JP2761027B2 - 写真乳剤 - Google Patents

写真乳剤

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は写真技術に関する。さらに詳しく述べると、
本発明は、ハロゲン化銀写真乳剤、そしてこれらの乳剤
を含有する写真要素に関する。
〔従来の技術〕
元素の周期表の周期及び族の参照はすべて、アメリカ
化学会(the American Chemical Society)によって採
用され、Chemical and Engineering News,1985年2月4
日、p.26で公表された周期表フォーマットにもとづいて
いる。このフォームによると、従来の周期を番号付けす
ることは続けられているけれども、族をローマ数字で番
号付けしかつA及びB族を表記すること(米国とヨーロ
ッパでは意味が反対)が、族を左から右へ単純に1〜18
で番号付けすることに置き換えられた。
“ドーパント(ドープ剤)”なる語は、ハロゲン化銀
粒子内に含まれるところの銀又はハライドイオン以外の
物質を指す。
“遷移金属”なる語は、元素の周期表の族3〜12(12
を含む)の任意の元素を示す。
“重遷移金属”なる語は、元素の周期表の周期5及び
6の遷移金属を指す。
“軽遷移金属”なる語は、元素の周期表の周期4の遷
移金属を指す。
“パラジウム3価遷移金属”なる語は、族8〜10(10
を含む)の周期5の元素、すなわち、ルテニウム、ロジ
ウム、そしてパラジウムを指す。
“白金3価遷移金属”なる語は、族8〜10(10を含
む)の周期6の元素、すなわち、オスミウム、イリジウ
ム、そして白金を指す。
略語“ERR"は、電子常磁性共鳴(Electron Paramagne
tic Resonance の略)を指す。
略語“ESR"は、電子スピン共鳴(Electron Spin Reso
nance の略)を指す。
記号“pKSP”は、ある化合物の溶解パラメータ積の負
の対数を指す。
粒径(粒子のサイズ)は、特に断りのある場合を除い
て、粒子の平均有効円直径を示し、また、その際、有効
円直径は、粒子の投映面積に等しい面積をもった円の直
径である。
写真感度(スピード)は、特に断らない限りに相対感
度で報告する。
“長時間露光相反不軌”なる語は、乳剤の露光時間が
0.01秒よりも長く延長された場合にその乳剤が示す感度
のロスを指す。
Trivelli及びSmithの米国特許第2,448,060号(1948年
8月31日発行)は、調製の任意の段階で、すなわち、ハ
ロゲン化銀粒子の沈殿の前又はその間、第1の熟成(物
理熟成)の前又はその間、第2の熟成(化学熟成)の前
又はその間、あるいは塗布の直前に、次の一般式により
表わされるパラジウム又は白金3価遷移金属の化合物: R2MX6 (上式において、 R2は水素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウム基
を表わし、 Mはパラジウム又は白金3価遷移金属を表わし、そし
て Xはハロゲン原子、例えば塩素又は臭素原子を表わ
す)を乳剤に添加することによって、ハロゲン化銀乳剤
を増感することができる、と開示している。
上記の化合物は、六座配位の重遷移金属錯体であっ
て、水に可溶である。水に溶解すると、化合物中のR2
2個のカチオンに解離し、一方、遷移金属とハロゲン配
位子が六座配位のアニオン錯体として分散する。
さらに調査してみると、この技術分野では、ハロゲン
化銀乳剤中における遷移金属化合物の写真学的作用が、
その化合物が乳剤中に、ハロゲン化銀粒子の沈殿中に導
入されるかもしくはひき続く乳剤調整プロセス中に導入
されるか否かということに依存して、明確に異なってい
るということが認められている。前者の場合には、一般
に、遷移金属がドーパントとしてハロゲン化銀粒子に入
り込むことができ、そのために、非常に低い濃度で存在
するとしても、写真学的性質を変化させるのに有効であ
ることが認められている。ハロゲン化銀粒子の沈殿が完
了した後に遷移金属化合物を乳剤中に導入する場合に
は、遷移金属を粒子表面に吸着させることができ、但
し、ペプタイザの相互作用によって、粒子の接触が大き
く妨害されることが屡々である。遷移金属をハロゲン化
銀粒子の形成に引き続いて添加する場合に限界値の写真
効果を得るためには、遷移金属をドーパントとしてハロ
ゲン化銀粒子に混入する場合と比較して、数桁高濃度の
遷移金属が必要である。ハロゲン化銀粒子の形成中に遷
移金属化合物を添加することによって得られる金属ドー
ピングと、ハロゲン化銀粒子の形成に引き続いて遷移金
属化合物を添加することによって得られる遷移金属増感
剤との間の技術的な差異は、Research Disclosure,Vol.
