JP2759853B2 - 水処理用凝集剤及びその製造方法 - Google Patents

水処理用凝集剤及びその製造方法

Info

Publication number
JP2759853B2
JP2759853B2 JP3274881A JP27488191A JP2759853B2 JP 2759853 B2 JP2759853 B2 JP 2759853B2 JP 3274881 A JP3274881 A JP 3274881A JP 27488191 A JP27488191 A JP 27488191A JP 2759853 B2 JP2759853 B2 JP 2759853B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
concentration
silicic acid
acid solution
water
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3274881A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04363104A (ja
Inventor
孝雄 長谷川
卓也 鬼塚
康浩 江原
克紘 橋本
寛 赤沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suido Kiko Kaisha Ltd
Original Assignee
Suido Kiko Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suido Kiko Kaisha Ltd filed Critical Suido Kiko Kaisha Ltd
Priority to JP3274881A priority Critical patent/JP2759853B2/ja
Priority to FI924288A priority patent/FI105181B/fi
Publication of JPH04363104A publication Critical patent/JPH04363104A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2759853B2 publication Critical patent/JP2759853B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水中から不純物を除去
するための水処理用凝集剤及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】本出願
人は、さきに特願昭61-276688号をもって、高重合度の
ケイ酸溶液を用いた安全でかつ不純物除去能力の高い水
処理用凝集剤を提案した。高重合ケイ酸溶液を用いた上
記の水処理用凝集剤は、凝集剤中に含まれる有効成分
(ケイ酸及び水中において水酸化物を形成しうる金属)
の濃度をより高くし、又は極限粘度のより高い高重合ケ
イ酸溶液を用いることによって、水中の不純物凝集能力
をさらに増大させることができる。また、凝集剤は水溶
液の状態で製造、運搬されるので、有効成分濃度を高く
することができれば、製造コスト、輸送コストを低減す
ることができる。これらの事情を考慮すると、実用上凝
集剤の有効成分濃度は、ケイ酸濃度(SiO2換算)におい
て8%程度(重量比)以上、金属塩添加後の全有効成分
濃度(SiO2+金属酸化物換算)において10%程度以上と
することが望ましい。
【0003】しかし、凝集剤溶液中におけるケイ酸や金
属の濃度を高くすると、ケイ酸溶液は極めてゲル化し易
くなることが屡々指摘されており、活性ケイ酸又は高重
合ケイ酸溶液の製造に際して、ケイ酸濃度(SiO2換算)
が8%程度以上になるように製造したり、これをそのま
ま保存、運搬したりする事例を見出すことはできない。
すなわち、ケイ酸濃度(SiO2換算)が8%程度以上であ
るような活性ケイ酸や高重合ケイ酸溶液の製造保存は、
実際には不可能であると思われていた。
【0004】前記特願昭61-276688号の発明にかかる高
重合ケイ酸溶液についても、その凝集能力をさらに高め
ようとして単純にケイ酸濃度を高くすると、凝集剤溶液
の保存期間を短縮する結果となる。すなわち、不純物凝
集能力のより一層の増大化やコスト低減と安定性の維持
とが、両立し難い結果となるおそれがあった。
【0005】本発明は、高重合ケイ酸溶液を含む水処理
用凝集剤についての上記の問題を解決し、高い極限粘度
と高いケイ酸濃度を有して不純物凝集効果が高いと共
に、高濃度における有効保存期間が極めて長い水処理用
凝集剤及びその製造方法を提供することを目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明において
