JP2753353B2 - シアロシルコレステロールのアナログ体及びその製造方法 - Google Patents

シアロシルコレステロールのアナログ体及びその製造方法

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JP2753353B2 JP1302397A JP30239789A JP2753353B2 JP 2753353 B2 JP2753353 B2 JP 2753353B2 JP 1302397 A JP1302397 A JP 1302397A JP 30239789 A JP30239789 A JP 30239789A JP 2753353 B2 JP2753353 B2 JP 2753353B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、シアロシルコレステロールの新規なアナロ
グ体及びその製造方法に関する。本発明のアナログ体
は、従来のシアロシルコレステロールに比べて、毒性を
軽減でき、かつ生体親和性及び効果を増強できることを
期待される化合物である。
〔従来の技術〕
シアロシルコレステロールはコレステロール基を有す
るシアル酸誘導体として公知の化合物である〔例えば、
特開昭61−243096号、同63−63697号参照〕。
そして、シアロシルコレステロールは、神経障害疾患
治療剤及び脱髄性疾患治療剤等として有効である〔例え
ば特開昭62−265229号〕。
ところが、シアロシルコレステロールを上記のごとき
治療剤としての使用について検討すると、毒性、生体親
和性及び効果の点で、必ずしも満足いくものではなかっ
た。
〔発明が解決しようとする課題〕
そこで本発明の目的は、シアロシルコレステロールの
有する優れた特性はそのまま保持し、かつ毒性が軽減さ
れ、生体親和性及び効果の点でさらに優れたシアロシル
コレステロールのアナログ体を提供することにある。
さらに本発明の目的は、上記のごときシアロシルコレ
ステロールのアナログ体の製造方法を提供することにあ
る。
〔課題を解決すべき手段〕
本発明は、下記一般式〔1〕及び〔2〕で表わされる
化合物に関する。
(式中、R1は水素、アセチル基又はトリチル基を示
し、 R2は水素、アセチル基又は (式中、R5は水素又はアセチル基を示すか、2つのR5
が共同で を形成する)を示し、R3及びR4はそれぞれ独立に水素又
はアセチル基を示し、Cholはコレステロール基を示す) さらに本発明は、下記一般式〔3〕及び〔4〕で表わ
される化合物に関する。
(式中、R7は水素又はメチル基を示し、R8は水素又はア
セチル基を示し、Acはアセチル基を示し、R10はChol又
(式中R11は水素又はアセチル基を示し、Cholはコレス
テロール基を示す)を示す。) 本発明の別の態様は、式(VIII)で表わされる化合物 (式中、Acはアセチル基を示し、Cholはコレステロール
基を示す)と 式(IX)で表わされるシアル酸誘導体 (式中、Acはアセチル基を示し、Meはメチル基を示す)
とを反応させることを含む、式(X)及び(XI)で表わ
される化合物の製造方法に関する。
(式(X)及び(XI)中、Acはアセチル基を示し、Meは
メチル基を示し、Cholはコレステロール基を示す) さらに、式(XIX)で表わされる化合物 (式中、Acはアセチル基を示し、Cholはコレステロール
基を示す)と式(IX)で表わされるシアル酸誘導体 (式中、Acはアセチル基を示し、Meはメチル基を示す)
又は、式(XXI)で表わされるシアル酸誘導体 (式中、Acはアセチル基を示し、Meはメチル基を示す)
とを反応させることを含む、式(XXII)及び(XXIII)
で表わされる化合物の製造方法に関する。
(式(XXII)及び(XXIII)中、Acはアセチル基を示
し、Meはメチル基を示し、Cholはコレステロール基を示
す) 以下本発明についてスキーム1〔化合物(III)、(I
V)、(V)、(VI)、(VII)及び(VIII)〕、スキー
ム2〔化合物(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(X
IV)及び(XV)〕並びにスキーム3〔化合物(XVII)、
(XVIII)、(XIX)、(XX)、(XXII)及び(XXII
I)〕に基づいて説明する。
尚、本明細書中Acはアセチル基を示し、Meはメチル基
を示し、Cholは下記コレステロール基を示す。
化合物(III)及び(IV)は、化合物(I)及びコレ
ステロール(II)を反応させることにより得られる。化
合物(I)は、C.S.ハドソン(Hudson)らの方法〔J.A.
