JP2741543B2 - 整粒酸化クロムおよびその製造法 - Google Patents

整粒酸化クロムおよびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は微細かつ整粒した酸化クロムの製造法に係
り、更に言えば磁気テープ用の研摩材など精密研摩材や
顔料等に有用な酸化クロムを提供することを目的とした
ものである。
〔従来の技術〕
酸化クロムは従来から顔料、研摩材あるいは耐火材等
の用途を対象に以下のような各種の方法により工業的に
製造されている。
3価クロム塩水溶液をアルカリ剤で中和して水酸化ク
ロムとし、これを高温度で焼成する方法。
重クロム酸アルカリに炭素、硫黄またはSO2、H2Sガス
等の還元剤を作用させて加熱焼成した後、水洗、分離す
る方法。
上記、はいわゆる湿式法と呼ばれ、例えば特公昭
59−38170号公報、特公昭59−35843号公報、特公昭62−
50410号公報などに開示されている。
無水クロム酸や重クロム酸アンモニウムを加熱分解す
る方法。
この方法は、いわゆる乾式法と呼ばれ工業的製法とし
ては最も代表的な方法である。この方法において比表面
積の大きい顔料特性のすぐれたものを得る改善方法とし
て、含窒素化合物を存在させることが知られている(特
公昭54−15040号公報、特公昭55−23213号公報)。
前記の変法として重クロム酸アルカリや重クロム酸
アンモニウムに酸および含窒素化合物を加えて熱分解す
る方法が知られている(特開昭51−108697号公報、特開
昭52−8999号公報、特公昭58−1047号公報)。
更に酸化クロムを温風下で乾式遠心分級することによ
り整粒酸化クロムとする方法(特開昭60−260426号公
報)や実質的に球状で0.03〜0.3ミクロンの粒径をもつ
微細な酸化クロムを研摩剤とすることなども知られてい
る(特開昭63−45125号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
近時、酸化クロムにおいて従来のものと異なり、より
機能性を具備することが要求され、従来の粒子特性のも
のでは追従することができなくなってきている。
即ち、酸化クロムはその製法上、加熱工程を必要とす
るが、この段階で生成する酸化クロムの粒子は相互に不
規則に付着、凝集する傾向が強いため、平均粒径が1μ
m前後の微細でかつその粒度分布がシャープで単分散に
近い酸化クロムの粒子は得ることが難かしいことから、
見かけの粒子は単結晶粒子に比してかなり大きなものと
なっている。
かかる傾向は、何も酸化クロムに限った問題ではな
く、一般に粒子が微細になればなる程見られる現象であ
るが、焼成工程を不可避的に採る酸化クロムにあっては
粒子間の焼結もあって単分散に近いものの形成は極めて
困難とされてきた。
従って、通常は生成した酸化クロムに強力な粉砕およ
び分級の操作を施して所望粒度に近い部分のみを選択し
て回収する手段が講じられている。
本発明は、上記の従来の技術では得ることができなか
った平均粒径が2μm以下、特に1μm以下でかつ単分
散に近いシャープな粒度分布である特定な粒子状態の酸
化クロムと、従来の技術における上記の問題点を未然に
回避して特別な粉砕、分級等の工程の付加を必要とせず
に、このような酸化クロムを得る製造法を提供しようと
するものである。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、6価クロム化合物、アルカリ塩
および含窒素化合物を含有する原料調合物の水溶液を40
0℃以下で噴霧乾燥または噴霧熱分解した後、800〜1200
℃の温度で焼成し、次いで該焼成物を水洗処理すること
を特徴とする整粒酸化クロムの製造法に係る。
以下、本発明について詳述する。
本発明に係る酸化クロムは、上記のように実質的に球
状であることが特徴の1つとなっている。
ここに実質的に球状とは、酸化クロムの一次粒子が凸
部を有しない連続的で円滑な曲面からなることを意味
し、例えば結晶面で構成される陵等が明確には認められ
ないことをいう。
酸化クロムの粒子がこのような球状であることは、第
1図に示すように電子顕微鏡(SEM)による観察で確認
することができる。
かかる形状の特徴は適度の粒径と相俟って、顔料や精
