JP2741178B2 - 4サイクルエンジン - Google Patents

4サイクルエンジン

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JP2741178B2
JP2741178B2 JP6338976A JP33897694A JP2741178B2 JP 2741178 B2 JP2741178 B2 JP 2741178B2 JP 6338976 A JP6338976 A JP 6338976A JP 33897694 A JP33897694 A JP 33897694A JP 2741178 B2 JP2741178 B2 JP 2741178B2
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敏之 高田
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Kawasaki Jukogyo KK
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/027Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle four

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  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は4サイクルエンジンに関
し、特に、新規なエンジン潤滑方式を備えた4サイクル
エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、4サイクルエンジンの潤滑方式と
しては、エンジン(クランク室)底部のオイル溜まりに
溜められたオイルをポンプの吸引圧送力または回転部材
の掻き上げなどによって軸受面等の要潤滑部へ供給し、
潤滑した後のオイルを再びオイル溜まりへ戻すという循
環方式が採用されている。この種のエンジンの従来構成
を示す技術文献には、例えば実開昭61−39417号
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ようなエンジン下部にオイル溜まりを設ける従来方法で
は、ウォータークラフト等の小型滑走艇(PWC=パー
ソナル・ウオーター・クラフト)などのエンジンとして
使用する場合、該小型滑走艇が走行中に大きく傾斜した
りすると、オイル溜まりのオイルがシリンダヘッドへ逆
流し、その一部が燃焼室へ流入することがある。そし
て、このような状態になると、エンジンの運転が困難に
なることがあり、たとえ運転できても、燃焼室内でオイ
ルが液体圧縮されてしまい、所望の運転状態の確保が困
難になることがある。また、エンジン下部にオイル溜ま
りを設けるので、エンジン全高が高くなり、上記小型滑
走艇あるいは自動2輪車や自動3、4輪車に搭載するエ
ンジンとして、さらには汎用エンジンとしても好ましく
ない場合がある。
【0004】また、4サイクルエンジンの潤滑系とし
て、オイルを燃料に混合した混合燃料を用いたり、ある
いは気化器で生成した混合気にオイルを混入させる方
法、すなわち、燃料と空気の混合気にオイルを含ませ、
このオイル含有の混合気をクランク室の圧力変化を利用
して該クランク室へ吸入し、各部を潤滑した後の混合気
を燃焼室へ吸入して圧縮燃焼させる構成の潤滑系も考え
られるが、このような潤滑系では、燃料とともにオイル
も燃焼室に吸入されるためオイル消費量が多くなった
り、排気ガス中にオイルが混入するため環境に優しい排
気処理を行うことが困難であったり、ピストン、排気弁
及び燃焼室等にオイルの炭化付着物が生じたり、混合供
給量が少ない低負荷低速運転の後に急加速すると潤滑不
良を生じたりする。
【0005】本発明はこのような技術課題に鑑みてなさ
れたものであり、本発明の目的は、エンジンの姿勢がど
のように変化しても所望箇所を良好に潤滑することがで
き、全高を低減してコンパクト化を図ることができ、オ
イルポンプ等の圧送手段を省略して構造の簡単化および
コストダウンを図ることができ、さらに、オイル消費を
実質的に無くすとともに、ピストン、排気弁および燃焼
室等におけるオイルの炭化付着を無くすることができる
4サイクルエンジンを提供することである。
【0006】
【課題解決のための手段】請求項1の発明は、上記目的
を達成するため、燃料供給装置から吸気弁で開閉制御さ
