JP2751621B2 - プリンタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はペーパーベイルローラを備えるとともに、連
帳単票の両紙に対して印字が行えるプリンタに関する。

［従来技術］ 従来、連帳用紙及び単票用紙等の印字媒体を選択的に
用紙送り可能なプリンタにおいて、紙送り用パルスモー
タの駆動力を連帳用紙送り用ピンフィードトラクタへ断
続することにより用紙選択を行う方式のものがある。こ
の方式は、プラテンに紙送り用パルスモータがタイミン
グベルト等で直結されており、プラテン下方には単票用
紙送り用のプレッシャーローラが配置されている。そし
て、単票用紙がプラテンとプレッシャーローラとの間に
挿入されるとプラテンの回転により単票用紙を用紙送り
させる。またプラテンはピンフィードトラクタに駆動力
を伝達するためのプラテンギヤを有し、ピンフィードト
ラクタ駆動ギヤとともにクラッチギヤにそれぞれ係合し
ている。クラッチギヤはサイドフレームに軸承されたク
ラッチレバーに支持されており、レバーの回動によりピ
ンフィードトラクタ駆動ギヤに接離自在な位置に配置さ
れている。即ち、前記方式の連帳単票切換装置はクラッ
チギヤを接続した状態ではプラテンの回転によりピンフ
ィードトラクタは回転し、連帳用紙送りがなされ、離し
た状態では連帳用紙送りはなされずカットシートフィー
ダあるいは手差しにより単票用紙がプラテンとプレッシ
ャーローラ間に配置されるとプラテンの回転により単票
用紙送りがなされるものである。

一方、印字媒体をプラテン上に走行配置させるため、
ペーパーベイルローラの開閉動作が行われる。ペーパー
ベイルローラは左右のサイドフレームに軸承されたペー
パーベイルレバー間に架設されたシャフトに回転自在に
嵌装したものである。印字媒体をプリンタにセットする
場合には、まず前記ペーパーベイルレバーを回動してペ
ーパーベイルローラをプラテン上部前方に位置させて開
状態とする。そして、プラテンとペーパーベイルローラ
の間に印字媒体を挿入し、再びペーパーベイルレバーを
前記とは逆に回動させて閉状態にする。

この状態において、前記プラテンの回転とともにペー
パーベイルローラの押圧力と回転により印字媒体を走行
させる。

前記の連帳単票切り換え動作とペーパーベイルローラ
の開閉動作はそれぞれの最適のタイミングで最少回数行
われるのが望ましく、駆動源としてパルスモータあるい
はプランジャーソレノイド等を個別に有する必要があ
る。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、一般にプリンタは低コスト化が要求さ
れており、個別の駆動源を有するということはそれ自体
がプリンタの価格を高騰させる問題があった。

本発明は上述した問題点を解決するためになされたも
のであり、連帳単票の切り換えと用紙押さえローラの開
閉動作とを同一の駆動源により駆動させるものであっ
て、プリンタのコスト低減を目的とする。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために本発明は、単票用紙または
連帳用紙のプラテンからの浮上を防止するための用紙押
さえローラと、前記連帳用紙を前記プラテンに給送する
ための連帳送り手段と、駆動源からの駆動力を前記連帳
送り手段に伝達する歯車列と、第１位置において前記歯
車列の各歯車を係合させて前記連帳送り手段に前記駆動
源からの駆動力を伝達可能とするとともに、第２位置に
移動することにより歯車列の少なくとも一つの歯車を他
の歯車より離間させて連帳送り手段に駆動源からの駆動
力を伝達不可能とする連帳単票切り換え手段と、前記用
紙押さえローラを前記プラテンから離間する離間手段
と、第１所定範囲内の駆動によって前記連帳単票切り換
え手段を第１位置あるいは第２位置に移動させ、且つ、
第２所定移動範囲内の駆動によって前記離間手段を作動
させて前記用紙押さえローラを前記プラテンから離間す
る移動手段とを有することを特徴とするものである。

上記連帳単票切り換え手段に突部を設け、前記移動手
段はその突部を押すことにより連帳単票切り換え手段を
第１及び第２位置に移動させるとともにそれらの位置に
至るとその突部を乗り越えるようにしてもよい。

［作用］ 上記構成を有する本発明において、移動手段の第１所
定範囲内の駆動によって連帳単票切り換え手段が第１位
置あるいは第２位置に移動される。そして、連帳単票切
り換え手段が第１位置にある場合は、歯車列の各歯車が
係合されて、連帳送り手段への駆動源からの駆動力が伝
達可能な連帳印字状態となる。一方、連帳単票切り換え
手段が第２位置にある場合は、歯車列の少なくとも一つ
の歯車が他の歯車より離間されて、連帳送り手段への駆
動源からの駆動力が伝達不可能な単票印字状態となる。

