JP2758626B2 - 回転磁気ヘッド装置におけるロータリートランスと磁気ヘッドとの接続構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ビデオテープレコーダ（VTR）等に使用さ
れる回転磁気ヘッド装置に係り、詳しくは、そのロータ
リートランスと磁気ヘッドとの接続構造に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

回転磁気ヘッド装置におけるロータリートランスは、
一般に、円板状のロータリートランスロータおよびロー
タリートランスステータを対向配置に有して成り、両者
間に一定の空隙を確保するようになっている。しかし、
この空隙を一定に確保するのが比較的困難であることか
ら、ロータリートランスロータおよびロータリートラン
スステータの双方を円筒状に形成し、両者を嵌合すると
共に相対回転自在に設けることが考えられている。この
場合、ロータリートランスロータとロータリートランス
ステータとの間に形成される空隙の精度は、各々の内径
外径の精度に依存するため、当該空隙の一定確保が格段
に容易になる。

このような回転磁気ヘッド装置において、第３図に示
すように、下ドラム26の中心部に形成された貫通孔には
上下一対の玉軸受け28・28が嵌装されており、この玉軸
受け28・28にてシャフト27が回転自在に支持されてい
る。シャフト27の下端側には、振動やジッタを除去して
精密な回転速度を維持するために下側の玉軸受け28に対
しスラスト方向に予圧をかける予圧カラー29が嵌着され
ている。また、この予圧カラー29の外周側には、当該予
圧カラー29と共にシャフト27を回転させるモータ35が配
設されている。

シャフト27の上端側には、このシャフト27と同体回転
するようにディスク23が設けられており、ディスク23の
上端面には、このディスク23と同体回転するように上ド
ラム22が装着されている。上ドラム22の下端面外周側に
は、第４図にも示すように、４つの磁気ヘッド21…が90
゜間隔で円周状に取り付けられている。各磁気ヘッド21
は、そのヘッドベース21a上に２つの磁気ヘッドチップ2
1b・21cを有しているので、磁気ヘッド21…全体のヘッ
ド数は８となっている。また、上ドラム22の下端面外周
側には、回転消去用ヘッド30が取り付けられている。従
って、回転磁気ヘッド装置は、合計９ヘッド構成となっ
ている。

一方、ロータリートランス31におけるロータリートラ
ンスロータ31aおよびロータリートランスステータ31b
は、互いに嵌合し得る円筒形状に形成されており、上記
のロータリートランスロータ31aは上ドラム22に、ロー
タリートランスステータ31bは下ドラム26にそれぞれ固
設されている。

ここで、ロータリートランスロータ31aと磁気ヘッド2
1との電気的な接続を以下のようにして行うことが考え
られている。即ち、ロータリートランスロータ31aに固
着されたロータリートランスホルダー32に中継ピン33…
を圧入し、各中継ピン33の一端側33aにロータリートラ
ンスロータ31aにおける巻線の終端部を絡めて半田付け
する一方、他端側を磁気ヘッド21のヘッドベース21a上
に形成されたランド21d…に接触させて半田付けを行う
という構造である。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところが、このように構造においては、中継ピン33…
の突出量にバラツキが生じ易く、例えば、磁気ヘッド21
側において突出量が規定値より長いものがあると、当該
中継ピン33が磁気ヘッド21のヘッドベース21aによって
押され、ロータリートランスホルダー32を介してロータ
リートランスロータ31aに力が加わり、このロータリー
トランスロータ31aの位置がずれてしまう。一方、上記
の突出量が規定値より短いものがあると、当該中継ピン
33の他端側がヘッドベース21aのランド21d…から離れて
しまい、半田付け不良が生じ易くなる。特に、前述のよ
うに多ヘッド化された回転磁気ヘッド装置においては、
中継ピン33…の数が多いことから、中継ピン33…の突出
量にバラツキが生じ易く、上記問題を生じがちになるこ
とが予想される。従って、上記のバラツキによる不都合
が生じないロータリートランスロータ31aと磁気ヘッド2
1との電気的な接続構造が求められている。