は、上記の問題点を解決するための手段として、約8%
以上のSiO2濃度と約0.2(100ml/g)以上の極限粘度を
有し、かつアルカリ金属濃度を著しく低減した高重合ケ
イ酸溶液が用いられる。通常、活性ケイ酸や高重合ケイ
酸溶液の製造のためには、原料としてケイ酸ナトリウム
(水ガラス)、ケイ酸カリウム等のアルカリ金属ケイ酸
塩が用いられ、これに、硫酸や炭酸ガス等を添加するこ
とによって製造される。この場合、添加物質による中和
反応でNa2SO4やNaHCO3等の可溶性の塩が生成し、このた
め、原料中のアルカリ金属(Na.K等)の存在に起因す
るアルカリ度は低下するが、溶液内におけるアルカリ金
属濃度そのものは変らない。
【0007】発明者等は種々研究の結果、脱アルカリ金
属処理を施してかつそれを高度に重合させ、それによっ
て、アルカリ金属濃度が著しく低減された高重合ケイ酸
溶液は、ケイ酸濃度や有効成分金属濃度が高い場合にお
いてもゲル化し難く、したがって、不純物凝集能力が高
いと共に保存性に富む凝集剤が得られることを知見し
た。
【0008】例えば、水ガラスを陽イオン交換樹脂層内
を通過させるとNa量が著しく低減されたケイ酸溶液が得
られる。この溶液にアルカリ剤を加えてpHを中性付近に
調整すると、溶液はいったん急速にゲル化する。しかし
このゲル状物をそのまま放置すると再び高粘度の溶液状
態(すなわち高重合状態のケイ酸溶液)に変化し、この
高粘度溶液は、ケイ酸濃度が高い状態のままで置いても
最早ゲル化することはなく、しかも高度の凝集能力を維
持していることが分った。後記の実施例によっても示さ
れるとおり、Na量を0.08%程度としたケイ酸溶液は、Si
O2濃度が約8.7%である状態のままで約1年6ケ月経過後
においてもゲル化せず、しかも良好な凝集能力を維持し
ている。
【0009】なお、脱アルカリ金属処理後のケイ酸溶液
中のアルカリ金属の濃度は0.3%程度以下とすることが
望ましい。アルカリ金属濃度が高くなると、ゲル化した
まま凝集剤として用いることができない現象を示す等、
本発明所期の効果を良好に得ることができないからであ
る。また、ケイ酸溶液の重合の程度は、凝集効果の観点
から、前記特願昭61-276688号の発明におけると同じ程
度、すなわち極限粘度数を約0.2(100ml/g)以上(平
均分子量において約200000(g/mol)程度以上)とする
ことが望ましい。さらに、ケイ酸濃度は、前記のとお
り、凝集効果や保存輸送のコスト低減の観点から、SiO2
換算で8%程度以上とすることが望ましく、ロータリー
エバポレータ等の濃縮手段によって15%程度以上に濃縮
することも可能であり、このように高度に濃縮したケイ
酸溶液も、長期間の保存に堪えることができる。
【0010】上記の高重合ケイ酸溶液と共に用いる、水
中において水酸化物を形成しうる可溶性の金属塩として
は、特願昭61-276688号の明細書に記載したように各種
の金属の塩を用いることができるが、水中で第二鉄イオ
ンを生じる金属塩、例えば硝酸第二鉄、塩化第二鉄、硫
酸第二鉄等を用いることが望ましい。水中で第二鉄イオ
ンを生じる金属塩をケイ酸溶液に添加すると、凝集能力
を高めると共にケイ酸溶液のゲル化時間をさらに延長し
うることは、すでに本出願人の出願にかかる特願昭63-1
13665号の明細書に記載したとおりであり、このこと
は、本出願にかかるアルカリ金属濃度の低い高重合ケイ
酸溶液についても適用される。また、この目的のために
は、硝酸第二鉄を用いると特に好適であることが分っ
た。
【0011】本発明の凝集剤の製造に際しては、まず、
前記のようなアルカリ金属ケイ酸塩(ケイ酸ナトリウ
ム、ケイ酸カリウム等)の溶液に脱アルカリ金属処理を
施して、アルカリ金属濃度を低減させる。通常、この脱
アルカリ金属処理は、上記のアルカリ金属ケイ酸塩溶液
を、イオン交換樹脂層中を通過させ、又はイオン交換樹
脂を添加攪拌した後にイオン交換樹脂を濾別することに
よって行う。これによって、ケイ酸溶液中のアルカリ金
属、例えば Na.K等が除去され、アルカリ金属濃度が著
しく低減された酸性のケイ酸溶液が得られる。次いで、
この酸性ケイ酸溶液に少量のアルカリ剤を添加してpH値
を中性付近に調整すると、溶液は急激に粘度を増してい
ったんゲル状態又は高粘稠状態のものとなるが、このゲ
ル状物又は高粘稠物は、時間の経過と共に再び流動化し
て液状となるので、その極限粘度数を約0.2(100ml/
g)以上のものに調整する。さらに、SiO2濃度が例えば
約8%以上の高濃度となるように調整し、これに、前記
の金属塩例えば硝酸第二鉄を加えて凝集剤とする。
【0012】
【実施例】
(実施例1)H型陽イオン交換樹脂100gを入れたビーカ
中に、SiO2濃度を8.6%に調整した水ガラス3号品の水
溶液100gを注入し、マグネチックスターラで5分間攪拌