また、移動手段の第２所定範囲内の駆動によって離間
手段が作動されて、用紙押さえローラがプラテンから離
間し、用紙押さえローラとプラテンとの間に単票用紙あ
るいは連帳用紙が挿入可能となる。

［実施例］ 以下、本発明を具体化した一実施例を図面を参照して
説明する。

第１図は本発明の実施例を示すプリンタの要部の斜視
図である。このプリンタにおいて、相対向した一対のサ
イドフレーム1a,1b（サイドフレーム1bは図示せず）間
に印字媒体を走行配置させるためのプラテン２が回動自
在に軸承され、該プラテンはサイドフレーム1bに取付け
られたモータ（図示せず）より回転駆動を受ける。ま
た、前記プラテン２上方にはペーパーベイルローラ３が
配置されている。前記ペーパーベイルローラ３は、シャ
フト3aにローラ3bを複数個、回動自在に嵌装させて形成
されており、プラテン２に対して印字媒体を押圧して走
行させるものである。上記シャフト3aの両端はペーパー
ベイルレバー4a,4b（4bは図示せず）によって支持さ
れ、またペーパーベイルレバー4a,4bはそれぞれサイド
フレーム1a,1bに回動自在に軸承されている。このペー
パーベイルレバー4a,4bは、サイドフレーム1aに設けら
れたピン41とペーパーベイルレバー4aに設けられた穴42
間のスプリングバネ43によりプラテン２側に付勢されて
いる。

一方、プラテン２の軸にはプラテンギヤ21が設けられ
ており、プラテン２の回転力はクラッチギヤ51を介して
トラクタ駆動ギヤ61へ伝達される。クラッチギヤ51はク
ラッチレバー52に回動可能に支持され、クラッチレバー
52自身は枢軸53によりサイドフレーム1aに回動自在に枢
支されている。またクラッチレバー52の長穴部54は、サ
イドフレーム1aに回動自在に枢支されている切換えレバ
ー55のピン部55aと嵌合しており、後述する切換えレバ
ー55の回動によりクラッチレバー52は回動し、よってク
ラッチギヤ51はトラクタ駆動ギヤ61と接離する。また、
トラクタ駆動ギヤ61は同軸のギヤ61a及びトラクタギヤ6
2aを介してサイドフレーム1a,1bに回動自在に軸承され
たトラクタ軸62に連動しており、トラクタ６に回転力を
伝達する。即ち、後述する切り換えレバー55の回動によ
りプラテン２の回転力はトラクタ６へ断続される（第５
図，第６図）。切換えレバー55には突起部55bを設け、
このリミットスイッチS1は、回動とともにリミットスイ
ッチS1を操作する（第５図）。このリミットスイッチS1
により切換えレバー55の動作確認が行われる。

サイドフレーム1aにはステップモータＭが設けられて
おり、この回転により回転軸に嵌着されたモータギヤG_M
と噛合した歯車GIを介して切り換えカムギヤ58を回転さ
せる。このたけ切り換えカムギヤ58に設けられたカム58
aは、切り換えレバー55のレバー55e先端に設けられた円
柱部55cを押して回動させ、更にカムギヤ43によりペー
パーベイルレバー4aを回動させることが可能である。

即ち、ステップモータＭは連帳単票切り換えのための
切り換えカムギヤ58とペーパーベイルローラ３を開閉動
作するためのカムギヤ43の両者を回転させる。

ここで切り換えカムギヤ58とカムギヤ43は、それぞれ
の作動部に対し非作動部が一致するように構成されてお
り、一部に両者ともに非作動となるように構成されてい
る。

カムギヤ43には突起部43aが設けられており、リミッ
トスイッチS2をオン−オフすることにより、両者とも非
作動となる部分を原点として検出可能に構成されてい
る。

以上のように構成された本実施例の装置の作用を以下
に第２図乃至第８図を参照して説明する。

（Ａ）電源投入時 本プリンタは電源投入時にリミットスイッチS2の状態
を調べる。そして、そのリミットスイッチS2がオン状態
であれば、ステップモータＭを左方向に回転させ、リミ
ットスイッチS2が突設部43からはずれてオフとなる位置
にて止まる（第２図の状態）。また、電源投入時にリミ
ットスイッチS2がオフであれば、まずリミットスイッチ
S2が突接部43aにより押されてオンとなるまで右方向に
回転し、その後に１ステップ戻る（第２図の状態）。こ
の位置がホームポジションＡとなる。

