JP2772971B2 - 表面処理鋼板の溶接接合方法 - Google Patents
表面処理鋼板の溶接接合方法Info
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- JP2772971B2 JP2772971B2 JP1096441A JP9644189A JP2772971B2 JP 2772971 B2 JP2772971 B2 JP 2772971B2 JP 1096441 A JP1096441 A JP 1096441A JP 9644189 A JP9644189 A JP 9644189A JP 2772971 B2 JP2772971 B2 JP 2772971B2
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Description
【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、亜鉛めっき鋼板，カラー処理鋼板などの表
面処理鋼板の溶接接合方法に関し、さらに詳しく述べれ
ば、溶接作業性を改善する前処理と、溶接後の防食・防
錆性を向上する後処理とを含む表面処理鋼板の溶接接合
方法に関するものである。
面処理鋼板の溶接接合方法に関し、さらに詳しく述べれ
ば、溶接作業性を改善する前処理と、溶接後の防食・防
錆性を向上する後処理とを含む表面処理鋼板の溶接接合
方法に関するものである。
（従来の技術） 自動車の車体，道路の防音壁，屋外使用機器の収納ケ
ース，橋梁材など、雨水，海水あるいは腐食性ガスを含
んだガス等にさらされる部材に、防食・防錆を目的とし
て亜鉛で表面を被覆した亜鉛めっき鋼が、また、完成後
の塗装工程の省略と防錆を目的としてカラー鋼板が、そ
れぞれ多く用いられている。
ース，橋梁材など、雨水，海水あるいは腐食性ガスを含
んだガス等にさらされる部材に、防食・防錆を目的とし
て亜鉛で表面を被覆した亜鉛めっき鋼が、また、完成後
の塗装工程の省略と防錆を目的としてカラー鋼板が、そ
れぞれ多く用いられている。
これらの従来の溶接接合方法について、第２図（ａ）
および（ｂ）により説明する。（ａ）図は重ね継手すみ
肉溶接、（ｂ）図はＴ形継手すみ肉溶接を行った表面処
理鋼板の断面図である。
および（ｂ）により説明する。（ａ）図は重ね継手すみ
肉溶接、（ｂ）図はＴ形継手すみ肉溶接を行った表面処
理鋼板の断面図である。
この種の溶接接合方法について説明すると、母材とな
る表面処理鋼板（以下、母材と称す）１の上に、その表
面処理被膜1aおよび1bをそのままにして、所定寸法に裁
断した子材となる表面処理鋼板（以下、子材と称す）２
を、これも裁断面近傍の表面処理被膜2aおよび2bに手を
加えずに、第２図（ａ）に示す重ね継手すみ肉溶接では
母材１の上に子材２を重ね、第２図（ｂ）に示すＴ形継
手すみ肉溶接では母材１の上に子材２を垂直に立てて、
それぞれのすみ部をアーク溶接またはガス溶接でビード
３を形成し、接合する。
る表面処理鋼板（以下、母材と称す）１の上に、その表
面処理被膜1aおよび1bをそのままにして、所定寸法に裁
断した子材となる表面処理鋼板（以下、子材と称す）２
を、これも裁断面近傍の表面処理被膜2aおよび2bに手を
加えずに、第２図（ａ）に示す重ね継手すみ肉溶接では
母材１の上に子材２を重ね、第２図（ｂ）に示すＴ形継
手すみ肉溶接では母材１の上に子材２を垂直に立てて、
それぞれのすみ部をアーク溶接またはガス溶接でビード
３を形成し、接合する。
また、母材１に子材２を載せる重ね継手では、電気抵
抗溶接を行い、接合する。
抗溶接を行い、接合する。
（発明が解決しようとする課題） しかしながら、上記の方法では、アークまたは火炎に
よって、表面処理被膜1a,2aおよび2bが蒸発，飛散する
時に溶融金属の一部が飛散して被溶接物や溶接トーチ
（図示せず）などに付着し、その除去に多大の労力を必
要とするという問題があった。また、電気抵抗溶接で
は、抵抗溶接用電極に溶融亜鉛が付着しやすく、これを
軽減するために普通鋼板の溶接に比べて溶接電流を２な
いし３割方大きくして溶接する方法が用いられている
が、溶接電流を増大することにより電極寿命が短くなる
という問題があった。さらに、溶接用電極の交換，保守
などにより溶接設備の稼動率が低下するという問題もあ
った。
よって、表面処理被膜1a,2aおよび2bが蒸発，飛散する
時に溶融金属の一部が飛散して被溶接物や溶接トーチ
（図示せず）などに付着し、その除去に多大の労力を必
要とするという問題があった。また、電気抵抗溶接で
は、抵抗溶接用電極に溶融亜鉛が付着しやすく、これを