した。攪拌終了後にイオン交換樹脂を濾別して、濾液60
gを100mlビーカに入れた。濾液のナトリウム濃度は0.02
%であった。これをマグネチックスターラで攪拌しなが
らpH調整のためにlN-NaOHを2ml添加してpHを8.8とし
た。濾液はlN-NaOH添加後に急激に粘度を増して約30秒
後に完全にゲル化したが、このゲルを60℃の恒温槽中に
24時間静置したところ再び液状化した。このようにして
得られたケイ酸溶液のSiO2濃度は7.9%、ナトリウム濃
度は0.10%であった。また、その極限粘度及び平均分子
量を、ウベローデ粘度計及び限外濾過膜による分子量分
画法により測定したところ、極限粘度は0.29(100ml/
g)、平均分子量は約280,000(g/mol)であった。
【0013】(実施例2)H型陽イオン交換樹脂200gを
入れたビーカ中に、ケイ酸濃度を9.0%に調整した水ガ
ラス3号品の水溶液100gを注入し、マグネチックスター
ラで5分間攪拌した。攪拌終了後にイオン交換樹脂をろ
別して、SiO2濃度9.0%、ナトリウム濃度0.01%のケイ
酸溶液90gを得た。これをマグネチックスターラで攪拌
しながらpH調整のためにlN-NaOHを3.0ml添加してpHを8.
8とした。ろ液はlN-NaOH添加後に急激に粘度を増して約
30秒後に完全にゲル化したが、このゲルを60℃の恒温槽
中に24時間静置したところ再び液状化した。このように
して調整した重合ケイ酸溶液を20℃の恒温槽中に18ケ月
間保存した。18ケ月保存後の重合ケイ酸溶液はSiO2濃度
8.7%、ナトリウム濃度0.084%で、極限粘度数は0.27
(100ml/g)、平均分子量は270,000(g/mol)であっ
た。
【0014】(実施例3)SiO2濃度を8.6%に調整した
水ガラス3号品の水溶液2kgとH型陽イオン交換樹脂2k
gとを5リットルビーカに同時に投入し、攪拌機で5分
間攪拌した。攪拌終了後にイオン交換樹脂を濾別し、得
られた濾液1.8kg(ナトリウム濃度0.02%)を2リット
ルビーカに入れ、攪拌しつつlN-NaOHを60ml添加した。
濾液は約30秒後に完全にゲル化したが、これを60℃の恒
温槽中に移して24時間置いたところ再び液状となった。
これをロータリーエバポレータで約2.5倍に濃縮した。
(ロータリーエバポレータは、温度75℃、回転数40rp
m、圧力20〜150mmHgで操作した。)上記のようにして得
られた重合ケイ酸のSiO2濃度は18.8%、ナトリウム濃度
は0.26%であった。また、ウベローデ粘度計による極限
粘度は0.28(100ml/g)、限外濾過膜法による平均分子量
は約280,000(g/mol)であった。
【0015】(実施例4)H型陽イオン交換樹脂500gを
内径5cmのアクリル製ろ過筒に充填した層高32cmの樹脂
層に、SiO2濃度を4.3%に調整した水ガラス3号品の水
溶液1kgをろ過速度2m/hrで通過せしめ、SiO2濃度4.3
%、ナトリウム濃度0.004%のろ液900gを得た。このろ
液をビーカに採り、マグネチックスターラで攪拌しなが
らpH調整のためにlN-NaOHを8ml添加してpHを7.7とし20
℃で放置したところ、徐々に粘度が上昇し13時間後には
ゲル化した。このゲルを60℃の恒温槽中に24時間静置し
たところ再び液状化した。この溶液をロータリーエバポ
レータで約2倍に濃縮した。(ロータリエバポレータ
は、温度75℃、回転数40rpm、圧力20〜150mmHgで操作し
た。)このようにして得られたケイ酸溶液のSiO2濃度は
8.6%、ナトリウム濃度は0.048%であった。また、その
極限粘度数をUbbelohde粘度計により測定した比粘度か
らHuggins式を用いて算出し、平均分子量を限外濾過膜
による分子量分画法により求めたところ、極限粘度は0.
23(100ml/g)、平均分子量は約260,000(g/mol)で
あった。
【0016】(実施例5)H型陽イオン交換樹脂500gを
入れたビーカに、SiO2濃度を8.6%に調整したケイ酸カ
リウム水溶液500gを加え、マグネチックスターラで5分
間攪拌した。攪拌終了後、イオン交換樹脂を濾別し、得
られた濾液420gをビーカに採り、攪拌しながらlN-NaOH
を14ml添加したところ、急激に粘度を増して約30秒後に
完全にゲル化した。このゲルを60℃の恒温槽中に移して
24時間置いたところ再び液状となった。このケイ酸溶液
(SiO2濃度8.4%、カリウム濃度0.076%)の極限粘度は
約0.29(100ml/g)、平均分子量は280,000(g/mol)
であった。(測定方法は前記各実施例と同じである。)
【0017】(実施例6)実施例3で調製した重合ケイ
酸溶液に金属塩として塩化第二鉄、硝酸第二鉄及び硫酸
第二鉄の3種を用い、それぞれについて、Si:Feのモル
比が3:1で、有効成分濃度( SiO2+Fe2O3) が 10.0%、
