JP2736424B2 - 超音波診断用探触子用カプラー - Google Patents

超音波診断用探触子用カプラー

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JP2736424B2
JP2736424B2 JP63286520A JP28652088A JP2736424B2 JP 2736424 B2 JP2736424 B2 JP 2736424B2 JP 63286520 A JP63286520 A JP 63286520A JP 28652088 A JP28652088 A JP 28652088A JP 2736424 B2 JP2736424 B2 JP 2736424B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は超音波診断用に使用する探触子の先端に装着
し、人体の皮膚と超音波探触子の間の接触媒体となす新
規なゲル状弾性体カプラーに関する。
〔従来の技術〕
超音波診断法は、各種診断法の中でも他の装置と比較
して装置が安価であること、患者に対する負担がなく簡
単に実施出来る等の理由より多用されている。スキャン
の方式によりリニアー型、コンベックス型、セクター
型、トラペゾイド型があり、診断する部位及びその目的
により選択される。各スキャン方式により専用の探触子
が使用されるが、中でも、メカニカルセクタースキャン
方式と称し、大きなアパーチュア(超音波を送受信する
部位)から診断部位に強くフォーカスをかけることを特
徴とした方式があり、組織の微妙な変化も確実に診断す
ることが可能となっている。測定周波数により診断部位
は異なるが、特に乳腺、甲状腺、頸動静脈等、表在組織
の診断に大きな威力を持つものである。探触子の形状は
筒型であり、診断の際には、探触子の先端に診断部位に
応じた形状を有する合成樹脂製の容器を装着し、そこへ
脱気水を封入したいわゆる水袋を用いて診断を行ってい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、探触子の先端に脱気水を封入した容器
を装着する従来方法では、下記に述べる問題があった。
まず、脱気水の準備や、脱気水を容器に封入するという
操作は非常に煩雑であること、又、探触子の先端と脱気
水との界面にはどうしても若干量の空気が存在してしま
い、そのためノイズやアーチファクトが多く、鮮明な画
像が得られない場合があること、又、容器の皮膚接触面
と皮膚との間に界面空気層が存在しないようにゼリーを
塗布する必要がある等の問題がある。
〔課題を解決するための手段〕
上記問題を解決するため、本発明の超音波診断用探触
子用カプラーは、超音波診断用探触子のプローブに着脱
自在に形成されたゲル状弾性体カプラーであって、常温
で液体状態であるアルキレンオキサイド鎖を有するポリ
オール又は/及び常温で液体状態であるアルキレンオキ
サイド鎖を有するポリウレタンポリオールプレポリマー
と、常温で液体であるアルキレンオキサイド鎖を有する
ポリウレタンポリイソシアネートプレポリマーとを反応
させたポリウレタンゲルよりなることを特徴とするもの
であり、該カプラーを用いて診断を行うことにより、従
来よりはるかに鮮明な画像が得られ、又、他の煩雑な操
作も一切不要で操作性も大きく向上するものである。
〔作用〕
本発明は、ゲル状弾性体カプラーであるから超音波診
断用探触子のプローブに簡単に取り付けができ、しかも
診断を行なおうとする部位に移動がしやすく、従来のも
のより、ノイズやアーチファクトが少なく鮮明な画像が
得られるものである。
又、本発明のカプラーはゲル状弾性体であるため、皮
膚に馴染みやすい。
又、本発明のカプラーはポリウレタンゲルから成るも
のであり、さらに詳しくは、常温で液体状態であるアル
キレンオキサイド鎖を有するポリオール又は/及び常温
で液体状態であるアルキレンオキサイド鎖を有するポリ
ウレタンポリオールプレポリマーと常温で液体であるア
ルキレンオキサイド鎖を有するポリウレタンポリイソシ
アネートプレポリマーを反応させてなるポリウレタンゲ
ルの弾性体カプラーであるから、人体の組織(骨、肺を
除く)の超音波伝播速度に非常に近い超音波伝播速度を