れる吸気孔を通して燃焼室へ燃料混合気を供給するとと
もに、前記燃焼室から排気弁で開閉制御される排気孔を
通して排気する4サイクルエンジンにおいて、空気とオ
イルを混合したオイル混合気をクランク室へ供給するオ
イル供給装置と、前記クランク室から動弁室へ前記オイ
ル混合気を導入するための連通路と、前記動弁室内のオ
イル混合気を前記オイル供給装置へ戻すための戻り通路
と、を有し、ピストン行程運動による前記クランク室の
圧力変動を利用して、前記オイル供給装置から前記クラ
ンク室へオイル混合気を吸入するとともに、該オイル混
合気を前記連通路を通して前記動弁室へ圧送し、さらに
該オイル混合気を該動弁室から前記戻り通路を介して前
記オイル供給装置へ戻すように動作するオイル循環方式
のエンジン潤滑系を備えることを特徴とする。
【0007】請求項2〜請求項5の発明は、請求項1の
構成に加えて、前記戻り通路に、前記動弁室から前記オ
イル供給装置へ向かって順次、オイルクーラー、油気分
離器、フィルターおよびオイルタンクを設ける構成、前
記オイル供給装置と前記クランク室との間並びに該クラ
ンク室から前記動弁室へ至る間のそれぞれに逆止弁を設
け、これらの逆止弁を通して前記オイル混合気を圧送す
る構成、前記オイル供給装置から歯車室を介して前記ク
ランク室へオイル混合気を供給する構成、あるいは、低
負荷低速運転時には前記オイル供給装置からのオイル混
合気の供給を中止する構成とすることにより、一層効率
よく、上記目的を達成するものである。
【0008】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。なお、各図面を通して、同一符号は同一または対
応部分を示す。図1は本発明を適用した4サイクルエン
ジンの第1実施例をクランクシャフトと直角方向に切断
して示す縦断面図であり、図2は図1中の線2−2に沿
った立て断面図である。図1および図2において、4サ
イクルエンジンは、クランクケース部1、シリンダ部
2、シリンダヘッド部3およびヘッドカバー部4によっ
て構成されている。
【0009】前記クランクケース部1の内部にはクラン
ク室5が形成され、該クランクケース部1には該クラン
ク室5内で回転するクランクシャフト6が軸支されてい
る。前記シリンダ部2のボアにはピストン7が摺動可能
に嵌装され、該ピストン7はコネクティングロッド8に
よりクランクシャフト6のクランクピンに連接されてい
る。前記シリンダ部2の頂部には前記シリンダヘッド部
3が気密状態で接合され、該シリンダヘッド部3と前記
ピストン7との間に燃焼室(圧縮膨張室)9が形成され
ている。
【0010】図1および図2において、前記シリンダヘ
ッド部3には燃焼室9へ通じる吸気孔10および排気孔
11が形成されており、該吸気孔10には燃料供給装置
12が設けられている。この燃料供給装置12は例えば
ガソリンと空気との混合気を供給する気化器または燃料
噴射弁などで構成される。前記吸気孔10の前記燃焼室
9との連通および遮断は吸気弁13の開閉動作によって
制御される。また、前記排気孔11と前記燃焼室9との
連通および遮断は排気弁14の開閉動作によって制御さ
れる。
【0011】前記シリンダヘッド部3の上側には、前記
ヘッドカバー部4によって密閉された動弁室15が形成
されている。この動弁室15内にはカムシャフト16、
吸気弁用ロッカーアーム17、排気弁用ロッカーアーム
18が回転可能に軸支されている。前記カムシャフト1
6には吸気弁用カムおよび排気弁用カムが形成されてい
る。そこで、前記カムシャフト16が回転することによ
り、吸気弁用ロッカーアーム17を介して吸気弁13の
開弁動作(吸気行程)のタイミングが、排気弁用ロッカ
ーアーム18を介して排気弁14の開弁動作(排気行
程)のタイミングが、それぞれ制御される。
【0012】図2において、前記カムシャフト16は前
記クランクシャフト6の回転を利用して同期回転駆動さ
れるものであり、該クランクシャフト6と前記カムシャ
フト16とはチェーン伝動機構、歯車伝動機構またはプ
ッシュロッド伝動機構等のカムシャフト駆動機構19で
連結されている。図2にはチェーン伝動機構19を使用
する場合が示されている。そして、エンジンの側面部に
は、前記カムシャフト駆動機構19を配設するための伝
動機構収納空間20が形成されている。
【0013】図1において、クランクケース部1には、
クランク室5内へ空気とオイルの混合物であるオイル混