軽減するために普通鋼板の溶接に比べて溶接電流を２な
いし３割方大きくして溶接する方法が用いられている
が、溶接電流を増大することにより電極寿命が短くなる
という問題があった。さらに、溶接用電極の交換，保守
などにより溶接設備の稼動率が低下するという問題もあ
った。
また、溶接部の錆を防止するために塗装など防錆処理
を行っているが、その防錆効果は亜鉛表面処理被膜1a,2
aおよび2bより劣り、補修費用が高価になるという問題
もあった。
を行っているが、その防錆効果は亜鉛表面処理被膜1a,2
aおよび2bより劣り、補修費用が高価になるという問題
もあった。
また、カラー鋼板の溶接では、前処理として塗膜の除
去を、後処理として前記と同様の処理を必要とするとい
う問題があった。
去を、後処理として前記と同様の処理を必要とするとい
う問題があった。
本発明は上記の問題を解決するもので、溶接設備の稼
動率の低下，溶接部の防食・防錆効果の低下のない表面
処理鋼板の溶接接合方法を提供するものである。
動率の低下，溶接部の防食・防錆効果の低下のない表面
処理鋼板の溶接接合方法を提供するものである。
（課題を解決するための手段） 上記の課題を解決するため、本発明は、表面処理鋼板
の溶接接合部を覆う表面処理被膜を部分的に除去して溶
接し、さらに溶接部に溶射下地処理（例えばアクリル樹
脂，エポキシ樹脂に酸化珪素やアルミニウムあるいは炭
化珪素の粒子を含有させた金属溶射用前処理剤を塗布）
施した後、金属または非金属（例えばセラミック）の溶
射被膜を形成するものである。
の溶接接合部を覆う表面処理被膜を部分的に除去して溶
接し、さらに溶接部に溶射下地処理（例えばアクリル樹
脂，エポキシ樹脂に酸化珪素やアルミニウムあるいは炭
化珪素の粒子を含有させた金属溶射用前処理剤を塗布）
施した後、金属または非金属（例えばセラミック）の溶
射被膜を形成するものである。
（作 用） 上記の構成により、溶接中の溶融金属の飛散が低減す
るとともに、溶接用電極の寿命が伸び、さらに溶接部の
防食・防錆性が向上する。
るとともに、溶接用電極の寿命が伸び、さらに溶接部の
防食・防錆性が向上する。
（実施例） 本発明の一実施例を第１図（ａ）および（ｂ）により
説明する。
説明する。
同図において、本実施例が第２図（ａ）および（ｂ）
に示した従来例と異なる点は、第１図（ａ）に示す重ね
継手すみ肉溶接では子材２の溶接接合部となる端面近傍
の両面の表面処理被膜2aおよび2bを、第１図（ｂ）に示
すＴ形継手すみ肉溶接では子材２の溶接接合部となる端
面左側近傍の表面処理被膜2aのみを、それぞれサンドブ
ラスト加工または研削加工などの機械加工、あるいは化
学的処理により除去し、母材１の溶接接合部は研削加工
などの機械加工で除去する前処理を施す点と、溶接後の
ビードの表面をブラスト処理，金属溶射用前処理剤４の
塗布などの清掃処理を行った後、アーク溶射，ガス溶射
あるいはプラズマ溶射などにより亜鉛，アルミニウムあ
るいはステンレス鋼などの金属溶射被膜５を形成した点
と、必要に応じさらに化粧被膜６を形成した点である。
その他は従来例と変わらないので、同じ構成部品には同
一符号を付した。
に示した従来例と異なる点は、第１図（ａ）に示す重ね
継手すみ肉溶接では子材２の溶接接合部となる端面近傍
の両面の表面処理被膜2aおよび2bを、第１図（ｂ）に示
すＴ形継手すみ肉溶接では子材２の溶接接合部となる端
面左側近傍の表面処理被膜2aのみを、それぞれサンドブ
ラスト加工または研削加工などの機械加工、あるいは化
学的処理により除去し、母材１の溶接接合部は研削加工
などの機械加工で除去する前処理を施す点と、溶接後の
ビードの表面をブラスト処理，金属溶射用前処理剤４の
塗布などの清掃処理を行った後、アーク溶射，ガス溶射
あるいはプラズマ溶射などにより亜鉛，アルミニウムあ
るいはステンレス鋼などの金属溶射被膜５を形成した点
と、必要に応じさらに化粧被膜６を形成した点である。
その他は従来例と変わらないので、同じ構成部品には同
一符号を付した。
本実施例によれば、表面処理被膜1a,2aおよび2bが予
め除去されているので、溶接時に蒸発，飛散することが
ない。また、溶接したビード３は防食性の高い金属溶射
被膜５で覆われるので、耐食性が向上し、信頼性の高い
溶接接合ができる。また、化粧被膜６を形成すれば、商
品価値の高い収納ケースが得られる。
め除去されているので、溶接時に蒸発，飛散することが
ない。また、溶接したビード３は防食性の高い金属溶射
被膜５で覆われるので、耐食性が向上し、信頼性の高い
溶接接合ができる。また、化粧被膜６を形成すれば、商
品価値の高い収納ケースが得られる。
また、溶接接合した加工物の使用目的に応じて、上記
