JP2750799B2 - Vリブドベルトなどへの発音抑止成分付着方法および 同成分付着装置 - Google Patents

Vリブドベルトなどへの発音抑止成分付着方法および 同成分付着装置

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JP2750799B2 JP32119092A JP32119092A JP2750799B2 JP 2750799 B2 JP2750799 B2 JP 2750799B2 JP 32119092 A JP32119092 A JP 32119092A JP 32119092 A JP32119092 A JP 32119092A JP 2750799 B2 JP2750799 B2 JP 2750799B2
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京一 三島
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はVリブドベルトなどへ
の発音抑止成分の付着方法および同成分の付着装置に関
し、例えば、具体的に複数本の環状V溝を設けたプーリ
に掛装されたVリブドベルトの起動時あるいは走行時の
スリップに伴い派生する一時的の発音を抑止するため
に、ベルトのVリブの先端部に集中的に付与される発音
抑止成分の付着方法と同成分の付着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】動力伝達の手段として摩擦力を用いるV
リブドベルト,Vベルトなどにあっては、その起動時や
大きい慣性モーメントをもっての急激なベルト走行、発
進あるいは停止時に発生するベルトとプーリ間のスリッ
プに原因する一時的な発音を抑制するために、Vリブド
ベルトなどに対して種々の提案がなされている。
【0003】例えば、具体的にVリブドベルトのリブ部
を帆布または不織布にて全面被覆したVリブドベルト
(実開昭61−140645号公報)、リブ部ゴム層に
配合した短繊維をリブ側面に露出又は突出せしめたVリ
ブドベルト(特開昭62−113940号公報)、リブ
部に埋設した短繊維の一部をリブ側壁面より突出せし
め、該側壁面にパウダー状の粘性抑制剤を付着せしめた
Vリブドベルト(実開平4−5547号公報)などがあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ベルトのリブ表面に帆
布または不織布,短繊維を配することで、ベルトの動力
伝達能力を妨げない程度にベルトリブ部の摩擦係数を減
少せしめ、これによりベルト使用の始期段階にては、あ
る程度まではベルトのスリップに伴い生ずる異音の発生
を抑制することができるが、この抑制効果に永続性を期
待することには無理があった。
【0005】また、ベルトのリブ部を帆布または不織布
にて被覆したVリブドベルトはベルトの屈曲性が悪く、
小径プーリに掛装した折は、ベルトの疲労も大きく、ベ
ルトライフの面で問題があった。また、ベルトのリブ部
表面に、パウダー状の粘性抑制剤を付着せしめたベルト
は他のベルトとの比較において、ベルトリブ部における
摩擦係数を減少せしめる上で顕著な効果があるも、その
効果も永続性の面では十分の満足を得ることができず、
依然問題点が残されていた。
【0006】この発明は、ベルト起動時あるいは走行
中、ベルトのスリップ現象に伴って生ずる異音の発生の
段階にて、ベルトの動力伝達能力には影響するところが
比較的少ない発音抑止成分をベルトリブ部に供給して、
ベルトリブ部の摩擦係数を減少せしめることにより、ベ
ルトの発音抑制を可能とするVリブドベルトなどへの発
音抑止成分の付着方法および同成分の付着装置を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明に係るVリブドベルトなどへの発音抑止成
分の付着方法は、プーリの周面に設けたV溝に嵌合して
掛装され、走行状態にあるベルトのVリブ部にあって、
プーリのV溝とベルトのVリブ部との嵌合部にて形成さ
れる閉塞空間部分に、異音発生時、発音抑止成分を噴出
せしめることを特徴とする。
【0008】 つぎにこの発明に係るVリブドベルトな
どへの発音抑止成分の付着装置は、周面に環状V溝を設
けたプーリは中空状の固定軸に回転可能に装着され、こ
の中空固定軸の中空部は、加圧発音抑止成分供給源と連
繋され、該中空固定軸には嵌合状態にあるベルトのVリ
ブ部とプーリのV溝の嵌合領域部分に向け開口する発音
抑止成分の供給口が、またプーリのV溝の底部には、前
記供給口と位置的に合致する発音抑止成分の噴出孔が
れぞれ穿設されていることを特徴とする。
【0009】
【実施例】まず、この発明に係るVリブドベルトなどへ
の発音抑止成分付着方法は、環状V溝を周面に設けたV
リブプーリは駆動プーリ,従動プーリあるいはアイドラ
ープーリなどがあり、これらVリブプーリ群に掛装さ
れ、該V溝に嵌合するVリブ部を有するVリブドベルト
あるいはVベルトなどにおいて、VリブプーリのV溝と
ベルトのVリブの嵌合部における閉塞空間部に、ベルト
のスリップ時などに派生する異音の発生時、ベルトの走
行による動力伝達能力には影響力が比較的少なく、かつ
ベルトのリブ部分における摩擦係数を減少せしめる目的
をもって、粉状、あるいは液状の流体発音抑止成分、具
体的にシリコンオイル,シリコンパウダー,ポリテトラ
フルオロエチレンパウダー(商品名テフロンパウダー)