176、1978年12月、Item 17643、Section I A(粒子の沈
殿中に導入される金属増感剤について)、そしてSectio
n III A(化学増感中に導入される金属増感剤につい
て)に示されている。このResearch Disclosureには、
それぞれの実施に係りのある種々の従来の教示内容のリ
ストが全般的に示されている。なお、このResearch Dis
closure(リサーチ・ディスクロージャー)の発行所は
次の通りである:Kenneth Mason Publication,Ltd.,Emsw
orth,Hampshire P010 7DD,England。
遷移金属ドーパントはハロゲン化銀粒子中で非常に低
濃度において検出することができるので、また、通常、
粒子沈殿中に導入された遷移金属化合物中の残りの元素
は検出に対する感度がかなり低いので(例えば、ハロゲ
ン化物又は水(アクア)配位子又はハロゲン化物イオ
ン)、粒子構造中における遷移金属ドーパント濃度を測
定しかつ定量するのに粒子の分析を集中できた。Trivel
li及びSmithは、遷移金属のアニオン系六座配位ハロゲ
ン化物錯体だけを使用することを教示したけれども、ハ
ロゲン化銀粒子の形成中に導入されるべきであるとして
列挙された遷移金属化合物の多くは、大半ではないけれ
ども、無秩序的に一緒に固化して、遷移金属及び遷移金
属錯体の単純な塩を形成した。このことは、明らかなよ
うに、粒子形成中における配位子混入の可能性又はその
ことに基因する何らかの挙動の変化が見落されていたこ
との証左である。
事実、広範な写真文献のなかでも、粒子の形成中に遷
移金属の化合物をハロゲン化銀乳剤に添加することにつ
いて教示したものは非常に僅かであった。また、そのよ
うな遷移金属化合物において、遷移金属は、パラジウム
及び白金3価遷移金属以外であり、また、その化合物の
残りは、ハロゲン化物配位子、ハロゲン化物及びアクア
配位子、ハロゲン化物であって解離により溶液中でアニ
オンを形成するもの、あるいはアンモニウム又はアルカ
リ金属部分であって解離により溶液中でカチオンを形成
するもの以上によって与えられた。記載したいろいろな
教示内容のいくつかのリストを以下に示す: Shibataらの米国特許第3,790,390号は、明るい帯黄緑
色光下に取り扱うことのできるフラッシュ露光に適した
青感性ハロゲン化銀乳剤を調製する方法を開示してい
る。この乳剤は、0.9μm以下の平均粒径をもった粒
子、最低1種類の族8〜10金属の化合物、そして式で特
定したメロシアニン染料を含有する。遷移金属化合物の
例は、軽遷移金属の単純な塩類、例えば鉄、コバルト及
びニッケル塩、そしてシアノ配位子を含有する軽遷移金
属の六座配位錯体である。重要なことには、この特許の
なかでは、重遷移金属付きのシアノ配位子を使用するこ
とについての何の教示も示唆もなされていない。重遷移
金属化合物は、通常の単純な塩類、あるいはハロゲン化
物配位子のみを含有する六座配位錯体が開示されている
だけである。硝酸パラジウム(II)、単純な塩、ならび
にパラジウムテトラチオシアナトパラデート(II)、パ
ラジウムの四座配位錯体、もまた開示されている。
Ohkuboらの米国特許第3,890,154号及びHabuら米国特
許第4,147,542号は、上記米国特許第3,790,390号に同様
であって、主たる相違点は、緑色フラッシュ露光の記録
を可能とするためにいろいろ増感染料を使用しているこ
とである。
Sakaiらの米国特許第4,126,472号は、最低60モル%の
塩化銀を含有する乳剤をハロゲン化銀1モル当り10-6
10-4モルの水溶性イリジウム塩の存在において熟成し、
そしてさらにヒドロキシテトラアザインデン及びポリオ
キシエチレン化合物を添加することによって、リス写真
において適当な高コントラスト乳剤を製造することを開
示している。この特許は、通常のイリジウムハライド塩
やハロゲン化物配位子を含有する六座配位イリジウム錯
体のほかに、アミン配位子を含有するイリジウムのカチ
オン系六座配位錯体を開示している。イリジウムは、ハ
ロゲン化銀の沈殿が終了した後に導入されるので、粒子
ドーパントとして用いられるのではなくて、粒子表面調
節剤として用いられる。このことは、まぎれもなく、記
載のイリジウムがドーピングして用いられるコンベンシ
ョナルなイリジウム化合物とは不一致であることを示し
ている。