（Ｂ）ペーパーベイルローラ開放 ステップモータＭをホームポジションＡから位相Ｃま
で右方向に回転させる。するとカムギヤ43が回転し、位
相Ｂの位置よりカム43bからペーパーベイルレバー4aに
当接し、ペーパーベイルローラ３がプラテン２より離間
する。そして位相Ｃにおいて最大変位となる（第３図の
状態）。この後ステップモータＭを左回転させることに
よりペーパーベイルローラ３がスプリング43の付勢によ
り再びプラテン２を押圧する状態に戻る。

尚、第８図に示すようにホームポジションＡからペー
パーベイルローラ３の離間する位相Ｃまでの動作におい
て切り換えカム58aは切り換えレバー55に当接しないた
め、上記動作において用紙種の選択に影響を与えること
なく紙送りを行うことができる。

（Ｃ）連帳から単票への切り換え 連帳印字状態では、切り換えレバー55が下に下がった
位置Ｘにある（第４図に一点鎖線で示す状態）。そこで
ステップモータＭをホームポジションＡより左方向に回
転させる。すると位相Ｄの位置において切り換えカム58
aが円柱部55cに当接して押す。そして、位相Ｅ付近にお
いてトグルばねＴのデッドポイントを越えてばね力によ
り切り換えレバー55が回動し、切り換えレバー55がＹの
位置で停止する（第４図に実線で示す状態）。ステップ
モータＭは位相Ｅの位置で停止し逆回転してホームポジ
ションＡにて止まる。

この切り換えレバー55の回動によりクラッチレバー52
が揺動し、プラテンギヤ21及びトラクタ駆動ギヤ61と係
合状態（第５図の状態）にあったクラッチギヤ51が両者
より離脱する（第６図の状態）。つまりプラテン２の回
転がトラクタ６に伝達されなくなる。このためトラクタ
６に装着された連帳は搬送されない。この状態で公知の
単票給紙口を介してプラテン２と公知の給紙ローラ間に
単票を挿入すれば該単票に対して印字可能状態となる。

尚、第８図に示すようにホームポジションＡから切り
換え完了する位相Ｅまでの動作においてカム43bはペー
パーベイルレバー4aに当接しないため、上記動作におい
てペーパーベイルローラ３の状態に影響を与えることは
ない。

（Ｄ）単票から連帳への切り換え 単票印字状態ではレバーは位置Ｙにある（第４図に実
線で示す状態）。この状態においてステップモータをホ
ームポジションＡより左方向に回転させると、まず位相
Ｅの位置で切り換えカム58が切り換えレバー55の円柱部
55cに当接する。そして更に回転すると、その回転によ
りカム58に対する接触部が前記斜面部55dへと移行し、
前記切り換えレバー55が撓むことにより切り換えカム58
aが斜面部55dに沿って円柱部55cに乗り上げ、円柱部55c
の上方に乗り越え位相Ｆに至る（第７図の状態）。その
後にステップモータＭが停止した後に再び右方向に回転
する。すると前記切り換えレバー55の円柱部55cは切り
換えカム58aに押されて、切り換えレバー55が回動し、
位置Ｘに至って公知のストッパーに当接して止まる。そ
の状態で更にステップモータＭを右方向に回動させる
と、切り換えレバー55が撓むことにより切り換えカム58
aが切り換えレバー55の円柱部55cを傾斜面55dに沿って
乗り上げる。そして上記円柱部55cを乗り越えた後ホー
ムポジションＡに至って停止する。

この切り換えレバー55の回動により前記クラッチレバ
ー52先端のクラッチギヤ51がプラテンギヤ21及びトラク
タ駆動ギヤ61に係合して両者を連動回転させる（第５図
の状態）。このため前記プラテン２と連動してトラクタ
６がほぼ同一周速度で回転する。つまり前記プラテン２
による紙送り量と同一量だけトラクタ６により用紙が送
られるとになる。

尚、第８図に示すようにホームポジションＡから位相
Ｆを経て切り換えを完了する位相Ｅまでの動作において
カム43bはペーパーベイルレバー4aに当接しないため、
上記動作においてペーパーベイルローラ３の状態に影響
を与えることはない。

尚、上記ホームポジションＡから各位相B,C,D,E,Fに
至るステップモータのステップ数は公知の制御用マイク
ロコンピュータの読みだし専用メモリ内に記憶されてい
る。このマイクロコンピュータは上記ステップモータＭ
及び他のプリンタ全体を制御するものである。

