JP2768909B2 - 電気掃除機の集塵袋取付構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、紙や不織布などの通気
性を有する素材で形成された袋体のみの取り換えを可能
とした電気掃除機の集塵袋取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、電気掃除機の集塵袋１０は、図５
に示すように吸塵口２０ａが形成された厚紙製の袋支持
板２０の裏面側に、吸塵口２０ａを残して周囲が密閉さ
れた紙製の袋体３０を、一体的に接合して形成されてい
た。

【０００３】この集塵袋１０は、図６に示すように袋支
持板２０を電気掃除機８内部の吸込口８ｄ側に設けられ
た受部８ａ，８ｂに嵌め込むことにより、電気掃除機８
内に装填され、通気性を有する袋体３０の後方から空気
を吸引することにより、電気掃除機８の吸込口８ｄ側か
ら空気と共に吸い込まれた塵や埃をこの袋体３０内に捕
捉するものであった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の電気掃
除機の集塵袋は、紙製の袋体を電気掃除機内部の所定位
置に取り付けるために厚紙製の袋支持板を一体的に接合
し、形成されていた。そのため組立に手間を要すると共
に、袋体と共に廃棄される袋支持板が無駄になるという
問題点を有していた。

【０００５】またこの袋支持板の形状や大きさは、電気
掃除機のメーカーや機種によりまちまちであるため、使
用する電気掃除機に対応した集塵袋を買い求めないと、
使用できないという問題点も有していた。

【０００６】本発明は、これら従来の電気掃除機の集塵
袋が有していた問題点の解決を課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明では、通気性を有
する素材で形成された袋体の前面所定位置に設けられた
切り込みにより、複数の折返片が形成された集塵袋と、
吸塵口が形成された二枚の板材が互いに接合可能に構成
され、電気掃除機内の受部に係合可能なアダプターとか
らなり、各折返片を集塵袋の外方へ折り立て、アダプタ
ーの一方の吸塵口の外側からこの各折返片を通し、この
吸塵口周縁に拡開状に折り返された各折返片がアダプタ
ーの二枚の板体間で保持されて、集塵袋がアダプターに
取り付けられ、このアダプターが電気掃除機内に設けら
れた受部に係合することにより、集塵袋が電気掃除機内
に装填されるようにして、上記の課題を解決した。

【０００８】

【作用】集塵袋に形成された折返片は、集塵袋の外方に
折り返されることにより、集塵袋に吸塵口となる開口を
形成するように作用すると共に、アダプターの一対の板
材間で挟持されることにより、集塵袋をアダプターに取
り付けるための取付片として作用する。

【０００９】また、アダプターは電気掃除機内に設けら
れた受部と係合し、保持した集塵袋を電気掃除機内に装
填するための袋支持板として作用するものである。

【００１０】図１は、本発明の電機掃除機の集塵袋の取
付構造に用いられる集塵袋の斜視図である。この集塵袋
１は、通気性を有する紙や不織布あるいは布などの素材
で密閉袋状に形成された袋体２の前面に、略十字形に切
り込み３を入れて、それぞれ集塵袋１の外方に折り返し
可能な４つの折返片４を形成したものである。

【００１１】図２は、上記集塵袋１を保持し、電気掃除
機内の受部に係合するアダプター５を示している。図示
したようにこのアダプター５は、吸塵口６ａ，７ａが形
成されたほぼ同形状の二枚の板材６，７を、互いにその
内側面が接合可能なように、その一側で開閉自在に連結
したものである。またこの板材７の一方の内側面には、
吸塵口７ａを挟んで等間隔に四つの突起７ｂが突設さ
れ、他方の板材６の内側面には、この突起７ｂが嵌合す
る同数の嵌合孔６ｂが形成されている。

【００１２】なお、このアダプター５の大きさや形状
は、装着される電気掃除機に適合するように形成されて
いることとする。また板材は、変形し難い厚紙や合板な
どを用いて形成されたものであっても良いが、合成樹脂
で形成すれば、突起や嵌合孔を一体成形することができ
るので、より望ましい。

【００１３】次に上記集塵袋１のアダプター５への取り
付けについて述べると、まず集塵袋１の各折返片４を集
塵袋１の外方へ折り立て、各折返片４をアダプター５の
一方の板材６の吸塵口６ａを外側から通してそれぞれ吸
塵口６ａの周縁に拡開状に折り返す。次にアダプター５
の他方の板材７を回動させ、両板材６，７の内側面が接
合する方向に押しつけて閉じ合わせる。このことによ
り、板材７に設けられた突起７ｂが折返片４を貫通し、
嵌合孔６ｂに嵌合する。よって、集塵袋１は図３に示す
ように吸塵口１ａを開口した状態でアダプター５に取り
付けられるものである。なお、この折返片４には、予め
突起７ｂが貫通する孔を形成しておくこととしても良
い。