有しており、また周波数の依頼性も少ない。
又、超音波エネルギーの減衰が比較的小さく、人体の
組織とほぼ等しい音響インピーダンスを有しており、超
音波診断時のノイズ、アーチファクト(Artifact)が少
ない。又、本発明ゲルは極めて柔軟な低モジユラス体で
あるから、人体表面の平面はもちろん複雑な凹凸部にも
容易に密着・接着できるものである。
しかも、保型性がよく、変形にもよく耐え、容易に元
の形に復するもので、引っ張り、引っ掻き摩耗にもよく
耐え、多数回の使用が可能であり、経済的である。さら
に長時間の人体の接触においても皮膚に対してアレルギ
ー反応を起こさず皮膚を刺激せず、かつゲル状弾性体内
部からブリードアウトして皮膚面に付着する物質がな
い。
また、本発明のポリウレタンゲルのカプラーは、常温
で液体状態のアルキレンオキサイド鎖をセグメントとす
る一成分系のゲルであって、この液体状態のアルキレン
オキサイド鎖のセグメントによって常に一定したゲル状
態を維持できるものであり、粘度調整用の希釈剤(例え
ば可塑剤や鉱物油等)を一切含まないものであるから、
希釈剤のブリードアウト等によって経時的な超音波特性
や物理的、化学的物性の変化がない等の特徴を有するも
のである。
次に、本発明の一成分系のゲル状弾性体の詳細を以下
に記述する。
本発明に用いる常温で液状であるポリエチレングリコ
ール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)等のア
ルキレンオキサイド(AO)をセグメントに有するセグメ
ントポリウレタンのゲル状弾性体は例えば下記の構造式
のポリエーテル成分(I)〜(IV)とポリイソシアネー
ト成分(V)〜(VIII)を単独又は混合して反応するこ
とによって得られる。
これら各々のプレポリマーは−OH基又は−NCO基の官
能基を有しており、この官能基が反応して粘着性を有す
る貫入型(Interpenetrated Network)のセグメントポ
リウレタンが形成される。
ここで構造式(I)〜(IV)のポリオールとしてのプ
レポリマーについて記述する。
構造式(I)はポリエーテルポリオールとジイソシア
ネートの反応物であるポリウレタンポリオールプレポリ
マーである。両末端成分がポリエーテルポリオールから
なり、両末端は−OH基である。ここで使用されるジイソ
シアネート化合物は後に記載のポリウレタンポリイソシ
アネートのプレポリマーの中のそれと同じものである。
例えばφ−フェニレンジイソシアネート、2,4−トルイ
レンジイソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート(MDI)、ナフタリン1,5−ジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、
テトラメチレンジイソシアネート(TMDI)、リジンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、
水添加TDI、水添加MDI、ジシクロヘキシルジメチルメタ
ンp,p′−ジイソシアネート、ジエチルフマレートジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)な
どが任意に使用できる。
構造式(II)はグリセロール(l=1)またはソルビ
トール(l=4)にポリエーテルポリオールを付加(ad
duct)したものである。(III)はトリメチロールプロ
パンにポリエーテルを付加したものである。同様に1,2,
6−ヘキサントリオール トリメチロールエタン ペンタエリスリットC(CH2OH)4やポリグリセリン n=2〜30の正の整数〕やその部分エステルなどの多価
アルコールとポリエーテルポリオールの付加物も使用で
きる。
この場合(AO)はホモポリマーであってもブロックコ
ポリマーあるいはランダムコポリマーであってもよい。
構造式(IV)はアルキレンオキサイド鎖を有するポリエ
ーテルポリオールであり、両末端が−OH基の場合と、片
末端がアルキル基、芳香族基などが封鎖されている場合
があり、市販品として容易に入手できる。
(但し、R1、R2はアルキル化合物、脂環式化合物、芳香
族化合物のいずれかであり、(AO)はアルキレンオキサ