尚、上記したプリンタでは制御に用いるマイクロコン
ピュータのI/Oポート数を削減できるため１チップマイ
クロコンピュータを用いた場合にも効果的である。

尚、特許請求の範囲における連帳単票切り換え手段の
第１位置は、プラテン２の回転をトラクタ６に伝達可能
とするために、図５に示すように、プラテンギヤ21に噛
合したクラッチギヤ51がトラクタ駆動ギヤ61に噛合した
状態としたときの、切り換えレバー55及びクラッチレバ
ー52の位置に対応しており、即ち、切り換えレバー55が
下に下がった位置Ｘにある状態（第４図に一点鎖線で示
す状態）におけるクラッチレバー52の位置に対応してい
る。

また、特許請求の範囲における連帳単票切り換え手段
の第２位置は、プラテン２の回転をトラクタ６に伝達不
可能とするために、図６に示すように、プラテンギヤ21
に噛合したクラッチギヤ51がトラクタ駆動ギヤ61から離
間した状態としたときの、切り換えレバー55及びクラッ
チレバー52の位置に対応しており、即ち、切り換えレバ
ー55が上に上がった位置Ｙにある状態（第４図に実線で
示す状態）におけるクラッチレバー52の位置に対応して
いる。

そして、特許請求の範囲における移動手段の第１所定
範囲は、切り変えレバー55を位置Ｘあるいは位置Ｙに移
動させるために、ステップモータＭの回転によってモー
タギヤG_M及び歯車GIを介して駆動される切り換えカムギ
ヤ58の駆動範囲に対応しており、即ち、ステップモータ
ＭがホームポジションＡ〜位相Ｆ（図８）を往復に回転
しているときの、モータギヤG_M及び歯車GIを介した切り
換えカムギヤ58の駆動範囲に対応している。

また、特許請求の範囲における移動手段の第２所定範
囲は、ペーパーベイルローラ３プラテン２から離間する
ために、ステップモータＭの回転によってモータギヤG_M
及び歯車GIを介して駆動される切り換えカムギヤ58の駆
動範囲に対応しており、即ち、ステップモータＭがホー
ムポジションＡ〜位相Ｃ（図８）を往復に回転している
ときの、モータギヤG_M及び歯車GIを介した切り換えカム
ギヤ58の駆動範囲に対応している。

尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、
種々の変形が可能である。

［発明の効果］ 以上詳述したように明らかなように本発明では、移動
手段の第１所定範囲内の駆動によって連帳単票切り換え
手段が第１位置あるいは第２位置に移動されて、連帳単
票の切り換えが行われる。また、移動手段の第２所定範
囲内の駆動によって離間手段が作動されて用紙押さえロ
ーラがプラテンから離間される。従って、移動手段の駆
動によって、連帳単票の切り換えと、用紙押さえローラ
の開閉動作とを行うことができるので、従来のプリンタ
に比し低コスト化を実現できるといった優れた効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は上記実施
例の装置の概略の構成を説明する説明図、第２図は各部
材のホームポジションの位置を示す説明図、第３図はペ
ーパーベイルローラを離間させた状態を示す説明図、第
４図は連帳から単票への切り換えの作用を説明する説明
図、第５図は連帳に対して印字可能な状態を示す説明
図、第６図は単票に対して印字可能な状態を示す説明
図、第７図は単票から連帳への切り換えの作用を示す説
明図、第８図は各位相関係を示す説明図である。 図中、２はプラテン、３はペーパーベイルローラ、６は
連帳送り装置を構成するトラクタ、21は歯車列を構成す
る歯車、43bはペーパーベイル離間手段を構成するカ
ム、51は歯車列を構成する歯車、52は連帳単票切り換え
手段を構成するクラッチレバー、55は連帳単票切り換え
手段を構成する切り換えレバー、58aは移動手段を構成
する切り換えカム、61は歯車列を構成する歯車である。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】単票用紙または連帳用紙のプラテンからの
   浮上を防止するための用紙押さえローラと、 前記連帳用紙を前記プラテンに給送するための連帳送り
   手段と、 駆動源からの駆動力を前記連帳送り手段に伝達する歯車
   列と、 第１位置において前記歯車列の各歯車を係合させて前記
   連帳送り手段に前記駆動源からの駆動力を伝達可能とす
   るとともに、第２位置に移動することにより前記歯車列
   の少なくとも一つの歯車を他の歯車より離間させて連帳
   送り手段に駆動源からの駆動力を伝達不可能とする連帳
   単票切り換え手段と、 前記用紙押さえローラを前記プラテンから離間する離間
   手段と、 第１所定範囲内の駆動によって前記連帳単票切り換え手
   段を第１位置あるいは第２位置に移動させ、且つ、第２
   所定範囲内の駆動によって前記離間手段を作動させて前
   記用紙押さえローラを前記プラテンから離間する移動手
   段と、 を有することを特徴とするプリンタ。