C.S.,Vol 47,p2052〕に従って合成することができる。
ブロモ体である化合物(I)の代りに他のハロゲン置換
体(例えば、フッ素置換体)を使用することもできる。
化合物(I)と(II)の反応は、AgOTf/SnCl2、BF2・Et
2O/Et3N等の触媒の存在下、0℃〜室温で20分〜24時間
攪拌することにより行なうことが好適である。尚、コレ
ステロール(II)は化合物(I)に対して約1〜3当量
倍用いることが良好な収率を得るという観点から好まし
い。
化合物(IV)は、常法により脱アセチル化することに
より化合物(V)とすることができる。脱アセチル化剤
としてはMeONa、NaOH等を例示できる。
化合物(V)は、ベンズアルデヒドと塩化亜鉛(II)
の存在下で反応させることにより化合物(VI)を得るこ
とができる。この反応は室温付近で1〜10時間攪拌する
ことにより行なうことができる。
化合物(VI)はピリジンの存在下無水酢酸等でアセチ
ル化することにより化合物(VII)を得ることができ
る。この反応は室温付近で1〜10時間攪拌することによ
り得ることができる。
化合物(VII)は、脱ベンジル化を行なうことにより
化合物(VIII)を得ることができる。この反応は、例え
ば酢酸水溶液中で1〜10時間還流することにより実施で
きる。
尚、化合物(V)→(VI)→(VII)→(VIII)の各
工程は、メソド・イン・カーボハイドレート・ケミスト
リー(Methods in Carbohydrate Chemistry)Vol I、II
を参照して行なうことができる。
化合物(VIII)はN−アセチルノイラミン酸アセテー
トメチルエステル(IX)と反応させることにより化合物
(X)及び(XI)を得ることができる。この反応は、Ag
OTf/SnCl2、AgOTf/NaHPO3等の触媒の存在下、約17〜25
℃の温度で5〜12日間攪拌することにより行なうことが
できる。N−アセチルノイラミン酸誘導体(IX)は、ク
ーンの方法〔Kuhn R.ら(1966)Chem.Ber.、99、611−1
7〕により合成することができる。又、誘導体(IX)は
クロロ置換体であるが、クロロ置換体以外にフルオロ置
換体等のハロゲン置換体も用いることができる。N−ア
セチルノイラミン酸誘導体(IX)の使用量は、化合物
(VIII)に対して1〜2当量倍とすることが適当であ
る。
化合物(X)及び(XI)は、それぞれ常法(例えばMe
ONaを用いる方法)により脱アセチル化することにより
化合物(XII)及び(XIII)を得ることができる。化合
物(XII)及び(XIII)は、それぞれ常法(例えばNaOH
を用いる方法)によりケン化して化合物(XIV)及び(X
V)を得ることができる。
化合物(XVII)は、化合物(XVI)及びコレステロー
ル(II)を反応させることにより得られる。化合物(XV
I)は、T.向山らの方法〔Chem.Letter,p431(1981
年)〕に従って合成することができる。フッ素置換体で
ある化合物(XVI)の代りに他のハロゲン置換体(例え
ば、ブロモ置換体)を使用することもできる。化合物
(XVI)と(II)の反応は、AgOTf/SnCl2、BF2・Et2O/E
t3N、AgOTf/Na2HPO3等の触媒の存在下、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、エーテル等の溶媒中、0℃〜30℃で
20分〜2時間攪拌することにより行なうことが好適であ
る。尚、コレステロール(II)は化合物(XVI)に対し
て約1〜3当量倍用いることが良好な収率を得るという
観点から好ましい。
化合物(XVII)は、常法(脱アセチル化剤:MeONa、Na
OH等:0〜30℃)により脱アセチル化し、次いでピリジン
中でトリチルクロライドと反応させて化合物(XVIIa)
を得る〔実施例12参照〕。
化合物(XVIIa)はピリジンの存在下無水酢酸等でア
セチル化することにより化合物(XVIII)を得ることが
できる。この反応は室温付近で1〜3日間攪拌すること
により得ることができる。
化合物(XVIII)は、脱トリチル化を行なうことによ
り化合物(XIX)を得ることができる。この際副生物と
して化合物(XX)が得られる。この反応は、例えば酢酸
水溶液中で5分〜2時間加熱することにより実施でき
る。
化合物(XIX)はN−アセチルノイラミン酸アセテー
トメチルエステル(IX)又は(XXI)と反応させること
により化合物(XXII)及び(XXIII)を得ることができ
る。この反応は、AgOTf/SnCl2、AgOTf/NaHPO3等の触媒
の存在下、室温で1〜24時間攪拌することにより行なう
ことができる。この反応の際に化合物(XXIV)が副生す
る。N−アセチルノイラミン酸誘導体(IX)及び(XX
I)は、クーンの方法〔Kuhn R.ら(1966)Chem.Ber.9
9、611−17〕により合成することができる。N−アセチ
ルノイラミン酸誘導体(IX)又は(XXI)の使用量は、
化合物(XIX)に対して1〜2当量倍とすることが適当
である。
化合物(XII)及び(XIII)は、それぞれ常法(例え
ばMeONaを用いる方法)により脱アセチル化し、常法
(例えばNaOHを用いる方法)によりケン化することによ
り化合物(XXV)及び(XXVI)を得ることができる。
〔有用性〕 本発明の化合物(ラクトシルコレステロール)(II
I)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)及び(VIII)は
新規化合物であり、シアロシルラクトシルコレステロー
ル(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)及び
(XV)の合成中間体として有用である。さらに化合物
(XVII)、(XVIII)、(XIX)は新規化合物であり、シ
アロシルコレステロールのアナログ体である新規化合物
(XXII)、(XXIII)、(XXV)及び(XXVI)の合成中間
体として有用である。
又、本発明の新規なシアロシルラクトシルコレステロ
ール等(シアロシルコレステロールのアナログ体)は、
シアロシルコレステロールより毒性が低く、生体親和性
及び効果(例えば神経障害疾患治療効果、脱髄性疾患治
療効果)の点で優れた化合物であることが期待される。
〔実施例〕
以下本発明を実施例によりさらに説明する。
実施例1 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクト
ピラノシル−(1→4)−3,6−ジ−O−アセチル−1
−(5−コレステン−3β−イルオキシ)−α−D−グ
ルコピラノース(III)及び2,3,4,6−テトラ−O−アセ
チル−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−2,3,
6−トリ−O−アセチル−1−(5−コレステン−3β
−イルオキシ)−β−D−グルコピラノース(IV)の製
造方法。
アルゴンガス下、AgOTf5.09g(0.0198mol)とSnCl23.
