JP2773154B2 - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

鋼の連続鋳造方法

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JP2773154B2 JP63246477A JP24647788A JP2773154B2 JP 2773154 B2 JP2773154 B2 JP 2773154B2 JP 63246477 A JP63246477 A JP 63246477A JP 24647788 A JP24647788 A JP 24647788A JP 2773154 B2 JP2773154 B2 JP 2773154B2
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融 北川
忍 宮原
章生 長棟
義行 金尾
裕則 山本
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日本鋼管株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は鋳型内浸漬ノズルからの吐出流の流速を減
衰すると同時に、片流れを抑制して、鋳型内湯面波動高
さを制御すると共に良好な表面性状を有する製品を製造
する鋼の連続鋳造方法に関する。
[従来の技術] 第7図はスラブの連続鋳造における鋳型内の溶鋼の状
態を示す図である。この図を参照して従来の技術を説明
する。鋳型1内の溶鋼8の表面には、溶鋼8の酸化防止
と保温、凝固シェル9と鋳型1との間の潤滑、非金属介
在物の吸着等の役目を持つモールドパウダー5がある。
このモールドパウダー5の湯面側は溶鋼8の熱で溶融し
て溶融パウダー6になっており、大気側は粉状パウダー
7となって溶鋼8の表面を覆っている。溶融パウダー6
は凝固シェル9と鋳型1との間に流入して潤滑剤の役目
を果たす。従って溶融パウダー6は消耗するので一定厚
のモールドパウダー5を維持するため、前記溶融パウダ
ー6の消耗量に見合うだけ補給される。第7図に示すよ
うに鋳型1中央に鉛直に設けられた浸漬ノズル2の先端
に設けられた吐出孔3は、鋳型1短辺に対向して開口し
ている。溶鋼はこの吐出孔3から鋳型内に吐出される。
溶鋼の吐出流4は鋳型内で鋳型短辺面に向かって斜め下
方に注入される。この溶融の吐出流4が、鋳型短辺に衝
突して上下の2つの流れ、反転流11と侵入流12に分か
れ、鋳型短辺面の凝固シェル9に沿って上昇する反転流
11は鋳型1の上部短辺面付近の湯面波動の原因となる。
第8図は湯面波動の概略図である。ここで湯面波動と
は、第8図に示すように浸漬ノズル2の吐出孔3からの
吐出流は反転流11と侵入流12に分れるが、反転流11が溶
湯表面に到達した際に発生する鋳型内溶湯表面の波立ち
である。この湯面波動を渦流距離計15により測定し、そ
の電圧値をフィルターを通して高周波数成分(ここでは
10Hz以上の周波数成分)を除去後、ミリボルト計で測定
する。この渦流距離計15の設置位置は第8図に示すよう
に、鋳型短辺面から50mm、湯面から50mmである。第9図
は従来技術における約1分間の湯面レベルの経時変化を
示す図である。1分間の最大波動レベルを測定し、その
最大値を最大湯面波動高さhとしてデータ処理を行った
ものである。上矢印は上昇方向を意味し、下矢印は下降
方向を示す。特に溶鋼の吐出量が3ton/min以上の高速鋳
造においては、浸漬ノズル2の吐出孔3の吐出流速が大
きいため、凝固シェル9に衝突後の反転流11も大きく、
大きな湯面波動が発生する。第10図は従来技術における
最大湯面波動高さと熱延板表面欠陥指数の関係を示すグ
ラフ図である。この図から明らかなように、最大湯面波
動高さが4mm〜8mmの範囲で熱延板の表面欠陥の発生率が