〔課題を解決するための手段〕

本発明に係る回転ヘッド装置におけるロータリートラ
ンスと磁気ヘッドとの接続構造は、上記の課題を解決す
るために、磁気ヘッドと、該磁気ヘッドをその下端面に
有する上ドラムと、上記磁気ヘッドと外部回路との間で
信号伝達を行うロータリートランスとを備えてなり、か
つ、上記ロータリートランスが、円筒形状のロータリー
トランスステータと、上ドラムに直接的に取り付けら
れ、該ロータリートランスステータに外嵌された状態で
相対回転する円筒形状のロータリートランスロータとか
らなる回転磁気ヘッド装置において、上記ロータリート
ランスロータの外壁に支持され、かつ、該ロータリート
ランスロータに電気的に接続された中継ホルダーと、該
中継ホルダーと上記磁気ヘッドとの間で、かつ、上記上
ドラムの下端面に、上記ロータリートランスロータと同
心円状に配設された、柔軟性を有する略平面状のフレキ
シブルプリント基板とを備え、上記中継ホルダーの端子
部と、上記磁気ヘッドのヘッドベースにおけるランド部
とを、上記フレキシブルプリント基板で電気的に接続す
ることを特徴としている。

〔作用〕

上記の構成によれば、ロータリートランスロータに電
気的に接続された中継ホルダーと磁気ヘッドとの間で、
かつ、上ドラムの下端面に、ロータリートランスロータ
と同心円状に、柔軟性を有する略平面状のフレキシブル
プリント基板が配設され、このフレキシブルプリント基
板により、中継ホルダーの端子部と、上記磁気ヘッドの
ヘッドベースにおけるランド部とが電気的に接続されて
いる。上記フレキシブルプリント基板は、柔軟性に優れ
ており、従って、上記中継ホルダーと磁気ヘッドのヘッ
ドベースにおけるランド部との間の距離にバラツキがあ
る場合においても、その柔軟性にて上記のバラツキを吸
収して確実な接続状態を得ることができる。それゆえ、
上記のバラツキによる不都合を招来することなく、ロー
タリートランスと磁気ヘッドとを確実に接続することが
できる。

〔実施例〕 本発明の一実施例を第１図および第２図に基づいて説
明すれば、以下の通りである。

第１図に示すように、本実施例に係る回転磁気ヘッド
装置は、下ドラム７が固定状態に設けられている。下ド
ラム７の中心部には、上下方向に貫通する貫通孔7aが形
成されている。この貫通孔7aには、上下一対の玉軸受け
８・８が嵌装されており、これら玉軸受け８・８にてシ
ャフト５が回転自在に支持されている。また、下ドラム
７の外周面には、所定角度だけ巻付けられる磁気テープ
（図示せず）の走行状態を一定に保持し案内するテープ
ガイド（図示せず）が形成されている。

シャフト５の下端側には、振動やジッタを除去して精
密な回転速度を維持するために下側の玉軸受け８に対し
スラスト方向に予圧をかける予圧カラー９が嵌着されて
いる。また、この予圧カラー９の外周側には、当該予圧
カラー９と共にシャフト５を回転させるダイレクトドラ
イブモータ10が配設されている。このダイレクトドライ
ブモータ10は、下ドラム７に固着されたステータ部10a
と、前記の予圧カラー９に固着されたロータ部10bとか
らなっている。

シャフト５の上端側には、このシャフト５と同体回転
するようにディスク６が設けられており、ディスク６に
は、このディスク６上端面に当接しこれと同体回転する
ように上ドラム２が螺子12にて装着されている。上ドラ
ム２における前記下ドラム７と対向する側の中央部に
は、凹部2aが形成されており、その内径は上記のディス
ク６の外径よりも大きくなっており、このディスク６と
の間で後述のロータリートランス３を収容し得る空間を
形成している。また、上ドラム２の下端面外周側には、
第２図にも示すように、４つの磁気ヘッド１…が90゜間
隔で円周状に取り付けられている。各磁気ヘッド１は、
そのヘッドベース1a上に２つの磁気ヘッドチップ1b・1c
を有しているので、磁気ヘッド１…全体のヘッド数は８
となっている。また、上ドラム２の下端面外周側には、
回転消去用ヘッド15が取り付けられている。従って、回
転磁気ヘッド装置は、合計９ヘッド構成となっている。

