JP2743406B2 - カラー受像管用シヤドウマスク構体 - Google Patents

カラー受像管用シヤドウマスク構体

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JP2743406B2 JP27681488A JP27681488A JP2743406B2 JP 2743406 B2 JP2743406 B2 JP 2743406B2 JP 27681488 A JP27681488 A JP 27681488A JP 27681488 A JP27681488 A JP 27681488A JP 2743406 B2 JP2743406 B2 JP 2743406B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、複数枚のシヤドウマスク板を溶接接合し
て構成されかつ受像管内で電子ビームを蛍光面側に通過
させる電子ビーム通過孔を有するカラー受像管用シヤド
ウマスク構体に関するものである。
[従来の技術] 第9図はシヤドウマスク式カラー受像管の構成を概略
的に示す一部破断斜視図である。同図において、(1)
は漏斗状のフアンネルで、このフアンネル(1)の開放
端に封着されたパネル(2)の内面に蛍光面(3)が形
成されている。上記パネル(2)の側壁には複数個のピ
ン(4)が設けられ、上記蛍光面(3)に対向して配設
されたシヤドウマスク構体(5)が上記ピン(4)に支
持されている。(12A),(12B),(12C)は上記フア
ンネル(1)のネツク部(14)内に配置された電子銃で
ある。
(7)は上記パネル(2)の内面形状とほぼ等しい球
面形状を有するシヤドウマスク本体で、このシヤドウマ
スク本体(7)は上記電子銃(12A),(12B),(12
C)から放射される電子ビーム(6A),(6B),(6C)
を選択的に通過させる多数の電子ビーム通過孔(13)を
有する有孔部およびこの有孔部の外周に形成された非有
孔部、つまり無孔部とからなる。
(8)はフレーム(9)に装着するために折曲げられ
たスカート部で、このスカート部(8)はその全周にわ
たつて上記フレーム(9)に、たとえば16点で溶接によ
り固定されている。(10)は上記フレーム(9)に溶接
された熱膨張補正機構で、この熱膨張補正機構(10)は
カラー受像管の動作中に生じる上記シヤドウマスク本体
(7)の熱膨張による角ずれを補正するために設けられ
ている。
上記熱膨張係数機構(10)はバイメタル(15)とこの
バイメタル(15)に溶接されたスプリング(11)とから
構成され、このスプリング(11)は上記ピン(4)に係
合されてシヤドウマスク本体(7)をパネル(2)の相
対位置に保持する。上記シヤドウマスク構体(5)はシ
ヤドウマスク本体(7)、フレーム(9)および熱膨張
補正機構(10)から構成されている。
上記のような構造を有するシヤドウマスク式カラー受
像管において、上記電子銃(12A),(12B),(12C)
から放射された電子ビーム(6A),(6B),(6C)はシ
ヤドウマスク本体(7)の有孔部に設けられた電子ビー
ム通過孔(13)を通つて蛍光面(3)に射突し、赤、
緑、青の各色に発光する蛍光体を発光させる。
ところで、通常、シヤドウマスク本体(7)の電子ビ
ーム通過孔(13)の総面積は上記シヤドウマスク本体
(7)の表面積の約15%〜25%程度であり、電子ビーム
(6A),(6B),(6C)の多くは有孔部の非開口部に衝
突し、シヤドウマスク本体(7)を加熱する。たとえ
ば、21インチのカラー受像管におけるシャドウマスク構
体(5)の温度を測定した結果、第10図の曲線(A),
(B)で示すような温度上昇がみられた。
すなわち、高電圧28kv、ビーム電流1mAの条件のもと
でシヤドウマスク本体(7)の温度を測定したところ、
第10図の特性曲線(A)で示すように、最初の5分間に
おいて温度上昇が著しく、30分で飽和して約40℃の温度
上昇が認められた。
これに対して、同様な条件のもとでフレーム(9)の
温度を測定したところ、フレーム(9)の熱容量がシヤ
ドウマスク本体(7)のそれと比較して大きいために、
第10図の特性曲線(B)で示すように、温度は徐々に上
昇し、約1時間で飽和状態となつた。
このような温度上昇があると、まず、シヤドウマスク