少なく、最大湯面波動高さには最適範囲がある。この湯
面波動が大きい場合溶融パウダー6が、湯面波動により
溶鋼側に巻き込まれ懸濁する。溶鋼中に巻き込まれた溶
融パウダー6は、溶鋼と溶融パウダー6の比重差により
浮上してしまうが、その一部は凝固シェル9に捕捉され
る。一方湯面波動が小さい場合には、溶鋼表面への新し
い溶鋼の供給が少ないので、モールドパウダー5の溶融
性も悪い。従って溶融パウダー6への溶鋼中の介在物の
溶解吸着性が悪くなり、介在物は凝固シェル9に捕捉さ
れ鋳片の内質欠陥となると考えられる。ここで示した最
大湯面波動高さの適正範囲4mm〜8mmという値は連続鋳造
操業の経験によって得られた値であり、この範囲に入る
ように浸漬ノズル2の形状、浸漬ノズル2の吐出角度、
浸漬ノズル2の吐出孔3の面積、鋳型1の幅等を規制し
ていた。
しかしながら、最近の連続通常の生産性向上のため、 (1)一つのタンディッシュ及び浸漬ノズルで数チャー
ジ連続して連続通常を行う多連続鋳造技術、 (2)鋳造中の鋳型幅の変更、 (3)鋳造速度が低速から高速に変わる 等が実施されるようになり、操業条件が変わってきた。
この結果、最初の操業条件に適した浸漬ノズルの吐出孔
の形状や吐出角度では満足できない操業条件が発生する
ようになり、湯面波動高さを最適範囲に制御できなくな
った。湯面波動高さをコントロールする技術として、 (1)直流磁場により吐出流にブレーキを掛ける方法
(*1:以下従来方法1という) 鋳型長辺面の冷却箱内に2対の直流磁石を設置し、浸
漬ノズルからの吐出流に対して直流磁場を作用させ、流
動する溶鋼内に発生する誘導電流と直流磁場とにより、
溶鋼の流動とは逆方向に発生する電磁力により溶鋼の流
動を制御するものである。
(2)湯面位置に直流磁場を印加する方法(*2:以下従
来方法2という) 湯面位置に直流磁石を配置し、湯面に水平に直流磁場
を印加することにより、鋳型内の湯面波動高さを制御す
るものである。
例 (*1)永井ら:68,鉄と鋼(1982),S270 鈴木ら:68,鉄と鋼(1982),S92 (*2)小塚ら:72,鉄と鋼(1986),S718 [発明が解決しようとする課題] 鋳型内の湯面波動の発生は、浸漬ノズルから吐出され
た吐出流が凝固シェルに衝突し、上向きの反転流と下向
きの侵入流に分かれる。このうち、上向きの反転流の持
つ運動エネルギーが湯面を振動させるため湯面波動が発
生する。
しかしながら従来方法1では、浸漬ノズルと鋳型短辺
面との途中の吐出流に直角に直流磁場を印加して流体に
ブレーキを掛ける方法であるが、浸漬ノズルから吐出さ
れた後の吐出流は拡散して行くため、広い範囲に直流磁
場を印加する必要がある。このため設備が大型になりコ
ストが高くなる。又この方法では、吐出流と印加した直
流磁場との相互作用によって発生する渦電流の回路が溶
鋼内にできるため、電流密度を大きくできない。従って
大きなブレーキ力を発生させるためには磁束密度を大き
くする必要があり、このことによって設備コストが高く
なるという問題がある。
従来方法2では、湯面波動に直接直流磁場を印加する
ため、波動の制御は最もやりやすいが、湯面波動の最も
激しい位置は鋳型短辺面から100mmの範囲である。従っ
て、この位置に直流磁場を印加すれば良く、そのため磁
場発生装置は鋳型長辺銅板の裏面の鋳型長辺銅板の上端
から約100mm付近に設置する必要がある。この場合に
は、冷却水箱の構造が複雑になり、かつ鋳型銅板の冷却
溝の方向も横方向にする必要があり、鋳型長辺銅板の冷
却が不十分になる。
この発明は、係る事情に鑑みてなされたものであっ
て、鋳型内の湯面波動を制御し、良好な表面性状を有す
る製品を製造する鋼の連続鋳造方法を提供することを目
的とする。
[課題を解決するための手段] この発明の鋼の連続鋳造方法は、スラブの連続鋳造の
鋳型部分に直流磁場を印加する鋼の連続鋳造方法におい
て、一方の磁極を鋳型長辺銅板の上端の直上とし、他方