76g(0.0198mol)に無水ジクロロメタン50mlを加え、銀
塩が溶解後、モレキュラーシーブ(MS)4A 6.5g、コレ
ステロール(II)6.36g(0.0165mol)を加え、遮光下、
冷却し、5分間攪拌した。これに化合物(I)11.55g
(0.0165mol)を加え、25分間攪拌後、濾過し、飽和NaH
CO3水溶液、飽和NaCl水溶液で洗浄し、無水Na2SO4で乾
燥し、溶媒を留去した。残査をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=2:3)で分離精
製し、化合物(III)及び(IV)をそれぞれ酢酸エチル
/ヘキサンから再結晶して、それぞれ無色針状晶を得た
(収率:化合物(III)23%、化合物(IV)15%)。
<化合物(III)の物性値> 融点:182〜183℃(dec)。
FAB−MS(m/z):985(M++Na)。1 H−NMR(CDCl3)δ:(グルコース成分)4.97(1H,d,J
=4.5Hz,H−1),3.50(1H,ddd,J=12,10,4,5Hz,H−
2),5.21(1H,dd,J=10,10Hz,H−3),3.63(1H,dd,J
=10,10Hz,H−4),3.99(1H,ddd,J=10,5,2Hz,H−
5),4.40(1H,dd,J=12,2Hz,H−6),4.11(1H,dd,J=
12,5Hz,H−6′),(ガラクトース成分)4.49(1H,d,J
=8Hz,H−1′),5.12(1H,dd,J=10,8Hz,H−2),4.95
(1H,dd,J=10,4Hz,H−3),5.34(1H,dd,J=3,1Hz,H−
4),3.86(1H,ddd,J=7.5,6,1Hz,H−5),4.17(1H,d
d,J=10,6Hz,H−6),4.06(1H,dd,J=10,7.5Hz,H−
6′),(コレステロール成分)3.44(1H,m,H−3),
5.34(1H,br,H−6),0.65(3H,s,Me−18),1.00(3H,
s,Me−19),0.90(3H,d,J=6.5Hz,Me−21),0.86,0.84
(3H,×2,d,J=1.5Hz,Me−26,27)。
<化合物(IV)の物性値> 融点:160〜188℃(dec)。
FAB−MS(m/z):1027(M++Na)。1 H−NMR(CDCl3)δ:(グルコース成分)4.54(1H,d,J
=7Hz,H−1),4.86(1H,dd,J=9.7Hz,H−2),5.18(1
H,dd,J=9,9Hz,H−3),3.77(1H,dd,J=9,9Hz,H−
4),3.58(1H,ddd,J=9,5,2Hz,H−5),4.44(1H,dd,J
=11,2Hz,H−6),4.09(1H,dd,J=11,5Hz,H−6′),
(ガラクトース成分)4.47(1H,d,J=8Hz,H−1),5.10
(1H,dd,J=10,8Hz,H−2),4.94(1H,dd,J=10,3Hz,H
−3),5.34(1H,dd,J=3,1.5Hz,H−4),3.86(1H,dd
d,J=7,7,1.5Hz,H−5),4.13(1H,dd,J=11,7Hz,H−
6),4.07(1H,dd,J=11,7Hz,H−6′),(コレステロ
ール成分)3.44(1H,m,H−3),5.34(1H,br,H−6),
0.66(3H,s,Me−18),0.97(3H,s,Me−19),0.90(3H,
d,J=6Hz,Me−21),0.86,0.84(3H,×2,d,J=2Hz,Me−2
6,27)。
実施例2 O−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−1−
(5−コレステン−3β−イルオキシ)−β−D−グル
コピラノース(V)の製造方法 実施例1で合成した化合物(IV)800mg(0.8mmol)を
無水メタノール300mlに溶解し、28%MeONa(メタノール
溶液)0.5mlを加え、室温で4時間攪拌した。析出した
結晶を濾取乾燥し、無色粉末476mg(化合物(V)、収
率84%)を得た。さらに濾液をDowex50W−X8(H+)樹脂
で中和して、濾過し濃縮することにより無色粉末52mg
(化合物(V)、収率9%)を得た。
<化合物(V)の物性値> 融点:265℃(dec) 元素分析(C39H66O11) 計算値;C,65.89;H,9.36 実測値;C,65.34;H,9.301 H−NMR(MeOD−d4)δ:(グルコース成分)4.41(1H,
d,J=7.5Hz,H−1),(ガラクトース成分)4.35(1H,
d,J=7.5Hz,ガラクトースH−1),(コレステロール
成分)3.39(1H,br,H−3),5.36(1H,br,H−6),0.71
(3H,s,Me−18),0.99(3H,s,Me−19),0.95(3H,d,J=
6.5Hz,Me−21),0.90,0.88(3H×2,d,J=1.5Hz,Me−26,
27)。
実施例3 4,6−O−ベンジリデン−β−D−ガラクトピラノシ
ル−(1→4)−1−(5−コレステン−3β−イルオ
キシ)−β−D−グルコピラノース(VI)の製造方法 実施例2で合成した化合物(V)400mg(0.56mmol)
とZnCl2384mg(2.8mmol)にベンズアルデヒド8mlを加
え、室温で4時間攪拌した。これを氷水に流し込み、水
相を除去後、酢酸エチルを加え懸濁した。これを濾取
後、乾燥し、無色粉末315mg(化合物(VI)、収率70
%)を得た。
<化合物(VI)の物性値> 融点:210〜213℃(dec)。
FAB−MS(m/z):822(M++Na+1)。
実施例4 2,3−ジ−O−アセチル−4,6−O−ベンジリデン−β