などを加圧状況下にて噴出供給し、初期段階にては、ベ
ルトのVリブ部の先端部に集中供給し、ベルト走行の経
時と共に、発音抑止成分はベルトVリブ全面に亘って拡
がって行く。
【0010】この発音抑止成分の噴出はベルト走行に伴
い派生するスリップ発音発生時に、あるいはベルト走行
前にベルトVリブ先端部に供給され、またベルト走行時
にあっては、この発音継続中、該成分の噴出は連続供給
される。また、この発音抑止成分の供給個所は駆動プー
リ,従動プーリ,あるいはアイドラープーリなど、動力
伝動機構の一部を構成する各種プーリのうちの一つに、
あるいは必要に応じて複数個のプーリに対して実行され
る。
【0011】つぎに、この発明に係るVリブドベルトな
どへの発音抑止成分付着装置の具体的実施例を、Vリブ
を有する動力伝動用ベルトとしてVリブドベルトにその
一例をとりながら、図面を用いて説明する。この装置は
駆動プーリ,従動プーリあるいはアイドラープーリ部分
にその構成部を求めることができ、図1はこの発明に係
る発音抑止成分付着装置の横断面図であり、図2は図1
のA−A線における切断面図、図3は図1における一部
の拡大詳細図である。
【0012】本発音抑止成分付着装置(1)は一端部を
端壁(3)をもって閉塞した中空固定軸(2)に、周方
向にV溝(6)群を設けたVリブプーリ(5)が回転可
能に装置されている。例えば、Vリブプーリ(5)の両
側には一対のフランジ(9)(9)が固着され、Vリブ
プーリ(5)は、このフランジ(9)(9)と中空固定
軸(2)間に介在せしめたベアリング(8)(8)にて
回転可能に支承されている。
【0013】 そして、中空固定軸(2)には、同軸上
に装置されたVリブプーリ(5)に掛巻されるVリブド
ベルト(21)とプーリのV溝(6)の嵌合領域部分に
向けて、軸方向に伸びるスリット状の発音抑止成分供給
口(4)が穿設、開口されており、またVリブプーリ
(5)の各V溝(6)の底部には前記中空固定軸のスリ
ット状の供給口(4)と位置的に合致する発音抑止成分
噴出孔(7)が、少なくとも一個穿設されている。
【0014】 また、前記中空固定軸(2)の一端部に
は発音抑止成分供給用パイプ(10)が連通し、該パイ
プ(10)の分岐外端部には、それぞれ加圧用エアー源
(11)と発音抑止成分供給源(12)が装備されてい
る。この発音抑止成分としてのシリコンオイル,シリコ
ンパウダー,ポリテトラフルオロエチレンパウダー(商
品名、テフロンパウダー)などが加圧エアーにて噴霧状
となって、プーリ(5)の回転に伴う中空固定軸(2)
の供給口(4)とプーリ(5)の噴出孔(7)が合致連
通した折、ベルトとプーリとの嵌合領域部分に発音抑制
成分が供給され、まずベルトのVリブ(22)部先端部
に集中的に供給され、該成分は経時と共にVリブ(2
2)全面へと拡大付着される。
【0015】つぎにエアーコンディショナー(A/C)
を用いて、比較例として発音抑止成分無塗布のベルトの
場合、0.3グラムの成分をベルトのVリブ全面に、お
よび0.15グラムの成分をベルトVリブ先端部のみに
ブラシなどを用いて塗布せしめた三種類のVリブドベル
トを用い、またこの発明に係る実施例として0.15グ
ラムの成分をベルトVリブ先端部のみに噴出付着せしめ
た場合の四例をもって、エアーコンディショナーの停止
時、起動時および連続使用時の各状態におけるスリップ
に伴う異音発生の状況を考察した。
【0016】なお、この折の伝動装置は、図4をもって
示すように、径135mm、6000rpmの駆動プー
リ(Dr)、径106mm、6.6馬力(ps)の従動
プーリ(Dn)および径62.5mmのアイドラープー
リ(Ip)群に、周長1100mm,四本リブのVリブ
ドベルトを掛装せしめ、この折のベルト張力は7.5k
gf/リブである。また使用される発音抑止成分はシリ
コンオイルKF96sp(信越シリコン製)である。以
上の走行条件下にて、各事例におけるスリップ音の発生
状況は下記「表1」に示すとおりであった。
【0017】
【表1】
【0018】表1に示す結果より、ブラシをもって発音
抑止成分をVリブ先端部にのみ塗布した場合も、また2
倍量の成分をVリブ全面に塗布した場合も発音抑止効果
は共に認められ、さらにVリブ先端部に少量の成分を噴
出付着させた本発明に係る実施例の場合にも同等の発音
抑止効果が発生することが確認できた。
【0019】
【発明の効果】この発明はベルトの走行方向への動力伝
達能力の低下を最小限に押えつつ、ベルトの起動時の大
きな慣性モーメントに伴うスリップ音、あるいはベルト
走行時のスリップに伴う異音の発生を、その発生の都度
ベルトのVリブ先端部に発音抑止成分を分散的に供給す
ることにより、耳障りな異音を永続的に抑制することが
でき、周辺環境の向上に大きく貢献することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施した発音抑止成分付着装置の横
断面図である。
【図2】図1のA−A線における切断面図である。
【図3】図1における一部の拡大詳細図である。
【図4】発音抑止効果確認のためのベルト走行実験装置
の概略説明図である。
【符号の説明】
1 発音抑止成分付着装置 2 中空固定軸 4 発音抑止成分供給口 5 Vリブプーリ 6 V溝 7 発音抑止成分噴出孔 8,8 ベアリング 10 発音抑止成分供給用パイプ 11 加圧用エアー源 12 発音抑止成分供給源 21 Vリブドベルト