イド鎖である。) (但し、(AO)はアルキレンオキサイド鎖であり、Rは
水素原子もしくは、アルキル化合物、脂環式化合物、芳
香族化合物のいずれか、lは1または4の整数であ
る。) (但し、Rはアルキル基、脂環式化合物、芳香族化合物
のいずれかであり、(AO)はアルキレンオキサイド鎖、
lは1または4の整数である。) また、ポリイソシアネートプレポリマーは(V)〜
(VIII)の式で表される。(V)−1,(V)−2はトリ
メチロールプロパン、グリセロールにジイソシアネート
と反応して得られるトリイソシアネートの2分子を(A
O)の1分子で2量化したもので4官能であるテトライ
ソシアネートである。トリメチロールプロパンの代わり
にグリセロールを用いたものが(V)−2である。この
種のテトライソシアネートは(AO)の2分子又は3分子
とトリイソシアネートの2分子との反応では得られない
ので(AO)の量を化学等量より少なくして反応を微妙に
調節する必要がある。そのため未反応のトリイソシアネ
ートが混在するが、これがポリオールと反応した場合に
セグメントポリウレタン分子の大きさにバラツキが生
じ、ゲル状弾性体の柔らかさをコントロールするのに都
合のよい方に作用することもある。(VI)はポリオール
である(II)にジイソシアネートを反応したものであ
り、3官能か6官能である。(VII)はポリエーテルポ
リオールとジイソシアネートの反応物で2官能である。
次に本発明に適する構造式中(AO)で表記されるアル
キレンオキサイド鎖について記述する。アルキレンオキ
サイド鎖は本発明のセグメントポリウレタンが常温でゲ
ル状弾性体を呈する半固体状、半液体状の低モジュラス
構造体となるために常温で液体でなければならない。つ
まり、その全てのセグメントが常温で液体であることが
最も望ましいが、そのほとんどが液体である場合もまれ
には良い。すなわち、もしそのほとんどが固体であれ
ば、セグメントの分子運動が少なく、系の構造化(ゲル
化)の分散媒として働かない。また、そのわずかの部分
が固体であってもこれが他の液体のセグメントの分子の
自由な運動を束縛するように働く場合はゲル状物質とな
らない。
しかし、わずかの部分が固体であっても、これが他の
液体のセグメントの分子の自由な運動を束縛しなけれ
ば、系全体は見掛け上、ゲル状を呈する場合がある。全
てのセグメントが液状で構成されている場合がゲル状物
を最も得やすいので、ゲル状物を常に得るためには、本
発明の構造が最も適しているものである。
アルキレンオキサイド鎖を構成する化合物は、例えば
ポリメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、ポリペンタメチレングリコール、ポリヘキサメチレ
ングリコール、ポリヘプタメチレングリコールなどが挙
げられる。このうち常温で液状物質で入手し易いものは
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
低分子量のポリテトラメチレングリコールである。また
これらの共重合体例えば で表されるポリマーも使用できる。これらの共重合体は
ブロックポリマー、ランダムコポリマーのいずれであっ
てもよい。また、一つのプレポリマー中のセグメントが
異なった種類のアルキレンオキサイド鎖で構成されてい
てもよい。
アルキレンオキサイド鎖が常温で液状の物質でなけれ
ばならないから、分子量の上限が規制される。逆に分子
量が低く、液状であってもあまり低すぎる場合は架橋点
間の距離が短く、セグメントの分子運動が抑制されるこ
と、全体として架橋密度が高くなる必然性が生ずるの
で、構造化されたものは半液状、半固体状のゲル状弾性
体ではなく、固体状のエラストマーとなりやすい。この
ため、分子量の下限にも規制がある。ポリエチレングリ
コールはNW:150〜800、好ましくは200〜600である。ポ
リプロピレングリコールは分子量が数万でも依然として
液体であるから、使用できる範囲は広いが、あまりに長
鎖であれば末端の官能基の比率が小さくて反応の確率が
低くなる。そのためゲル化には理論量よりかなり多くの
ポリオールを混合する必要がある。しかし、これによっ
て生ずるものは、流動性に富み、保型性が乏しく、著し
く粘着性を有したものであり、ゲル状弾性物質は言い難