合気を供給するオイル供給装置21が装着されている。
このオイル供給装置21は逆止弁22を介して前記クラ
ンク室5に接続されている。前記オイル供給装置21に
対しては、オイルタンク23からのオイルとエアクリー
ナー24を通して吸い込まれる空気が供給される。した
がって、ピストン7が上死点へ向かう行程でクランク室
5内に負圧が発生するとオイルと空気のオイル混合気が
クランク室5内へ導入され、ピストン7が下死点へ向か
う行程でクランク室5内圧力が上昇すると前記逆止弁2
2が閉じてオイル混合気の供給が停止される。
【0014】図1において、前記クランク室5と前記動
弁室15とは連通路25で接続されており、該連通路2
5の途中には、前記動弁室15へ向かう流れは許すが、
反対方向の流れは遮断または制限するように動作する逆
止弁26が設けられている。そのため、ピストン7が下
死点へ向けて移動する時のようにクランク室5内の圧力
が動弁室15内の圧力より高くなると前記逆止弁26が
開いてクランク室5内のオイル混合気が連通路25を通
して動弁室15へ流入し、ピストン7が上死点へ向けて
移動する時のようにクランク室5内の圧力の方が低くな
ると前記逆止弁26が閉じて動弁室15へのオイル混合
気の流入が停止される。
【0015】図1において、前記動弁室15と前記オイ
ル供給装置21とは戻り通路27で接続されており、該
戻り通路27の途中には、動弁室15からオイル供給装
置21に向かって順次、オイル処理ユニット28および
オイルタンク23が設けられている。前記オイル処理器
28は、オイルクーラー、油気分離器およびフィルター
を動弁室15からオイル供給装置21に向かって順次配
列した構造をしている。
【0016】以上説明した4サイクルエンジンの動作は
次のとおりである。エンジンが始動されると、クランク
シャフト6の回転、ピストン7のストローク運動、カム
シャフト16による吸気弁13および排気弁14の開閉
動作、燃焼室9内の混合気への点火などのエンジン動作
は従来と同じように行われる。すなわち、エンジンの吸
気、圧縮・点火、爆発、排気などの各行程の動作は従来
のエンジンと実質上同じである。しかし、本実施例の4
サイクルエンジンでは、潤滑用のオイルはクランク室底
部などエンジン内部に溜めておく必要はなく、次に説明
する動作によって潤滑を要するエンジン内の各部分へオ
イル(オイルミスト)が導入される。
【0017】すなわち、エンジンが始動されると、ピス
トン7の上昇行程でクランク室5内が負圧になるとオイ
ル供給装置21からクランク室5内へオイルと空気の混
合物であるオイル混合気が導入される。次いでピストン
7の下降行程でクランク室5内が加圧されると、逆止弁
22が閉じてオイル混合気の導入が停止するとともに、
連通路25の逆止弁26が開き、クランク室5内のオイ
ル混合気が連通路25を通して動弁室15内へ圧送され
る。なお、オイルと空気の混合物であるオイル混合気は
クランク室5内で攪拌されてミスト状(微細なオイル粒
子が浮遊する霧状)にされる。
【0018】前記動弁室15内のオイル混合気は、順
次、戻り通路27を通して所定の処理を経た後、そのオ
イルは前記オイル供給装置21へ送給され、再び空気と
の所望比率の混合物(オイル混合気)に調整されてクラ
ンク室5内へ供給され、前述と同様の経路を循環され
る。このようにオイルと空気の混合物であるオイル混合
気をクランク室5および動弁室15を通して圧送循環さ
せるので、クランクシャフト6のメインベアリング部
(主軸受部)、コネクチィングロッド8の大端部および
小端部、シリンダ部2のピストン摺動部、カムシャフト
16の軸受部およびカム部、ロッカーアーム17、18
の軸受部および摺動部、吸排気弁13、14のバルブガ
イド部など、エンジン内部の潤滑必要部分を全てを適正
に潤滑することができる。
【0019】以上の実施例によれば次のような効果が得
られる。すなわち、以上の実施例によれば、オイルポン
プを必要とすることなく、エンジンの行程動作を利用す
るだけで、オイルミストを含んだオイル混合気をクラン
ク室5および動弁室15を通して圧送循環させることが
でき、4サイクルエンジンの必要箇所の全てにオイルを
供給することができる。また、オイルポンプを必要とし
ないので、構造の簡単化、コンパクト化、メカニカルロ
スの低減およびコストダウンを図ることができる。
【0020】また、従来の4サイクルエンジンのように
エンジン下部にオイル溜まりを設ける必要がないので、
その分エンジンの全高を低減してコンパクト化を図るこ