1978 International Congress of Photographic Scie
nce,Rochester Institute of Technology,1978年8月20
〜26日、に提出された論文のなかで、D.M.Samoilovich,
“The Influence of Rhodium and Other Polyvalent Io
ns on the Photographic Properties of Silver Halide
Emulsions"は、塩化物イリジウム、ロジウム及び金錯
体についての研究、そしてさらに(NH4)6Mo7O244H2Oを導
入することによって調製された乳剤について、報告して
いる。後者は、水中で解離して、正味の負の電荷が−6
であるモリブデンクラスターを生成する。モリブデンに
帰すところの+6の酸化状態も、アニオン系のクラスタ
ーの−6の原子価も、単一の遷移金属原子の六座配位錯
体と混同されるものではない。
1982 International Congress of Photographic Scie
nce,University of Cambridgeでは、R.S.Eachusの提出
した論文“The Mechanism of Ir3+ Sensitization of S
ilver Halide Materials"は次のように報告している:
電子常磁性共鳴(EPR)分光結果の推論から、溶融成長
せる臭化銀及び塩化銀結晶中にIr3+イオンが(IrBr6)-3
及び(IrCl6)-3として導入されたことが判った。乳剤及
びこれらの塩のゾルには、沈殿生成中、ヘキサブロモイ
リデート及びヘキサクロロイリデート分子イオン、なら
びに混合ハライドを含有する同様な錯体が導入せしめら
れた。また、両方の銀塩の沈殿にアクア種[IrCl4(H
2O)2]-1及び[IrCl5(H2O)]-2も導入せしめられた。Eachu
sは、さらに続けて、混入されたイリジウムイオンが光
発生の自由電子及び正孔管理(潜像形成を含む)に寄与
することができるいろいろなメカニズムについて推論し
た。別の背景技術として、B.H.Carroll,“Iridium Sens
itization:A Literatuve Review",Photographic Scienc
e and Engineering,Vol.24、No.6、1980年11月/12月、p
p.265〜267を引用する。
Greskowiak,ヨーロッパ特許出願公開第0,242,190/A2
号は、それぞれのロジウムイオンに結合した3個、4
個、5個又は6個のシアニド配位子を有する1種類もし
くはそれ以上のロジウム(III)の錯体化合物の存在に
おいて形成されたハロゲン化銀乳剤では、高照度相反不
軌が低下せしめられたことを開示している。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の課題、すなわち、目的は、任意に沃化物を含
有する感輻射線臭化銀粒子からなる写真乳剤であって、
写真学的利点、例えば観察される感度及び最小濃度の両
方における増大せしめられた安定性、そして低照度相反
則不軌の低下を示すようなものを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記した課題は、このたび、任意に沃化物を含有する
感輻射線臭化銀粒子からなる写真乳剤を提供することに
よって解決された。本発明の写真乳剤の粒子は、最低4
個のシアニド配位子を有するルテニウム又はオスミウム
の六座配位錯体の存在において形成された面心立方結晶
格子構造をそれらの粒子が呈することを特徴とする。
本発明は、増加せしめられた感度を有する臭化銀及び
臭沃化銀乳剤に向けられている。このような乳剤は臭化
物を含有しており、また、任意に、この臭化物に組み合
わさった沃化物を、臭化銀中におけるその溶解度限界ま
で、すなわち、銀の全量を基準にして約40モル%まで、
含有している。通常、沃化物は、0.1〜20モル%、最も
一般的には約1〜10モル%の濃度で臭沃化銀粒子中に存
在せしめられる。
これらの乳剤の安定性は、感度及びコントラストの両
方に関して、最低4個のシアニド配位子を有するルテニ
ウム又はオスミウムの六座配位錯体の存在において乳剤
粒子を調製する場合に増大させ得るということが発見さ
れた。さらに、これらの乳剤の低照度相反則不軌の低下