の磁極を浸漬ノズルの吐出孔より下方の鋳型長辺鋼板の
背面とした直流電磁石を、浸漬ノズルを挟んで相対する
磁極の極性が同じとなるように鋳型長辺銅板の背面に少
なくとも一対配置すると共に、鋼型内溶鋼の湯面波動を
測定し、この湯面波動の測定値に基づいて前記直流電磁
石から印加する磁界強さを調整しつつ、磁界の向きが鉛
直で、磁界の広がりが浸漬ノズルを挟んでスラブの幅方
向で対称である磁界を、浸漬ノズルから排出する溶鋼の
吐出流に印加することを特徴とするものである [作用] この発明は、連続鋳造鋳型内の浸漬ノズル吐出孔から
の溶鋼吐出流に対し、鉛直方向に直流磁場を印加しなが
ら鋳造する。導電性流体である溶鋼が磁場中を流動する
とフレミングの右手の法則により流体内に起電力が発生
し、渦電流が流れる。この渦電流と印加磁場との相互作
用により、流体方向とは逆方向に流体に電磁力(フレミ
ングの左手の法則)が働くため、流体運動は妨げられ
る。この結果吐出流は減速する。吐出流が減速すると、
鋳型短辺面シェルに衝突後の反転流の流速も小さくな
り、湯面波動は起こりにくくなる。又、片流れ現象が発
生して、一方の吐出流速が大きい場合、電磁力は流速が
速いほど、より大きくなり、大きな制動力となる。この
結果、片流れ現象は抑制される。直流磁場を鉛直方向に
印加すると渦電流のパスは第6図(b)に示すように浸
漬ノズルの周りに回路を描く。この時、渦電流は回路の
一部として電気抵抗の小さい鋳型銅板を流れるため、回
路の電気抵抗が小さくなり電流密度が大きくとれる。こ
の結果、発生する電磁力は大きくなり効率的に電磁力を
発生させることが可能となる。直流磁場を水平方向(ス
ラブ厚み方向と同じ)に印加した場合には、発生する渦
電流は鋳型と平行な面で、電気抵抗の大きい溶鋼内に回
路を作るため、回路の電気抵抗が大きくなり渦電流密度
が小さくなる。そのため、直流磁場を鉛直方向に印加で
きるように直流磁石の一方の磁極を鋳型長辺銅板の上端
の真上と他方の磁極を浸漬ノズル吐出孔より下方の鋳型
長辺銅板の背面に配置した。一方の磁極を鋳型長辺銅板
の真上に置くことで、この磁極と浸漬ノズル吐出孔の下
方に設けた磁極とを結ぶ磁束の多くは、鋳型長辺銅板中
を通らずに溶鋼中を通るので、溶融中に効率良く電磁力
を発生させることができる。尚、吐出流に一定の磁束密
度を印加したままでは、鋳造条件の変化や浸漬ノズル内
壁へのAl2O3付着による吐出流速の経時変化のため、最
適な湯面波動に制御することが困難である。そこで、湯
面波動を測定しながら、その値が所定の範囲より大きい
場合に電磁石に電流を流し、常に湯面波動を適正範囲に
入るように調節する。これにより湯面波動に伴うモール
ドパウダーの巻き込みを減少させることができる。
[実施例] 先ず、溶鋼に電磁力を作用させた場合の溶鋼の流動に
ついての考え方を説明する。第6図は鋳型内の溶鋼に電
磁力を作用させた場合の溶鋼の流動を示す図で、(a)
図は鋳型内の縦断面図、(b)図は(a)図のA−A平
面断面図である。21は鋳型長辺銅板、22は浸漬ノズル、
23は電磁石、24は直流磁石、25は直流磁石コイル、26は
磁界(印又は点線の矢印)、27は吐出流(黒矢印)、
28は渦電流(実線矢印)、29は制動力(白矢印)30は溶
鋼、31は直流磁石の一方の磁極、32は直流磁石の他方の
磁極、33は浸漬ノズルの吐出孔である。溶鋼30をタンデ
ィッシュから浸漬ノズル22を通して鋳型に注入する連続
鋳造方法において、浸漬ノズル22を挟んで相対する、少
なくとも一対の電磁石23(直流磁石24と直流磁石コイル
25から構成されている)を設置し、前記直流磁石24は一
方の磁極31(N極あるいはS極)を鋳型流辺銅板21の上
端の真上に、他方の磁極32(S極あるいはN極)を浸漬
ノズルの吐出孔33より下方の鋳型長辺面21の背面に配置
し、浸漬ノズル22を挟んで、相対する磁極(31と31又は