12.5%、15.0%及び17.5%の凝集剤を、次のように調製し
た。まず、実施例3で得られた重合ケイ酸溶液を 36.9
g、46.1g、55.3g及び64.6gづつ分取した4個のビーカの
各々に、塩化第二鉄 6.23g、7.79g、 9.36g及び10.9gを
それぞれ添加し、これらに蒸留水を加えて100gとし、4
つの凝集剤を調製した。
【0018】同様にして、同じく実施例3で調製した重
合ケイ酸溶液を分取したこのビーカに、硝酸第二鉄を1
5.5g、19.4g、23.3g及び27.2gをそれぞれ添加し、蒸留
水を加えて100gとした4つの凝集剤と、実施例4で調製
した重合ケイ酸を分取した4個のビーカに硫酸第二鉄を
10.7g、13.4g、16.1g及び 18.8g添加し、蒸留水を加え
て100gとした4つの凝集剤とを、それぞれ調製した。
【0019】(実施例7)実施例5で得られた重合ケイ
酸溶液を3個のビーカに82.5gづつ分取し、各々に塩化
第二鉄6.23g、硝酸第二鉄15.5g、硫酸第二鉄10.7gをそ
れぞれ添加し、これに蒸留水を加えて100gとし、Si:Fe
のモル比が3:1で、有効成分濃度( SiO2+Fe2O3)が10.
0%の3種類の凝集剤を調製した。
【0020】(参考例)脱アルカリ金属を施さない高重
合ケイ酸溶液を用いて、次のとおり有効成分濃度を10%
とした凝集剤を調製した。すなわち、SiO2濃度を11.0%
(SiO2として)に調整した水ガラス3号品の水溶液640g
を 5.4N−HCl 160ml中に攪拌しながら混入し、pH2.0、S
iO2濃度8.8%のケイ酸溶液800gを得た。このケイ酸溶液
を60℃の恒温槽中で30分間攪拌しながら重合し、極限
粘度0.30(100ml/g)、平均分子量350,000(g/mol)
の重合ケイ酸溶液を得た。この重合ケイ酸溶液を3個の
ビーカに78.8gづつ分取し、各々に塩化第二鉄6.23g、硝
酸第二鉄15.5g、硫酸第二鉄10.7g添加した。これらに蒸
留水を加えて100gとし、Si:Feのモル比が3:1で、有効
成分濃度(SiO2+Fe2O3) が 10.0%の3種類の凝集剤
を調製した。
【0021】(試験例)実施例6及び7、ならびに上記
参考例において調製した18種の凝集剤を、それぞれ60
℃及び20℃の恒温槽中に保存してゲル化時間の測定を行
った。その結果を(表1)に示す。
【0022】
【表1】
【0023】(表1)によって明らかなとおり、脱アル
カリ金属処理を施さない高重合ケイ酸溶液を用いた凝集
剤は、有効成分濃度を10%に高めた場合におけるゲル化
時間が、常温において数時間ないし数十時間程度である
のに対し、脱アルカリ金属処理を施した高重合ケイ酸溶
液を用いた本発明による凝集剤は、有効成分濃度を10%
程度以上とした場合においても極めて良好な保存安定性
を示した。特に、併用する金属塩として塩化第二鉄又は
硝酸第二鉄を用いた場合においては、有効成分濃度が1
5.0〜17.5%という極めて高い領域においても、常温に
おいて約1000時間ないし12000時間もゲル化することな
く、安定した状態で保存することができた。併用金属塩
として硫酸第二鉄を用いたものも、有効成分濃度10%程
度であれば1000時間以上の保存に堪えられることが分か
る。
【0024】さらに、本発明による凝集剤の凝集効果を
確認するため、(表1)の試験番号1ないし15の凝集剤
についてジャーテストを実施した。すなわち、蒸留水に
カオリンおよび炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)を加えて
濁度100度、アルカリ度60mg/l(CaCO3として)、pH7.5
に調整した濁水を試験対象水とし、これに上記15種の凝
集剤を注入攪拌した。凝集剤注入率はFeとして2.0mg/
lで、攪拌条件は120rpm、3分の後、30rpm、7分とし
た。攪拌開始からフロックが出現するまでの時間と形成
フロック粒径および攪拌終了5分後の上澄水濁度を測定
した。結果を(表2)に示す。
【0025】
【表2】
【0026】(表2)によって明らかなとおり、本発明
の凝集剤は、フロック出現時間、フロック粒径及び上澄
水濁度のいずれかの観点からしても、極めて良好な凝集
能力を示すことが確認された。
【0027】(試験例2)実施例2で得られた、18ケ月
貯蔵後の重合ケイ酸を79.7g分取した100mlビーカーに塩
化第二鉄(FeCl3・6H2O)を10.4g添加し、蒸留水で100g
として、Si:Feのモル比が3:1で、有効成分濃度(SiO2+F
e2O3)が 10%の凝集剤を調製した。この凝集剤の凝集効
果をジャーテストにより検討した。蒸留水にカオリン及
び炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)を加えて濁度100度、