−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−2,3,6−トリ
−O−アセチル−1−(5−コレステン−3β−イルオ
キシ)−β−D−グルコピラノース(VII)の製造方法 実施例3で合成した化合物(VI)300mg(0.376mmol)
に無水酢酸1mlとピリジン1mlを加え、室温で3時間攪拌
した。これを氷水に流し込み、析出した結晶を濾取、乾
燥し、無色粉末349mg(化合物(VII)、収率92%)を得
た。
<化合物(VII)の物性値> 融点:210〜220℃(dec)。
FAB−MS(m/z):1047(M++Na)。
実施例5 2,3−ジ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシ
ル−(1→4)−2,3,6−トリ−O−アセチル−1−
(5−コレステン−3β−イルオキシ)−β−D−グル
コピラノース(VIII)の製造方法 実施例4で合成した化合物(VII)300mg(0.3mmol)
に80%酢酸水溶液15mlを加え、3時間還流した。これに
トルエンを加え、減圧下、溶媒留去後、残査にヘキサン
を加え無色粉末258mg(化合物(VIII)、収率94%)を
得た。
<化合物(VIII)の物性値> 融点:170〜176℃(dec)。
FAB−MS(m/z):943(M++Na)。1 H−NMR(CDCl3)δ:(グルコース成分)4.55(1H,d,J
=8Hz,H−1),(ガラクトース成分)4.47(1H,d,J=8
Hz,H−1),3.80(1H,br,OH−4),3.46(1H,br,OH−
6),(コレステロール成分)3.43(1H,m,H−3),5.3
3(1H,br,H−6),0.65(3H,s,Me−18),0.96(3H,s,Me
−19),0.89(3H,d,J=6.5Hz,Me−21),0.85,0.84(3H
×2,J=2.0Hz,Me−26,27)。
実施例6 O−〔メチル(5−アセトアミド−4,7,8,9−テトラ
−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α
−D−ガラクト−ノニュロピラノシル)オネート〕−
(2→6)−ジ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラ
ノシル−(1→4)−2,3,6−トリ−O−アセチル−1
−(5−コレステン−3β−イルオキシ)−β−D−グ
ルコピラノース(X)及びO−〔メチル(5−アセトア
ミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキ
シ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−ノニュロピラノ
シル)オネート〕−(2→6)−ジ−O−アセチル−β
−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−2,3,6−トリ
−O−アセチル−1−(5−コレステン−3β−イルオ
キシ)−β−D−グルコピラノース(XI)の製造方法 実施例5で合成した化合物(VIII)500mg(0.543mmo
l)と化合物(IX)540mg(1.08mmol)を無水ジクロロメ
タン20mlに溶解し、モレキュラーシーブ(MS)4A 1.25g
を加え、室温で10分間攪拌した。これにAgOTf280mg(1.
09mmol)とNaHPO3150mg(1.06mmol)を加え、遮光下、
室温で10日間攪拌した後、濾過し、濾液を飽和NaHCO3
溶液、飽和NaCl水溶液で洗浄して、無水Na2SO4で乾燥し
た。溶媒を留去して、シリカゲルクロマトグラフィー
(クロロホルム/メタノール=25:1)、続いて溶媒を
(酢酸エチル/ヘキサン=5:1)に変えて精製し、さら
にローバーカラムクロマトグラフィー(MERCK社製)
(クロロホルム/メタノール=50:1)で分離精製を行な
い、化合物(X)53mg(7%)及び化合物(XI)21mg
(3%)をそれそれ無水粉末として得た。
<化合物(X)の物性値> 融点:127〜130℃(dec)。
▲〔α〕29 D▼−16.4°(C=1,CHCl3)。
FAB−MS(m/z):1417(M++Na+1)。1 H−NMR(CDCl3)δ:(シアル酸成分)1.97(1H,dd,J
=12,8Hz,H−3ax),2.55(1H,dd,J=12,5Hz,H−3eq),
5.28(1H,ddd,J=10,8.5Hz,H−4),4.05(1H,ddd,J=1
2,10,9.5Hz,H−5),4.34(1H,dd,J=12,2.5Hz,H−
6),5.25(1H,dd,J=10,2.5Hz,H−7),5.27(1H,ddd,
J=10,6.5Hz,H−8),4.88(1H,dd,J=12,5Hz,H−9),
4.03(1H,dd,J=12,6Hz),5.31(1H,d,J=9.5Hz,NHCOOC
H3),4.81(3H,s,NHCOOCH 3),(ガラクトース成分)4.
47(1H,d,J=8Hz,H−1),5.17(1H,dd,J=11,8Hz,H−
2),4.85(1H,dd,J=11,3Hz,H−3),4.06(1H,d,J=3
Hz,H−4),3.63(1H,dd,J=6.5,6.5Hz,H−5),3.79
(1H,dd,J=10,6.5Hz,H−6),3.75(1H,dd,J=10,6.5H
z,H−6′),4.06(1H,s,OH−4),(グルコース成
分)4.53(1H,d,J=8Hz,H−1),4.85(1H,dd,J=9.5,8
Hz,H−2),5.16(1H,dd,J=9.5,9.5Hz,H−3),3.76
(1H,dd,J=10,9.5Hz,H−4),3.58(1H,ddd,J=10,5.