密研摩に適用できる機能を与えることができる。
次に、本発明に係る酸化クロムは平均粒子が0.1〜2
μmの範囲にあり、且つロジン−ランムラーの線図にお
けるn値が3以上であることが第2の特徴となってい
る。
本発明における粒度分布は、電子顕微鏡法若しくは光
散乱式の粒度測定法によって求められた値で表わしたも
のであり、平均粒子径は累積値の50%代表径(R50)を
意味し、特に0.1〜1.0μmの範囲が好ましい。
また、粒度分布をロジン−ランムラー(Rosin−Rammr
er)式R(Dp)=100exp(−bDpn)〔R(Dp)は粒子径
Dpよりも大きい粒子の重量%、b、nは定数〕おいて求
められているn値が大きい程粒子分布がシャープである
と言えるが、本発明に係る酸化クロムはこれが3以上で
あることが特徴となっている。
更に、このような粒子特性をもつ酸化クロムは、実質
的に単分散状の粒子であって、非常に分散性がよく、従
来の凝集性の変化クロムとは異なっているものである。
このような酸化クロムは、前記の特徴的操作により工
業的に製造することができる。
まず、原料となる6価クロム化合物としては、例えば
無水クロム酸、重クロム酸アルカリ、重クロム酸アンモ
ニウム、クロム酸アルカリ等が挙げられ、アルカリ塩と
しては、前記アルカリ塩のほかに硫酸アルカリ、塩化ア
ルカリ、硫酸アルカリ等が挙げられる。
また、含窒素化合物としては、アンモニア、アンモニ
ウム塩、硝酸塩、尿素、グアニジン等を使用することが
できる。
なお、以上の各原料はそれぞれ1種または2種以上を
併用しても差支えない。
従って、前記から明らかなように6価クロム化合物、
アルカリ塩および含窒素化合物はそれぞれ個別的に用い
ることは必ずしも必要ではなく、原料調合物中に結果的
にそれらの3成分が所定量含有されていればよい。
ただし、かかる6価クロム含有の原料調合物は、後述
の焼成したときに酸化クロムと中性塩類を生成するよう
な配合でなければならない。
この理由は、焼成後アルカリ性を示す塩類を生成する
ような原料配合では焼成物中に6価クロムが残留し、酸
化クロム収率低下をきたすことになるからである。
また、出発原料として使用する塩類の量的割合は、焼
成物中に副生する中性アルカリ塩の量が生成する酸化ク
ロム(Cr2O3)に対し20〜120モル%の範囲にあり、特に
30〜100モル%となるようにすることが好ましい。副生
する中性アルカリ塩の量が20モル%未満では、生成する
酸化クロムの粒子成長が不充分でしかも粒度分布が不均
一となる。一方、120モル%を越えると、焼成物全体が
融体状となって焼成炉壁に付着し、炉からの排出が困難
となるうえ、粒度分布が不均一かつ粒成長して目的とす
る粒度特性のものが得られなくなる。
同様の理由から、含窒素化合物はCr2O3に対し80〜120
モル%の範囲が好適である。
本発明において、かかる原料調合物水溶液を噴霧乾燥
または噴霧分解のいずれかの操作を施すことが重要であ
り、これらは噴霧する際の熱雰囲気が異なるだけであ
る。噴霧乾燥は、いわゆる所望のスプレードライヤーを
使用して霧状にした水溶液を熱風と接触させて瞬間的に
水分を蒸発、除去することによって行なわれ、微細かつ
均一な乾燥粉末を得る。この操作自体は化学の分野で周
知のものである。
混合塩水溶液の噴霧分解は、約300℃以上の高温度で
噴霧を行ない、前者の乾燥粉末よりも微細で崇高な均一
分解物を得ることができる。このような操作は、また30
0℃以上の高温に加熱された例えば、ロータリーキルン
中に水溶液を直接噴霧することによっても得ることがで
きる。この噴霧分解法は、瞬間的な水分の蒸発除去と原
料の加熱分解を行なわせるものであり、微細かつ均一分
解生成物の粉末が得られることから、噴霧乾燥法により
合理的であるといえる。
このようにして得られる噴霧乾燥物または分解生成物
の粉末は、ロータリーキルン、シャトルキルン、その他
の炉により800〜1200℃の温度で0.5〜3時間焼成し、そ
の焼成物を水で洗浄して副生物の塩類を可及的に除去
し、乾燥することによって目的の酸化クロムが得られ
る。
なお、必要により粉砕を施してもよいが、本発明では
不可欠な操作ではない。
〔作 用〕
本発明に係る酸化クロムは、実質的に球状かつ整粒さ
れた微細な分散性のよい粒子特性を有する。