も観察された。
事実、六座配位遷移金属錯体の全体がそっくりそのま
ま生成中の粒子に導入されるものと考えられる。このこ
とがいかにして可能たり得るかを理解するためには、最
初にハロゲン化銀粒子の構造を観察するのがよい。塩化
銀及び臭化銀は、それぞれ、一般にβ及びγ相だけを形
成しかつ写真ではめったに用いられることのない沃化銀
とは異なって、ロックタイプの面心立方結晶格子構造を
形成する。添付の第1図では、4つの格子面をもった銀
イオン2及び臭化物イオン3の結晶構造1が示されてお
り、また、ここでは、上方のイオン層が{100}結晶面
に位置している。第1図の下の部分から数えて図示の4
列の原子が{100}結晶面にならんでおり、また、この
結晶面は、上方のイオン層により占有された{100}結
晶面に垂直に交差する。銀イオン2aと臭化物イオン3aを
含有する列は、両方の交差せる面にならんでいる。2つ
の{100}結晶面のそれぞれおいて、それぞれの銀イオ
ン及びそれぞれの臭化物イオンは、それぞれ、4個の臭
化物イオン及び4個の銀イオンに隣接してならんでい
る。また、三次元では、内部の銀イオンは、それぞれ6
個の臭化物イオンに隣接して位置し、これらの臭化物イ
オンのうち4個は同一の{100}結晶面にあり、そして
1個はその面の各側面にある。それぞれの内部臭化物イ
オンには比較可能な関係が存在する。
六座配位遷移金属錯体を粒子構造中に導入することの
できる方法は、その六座遷移金属錯体を空間的に収容す
るために結晶構造から外さなければならない単一の銀イ
オン及び6個の隣接せるハロゲン化物イオン(以下、ひ
とまとめにして“7空格子点イオン”と呼ぶ)の特性を
考慮することによって、概略的に認めることができる。
7空格子点イオンは、その正味の電荷が−5である。こ
のことは、アニオン系の遷移金属錯体は中性又はカチオ
ン系の遷移金属錯体に較べてより容易に結晶構造中に導
入され得るということを提案している。このことはま
た、六座配位重遷移金属錯体が光発生の正孔(ホール)
又は電子のいずれかを捕捉する能力は、導入された錯体
がそれが置き換えるべき7空格子点イオンよりも多かれ
少なかれマイナスの正味電荷を有するか否かということ
によって、有意な程度まで決定することが可能であると
いうことを提案している。一般的な観点では、重遷移金
属は裸イオン又は原子としてのハロゲン化銀粒子中に導
入され、そしてそれらの金属の正孔又は電子捕捉能力は
全くそれらの酸化状態の機能であるので、上記の事実は
一般的な観点からの重要な背反である。
再び第1図を参照して、銀は第5周期に位置していて
臭素は第4周期に位置するというものの、銀イオンは臭
化物イオンよりもかなり小さいということをさらに特記
することができる。さらに、格子は、臭化物イオンより
もなおも大である沃化物イオンを収容すること(先に記
したように、40モル%までの濃度で)が知られている。
このことは、第5及び第6周期の遷移金属のサイズはそ
れらの金属の導入に対するバリアを自体もたらすもので
はないことを示唆する。7空格子点イオンからひき出す
ことのできる最終的な見解としては、6個のハロゲン化
物イオンが、その原子価イオンの中心を形成する単一の
銀イオンに対してイオン吸引力を示すばかりではなく
て、その他の隣接せる銀イオンに対しも引き付けられる
ということがある。
六座配位錯体は、写真学的に有用なハロゲン化銀の面
中心立方結晶構造との相容性をもった空間形状を呈示す
る。6個の配位子は、結晶構造中の1個の銀イオンの次
に隣接する6個のハロゲン化物イオンと空間的に比較可
能である。ハロゲン化物配位子あるいは、先に引用した
Eachusによって認識されているように、アクア配位子以
外の配位子を有する重遷移金属の六座配位錯体はハロゲ
ン化銀立方結晶格子構造中に組み込まれ得るということ
を評価するため、遷移金属とその配位子の間の吸引はイ
オン性ではなく、但しそれは共有結合の結果であり、そ
してまた後者は前者に比してかなり強力であるというこ
とを考察することが必要である。六座配位錯体の大きさ
は、その錯体を形成している原子の大きさだけでなく、
原子間の結合の強度によっても決まるので、たとえば錯
体を形成している個々の原子の数及び/又は直径が空格
子点イオンを超えても、配位錯体は、さもなければ7空
格子点イオンによって占有されるようなスペース内のハ
ロゲン化銀結晶構造中に空間的に収容されることができ