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プーリのV溝に嵌合し、走行状態のベル
    トのVリブ部にあって、該V溝とVリブ部により形成さ
    れる閉塞空間部部分に、異音発生時、発音抑止成分を噴
    出せしめることを特徴とするVリブドベルトなどへの発
    音抑止成分付着方法。
  2. 【請求項2】 発音抑止成分はシリコンオイル,シリコ
    ンパウダー,ポリテトラフルオロエチレンパウダーのう
    ち、いずれか一つをもって構成される請求項1のVリブ
    ドベルトなどへの発音抑止成分付着方法。
  3. 【請求項3】 V溝を設けたプーリは中空固定軸に回転
    可能に装着され、該中空固定軸の中空部は加圧発音抑止
    成分供給源と連繋されており、該中空固定軸には、プー
    リのV溝のうち、ベルトが掛巻するベルトの嵌合領域
    に向け開口する発音抑制成分供給口が、またプーリの
    V溝の底部には、前記供給口と位置的に合致する発音抑
    制成分噴出孔がそれぞれ穿設されていることを特徴とす
    るVリブドベルトなどへの発音抑止成分付着装置。
  4. 【請求項4】 発音抑止成分はシリコンオイル,シリコ
    ンパウダー,ポリテトラフルオロエチレンパウダーのう
    ち、いずれか一つをもって構成される請求項3のVリブ
    ドベルトなどへの発音抑止成分付着装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102014213781A1 (de) 2014-07-16 2016-01-21 Contitech Antriebssysteme Gmbh Riementrieb mit Keilrippenscheibe und Keilrippenriemen

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102014213781A1 (de) 2014-07-16 2016-01-21 Contitech Antriebssysteme Gmbh Riementrieb mit Keilrippenscheibe und Keilrippenriemen
WO2016008630A1 (de) 2014-07-16 2016-01-21 Contitech Antriebssysteme Gmbh Riementrieb mit keilrippenscheibe und keilrippenriemen

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