アルカリ度60mg/1(CaCo3として)とし、pH7.5に調整
した濁水を試験対象水とした。凝集剤注入率はFeとして
2.0mg/lで、攪拌条件は120rpm、3分後、30rpm、7分
とした。攪拌開始からフロックが出現するまでの時間と
形成フロック粒径及び攪拌終了5分後の上澄濁度を測定
した。結果は次のとおりであった。 フロック出現時間・・・・30(sec)、フロック粒径・・・・2.0〜
5.0(mm)、上澄水濁度・・・0.6(度)。 この凝集剤、すなわち18ケ月貯蔵保存したケイ酸溶液を
用いた凝集剤も、フロック出現時間、フロック粒径およ
び上澄水濁度のいずれかの観点からしても、極めて良好
な凝集効果を有することが確認できた。
【0028】(試験例3)高重合ケイ酸溶液調製過程に
おいて、pH調整のためにアルカリ剤を添加することな
く、脱アルカリ金属処理を行ったままの状態でゲル化及
び再溶液化を行ったものについての凝集効果を確認する
ため、次の試験を行った。H型陽イオン交換樹脂50gを入
れたビーカ中に、ケイ酸濃度を8.6%に調整した水ガラ
ス3号品の水溶液100gを注入し、マグネチックスターラ
で5分間攪拌した。は0.14%(モル濃度では0.061mol/
l、モル比では0.042)、pH9.3のケイ酸溶液90gを得た。
このケイ酸溶液は20℃の室温で約10分後にゲル化した。
このゲルを60℃の恒温槽中に移して24時間置いたところ
再び液状化した。このようにして調製した重合ケイ酸溶
液の極限粘度は約0.23(100ml/g)、平均分子量は240,
000(g/mol)であった。
【0029】この重合ケイ酸を80.6g分取した100mlビー
カに、塩化第二鉄(FeCl3・6H2O)を10.4g添加し、蒸留
水で100gとして、Si:Feのモル比が3:1で、有効成分濃度
(SiO2+Fe2O3)が 10%の凝集剤を調製した。この凝集剤
の凝集効果をジャーテストにより検討した。蒸留水にカ
オリン及び炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)を加えて濁度
100度、アルカリ度60mg/1(CaCo3として)とし、pH7.5
に調整した濁水を試験対象水とした。凝集剤注入率はFe
として2.0mg/lで、攪拌条件は120rpm、3分後、30rp
m、7分とした。攪拌開始からフロックが出現するまで
の時間と形成フロック粒径及び攪拌終了5分後の上澄濁
度を測定した。結果は次のとおりであった。 フロック出現時間・・・・30(sec)、フロック粒径・・・・2.0〜
5.0(mm)、上澄水濁度・・・・0.8(度)。 前記のように調製した凝集剤も、フロック出現時間、フ
ロック粒径および上澄水濁度のいずれかの観点からして
も、極めて良好な凝集効果を有することが確認できた。
【0030】(試験例4)重合ケイ酸溶液中におけるア
ルカリ金属濃度の相違による溶液の性状変化を確認する
ため、次の試験を行った。SiO2濃度を9.0%に調整した
水ガラス3号品水溶液2kgをH型陽イオン交換樹脂3kg
を入れた5リットルビーカに注ぎ、攪拌器で5分間攪拌
して脱ナトリウム処理した後、イオン交換樹脂をろ別し
て SiO2 濃度9.0%、ナトリウム 濃度0.01%のケイ酸
溶液1.8Kgを得た。このケイ酸溶液150gずつを11個の200
mlビーカに分取し、それぞれに所定の水酸化ナトリウム
溶液を加えてNa濃度を調整し、そのpH、シリカ濃度及び
ナトリウム濃度を測定した。これを室温(20℃)で放置
し、ゲル化したものをさらに60℃の恒温槽中に移して24
時間保持した。24時間経過後に溶液状になっているもの
の極限粘度数及び分子量を測定した。その結果を(表
3)に示す。
【0031】
【表3】
【0032】(表3)によっても分かるように、Na濃度
が0.3%程度を超えるものは、上記条件の本発明の実施
に必要な再溶液化を行うことができなかった。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、脱アルカリ金属処理を
施してアルカリ金属濃度が著しく低減され、かつSiO2
濃度の高い高重合ケイ酸を用いることにより、高重合ケ
イ酸溶液を用いる水処理用凝集剤の凝集能力、保存安定
性をさらに高めることができ、また、製造コストや輸送
コストを低減することができる。また、本発明の製造方
法によれば、上記のように凝集能力と保存安定性の高い
水処理用凝集剤を、通常の水ガラスやケイ酸カリウムを
原料として容易に製造することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−75157(JP,A) 特開 昭55−28749(JP,A) 特開 昭63−130189(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 21/01 C02F 1/52