の金属溶射に代えてセラミックなどの非金属で溶射被膜
を形成してもよく、また、第１図（ａ）および（ｂ）に
示すように、溶射被膜を形成した後、その周辺部を含め
て樹脂，塗料などによる封孔・防食・防錆を目的とする
化粧被膜６を形成してもよい。
の金属溶射に代えてセラミックなどの非金属で溶射被膜
を形成してもよく、また、第１図（ａ）および（ｂ）に
示すように、溶射被膜を形成した後、その周辺部を含め
て樹脂，塗料などによる封孔・防食・防錆を目的とする
化粧被膜６を形成してもよい。
（発明の効果） 以上説明したように、本発明の溶接接合方法を用いれ
ば、表面処理鋼板の溶接加工に際して溶接設備の稼動率
を大幅に向上するばかりでなく、防食・防錆性に優れた
溶接接合方法が得られる。
ば、表面処理鋼板の溶接加工に際して溶接設備の稼動率
を大幅に向上するばかりでなく、防食・防錆性に優れた
溶接接合方法が得られる。
第１図（ａ）および（ｂ）は本発明による溶接接合方法
を用いて表面処理鋼板を重ね継手すみ肉溶接およびＴ形
継手すみ肉溶接でそれぞれ接合した溶接部の要部拡大断
面図、第２図（ａ）および（ｂ）は同じ継手方式を用い
従来の溶接接合方法で接合した溶接部の要部拡大断面図
である。 １……母材となる表面処理鋼板（母材）、 1a,1b,2a,2b……表面処理被膜、 ２……子材となる表面処理鋼板（子材）、 ３……ビード、４……金属溶射用前処理剤、 ５……金属溶射被膜、６……化粧被膜。
を用いて表面処理鋼板を重ね継手すみ肉溶接およびＴ形
継手すみ肉溶接でそれぞれ接合した溶接部の要部拡大断
面図、第２図（ａ）および（ｂ）は同じ継手方式を用い
従来の溶接接合方法で接合した溶接部の要部拡大断面図
である。 １……母材となる表面処理鋼板（母材）、 1a,1b,2a,2b……表面処理被膜、 ２……子材となる表面処理鋼板（子材）、 ３……ビード、４……金属溶射用前処理剤、 ５……金属溶射被膜、６……化粧被膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ Ｃ２３Ｃ 4/02 Ｃ２３Ｃ 4/02 4/10 4/10 (56)参考文献 特開 昭55−141559（ＪＰ，Ａ) 特開 昭50−141554（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−79756（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−186166（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−30867（ＪＰ，Ａ) 特開 昭51−100947（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) B23K 9/23 B23K 9/235 B23K 31/00 B23K 37/08 C23C 4/00
Claims (5)
- 【請求項１】表面処理鋼板の溶接接合部を覆う表面処理
被膜を部分的に除去して溶接し、さらに溶接部に溶射下
地処理としてアクリル樹脂，エポキシ樹脂に酸化珪素や
アルミニウムあるいは炭化珪素の粒子を含有させた金属
溶射用前処理剤を塗布した後、金属または非金属の溶射
被膜を形成することを特徴とする表面処理鋼板の溶接接
合方法。 - 【請求項２】表面処理鋼板の溶接接合部を覆う表面処理
被膜を部分的に除去して溶接し、さらに溶接部に溶射下
地処理を施した後、セラミックを用いた非金属の溶射被
膜を形成することを特徴とする表面処理鋼板の溶接接合
方法。 - 【請求項３】表面処理鋼板の溶接接合部を覆う表面処理
被膜を部分的に除去して溶接し、さらに溶接部に溶射下
地処理としてアクリル樹脂，エポキシ樹脂に酸化珪素や
アルミニウムあるいは炭化珪素の粒子を含有させた金属
溶射用前処理剤を塗布した後、セラミックを用いた非金
属の溶射被膜を形成することを特徴とする表面処理鋼板
の溶接接合方法。 - 【請求項４】溶射下地処理方法として、サンドブラスト
処理を行うことを特徴とする請求項（１）〜（３）のい
ずれか１項に記載の表面処理鋼板の溶接接合方法。 - 【請求項５】溶射被膜およびその周辺上に樹脂または塗
布による封孔・防食・防錆処理を施すことを特徴とする
請求項（１）〜（４）のいずれか１項に記載の表面処理