とができ、小型滑走艇、自動2輪車あるいは自動3、4
輪車に搭載するエンジンとして、また、汎用エンジンと
しても好適な4サイクルエンジンが提供される。さら
に、従来のようにオイル溜まりを必要としないので、小
型滑走艇のようにエンジンの姿勢が大きく傾斜するよう
な場合でもオイルが燃焼室内に侵入するという現象を無
くすことができ、エンジンの姿勢がどのように変化して
も所望箇所を良好に潤滑することができる。
【0021】以上の実施例によれば、さらに、燃焼室9
に吸入される燃料混合気(燃料供給装置12から供給さ
れる混合気)と潤滑用のオイルとを完全に分離し、クロ
ーズド回路で構成される潤滑系内でオイルを循環させる
ことから、オイルの燃焼を無くしてオイル消費を減少さ
せることができ、排気中の混入オイルを無くしてエンジ
ンを環境に優しいものにすることができ、ピストン7、
排気弁14、燃焼室9及びマフラー等におけるオイルの
炭化付着を無くすることができる。また、低負荷低速運
転の後の急加速時における潤滑不足を解消する手段を必
要としないという効果も得られる。
【0022】図3は本発明を適用した4サイクルエンジ
ンの第2実施例の要部構成を示すクランクシャフト方向
の中央部縦断面図である。本実施例においては、オイル
供給装置21からのオイル混合気がクランクケース部1
の側部に形成された歯車室31を介してクランク室5内
に供給され、クランク室5内のオイル混合気が前記伝動
機構収納空間20を介して動弁室15へ圧送されるよう
に構成されており、この点で図1および図2の第1実施
例と相違している。
【0023】すなわち、図3において、クランクケース
部1の片側(図示右側)には歯車室31が形成され、ク
ランクシャフト6の片側端部は前記歯車室31内へ延び
ており、該クランクシャフト6の延長部の前記歯車室3
1内の位置には駆動ギア32が固定されている。また、
前記歯車室31にはベアリング33、34を介して外部
へ突出する出力軸35が回転自在に軸支され、該出力軸
35の歯車室31内の位置には被駆動ギア36が固定さ
れている。なお、前記歯車室31内部はオイルシール3
7等により密封されている。
【0024】前記歯車室31の外側(図示右側)の壁に
は逆止弁22を有する開口38が設けられ、該開口38
にはオイル供給装置21が接続されている。前記逆止弁
22は、オイル供給装置21から歯車室31へ向かう流
れを許し、その逆の方向の流れは遮断する構造になって
いる。また、前記歯車室31の内部は通口39を通して
クランク室5内に連通している。前記クランク室5の反
対側の側壁には前記伝動機構収納空間20に連通する通
口40が形成され、該通口40にも逆止弁41が装着さ
れている。この逆止弁41は、クランク室5から伝動機
構収納空間20へ向かう流れを許し、その逆の方向の流
れは遮断または制限する構造になっている。さらに、前
記伝動機構収納空間20と前記動弁室15とは通口42
により連通されている。
【0025】図3の第2実施例は以上説明した点で図1
および図2の第1実施例と相違しているが、その他の点
では実質上同じ構成をしており、それぞれ対応する部分
を同一符号で示し、それらの詳細説明は省略する。な
お、図3の第2実施例においても、動弁室15からオイ
ル供給装置21へ至る戻り通路27の途中には、動弁室
15からオイル供給装置21に向かって順次、オイル処
理ユニット28およびオイルタンク23が設けられてい
る。前記オイル処理器28は、オイルクーラー、油気分
離器およびフィルターを動弁室15からオイル供給装置
21に向かって順次配列した構造をしている。
【0026】図3に示した第2実施例の動作は次のとお
りである。エンジンが始動されると、エンジンの吸気、
圧縮・点火、爆発、排気などの各行程の動作は従来のエ
ンジンと同様に行われる。しかし、図3の4サイクルエ
ンジンでは、潤滑用のオイルはクランク室底部などエン
ジン内部に溜めておく必要はなく、次に説明する動作に
よって潤滑を要するエンジン内の各部分へオイル(オイ
ルミスト)が導入される。
【0027】すなわち、エンジンが始動されると、ピス
トン7の上昇行程でクランク室5内が負圧になるとオイ
ル供給装置21から歯車室31を介してクランク室5内
へオイル混合気(オイルと空気の混合物)が導入され
る。次いでピストン7の下降行程でクランク室5および
歯車室31内の圧力が上昇すると、逆止弁22が閉じて
オイル混合気の導入が停止するとともに、カムシャフト
駆動機構19が収納される伝動機構収納空間20との間