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液に脱アル
    カリ金属処理を施した後、これをゲル化させてから再び
    液状化させることによって得られた、約0.2(100
    ml/g)以上の極限粘度と、約8%以上のSiO
    度と、約0.3%以下のアルカリ金属濃度とを有する
    重合ケイ酸溶液を含むことを特徴とする、水処理用凝集
    剤。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液に脱アル
    カリ金属処理を施した後、これをゲル化させてから再び
    液状化させることによって得られた、約0.2(100
    ml/g)以上の極限粘度と、約8%以上のSiO
    度と、約0.3%以下のアルカリ金属濃度とを有する
    重合ケイ酸溶液と、水中において水酸化物を形成しうる
    金属の可溶性塩とを含むことを特徴とする、水処理用凝
    集剤。
  3. 【請求項3】 水中において水酸化物を形成しうる金属
    の可溶性塩が、硝酸第二鉄、塩化第二鉄又は硫酸第二鉄
    である、請求項2記載の水処理用凝集剤。
  4. 【請求項4】 アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液に脱アル
    カリ金属処理を施し、これを重合処理によってゲル状態
    のものとした後に再び液状化させることによって、約
    0.2(100ml/g)以上の極限粘度を有する高重
    合ケイ酸溶液とすることを特徴とする、水処理用凝集剤
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の製造方法によって高重合
    ケイ酸溶液を得た後、これに、水中において水酸化物を
    形成しうる金属の可溶性塩を添加することを特徴とす
    る、水処理用凝集剤の製造方法。
JP3274881A 1990-10-01 1991-09-27 水処理用凝集剤及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2759853B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3274881A JP2759853B2 (ja) 1990-10-01 1991-09-27 水処理用凝集剤及びその製造方法
FI924288A FI105181B (fi) 1991-09-27 1992-09-24 Flokkulantti veden käsittelyä varten ja menetelmä sen valmistamiseksi