る。このことは、共有結合強度により結合距離が著しく
減少するので、その結果、錯体全体の大きさが減少する
ことによるものである。六座配位遷移金属錯体の多原子
配位子が、結晶構造内部の単一のハロゲン化物イオンの
空格子点に空間的に収容されることができるというの
が、本発明独特の認識である。
適当な六座配位遷移金属錯体を選択する際には空間的
適合性が重要であるが、考慮しなければならない他の因
子として、錯体と、結晶格子構造における隣接イオンと
の適合性がある。本発明の認識によれば、遷移金属錯体
用の架橋配位子を選択することにより適合性を具現する
ことができる。立方結晶格子構造における単一列の銀及
びハロゲン化物イオンを見てみると、次の関係があるこ
とが判る。
Ag+X-Ag+X-Ag+X-Ag+X-,等 ここにおいて、ハロゲン化物イオンXがその列におけ
る隣接する両方の銀イオンを引きつけていることが分か
る。結晶構造において、単一列の銀及びハロゲン化物イ
オンに六座配位遷移金属錯体が存在することを考慮する
と、次の関係があることが判る。
Ag+X-Ag+-L-M-L-Ag+X-,等 ここで、 Mは重遷移金属を表わし、そして Lは架橋配位子を表わす。
1列の銀及びハロゲン化物イオンのみを示したが、錯
体は、交点として重遷移金属Mを有する銀及びハロゲン
化物イオンからなる3つの同一の垂直な列の一部分を形
成していることが理解できる。しかし、3つの列は同一
であるので、単一の列を考察することによってそれらの
列の関係を理解できる。
本発明の要件を満足させる遷移金属配位錯体は、遷移
金属としてのルテニウム又はオスミウムを含有し、そし
て4,5又は6個のシアニド配位子を含有するもの4個又
は5個のシアニド配位子だけが存在する場合には、その
残りの配位子は任意の適宜なコンベンショナル架橋配位
子であることができる。後者は、ハロゲン化銀結晶構造
中に組込まれる場合に、2つ以上の金属中心間の架橋基
としての役割を果たすことが可能である。これらの架橋
配位子の、単座配位でも多座(ambidentate)配位子で
もよい。単座架橋配位子は、2個(又はそれ以上)の異
なる金属原子に対して2つの(又はそれ以上)の結合を
形成する配位原子を一つだけ有している。単原子配位子
及び供与体として可能な原子を一つだけ含有している配
位子の場合、架橋の単座形態は一つだけ可能である。2
つ以上の供与原子を有する多元素配位子も架橋能を機能
することができ、多座配位子と呼ばれる。好ましい架橋
配位子は、単原子単座配位子、例えばハロゲン化物であ
る。弗化物、塩化物、臭化物及び沃化物配位子が全部と
も特に好ましいと考えられる。多元素配位子、例えばア
ジド及びチオシアネート配位子もまた特に好ましいと考
えられる。
粒子への導入が考えられる六座配位ルテニウム又はオ
スミウムシアニド錯体は、殆んどの場合、正味のイオン
電荷を示す。従って、1個もしくはそれ以上の対イオン
は、通常、錯体に関連して電荷中性化合物を形成してい
る。錯体及びその対イオンは、例えばハロゲン化銀粒子
の生成に用いられるような水性媒体に導入すると解離す
るので、対イオンほとんど重要性を有していない。アン
モニウム及びアルカリ金属対イオンは、これらのカチオ
ンがハロゲン化銀沈澱操作によく適合していることが知
られているので、本発明の要件を満足するアニオン六座
配位錯体に特に適している。
好ましい1態様において、六座配位ルテニウム又はオ
スミウムシアニド錯体は、次のような式によって表わす
ことができる: (I) [M(CN)6-yLy]n ここで、 Mはルテニウム又はオスミウムであり、 Lは架橋配位子であり、 yは整数0,1又は2であり、そしてnは−2,−3又は
−4である。
本発明の要件を満足させる代表的なルテニウム及びオ
スミウムシアニド配位錯体のリストを次の第I表に示
す。
なお、下記の第I表において、ルテニウム(Ru)又は
オスミウム(Os)以外の金属を含有する錯体の例、すな
わち、TMC-1,TMC-4,TMC-7,TMC-10,TMC-13,TMC-16,TMC-1
9,TMC-24、そしてTMC-35〜TMC-43は、いずれも参考例で
ある。
上記第I表の化合物を用いて開始する手順や、六座配
位ルテニウム又はオスミウムシアニド錯体の混入によっ
て有利に行われるハロゲン化銀写真乳剤の調製は、ハロ
ゲン化銀粒子中に重遷移金属ドーパントを導入すること
に係る従来技術の教示内容を考察することによって、容
