JP2735161B2 - 熱間鍛造用高強度・高靭性非調質鋼 - Google Patents

熱間鍛造用高強度・高靭性非調質鋼

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Description

【発明の詳細な説明】 「発明の目的」 (産業上の利用分野) 本発明は熱間鍛造後非調質のままで自動車部品その他
の機械部品として使用する高強度・高靭性非調質鋼の組
成に関するものである。 (従来の技術) 自動車部品、その他多くの機械部品は、一般的には棒
鋼から熱間鍛造により成型され、その後焼入、焼戻(調
質)処理されてから切削加工される。しかしこのような
製造工程においても、省エネルギーもしくは製造コスト
の引き下げを目的として熱処理を省略し、V,Ti等の微量
添加元素を活用したフエライト+パーライト系の非調質
鋼や、Cr,MnあるいはBを活用したベイナイト系の非調
質鋼等が開発され提案されている。前者の例としては特
開昭59−100256があり、VNの活用により高強度化を、Ti
Nの活用により高靭性を図っているが、C量が重量で0.2
0〜0.40%(以下単に%という)と高いために高靭性化
には限界があった。又、後者の例としては、特開昭61−
19761、同昭61−103161、同昭61−139646、並びに「製
鉄研究」第320号(1986)に発表された「熱間鍛造用非
調質強靭棒鋼」等の論文等があり、確かに高強度は得ら
れているものの、靭性の点ではTiNを活用したフエライ
ト+パーライト系と同等かそれ以下のレベルであった。
又、上記中特開昭61−139646はベイナイト系ではある
が、熱間鍛造後に熱湯冷却を施しており熱処理が完全に
省略されたものではなく、製造工程もしくは製造コスト
の点で問題のある技術であったことは否めない。 このように、従来の非調質鋼は、若干の靭性の改善は
認められるものの材質に求められる強度、靭性が安価に
得られるものとは言えず、高強度・高靭性が要求される
機械部品の全部にこれらが適用されるには至っていな
い。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明は、上述した従来技術の現状に鑑み創案された
ものであり、熱間鍛造後空冷もしくは放冷のままで、全
く熱処理を必要としない安価でより高強度・高靭性の得
られる非調質鋼の組成を提供することを目的としてい
る。 (問題点を解決するための手段) (1) 重量%で C:0.02%以上で0.05未満 Si:0.10〜1.00% Mn:1.00〜3.50% Cr+Mn:2.00〜5.50% V:0.03〜0.20% Ti:0.005〜0.015% B:0.0003〜0.0030% Al:0.01〜0.05% N:0.0060%以下 を含み、残部はFeおよび不可避的不純物よりなる熱間鍛
造用高強度・高靭性非調質鋼。 (2) 重量%で C:0.02%以上で0.05未満 Si:0.10〜1.00% Mn:1.00〜3.50% Cr+Mn:2.00〜5.50% V:0.03〜0.20% Ti:0.005〜0.015% B:0.0003〜0.0030% Al:0.01〜0.05% N:0.0060%以下 を含み更に Ni:1.0%以下 Cu:1.0 %以下 Mo:0.50%以下 Nb:0.05%以下 の一種もしくは二種以上を含み残部はFeおよび不可避的
不純物よりなる熱間鍛造用高強度・高靭性非調質鋼。 に関するものであり、従来の同一目的に使用される非調
質鋼よりも安価で、高強度・高靭性の熱間鍛造用非調質
鋼が得られるものである。 (作用) 本発明者等は、先ず、従来の熱間鍛造用の非調質鋼に
比較し、より高靭性の材料を開発すべく予備試験の供試
材としてC:0.02〜0.22、Si:0.10〜1.00%、Mn:0.60〜3.