5,2Hz),4.43(1H,dd,J=12,2Hz),4.12(1H,dd,J=12,
5.5Hz,H−6′),(コレステロール成分)3.43(1H,m,
H−3),5.33(1H,dd,J=4,1.5Hz,H−6),0.66(3H,s,
Me−18),0.89(3H,d,J=6.5Hz,Me−21),0.86,0.84(3
H×2,d,J=1.5Hz),Me−26,27)。
元素分析(C69H103NO28) 計算値:C,59.43;H,7.45;N:1.00 実測値:C,59.01;H,7.31;N:1.30 <化合物(XI)の物性値> 融点:124〜126℃(dec)。
▲〔α〕29 D▼−13.2°(C=1,CHCl3)。
FAB−MS(m/z):1417(M++Na+1)。1 H−NMR(CDCl3)δ:(シアル酸成分)1.79(1H,dd,J
=13,11Hz,H−3ax),2.46(1H,dd,J=13.5Hz,H−3eq),
5.31(1H,ddd,J=11,11,5Hz,H−4),3.76(1H,ddd,J=
11,11,9Hz,H−5),4.26(1H,dd,J=11,2Hz,H−6),5.
34(1H,dd,J=3,2Hz,H−7),5.26(1H,ddd,J=8,3,2H
z,H−8),4.70(1H,dd,J=12,2Hz,H−9),4.17(1H,d
d,J=12.5,8Hz,H−9′),6.10(1H,d,J=9Hz,NHCOOC
H3),3.81(3H,s,NHCOOCH 3),(ガラクトース成分)4.
44(1H,d,J=8Hz,H−1),5.17(1H,d,J=10.5,8Hz,H−
2),4.88(1H,dd,J=10.5,3Hz,H−3),4.19(1H,d,J
=3Hz,H−4),3.40(1H,dd,J=8,4.5Hz,H−5),3.80
(1H,dd,J=9.5,8Hz,H−6),3.70(1H,dd,J=9.5,4.5H
z,H−6′),3.81(1H,s,OH−4),(グルコース成
分)4.53(1H,d,J=8Hz,H−1),4.82(1H,dd,J=10,8H
z,H−2),5.14(1H,dd,J=10,8Hz,H−3),3.75(1H,d
d,J=10,8Hz,H−4),3.55(1H,ddd,J=10,5,2Hz,H−
5),4.43(1H,dd,J=12,2Hz,H−6),4.10(1H,dd,J=
12,5Hz,H−6′),(コレステロール成分)3.43(1H,
m,H−3),5.34(1H,d,J=8.5Hz,H−6),0.65(3H,s,M
e−18),0.90(3H,d,J=6.5Hz,Me−21),0.86,0.84(3H
×2,d,J=2Hz,Me−26,27)。
元素分析(C69H103NO28) 計算値:C,59.43;H,7.45;N:1.00 実測値:C,59.08;H,7.41;N:1.10 実施例7 O−〔メチル(5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ
−D−グリセロ−α−D−ガラクト−ノニュロピラノシ
ル)オネート)〕−(2→6)−O−β−D−ガラクト
ピラノシル−(1→4)−1−(5−コレステン−3β
−イルオキシ)−β−D−グルコピラノース(XII)の
製造方法 実施例6で合成した化合物(X)100mg(0.072mmol)
を無水メタノール10mlに溶解し、28%MeONa(メタノー
ル溶液)0.5mlを加え、室温で3時間攪拌した。これをD
owex50W−X8〔H+]で脱Naイオンして、濾過し、濃縮す
る事により、無色の粉末68mg(XII、収率93%)を得
た。
<化合物(XII)の物性値> 融点:205〜217℃(dec)。
▲〔α〕29 D▼−28.6℃(C=0.37,MeOH)。1 H−NMR(MeOD−d4)δ:(グルコース成分)4.42(1H,
d,J=8,H−1),(ガラクトース成分)4.32(1H,d,J=
7Hz,H−1),(シアル酸成分)2.64(1H,dd,J=12.5,
4.5Hz,H−3eq),1.80(1H,dd,J=12.5,12Hz,H−3ax),
3.83(3H,s,COOCH3),1.98(3H,s,NHCOCH3),(コレス
テロール成分)3.40(1H,br,H−3),5.36(1H,br,H−
6),0.71(3H,s,Me−18),1.02(3H,s,Me−19),0.94
(3H,d,J=6.5Hz,Me−21),0.88,0.86(3H×2,d,J=1.5
Hz,Me−26,27)。
元素分析(C51H85No19) 計算値:C,60.28;H,8.43;N:1.38 実測値:C,59.97;H,8.42;N:1.62 実施例8 O−〔メチル−(5−アセトアミド−3,5−ジデオキ
シ−D−グリセロ−β−D−ガラクト−ノニュロピラノ
シル)オネート〕−(2→6)−O−β−D−ガラクト
ピラノシル−(1→4)−1−(5−コレステン−3β
−イルオキシ)−β−D−グルコピラノース(XIII)の
製造方法 実施例6で合成した化合物(XI)50mg(0.0359mmol)
を無水メタノール5mlに溶解し、28%MeONa(メタノール
溶液)0.2mlを加え、室温で2時間攪拌した。これを実
施例7と同様に処理して、無色の粉末36.7mg(化合物
(XIII)、収率98%)を得た。
<化合物(XIII)の物性値> 融点:210〜220℃(dec)。
▲〔α〕29 D▼−15.1°(C=0.37、MeOH)。1 H−NMR(MeOD−d4)δ:(グルコース成分)4.43(1H,