易に理解することができる。このような教示は、下記の
刊行物に記載されている:ワーク(Wark)による米国特
許第2,717,833号;ベリマン(Berriman)による米国特
許第3,367,778号;バート(Burt)による米国特許第3,4
45,235号;ベーコン(Bacon)等による米国特許第3,44
6,927号;コルト(Colt)による米国特許第3,418,122
号;ベーコン(Bacon)による米国特許第3,531,291号;
ベーコン(Bacon)による米国特許第3,574,625号;特公
昭49-33781号公報(優先日:1968年5月10日);特公昭4
8-30483号公報(優先日:1968年11月2日);大久保等に
よる米国特許第3,890,154号;スペンス(Spence)等に
よる米国特許第3,687,676号及び第3,690,891号;ギルマ
ン(Gilman)等による米国特許第3,979,213号;モッタ
ー(Motter)による米国特許第3,703,584号;特公昭45-
32738号公報(優先日:1970年10月22日);シバ等による
米国特許第3,790,390号;ヤマスエ等による米国特許第
3,901,713号;ニシナ等による米国特許第3,847,621号;
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129号公報(優先日:1975年3月18日);ハブ等による米
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日);特開昭53-75921号公報(優先日:1976年12月17
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96024号公報(優先日:1978年1月11日);リサーチ・デ
ィスクロージャー、第181巻、1979年5月発行、アイテ
ム18155;カニサワ等による米国特許第4,288,533号;特
開昭56-25727号公報(優先日:1979年8月7日);特開
昭56-51733号公報(優先日:1979年10月2日);特開昭5
5-166637号公報(優先日:1979年12月6日);及び特開
昭56-149142号公報(優先日:1970年4月18日)。
ハロゲン化銀粒子を形成するとき、水性媒体に、可溶
性銀塩、通常硝酸銀、及び1種もしくはそれ以上の可溶
性ハロゲン化物塩、通常ハロゲン化アンモニウム若しく
はハロゲン化アルカリ金属をいっしょに入れる。このと
き、ハロゲン化銀は高いpKsp値(室温で塩化銀の場合9.
75〜沃化銀の場合16.09)を有しているので、ハロゲン
化銀の沈澱が起こる。ルテニウム又はオスミウムシアニ
ド錯体をハロゲン化銀と共沈させる場合、pKsp値の高い
化合物も生成する。もしもpKsp値が低すぎると、沈澱が
起こらない。他方において、もしもpKsp値が高すぎる
と、化合物が沈澱して別個の相を形成する。ルテニウム
又はオスミウムシアニド錯体の銀対イオン化合物の、本
発明の実施において使用するのに考えられる最適のpKsp
値は、写真ハロゲン化銀のpKsp値の範囲、即ち、約8〜
20、好ましくは約9〜17の範囲内又はその近くである。
本発明の要件を満足させる導入される重遷移金属錯体
は別として、ハロゲン化銀粒子、それらの粒子が一部を
構成している乳剤、そしてそれらの乳剤が混入されてな
る写真要素は、種々の従来の形態をとることができる。
これらの従来の特徴並びに各教示事項に特に関連した特
許及び刊行物のリストが、上記したリサーチ・ディスク
ロージャー、アイテム17643に記載されている。特に推
奨されることとして、本発明の要件を満足させる六座配
位重遷移金属錯体を平板状粒子乳剤、特に薄く(0.2μ
m未満)及び/又は高アスペクト比(>8:1)の平板状
粒子乳剤に含有せしめる。これらの平板状粒子乳剤につ
いては、例えば、ウイルガス(Wilgus)等による米国特
許第4,434,226号;コフロン(Kofron)等による米国特
許第4,439,520号;ダウベンディーク(Daubendiek)等
による米国特許第4,414,310号及び同第4,693,964号;ア
ボット(Abott)等による米国特許第4,425,425号及び同
第4,425,426号;ソルベルグ(Sorberg)等による米国特
許第4,433,048号;ディッカーソン(Dickerson)等によ