32と32)の極性を同一にして、浸漬ノズル22からの吐出
流27に対し、磁界26を鉛直に印加しながら、鋳造するこ
とによって、吐出流27内にその運動方向とは逆向きの制
動力29を発生させることによって吐出流27を減衰させる
ことができる。
流動している溶鋼30に直流磁場を印加すると、下式に
より起電力が発生する。
=×=VY・BZ ……(1) :溶鋼の速度(m/sec) :磁束密度 VY:溶鋼の速度の鋳型幅方向の成分(m/sec) BZ:磁束密度の鉛直方向成分 この起電力により溶鋼内に渦電流が流れ渦電流
と印加磁場との相互作用により溶鋼の運動方向と逆方向
に制動力が働く。
=−×=−σVY・BZ 2 ……(2) σ:流体の比電気抵抗 (2)式により、制動力の大きさはVYとBZ 2に依存す
る。
溶鋼の連続鋳造においては、低速鋳造の場合はVYが小
さいため、溶鋼に働く制動力は小さいが、高速鋳造にな
る程、VYが大きくなるので制動力は大きくなる。
浸漬ノズル22から吐出された吐出流27は、直流磁場が
無い場合には、片方の吐出孔33から優先的に流出する片
流れ現象が起こりやすく、直流磁場を鉛直方向応に印加
することによって、吐出流速の速い方には、(2)式に
従ってより大きな制動力が働くため、吐出流は均一化さ
れ、片流れ現象は緩和される。こうすることによって湯
面波動高さが、一定の範囲に制御可能となる。
浸漬ノズルからの水平方向に吐出された導電性を有す
る吐出流とこれに鉛直に印加された磁界によって、起電
力が発生し、この起電力に基づき溶鋼内に渦電流が流れ
る。渦電流は浸漬ノズルの周囲を流れ、その回路の一部
は溶鋼(溶鋼の比電気抵抗:150×10-8Ωm)よりも電気
抵抗率の小さい鋳型長辺鋼板(鋳型長辺銅板の比電気抵
抗:2.5×10-8Ωm)を通るため、渦電流の回路の電気抵
抗が全体として小さくなるため、電流密度が高くなる。
この結果、(2)式に従って大きな制動力を発生させる
ことができる。
以下、添付図面を参照してこの発明の一実施例につい
て具体的に説明する。
第1図はこの発明の方法を実施するための連続鋳造鋳
型の一実施例を示す断面図で、(a)図は側面図、
(b)図は(a)図のA−A断面図、(c)図は(a)
図のB−B断面における斜視図である。21は鋳型長辺銅
板、22は浸漬ノズル、23は電磁石、24は直流磁石、25は
直流磁石コイル、30は溶鋼、31は直流磁石の一方の磁
極、32は直流磁石の他方の磁極、33は浸漬ノズルの吐出
孔、34は渦流距離計、35は鋳型短辺銅板である。
図示しないタンディッシュの下部に取り付けられた浸
漬ノズル22を挟んで前、後面の鋳型長辺銅板21の背後に
相対する一対の電磁石23(直流磁石24と直流磁石コイル
25から構成されている)が配置されている。直流磁石は
一方の磁極31を鋳型長辺銅板21の上端の直上に、他方の
磁極32は浸漬ノズルの吐出孔33の下方300mm位置に配置
した。直流磁石24の断面寸法は100(H)×600(W)mm
であり、磁極中心間距離は600mmの直流磁石24を用い
た。対向している磁極間隔は、上部が260mm、下部が360
mmである。直流磁石24の磁極(31又は32)の極性は、浸
漬ノズル22を挟んで、同極対向になるように選んだ。こ
うすることにより磁界方向を鉛直方向、すなわち浸漬ノ
ズル22と平行にすることができる。この直流磁石の構成
で得られた磁束密度は、浸漬ノズルの吐出孔33の位置で
最大2500ガウスであった。
鋳型内の湯面波動を測定するために、上向き反転流に
よって発生する湯面波動の最も激しい鋳型短辺鋼板35近
傍位置に渦流距離計34を取り付けた。渦流距離計34で計
測された湯面波動のデータをΔt秒間隔で採取し、次式
により湯面波動速度Vlを求める。
Vl=((Ht+Δt)−Ht)/Δt ……(3) ここで、Ht:時刻tの次の湯面波動、 Ht+Δt:時刻t+Δtの次の湯面波動 Vlの符号が変わる時の湯面レベル位置H1を記憶し、次