第２図に示すように、磁気ヘッド１と中継ホルダー４
との間には、柔軟性に優れたフィルム状のフレキシブル
プリント基板（以下、FPCと称する）16が介設されてい
る。FPC16は、第１図および第２図から明らかなよう
に、略平面状に形成されており、上ドラム２の下端面に
設けられている。また、FPC16は、第２図から明らかな
ように、ロータリートランスロータ3aと同心円状に配設
されている。

FPC16には、磁気ヘッド１…のランド部1d… に対応するランド部16a… が形成されていると共に、中継ホルダー４における端子
部4a…に対応するランド部16b… が形成されている。

各端子部4aには、ロータリートランスロータ3aの巻線
終端部が絡められて半田付けされている。そして、磁気
ヘッド１…におけるランド部1d…と上記のランド部16a
…とが半田にて電気的に接続されており、中継ホルダー
４における端子部4a…と上記のランド部16b…とが半田
にて同様に電気的に接続されている。なお、回転消去用
ヘッド15におけるランド部とこれに対応する中継ホルダ
ー４の端子部との接続も上述のFPC16によって行われて
いる。

中継ホルダー４における他端側の端子部は、ロータリ
ートランスロータ3aに電気的に接続されている。ロータ
リートランスロータ3aは円筒形状をなしており、その外
壁側で上記凹部2aの周壁に固着されると共に、同じくそ
の外壁側で上記の中継ホルダー４を支持している。ロー
タリートランスロータ3aの内部には、円筒形状を有する
ロータリートランスステータ3bが上記ロータリートラン
スロータ3aの内壁との間に所定の空隙を有して固定され
ている。上記ロータリートランスロータ3aは、ロータリ
ートランスステータ3bに対し相対回転可能である。これ
らロータリートランスロータ3aおよびロータリートラン
スステータ3bにより、前記の回転する磁気ヘッド１と固
定状態の図示しない外部回路との間で信号伝達を行うロ
ータリートランス３が構成される。ロータリートランス
ステータ3bは、下ドラム７の中央部に形成されて前記の
玉軸受け８を支持している円筒部7bの外側に嵌合固着さ
れている。そして、上記ロータリートランスステータ3b
の下端部からは、図示しない外部回路との間で信号の中
継を行う中継基板11が延設されている。

上記ダイレクトドライブモータ10の駆動によりシャフ
ト５が回転すると、この回転に伴って、ディスク６、上
ドラム２、磁気ヘッド１…、およびロータリートランス
ロータ3aが同体的に回転することになる。上ドラム２お
よび下ドラム７の外周側には、図示しない磁気テープが
所定角度で巻付けられた状態で走行しており、この磁気
テープ上を前記の磁気ヘッド１…が走査して信号の記録
再生を行うことになる。例えば、信号の再生において
は、磁気ヘッド１にて検出された信号は、ヘッドベース
1aのランド部1d…→柔軟性を有するFPC16→中継ホルダ
ー４を介してロータリートランスロータ3aに供給された
後、このロータリートランスロータ3aと密結合している
ロータリートランスステータ3bにて受け取られ、前記の
中継基板11を経て図示しない外部回路に供給される。こ
れにより、信号の再生が行われる。信号の記録は、これ
とほぼ逆の過程で行われることになる。

上記構成の回転磁気ヘッド装置は、以上のように、上
ドラム２の下端面にロータリートランスロータ3aと同心
円状に、中継ホルダー４における端子部4a…とヘッドベ
ース1aにおけるランド部1d…とを電気的に接続する略平
面状のFPC16が配設されている。このFPC16は柔軟性に優
れており、従って、上記端子部4a…とランド部1d…との
間の距離にバラツキがある場合においても、その柔軟性
にて上記のバラツキを吸収して確実な接続状態を得るこ
とができる。それゆえ、上記のバラツキによる不都合を
招来することなく、ロータリートランスロータ3aと磁気
ヘッド１…とを確実に接続することができる。

