部には該異種元素を原子数比で0.0
    5%以上含有する部分がなく、単繊維表層部に異種元素
    の最大濃度部を有してなり、繊維中心部に対比して結晶
    性の低い領域を表層部に有し、ねじり弾性率が28.4
    GPa以上、ループ法による単繊維圧縮強度σcf(G
    Pa)が(I)式を満たすことを特徴とするアクリル系
    炭素繊維。 σcf≧10.78−0.1176×Lc ……(I)
  2. 【請求項2】単繊維引張強度が6GPa以上,単繊維圧
    縮強度が9GPa以上であることを特徴とする請求項1
    記載のアクリル系炭素繊維。
  3. 【請求項3】ヨウ素吸着法による明度差ΔLが45以下
    であるアクリル繊維を焼成して得られる、広角X線によ
    り求めた炭素網面の結晶サイズLc が15オンク゛ストローム 以
    上であるアクリル系炭素繊維束を、束の厚みが単繊維径
    の1〜5倍の範囲となるように炭素繊維束を開繊し、常
    温で固体あるいは気体である原子あるいは分子を真空下
    でイオン化し、電場によって加速して炭素繊維表面に少
    なくとも2回、異なった方向からイオンをそれぞれ10
    15(ions)/cm2 以上注入することにより、請求項1また
    は2記載のアクリル系炭素繊維を得ることを特徴とする
    アクリル系炭素繊維の製造方法。
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