いものである。それ故、好ましくは200〜30000の範囲が
使用できる。ポリテトラメチレングリコールは重合度が
大きいと固体となるために大略MW200〜1000、好ましく
は400〜800の範囲で使用できる。また、これらの共重合
は分子量が数百〜数千の範囲で使用できる。
さて、ポリオールとポリイソシアネートの反応比につ
いて以下に記述する。経験的に言えば、本発明のゲル状
に構造化された分子集合体は、比較的嵩高い構造の分子
が適当な分子量を有し、且つ自由に運動可能であるセグ
メント長、または直鎖(linear)の末端が自由に動ける
分子を多く有していることが必要である。従って、ポリ
オールとポリイソシアネートは各々が単一化合物であれ
ば一方が2官能で、他の一方が3官能以上の化合物の組
み合わせである必要がある。どちらかが1官能であれば
連鎖しない。
2官能同士では直鎖分子となり、適当ではない。つま
りどちらか一方が2官能で他が3官能以上の多官能であ
るか、互いに3官能以上の組み合わせが良い。但し、い
ずれもあまり官能数が大きすぎるもの同士の反応物は網
目鎖濃度が高くなるので、ゲル化には長い液状のセグメ
ントが必要になる。しかし、セグメントの長さにはセグ
メントが常温で液状である必要と、反応の確率の問題か
ら限度がある。ゲル体が得られ易い官能基数は2〜4の
組み合わせであり、殊に2官能と3官能の組み合わせが
配合上調節し易い。
この場合、ゲルの柔らかさ、弾性等の物理的性質の微
調整のために官能基が一つのものを内部分散媒として混
合して使用できる。また、ポリオール、ポリイソシアネ
ートプレポリマーの(AO)鎖がかなり長いものばかりの
場合は、多官能の多価アルコール、又は多価イソシアネ
ート(いずれも(AO)セグメントをもたない)を混用し
て網目鎖形態を調節してゲル体を得るように工夫しても
よい。
ポリオールとポリイソシアネートの各々のプレポリマ
ーの反応比は末端の官能基の比率すなわちOH/NCOの価に
よって規制できる。未反応の−NCOが残ると後反応が生
じるのでOH/NCOは1以上でなければならない。
但し、本発明の主旨がゲル形成物質と分散媒が同一ポ
リマーの分子中で共有結合した状態にある一成分からな
るゲルの系であるから、基本的にOH/NCOが1であるか、
それに近い値のものである。しかしプレポリマー同士の
反応であるため、実際には反応の確率を考慮すれば、ゲ
ル化の根拠が本発明の本質を逸脱しないものであるなら
ば1よりやや大きいものも含まれる。
しかし分散媒として働き、ネットワークを膨潤する程
の多重に余分のポリオール成分を用いたり、可塑剤など
の添加によらないとゲル化しないような2成分系のゲル
は本発明の意とするものではない。経験的にはOH/NCOが
1.0〜1.5の範囲で本質的に本発明に合致するゲルが得ら
れる。但し、場合によっては分子の形状による反応の確
率、分子集合体のモルホロジー的挙動が原因で2〜3の
範囲でも、物性的には本発明のゲルと同じような見掛け
の挙動を示すものも得られる。しかし、この場合は経時
的なプリードアウト成分があることが懸念されるもので
あり、OH/NCOが1に近いものと比較して総合的なゲルと
しての物性が劣るものであるから、本発明の本意とする
ものではない。
本発明の本質的に一成分系からなるゲルを構成するポ
リオールとポリイソシアネートの分子量の範囲は(A
O)、イソシアネートの種類、分子形状および(AO)が
ホモポリマーであるか、コポリマーであるかによって広
い範囲で変わるが、ポリウレタンポリオールプレポリマ
ーで大略1400〜10000、ポリオールで大略150〜6000、ポ
リウレタンポリイソシアネートプレポリマーは大略500
〜10000であるが、好ましくは各々大略1000〜6000、200
〜3000、800〜5000の範囲で選択できる。
尚、ポリオールとポリイソシアネートの反応の触媒と
して、例えばジブチル錫ジラウレートやトリアルキルア
ミン、トリエチレンジアミンなどの第3級アミンを適量
(およそ0.01〜1.0%)加えることで反応速度を調節し
てもよい。
また、本発明のゲル状弾性体は、ポリオール成分とポ
リイソシアネート成分とを反応させるいわゆる二液型の
ポリウレタンであるため、所定の形状の注形型を作成