鋼板の溶接接合方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1096441A JP2772971B2 (ja) | 1989-04-18 | 1989-04-18 | 表面処理鋼板の溶接接合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1096441A JP2772971B2 (ja) | 1989-04-18 | 1989-04-18 | 表面処理鋼板の溶接接合方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02280971A JPH02280971A (ja) | 1990-11-16 |
| JP2772971B2 true JP2772971B2 (ja) | 1998-07-09 |
Family
ID=14165106
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1096441A Expired - Lifetime JP2772971B2 (ja) | 1989-04-18 | 1989-04-18 | 表面処理鋼板の溶接接合方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2772971B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101590799B1 (ko) * | 2014-06-19 | 2016-02-02 | 삼성중공업 주식회사 | 듀플렉스 파이프 용접장치 |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4493747B2 (ja) * | 1999-03-31 | 2010-06-30 | 株式会社ダイヘン | 屋外用電気機器タンク |
| JP2003253471A (ja) * | 2001-12-25 | 2003-09-10 | Nippon Steel Corp | 高耐食柱状構造物 |
| CH696811A5 (de) * | 2003-09-26 | 2007-12-14 | Michael Dvorak Dr Ing Dipl Phy | Verfahren zur Beschichtung einer Substratoberfläche unter Verwendung eines Plasmastrahles. |
| JP2007075826A (ja) * | 2005-09-12 | 2007-03-29 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 疲労低減型溶接継手構造 |
| JP2008001919A (ja) * | 2006-06-20 | 2008-01-10 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 溶接継手部の強度改善方法及び強度改善構造 |
| JP6075167B2 (ja) * | 2012-04-18 | 2017-02-08 | Ｊｆｅスチール株式会社 | 自動車の足回り部材の溶接部塗装後耐食性改善方法および自動車の足回り部材ならびに自動車の足回り部材の製造方法 |
| JP5415602B2 (ja) * | 2012-09-18 | 2014-02-12 | 川崎重工業株式会社 | 疲労低減型溶接継手構造 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS50141554A (ja) * | 1974-04-30 | 1975-11-14 | ||
| JPS55141559A (en) * | 1979-04-24 | 1980-11-05 | Nisshin Steel Co Ltd | Treatment of bead cut part of welded pipe made of surface treated steel plate |
| JPS6179756A (ja) * | 1984-09-26 | 1986-04-23 | Nippon Steel Corp | 溶接部の補修溶射方法 |
-
1989
- 1989-04-18 JP JP1096441A patent/JP2772971B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101590799B1 (ko) * | 2014-06-19 | 2016-02-02 | 삼성중공업 주식회사 | 듀플렉스 파이프 용접장치 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02280971A (ja) | 1990-11-16 |
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