かかる酸化クロムは、6価クロム、アルカリ塩および
含窒素化合物の原料調合物水溶液を加熱雰囲気で噴霧処
理を施すことにより、得られる微細な流動性良好な粉末
が核となって、それぞれの粒子を均一な焼成条件で完全
に熱分解することにより酸素ガス、窒素ガスおよび水等
のガス発生とアルカリ塩の存在による酸化クロムの結晶
促進が均一な粒子毎になされるために、前記の特性を有
する酸化クロムが得られるものと考えられる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1 無水クロム酸(CrO3:99.7%)100重量部を水100重量
部に溶解し、硫酸ナトリウム(Na2SO4:98wt%)72重量
部、アンモニア水(NH3:28wt%)61重量部を添加し調製
した水溶液を温度140℃にて噴霧乾燥した。得られた乾
燥粉末は平均粒径5μmの球形で、化学分析の結果、原
料の偏析等がない均一性の高い流動性のある粉体である
ことが確認された。
次いで、1100℃に温度調節された電気炉でアルミナル
ツボ(100cc)に入れた上記乾燥粉末30gを1時間焼成
し、自然冷却した。
該焼成物を水洗して副生した硫酸ナトリウムを除去
し、乾燥後11gの酸化クロムを得た。
得られた酸化クロムについて電子顕微鏡(SEM)にて
観察したところ、第1図に示すとおり実質的球状の整っ
た粒子が確認され、また粒度分布を測定したところ、R5
0=0.4μmロジン−ランムラー式のnが3.1をもつ整粒
された微細な酸化クロムであった。更にBET比表面積を
求めたところ、2.9m2/gを有していた。
実施例2 重クロム酸ソーダ(Na2Cr2O7・2H2O:99.5%)50重量
部を水250重量部に溶解し、硫酸(H2SO4:98%)16.7重
量部尿素〔(NH22CO:98%〕10.2重量部を添加し完全
に溶解して得られた原料調合物水溶液を、温度400℃の
熱雰囲気にて噴霧処理し噴霧分解を行った。
得られた粉末は、褐色の均一な流動性のよい微粒子で
あった。次いで、この微粉末を実施例1と同様に電気炉
にて1100℃1時間焼成した後、冷却、水洗して副生硫酸
ナトリウムを可及的に除去し、乾燥して酸化クロムを得
た。
この酸化クロムの粒子特性を実施例1と同様に測定し
たところ、次の結果が得られた。
SEM:実質的に球状 平均粒子径(R50):0.3μm ロジン−ランムラー式のn値:3.3 BET比表面積:3.84m2/g 比較例1 実施例1において調合した水溶液を120℃で蒸発乾固
させた。得たられ固形物を粉砕後、1100℃1時間(実施
例1と同様)焼成した後、水洗および乾燥して酸化クロ
ムを得た。
得られた酸化クロムについて粒子特性を調べたとこ
ろ、次の結果が得られた。
SEM:凝集性の大きい不均質粒子(第2図) 平均粒子径(R50):0.5μm ロジン−ランムラー式のn値:1.5 BET比表面積:2.30m2/g 〔発明の効果〕 発明に係る酸化クロムは、実質的に球状の微細かつロ
ジン−ランムラー式のn値が3以上の整粒された粒子特
性をもつものである。
かかる酸化クロムは、磁気記録媒体用の精密研摩材あ
るいは顔料として有用である。
一方、本発明の製造方法によれば、無水クロム酸、重
クロム酸塩等をクロム源とし比較的単純な工程で、また
比較的低い温度の焼成によって前記のように微細で粒度
分布のシャープな粒子状態の酸化クロムを得ることが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施態様の1つである酸化クロムの粒
子構造を示す電子顕微鏡写真(15000倍)、第2図は比
較例として挙げた酸化クロムの粒子構造を示す電子顕微
鏡写真(15000倍)である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】6価クロム化合物、アルカリ塩および含窒
    素化合物を含有する原料調合物の水溶液を400℃以下で
    噴霧乾燥または噴霧熱分解した後、800〜1200℃の温度
    で焼成し、次いで該焼成物を水洗処理することを特徴と
    する整粒酸化クロムの製造法。
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