本体(7)はドーム状に熱膨張(以下、ドーミングと称
す)して蛍光面(3)側へ突出し、そのため色ずれをお
こす(以下、ミスランデイングと称す)。
すなわち、第11図で示すように、動作開始前に同図実
線Sで示す状態にあつたシヤドウマスク本体(7)は温
度上昇にともない、フレーム(9)との接合部Wを固定
点として、全体的に蛍光面(3)側へ点線S1で示すよう
にドーム状に熱膨張する。このドーミングによつて、同
図の点Hで示す正規の位置にあつた電子ビーム通過孔
(13)は点H1に移動し、本来、蛍光面(3)上の点Pに
到達しなければならない、たとえば電子銃(12A)から
の電子ビーム(6A)が点P1に到達して、ミスランデイン
グとなる。
この種のミスランデイングは、蛍光面(3)の中央部
Zの方向(矢印a側)へずれるのが特徴であり、隣接し
た他の色の蛍光体を発光させ、正常な色彩画像を現出す
ることができなくなる。このような現像は画面全域にわ
たつて現われる。
このような現象をパネル(2)の対角軸内面半径が1,
350mmの21インチのカラー受像管で測定したところ、パ
ネル(2)のフエース面の中心軸Zより150mmの長軸上
で最も顕著に現われ、高電圧28kv、ビーム電流1mAの条
件下で、電子ビームは0.05〜0.08mm移動し、これにより
色ずれ現象を起こしていた。
また一方、フレーム(9)の温度が徐々に上昇して飽
和状態に近くなると、フレーム(9)自体の熱膨張によ
り、同堺市前に第12図実線Fで示す状態にあつたフレー
ム(9)は、全体的に径方向へ点線F1で示すように熱膨
張する。その結果、動作開始前に同図実線Sで示す状態
にあつたシヤドウマスク本体(7)は、フレーム(9)
との接合部Wが点W1に移動するため、全体的に径方向へ
点線S2で示すように変位する。この変位によつて、同図
の点Hで示す正規の位置にあつた電子ビーム通過孔(1
3)は点H2に移動し、本来、蛍光面(3)上の点Pに到
達しなければならない、たとえば電子銃(12A)からの
電子ビーム(6A)が点P2に到達して、ミスランデイング
となる。
この種のミスランデイングは、蛍光面(3)の周辺部
の方向(矢印b側)へずれるのが特徴であり、上述した
カラー受像管の動作初期に現われる現像とは逆方向の他
の色の蛍光体を発光させ、カラー受像管の動作初期と同
様に正常な色彩画像を現出することができなくなる。
以上のような現象はカラー受像管が連続して動作して
いる間、引き続いて現われる現象であり、そのため、こ
れを補正する必要がある。
従来、その補正のために、熱膨張補正機構(10)をシ
ヤドウマスク本体(7)とフレーム(9)との間に介在
させたものが諸種知られている。
すなわち、ドーミングは第11図について説明したよう
に、シヤドウマスク本体(7)とフレーム(9)との接
合部Wが固定点になつて発生するものであるから、熱膨
張補正機構(10)によつて動作開始前の上記接合部Wを
仮想線で示す点W3に移動させれば、動作開始前に同図実
線Sで示す状態にあつたシヤドウマスク本体(7)は、
仮想線S3で示すように、同図点線S1で示す場合よりも電
子銃(12A)側に移動する。この移動によつて、同図の
点Hで示す正規の位置にあつた電子ビーム通過孔(13)
は点H3に移動し、この点H3に移動した電子ビーム通過孔
(13)は電子銃(12A)からの電子ビーム(6A)が本来
到達しなければならない蛍光面(3)上の点Pに向う位
置となり、ミスランデイングが軽減される。
他方、フレーム(9)の温度上昇によつて、動作開始
前に第12図の実線Fで示す状態にあつたフレーム(9)
は、点線F1で示すように熱膨張し、点Hで示す正規の位
置にあつた電子ビーム通過孔(13)は点H2に移動する。
ところが、熱膨張補正機構(10)によつて、シヤドウ
マスク本体(7)を仮想線S3で示すように、蛍光面
(3)側に近づければ、同図の点Hで示す正規の位置に
あつた電子ビーム通過孔(13)は点H3に移動し、この点
H3に移動した電子ビーム通過孔(13)は電子銃(12A)
からの電子ビーム(6A)が本来到達しなければならない
蛍光面(3)上の点Pに向う位置となり、ミスランデン
イグが軽減される。
このような熱膨張補正機構(10)で、従来、たとえば
バイメタル(15)を使用したものとして、特公昭43−26
152号,特公昭44−3547号,特公昭47−3506号,特公昭4