し、そこへ該二成分を混合、注形、硬化させることによ
り、本発明の目的とするような微細かつ複雑な形状にも
成型可能である。
以上詳述したように、本発明のゲル状弾性体カプラー
は先に述べた超音波診断用探触子と皮膚との探触触体と
しての条件を実用上ほぼ問題なく満たしており、本発明
の目的に好適に使用可能なゲル状弾性体カプラーであ
る。
(実施例) 次に、本発明を実施例により更に詳しく説明する。
<実施例1> ポリプロピレングリコール(PPG、MW:100)の両端に
ポリエチレングリコール(PEG、各々MW:335)が結合し
たPPG−PEGブロック共重合体100部(以下重量部で示
す)、モノメトキシポリエチレングリコール(MW:400)
33部の夫々常温で液体のポリエーテルポリオールに対し
て、PPG−PEGブロック共重合体をグリセリンに付加した
化合物にヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)を反
応して得られた常温で液体のポリエーテルポリオールを
セグメントに有するトリイソシアネート(MW:3100)140
部と低分子量のジイソシアネート(商品名 デュラネー
トD201旭化成株式会社製)13部、および触媒としてのジ
ブチル錫ジラウレート0.1部を加え、よく攪拌して混合
した。次いで、これを減圧下に完全に脱泡して所定の型
に投入し、60℃にて、二昼夜放置することにより、第1
図に示すような形状のゲル状弾性体カプラーを得た。第
1図は本発明のカプラーの斜視図であって、1はカプラ
ー本体である。大きさは高さ約8cm,上部の巾は5cm×6cm
である。2は超音波診断用探触子のプローブ(不図示)
を挿入するための凹部、大きさは32φmmである。該凹部
の形状はプローブの形状と同一形状のもので、特に凹部
の最深部にはプローブが密着,密接するように形成され
ている。又、3は診断を行う部位に隙間なく密接するよ
うに形成された凹凸のない平滑部であって、略逆台形と
なっている。第2図は平面図であり、第3図は第2図X
−X線切断断面図である。このゲル状弾性体[OH]/
[NCO]は1.04である。この形状は、甲状腺の診断に最
適なように設計されたものである。このゲル状弾性体カ
プラーは表面が粘着性を帯びており、人体の肌の凹凸に
よく密着する利点を有している。該ゲル状弾性体カプラ
ーを先端に装着した探触子を用い、周波数7.5MHzにて甲
状腺の診断に使用した。その結果、アーチファクト、ノ
イズの極めて少ない鮮明な画像が得られた。これは、接
触媒体としてのゲル状弾性体が歪の極めて少ない状態で
注型、硬化されたためと思われる。また組成からみても
わかるように、実際にブリードアウトするような可塑剤
などの低分子化合物がなく、つまり、肌に付着するもの
がないので、衛生的である。そして、空気中で乾燥する
こともない。また、伸縮性があり柔軟で、表面の耐引っ
掻き性、耐摩耗性も非常に優れたものである。
<実施例2> ポリエチレングリコール(PEG、MW:600)36部、モノ
メトキシポリエチレングリコール(MW:400)34部の夫々
常温で液体のポリエーテルポリオールに対して、トリメ
チロールプロパンにポリプロピレングリコールを付加
し、これにキシリレンジイソシアネート(XDI)を反応
したトリイソシアネート(MW:1606)76部、及び触媒と
してジブチル錫ジラウレート0.3部を加えた実施例1と
同法にて第4図に示した形状のゲル状弾性体を得た。第
4図は本発明のカプラーの斜視図であって、実施例1の
ものより横長の形状であるだけで他は略同様のものであ
る。第5図は第4図のカプラーの平面図、第6図は第5
図Y−Y切断断面図である。この形状は乳腺の診断に最
適なように設計されたものである。このゲル状弾性体の
7.5MHzの超音波の伝播速度は1500m/secであり、人体の
それに非常に近い値であった。メカニカルセクター探触
子の先端にこのゲル状弾性体カプラーを装着し、7.5MHz
にて乳腺の診断を実施したところ、やはり、アーチファ
クト、ノイズの極めて少ない良質の画像が得られた。
尚、本ゲル状弾性体の[OH]/[NCO]の値は1.44であ
り、(AO)/(XDI)=3.6(重量比)である。