の逆止弁41が開き、クランク室5内のオイル混合気が
伝動機構収納空間20内へ圧送される。この伝動機構収
納空間20内に圧送されたオイル混合気は通口42を通
して動弁室15内に充填される。なお、オイルと空気の
混合物であるオイル混合気は歯車室31およびクランク
室5を通る間に攪拌されてミスト状(微細なオイル粒子
が浮遊する霧状)にされる。
【0028】前記動弁室15内に充填されたオイル混合
気は、該動弁室15から戻り通路27を通して前記オイ
ル供給装置21へ循環される。なお、前記戻り通路27
へ排出されるオイル混合気はオイル処理ユニット28で
所定の処理を経た後、そのオイル分はオイルタンク23
を介して再びオイル供給装置21へ送給される。このオ
イル供給装置21では前記オイルとエアクリーナー24
からの空気とが混合され、こうして調整されたオイル混
合気は再びクランク室5内へ供給され、前述と同様の経
路を循環される。
【0029】図3の第2実施例においても、前述のごと
くオイルと空気の混合物であるオイル混合気をクランク
室5および動弁室15を通して圧送循環させるので、ク
ランクシャフト6のメインベアリング部(主軸受部)、
コネクチィングロッド8の大端部および小端部、シリン
ダ部2のピストン摺動部、カムシャフト16の軸受部お
よびカム部、ロッカーアーム17、18の軸受部および
摺動部、吸排気弁13、14のバルブガイド部など、エ
ンジン内部のオイル潤滑を必要とする部分を全て適正に
潤滑することができる。
【0030】したがって、図3の第2実施例によって
も、前述の第1実施例の場合と実質上同じ効果を達成す
ることができる4サイクルエンジンが得られる。それに
加えて、図3の第2実施例によれば、オイル供給装置2
1からのオイル混合気が歯車室31を介してクランク室
5へ送給されるので、オイルと空気の混合物を前記歯車
室31内で回転するギア32によっても攪拌することが
でき、したがって、クランク室5へ供給される前の段階
でオイルと空気を充分に攪拌することが可能となり、オ
イル混合気の霧化(微細なオイル粒子が浮遊する霧状
化)を一層促進することができ、潤滑効率を向上させる
ことができるという効果が得られる。
【0031】なお、前記逆止弁22、26、41として
は、圧力に感応して機械的に開閉する弁の他、一方向に
は多くの混合気を流すが反対方向には少しの混合気しか
流さないような膜を用いる弁など、オイルと空気の混合
物であるオイル混合気を循環させるという目的を達成で
きる構造の弁(逆止弁)であれば、種々の型式の弁を使
用することができる。
【0032】さらに、エンジンが常時オイルを供給する
必要もないような低負荷低速で運転されている時には、
前記オイル供給装置21からのオイル混合気の供給を中
止したり、間欠的に供給したりするように制御してもよ
い。また、前記オイルタンク23から前記オイル供給装
置21へオイルを供給するためのオイルポンプを併設し
てもよい。
【0033】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、請求項
1の発明によれば、燃料供給装置から吸気弁で開閉制御
される吸気孔を通して燃焼室へ燃料混合気を供給すると
ともに、前記燃焼室から排気弁で開閉制御される排気孔
を通して排気する4サイクルエンジンにおいて、空気と
オイルを混合したオイル混合気をクランク室へ供給する
オイル供給装置と、前記クランク室から動弁室へ前記オ
イル混合気を導入するための連通路と、前記動弁室内の
オイル混合気を前記オイル供給装置へ戻すための戻り通
路と、を有し、ピストン行程運動による前記クランク室
の圧力変動を利用して、前記オイル供給装置から前記ク
ランク室へオイル混合気を吸入するとともに、該オイル
混合気を前記連通路を通して前記動弁室へ圧送し、さら
に該オイル混合気を該動弁室から前記戻り通路を介して
前記オイル供給装置へ戻すように動作するオイル循環方
式のエンジン潤滑系を備える構成としたので、エンジン
の姿勢がどのように変化しても所望箇所を良好に潤滑す
ることができ、全高を低減してコンパクト化を図ること
ができ、しかも、オイルポンプ等の圧送手段を省略で
き、構造の簡単化およびコストダウンを図ることがで
き、さらに、燃焼室に吸入される燃料混合気と潤滑用の
オイルとを完全に分離し、クローズド回路で構成される
潤滑系内でオイルを循環させることから、オイルの燃焼
を無くしてオイル消費を減少させることができ、排気中