7−40505号などが知られている。
しかしながら、第13図で示すように、たとえば暗視野
部(A)と円形高輝度部(B)とからなる画面(16)を
受像した場合、高輝度部(B)に対応するシヤドウマス
ク本体(7)の局部(7a)が熱変形し、局部的なドーミ
ングにより色ずれが生じる。このような局部的なドーミ
ングによる色ずれは、従来の熱膨張補正機構(10)によ
り補正することが不可能であつた。
このような局部的なドーミングによる色ずれの問題を
解決するには、テレビシヨン学会誌の論文「シヤドウマ
スク管の局部ドーミング現象に関する理論検討」で示さ
れているように、シヤドウマスク本体(7)を厚肉にす
る手段が有効的であることが理論的に立証されている。
しかしながら、一般的に、シヤドウマスク本体(7)
は、たとえば特公昭51−9264号公報に示されているエツ
チング法といつた化学的な方法で製造される。
この化学的な製造法においては、シヤドウマスク本体
(7)の板厚(t)と、電子ビームが通過する電子ビー
ム通過孔(13)の大きさ(Sw)との間に Sw>0.8×t …… という条件があり、この条件を満足させて、厚肉の板に
小さな孔を密に設けることは不可能である。
すなわち、カラー受像管の解像度を向上させるため
に、蛍光面(3)を構成する蛍光体の設定ピツチを小さ
くすれば、シヤドウマスク本体(7)はその色選別機能
を発揮するために、これに形成される電子ビーム通過孔
(13)の大きさも必然的に小さくしなければならないこ
とはいうまでもない。
他方、シヤドウマスク本体(7)の熱変形による色ず
れを抑えて、良好な色純度を保つためには、厚肉のシヤ
ドウマスク本体(7)が要求されることは前述したテレ
ビジヨン学会誌の論文の通りである。
しかし、この両者は上記式から明らかに矛盾した関
係にある。したがつて、この両者を満足させるために、
厚肉の1枚の板からなるシヤドウマスク本体(7)に小
さな電子ビーム通過孔(13)を開設することは、前述し
たように製造面において非常に困難である。
そのため、たとえば特開昭57−138746号公報に示され
ているように、複数枚の薄肉のシヤドウマスク板を積層
し、これらをその外周部において溶接することによつ
て、実質的に厚肉のシヤドウマスク本体(7)を構成す
ることが提案されている。
第14図および第15図は上記特開昭57−138746号公報に
提案された厚肉のシヤドウマスク本体の成形方法を示す
説明図であり、まず第14図で示すように、厚みの異なる
2枚のシヤドウマスク板(21),(22)を、それぞれの
電子ビーム通過孔がある有孔部領域(23A),(23B)の
外周の無孔部領域(24A),(24B)に形成された位置決
め孔(25A),(25B)とこれに係合する位置決めピン
(26)とを介して位置合せ治具(27)上に設置する。こ
れにより、上記2枚のシヤドウマスク板(21),(22)
をそれぞれの電子ビーム通過孔が合致するように重ね合
せて位置決めする。この状態で、2枚のシヤドウマスク
板(21),(22)をそれらの無孔部領域(24A),(24
B)において、スポツト溶接(28)またはシーム溶接す
る。
次に、第15図(a)で示すように、互いに合致した各
シヤドウマスク板(21),(22)の電子ビーム通過孔
(13a),(13b)を第15図(b)で示すように、ポリア
ミド系レンジ(29)で埋めたのち、たとえば熱風乾燥
し、かつこのレンジ(29)をキユアリングして十分な強
度をもたせる。そののち、通常のカラー受像管用シヤド
ウマスクの成形と同様に所望の曲率を有する雌雄の金型
を用いて第15図(c)で示すように、プレス成形するこ
とにより、2枚のシヤドウマスク板(21),(22)の滑
りや伸びのばらつきによる電子ビーム通過孔(13a),
(13b)の位置ずれを防止する。そして、最後に充填し
たレンジ(29)を機械的にまたはレーザー光などを用い
て第15図(d)のように除去する。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記のような先行技術によつて構成さ
れた従来の厚肉のシヤドウマスク本体においては、プレ
ス成形後にレンジ(29)を除去するにしても、このレン
ジ(29)の充填時に2枚のシヤドウマスク板(21),
(22)間に浸透したレンジ液を完全に除去することは困