る米国特許第4,414,304号;ミグノット(Mignot)によ
る米国特許第4,386,156号;ジョーンズ(Jones)等によ
る米国特許第4,478,929号;エバンス(Evans)等による
米国特許第4,504,570号;マスカスキイ(Maskasky)に
よる米国特許第4,435,501号、第4,643,966号、第4,684,
607号及び第4,713,320号;並びにソウインスキ(Sowins
ki)等による米国特許第4,656,122号に記載されてい
る。
像露光を行い、表面潜像を漂白し、そして内部現像液
中で現像することによって、上記したタイプの六座配位
ルテニウム又はオスミウムシアニド錯体の存在において
粒子を沈殿させた場合には高められた内部感度を乳剤に
付与し得るということを決定することができた。乳剤の
有効濃度は、銀1モルにつき約1×10-6モルの錯体から
である。錯体を粒子中に組み込むに当っては、その溶解
度限界まで、一般に銀1モルにつき約5×10-4モルま
で、組み込むことができる。粒子中にその溶解度限界を
上廻る過剰量の錯体が存在することも許容できるけれど
も、通常、任意のこのような過剰量は洗浄中に乳剤から
除去される。内部感度を達成するのに好ましい錯体濃度
は、銀1モルについて10-5〜10-4モルである。
驚くべきことに、粒子の形成中に六座配位ルテニウム
又はオスミウムシアニド錯体を臭化銀及び臭沃化銀乳剤
に混入するとより安定な乳剤が得られるということが判
明した。これらの乳剤は、六座配位ルテニウム又はオス
ミウムシアニド錯体を粒子形成中に混入した場合、保存
中における感度及び最小濃度の変化が僅かである。
さらに、また、同じように驚くべきことに、本発明の
乳剤では、低照度相反不軌の低下が認められる。
〔実施例〕
本発明は、下記の特定の例を参照することによってさ
らに理解することができるであろう。
例1〜例9 0.45μmの平均エッジ長を有していて、粒子中に混入
された六座配位重遷移金属錯体を異にする一連の臭化銀
八面体乳剤を調製した。
重遷移金属錯体が不存在である対照1Aを下記のような
手法に従って調製した: 6種類の溶液を次のようにして調製した: 溶液1(1) ゼラチン(骨) 50g 蒸留水 2000ml 溶液2(1) 臭化ナトリウム 10g 蒸留水 100ml 溶液3(1) 臭化ナトリウム 412g 蒸留水を加えて全容量 1600ml 溶液4(1) 硝酸銀(5モル) 800ml 蒸留水を加えて全容量 1600ml 溶液5(1) ゼラチン(フタレート含有) 50g 蒸留水 300ml 溶液6(1) ゼラチン(骨) 130g 蒸留水 400ml 溶液1(1)に40℃の硝酸を加えてpH=3.0に調節し
た。溶液1(1)の温度を70℃に調節した。次いで、溶
液1(1)に溶液2(1)を加えてpAg=8.2に調節し
た。調節後の溶液1(1)に、溶液3(1)及び4
(1)を同時に、最初に4分間について一定の速度で、
そして次の40分間については導入を加速して、注加し
た。注加時間の合計46分間について、最後の2分間が終
わるまで注加速度を保持した。全工程にわたって、pAg
を8.2で保持した。溶液3(1)及び4(1)の添加
後、温度を40℃に調節し、そして溶液5(1)を添加し
た。次いで、この混合物を5分間にわたって保持し、そ
の後でpH値を2.7に調節し、ゲルを沈降させた。これと
同時に、液層のデカンテーションを行う前に、温度を15
℃まで低下させた。容量の消耗を回復するために蒸留水
を加えた。pH値を再び4.0に調節し、pH値を2.7に調節す
る前に混合物を40℃で1/2時間にわたって保持し、そし
て沈降及びデカンテーション工程を繰り返した。溶液6
(1)を添加し、そしてpH値及びpAg値をそれぞれ5.6及
び8.2に調節した。この乳剤を4mg/モルのNa2S2O3で70℃
で40分間にわたって熟成することによって硫黄増感し
た。Ag 27mg/dm2及びゼラチン36mg/dm2の塗膜とした。
サンプルを365nmの輻射線に0.01秒、0.1秒、1.0秒、そ
して10.0秒間にわたって露光し、そしてハイドロキノン
−Elon (N−メチル−p−アミノフェノールヘキサル
フェート)現像液中で6分間にわたって現像した。
対照1Aと同様にして対照1A′を調製した(熟成も包
含)。この乳剤を、乳剤の挙動のバッチごとの変化を説
明するために使用した。
対照1Aとはそれぞれ溶液7(1),8(1),9(1)及