50%、Cr+Mn:1.40〜5.50%、Ti:0〜0.030%、B:0〜0.0
030%、Al:0.01〜0.05%、N:0.0060%以下、Ni:0〜1.0
%、Cu:0〜1.0%、Mo:0〜0.5%、V:0〜0.20%、Nb:0〜
0.05%を含み、残部はFeからなる鋼を用いて、60mm直径
の棒鋼とし、この棒鋼を1250℃に加熱後、30mm直径に熱
間鍛造し、放冷して試験片を採取して機械的諸性質を調
査した。 第1図は、該供試材における強度、靭性におよぼすC
量の影響を示す図であり、縦軸にシャルピー衝撃値(uE
20)を横軸に引張強度(TS)をとったものである。 図から了解できるように、強度と靭性のバランスにお
よぼすC量の影響は極めて大きく、C量を0.02〜0.05%
未満の範囲とすることで低炭素ベイナイト組織が出現
し、良好な強度、靭性のバランスが認められた。以上の
知見をもとに更に研究、開発を進め本発明鋼に創案した
ものであり、本発明鋼を用いることにより熱間鍛造後放
冷のままで引張強度(TS)80kg・f/mm2以上、20℃にお
けるシャルピー衝撃値(uE20)12kgf・m/cm2以上が得ら
れることを確認した。 また本発明ではTiを0.005%以上添加して鋼中Nを固
定するが、その上限を0.015%としてTiNを減少させ、靭
性向上を図る。 次に本発明の添加元素の数値限定の理由を説明する。 C :強度、靭性に大きな影響を及ぼす元素である。しか
し、0.02%未満では十分な強度が得られず、0.02%以上
の添加が必要であり、又、0.05%以上となると高靭性が
得られないのでこれを上限とした。 Si:脱酸に必要な元素であり、同時に強化元素でもあ
る。0.10%未満では充分な脱酸効果が得られず、一方1.
00%を越すと靭性を損うためこれを上限とした。 Mn:C,Crと同様に強度、靭性に大きな影響を与える元素
である。1.00%未満では十分な強度、靭性が得られず、
そのため1.00%以上の添加を必要とする。3.50%を越す
と靭性を損う場合があり、これを上限とした。 Cr:C,Mnと同様に強度、靭性の確保に大きな影響を与え
る元素である。しかし、Cr+Mn量が2.00%未満では強度
ぎ不足するのでこれを下限とし、又、その合量が5.50%
を越えても効果は上がらずコスト面の不利を招くことに
なるのでこれを上限とした。 V :強力な強化元素であり、高強度を得るには不可欠の
元素である。0.03%未満では充分な強度が得られず、そ
のため0.03%を下限とし、又、0.20%を越えると靭性を
損うことがあるので0.20%を上限とした。 Ti:鋼中のNを固定し、Bの持つ焼入性向上に効果のあ
る元素である。0.005%未満ではNを固定する効果が充
分でなく、又、0.015%を越えて添加しても効果は飽和
し、むしろ過剰のTiNの生成により靭性を損うことがあ
るので、0.015%を上限とした。 B :焼入性を向上させる効果を有する元素である。0.000
3%未満ではその効果は少なく、又、0.0030%を越えて
添加しても効果は飽和するのでこれを上限とした。 Al:強力な脱酸効果を持つ元素である。しかし0.01%未
満では効果が認められず、0.05%を越えて添加しても効
果は飽和するのでこれを上限とした。 N :0.0060%を越すとNを固定させるために必要なTiの
量を多くする必要があり、生成する大量のTiNは鋼の靭
性を低下せしめるのでこれを上限とした。好ましくは0.