難である。そのため、カラー受像管の動作中に徐々に不
純ガスが管内に流出して受像管の寿命を短くしたり、テ
レビジヨンセツトのスピーカ音による振動で2枚のシヤ
ドウマスク板(21),(22)間に残つていた未除去レン
ジが管内に散出し、これが電子銃などに付着してスパー
クを引きおこすなどの問題があつた。
また、プレス成形後の残留歪のもどり現象により、電
子ビーム通過孔(13a),(13b)に位置ずれを発生しや
すい欠点があつた。
この発明は上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、複数枚のシヤドウマスク板を電子ビーム通
過孔の位置ずれのないように接合して高解像度で、かつ
色純度に優れ、しかも寿命の長いカラー受像管を構成す
ることができるカラー受像管用シヤドウマスク構体を提
供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] この発明によるカラー受像管用シヤドウマスク構体
は、複数枚のシヤドウマスク板の互いに隣接する2枚の
シヤドウマスク板どうしを、上記多数の電子ビーム通過
孔が形成された有孔部領域の複数個所で溶接接合したこ
とを特徴とする。
[作用] この発明によれば、互いに隣接する2枚のシヤドウマ
スク板どうしを有孔部領域の複数個所で溶接接合して厚
肉のシヤドウマスク本体を構成するので、その溶接後の
プレス成形時に有孔部領域の開数の電子ビーム通過孔が
位置ずれすることを防止できる。これにより、厚肉で、
かつ小さな電子ビーム通過孔を密に形成することができ
るから、シヤドウマスク本体の熱変形による色ずれを抑
えて、良好な色純度を保つことが可能であるとともに、
カラー受像管の解像度を向上させることができる。
[発明の実施例] 以下、この発明の一実施例を図面にもとづいて説明す
る。
第1図はこの発明の一実施例によるカラー受像管用シ
ヤドウマスク構体を蛍光面側からみた要部の拡大平面
図、第2図は第1図の斜視断面図である。
なお、シヤドウマスク式カラー受像管の全体構成は第
9図に示すものと同様であるため、以下の説明において
は同図を参照しながら説明する。
第1図において、(21)は電子銃(12A),(12B),
(12C)側に配設された比較的薄肉な一方のシヤドウマ
スク板で、このシヤドウマスク板(21)には第2図およ
び第3図で明瞭に示すように、他方のシドウマスク板
(22)が積層されている。このシヤドウマスク板(22)
は熱伝導の主体となる蛍光面(3)側に配設され、かつ
上記シヤドウマスク板(21)を補強するために、このシ
ヤドウマスク板(21)の板厚(t1)よりも大きい板厚
(t2)に形成されている。
(30)はシヤドウマスク板(21)に設けられた電子ビ
ーム通過孔(13a)を形成するスロツト形の貫通孔、(3
0a)は貫通孔(30)の側壁、(31)はシヤドウマスク板
(22)に設けられた電子ビーム通過孔(13b)を形成す
るスロツト形の貫通孔で、この貫通孔(31)は上記シヤ
ドウマスク板(21)側の貫通孔(30)よりも多少大きく
形成されている。(31a)は貫通孔(31)の側壁であ
る。
(32),(33)はシヤドウマスク板(22)の表面(22
a)からシヤドウマスク板(21)の深さ(t3)にまでわ
たつて、両シヤドウマスク板(22),(21)を溶融接合
した溶接部である。
第4図は29インチのカラー受像管におけるシヤドウマ
スク本体(7)を試作したときの各部の実際値を示す。
同図において、(P)はシヤドウマスク本体(7)の短
軸方向での電子ビーム通過孔のピツチで、0.65mmであ
る。シヤドウマスク板(22),(21)の板厚(t1),
(t2)は0.25mmおよび0.20mm、またシヤドウマスク板
(21)の貫通孔(30)の幅は電子銃側の幅(Sw1)が150
μmで、他方のシヤドウマスク板(22)に接する面側の
幅(Sw2)よりも狭く成形されている。
上記シヤドウマスク板(22),(21)のスロツト形貫
通孔(31),(30)の幅のそれぞれの値は、管軸の中心
からの距離により変化する。例えば、長軸上の管軸の中
心から150mm離れた位置では、上記貫通孔(30)の幅(S
w1)の中心を通るようにシヤドウマスク板(21)にたて
た垂直線からの距離で表わすと、シヤドウマスク本体の
組立誤差による電子ビームの通過面積のばらつきをなく