に、Vlの符号が変わる時の湯面レベル位置H2との差の絶
対値を湯面波動高さHとした。
H=|H1−H2| ……(4) 熱延板で表面欠陥の発生しない湯面波動高さHの範囲
は、3〜8mmであることが経験的に分かっているので、
湯面波動高さHがこの範囲内に入るように渦流距離計34
のデータをフィードバックして直流磁石のコイル電流を
制御する。
(実施例1) 第1図で示した直流磁石24を設置した連続鋳造鋳型を
用いて、直流磁石をON−OFF運転しながら鋳造した際の
鋳型短辺銅板35近傍の湯面波動高さの測定結果を以下に
示す。220mm厚み、1200mm幅の断面寸法のスラブを引抜
速度1.4〜2.5m/minの範囲で変更させた鋳造を実施し
た。この時の鋳造速度は、2.6〜4.7ton/minの間で変化
した。第2図は一定の直流磁場強さをON−OFF印加させ
た時の鋳型短辺銅板近傍の湯面波動高さ及び引抜速度と
鋳造時間の関係を示すグラフ図である。この図中の−は
直流磁石のONの状態を示す。−の無いところは直流磁石
のOFFの状態を示す。使用した浸漬ノズルは、吐出角度
下向き25度、逆Y型である。鋳型短辺銅板35から浸漬ノ
ズル22側に40mm離れたところに渦流距離計34を設置し
て、湯面波動高さHを測定しながら、このデータを基に
直流磁場の印加を行った。湯面波動のデータサンプリン
グ時間間隔Δtを5秒にセットして、湯面波動高さH
が、8mm以上になった時、浸漬ノズルの吐出孔33位置で
の磁束密度を2000ガウスになるように、直流磁石のコイ
ル電流を流した。湯面波動高さHが、8mm以下になった
時には、直流磁石のコイル電流はゼロにした。このよう
なON−OFF制御をした時の湯面波動高さHの鋳造中の変
化と直流磁石の運転状況を見ると湯面波動高さHは直流
磁石の運転直後を除いて、8mm以内に抑えることができ
る。
(実施例2) 第1図で示した直流磁石24を設置した連続鋳造鋳型を
用いて、浸漬ノズルの吐出流27に直流磁場を印加しなが
ら鋳造を実施した。第3図は印加磁束密度(ガウス)を
パラメータにして、湯面波動高さHと平均湯面波動速度
との関係を示す図である。平均湯面波動速度(Ve)はミ
リボルト計に記録したアナログデータを使って求めた。
平均湯面波動速度(Ve)が0.4mm/sec以上の範囲におい
ては、湯面波動高さHと平均湯面波動速度(Ve)とは、
ほぼ直線の関係がある。第3図をのデータを基にして湯
面波動高さH=6mmになる時の磁束密度Bと、平均湯面
波動速度(Ve)との関係を重回帰分析により、実験式と
して求めた。
B=α+α1Ve+α2Ve2 ……(5) ここで、α01は、重回帰分析により決定され
る定数 磁束密度Bと直流磁石のコイル電流とは、一義的な関
係があるので、磁束密度Bが決まると、直流磁石のコイ
ル電流を決定できる。渦流距離計の設置位置、データサ
ンプリング時間間隔は実施例1と同じであり、(5)式
に従って、直流磁石のコイル電流を流した。又、湯面波
動高さHが3mm以下の時は直流磁石のコイル電流をゼロ
とした。第4図は直流磁場制御を行った時の鋳造時間と
鋳造速度及び湯面波動高さを示すグラフである。この図
から明らかなように、定常鋳造中の湯面波動高さHは全
て3〜8mmの範囲にコントロールすることができる。第
5図は直流磁場制御による熱延板表面欠陥指数と鋳造速
度との関係を示すグラフ図である。○は直流磁場無し
で、●は直流磁場制御有りである。表面欠陥指数とはヘ
ゲ個数を観察面積で割った値を指数化したものである。
この図から明らかなように直流磁場制御を行うことによ
り、高速鋳造において熱延板表面欠陥指数が著しく減少
している。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明による鋼の連続鋳造方法