d,J=8Hz,H−1),(ガラクトース成分)4.33(1H,d,J
=7Hz,H−1),(シアル酸成分)2.49(1H,dd,J=13,5
Hz,H−3eq),1.64(1H,dd,J=13,11Hz,H−3ax),3.80
(3H,s,COOCH3),2.01(3H,s,NHCOCH3),(コレステロ
ール成分)3.43(1H,m,H−3),5.37(1H,br,H−6),
0.71(3H,s,Me−18),1.03(3H,s,Me−19),0.94(3H,
d,J=6.5Hz,Me−21),0.88,0.87(3H×2,d,J=1.5,Me−
26,27)。
元素分析(C51H85No19) 計算値:C,60.28;H,8.43;N:1.38 実測値:C,60.29;H,8.59;N:1.46 実施例9 O−(5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グ
リセロ−β−D−ガラクト−ノニュロピラノシル酸)−
(2→6)−O−β−D−ガラクトピラノシル−(1→
4)−1−(5−コレステン−3β−イルオキシ)−β
−D−グルコピラノース(XIV)の製造方法 実施例7で合成した化合物(XII)34mg(0.0335mmo
l)をメタノール5mlに溶解し、1N−NaOH0.2mlを加え、
1時間30分攪拌した。これをDowex50W−X8で脱Naイオン
して濾過、濃縮して、無色粉末31mg(化合物(XIV)、
収率93%)を得た。
<化合物(XIV)の物性値> 融点:185〜195℃(dec)。
▲〔α〕29 D▼−22.7°(C=0.30、MeOH)。1 H−NMR(MeOD−d4)δ:(グルコース成分)4.43(1H,
d,J=8.0Hz,H−1),(ガラクトース成分)4.33(1H,
d,J=7.5Hz,H−1),(シアル酸成分)2.67(1H,dd,J
=12.5,4.5Hz,H−3eq),1.80(1H,dd,J=12.5,12Hz,H−
3ax),1.99(3H,s,NHCOCH3),(コレステロール成分)
3.41(1H,br,H−3),5.36(1H,br,H−6),0.71(3H,
s,Me−18),1.02(3H,s,Me−19),0.94(3H,d,J=7Hz,M
e−21),0.88,0.87(3H,d,J=1.5Hz,Me−26,27)。
元素分析(C50H83No19) 計算値:C,59.92;H,8.35;N:1.40 実測値:C,59.79;H,8.46;N:1.71 実施例10 O−(5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グ
リセロ−β−D−ガラクト−ノニュロピラノシル酸)−
(2→6)−O−β−D−ガラクトピラノシル−(1→
4)−1−(5−コレステン−3β−イルオキシ)−β
−D−グルコピラノース(XV)の製造方法 実施例8で合成した化合物(XIII)20mg(0.0197mmo
l)をメタノール5mlに溶解し、1N−NaOH0.2mlを加え
て、室温で1時間30分攪拌した。これにDowex50W−X8
(H+)を加えて、脱Naイオンして、濾過後、濃縮するこ
とにより無色粉末18.5mg(化合物(XV)、収率94%)を
得た。
<化合物(XV)の物性値> 融点:155〜162℃(dec)。
▲〔α〕29 D▼−17.9°(C=0.29、MeOH)。1 H−NMR(MeOD−d4)δ:(グルコース成分)4.42(1H,
d,J=8.0Hz,H−1),(ガラクトース成分)4.33(1H,
d,J=7.5Hz,H−1),(シアル酸成分)2.47(1H,dd,J
=13.01,5Hz,H−3eq),1.63(1H,dd,J=13.0,11.5Hz,H
−3ax),2.02(3H,s,NHCOCH3),(コレステロール成
分)3.43(1H,br,H−3),5.37(1H,br,H−6),0.72
(3H,s,Me−18),1.03(3H,s,Me−19),0.94(3H,d,J=
6.5Hz,Me−21),0.88,0.86(3H×2,d,J=1.5Hz,Me−26,
27)。
元素分析(C50H83NO19) 計算値:C,59.92;H,8.35;N:1.40 実測値:C,59.90;H,8.43;N:1.58 実施例11 化合物(XVII)の合成 化合物(XVI)4.100g(11.70mmol)とコレステロール
(II)4.525g(11.70mmol)を乾燥CH2Cl2の50mlに溶か
し、更にEt3Nの1.63ml(11.70mmol)を加えて室温にて
アルゴンガス雰囲気下、撹拌しながら、BF3・OEt2の7.4
5ml(11.70mmol×5)を滴下した後、約45分間撹拌しつ
つ反応を行った。反応の終了はTLC(AcOEt/n−ヘキサン
=1:2)にて化合物(XVI)が消失するのを確認すること
により判定した。
反応液は水洗後、飽和のNaH(O3)水溶液にて洗浄、水
洗を繰り返した後、CH2Cl2層を乾燥(無水のNa2SO4
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(AcOEt/n−
ヘキサン=8:1、4:1、2:1)にて分離・精製し、3を3.0
24g得た。化合物(XVII)は、AcOEt/n−ヘキサン系より
再結晶し、無色プリズム晶として得た。