【００１４】このようにして、集塵袋１をアダプター５
に取り付けた後、アダプター５を電気掃除機８の内部に
設けられた受部８ａ，８ｂに係合させると、集塵袋１は
図４に示すようにその内部が電気掃除機８の吸込口８ｄ
に連通した状態で、電気掃除機８内に装填される。

【００１５】よって、電気掃除機８内に装填された集塵
袋１の後方に設けられた図示しない吸引ファンで電気掃
除機８内の空気を吸引すると、電気掃除機８の吸込口８
ｄに接続されたダクト（図示せず）を通して塵埃が空気
と共に集塵袋１内に吸い込まれる。そして、集塵袋１の
目を通過できない塵埃が捕捉された後、空気のみが通気
性を有する集塵袋１を通過して電気掃除機８の後方から
外部に排気される。このようにして、従来の紙製集塵袋
を用いた電気掃除機と全く同様に集塵が行われるもので
ある。

【００１６】そして、集塵袋１内が満杯になると、電気
掃除機８の上蓋８ｃを開放して内部に装填された集塵袋
１をアダプター５と共に取り出し、次いでアダプター５
と集塵袋１との係合を外して集塵袋１のみを廃棄すれば
良い。

【００１７】このようにして本発明の電気掃除機の集塵
袋取付構造では、通気性を有する紙材で形成された集塵
袋１のみが取り換えられ、この集塵袋１を電気掃除機８
内の所定位置に装填、保持するための袋支持板となるア
ダプター５は、繰り返し使用されるものである。

【００１８】なお、実施例では、袋体２の表面に十字形
に切り込み３を入れ、４つの折返片４を形成した例を示
したが、各折返片４は集塵袋１の外方に折り返されるよ
うに形成されたものであれば良く、その形状や数は図示
したものに限定されるものではない。

【００１９】

【発明の効果】以上の通り、本発明の電気掃除機の集塵
袋取付構造では、集塵袋は着脱可能なアダプターを介し
て電気掃除機内の所定位置に装填されるので、従来のよ
うに袋体に一体的に接合され、この袋体と共に廃棄され
る厚紙や合成樹脂製の袋支持板は不要となる。したがっ
て、資源の保護に役立つと共に、材料費が削減され、製
作の際の工程も簡素化されるので、使い捨てとなる集塵
袋のコストが低減されることとなる。

【００２０】また本発明の電気掃除機の集塵袋取付構造
では、使用する電気掃除機に適合したアダプターを用意
すれば、集塵袋となる袋体自体は、各種電気掃除機に使
用できる。このように機種対応性に優れるので、従来の
ように機種ごとに異なった集塵袋を生産する必要がなく
なり、大量生産によるコストダウンが図れると共に、集
塵袋の入手も容易となり、需要者の利便性が図られるこ
とになるという従来には見られない多くの優れた効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】集塵袋の実施例を示す斜視図である。

【図２】アダプターの実施例を示す斜視図である。

【図３】集塵袋をアダプターに取り付けた状態の斜視図
である。

【図４】集塵袋装填状態を示す電気掃除機の要部断面図
である。

【図５】集塵袋の従来例を示す斜視図である。

【図６】従来の集塵袋装填状態を示す電気掃除機の要部
断面図である。

【符号の説明】

１ 集塵袋 １ａ 吸塵口 ２ 袋体 ３ 切り込み ４ 折返片 ５ アダプター ６，７ 板材 ６ａ，７ａ 吸塵口 ６ｂ 嵌合孔 ７ｂ 突起

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 通気性を有する素材で形成された密閉袋
   状の袋体の前面所定位置に設けられた切り込みにより、
   複数の折返片が形成された集塵袋と、 吸塵口が形成された互いに接合可能な二枚の板材で構成
   され、一方の板材の吸塵口の近傍には、複数の突起が設
   けられ、他方の板材には、この突起が嵌入可能な複数の
   嵌合孔が設けられ、接合された状態で電気掃除機内の受
   部に係合可能なアダプターとからなり、 各折返片を集塵袋の外方に折り立て、アダプターの一方
   の吸塵口の外側からこの各折返片を通し、この吸塵口周
   縁に拡開状に折り返された各折返片が、突起が貫通した
   状態でアダプターの二枚の板体間で保持され、集塵袋が
   抜脱不可にアダプターに取り付けられ、このアダプター
   が電気掃除機内に設けられた受部に係合することによ
   り、集塵袋が電気掃除機内に装填されるようになされた
   ことを特徴とする電気掃除機の集塵袋取付構造。