JP2751654B2 - 同軸ケーブルの端末処理部 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は超音波診断装置等の医療
機器に信号を伝送するための多心超極細同軸ケーブルの
端末処理部に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来同軸ケーブルは、専用のコネクタ等
を用いて端末処理しているが、超音波診断装置等の医療
機器の信号伝送に使用される多心超極細同軸ケーブルの
同軸線心は、髪の毛よりも細い様な内部導体（４０ＡＷ
Ｇ又は４２ＡＷＧ）であるため、圧着接続等は不可能で
あり、従来と同様な処理はできなかった。

【０００３】また、はんだ付接続を行った場合に於て
も、線心が細いため機械的強度が弱く、それを補う必要
があった。

【０００４】更に、医療用機器は、高周波で用いられて
おり、誤動作が許されないことから、内部導体と外部導
体間の処理寸法を極力短かくすることにより、耐ノイズ
性、耐クロストーク特性を向上させることが要求されて
いるが、従来の技術では、これらの問題を解決すること
は極めて困難であった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術の欠点を解決し、耐クロストーク特性、耐ノイズ
特性を向上させると共に、機械的強度、端末処理作業性
にも優れた超極細多心同軸ケーブルの新規な端末処理部
の提供を目的として提案されたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】即ち本発明の要旨とする
ところは、超極細多心同軸ケーブルをコネクタに接続す
る端末処理部に於て、（１）コネクタ上に接続部を大き
くするための補助部材を設けて該部材の片面側でコネク
タの端子を接続し、同補助部材の他方の片面側で超極細
多心同軸ケーブルの同軸線心の内部導体を接続するこ
と、（２）それら補助部材と内部導体との接続部の上に
断熱と電気的接続を防止するためのセパレータを設ける
こと、（３）セパレータ上に導電層を設け、この導電層
に超極細多心同軸ケーブルの同軸線心の外部導体を接続
して成ること、を特徴とするものである。

【０００７】

【実施例】添付図面を参照して、本発明端末処理部の一
実施例を説明する。

【０００８】図１は本発明端末処理部の正面からみた断
面図を示すもので、１は超極細多心同軸ケーブル３を接
続するためのコネクタであり、２はその端子である。

【０００９】４は本発明端末処理部の一つの特徴である
接続を容易にするための補助部材であり、片面はコネク
タ１の端子２に接続され、他方の片面は、後述する様に
超極細多心同軸ケーブル３と接続されている。

【００１０】補助部材４としては、プリント基板あるい
はモールド成形基板が用いられる。図２は補助部材４に
超極細多心同軸ケーブル３を接続する方法を順を追って
説明したもので、補助部材４の上部より見た説明図であ
る。

【００１１】図２（１）は、コネクタ１に補助部材４を
設けた状態の説明図であり、補助部材４の上面には超極
細多心同軸ケーブル３の同軸線心の内部導体を接続する
接続端末１０が突出して設けられている。この各接続端
末１０は、下面でコネクタ１の端子２と接続されてい
る。

【００１２】図２（２）は、同軸線心１１の内部導体１
２を補助部材４に接続した状態の説明図である。超極細
多心同軸ケーブル３の同軸線心１１は、内部導体１２と
外部導体１３とに分離され、内部導体１２は接続端末１
０に接続されることにより内部導体接続部５が形成され
る。

【００１３】６は、内部導体１２を接続した後施された
ボンディング部であり、同軸線心１１の機械的強度を補
強するためのもので、接着剤、エポキシ樹脂等が用いら
れる。このボンディング部６は、内部導体接続部５を保
護すると共に、内部導体１２を固定して機械的強度の向
上を図るものである。

【００１４】

【００１５】図２（３）は、ボンディング部６の上に、
更にセパレータ層７及び導電層８を設けた状態の説明図
である。ボンディング部６の上には、セパレータ層７及
びこのセパレータ層７よりも幅の少し幅の狭い導電層８
が設けられ、その後、図２ （４）に示すように、導電層
８に同軸線心１１の外部導体１３折り曲げ接続すること
により外部導体接続部９が形成される。続いて、次の２
列の接続端末１０について同様の処理が行われ、これが
順次繰り返されるることにより、端末処理部が完成す
る。

【００１６】セパレーター層７は内部導体接続部５を外
部導体が接続９される際の断熱と、導電層８との電気的
接続を防止するためのもので、ふっ素樹脂系のフイルム
等が用いられる。

【００１７】導電層８はクロストーク特性、耐ノイズ性
向上のために用いられる外部導体処理用のもので、導電
率の高い金属、導電性プラスチック、導電塗料等が用い
られる。

【００１８】外部導体を処理する方法としては、従来外
部導体を一括して接続する方法が採用されて来たが、ク
ロストーク特性、耐ノイズ性に優れ高周波の使用に耐え
られるようにするためには、同軸ケーブルの内部、外部
導体間を極力短かい寸法で処理できる構造とすることが
有利であり、本発明に於て、セパレーター層７を介して
導電層８を設けたのは、短い寸法で外部導体の処理がで
きるようにするためのものである。

【００１９】この場合導電層８は、図２の上下方向の端
子が２列毎位に１個の割で設けるのが良く、内部導体と
外部導体間の処理寸法が短くなり、耐ノイズ性、耐クロ
ストーク特性が向上される。

【００２０】

【発明の効果】以上の様にして成る本発明端末処理部に
よれば次の利点を有するものであり、その工業的価値は
大なるものがある。

【００２１】（１）接続部を大きくする補助部材を用い
たことにより、接続作業が容易となり、かつ接続の信頼
性が向上する。

【００２２】（２）ボンディング材により接続部の保護
と同時にケーブルを固定するため機械的強度が向上す
る。

【００２３】（３）内部導体と外部導体の処理寸法が短
かいため耐ノイズ性，耐クロストーク特性等の電気特性
が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明端末処理部の一実施例を示す正面からみ
た断面説明図。

【図２】本発明端末処理部を構成するための手順説明
図。

【符号の説明】

１ コネクタ ２ 端子 ３ 超極細多心同軸ケーブル ４ 接続補助部材 ５ 内部導体接続部 ６ ボンディング部材 ７ セパレーター層 ８ 導電層 ９ 外部導体接続部

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】超極細多心同軸ケーブルをコネクタに接続
   する端末処理部に於て、コネクタ上に接続部を大きくす
   るための補助部材を設けて該部材の片面側でコネクタの
   端子を接続し、同補助部材の他方の片面側で超極細多心
   同軸ケーブルの同軸線心の内部導体を接続し、それら補
   助部材と内部導体との接続部の上に断熱と電気的接続を
   防止するためのセパレータを設け、このセパレータ上に
   導電層を設け、この導電層に超極細多心同軸ケーブルの
   同軸線心の外部導体を接続して成ることを特徴とする同
   軸ケーブルの端末処理部。
2. 【請求項２】接続部を大きくする補助部材が、プリント
   基板あるいはモールド成形基板であることを特徴とする
   請求項１記載の同軸ケーブルの端末処理部。