は、浸漬ノズルを挟んで、一対以上の直流磁石を設置
し、一方の磁極を鋳型長辺銅板の上端の直上もしくは外
側に、他方の磁極を浸漬ノズルの吐出孔より下方の鋳型
長辺銅板の背面に配置し、鋳型を挟んで相対する磁極の
極性を同一にして、直流磁界を発生させ、浸漬ノズルか
らの溶鋼の吐出流に垂直に直流磁界を印加しながら鋳造
する際、鋳型短辺面近傍の溶鋼湯面上方に設置した渦流
距離計によって湯面波動高さを測定して、湯面波動が所
定範囲内になるように、前記直流磁石に流す電流を調節
して電磁力を制御した結果、湯面波動は常に最適範囲に
制御可能となり、良好な表面性状を有する製品を製造す
ることができた。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの本発明の方法を実施するための連続鋳造鋳
型の一実施例を示す断面図、第2図は一定の直流磁場強
さをON−OFFさせた時の鋳型短辺銅板近傍の湯面波動高
さ及び引抜速度と鋳造時間の関係を示すグラフ図、第3
図は印加磁束密度をパラメータとして湯面波動高さHと
平均湯面波動速度との関係を示す図、第4図は直流磁場
制御を行った時の鋳造時間と引抜速度及び湯面波動高さ
を示すグラフ図、第5図は直流磁場制御による熱延板表
面欠陥指数と鋳造速度との関係を示すグラフ図、第6図
は鋳型内の溶鋼に電磁力を作用させた場合の溶鋼の流動
を示す図、第7図はスラブの連続鋳造における鋳型内の
溶鋼状態を示す図、第8図は湯面波動の概略図、第9図
は従来技術における約1分間の湯面ベルの経時変化を示
す図、第10図は従来技術における最大湯面波動高さの熱
延板表面欠陥指数の関係を示すグラフ図である。 21……鋳型長辺銅板、22……浸漬ノズル、 23……電磁石、24……直流磁石、 25……直流磁石コイル、30……溶鋼、 31……直流磁石の一方の磁極、 32……直流磁石の他方の磁極、 33……浸漬ノズルの吐出孔、34……渦流距離計、 35……鋳型短辺銅板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金尾 義行 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 山本 裕則 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 審査官 天野 斉 (56)参考文献 特開 平1−83356(JP,A) 特開 平2−75456(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/00 - 11/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スラブの連続鋳造の鋳型部分に直流磁場を
    印加する鋼の連続鋳造方法において、一方の磁極を鋳型
    長辺銅板の上端の直上とし、他方の磁極を浸漬ノズルの
    吐出孔より下方の鋳型長辺鋼板の背面とした直流電磁石
    を、浸漬ノズルを挟んで相対する磁極の極性が同じとな
    るように鋳型長辺銅板の背面に少なくとも一対配置する
    と共に、鋼型内溶鋼の湯面波動を測定し、この湯面波動
    の測定値に基づいて前記直流電磁石から印加する磁界強
    さを調整しつつ、磁界の向きが鉛直で、磁界の広がりが
    浸漬ノズルを挟んでスラブの幅方向で対称である磁界
    を、浸漬ノズルから排出する溶鋼の吐出流に印加するこ
    とを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
JP63246477A 1988-09-30 1988-09-30 鋼の連続鋳造方法 Expired - Fee Related JP2773154B2 (ja)

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