〔発明の効果〕

本発明に係る回転磁気ヘッド装置におけるロータリー
トランスと磁気ヘッドとの接続構造は、以上のように、
磁気ヘッドと、該磁気ヘッドをその下端面に有する上ド
ラムと、上記磁気ヘッドと外部回路との間で信号伝達を
行うロータリートランスとを備えてなり、かつ、上記ロ
ータリートランスが、円筒形状のロータリートランスス
テータと、上ドラムに直接的に取り付けられ、該ロータ
リートランスステータに外嵌された状態で相対回転する
円筒形状のロータリートランスロータとからなる回転磁
気ヘッド装置において、上記ロータリートランスロータ
の外壁に支持され、かつ、該ロータリートランスロータ
に電気的に接続された中継ホルダーと、該中継ホルダー
と上記磁気ヘッドとの間で、かつ、上記上ドラムの下端
面に、上記ロータリートランスロータと同心円状に配設
された、柔軟性を有する略平面状のフレキシブルプリン
ト基板とを備え、上記中継ホルダーの端子部と、上記磁
気ヘッドのヘッドベースにおけるランド部とを、上記フ
レキシブルプリント基板で電気的に接続する構成として
いる。

これにより、中継ホルダーの端子部と磁気ヘッドのヘ
ッドベースにおけるランド部との間の距離にバラツキが
ある場合においても、その柔軟性にて上記のバラツキを
吸収して確実な接続状態を得ることができる。それゆ
え、上記のバラツキによる不都合を招来することなく、
ロータリートランスと磁気ヘッドとを確実に接続するこ
とができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明の一実施例を示すものであ
って、第１図は回転磁気ヘッド装置におけるロータリー
トランスと磁気ヘッドとの接続構造を示す断面図、第２
図は磁気ヘッドと中継ホルダーとフレキシブルプリント
基板との接続関係を示す上ドラムの底面図、第３図およ
び第４図は従来例を示すものであって、第３図は回転磁
気ヘッド装置におけるロータリートランスと磁気ヘッド
との接続構造を示す断面図、第４図は磁気ヘッドと中継
ピンとの接続関係を示す上ドラムの底面図である。 １は磁気ヘッド、1aはヘッドベース、1b・1cは磁気ヘッ
ドチップ、1dはランド部、２は上ドラム、３はロータリ
ートランス、3aはロータリートランスロータ、3bはロー
タリートランスステータ、４は中継ホルダー、4aは端子
部、５はシャフト、６はディスク、７は下ドラム、８は
玉軸受け、10はダイレクトドライブモータ、11は中継基
板、16はFPC（フレキシブルプリント基板）である。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気ヘッドと、該磁気ヘッドをその下端面
   に有する上ドラムと、上記磁気ヘッドと外部回路との間
   で信号伝達を行うロータリートランスとを備えてなり、
   かつ、上記ロータリートランスが、円筒形状のロータリ
   ートランスステータと、上ドラムに直接的に取り付けら
   れ、該ロータリートランスステータに外嵌された状態で
   相対回転する円筒形状のロータリートランスロータとか
   らなる回転磁気ヘッド装置において、 上記ロータリートランスロータの外壁に支持され、か
   つ、該ロータリートランスロータに電気的に接続された
   中継ホルダーと、該中継ホルダーと上記磁気ヘッドとの
   間で、かつ、上記上ドラムの下端面に、上記ロータリー
   トランスロータと同心円状に配設された、柔軟性を有す
   る略平面状のフレキシブルプリント基板とを備え、 上記中継ホルダーの端子部と、上記磁気ヘッドのヘッド
   ベースにおけるランド部とを、上記フレキシブルプリン
   ト基板で電気的に接続することを特徴とする回転磁気ヘ
   ッド装置におけるロータリートランスと磁気ヘッドとの
   接続構造。