すために、(Bw1)は160μm、(Bw2)は120μm、(Ow
1)は150μm、(Ow2)は120μm、また(Ow3)は250μ
m、(Ow4)は170μmに設定して製作する。
以上のようにして製作されたシヤドウマスク板(2
2),(21)を後述する押え治具(34)と位置合せ治具
(27)との間に挟持させて、4Kg/cmの圧力を加えること
により、上記の両シヤドウマスク板(22),(21)を隙
間のないように密着させる。この状態で、たとえばYAG
レーザを0.6〜0.8ジユール/パルス、パルス幅10msec程
度の条件で、0.1〜0.15mm程度のビーム径になるように
レーザ加工ヘツド(35)で集光して、シヤドウマスク板
(22),(21)に照射し溶接する。このときのシヤドウ
マスク板(22)の表面の溶接部(32)の直径(L1)は約
0.3mm、シヤドウマスク板(21)の溶接部の直径(L2)
は約0.10mmで、その深さ(t3)は0.1mm程度とする。
また、この29インチのカラー受像管に実施した場合、
有孔部領域(23A),(23B)の外周部の無孔部領域(24
A),(24B)において、40mmのピツチで約50点、有孔部
領域(23A),(23B)において、約30〜100mmのピツチ
で約100点の溶接をおこなつた。この状態で、プレス成
形したところ2枚のシヤドウマスク板(21),(22)の
滑りや伸びのばらつきによる電子ビーム通過孔(13
a),(13b)の位置ずれはまつたくなく、良好な結果が
得られた。
つぎに、上記構成のシヤドウマスク本体(7)の製作
方法について概略的に説明する。
第5図は化学的なエツチング法によりそれぞれ所望の
板厚に製作された2枚のシヤドウマスク板(21),(2
2)を示す概略平面図で、、それぞれ電子ビーム通過孔
がある有孔部領域(23A),(23B)の外周部の無孔部領
域(24A),(24B)には、上記2枚のシヤドウマスク板
(21),(22)を正確に位置合わせするための位置決め
孔(25A),(25B)が形成されている。
このように製作された2枚のシヤドウマスク板(2
1)、(22)を、第6図で示すように、上記位置決め孔
(25A),(25B)とこれに係合する位置決めピン(26)
を介して上記した位置合せ治具(27)上に設置する。こ
れにより、上記2枚のシヤドウマスク板(21),(22)
をそれぞれの電子ビーム通過孔が合致するように重ね合
せて位置決めする。
そののち、第7図で示すように、上記2枚のシヤドウ
マスク板(21),(22)を押え治具(34)と位置合せ軸
(27)との間に挟持させて圧力を加えることにより、上
記の両シヤドウマスク板(22),(21)を隙間のないよ
うに密着させる。この状態で、レーザ加工ヘツド(35)
を位置決めして、溶接個所にレーザを照射することによ
り、両シヤドウマスク板(21),(22)は互いに溶接さ
れる。溶接後、上記押え軸(34)を上方に上昇させて挟
持圧力を解除することにより、シヤドウマスク本体
(7)が構成される。
第8図は上記のようにして構成されたシヤドウマスク
本体(7)を球面形にプレス成形した状態の斜視図であ
り、その周囲にスカート部(8)が一体に折曲げ形成さ
れている。
なお、上記実施例においては、シヤドウマスク本体
(7)が2枚のシヤドウマスク板(21),(22)を積層
し溶接したものから構成されている場合について説明し
たけれども、シヤドウマスク本体(7)が3枚以上のシ
ヤドウマスク板を溶接して構成されている場合について
も同様の効果を奏することはもちろんである。
また、上記実施例においては、2枚のシヤドウマスク
板(21),(22)の溶接はレーザ光により行なつた場合
について説明したけれども、電子ビーム溶接機を用いて
溶接する場合についても同様の効果を奏することはいう
までもない。
さらに、上記実施例においては、シヤドウマスク構体
(5)の熱膨張補正機構(10)として、バイメタルを使
用した場合について説明したけれども、その他の公知の
手段を用いても同様の効果を奏することができる。
[発明の効果] 以上のように、この発明によれば、積層された複数枚
のシヤドウマスク板をそれらの有孔部領域の複数個所で
溶接してプレス成形するので、厚肉のシヤドウマスク本
体を構成することができるとともに、得られた厚肉のシ