の混入オイルを無くしてエンジンを環境に優しいものに
することができ、ピストン、排気弁、燃焼室及びマフラ
ー等におけるオイルの炭化付着を無くすることができる
4サイクルエンジンが提供される。
【0034】請求項2〜請求項5の発明によれば、請求
項1の構成に加えて、前記戻り通路に、前記動弁室から
前記オイル供給装置へ向かって順次、オイルクーラー、
油気分離器、フィルターおよびオイルタンクを設ける構
成、前記オイル供給装置と前記クランク室との間並びに
該クランク室から前記動弁室へ至る間のそれぞれに逆止
弁を設け、これらの逆止弁を通して前記オイル混合気を
圧送する構成、前記オイル供給装置から歯車室を介して
前記クランク室へオイル混合気を供給する構成、あるい
は、低負荷低速運転時には前記オイル供給装置からのオ
イル混合気の供給を中止する構成としたので、上記請求
項1による効果を一層効率よく達成することができる4
サイクルエンジンが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した4サイクルエンジンの第1実
施例のクランクシャフトに直角の面で切断した縦断面図
である。
【図2】図1中の線2−2に沿った縦断面図である。
【図3】本発明を適用した4サイクルエンジンの第2実
施例のクランクシャフトに平行な面で切断した縦断面図
である。
【符号の説明】 1 クランクケース部 2 シリンダ部 3 シリンダヘッド部 4 ヘッドカバー部 5 クランク室 6 クランクシャフト 7 ピストン 9 燃焼室 10 吸気孔 11 排気孔 12 燃料供給装置 13 吸気弁 14 排気弁 15 動弁室 16 カムシャフト 17 ロッカーアーム 18 ロッカーアーム 19 カムシャフト駆動機構 20 伝動機構収納空間 21 オイル供給装置 22 逆止弁 23 オイルタンク 24 エアクリーナー 25 連通路 26 逆止弁 27 戻り通路 28 オイル処理ユニット 31 歯車室 32 出力ギア 35 出力軸 36 被駆動ギア 38 開口 39 通口 40 通口 41 逆止弁 42 通口

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料供給装置から吸気弁で開閉制御さ
    れる吸気孔を通して燃焼室へ燃料混合気を供給するとと
    もに、前記燃焼室から排気弁で開閉制御される排気孔を
    通して排気する4サイクルエンジンにおいて、空気とオ
    イルを混合したオイル混合気をクランク室へ供給するオ
    イル供給装置と、前記クランク室から動弁室へ前記オイ
    ル混合気を導入するための連通路と、前記動弁室内のオ
    イル混合気を前記オイル供給装置へ戻すための戻り通路
    と、を有し、ピストン行程運動による前記クランク室の
    圧力変動を利用して、前記オイル供給装置から前記クラ
    ンク室へオイル混合気を吸入するとともに、該オイル混
    合気を前記連通路を通して前記動弁室へ圧送し、さらに
    該オイル混合気を該動弁室から前記戻り通路を介して前
    記オイル供給装置へ戻すように動作するオイル循環方式
    のエンジン潤滑系を備えることを特徴とする4サイクル
    エンジン。
  2. 【請求項2】 前記戻り通路に、前記動弁室から前記
    オイル供給装置へ向かって順次、オイルクーラー、油気
    分離器、フィルターおよびオイルタンクを設けることを
    特徴とする請求項1の4サイクルエンジン。
  3. 【請求項3】 前記オイル供給装置と前記クランク室
    との間並びに該クランク室から前記動弁室へ至る間のそ
    れぞれに逆止弁を設け、これらの逆止弁を通して前記オ
    イル混合気を圧送することを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の4サイクルエンジン。
  4. 【請求項4】 前記オイル供給装置から歯車室を介し
    て前記クランク室へオイル混合気を供給することを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の4サイクルエン
    ジン。
  5. 【請求項5】 低負荷低速運転時には前記オイル供給
    装置からのオイル混合気の供給を中止することを特徴と
    する請求項1〜4のいずれかに記載の4サイクルエンジ
    ン。
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