び10(1)が溶液3(1)に添加された(最初の4分間
の核生成期間の後であって最初の35分間の成長期間の
間)点で異なる例1B,1C及び1Dならびに対照1Eを調製し
た。溶液3(1)の一部を予備用に保存し、そして最後
の7分間の調製の間に添加される遷移金属錯体不含の臭
化ナトリウムの提供源として使用した。
溶液7(1),8(1),9(1)及び10(1)を2〜10
0mgのK2O5(CN)6を溶解することによって調製し(第II表
を参照されたい)、そして、その際、これらの乳剤の調
製中の32〜40分間の成長期間の間に溶液3(1)の一部
を添加した。この遷移金属錯体は長時間露光相反不軌を
低減した。
溶液11(1),12(1)及び13(1)を調製するため
に17〜83mgの遷移金属錯体K4Ru(CN)6を使用した点で例1
B〜1Eとは異なる例1F,1G及び1Hを調製した(第II表を参
照されたい)。
使用した遷移金属錯体が47mgのK2Ir(CN)6であった点
で例1B〜1Hとは異なる例1I(参考例)を調製した(第II
表を参照されたい)。
溶液3(15)を二分し、そして沈殿に用いられるべき
最初の半分に12gのNaIを添加した点で対照1Aとは異なる
対照1Jを調製した。これを第II表に示す。
溶液3(1)の最初の半分に50mgのK4O5(CN)6を添加
した点で対照1Jとは異なる例1Kを調製した。この遷移金
属錯体は長時間露光相反不軌を低減する。これを、対照
1Jと比較して、第II表に示す。
下記の第II表に報告されている感度差(Δlog E)
は、0.01秒露光の時に観察された感度と10秒間露光の時
の観察された感度の差である。すべての露光は、365nm
で行った。
例10〜例11 その他の点ではそれぞれ対照1A′及び例1C,1F,1H及び
1Iに対応する乳剤2A′,2C,2F,2H及び2IをAg 1モルにつ
き2mgのNa2S2O3・5H2Oで熟成し、また、別のサンプルに
ついては、Ag 1モルにつき2mgのNa2S2O3・5H2O及びAg 1
モルにつき3mgのKAuCl4で熟成した。この熟成は70℃で4
0分間であった。次いで、これらの乳剤を前記例1に記
載したようにして塗布した。次いで、これらの乳剤を、
新しいもの(塗布1週間以内)及び室温(21±2℃)及
び周囲湿度(50%±10相対湿度)で数ケ月間保存した後
のもの(第III表参照)の両方についてハイドロキノン
−Elon (N−メチル−p−アミノフェノールヘキサル
フェート)中で6分間にわたって処理した。遷移金属錯
体を含有する粒子をもった乳剤は改良された保存性を示
した。例2C,2F及び2Hは、対照2A′と較べて、より小さ
い感度の変動、そして小さいカブリ(Dmin)の増加を示
した。
〔発明の効果〕 本発明の乳剤の安定性は、感度及びコントラスト両者
について、最低4個のシアニド配位子を有するルテニウ
ム又はオスミウムの六座配位錯体の存在において乳剤粒
子を調製する場合に改良し得るということが判明した。
さらに、これらの乳剤の低照度相反則不軌の低下もまた
観察された。
【図面の簡単な説明】
第1図は、{100}結晶面にそってならんだ上部イオン
層を有する臭化銀結晶の構造を示した模式図である。 図中、1は結晶構造、2及び2aは銀イオン、そして3及
び3aは臭化物イオンである。
フロントページの続き (72)発明者 レイモンド スタンレー イーカス アメリカ合衆国,ニューヨーク 14618, ロチェスター,サン ラファエルドライ ブ 30 (56)参考文献 特開 昭63−2042(JP,A) 米国特許4937180(US,A) 米国特許4847191(US,A) 欧州公開336425(EP,A1) 欧州公開242190(EP,A2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 1/035 G03C 1/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】任意に沃化物を含有する感輻射線臭化銀粒
    子からなっていて、前記粒子が、最低4個のシアニド配
    位子を有するルテニウム又はオスミウムの六座配位錯体
    の存在において形成された面心立方結晶格子構造を呈し
    ている、写真乳剤。
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