化合物(XVII)の物理恒数 融点:151〜151.5℃ 元素分析(C41H64O10) 計算値:C,68.72;H,8.94 実測値:C,68.58;H,8.971 H−NMR(CDCl3,300MH2) ガラクトース成分 5.375(1H,dd,J=3.4,0.6Hz,H−4) 5.185(1H,dd,J=7.8,10.4Hz,H−2) 5.016(1H,dd,J=10.4,3.4Hz,H−3) 4.472(1H,dd,J=7.8Hz,H−1) 4.180(1H,dd,J=11.0,6.5Hz,H−6) 4.108(1H,dd,J=11.0,6.8Hz,H−6′) 3.881(1H,ddd,J=6.5,6.8,0.6Hz,H−5) コレステロール成分 5.356(1H,m,H−6) 0.980(3H,s,19−Me),0.907(3H,d,J=6.2Hz,21−M
e),0.870,0.846(6H,s×2,26−,27−Me),0.670(3H,
s,18−Me) 実施例12 実施例11で得た化合物(XVII)0.92gを乾燥メタノー
ル100mlに溶解し、28%MeONa(メタノール溶液)を5滴
加え、2時間30分間撹拌し、結晶を濾取し、さらに濾液
をダウエックス50W×8(H+)で中和後濃縮乾固した。
この結晶及び乾固物をピリジン8mlに溶解しトリチルク
ロライド1311mgを加え、33時間撹拌した。この反応液を
氷水中に注ぎ、析出物を濾取、乾燥し、カラムクロマト
グラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1〜5:1)
で分離精製し、化合物(XVIIa)を得た。
この化合物(XVIIa)に無水酢酸2mlとピリジン2mlを
加え溶解し、ジメチルアミノピリジンを少量加え、2日
間撹拌した。これを氷水中に注ぎ、析出した結晶を濾
取、乾燥し、化合物(XVIII)を化合物(XVII)から90
%の収率で得た。
実施例13 化合物(XIX)の合成 実施例12で得た化合物(XVIII)50mgを90%酢酸水溶
液の1.5mlに懸濁、90℃温浴にて、冷却管を付けて約15
分間撹拌し、TLC(AcOEt/n−ヘキサン=1:2)にて反応
の終了を確認した。反応液は冷却後、トルエンを加えて
減圧下留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(AcOEt/n−ヘキサン=1:4,1:2)にて分離精製した。こ
の脱トリチル化反応では、TLC上2成分が認められ、化
合物(XIX)を27.74mg(75.4%)、化合物(XX)を8.09
mg(22.0%)得た。
化合物(XIX)は、FAB−MS(マトリックス:m−NBA+N
aI)でm/z697(M+Na),369、更に1H−NMRから目的と
する6位水酸基がフリーの化合物であることを確認し
た。
化合物(XX)は、化合物(XIX)同様、FAB−MS(マト
リックス:m−NBA+NaI)でm/z697(M+Na),369又1H−
NMRから化合物(XIX)の4位アセチル位が6位に転位し
たと推測される化合物であることが推測された。
実施例14 化合物(XXII)、(XXIII)の合成 方法(A):AgOTfの40.6mg、SnCl2の29.9mg、MS4Aの1
00mgに乾燥ベンゼンの1mlを加えてアルゴンガス雰囲気
下室温にて約30分間撹拌後、実施例13で得た化合物(XI
X)88.7mg(0.132mmol)、および化合物(XXI)78.1mg
(0.158mmol)を乾燥ベンゼンの5mlに溶かして、室温に
て加え、遮光下、約8時間撹拌することにより反応を行
った。反応の終了はTLC(CHCl3/MeOH=30:1)にて化合
物(XXI)が消失したことにより確認した。
反応液は、セライトろ過、酢酸エチルにて洗浄し、ろ
液および洗浄液を飽和NaHCO3水溶液、水、ブラインにて
順次洗浄後、乾燥(無水Na2SO4)し、シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(ベンゼン:アセトン=5:1、2.5:
1)にて分離・精製し、化合物(XXII)と(XXIII)を合
わせて54mg(35.6%)得た。化合物(XXII)と(XXII
I)の生成比はTLC(CHCl3/MeOH=30:1)から、約1:5〜
1:10であった。
更に化合物(XXII)と(XXIII)の分離はTLC分取(CH
Cl3/MeOH=25:1)により行った。
方法(B):実施例13で得た化合物(XIX)176mg(0.26
1mmol)に乾燥CH2Cl2の4mlを加えて溶かし、更にAgOTf
の80mg、NaHPO4の20mg、およびMS4Aの220mgを加えて、
アルゴンガス雰囲気下、室温にて約30分間撹拌後、氷浴
にて、化合物(IX)の160mg(0.313mmol)を乾燥CH2Cl2
の2mlに溶かして加え、遮光下、一晩(18時間)撹拌す
ることにより反応を行った。
反応液の処理方法は(A)法と同様に行い、化合物
(XXII)と(XXIII)とを合わせて、220mg(収率73.4
%)得た。化合物(XXII)と(XXIII)の生成比はTLC
(CHCl3/MeOH=30:1)上から、約1:1であった。更に化
合物(XXII)と(XXIII)はTLC分取により単離した。