0050%以下である。 以上数値限定の理由を列記した各成分組成で本発明の
目的は達成できるのでこれを特許請求の範囲第1項とし
た。より強度、靭性の向上に寄与するものとしてこれに
併せて添加しうるものとして下記の元素がある。 Ni:高強度、靭性を向上させるのに有効な元素である。
しかし、経済的な面から上限を1.0%とした。 Cu:Niと同様な添加の効果があるが経済的な面から上限
を1.0%としと。 Mo:添加の効果はNi,Cuと同一であるが、経済的な面から
0.5%を上限とした。 Nb:強力な強化元素である。しかし0.05%を越えると靭
性を損うので0.05%を上限とした。 これらの元素は夫々独特の効果を有するので、1種も
しくは2種以上を鋼材の用途に合せて添加することがで
きるからこれを特許請求の範囲第2項とした。 又、本発明の熱間鍛造用高靭性非調質鋼は、0.07%ま
でのSもしくは0.3%までのPbを添加することによりTi
を0.015%以下とすることとも相俟って該鋼の被削性を
適切に向上させることも可能である。 尚、本発明鋼の熱間鍛造の条件については、特別制御
すべき条件は全く無く、通常の加熱条件で加熱し鍛造す
ることにより充分な特性が得られる。 冷却条件についても、800〜400℃変態区間を150〜12
℃/minの空冷もしくは放冷により、低炭素ベイナイト組
織を有する、期待する高靭性非調質鋼が得られる。 (実施例) 供試鋼は、夫々真空溶解炉で150kgづつ溶製し鋼塊と
した後90mmの棒鋼に鍛造、更にこれを自動車のフロント
アクスルIビームに熱間鍛造し空冷(800〜400℃の平均
冷却速度30℃/min)した。このフロントアクスルIビー
ムから引張試験片、衝撃試験片を切り出して機械的性質
を測定した。第1表は、供試鋼の化学成分を示すもの
で、No.1〜No.13が本発明鋼、No.14〜No.18が効果を比
較するために行った従来公知の非調質鋼である。第2表
は、前表の各供試鋼の機械的性質を示したものであり、
No.1〜No.13の本発明鋼がいずれもTS≧80kg・f/mm2、uE
20≧12kgf・m/cm2の良好な強度、靭性を示しており、第
1図の予備試験データと良く一致していることがわか
る。尚、第1図における●印は第2表に記載の本発明鋼
を、▲印は同表の比較鋼を示す。本発明鋼に対し比較鋼
No.14はTi,Bを含有しておらず、そのため強度がTSで約7
5kg・f/mm2と低くなっており、又、比較鋼No.15はMn,Cr
を多く含有しており、高強度、高靭性は満足しているも
のの経済的には難点がある。比較鋼16はVを含有してい
ないことから高靭性であるとしても強度的に不充分であ
り、また比較鋼No.17、No.18はいずれもC量が高く衝撃
試験による吸収エネルギーが本発明鋼に比較して低いこ
とがわかる。 (発明の効果) 以上詳述したように、本発明による場合には熱間鍛造
後の熱処理を全く必要とせず空冷もしくは放冷するのみ
でTS値で80kg・f/mm2以上の高強度とuE20値で12kgf・m/
cm2以上の従来の非調質鋼より優れた高延、靭性値を有
する非調質鋼を比較的安価に製造することができるか
ら、高強度、高靭性を必要とする自動車部品(足回り用
の高性能の機械部品を含む)、その他の機械部品に広く
適用せしめることができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は非調質鋼における強度・靭性におよぼすC量の
影響を示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大鈴 弘忠 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 田川 寿俊 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−238941(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.重量%で C:0.02%以上で0.05未満 Si:0.10〜1.00% Mn:1.00〜3.50% Cr+Mn:2.00〜5.50% V:0.03〜0.20% Ti:0.005〜0.015% B:0.0003〜0.0030% Al:0.01〜0.05% N:0.0060%以下 を含み、残部はFeおよび不可避的不純物よりなる熱間鍛
    造用高強度・高靭性非調質鋼。 2.重量%で C:0.02%以上で0.05未満 Si:0.10〜1.00% Mn:1.00〜3.50% Cr+Mn:2.00〜5.50% V:0.03〜0.20% Ti:0.005〜0.015% B:0.0003〜0.0030% Al:0.01〜0.05% N:0.0060%以下 を含み更に Ni:1.0%以下 Cu:1.0%以下 Mo:0.50%以下 Nb:0.05%以下 の一種もしくは二種以上を含み、残部はFeおよび不可避
    的不純物よりなる熱間鍛造用高強度・高靭性非調質鋼。
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