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26059190 1990-10-01
JP2-260591 1990-10-01
JP3274881A JP2759853B2 (ja) 1990-10-01 1991-09-27 水処理用凝集剤及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04363104A JPH04363104A (ja) 1992-12-16
JP2759853B2 true JP2759853B2 (ja) 1998-05-28

Family

ID=26544670

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3274881A Expired - Lifetime JP2759853B2 (ja) 1990-10-01 1991-09-27 水処理用凝集剤及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2759853B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7666916B2 (en) 2003-07-25 2010-02-23 Keiichiro Asaoka Flocculant, manufacturing method therefor, and flocculation method using the flocculant

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5475157A (en) * 1977-11-25 1979-06-15 Doukai Kagaku Kougiyou Kk Water treatment method

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7666916B2 (en) 2003-07-25 2010-02-23 Keiichiro Asaoka Flocculant, manufacturing method therefor, and flocculation method using the flocculant

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04363104A (ja) 1992-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS63130189A (ja) 水処理方法及び水処理用凝集剤
US2217466A (en) Composition of matter for water treatment
US4051028A (en) Process for purifying water
US20170203981A1 (en) Stable Salt-Free Polyaluminum Chlorosulfates
KR0142224B1 (ko) 수처리용 응집제
CN102502670A (zh) 一种制备聚硅酸盐絮凝剂的新方法
KR20130055321A (ko) 활성규산이 혼합된 염기성 수처리용 응집제의 제조방법
JP2759853B2 (ja) 水処理用凝集剤及びその製造方法
JP2732067B2 (ja) 水処理用凝集剤
JP3700892B2 (ja) 凝集剤の製造方法
CN103172152B (zh) 一种改性聚合硫酸铁的制备方法
JP2000202207A (ja) 水処理用凝集剤及びその製造方法
JP2000154013A (ja) 活性シリカの製造方法
JPS6020074B2 (ja) グラウト排水の処理方法
JPH11216478A (ja) 水の凝集処理方法および無機凝集剤
JP2000015008A (ja) 水処理凝集助剤および凝集処理方法
KR920005951B1 (ko) 수(水) 처리 방법 및 수 처리용 응집제
JP2000279708A (ja) 水処理用無機凝集剤及びその製造方法
JPH11349322A (ja) 活性シリカの製造方法
JP2000093705A (ja) 活性シリカ、その製造方法及び保存方法
US1747177A (en) Ferric alumina
JPH10230102A (ja) 鉄含有ポリ塩化アルミニウム水溶液の製造方法
Okura et al. Fundamentals in the Use of Activated Silica in Water Purification
RU2122973C1 (ru) Способ получения твердого хлоралюминийсодержащего коагулянта (варианты)
US2152942A (en) Coagulant

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090320

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100320

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110320

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110320

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120320

Year of fee payment: 14

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120320

Year of fee payment: 14