物理恒数 FAB−MS(マトリックス:m−NBA+NaI) 化合物(XXII):m/z1171(M+Na+1) 化合物(XXIII):m/z1171(M+Na+1)1 H−NMR(300MHz,CDCl3) 化合物(XXII) (シアル酸成分) 5.35(1H,ddd,J=9.0,6.0,2.5Hz,H−8) 5.273(1H,dd,J=9.0,1.5Hz,H−7) 5.133(1H,d,J=9.5,NH) 4.842(1H,ddd,J=12.6,9.5,4.5Hz,H−4) 4.320(1H,dd,J=12.5,2.5Hz,H−9) 4.080(1H,dd,J=1.5,9.5Hz,H−6) 4.061(1H,dd,J=12.5,6.0Hz,H−9′) 4.017(1H,ddd,J=9.5Hz,H−5) 3.778(3H,s,COOMe) 2.510(1H,dd,J=4.6,12.6Hz,H−3eq) 1.902(1H,t,J=12.6Hz,H−3ax) (ガラクトース成分) 5.423(1H,d,J=3.5Hz,H−4) 5.160(1H,dd,J=8.0,10.5Hz,H−2) 5.052(1H,dd,J=10.5,3.5Hz,H−3) 4.620(1H,d,J=8.0 H−1) 3.911(1H,dd,J=7.5,6.0Hz,H−5) 3.792(1H,dd,J=10.0,6.0Hz,H−6) 3.387(1H,dd,J=10.0,7.5Hz,H−6′) 2.176,2.125,2.111,2.057,2.021,2.011,1.965,1.879,
(24H,s×8,NAc×1,OAc×7) (コレステロール成分) 5.34(1H,m,H−4) 0.975(3H,s,19−Me) 0.912(3H,d,J=6.2Hz,21−Me) 0.868(3H,d,J=1.2Hz,26−or) 0.844(3H,d,J=1.2Hz,27−Me) 0.665(3H,s,18−Me) 化合物(XXIII) (シアル酸成分) 5.711(1H,d,J=10.5Hz NH) 5.335(1H,dd,J=5.0,2.5Hz,H−7) 5.195(1H,ddd,J=12.6,10.5,5.0Hz,H−4) 5.082(1H,ddd,J=25,7.0,5.0Hz,H−8) 4.673(1H,dd,J=12.5,2.5Hz,H−9) 4.145(1H,ddd,J=10.5Hz,H−5) 4.032(1H,dd,J=12.5,7.0Hz,H−9′) 3.813(3H,s,COOMe) 3.533(1H,dd,J=10.5,2.5Hz,H−6) 2.430(1H,dd,J=12.6,5.0Hz,H−3eq) 1.807(1H,t,J=12.6Hz,H−3ax) (ガラクトース成分) 5.586(1H,d,J=3.0Hz,H−4) 5.161(1H,dd,J=10.0,7.5Hz,H−2) 5.086(1H,dd,J=3.0,10.0Hz,H−3) 4.563(1H,d,J=7.5Hz,H−1) 3.855(1H,dd,J=9.0,5.0Hz,H−6) 3.498(1H,dd,J=9.0,5.0Hz,H−6′) 3.352(1H,t,J=9.0Hz,H−5) 2.310,2.143,2.090,2.056,2.029,2.000,1.996,1.891,
(24H,s×8,NAc×1,OAc×7) (コレステロール成分) 5.370(1H,m,H−4) 0.982(3H,s,19−Me). 0.904(3H,d,J=6.3Hz,21−Me) 0.869(3H,d,J=1.2Hz,26−,or) 0.845(3H,d,J=1.2Hz,27−Me) 0.666(3H,s,18−Me)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式〔1〕及び〔2〕で表わされる
    化合物。 (式中、R1は水素、アセチル基又はトリチル基を示し、 R2は水素、アセチル基又は (式中、R5は水素又はアセチル基を示すか、2つのR5
    共同で を形成する)を示し、R3及びR4はそれぞれ独立に水素又
    はアセチル基を示し、Cholはコレステロール基を示す)
  2. 【請求項2】下記一般式〔3〕及び〔4〕で表わされる
    化合物。 (式中、R7は水素又はメチル基を示し、R8は水素又はア
    セチル基を示し、Acはアセチル基を示し、R10はChol又
    (式中R11は水素又はアセチル基を示し、Cholはコレス
    テロール基を示す)を示す。)
  3. 【請求項3】式(VIII)で表わされる化合物 (式中、Acはアセチル基を示し、Cholはコレステロール
    基を示す)と 式(IX)で表わされるシアル酸誘導体 (式中、Acはアセチル基を示し、Meはメチル基を示す)
    とを反応させることを含む、式(X)及び(XI)で表わ
    される化合物の製造方法。 (式(X)及び(XI)中、Acはアセチル基を示し、Meは
    メチル基を示し、Cholはコレステロール基を示す)
  4. 【請求項4】式(XIX)で表わされる化合物 (式中、Acはアセチル基を示し、Cholはコレステロール
    基を示す)と式(IX)で表わされるシアル酸誘導体 (式中、Acはアセチル基を示し、Meはメチル基を示す)
    又は、式(XXI)で表わされるシアル酸誘導体 (式中、Acはアセチル基を示し、Meはメチル基を示す)
    とを反応させることを含む、式(XXII)及び(XXIII)
    で表わされる化合物の製造方法。 (式(XXII)及び(XXIII)中、Acはアセチル基を示
    し、Meはメチル基を示し、Cholはコレステロール基を示
    す)
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