<実施例3> PEG100−PPG2000−PEG100(MW:2200)のブロック共重
合体110部と、メトキシポリエチレングリコール(MW:40
0)80部の常温で液体のポリエーテルポリオールに対し
てグリセリンにプロピレングリコールを付加し、更にキ
シリレンジイソシアネートを反応したトリイソシアネー
ト(MW:1564)120部及び触媒としてジブチル錫ジラウレ
ート0.2部を加え実施例1と同法にて第7図に示した形
状のゲル状弾性体カプラーを得た。第7図は本発明のカ
プラーの正面図で実施例1と異なるのは、平滑部が曲面
を成している点である。第8図は第7図のカプラーの平
面図、第9図は第7図カプラーの側面図を示す。この形
状は、頸動静脈の診断に最適なように設計されたもので
ある。本ゲル状弾性体の[OH]/[NCO]は1.30であ
り、(AO)/(XDI)=6.5(重量比)である。本ゲル状
弾性体カプラーは実施例1,2よりは疎水性であるが、探
触子の先端にこのゲル状弾性体を装着し、7.5MHzにて頸
動静脈の診断を実施したところ、やはり、従来の合成樹
脂製の水袋を使用した場合よりもはるかにアーチファク
トレス、ノイズレスの良質の画像が得られた。
以上のように本発明のゲル状弾性体カプラーは常温で
液状のアルキレンオキサイド(AO)をセグメントに有す
る一成分系のゲルであり、組成物を超音波診断用探触子
に装着し、診断を行うと、ノイズ、アーチファクトのな
い鮮明な画像が得られ、又、各実施例に示したように、
あらゆる形状に簡単に成型することが可能である。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明のゲル状弾性体カプラーを
超音波診断用探触子に装着し、診断を行うと、従来の脱
気水を封入した容器を装着したものと比べてノイズ、ア
ーチファクトの少ないより鮮明な画像が得られ、又、脱
気水を準備かつ容器に封入する手間が不要となる等操作
性も大きく向上する。
しかもこのゲル状弾性体カプラーは、常温で液体状態
のアルキレンオキサイド鎖を有するポリオール成分と、
同じく常温で液体状態のアルキレンオキサイド鎖を有す
るイソシアネート成分を反応させた一成分系のポウレタ
ンゲルよりなるものであって、水やオイル状の有機物質
等を全く含まないものであるから、水やオイル状の有機
物質がブリードアウトする可能性が全く無いため、貯蔵
安定性に極めて優れ、繰り返し使用性も高く、皮膚への
刺激等の悪影響もないという極めて優れた特徴を有す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すカプラーの斜視図、第
2図は該カプラーの平面図、第3図は第2図X−X線切
断断面図、第4図は本発明の他の実施例を示すカプラー
の斜視図、第5図は第4図のカプラーの平面図、第6図
は第4図Y−Y線切断断面図、第7図は本発明のさらに
別の実施例を示すカプラーの正面図、第8図は第7図の
カプラーの側面図、第9図は第7図のカプラーの平面図
である。 1…カプラー、2…凹部、3…平滑部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 棒谷 英和 大阪府大阪市東区安土町2丁目30番地 タキロン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−288840(JP,A) 特開 昭61−288841(JP,A) 実開 平1−300935(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超音波診断用探触子のプローブに着脱自在
    に形成されたゲル状弾性体カプラーであって、常温で液
    体状態であるアルキレンオキサイド鎖を有するポリオー
    ル又は/及び常温で液体状態であるアルキレンオキサイ
    ド鎖を有するポリウレタンポリオールプレポリマーと、
    常温で液体であるアルキレンオキサイド鎖を有するポリ
    ウレタンポリイソシアネートプレポリマーとを反応させ
    たポリウレタンゲルよりなることを特徴とする超音波診
    断用探触子用カプラー。
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