ヤドウマスク本体に溶接歪によるしわや、各積層シヤド
ウマスク板間の遊離、位置ずれといつた変形を防止する
ことができる。
したがつて、カラー受像管の解像度を向上させるため
に、蛍光面を構成する赤、緑、青の各色に発光する蛍光
体の設定ピツチが小さくなるのにともなつて、シヤドウ
マスク本体に形成される電子ビーム通過孔の大きさを小
さくすることが可能である。
また、シヤドウマスク本体の熱変形による色ずれを抑
えて、良好な色純度を保つために、厚肉のシヤドウマス
ク本体が容易に得られるものである。
すなわち、この発明によるカラー受像管用シヤドウマ
スク構体によれば、解像度の向上と色純度の増進とをと
もに達成することができる。
とくに、この発明によるシヤドウマスク構体によれ
ば、シヤドウマスク本体が厚肉であるから、テレビジヨ
ン学会誌の論文で理論的に立証されているように、電子
ビームの局部的なシヤドウマスク板への射突により発生
するシヤドウマスク板自体の熱変形、つまり局部ドーミ
ングを防止して、色純度の良いカラー受像管を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例によるカラー受像管用シヤ
ドウマスク構体の要部の拡大平面図、第2図は第1図の
斜視断面図、第3図は第1図のIII−III線に沿う断面
図、第4図は21インチカラー受像管に実施した場合の各
部の寸法を説明するための要部の拡大断面図、第5図は
接合されたシヤドウマスク本体の概略平面図、第6図は
シヤドウマスク本体の製作方法を説明するための斜視
図、第7図はシヤドウマスク本体の製作方法で、溶接時
の状態を示す要部の拡大断面図、第8図はプレス成形さ
れたシヤドウマスク本体の斜視図、第9図はシヤドウマ
スク式カラー受像管の一部破断斜視図、第10図はシヤド
ウマスク式カラー受像管におけるフレームとシヤドウマ
スク板の動作経過時間に対する温度上昇経過を示す特性
図、第11図はカラー受像管におけるシヤドウマスク構体
のドーミングとその補正動作の一例を説明するための線
図、第12図は上記シヤドウマスク構体におけるフレーム
の熱膨張にともなうミスランデイングとその補正動作の
一例を説明するための線図、第13図はカラー受像管にお
けるシヤドウマスク構体の局部的なドーミングの一例を
説明するための線図で、同図(a)はカラー受像管にお
ける画面の正面図、同図(b)はカラー受像管の平面
図、第14図は従来のカラー受像管用シヤドウマスク本体
の製作方法を説明するための斜視図、第15図(a)〜
(d)は従来のシヤドウマスク本体の成形工程を示す要
部の拡大断面図である。 (2)……パネル、(3)……蛍光面、(7)……シヤ
ドウマスク本体、(9)……フレーム、(13)……電子
ビーム通過孔、(21)、(22)……シヤドウマスク板、
(23A),(23B)……有孔部領域、(24A),(24B)…
…無孔部領域、(32),(33)……溶接部。 なお、図中の同一符号は同一または相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 花島 真人 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭49−79170(JP,A) 特開 平2−46628(JP,A) 特開 平2−30039(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パネルの内面の蛍光面に対向して配設され
    かつ多数の電子ビーム通過孔が形成されたシヤドウマス
    ク本体と、このシヤドウマスク本体の外周部を固定し保
    持するフレームと、受像動作時の上記シヤドウマスク本
    体の熱膨張による色ずれを補正する熱膨張補正機構とを
    備え、かつ上記シヤドウマスク本体が重ね合わされた複
    数枚のシヤドウマスク板を溶接接合してなるカラー受像
    管用シヤドウマスク構体において、上記複数枚のシヤド
    ウマスク板の互いに隣接する2枚のシヤドウマスク板ど
    うしを、少なくとも上記多数の電子ビーム通過孔が形成
    された有孔部領域の複数個所で溶接接合したことを特徴
    とするカラー受像管用シヤドウマスク構体。
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